JP2014002081A - 温度検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】第1の感温ダイオードT1#(#=p,n)の検出値である第1の電圧降下量Vf1や、第2の感温ダイオードT2#の検出値である第2の電圧降下量Vf2に含まれる誤差を精度よく算出できる温度検出装置を提供する。
【解決手段】第1のスイッチング素子S1#及び第2のスイッチング素子S2#の駆動前において、差動増幅回路26によって第1の電圧降下量Vf1及び第2の電圧降下量Vf2の差に応じた値を算出する。そして、算出された値をコンパレータ28及びキャリア生成回路34によって時比率信号に変換し、変換された時比率信号をインターフェース18を介して制御装置14に伝達させる。そして、制御装置14において、伝達された上記時比率信号に基づき第1の電圧降下量Vf1及び第2の電圧降下量Vf2の誤差を算出する。そして、算出された誤差に基づきパワーセーブ処理で用いる閾値温度を更新する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、複数の温度検出対象のそれぞれに対応して設けられ、該温度検出対象の温度を検出する温度検出手段を備える温度検出装置に関する。
従来、下記特許文献1に見られるように、所定の温度検出対象(例えば、半導体スイッチング素子)の温度を検出する温度センサについて、その検出値を較正する技術が知られている。この技術について説明すると、まず、温度センサが内蔵される製品の製造工程において、相違する一対の温度のそれぞれに対応した温度センサの検出値等のデータを取得する。そして、取得されたデータに基づき、温度センサの検出値を較正するための較正用データを算出し、算出された較正用データを製品内の回路基板に実装された不揮発性メモリに記憶させる。
こうした構成によれば、不揮発性メモリに記憶された較正用データに基づき温度センサの検出値を較正することができる。これにより、温度センサの検出値に含まれる誤差が温度検出対象の温度の把握に及ぼす影響を抑制することができる。
特開2008−197011号公報
ここで、製品の出荷後、較正用データがなくなったり、較正用データが適切なデータではなくなったりすることがある。これは、例えば、製品に故障が生じ、製品の修理工場において不揮発性メモリが実装された回路基板が交換されたり、製品に経年劣化が生じたりすることで生じる。この場合、温度センサの検出値に含まれる誤差が温度検出対象の温度の把握に及ぼす影響を抑制できなくなるおそれがある。こうした問題に対処する上では、例えば製品の出荷後においても、温度センサの検出値に含まれる誤差を算出可能な技術が要求される。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、上記検出値に含まれる誤差を算出することのできる新たな温度検出装置を提供することにある。
上記課題を解決すべく、請求項1記載の発明は、複数の温度検出対象(S1#,S2#;#=p,n)のそれぞれに対応して設けられ、該温度検出対象の温度を検出する温度検出手段(T1#,T2#)と、複数の前記温度検出対象のそれぞれの温度が互いに同一であると想定される状況下、複数の前記温度検出手段の検出値(Vf1,Vf2)同士の差(ΔVf)に応じた値を算出する第1の算出手段(26)と、前記第1の算出手段によって算出された前記差に応じた値に基づき、前記温度検出手段の検出値に含まれる誤差を算出する第2の算出手段(14)と、を備えることを特徴とする。
温度検出手段の検出値に誤差が含まれている場合、複数の温度検出対象のそれぞれの温度が互いに同一である状況下における上記検出値同士の差に応じた値は、当初想定した値からずれ得る。このため、複数の温度検出対象のそれぞれの温度が互いに同一である状況下における上記差に応じた値は、上記検出値に含まれる誤差を把握するためのパラメータとなる。この点に鑑み、上記発明では、第1の算出手段及び第2の算出手段を備えた。このため、温度検出手段の検出値に含まれる誤差を精度よく算出することができる。これにより、例えば、上記検出値を用いた温度検出対象の温度に関する処理を適切に行うことができる。
さらに、上記発明によれば、例えば、上記特許文献1に記載された技術と異なり、温度検出装置の出荷後において、この装置の内部部品等が交換されたり、この装置に経年劣化が生じたりする場合であっても、上記誤差を算出することもできる。
第1の実施形態にかかるシステム構成図。 同実施形態にかかるスイッチング素子の温度検出に関する構成を示す図。 同実施形態にかかるパワーセーブ処理の手順を示す流れ図。 同実施形態にかかる誤差範囲の概要を示す図。 同実施形態にかかる閾値温度更新処理の手順を示す流れ図。 同実施形態にかかる閾値温度更新処理の一例を示すタイムチャート。 第2の実施形態にかかる異常判断処理の概要を示す図。 その他の実施形態にかかるインバータに接続される回路基板を示す平面図。
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる温度検出装置をパラレルシリーズハイブリッド車両に適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態にかかるモータジェネレータの制御システムを示す。
図示される第1のモータジェネレータ10a及び第2のモータジェネレータ10bは、図示しない動力分割装置を介して駆動輪や車載主機としてのエンジンに連結されている。第1のモータジェネレータ10aは、第1のインバータIV1に接続され、エンジンのクランク軸に初期回転を付与するスタータや、車載機器に給電するための発電機等の役割を果たす。一方、第2のモータジェネレータ10bは、第2のインバータIV2に接続され、車載主機等の役割を果たす。これらインバータIV1,IV2は、コンバータCVを介して高電圧バッテリ12に接続されている。
コンバータCVは、コンデンサCと、リアクトルLと、高電位側(上アーム側)のスイッチング素子Scp及び低電位側(下アーム側)のスイッチング素子Scnの直列接続体とを備えている。詳しくは、コンデンサCには、スイッチング素子Scp,Scnの直列接続体が並列接続され、上記直列接続体の接続点と高電圧バッテリ12の正極とは、リアクトルLを介して接続されている。コンバータCVは、スイッチング素子Scp,Scnの開閉操作によって、高電圧バッテリ12の電圧(例えば「288V」)を所定の電圧(例えば「666V」)を上限として昇圧する機能を有する。
第1のインバータIV1は、上アーム側のスイッチング素子Swp及び下アーム側のスイッチング素子Swnの直列接続体が3つ並列接続されて構成されている。これら各スイッチング素子Swp及びスイッチング素子Swnの接続点は、第1のモータジェネレータ10aのU,V,W相にそれぞれ接続されている。
第2のインバータIV2は、上アーム側の一対のスイッチング素子Sp1,Sp2の並列接続体と、下アーム側の一対のスイッチング素子Sn1,Sn2の並列接続体との直列接続体を3つ備えて構成されている。詳しくは、これら直列接続体は、互いに並列接続され、これら直列接続体の接続点のそれぞれは、第2のモータジェネレータ10bのU,V,W相にそれぞれ接続されている。
なお、本実施形態において、第2のインバータIV2を構成するスイッチング素子S¥#(¥=1,2;#=p,n)を一対のスイッチング素子の並列接続体としているのは、第2のインバータIV2の出力電流の最大値を大きくするためである。これは、第2のモータジェネレータ10bが車載主機として用いられているためである。
ちなみに、本実施形態では、スイッチング素子S*#(*=c,w),S¥#として、電圧制御形のものが用いられており、より具体的には、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)が用いられている。このため、スイッチング素子S*#,S¥#は、その開閉制御端子(ゲート)に対する出力端子(エミッタ)の電位差(ゲート電圧)によって開閉操作される。
また、これらスイッチング素子S*#,S¥#にはそれぞれ、フリーホイールダイオードD*#,D¥#が逆並列に接続されている。さらに、図示しないが、これらスイッチング素子S*#,S¥#付近には、スイッチング素子S*#,S¥#の温度を検出する感温ダイオードが備えられている。感温ダイオードについては、後に詳述する。
制御装置14は、低電圧バッテリ16を電源とし、マイクロコンピュータを主体として構成されている。制御装置14は、インターフェース18を介して、コンバータCVや、第1のインバータIV1、第2のインバータIV2を操作することで、第1のモータジェネレータ10aや第2のモータジェネレータ10bを制御する。
詳しくは、制御装置14は、コンバータCVのスイッチング素子Scp,Scnを開閉操作することで、コンバータCVの出力電圧をその指令値に制御する。また、制御装置14は、第1のインバータIV1のスイッチング素子Swp,Swnを開閉操作することで、第1のモータジェネレータ10aの制御量をその指令値に制御し、第2のインバータIV2のスイッチング素子S1p,S2p,S1n,S2nを開閉操作することで、第2のモータジェネレータ10bの制御量をその指令値に制御する。本実施形態では、第1,第2のモータジェネレータ10a,10bの制御量として、トルクを想定している。
なお、上アーム側のスイッチング素子S*p,S¥pと、対応する下アーム側のスイッチング素子S*n,S¥nとは、交互にオン状態とされる。また、制御量としてのトルクの指令値(以下、トルク指令値Trq*)は、例えば、車両の制御を統括する上位の制御装置から制御装置14に入力される。
上記インターフェース18は、高電圧バッテリ12を備える高電圧システムと低電圧バッテリ16を備える低電圧システムとの間を電気的に絶縁しつつ、これらの間の信号の授受を行うための伝達手段である。本実施形態では、インターフェース18として、光絶縁素子(フォトカプラ)を備えたものを用いている。なお、本実施形態において、高電圧システムが第1の領域に相当し、低電圧システムが第2の領域に相当する。
続いて、コンバータCV、第1のインバータIV1及び第2のインバータIV2のそれぞれに備えられるスイッチング素子の温度を検出する構成について説明する。本実施形態では、図2に示すように、第2のインバータIV2を例にして説明する。なお、図2では、スイッチング素子S1#,S2#を開閉操作するための部品の記載を省略している。また、本実施形態では、以降、スイッチング素子S1#を第1のスイッチング素子と称し、スイッチング素子S2#を第2のスイッチング素子と称することとする。
図示されるように、高電圧システムにおいて第1のスイッチング素子S1#付近には、この素子の温度を検出する第1の感温ダイオードT1#が設けられている。一方、第2のスイッチング素子S2#付近には、この素子の温度を検出する第2の感温ダイオードT2#が設けられている。本実施形態では、これら感温ダイオードT#1,T#2として、互いに同一仕様の感温ダイオードを用いている。
ちなみに、スイッチング素子S¥#(¥=1,2;#=p,n)、フリーホイールダイオードD¥#及び感温ダイオードT¥#は、実際には、パワーカードPWCに収納されることでパッケージ化されている。
高電圧システムには、ドライブIC20が備えられている。ドライブIC20は、1チップ化された半導体集積回路であり、第1の定電圧電源22a、第2の定電圧電源22b、第1の定電流電源24a、第2の定電流電源24b、差動増幅回路26及びコンパレータ28等を備えている。ドライブIC20は、第2のインバータIV2に備えられる6対のスイッチング素子S1#,S2#のそれぞれに対応して備えられている。
第1の定電圧電源22aは、その端子電圧が「VH」であり、第1の定電圧電源22aの電力供給源となる。第1の定電流電源24aは、その出力側がドライブIC20の端子T1を介して第1の感温ダイオードT1#のアノードに接続されている。第1の感温ダイオードT1#のカソードは、接地されている。
一方、第2の定電圧電源22bは、その端子電圧が第1の定電圧電源22aの端子電圧と同一であり、第2の定電流電源24bの電力供給源となる。第2の定電流電源24bは、その出力電流が第1の定電流電源24aの出力電流と同一である。第2の定電流電源24bの出力側は、ドライブIC20の端子T2を介して第2の感温ダイオードT2#のアノードに接続され、カソードは、接地されている。
こうした構成によれば、第1の感温ダイオードT1#は、第1のスイッチング素子S1#の温度を自身における電圧降下量(以下、第1の電圧降下量Vf1)として検出する温度検出手段となる。また、第2の感温ダイオードT2#は、第2のスイッチング素子S2#の温度を自身における電圧降下量(以下、第2の電圧降下量Vf2)として検出する温度検出手段となる。詳しくは、第1の電圧降下量Vf1は、第1のスイッチング素子S1#の温度と負の相関を有し、第2の電圧降下量Vf2は、第2のスイッチング素子S2#の温度と負の相関を有する。
端子T1,T2は、差動増幅回路26に接続されている。詳しくは、端子T1は、差動増幅回路26の非反転入力端子側に接続されており、端子T2は、差動増幅回路26の反転入力端子側に接続されている。なお、差動増幅回路26の非反転入力端子には、差動増幅回路26の出力電圧をシフトさせるための定電圧電源27が接続されている。
差動増幅回路26の出力端子及び端子T1は、スイッチ30を介してコンパレータ28の非反転入力端子に接続可能とされている。スイッチ30は、差動増幅回路26の出力端子及び端子T1のうちいずれかとコンパレータ28の非反転入力端子とを選択的に接続するための部材である。なお、本実施形態において、スイッチ30は、基本的には、端子T1とコンパレータ28の非反転入力端子とを接続するように操作されている。
コンパレータ28の反転入力端子には、キャリア信号(三角波信号)を出力するキャリア生成回路34が接続されている。
コンパレータ28の出力端子は、ドライブIC20の端子T3及びインターフェース18を構成するフォトカプラ36の1次側(フォトダイオード36a)を介して接地されている。端子T3及びフォトダイオード36aの接続点には、抵抗体38を介して定電圧電源40が接続されている。
一方、フォトカプラ36の2次側(フォトトランジスタ36b)のコレクタは、抵抗体42を介して定電圧電源44に接続されており、フォトトランジスタ36bのエミッタは、接地されている。なお、抵抗体42及び定電圧電源44の接続点は、コンデンサ46を介して接地されている。
抵抗体42の両端のうちフォトトランジスタ36bのコレクタ側は、抵抗体及びコンデンサからなるローパスフィルタ48を介して制御装置14に接続されている。
こうした構成によれば、コンパレータ28の非反転入力端子の入力信号がパルス幅変調されたものが制御装置14に入力されることとなる。
端子T1,T2は、さらに、駆動制御部50に接続されている。駆動制御部50は、スイッチ30を操作したり、ローカルシャットダウン処理を行ったりする。ローカルシャットダウン処理は、第1の電圧降下量Vf1が規定電圧を下回る(第1のスイッチング素子S1#の温度が規定温度を上回る)との条件と、第2の電圧降下量Vf2が規定電圧を下回る(第2のスイッチング素子S2#の温度が規定温度を上回る)との条件との論理和が真であると判断された場合、スイッチング素子が過熱状態であるとして第1,第2のスイッチング素子S1#,S2#の駆動を禁止する処理である。ここで、上記規定温度は、スイッチング素子の信頼性が短時間に大きく低下するスイッチング素子の温度の下限値であり、上記規定電圧は、スイッチング素子の温度が規定温度となる場合の感温ダイオードにおける電圧降下量に設定されている。ローカルシャットダウン処理によれば、スイッチング素子を迅速にオフ状態とさせることができ、スイッチング素子の過熱によってスイッチング素子の信頼性が大きく低下する事態を回避できる。
上記制御装置14には、第1の電圧降下量Vf1や差動増幅回路26の出力信号に関する情報がインターフェース18を介して伝達される。制御装置14は、第1の電圧降下量Vf1に関する情報に基づくソフトウェア処理によって第1のスイッチング素子S1#の温度を算出する温度算出処理を行う。本実施形態では、第1の電圧降下量Vf1に関する情報として、キャリア生成回路34から出力される三角波信号と第1の電圧降下量Vf1との大小比較によってコンパレータ28から出力される時比率信号を採用している。この時比率信号は、第1のスイッチング素子S1#の温度と相関を有する。
なお、差動増幅回路26、コンパレータ28、スイッチ30、キャリア生成回路34及び端子T3に接続されたインターフェース18は、実際には、第2のインバータIV2に備えられる6対のスイッチング素子S1#,S2#のそれぞれに対応するドライブIC20のうちいずれか1つのみに対応して備えられている。具体的には、これら6対のスイッチング素子S1#,S2#のうち温度が最も高くなると想定されるものに対応したドライブIC20のみに備えられている。これにより、これら6対のスイッチング素子S1#,S2#のそれぞれに対応するドライブIC20に差動増幅回路26及びインターフェース18等が備えられる構成と比較して、部品数の低減を図ることができる。なお、差動増幅回路26及びスイッチ30等の利用手法については、後に説明する。
また、第1のインバータIV1に備えられるスイッチング素子Sw#(#=p,n)に対応するドライブIC20等の構成について説明すると、6つのスイッチング素子Sw#のそれぞれに対応するドライブIC20が備えられている。ここで、本実施形態では、差動増幅回路26及びスイッチ30は、第1のインバータIV1のドライブIC20に備えられていない。また、コンパレータ28、キャリア生成回路34及び端子T3に接続されたインターフェース18は、実際には、上記6つのスイッチング素子Sw#のそれぞれに対応するドライブIC20のうち温度が最も高くなると想定されるドライブIC20のみに対応して備えられている。ちなみに、コンバータCVに備えられる6つのスイッチング素子Sc#のそれぞれに対応するドライブIC20等の構成については、第1のインバータIV1のドライブIC20等の構成と同様である。
続いて、制御装置14によって実行されるパワーセーブ処理について説明する。
この処理は、コンバータCV、第1のインバータIV1及び第2のインバータIV2のそれぞれについて、温度算出処理によって算出されたスイッチング素子の温度Tswが上記規定温度よりも低い閾値温度Tocを超えたと判断された場合、トルク指令値Trq*を制限する処理であり、スイッチング素子の加熱保護に関する処理である。この処理によれば、スイッチング素子の駆動を制限してコレクタ電流を制限し、スイッチング素子の過熱を回避することができる。
図3に、パワーセーブ処理の手順を示す。この処理は、制御装置14によって、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS10において、トルク指令値Trq*が制限されているか否かを示すフラグFが「1」であるか否かを判断する。ここで、フラグFは、「1」によってトルク指令値Trq*が制限されていることを示し、「0」によって制限されていないことを示す。
ステップS10において否定判断された場合には、ステップS12に進み、スイッチング素子の温度Tswが閾値温度Tocを超えたか否かを判断する。この処理は、トルク指令値Trq*の制限を開始するか否かを判断するための処理である。なお、閾値温度Tocは、パワーセーブ処理によってスイッチング素子の駆動を制限することなくスイッチング素子を駆動可能なこの素子の実際の温度の許容上限値に基づき設定されている。
ステップS12において肯定判断された場合には、ステップS14に進み、フラグFを「1」としてかつ、トルク指令値Trq*をガード処理するためのトルクガード値MAXTrqを、第1の制限値Trqth1とする。ここで、第1の制限値Trqth1は、コンバータCVや、第1のインバータIV1、第2のインバータIV2の通常制御時におけるトルクガード値MAXTrqである第2の制限値Trqth2よりも小さい値に設定されている。
上記ステップS10において肯定判断された場合には、トルク指令値Trq*が制限されていると判断し、ステップS16に進む。ステップS16では、スイッチング素子の温度Tswが閾値温度Toc以下となったか否かを判断する。この処理は、トルク指令値Trq*の制限を解除する条件が成立したか否かを判断するためのものである。
ステップS16において肯定判断された場合には、ステップS18に進み、フラグFを初期化するとともに、トルクガード値MAXTrqを第2の制限値Trqth2に変更する。これにより、トルク指令値Trq*の制限が解除される。
なお、上記ステップS12、S16において否定判断された場合や、ステップS14、S18の処理が完了した場合には、この一連の処理を一旦終了する。
次に、制御装置14によって実行される閾値温度更新処理について説明する。
この処理は、第2のインバータIV2に対するパワーセーブ処理において、上記閾値温度Tocを更新する処理であり、感温ダイオードにおける電圧降下量に誤差が含まれ得ることに鑑みて行われる処理である。ここで、電圧降下量に含まれる誤差とは、スイッチング素子の実際の温度が所定温度となる場合の感温ダイオードにおける電圧降下量について、実際の値と中央特性値との差のことである。中央特性値とは、スイッチング素子の実際の温度が所定温度となる場合において、量産された複数の感温ダイオードにおける電圧降下量の平均値のことである。上記誤差は、感温ダイオードの個体差等に起因して生じる。以下、閾値温度更新処理について詳述する。
まず、上記処理を説明するに際し、上記誤差が取り得る範囲(以下、誤差範囲)について説明する。
第2のインバータIV2において、第1の電圧降下量Vf1と、第2の電圧降下量Vf2とは下式(c1),(c2)で表される。
Vf1=V1r+ΔV1 …(c1)
Vf2=V2r+ΔV2 …(c2)
上式において、「V1r」は、第1の電圧降下量Vf1の中央特性値を示し、「ΔV1」は、第1の電圧降下量Vf1に含まれる誤差(以下、第1の誤差)を示す。また、「V2r」は、第2の電圧降下量Vf2の中央特性値を示し、「ΔV2」は、第2の電圧降下量Vf2に含まれる誤差(以下、第2の誤差)を示す。
第1の電圧降下量Vf1から第2の電圧降下量Vf2を減算した値である差分情報ΔVfを下式(c3)に示す。
ΔVf=Vf1−Vf2
=(V1r−V2r)+(ΔV1−ΔV2) …(c3)
ここで、第1のスイッチング素子S1#の温度と第2のスイッチング素子S2#の温度とが同一であるとすると、「V1r=V2r」が成立する。この場合、差分情報ΔVfは下式(c4)で表される。
ΔVf=ΔV1−ΔV2 …(c4)
第1の誤差ΔV1や第2の誤差ΔV2が「0」となる場合、上式(c4)で表される差分情報ΔVfは「0」となる。これに対し、第1の誤差ΔV1や第2の誤差ΔV2が「0」以外の値となる場合、差分情報ΔVfは当初想定した値「0」からずれ得る。
ここで、本実施形態において、第1の誤差ΔV1及び第2の誤差ΔV2のそれぞれの当初の誤差範囲を同一とし、これら誤差範囲を下式(c5)で表すこととする。
−a≦ΔV1≦a、−a≦ΔV2≦a (a>0) …(c5)
上記誤差範囲は、感温ダイオードの仕様等に応じて定まる固定範囲であり、感温ダイオード等の耐用期間において保証される範囲である。第1の誤差ΔV1及び第2の誤差ΔV2のそれぞれの誤差範囲が上式(c5)で保証されていることと、上式(c4)の関係とを用いることで、第1の誤差ΔV1及び第2の誤差ΔV2のそれぞれの誤差範囲を更新することができる。詳しくは、図4に示すように、上記差分情報ΔVfが負の値である場合、第1の誤差ΔV1及び第2の誤差ΔV2のそれぞれの誤差範囲は、下式(c6)で表すことができる。
−a≦ΔV1≦a−|ΔVf|、−a+|ΔVf|≦ΔV2≦a …(c6)
一方、差分情報ΔVfが正の値である場合、第1の誤差ΔV1及び第2の誤差ΔV2のそれぞれの誤差範囲は、下式(c7)で表すことができる。
−a+|ΔVf|≦ΔV1≦a、−a≦ΔV2≦a−|ΔVf| …(c7)
続いて、上記誤差に基づく閾値温度Tocの更新手法について説明する。
本実施形態では、上記差分情報ΔVfに基づき算出された誤差が当初の誤差範囲「−a≦ΔV1≦a」のうち正側の境界値「a」を小さくするものである場合、上記差分情報ΔVfに基づき閾値温度Tocを更新する。これにより、パワーセーブ処理に変更を加える。
詳しくは、上式(c6)によって表される第1の誤差ΔV1の誤差範囲は、当初の誤差範囲「−a≦ΔV1≦a」のうち正側の境界値を「a」から「a−|ΔVf|」に小さくするものである。ここで、パワーセーブ処理で用いられる閾値温度Tocは、実際には、第1のスイッチング素子S1#の信頼性を維持する観点から、第1の誤差ΔV1が当初の誤差範囲の正側の境界値「a」となる特性を有する第1の感温ダイオードT1#を用いた場合において、第1のスイッチング素子S1#の実際の温度が上記許容上限値となるときに温度算出処理によって算出されるスイッチング素子の温度Tswに設定されている。第1の電圧降下量Vf1と第1のスイッチング素子S1#の温度とは上述したように負の相関を有することから、正側の境界値が差分情報ΔVfの絶対値だけ小さくなる場合、温度検出誤差が低減するため、差分情報ΔVfに対応する温度である温度情報ΔTfだけ閾値温度Tocを高い側に更新する。これにより、パワーセーブ処理によってトルク指令値Trq*が制限される頻度を低下させることができる。
図5に、閾値温度更新処理の手順を示す。この処理は、制御装置14によって実行される。
この一連の処理では、まずステップS20において、トルク指令値Trq*の入力が開始されたか否かを判断する。この処理は、第1のスイッチング素子S1#及び第2のスイッチング素子S2#のそれぞれの温度が同一であるか否かを判断するための処理である。つまり、トルク指令値Trq*の入力前においては、未だスイッチング素子の駆動が開始されていないことから、第1のスイッチング素子S1#及び第2のスイッチング素子S2#のそれぞれの温度が同一である蓋然性が高い。こうした状況で差分情報ΔVfを算出することで、閾値温度Tocの更新精度を高めることができる。
なお、第2のインバータIV2が前回停止されてから現在までの経過時間が規定時間以下であると判断された場合、閾値温度更新処理を行わないことが望ましい。これは、上記経過時間が短いと、第1のスイッチング素子S1#及び第2のスイッチング素子S2#のそれぞれが熱的に平衡状態となっておらず、これらスイッチング素子S1#,S2#のそれぞれの温度が同一となっていない蓋然性が高いことによる。
ステップS20において否定判断された場合には、コンパレータ28の非反転入力端子及び差動増幅回路26の出力端子を接続するようにスイッチ30を操作し、ステップS22に進む。ステップS22では、インターフェース18を介して伝達されたコンパレータ28の出力信号(差分情報ΔVfに関する情報)に基づき、上記温度情報ΔTfを算出する。ちなみに、本実施形態において、差分情報ΔVfは、コンパレータ28において差分情報ΔVfと相関を有する時比率信号に変換される。ここで、本実施形態では、差分情報ΔVfが「0」となる場合に時比率信号の時比率が「50%」となるように定電圧電源27の端子電圧が設定されている。このため、上記時比率信号によれば、制御装置14において差分情報ΔVfの絶対値とともに、その符号を把握することができる。
続くステップS24では、温度情報ΔTfに基づき閾値温度Tocを更新する。
なお、上記ステップS20において肯定判断された場合や、ステップS24の処理が完了した場合には、この一連の処理を一旦終了する。
図6に、閾値温度更新処理の一例を示す。詳しくは、図6(a)は、低電圧バッテリ16から車載機器への給電の有無の推移を示し、図6(b)は、インターフェース18を介して制御装置14に入力される差分情報ΔVfに関する情報の推移を示し、図6(c)は、スイッチング素子のゲートに入力される駆動信号の推移を示し、図6(d)は、インターフェース18を介して制御装置14に入力される第1の電圧降下量Vf1に関する情報の推移を示す。
図示される例では、時刻t1において、例えば、車両のユーザによってイグニッションスイッチがオン操作されることで、車両の制御システムが起動され、低電圧バッテリ16から各種車載機器に給電が開始される。そしてその後、制御装置14にトルク指令値Trq*が入力される時刻t2以前の所定のタイミングにおいて、差分情報ΔVfに関する情報が制御装置14に入力され、閾値温度更新処理が行われる。
そして、時刻t2において、制御装置14からスイッチング素子のゲートに対して駆動信号が出力されることで、スイッチング素子の駆動が開始される。これに伴い、インターフェース18を介して制御装置14に第1の電圧降下量Vf1に関する情報が入力され始める。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)車両の制御システムの起動毎に上記閾値温度更新処理を行った。このため、例えば、車両の修理工場においてドライブIC20が実装された回路基板が交換されたり、感温ダイオード等の経年劣化によって電圧降下量に含まれる誤差が変化したりする場合であっても、これらがパワーセーブ処理に及ぼす影響を好適に抑制することができる。
(2)高電圧システムに備えられる差動増幅回路26において差分情報ΔVfを算出し、これを低電圧システムに備えられる制御装置14にインターフェース18を介して伝達する構成を採用した。高電圧システムから低電圧システムに情報を伝達する構成において、情報の伝送経路にインターフェース18(フォトカプラ36やローパスフィルタ48)が存在すること等に起因して、制御装置14に入力される情報が高電圧システムから出力された当初の情報から変化することがある。ここで、例えば、第1の電圧降下量Vf1及び第2の電圧降下量Vf2のそれぞれを高電圧システムから制御装置14に伝達し、制御装置14において差分情報ΔVfを算出する構成を採用することも考えられる。ただし、この場合、第1の電圧降下量Vf1及び第2の電圧降下量Vf2の双方に関する情報が当初の情報から変化することに起因して、差分情報ΔVfの算出精度が低下する懸念がある。
これに対し、本実施形態にかかる構成によれば、制御装置14に入力される差分情報ΔVfに関する情報が上記伝送経路から受ける影響が小さい。このため、差分情報ΔVfに対応した温度情報ΔTfに基づく閾値温度Tocの更新精度を高めることができる。
(3)第2のインバータIV2に備えられる互いに並列接続された第1のスイッチング素子S1#及び第2のスイッチング素子S2#のそれぞれを、差分情報ΔVfを算出するための温度検出対象とした。これらスイッチング素子S1#,S2#は、共通のドライブIC20によって駆動されて同一のスイッチング動作をする。このため、これらスイッチング素子S1#,S2#に加わる熱履歴は略同一であり、これにより、これらスイッチング素子S1#,S2#の経年劣化の進行度合いも略同一であると考えられる。したがって、温度検出対象を第1のスイッチング素子S1#及び第2のスイッチング素子S2#とすることで、差分情報ΔVfに基づく第1の誤差ΔV1の算出精度を高めることができ、ひいては閾値温度Tocの更新精度を高めることができる。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、閾値温度更新処理が行われる直前において、制御装置14によって、第1の感温ダイオードT1#又は第2の感温ダイオードT2#による温度検出に関する異常の有無を判断する異常判断処理を行う。ここで、上記温度検出に関する異常には、例えば、第1の感温ダイオードT1#、第2の感温ダイオードT2#、端子T1、端子T2、端子T1から第1の感温ダイオードT1#までの電気経路、及び端子T2から第2の感温ダイオードT2#までの電気経路のうち少なくとも1つのオープン故障が含まれる。以下、図7を用いて、この処理によって上記異常を検出可能な原理を説明する。なお、図7の縦軸は、差分情報ΔVfの絶対値を示している。
上記温度検出に関する異常が生じていない場合、差分情報ΔVfの絶対値は、その最小値Vmin及び最大値Vmaxで規定される規定範囲内となる。
これに対し、上記温度検出に関する異常が生じる場合には、差動増幅回路26の一対の入力端子のうちいずれかの印加電圧が第1の定電圧電源22a又は第2の定電圧電源22bの端子電圧VHまで上昇することとなる。この場合、差分情報ΔVfの絶対値は、上記最大値Vmaxを超えることとなる。
こうした点に鑑み、インターフェース18を介して伝達されるコンパレータ28の出力信号に基づき、差分情報ΔVfの絶対値が上記最大値Vmaxを超えたと判断された場合、上記温度検出に関する異常が生じている旨判断する。なお、本実施形態では、上記温度検出に関する異常が生じている旨判断された場合、閾値温度更新処理は行われず、上記異常が生じている旨をユーザに報知する処理が行われる。
このように、異常判断処理によれば、第1の感温ダイオードT1#又は第2の感温ダイオードT2#による温度検出に関する異常を検出することができる。このため、信頼性の低い差分情報ΔVfに基づき更新された閾値温度Tocがパワーセーブ処理で用いられることを回避できる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・温度検出手段としては、感温ダイオードに限らず、例えば測温抵抗体であってもよい。
・上記第1の実施形態では、誤差範囲のうち正側の境界値及び負側の境界値のそれぞれの絶対値同士が同一「a」となる感温ダイオードを採用したがこれに限らず、上記絶対値同士が相違する感温ダイオードを採用してもよい。
・上記第1の実施形態では、第2のインバータIV2に備えられる6対のスイッチング素子S1#,S2#(#=p,n)のうち一対のみに対応して差動増幅回路26、コンパレータ28、キャリア生成回路34及びインターフェース18を備える構成を採用したがこれに限らない。例えば、6対のスイッチング素子S1#,S2#のそれぞれに対応して差動増幅回路26等を備える構成を採用してもよい。
・複数の温度検出対象としては、互いに並列接続された一対のスイッチング素子S1#,S2#に限らない。例えば、互いに並列接続された3つ以上のスイッチング素子であってもよい。ここで、複数の温度検出対象を互いに並列接続された3つのスイッチング素子とし、これらスイッチング素子のそれぞれの温度を検出する感温ダイオードを、第1の感温ダイオード、第2の感温ダイオード及び第3の感温ダイオードと称することとする場合における誤差範囲の正側の境界値を小さくする手法について説明する。
詳しくは、まず、第1の電圧降下量Vf1及び第2の電圧降下量Vf2の差である第1の差分情報と、第3の感温ダイオードにおける電圧降下量(第3の電圧降下量Vf3)及び第2の電圧降下量Vf2の差である第2の差分情報とを算出する。そして、第1〜第3の電圧降下量Vf1〜Vf3のそれぞれの誤差範囲が所定範囲(例えば上式(c5))で保証されていることを前提として、第1の差分情報及び第2の差分情報に基づき、第1〜第3の電圧降下量Vf1〜Vf3のうち少なくとも1つの誤差範囲を小さくすることができる。
また、複数の温度検出対象としては、第2のインバータIV2に備えられる対となるスイッチング素子S1#,S2#に限らない。例えば、図8に示すように、第1のインバータIV1に備えられる下アーム側のスイッチング素子Swn及び第2のインバータIV2に備えられる下アーム側のスイッチング素子Sn1,Sn2のうち少なくとも2つ以上としてもよい。ここで、図8は、第1のインバータIV1及び第2のインバータIV2のスイッチング素子が収容されるパワーカードが実装された回路基板の平面図である。なお、複数の温度検出対象の候補となる下アーム側のスイッチング素子に、コンバータCVに備えられる下アーム側のスイッチング素子を含めてもよい。
ちなみに、図8において、上アーム側のスイッチング素子と下アーム側のスイッチング素子とを含めたものを複数の温度検出対象としていない。これは、図8に示すように、上アーム側のスイッチング素子のそれぞれを互いに絶縁してかつ、これら上アーム側のスイッチング素子のそれぞれと、下アーム側のスイッチング素子とを電気的に絶縁するために、回路基板に絶縁領域IAが設けられているためである。なお、第2のインバータIV2のスイッチング素子S1#,S2#同士は絶縁されていない。これは、これら一対のスイッチング素子S1#,S2#のエミッタ同士が短絡され、これら一対のスイッチング素子S1#,S2#のエミッタ電位が同一であるためである。
さらに、複数の温度検出対象としては、上述したものに限らない。コンバータCVや第1のインバータIV1に備えられるスイッチング素子が一対のスイッチング素子の並列接続体である場合、コンバータCVや第1のインバータIV1に備えられる一対のスイッチング素子を複数の温度検出対象としてもよい。この場合、コンバータCVや、第1のインバータIV1、第2のインバータIV2に備えられる感温ダイオードにおける電圧降下量に含まれる誤差に関する情報を制御装置14に集約することができる。これにより、他の誤差に関する情報を参考にして閾値温度Tocを更新したり、誤差に関する情報に基づく処理の実行主体を制御装置14に統一したりすることなどができる。
・第1の領域及び第2の領域としては、上記第1の実施形態に例示したものに限らない。例えば、低電圧システムにおける何らかの温度検出値を低電圧システムから高電圧システムへと伝達する必要があるなら、低電圧システムを第1の領域とし、高電圧システムを第2の領域としてもよい。
・上記第1の実施形態では、第1の感温ダイオードT1#及び第2の感温ダイオードT2#として、同一仕様のもの(同一の定電流が供給された場合に電圧降下量が基本的には同一となるもの)を用いたがこれに限らない。例えば、直列接続される感温ダイオードの数が相違することで、上記電圧降下量が相違するものを用いてもよい。この場合であっても、感温ダイオードにおける電圧降下量に誤差が含まれるなら、一対の感温ダイオードにおける電圧降下量同士の差が当初想定した値からずれることとなる。このため、差分情報に基づき、誤差を算出することができる。
・第1の算出手段には、一対の感温ダイオードにおける電圧降下量同士の差に応じた値(差分情報ΔVf)を算出する差動増幅回路26のみならず、上記電圧降下量同士の差を直接算出する回路も含まれる。
・上記第1の実施形態では、第1の算出手段としての差動増幅回路26と、第2の算出手段としての制御装置14とが互いに異なる領域に備えられる構成を採用したがこれに限らない。例えば、第1の算出手段及び第2の算出手段の双方が高電圧システムに備えられる構成を採用してもよい。この場合、上記第2の実施形態で説明した異常判断処理を高電圧システムにおいて行ってもよい。具体的には、例えば、差分情報ΔVfの絶対値を示す信号及び上記最大値Vmaxを示す信号が入力されるコンパレータをドライブIC20に備え、このコンパレータの出力信号の論理値に基づき異常判断処理を行えばよい。ここでは、異常判断処理を、閾値温度更新処理の実行タイミング近傍のタイミングで行えばよい。
・上記第1の実施形態では、高電圧システムにおいて差分情報ΔVfを算出し、これをインターフェース18を介して制御装置14に伝達させる構成を採用したがこれに限らない。例えば、第1の電圧降下量Vf1及び第2の電圧降下量Vf2をインターフェース18を介して制御装置14に伝達させ、制御装置14において差分情報ΔVfを算出する構成を採用してもよい。
・パワーセーブ処理による制限対象となるパラメータとしては、トルク指令値Trq*に限らない。例えば、電流であってもよい。これは、例えば、トルク指令値Trq*に基づき指令電流id*,iq*を設定し、実際の電流id,iqをそれら指令電流id*,iq*にフィードバック制御する周知の電流フィードバック制御を行ってかつ、指令電流id*,iq*にガード処理を施すことで行うことができる。
・温度保護に関する処理としては、パワーセーブ処理等、スイッチング素子の過熱保護に関する処理に限らない。例えば、スイッチング素子の温度Tswが上記閾値温度Tocよりも十分低い第2の閾値温度を下回ったと判断された場合にスイッチング素子を低温状態から保護する処理(例えば、スイッチング素子を加熱する処理)を行うことがあるなら、この処理であってもよい。この場合、低温状態から保護する処理に変更を加える変更手段として、差分情報ΔVfに基づき算出された誤差が当初の誤差範囲のうち負側の境界値を「−a」から「−a+|ΔVf|」に変更するものであるとき、差分情報ΔVfに対応する上記温度情報ΔTfだけ上記第2の閾値温度を低い側に更新するものを採用すればよい。
・上記第1の実施形態の図3のステップS16において、トルク指令値Trq*の制限を解除するための閾値を、閾値温度Tocに代えて、閾値温度Tocよりもやや低い温度に設定してもよい。これにより、トルク指令値Trq*の制限の開始と解除との間にヒステリシスを持たせることができ、スイッチング素子の温度Tswが閾値温度Toc近傍で変動することに起因してパワーセーブ処理の開始及び解除が頻繁に繰り返される事態を回避できる。
・温度検出対象となるスイッチング素子としては、IGBTに限らず、例えばMOSFETであってもよい。また、温度検出対象としては、スイッチング素子に限らず、さらに、コンバータやインバータ等の電力変換回路に備えられるものに限らない。
・インターフェース18としては、光絶縁素子を備えるものに限らず、例えば、磁気絶縁素子(例えばパルストランス)を備えるものであってもよい。
14…制御装置、26…差動増幅回路、S1#(#=p,n)…第1のスイッチング素子、S2#…第2のスイッチング素子、T1#…第1の感温ダイオード、T2#…第2の感温ダイオード。

Claims (6)

  1. 複数の温度検出対象(S1#,S2#;#=p,n)のそれぞれに対応して設けられ、該温度検出対象の温度を検出する温度検出手段(T1#,T2#)と、
    複数の前記温度検出対象のそれぞれの温度が互いに同一であると想定される状況下、複数の前記温度検出手段の検出値(Vf1,Vf2)同士の差(ΔVf)に応じた値を算出する第1の算出手段(26)と、
    前記第1の算出手段によって算出された前記差に応じた値に基づき、前記温度検出手段の検出値に含まれる誤差を算出する第2の算出手段(14)と、
    を備えることを特徴とする温度検出装置。
  2. 前記第1の算出手段は、前記温度検出対象及び前記温度検出手段が備えられる第1の領域に備えられ、
    前記第2の算出手段は、前記第1の領域とは異なる第2の領域に備えられ、
    前記第1の算出手段によって算出された前記差に応じた値を前記第2の算出手段に伝達する伝達手段(18)を更に備えることを特徴とする請求項1記載の温度検出装置。
  3. 高電位側のスイッチング素子(S¥p;¥=1,2)及び低電位側のスイッチング素子(S¥n)の直列接続体を備える電力変換回路(IV2)に適用され、
    前記スイッチング素子は、その開閉制御端子に対する出力端子の電位差によって開閉操作され、
    複数の前記温度検出対象とは、前記電力変換回路に備えられる前記スイッチング素子のうち前記出力端子の電位が互いに同一である少なくとも2つであり、
    前記第2の算出手段によって算出された前記誤差に基づき、前記温度検出対象の温度保護に関する処理に変更を加える変更手段を更に備えることを特徴とする請求項1又は2記載の温度検出装置。
  4. 前記スイッチング素子は、互いに並列接続された複数のスイッチング素子(S1#,S2#)であり、
    複数の前記温度検出対象とは、前記複数のスイッチング素子であることを特徴とする請求項3記載の温度検出装置。
  5. 前記互いに同一であると想定される状況とは、前記スイッチング素子の駆動が開始される前の状況であることを特徴とする請求項3又は4記載の温度検出装置。
  6. 前記第1の算出手段によって算出された前記差に応じた値の絶対値が規定値(Vmax)を超えたことに基づき、前記温度検出手段による温度検出に関する異常が生じている旨判断する異常判断手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の温度検出装置。
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