図1から図21を参照して遮蔽装置の一例であるプリーツスクリーンを説明する。なお、以下では、ユニットと駆動軸との結合の形態の一例に関して、第1結合形態から順に、第5結合形態までを説明する。まず、第1結合形態のプリーツスクリーンを用いて、各結合形態に共通する駆動軸、および、ユニットの構成を説明し、次いで、第1結合形態から第5結合形態までの具体的な構成を説明する。最後に、第1結合形態から第5結合形態までに共通して適用可能な昇降コードのブレーキ機構について説明する。
[プリーツスクリーン]
図1が示すように、プリーツスクリーンは、遮蔽部材の一例であるスクリーン10と、ヘッドボックス20とを備える。スクリーン10は、ヘッドボックス20から上下方向にジグザグ状に折り曲げられ、スクリーン10の上端は、ヘッドボックス20に接続され、スクリーン10の下端は、ウェイトバー11に接続されている。ウェイトバー11の左右方向での中央には、ハンドル12が取り付けられ、スクリーン10の昇降は、利用者によるハンドル12の昇降によって操作される。
ヘッドボックス20は、ヘッドボックス20の内部に、1本の駆動軸30と、2体の巻き取りユニット40と、1体のギヤユニット50と、1体の定荷重ユニット60とを備える。駆動軸30は、左右方向に延びる多角柱状を有し、左右方向においてヘッドボックス20のほぼ全体わたり延在する。2体の巻き取りユニット40、ギヤユニット50、および、定荷重ユニット60は、左右方向に沿ってこの順に並んでいる。なお、ヘッドボックス20は、プリーツスクリーンの仕様に応じて、例えば、相互に平行な2本の駆動軸30を搭載可能な大きさを有する。また、ヘッドボックス20は、プリーツスクリーンの仕様に応じて、例えば、2体のギヤユニット50、および、2体以上の定荷重ユニット60を搭載可能な大きさを有する。
各巻き取りユニット40は、ウェイトバー11に接続された2本の昇降コード13に別々に接続されて、共通する1本の駆動軸30の回転に従って、別々の昇降コード13の巻き取りと巻き出しとを行う。昇降コード13は、駆動伝達部材の一例である。ギヤユニット50は、駆動軸30と機械的に結合し、駆動軸30の回転数を変えて定荷重ユニット60に伝える。ギヤユニット50は、駆動軸30の回転を変速する変速手段の一例である。定荷重ユニット60は、ギヤユニット50と機械的に結合し、ギヤユニット50の伝える回転数のほぼ全範囲において、ギヤユニット50に定荷重を出力する。
図2(a)は、ヘッドボックス20の内部を上方から見た平面図であり、紙面手前側が巻き取りユニット40の上方であり、紙面奥側が巻き取りユニット40の下方である。また、紙面左側が巻き取りユニット40の左側であり、紙面右側が巻き取りユニット40の右側である。
図2(a)が示すように、巻き取りユニット40は、1本の巻き取り軸41を備える。巻き取り軸41は、巻き取り部材の一例であり、駆動軸30と一体に回転する円錐台状を有する。ギヤユニット50と定荷重ユニット60とは、左右方向で連結されている。定荷重ユニット60の上下方向のほぼ中央、および、定荷重ユニット60の前後方向のほぼ中央を通る仮想軸は、定荷重ユニット60の姿勢基準線Cである。
図2(b)が示すように、定荷重ユニット60の外形は、姿勢基準線Cを中心として上下でほぼ対称となる上下壁を有する。定荷重ユニット60の上下壁は、ばねケース第1壁61Tおよびばねケース第2壁61Uとから構成される。なお、ギヤユニット50の上下壁は、ギヤケース第1壁51Tおよびギヤケース第2壁51Uとから構成される。
[ギヤユニット50]
図3が示すように、ギヤユニット50は、ギヤケース51、ギヤカバー52、入力軸53、伝達軸54、および、出力軸55を備える。図4(a)は、ギヤユニット50の側面図であり、図4(b)は、ギヤユニット50の上面図である。
ギヤケース51は、図中の左側面に開口51aを有した箱体形状を有する。ギヤケース51のなかで開口51aと対向する壁は、3つの軸支孔51bを備える。3つの軸支孔51bは、入力軸53、伝達軸54、および、出力軸55を軸支する。ギヤケース51は、姿勢基準線Cに沿って延びる円筒状を有した3つのビス受け51cを備える。
ギヤケース第1壁51Tは、2つのユニット連結部51Jを備える。各ユニット連結部51Jは、姿勢基準線Cに沿って延びる凹部である。ギヤケース第1壁51Tの左右方向および前後方向の中心を通る鉛直線は、回転対称軸C1である。各ユニット連結部51Jの位置は、回転対称軸C1を中心として左右でほぼ対称である。
ギヤカバー52は、ギヤケース51の開口51aを閉塞する板状を有する。ギヤカバー52は、3つの軸支孔52bを備える。3つの軸支孔52bは、入力軸53、伝達軸54、および、出力軸55を軸支する。入力軸53を軸支する軸支孔51b,52bの中心位置と、出力軸55を軸支する軸支孔51b,52bの中心位置とは、姿勢基準線C、および、回転対称軸C1を中心として左右でほぼ対称である。
ギヤカバー52は、各ビス受け51cと対向する位置にビス孔52cを備える。各ビス孔52cに挿通されるビス56がビス受け51cに螺着されることによって、ギヤカバー52がギヤケース51に固定される。
入力軸53、伝達軸54、および、出力軸55は、1組の平行軸歯車を構成している。入力軸53の外周面は、小径ギヤを備える。伝達軸54の外周面は、入力軸53の小径ギヤと噛み合う他の小径ギヤを備える。出力軸55の外周面は、入力軸53の小径ギヤよりも大径であり、かつ、伝達軸54の小径ギヤと噛み合う大径ギヤを備える。入力軸53の備える小径ギヤは、第1歯車の一例であり、出力軸55の備える大径ギヤは、第2歯車の一例である。入力軸53に入力される回転は、伝達軸54の回転と、出力軸55の回転とに順に変換される。出力軸55の回転数は、入力軸53の回転数に対して、小径ギヤと大径ギヤとのギヤ比に従って変わる。
入力軸53は、姿勢基準線Cに沿って延びる入力側嵌合孔53Hを備える。入力側嵌合孔53Hは、駆動軸30と同じ角数を有した多角孔である。入力側嵌合孔53Hは、それに挿通された駆動軸30と相対的な回転が不能となる状態で、駆動軸30と機械的に結合する。入力側嵌合孔53Hは、入力軸53と駆動軸30とを結合可能にする結合部の一例である。伝達軸54は、入力側嵌合孔53Hと相似形である伝達孔54Hを備える。
出力軸55は、姿勢基準線Cに沿って延びる出力側遊挿孔55Hを備える。出力側遊挿孔55Hは、駆動軸30を遊挿可能とする円形孔であり、入力側嵌合孔53Hや伝達孔54Hよりも大きい内径を有する。出力軸55に遊挿される駆動軸30は、入力軸53に挿通される駆動軸30と平行な、他の駆動軸30である。出力側遊挿孔55Hは、出力側遊挿孔55Hに遊挿される駆動軸30と、出力軸55とを機械的に非結合とする。出力側遊挿孔55Hに遊挿された駆動軸30は、出力軸55に対して相対的に回転可能である。出力側遊挿孔55Hは、出力軸55と駆動軸30とを機械的に非結合とする遊挿部の一例である。
出力軸55は、姿勢基準線Cの延在方向の両側に、一対の被連結片55aを備える。一対の被連結片55aは、出力軸55の中心軸を挟む片であり、姿勢基準線Cに沿う円筒体の一部を軸方向の全体にわたり切り欠いた形状を有する。
[ギヤユニット50の姿勢]
ギヤユニット50は、ヘッドボックス20のなかで、右側のユニット連結部51Jの位置と、左側のユニット連結部51Jの位置とを、ギヤユニット50の姿勢の左右反転によって反転できる。また、ギヤユニット50は、ヘッドボックス20のなかで、入力側嵌合孔53Hの位置と、出力側遊挿孔55Hの位置とを、ギヤユニット50の姿勢の左右反転によって反転できる。
左右反転とは、回転対称軸C1を中心としてギヤユニット50を180°回転することである。なお、図3は、ギヤユニット50の内部構造を説明する便宜上、図2で説明したギヤユニット50を左右で反転した姿勢でのギヤユニット50の分解斜視構造を示す。
図4(a)が示すように、ギヤケース第2壁51Uは、ギヤケース第1壁51Tと同じく、2つのユニット連結部51J(図中破線)を備える。図4(b)が示すように、ギヤケース第2壁51Uの2つのユニット連結部51J(図中破線)の位置もまた、回転対称軸C1を中心として左右でほぼ対称である。
回転対称軸C1に沿う方向から見て、ギヤケース第1壁51Tの各ユニット連結部51J(図中実線)と、ギヤケース第2壁51Uの各ユニット連結部51J(図中破線)とは、回転対称軸C1を中心とする同一円周上に位置する。そして、ギヤケース第1壁51Tに位置する各ユニット連結部51J(図中実線)と、ギヤケース第2壁51Uに位置する各ユニット連結部51J(図中破線)とは、回転対称軸C1に対して回転対称である。
ギヤユニット50が取り得る姿勢のなかで、ギヤケース51がギヤカバー52の左側に位置する姿勢が、基準姿勢である。ギヤユニット50が取り得る姿勢のなかで、基準姿勢を左右反転した姿勢が、反転姿勢である。すなわち、ギヤユニット50は、ヘッドボックス20のなかで、上側の各ユニット連結部51Jの位置と、下側の各ユニット連結部51Jの位置とを、ギヤユニット50の反転姿勢によって反転できる。また、ギヤユニット50は、ヘッドボックス20のなかで、入力側嵌合孔53Hの位置と、出力側遊挿孔55Hの位置とを、ギヤユニット50の反転姿勢によって反転できる。
[定荷重ユニット60]
図5が示すように、定荷重ユニット60は、ばねケース61、ばねカバー62、ばね支持軸63、定荷重ばね64、および、定荷重伝達軸65を備える。定荷重伝達軸65は、定荷重伝達部の一例である。図6(a)は、定荷重ユニット60の側面図であり、図6(b)は、定荷重ユニット60の上面図である。
ばねケース61は、上下で一対の側壁を1つの端壁が連結する断面コ字形状を有する。ばねケース61の端壁は、2つの軸支孔61aを備える。2つの軸支孔61aは、ばね支持軸63と定荷重伝達軸65とを軸支する。ばねケース61は、姿勢基準線Cに沿って延びる円筒状を有した2つのビス受け61cを備える。
ばねケース第2壁61Uは、姿勢基準線Cに沿って延びる突片として、2つのユニット連結部61Jを備える。ばねケース第2壁61Uの左右方向および前後方向の中心を通る鉛直線は、回転対称軸C2である。各ユニット連結部61Jの位置は、回転対称軸C2を中心として左右でほぼ対称である。ばねケース第2壁61Uは、姿勢基準線Cに沿って延びる窪みとして、2つのユニット連結部61Kを備える。各ユニット連結部61Kの位置は、これもまた回転対称軸C2を中心として左右でほぼ対称である。
ばねカバー62は、ばねケース61の開口の一部を閉塞する板状を有する。ばねカバー62は、2つの軸支孔62aを備える。2つの軸支孔62aは、ばね支持軸63、および、定荷重伝達軸65を軸支する。ばね支持軸63を軸支する軸支孔61a,62aの中心位置と、定荷重伝達軸65を軸支する軸支孔61a,62aの中心位置とは、姿勢基準線C、および、回転対称軸C2に対して回転対称となる位置に形成されている。
ばねカバー62は、各ビス受け61cと対向する位置にビス孔62cを備える。各ビス孔62cに挿通されるビス67がビス受け61cに螺着されることによって、ばねカバー62がばねケース61に固定される。
ばね支持軸63、および、定荷重伝達軸65は、相互に平行な円筒状を有する。定荷重ばね64は、帯状を有した一枚の鋼板を巻き回した形状を有する。ばね支持軸63の外周面は、定荷重ばね64の巻き取りと巻き出しとを可能に、定荷重ばね64の内周面を支持する。定荷重伝達軸65の外周面は、定荷重ばね64の先端と締結部材66で締結されている。定荷重ばね64は、定荷重ばね64の先端を巻き取る方向に、ほぼ一定の付勢力を定荷重伝達軸65に作用させる。
ばね支持軸63は、姿勢基準線Cに沿って延びるばね側遊挿孔63Hを備える。ばね側遊挿孔63Hは、駆動軸30を遊挿可能とする円形孔である。ばね側遊挿孔63Hは、ばね側遊挿孔63Hに遊挿される駆動軸30と、ばね支持軸63とを機械的に非結合とする。ばね側遊挿孔63Hに遊挿された駆動軸30は、ばね支持軸63に対して相対的に回転可能である。
定荷重伝達軸65は、姿勢基準線Cに沿って延びる伝達側遊挿孔65Hを備える。伝達側遊挿孔65Hは、駆動軸30を遊挿可能とする円形孔である。伝達側遊挿孔65Hは、伝達側遊挿孔65Hに遊挿される駆動軸30と、定荷重伝達軸65とを機械的に非結合とする遊挿部の一例である。
定荷重伝達軸65は、姿勢基準線Cの延在方向の両側に、一対の連結片65aを備える。一対の連結片65aは、被連結片55aと同じく、定荷重伝達軸65の中心軸を挟み、姿勢基準線Cに沿う円筒体の一部を軸方向の全体にわたり切り欠いた形状を有する。定荷重伝達軸65の連結片65aは、連結手段の一例であり、ギヤユニット50の被連結片55aと機械的に結合するための片である。
[定荷重ユニット60の姿勢]
定荷重ユニット60は、ヘッドボックス20のなかで、右側のユニット連結部61J,61Kの位置と、左側のユニット連結部61J,61Kの位置とを、定荷重ユニット60の姿勢の左右反転によって反転できる。また、定荷重ユニット60は、ヘッドボックス20のなかで、ばね側遊挿孔63Hの位置と、伝達側遊挿孔65Hの位置とを、定荷重ユニット60の姿勢の左右反転によって反転できる。左右反転とは、回転対称軸C2を中心として定荷重ユニット60を180°回転することである。
図6(a)(b)が示すように、ばねケース第1壁61Tは、ばねケース第2壁61Uと同じく、2つのユニット連結部61Jを備える。ばねケース第2壁61Uの2つのユニット連結部61Jの位置もまた、回転対称軸C2を中心として左右でほぼ対称であり、また、姿勢基準線Cを中心として上下でほぼ対称でもある。また、ばねケース第1壁61Tは、2つのユニット連結部61Kを備える。ばねケース第2壁61Uの2つのユニット連結部61Kの位置もまた、回転対称軸C2を中心として左右でほぼ対称であり、また、姿勢基準線Cを中心として上下でほぼ対称でもある。
回転対称軸C2に沿う方向から見て、ばねケース第1壁61Tの各ユニット連結部61Jと、ばねケース第2壁61Uの各ユニット連結部61Jとは、回転対称軸C2を中心とする同一円周上に位置する。回転対称軸C2に沿う方向から見て、ばねケース第1壁61Tの各ユニット連結部61Jと、ばねケース第2壁61Uの各ユニット連結部61Jともまた、回転対称軸C2を中心とする同一円周上に位置する。そして、ばねケース第1壁61Tに位置する各ユニット連結部61J,61Kと、ばねケース第2壁61Uに位置する各ユニット連結部61J,61Kとは、姿勢基準線C、および、回転対称軸C2に対して回転対称である。
定荷重ユニット60が取り得る姿勢のなかで、ばねケース第1壁61Tが上位、ばねケース第2壁61Uが下位に位置し、かつ、ばねケース61がばねカバー62の左側に位置する姿勢が、基準姿勢である。定荷重ユニット60が取り得る姿勢のなかで、基準姿勢を上下又は左右のいずれか一方で反転した姿勢が、反転姿勢である。上下反転とは、姿勢基準線Cを中心として定荷重ユニット60を180°回転することである。なお、図5は、定荷重ユニット60の内部構造を説明する便宜上、基準姿勢を上下および左右に反転した姿勢での定荷重ユニット60の分解斜視構造を示す。
すなわち、定荷重ユニット60は、ヘッドボックス20のなかで、上側のユニット連結部61J,61Kの位置と、下側の各ユニット連結部61J,61Kの位置とを、定荷重ユニット60の反転姿勢によって反転できる。また、定荷重ユニット60は、ヘッドボックス20のなかで、ばね側遊挿孔63Hの位置と、伝達側遊挿孔65Hとの位置とを、定荷重ユニット60の反転姿勢によって反転できる。
[第1結合形態]
次に、上記ユニットと駆動軸30との第1結合形態について図7を参照して説明する。
図7が示すように、ギヤユニット50、および、定荷重ユニット60は、基準姿勢でヘッドボックス20に搭載されている。ギヤユニット50と定荷重ユニット60とは、ユニット連結部51Jとユニット連結部61Jとの嵌合によって相互に連結されている(連結使用である。図2(a)参照)。また、ギヤユニット50の出力軸55は、被連結片55aと連結片65aの嵌合によって、定荷重ユニット60の定荷重伝達軸65と機械的に結合している。
駆動軸30は、ギヤユニット50の入力側嵌合孔53Hに挿通されて、ギヤユニット50の入力軸53と機械的に結合している。ギヤユニット50と定荷重ユニット60とは、駆動軸30と入力軸53との機械的な結合、入力軸53と伝達軸54との機械的な結合、伝達軸54と出力軸55との機械的な結合、および、被連結片55aと連結片65aの嵌合を通じて、出力軸55に定荷重を加える配置である。このように、ギヤユニット50と定荷重ユニット60との配置のなかで、出力軸55に定荷重を加える配置は、作動配置である。なお、駆動軸30は、定荷重ユニット60のばね側遊挿孔63Hに挿通され、それによって、定荷重ユニット60と駆動軸30とは、直接的には、機械的に非結合である。
ここで、プリーツスクリーンは、スクリーン10の可動範囲のなかで、スクリーン10の最下部を最も下位に配置している。この状態において、ばね支持軸63に巻き回されていた定荷重ばね64の殆どは、定荷重伝達軸65に巻き取られている。この際、スクリーン10やウェイトバー11の荷重による回転トルクは、昇降コード13の巻き出し方向に作用している。また、定荷重ばね64の定荷重による回転トルクは、昇降コード13の巻き取り方向に作用している。これら巻き出し方向の回転トルクと、巻き取り方向の回転トルクとは、定荷重伝達軸65でほぼ釣り合っている。そのため、定荷重伝達軸65は、上述した荷重による回転トルクを受ける一方で、荷重による回転トルクでは回転せずに、静止した状態を保つ。
そして、ウェイトバー11を手などによって持ち上げる手引き操作が行われると、ウェイトバー11を上昇させるための外力Fがウェイトバー11に作用する。これによって、ウェイトバー11の荷重による巻き出し方向の回転トルクが、昇降コード13を通じて低下し、巻き取り方向の回転トルク(図7の矢印方向)が、巻き取り軸41において相対的に増大する。巻き取り軸41は、巻き取り方向の回転トルクの増大に従って回転し、昇降コード13を巻き取る。
巻き取り軸41の巻き取り方向への回転は、駆動軸30と入力軸53との機械的な結合、入力軸53と伝達軸54との機械的な結合、および、伝達軸54と出力軸55との機械的な結合を通じて、入力軸53の巻き取り方向への回転と、出力軸55の巻き取り方向への回転とによって発生する。ギヤユニット50は、入力軸53の巻き取り方向への回転数を減らして出力軸55を回転させる。出力軸55の巻き取り方向への回転は、被連結片55aと連結片65aの嵌合を通じて、定荷重伝達軸65の定荷重ばね64をばね支持軸63に戻す。この間、定荷重ばね64は、巻き取り方向への定荷重を、定荷重伝達軸65に伝え続ける。また、駆動軸30は、ばね支持軸63と駆動軸30との機械的な非結合を通じて、ばね支持軸63に対して相対的に回転する。
このように、ウェイトバー11を上昇させるための外力Fが、回転トルクの変化として定荷重伝達軸65に作用すると、巻き取り軸41を巻き取り方向に回転させる方向に定荷重伝達軸65は回転しはじめる。この間、定荷重ばね64は、上述した巻き取り方向の定荷重を、定荷重伝達軸65に伝え続ける。結果として、ウェイトバー11を上昇させるための外力Fは、昇降コード13に作用する荷重から定荷重ばね64が加える定荷重を差し引いた程度で足りる。そして、ウェイトバー11を上昇させた外力Fが、ウェイトバー11から除かれると、定荷重伝達軸65での回転トルクが再び釣り合い、定荷重伝達軸65の回転が止まり、ウェイトバー11の上昇が止まる。
反対に、ウェイトバー11を手などによって引き下げる手引き操作が行われると、ウェイトバー11を下降させるための外力が、回転トルクの変化として定荷重伝達軸65に作用する。これによって、巻き取り軸41を巻き出し方向に回転させる方向に定荷重伝達軸65は回転しはじめる。この際、ばね支持軸63から定荷重伝達軸65に定荷重ばね64が送られ、送られた定荷重ばね64は、定荷重伝達軸65の外周面上に巻かれる。この間も、定荷重ばね64が定荷重を伝え続ける結果、ウェイトバー11を下降させるための外力は、ここでも、昇降コード13に作用する荷重から定荷重ばね64が加える定荷重を差し引いた程度の大きさで足りる。そして、ウェイトバー11を下降させた外力が、ウェイトバー11から除かれると、定荷重伝達軸65での回転トルクとが再び釣り合い、定荷重伝達軸65の回転が止まり、ウェイトバー11の下降が止まる。
[第2結合形態]
次に、上記ユニットと駆動軸30との第2結合形態について図8~図10を参照して説明する。第2結合形態は、定荷重ユニット60の単体使用を示す。すなわち、第2結合状態は、第1結合形態からギヤユニット50を割愛した構成であり、かつ、定荷重ユニット60の姿勢を、第1結合形態にて上下反転した構成である。
図8が示すように、定荷重ユニット60は、上下の反転姿勢でヘッドボックス20に搭載されている。すなわち、第2結合形態での定荷重ユニット60では、図中の上位に定荷重伝達軸65が位置し、図中の下位にばね支持軸63が位置する。駆動軸30は、定荷重ユニット60の伝達側遊挿孔65Hに遊挿されている。定荷重伝達軸65と駆動軸30とは、結合部材70を介して機械的に結合している。
図9が示すように、結合部材70は、定荷重伝達軸65の中心軸に沿って延びる円筒形状を有する。結合部材70は、定荷重伝達軸65の中心軸に沿って延びる結合孔70Hを備える。結合孔70Hは、駆動軸30と同じ角数を有した多角孔である。結合孔70Hは、駆動軸30と相対的な回転が不能となる状態で、それに挿通された駆動軸30と機械的に結合する。
結合部材70における一方の筒端は、一対の結合片70aを備える。一対の結合片70aは、連結片65aと同じく、定荷重伝達軸65の中心軸を挟み、定荷重伝達軸65の軸方向に沿う円筒体の一部を軸方向の全体にわたり切り欠いた形状を有する。結合片70aは、連結片65aとの嵌合と、その嵌合の解除とを可能に構成されている。結合片70aが連結片65aと嵌合し、結合部材70が定荷重伝達軸65に装着されるとき、定荷重伝達軸65と結合部材70とは一体に回転する。すなわち、定荷重伝達軸65に装着された結合部材70は、定荷重伝達軸65が出力する定荷重を駆動軸30に加えた状態で、定荷重伝達軸65と駆動軸30とを一体回転させる。反対に、定荷重伝達軸65から離脱した結合部材70は、定荷重伝達軸65が出力する定荷重を駆動軸30に加えず、定荷重伝達軸65と駆動軸30とを相対的に回転可能とする。
図10が示すように、ウェイトバー11を上昇させるための外力Fがウェイトバー11に作用すると、第1結合形態と同じく、巻き取り方向の回転トルク(図10の矢印方向)が、巻き取り軸41において相対的に増大する。巻き取り軸41は、巻き取り方向の回転トルクの増大に従い回転し、昇降コード13を巻き取る。
巻き取り軸41の巻き取り方向への回転は、駆動軸30と定荷重伝達軸65との結合部材70を介した機械的な結合を通じて、定荷重伝達軸65の定荷重ばね64をばね支持軸63に戻す。この間、定荷重ばね64は、巻き取り方向への定荷重を、定荷重伝達軸65に伝え続ける。
反対に、ウェイトバー11を下降させるための外力がウェイトバー11に作用すると、第1結合形態と同じく、巻き出し方向の回転トルク(図10の矢印方向とは反対方向)が、巻き取り軸41において相対的に増大する。巻き取り軸41は、こうした巻き出し方向の回転トルクの増大に従い回転し、昇降コード13を繰り出す。巻き取り軸41の巻き出し方向への回転は、駆動軸30と定荷重伝達軸65との結合部材70を介した機械的な結合を通じて、ばね支持軸63から定荷重伝達軸65に定荷重ばね64を送る。この間も、定荷重ばね64は、巻き取り方向への定荷重を、定荷重伝達軸65に伝え続ける。
[第3結合形態]
次に、上記ユニットと駆動軸30との第3結合形態について図11,12を参照して説明する。第3結合形態は、第1結合形態(連結使用)の定荷重ユニット60を第1定荷重ユニット601とし、他の定荷重ユニット60として第2定荷重ユニット602を備える構成である。なお、第3結合形態では、スクリーン10やウェイトバー11の荷重による回転トルクと、2つの定荷重ばね64の定荷重による回転トルクの合計とが、各定荷重伝達軸65でほぼ釣り合っている。
図11(a)が示すように、第1定荷重ユニット601は、基準姿勢でヘッドボックス20に搭載されている。また、第2定荷重ユニット602は、基準姿勢でヘッドボックス20に搭載されている。なお、第2定荷重ユニット602は、上下および左右の反転姿勢とすることも可能である。ギヤユニット50の右側に位置する上下の各ユニット連結部51Jと、第1定荷重ユニット601の左側に位置する上下の各ユニット連結部61Jとが嵌合している。また、ギヤユニット50の左側に位置する上下の各ユニット連結部51Jと、第2定荷重ユニット602の右側に位置する上下の各ユニット連結部61Jとが嵌合している。駆動軸30は、各定荷重ユニット601,602のばね側遊挿孔63Hに遊挿されている。
図11(b)が示すように、第1定荷重ユニット601の連結片65aは、ギヤユニット50において図中右側に位置する被連結片55aと嵌合している。また、第2定荷重ユニット602の連結片65aは、ギヤユニット50において図中左側に位置する被連結片55aと嵌合している。すなわち、ギヤユニット50の出力軸55は、第1定荷重ユニット601の定荷重伝達軸65と機械的に結合し、かつ、第2定荷重ユニット602の定荷重伝達軸65とも機械的に結合している。
図12が示すように、ウェイトバー11を上昇させるための外力Fがウェイトバー11に作用すると、第1結合形態と同じく、巻き取り方向の回転トルク(図12の矢印方向)が、巻き取り軸41において相対的に増大する。巻き取り軸41は、巻き取り方向の回転トルクの増大に従い回転し、昇降コード13を巻き取る。
巻き取り軸41の巻き取り方向への回転は、駆動軸30と入力軸53との機械的な結合、入力軸53と伝達軸54との機械的な結合、および、伝達軸54と出力軸55との機械的な結合を通じて、入力軸53の巻き取り方向への回転と、出力軸55の巻き取り方向への回転とによって発生する。出力軸55の巻き取り方向への回転は、被連結片55aと連結片65aの嵌合を通じて、第1定荷重ユニット601および第2定荷重ユニット602の各々で、定荷重伝達軸65の定荷重ばね64をばね支持軸63に戻す。この間、各定荷重ばね64は、巻き取り方向への定荷重を、別々の定荷重伝達軸65を通じて、共通する出力軸55に伝え続ける。なお、駆動軸30は、各ばね支持軸63と駆動軸30とが機械的に非結合であるため、各ばね支持軸63に対して相対的に回転する。
このように、ウェイトバー11を上昇させるための外力Fが、回転トルクの変化として2つの定荷重伝達軸65に作用すると、2つの定荷重伝達軸65は、共に同じタイミングで、定荷重ばね64を戻す方向に回転しはじめる。この間、各定荷重ばね64は、巻き取り方向の定荷重を、別々の定荷重伝達軸65からこれらに共通するギヤユニット50を通じて、共通する1本の駆動軸30に伝え続ける。そして、ウェイトバー11を上昇させた外力Fが、ウェイトバー11から除かれると、巻き取り方向の回転トルクと、巻き出し方向の回転トルクとが再び釣り合い、2つの定荷重伝達軸65の回転が止まり、ウェイトバー11の上昇が止まる。
反対に、ウェイトバー11を下降させるための外力が、回転トルクの変化として2つの定荷重伝達軸65に作用すると、2つのばね支持軸63は、共に同じタイミングで、定荷重伝達軸65に定荷重ばね64を送りはじめる。この間も、2つの定荷重ばね64は、巻き取り方向に定荷重を、別々の定荷重伝達軸65からこれらに共通するギヤユニット50を通じて、共通する1本の駆動軸30に伝え続ける。そして、ウェイトバー11を下降させた外力が、ウェイトバー11から除かれると、巻き出し方向の回転トルクと、巻き取り方向の回転トルクとが再び釣り合い、2つの定荷重伝達軸65の回転が止まり、ウェイトバー11の下降が止まる。
[第4結合形態]
次に、上記ユニットと駆動軸30との第4結合形態について図13,14を参照して説明する。第4結合形態は、第1定荷重ユニット601と第2定荷重ユニット602との配置が第3結合形態と異なる構成である。すなわち、第4結合形態では、ギヤユニット50、第2定荷重ユニット602、第1定荷重ユニット601の順に、これらは並んでいる。
図13(a)が示すように、第1定荷重ユニット601、および、第2定荷重ユニット602は、共に基準姿勢でヘッドボックス20に搭載されている。なお、第2定荷重ユニット602は、上下および左右の反転姿勢とすることも可能である。ギヤユニット50の右側に位置する上下の各ユニット連結部51Jと、第2定荷重ユニット602の左側に位置する各ユニット連結部61Jとが嵌合している。また、第2定荷重ユニット602の右側に位置する上下の各ユニット連結部61J,61Kと、第1定荷重ユニット601の左側に位置する上下の各ユニット連結部61J,61Kとが嵌合している。駆動軸30は、各定荷重ユニット601,602のばね側遊挿孔63Hに遊挿されている。
図13(b)が示すように、第1定荷重ユニット601の連結片65aは、第2定荷重ユニット602において図中右側に位置する連結片65aと嵌合している。第2定荷重ユニット602において図中左側に位置する連結片65aは、ギヤユニット50において図中右側に位置する被連結片55aと嵌合している。すなわち、ギヤユニット50の出力軸55は、第2定荷重ユニット602の定荷重伝達軸65と機械的に結合し、第2定荷重ユニット602の定荷重伝達軸65は、第1定荷重ユニット601の定荷重伝達軸65と機械的に結合している。
図14が示すように、ウェイトバー11を上昇させるための外力Fがウェイトバー11に作用すると、第3結合形態と同じく、巻き取り方向の回転トルク(図14の矢印方向)が、巻き取り軸41において相対的に増大する。巻き取り軸41は、巻き取り方向の回転トルクの増大に従い回転し、昇降コード13を巻き取る。
巻き取り軸41の巻き取り方向への回転は、駆動軸30と入力軸53との機械的な結合、入力軸53と伝達軸54との機械的な結合、および、伝達軸54と出力軸55との機械的な結合を通じて、入力軸53の巻き取り方向への回転と、出力軸55の巻き取り方向への回転とによって発生する。出力軸55の巻き取り方向への回転は、被連結片55aと連結片65aの嵌合を通じて、各定荷重ユニット601,602で、定荷重伝達軸65の定荷重ばね64をばね支持軸63に戻す。この間、2つの定荷重ばね64は、巻き取り方向への定荷重を、それに結合した2つの定荷重伝達軸65を通じて、共通する出力軸55に伝え続ける。なお、駆動軸30は、各ばね支持軸63と駆動軸30との機械的な非結合を通じて、各ばね支持軸63に対して相対的に回転する。
このように、ウェイトバー11を上昇させるための外力Fが、回転トルクの変化として2つの定荷重伝達軸65に作用すると、2つの定荷重伝達軸65は、共に同じタイミングで、定荷重ばね64を戻す方向に回転しはじめる。この間、各定荷重ばね64は、巻き取り方向の定荷重を、相互に機械的に結合した定荷重伝達軸65と、それと機械的に結合したギヤユニット50とを通じて、共通する1本の駆動軸30に伝え続ける。そして、ウェイトバー11を上昇させた外力Fが、ウェイトバー11から除かれると、巻き取り方向の回転トルクと、巻き出し方向の回転トルクとが再び釣り合い、2つの定荷重伝達軸65の回転が止まり、ウェイトバー11の上昇が止まる。
反対に、ウェイトバー11を下降させるための外力が、回転トルクの変化として2つの定荷重伝達軸65に作用すると、2つのばね支持軸63は、共に同じタイミングで、定荷重伝達軸65に定荷重ばね64を送りはじめる。この間も、各定荷重ばね64は、それに機械的に結合した定荷重伝達軸65、および、第2定荷重ユニット602と機械的に結合したギヤユニット50を通じて、巻き取り方向の定荷重を、共通する1本の駆動軸30に伝え続ける。そして、ウェイトバー11を下降させた外力が、ウェイトバー11から除かれると、巻き出し方向の回転トルクと、巻き取り方向の回転トルクとが再び釣り合い、2つの定荷重伝達軸65の回転が止まり、ウェイトバー11の下降が止まる。
[第5結合形態]
図15(a)が示すように、プリーツスクリーンは、遮蔽部材の一例である上段スクリーン101と、遮蔽部材の一例である下段スクリーン102と、中間レール111とをさらに備える。上段スクリーン101は、ヘッドボックス20から上下方向にジグザグ状に折り曲げられている。上段スクリーン101の上端は、ヘッドボックス20に接続され、上段スクリーン101の下端は、中間レール111に接続されている。下段スクリーン102は、中間レール111から上下方向にジグザグ状に折り曲げられている。下段スクリーン102の上端は、中間レール111に接続され、下段スクリーン102の下端は、ウェイトバー112に接続されている。ウェイトバー112の左右方向での中央には、ハンドル121が取り付けられ、中間レール111の左右方向での中央にも、ハンドル122が取り付けられている。上段スクリーン101の昇降は、利用者によるハンドル122の昇降によって操作される。下段スクリーン102の昇降は、利用者によるハンドル121の昇降によって操作される。
図15(b)が示すように、ヘッドボックス20は、ヘッドボックス20の内部に、2本の駆動軸301,302と、2体の巻き取りユニット401,402と、2体のギヤユニット501,502と、2体の定荷重ユニット601,602とを備える。各駆動軸301,302は、他の結合形態と同じく、左右方向に延びる多角柱状を有し、相互に平行となる位置に配置されている。
各巻き取りユニット401,402は、前後に一対の2つの巻き取り軸41A,41Bを備える。各巻き取りユニット401,402では、後側に位置する後側巻き取り軸41Aに第1駆動軸301が機械的に結合され、各後側巻き取り軸41Aと、第1駆動軸301とが一体に回転する。各後側巻き取り軸41Aは、ウェイトバー112を昇降するための昇降コード13A、すなわち、下段スクリーン102を昇降するための昇降コード13Aの巻き取りと巻き出しとを行う。
各巻き取りユニット401,402では、前側に位置する前側巻き取り軸41Bに第2駆動軸302が機械的に結合され、各前側巻き取り軸41Bと、第2駆動軸302とが一体に回転する。各前側巻き取り軸41Bは、中間レール111を昇降するための別の昇降コード13B、すなわち、上段スクリーン101を昇降するための別の昇降コード13Bの巻き取りと巻き出しとを行う。
第1ギヤユニット501は、基準姿勢でヘッドボックス20に搭載されている。第1定荷重ユニット601は、基準姿勢でヘッドボックス20に搭載されている。これら第1定荷重ユニット601と第1ギヤユニット501とは、第1結合形態と同じく、ユニット連結部51Jとユニット連結部61Jとの嵌合によって相互に連結されている(図2参照)。また、第1ギヤユニット501の出力軸55は、被連結片55aと連結片65aの嵌合によって、第1定荷重ユニット601の定荷重伝達軸65と機械的に結合している(図2参照)。
第2ギヤユニット502は、左右の反転姿勢でヘッドボックス20に搭載されている。第2定荷重ユニット602は、左右の反転姿勢でヘッドボックス20に搭載されている。第2定荷重ユニット602と第2ギヤユニット502とは、ユニット連結部51Jとユニット連結部61Jとの嵌合によって相互に連結されている。また、第2ギヤユニット502の出力軸55は、被連結片55aと連結片65aの嵌合によって、第2定荷重ユニット602の定荷重伝達軸65と機械的に結合している。
第1駆動軸301は、第1ギヤユニット501の入力側嵌合孔53Hに挿通され、かつ、第2ギヤユニット502の出力側遊挿孔55Hに遊挿されている。すなわち、第1駆動軸301に対して、第1ギヤユニット501は作動配置であり、第2ギヤユニット502は非作動配置である。第1駆動軸301は、第1定荷重ユニット601のばね側遊挿孔63Hに遊挿され、かつ、第2定荷重ユニット602の伝達側遊挿孔65Hに遊挿されている。すなわち、第1駆動軸301は、第1ギヤユニット501の入力軸53のみと機械的に結合され、第2ギヤユニット502の出力軸55、第1定荷重ユニット601のばね支持軸63、および、第2定荷重ユニット602の定荷重伝達軸65とは、直接的には、機械的に非結合である。
第2駆動軸302は、第1ギヤユニット501の出力側遊挿孔55Hに遊挿され、かつ、第2ギヤユニット502の入力側嵌合孔53Hに挿通されている。すなわち、第2駆動軸302に対して、第1ギヤユニット501は非作動配置であり、第2ギヤユニット502は作動配置である。第2駆動軸302は、第1定荷重ユニット601の伝達側遊挿孔65Hに遊挿され、かつ、第2定荷重ユニット602のばね側遊挿孔63Hに遊挿されている。すなわち、第2駆動軸302は、第2ギヤユニット502の入力軸53のみと機械的に結合され、第1ギヤユニット501の出力軸55、第1定荷重ユニット601の定荷重伝達軸65,および、第2定荷重ユニット602のばね支持軸63とは、直接的には、機械的に非結合である。
ここで、図16が示すように、中間レール111を上昇させるための外力が中間レール111に作用すると、巻き取り方向の回転トルク(図16の矢印方向)が、各前側巻き取り軸41Bにおいて相対的に増大する。各前側巻き取り軸41Bは、巻き取り方向の回転トルクの増大に従い回転し、昇降コード13Bを巻き取る。
各前側巻き取り軸41Bの巻き取り方向への回転は、第2駆動軸302と、第2ギヤユニット502の入力軸53との機械的な結合を通じて、その入力軸53の巻き取り方向への回転として伝わり、第2ギヤユニット502での入力軸53と伝達軸54との機械的な結合を通じて、第2ギヤユニット502での出力軸55を巻き取り方向に回転させる。第2ギヤユニット502での出力軸55の巻き取り方向への回転は、第2定荷重ユニット602での定荷重伝達軸65の定荷重ばね64をばね支持軸63に戻す。この間、第2駆動軸302は、第1ギヤユニット501の出力軸55、および、第1定荷重ユニット601の定荷重伝達軸65に対しては空転し続ける。
このように、中間レール111を上昇させるための外力が、回転トルクの変化として第2定荷重ユニット602の定荷重伝達軸65に作用すると、第2定荷重ユニット602の定荷重伝達軸65のみが、定荷重ばね64を戻す方向に回転しはじめる。そして、第2定荷重ユニット602の定荷重ばね64が、第2定荷重ユニット602の定荷重伝達軸65と第2ギヤユニット502の出力軸55との機械的な結合、および、第2ギヤユニット502の入力軸53と第2駆動軸302との機械的な結合を通じて、巻き取り方向の定荷重を第2駆動軸302に伝え続ける。中間レール111を上昇させた外力が、中間レール111から除かれると、巻き取り方向の回転トルクと、巻き出し方向の回転トルクとが再び釣り合い、第2定荷重ユニット602での定荷重伝達軸65の回転が止まり、中間レール111の上昇が止まる。なお、この間、ウェイトバー112は、その位置を保ち、上段スクリーン101と下段スクリーン102とが占める面積のなかで、下段スクリーン102の占める割合が増える。
また、図17が示すように、ウェイトバー112を上昇させるための外力がウェイトバー112に作用すると、巻き取り方向の回転トルク(図17の矢印方向)が、各後側巻き取り軸41Aにおいて相対的に増大する。各後側巻き取り軸41Aは、巻き取り方向の回転トルクの増大に従い回転し、昇降コード13Aを巻き取る。
各後側巻き取り軸41Aの巻き取り方向への回転は、第1駆動軸301と、第1ギヤユニット501の入力軸53との機械的な結合を通じて、その入力軸53の巻き取り方向への回転として伝わり、第1ギヤユニット501での入力軸53と伝達軸54との機械的な結合を通じて、第1ギヤユニット501での出力軸55を巻き取り方向に回転させる。第1ギヤユニット501での出力軸55の巻き取り方向への回転は、第1定荷重ユニット601での定荷重伝達軸65の定荷重ばね64をばね支持軸63に戻す。この間、第1駆動軸301は、第2ギヤユニット502の出力軸55、および、第2定荷重ユニット602の定荷重伝達軸65に対しては空転し続ける。
このように、ウェイトバー112を上昇させるための外力が、回転トルクの変化として第1定荷重ユニット601の定荷重伝達軸65に作用すると、第1定荷重ユニット601の定荷重伝達軸65のみが、定荷重ばね64を戻す方向に回転しはじめる。そして、第1定荷重ユニット601の定荷重ばね64が、第1定荷重ユニット601の定荷重伝達軸65と第1ギヤユニット501の出力軸55との機械的な結合、第1ギヤユニット501の入力軸53と伝達軸54との機械的な結合、伝達軸54と出力軸55との機械的な結合、および、第1ギヤユニット501の入力軸53と第1駆動軸301との機械的な結合を通じて、巻き取り方向の定荷重を第1駆動軸301に伝え続ける。ウェイトバー112を上昇させた外力が、ウェイトバー112から除かれると、巻き取り方向の回転トルクと、巻き出し方向の回転トルクとが再び釣り合い、第1定荷重ユニット601での定荷重伝達軸65の回転が止まり、ウェイトバー112の上昇が止まる。なお、この間、中間レール111は、その位置を保ち、上段スクリーン101と下段スクリーン102とが占める面積のなかで、上段スクリーン101の占める割合が増える。
[ブレーキ機構]
図18(a)は、巻き取りユニット40の正面構造を示す正面図であり、図18(b)は、巻き取りユニット40の側面構造を示す側面図である。
図18が示すように、巻き取りユニット40は、軸ケース42と軸カバー43とを備える。軸ケース42は、上面を開口した箱体形状を有する。軸ケース42は、前側巻き取り軸41Bと、後側巻き取り軸41Aとを、軸線が相互に平行となる状態で、これらを収納可能な大きさを有する。軸ケース42は、上方に延びる左右で一対のユニット側壁42aを備える。各ユニット側壁42aは、ユニット側壁42aを貫通する係止孔42bを備える。
軸カバー43は、各巻き取り軸41の基端部、および、各巻き取り軸41に挿通された駆動軸30の一部を覆う形状を有する。軸カバー43は、各係止孔42bと係合可能な突片として、係止突部43bと差し込み突部43cとを備える。軸ケース42に対する軸カバー43の組み付けは、まず、差し込み突部43cが係止孔42bに差し込まれ、その後、係止突部43bが他の係止孔42bに嵌め込まれることによって行われる。
図19が示すように、軸カバー43は、各巻き取り軸41の基端部を覆う板形状を有したカバー本体44を備える。カバー本体44は、各巻き取り軸41の径方向の外側となる位置に、各巻き取り軸41の外周面に追従し、上方に向けて突となる曲面である被覆面44Sを備える。被覆面44Sは、2つの巻き取り軸41A,41Bと同じく、前後で一対である。また、軸カバー43の左右方向および前後方向の中心を通る鉛直線は、回転対称軸C3であり、軸カバー43は、回転対称軸C3を中心として左右でほぼ対称でもある。
軸カバー43の左右方向の両端壁は、各端壁から軸カバー43の外側に突き出るブレーキ部45を備える。各ブレーキ部45は、軸カバー43の各端面において前後で一対である。各ブレーキ部45は、被覆面44Sよりも上方に位置し、巻き取り軸41の径方向において、被覆面44Sよりも外側に位置する。各ブレーキ部45の上面は、突曲面である。前後で一対のブレーキ部45の位置は、回転対称軸C3を中心として左右でほぼ対称である。各ブレーキ部45は、巻き取りユニット40のなかで、スクリーン10と巻き取り軸41との間で、昇降コード13が架け渡される。各ブレーキ部45は、ブレーキ部45の上面に追従する昇降コード13に屈曲部位を形成し、昇降コード13とブレーキ部45との摩擦によって、昇降コード13の移動を抑える機能を有する。
各ブレーキ部45の先端には、抜け止め部43aが位置する。各抜け止め部43aは、ブレーキ部45の先端で、上方、前方、および、後方に広がる板状を有する。前後で一対の抜け止め部43aの位置は、これもまた、前後で一対のブレーキ部45と同じく、回転対称軸C3を中心として左右でほぼ対称である。各抜け止め部43aは、ブレーキ部45に架け渡された昇降コード13が、ブレーキ部45から外れることを抑える機能を有する。また、抜け止め部43aは、昇降コード13と抜け止め部43aとの摩擦によって、昇降コード13の移動を抑える機能も有する。
図20(a)は、巻き取りユニット40が1本の巻き取り軸41を備える形態での巻き取りユニット40の上面構造を示す。図20(b)は、巻き取り軸41の中心軸よりも前側から昇降コード13が巻き取り軸41に引き回される形態での側面構造を示す。図20(c)は、巻き取り軸41の中心軸よりも後側から昇降コード13が巻き取り軸41に引き回される形態の側面構造を示す。なお、図20(b)(c)には、図20(a)では省略されているヘッドボックスカバー21を示す。ヘッドボックスカバー21は、ヘッドボックス20の左右方向の全体にわたり、駆動軸30、巻き取りユニット40、ギヤユニット50、および、定荷重ユニット60を覆う。
図20(a)が示すように、軸カバー43のブレーキ部45は、巻き取り軸41の基端部上で昇降コード13を架け渡されている。ブレーキ部45は、上面視において、巻き取り軸41の周方向に延び、巻き取り軸41に架け渡される昇降コード13を、巻き取り軸41の周方向に案内する。
図20(b)が示す例のように、巻き取りユニット40の下方に位置する昇降コード13は、軸ケース42の底壁を貫通する挿通孔42Hを通じて、巻き取りユニット40の内部に位置する。巻き取り軸41の中心よりも前側でブレーキ部45に架け渡された昇降コード13は、スクリーン10などの荷重を受けて、ブレーキ部45から下方に向けて引っ張られ、ブレーキ部45の上面に追従して折れ曲がる。ブレーキ部45は、昇降コード13が巻き取り軸41の前側から巻かれはじめる態様で、ブレーキ部45と昇降コード13との摩擦をこうした屈曲部位で高め、昇降コード13の移動を抑える。
図20(c)が示す例のように、巻き取りユニット40の下方に位置する昇降コード13は、軸ケース42の底壁を貫通する挿通孔42Hを通じて、巻き取りユニット40の内部に位置する。巻き取り軸41の中心よりも後側からブレーキ部45に架け渡された昇降コード13は、スクリーン10などの荷重を受けて、ブレーキ部45から後側下方に向けて引っ張られ、ここでも、ブレーキ部45の上面に追従して折れ曲がる。ブレーキ部45は、昇降コード13が巻き取り軸41の後側から巻かれはじめる態様でも、ブレーキ部45と昇降コード13との摩擦をこうした屈曲部位で高め、昇降コード13の移動を抑える。
なお、ブレーキ部45の上方にヘッドボックスカバー21が位置するため、ブレーキ部45から上方(径方向の外側)に昇降コード13が浮き上がる場合に昇降コード13がブレーキ部45から外れることも抑えられる。
図21(a)は、巻き取りユニット40が2本の巻き取り軸41A,41Bを備える形態での巻き取りユニット40の上面構造を示す。図21(b)は、前側巻き取り軸41Bの中心軸よりも後側、および、後側巻き取り軸41Aの中心軸よりも前側から各昇降コード13A,13Bが巻き取り軸41A,41Bに引き回される形態での側面構造を示す。図21(c)は、前側巻き取り軸41Bの中心軸よりも後側、および、後側巻き取り軸41Aの中心軸よりも後側から各昇降コード13A,13Bが巻き取り軸41A,41Bに引き回される形態での側面構造を示す。なお、図21(b)(c)においても、図21(a)では省略されているヘッドボックスカバー21を示す。
図21(b)が示す例のように、軸カバー43で前後一対のブレーキ部45は、巻き取り軸41A,41Bの基端部上で別々の昇降コード13A,13Bを架け渡されている。図21(b)が示すように、巻き取りユニット40の下方に位置する各昇降コード13A,13Bは、軸ケース42の底壁において、前後方向のほぼ中央を貫通する挿通孔42Hを通じて、巻き取りユニット40の内部に位置する。各ブレーキ部45に架け渡された昇降コード13A,13Bは、スクリーン10などの荷重を受けて、ブレーキ部45から下方に向けて引っ張られ、各ブレーキ部45の上面に追従して折れ曲がる。前側のブレーキ部45は、昇降コード13Bが巻き取り軸41Bの後側から巻かれはじめる態様で、ブレーキ部45と昇降コード13Bとの摩擦をこうした屈曲部位で高め、昇降コード13Bの移動を抑える。後側のブレーキ部45は、昇降コード13Aが巻き取り軸41Aの前側から巻かれはじめる態様で、ブレーキ部45と昇降コード13Aとの摩擦をこうした屈曲部位で高め、昇降コード13Aの移動を抑える。
図21(c)が示す例のように、巻き取りユニット40の下方に位置する昇降コード13A,13Bは、軸ケース42の底壁において、前後方向のほぼ後端を貫通する挿通孔42Hを通じて、巻き取りユニット40の内部に位置する。各ブレーキ部45に架け渡された昇降コード13A,13Bは、スクリーン10などの荷重を受けて、ブレーキ部45から下方に向けて引っ張られ、ここでも、各ブレーキ部45の上面に追従して折れ曲がる。前側のブレーキ部45は、昇降コード13Bが巻き取り軸41Bの前側から巻かれはじめる態様で、ブレーキ部45と昇降コード13Bとの摩擦をこうした屈曲部位で高め、昇降コード13Bの移動を抑える。後側のブレーキ部45は、昇降コード13Aが巻き取り軸41Aの後側から巻かれはじめる態様で、ブレーキ部45と昇降コード13Aとの摩擦をこうした屈曲部位で高め、昇降コード13Aの移動を抑える。
スクリーン10やウェイトバー11の重量が小さい装置仕様、また、スクリーン10やウェイトバー11のサイズが小さい装置使用では、スクリーン10やウェイトバー11の重量に応じた小さい定荷重が、定荷重ユニット60の出力には求められる。反対に、スクリーン10やウェイトバー11の重量が大きい装置仕様、また、スクリーン10やウェイトバーのサイズが大きい装置使用では、スクリーン10やウェイトバー11の重量に応じた大きい定荷重が、定荷重ユニット60の出力には求められる。上述したように、定荷重ユニット60の出力する定荷重が、各装置仕様において一定である場合、定荷重ユニット60の出力する定荷重による回転トルクと、スクリーン10などの荷重による回転トルクとの差分が、装置仕様に応じて若干の差異を生じる。
この点、昇降コード13の移動をブレーキ部45が抑える構成であれば、こうした差異に起因したスクリーン10の移動を抑えることも可能となる。また、求められる定荷重を定荷重ユニット60が出力できる場合には、ブレーキ部45に昇降コード13を架け渡さず、求められる定荷重を定荷重ユニット60が出力できない場合には、ブレーキ部45に昇降コード13を架け渡すという仕様変更も可能である。さらに、軸ケース42は、各巻き取り軸41に複数ずつブレーキ部45を備えることも可能である。この際、求められる定荷重の大きさに合わせて、昇降コード13の架け渡されるブレーキ部45の数量を変えるという仕様変更も可能である。
以上、上記実施形態によれば、以下に記載する効果が得られる。
(1)定荷重ユニット60を備えた遮蔽装置において、上記各結合形態が示すように、相互に異なる装置仕様での構成部材の共通化を図ることが可能となる。
(2)この際、相互に異なる装置仕様に、ギヤユニット50が1体である形態、ギヤユニット50が2体である形態、定荷重ユニット60が1体である形態、および、定荷重ユニット60が2体である形態を含めることが可能となる。
(3)また、相互に異なる装置仕様に、駆動軸30が1本である形態、および、駆動軸30が2本である形態を含めることも可能であり、スクリーン10が1体である形態、および、スクリーン10が2体である形態を含めることも可能である。
(4)ギヤケース第1壁51Tの各ユニット連結部51Jは、回転対称軸C1を中心として左右でほぼ対称である。また、ギヤケース第2壁51Uの各ユニット連結部51Jも、回転対称軸C1を中心として左右でほぼ対称である。そのため、基準姿勢でのギヤユニット50、および、左右の反転姿勢でのギヤユニット50において、いずれかの連結部51Jを用い、ギヤユニット50の連結対象とギヤユニット50とを連結することが可能でもある。
なお、ギヤケース第1壁51Tの2つのユニット連結部51Jは、姿勢基準線Cを中心として上下で対称であり、ギヤケース第2壁51Uの2つのユニット連結部51Jも、姿勢基準線Cを中心として上下で対称である。そのため、基準姿勢でのギヤユニット50、および、上下反転姿勢でのギヤユニット50においても、いずれかの連結部51Jを用い、ギヤユニット50の連結対象とギヤユニット50とを連結することが可能でもある。
(5)定荷重伝達軸65に装着された結合部材70は、定荷重伝達軸65と駆動軸30とを一体回転させる一方で、定荷重伝達軸65から離脱した状態では、定荷重伝達軸65と駆動軸30とを相対的に回転可能とする。それゆえに、相互に異なる装置仕様での構成部材の共通化を図ることが可能となる装置仕様に、定荷重伝達軸65に対して駆動軸30が空転する装置仕様と、定荷重伝達軸65に対して駆動軸30が一体回転する装置仕様とを含めることが可能ともなる。
(6)入力軸53と出力軸55とがギヤユニット50のなかで平行軸歯車を構成するため、入力軸53と出力軸55とが相互に交差する構成と比べて、上下の反転姿勢と左右の反転姿勢との双方でこれらの位置を反転させるための構成の設計が容易でもある。
(7)しかも、駆動軸30の回転を定荷重ユニット60に伝えるための出力軸55が、他の駆動軸30を遊挿可能な構成でもあるため、2つの駆動軸30上に、入力軸53と出力軸55とを、別々に配置することが可能ともなる。ひいては、入力軸53と機械的に結合する駆動軸30と、出力軸55に遊挿される他の駆動軸30とを、1つのヘッドボックス20に搭載することが可能ともなる。そして、入力軸53や出力軸55に駆動軸30が通らない構成と比べて、2つの駆動軸30が搭載されたヘッドボックス20の大きさが増大することを抑えることが可能ともなる。
(8)ばね支持軸63と定荷重伝達軸65とが定荷重ユニット60のなかで平行軸を構成するため、ばね支持軸63と定荷重伝達軸65とが相互に交差する構成と比べて、上下の反転姿勢と左右の反転姿勢との双方でこれらの位置を反転させるための構成の設計が容易でもある。
(9)しかも、ばね支持軸63と定荷重伝達軸65との双方が、駆動軸30を遊挿可能な構成でもある。そのため、2つの駆動軸30上に、ばね支持軸63と定荷重伝達軸65とを、別々に配置することが可能ともなる。ひいては、ばね支持軸63に通される駆動軸30と、定荷重伝達軸65に通される他の駆動軸30とを、1つのヘッドボックス20に搭載することが可能ともなる。そして、ばね支持軸63や定荷重伝達軸65に駆動軸30が通らない構成と比べて、2つの駆動軸30が搭載されたヘッドボックス20の大きさが増大することを抑えることが可能ともなる。
(10)ばねケース第1壁61Tの各ユニット連結部61J,61Kの位置は、回転対称軸C1を中心として左右でほぼ対称である。また、ばねケース第2壁61Uの各ユニット連結部61J,61Kの位置も、回転対称軸C1を中心として左右でほぼ対称である。そのため、基準姿勢での定荷重ユニット60、および、左右の反転姿勢での定荷重ユニット60において、いずれかの連結部61J,61Kを用い、定荷重ユニット60の連結対象と定荷重ユニット60とを連結することが可能でもある。
なお、ばねケース第1壁61Tの2つのユニット連結部61J,61Kの位置は、姿勢基準線Cを中心として上下でほぼ対称であり、ばねケース第2壁61Uの2つのユニット連結部61J,61Kの位置も、姿勢基準線Cを中心として上下でほぼ対称である。そのため、基準姿勢での定荷重ユニット60、および、上下反転姿勢での定荷重ユニット60においても、いずれかの連結部61J,61Kを用い、定荷重ユニット60の連結対象と定荷重ユニット60とを連結することが可能でもある。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することもできる。
[変速手段]
・ギヤユニット50における動力の伝達ギヤは、円筒ギヤに限らず、例えば、伝達方向を変える傘歯車を含む構成とすることも可能である。
・ギヤユニット50は、入力軸53の回転を減速して出力軸55から出力する形態に限らず、例えば、入力軸53の回転を増速して出力軸55から出力する形態とすることも可能である。ギヤユニット50に求められる変速は、遮蔽部材の昇降に要する巻き取り軸41の回転と、定荷重の出力に要する定荷重伝達軸65の回転との整合であるため、これらの回転速度の差異に基づくギヤ比をギヤユニット50が有した構成であればよい。
・変速手段は、駆動軸の回転を変速する機能を備える構成であればよく、例えば、ギヤユニットに代えて、各種のダンパーに変更することも可能である。
[駆動伝達部材]
・駆動伝達部材は、昇降コードに限らず、テープやベルトなどの帯状体に具体化することが可能である。また、駆動伝達部材は、糸や紐などの線状体に具体化することも可能である。要は、駆動伝達部材は、遮蔽部材を昇降するための駆動力を伝える機能を備え、かつ、巻き取り部材による巻き取りと巻き出しとが可能な構成であればよい。
[巻き取り部材]
・巻き取り部材は、姿勢基準線Cに延びる巻き取り軸に限らず、例えば、駆動軸に連結された1体のプーリーを含む構成に具体化することも可能である。要は、巻き取り部材は、駆動伝達部材の巻き取りと巻き出しとを駆動軸の回転に連動させる構造体であればよい。
[連結手段]
・連結手段は、被連結片55aと嵌合する連結片65aに限らず、例えば、定荷重伝達軸65と出力軸55とを締結する締結部材に具体化することも可能である。要は、連結手段は、変速手段と定荷重ユニットとを解除可能に連結し、その連結を通じて、定荷重を駆動軸に伝達する構成であればよい。
[定荷重ユニット]
・第1結合形態から第4結合形態の各々において、伝達側遊挿孔65Hは、入力側嵌合孔53Hと同じく、それに挿通された駆動軸30と相対的な回転が不能となる状態で、駆動軸30と機械的に結合する多角孔とすることも可能である。この構成においても、定荷重ユニットは、単体使用と連結使用とを、上下反転、あるいは、左右反転によって切り換えることが可能である。
・遮蔽装置は、プリーツスクリーンに限らず、横型ブラインドやロールスクリーンなど、要は、遮蔽部材を昇降する装置であればよい。
[ギヤユニットと定荷重ユニット]
・ギヤユニット50、および、定荷重ユニット60は、以下のように変更することも可能である。
図22が示すように、ギヤユニット50は、ギヤケース51とギヤカバー52とを備える。ギヤケース51とギヤカバー52とは、相互にほぼ同一の矩形椀状であって、対向した状態で相互に嵌合に構成されている。ギヤケース51、および、ギヤカバー52は、各別の外側面に4つの嵌合孔Hを備える。各嵌合孔Hは、ギヤケース51の外側面における四隅、および、ギヤカバー52の外側面における四隅に位置している。ギヤケース51に収納された出力軸55は、上述した駆動軸30を遊挿可能とする六角形孔である出力側遊挿孔55Hを備える。
ギヤユニット50は、ヘッドボックス20のなかで、右側のユニット連結部51Jの位置と、左側のユニット連結部51Jの位置とを、ギヤユニット50の姿勢の左右反転によって反転できる。また、ギヤユニット50は、ヘッドボックス20のなかで、入力側嵌合孔53Hの位置と、出力側遊挿孔55Hの位置とを、ギヤユニット50の姿勢の左右反転によって反転できる。また、ギヤユニット50は、ヘッドボックス20のなかで、ギヤケース51の嵌合孔Hと、ギヤカバー52の嵌合孔Hとを、ギヤユニット50の姿勢の左右反転によって反転できる。
図23が示すように、ギヤケース51は、ギヤカバー52に向けて突き出る3つの嵌合片51Fを備える。各嵌合片51Fは、嵌合片51Fを貫通する孔を備える。ギヤカバー52は、各嵌合片51Fと対向する位置に嵌合爪52Fを備える。ギヤケース51とギヤカバー52とは、嵌合爪52Fが嵌合片51Fの貫通孔に嵌ることによって嵌合する。
図24が示すように、定荷重ユニット60は、ばねケース61とばねカバー62とを備える。ばねケース61とばねカバー62とは、相互にほぼ同一の矩形椀形状であって、対向した状態で相互に嵌合するように構成されている。ばねケース61、および、ばねカバー62は、各別の外側面に、2つの嵌合孔Hと2つの嵌合突起Aとを備える。各嵌合孔Hは、ばねケース61の外側面において対角関係となる二隅、および、ばねカバー62の外側面において対角関係となる二隅に位置している。各嵌合突起Aは、ばねケース61の外側面において対角関係となる二隅、および、ばねカバー62の外側面において対角関係となる二隅に位置している。
ばねケース61に収納された定荷重伝達軸65は、ばねカバー62から突き出る六角柱状の嵌挿軸65Bを備える。嵌挿軸65Bは、ギヤユニット50の出力側遊挿孔55Hに嵌合して、出力軸55と定荷重伝達軸65との機械的な結合を可能とする。定荷重伝達軸65は、嵌挿軸65Bを貫通して上述した駆動軸30を遊挿可能とする円形孔である伝達側遊挿孔65Hを備える。
なお、第2結合形態のように、定荷重ユニット60の単体使用では、定荷重伝達軸65と駆動軸30とは、結合部材70を介して機械的に結合する。結合部材70は、定荷重伝達軸65に嵌合可能な六角柱状の軸部を備え、定荷重伝達軸65と軸部とが嵌合することによって、結合部材70と定荷重伝達軸65とが一体に回転する。結合部材70は、駆動軸30と一体に回転可能な六角形孔である結合孔70Hを備え、駆動軸30が結合孔70Hに挿通されることによって、結合部材70と駆動軸30とが一体に回転し、定荷重伝達軸65と駆動軸30とが一体に回転する。
定荷重ユニット60は、ヘッドボックス20のなかで、右側のユニット連結部61J,61Kの位置と、左側のユニット連結部61J,61Kの位置とを、定荷重ユニット60の姿勢の左右反転によって反転できる。また、定荷重ユニット60は、ヘッドボックス20のなかで、ばね側遊挿孔63Hの位置と、伝達側遊挿孔65Hの位置とを、定荷重ユニット60の姿勢の左右反転によって反転できる。また、定荷重ユニット60は、ヘッドボックス20のなかで、ばねケース61の嵌合孔Hと、ばねカバー62の嵌合孔Hとを、定荷重ユニット60の姿勢の左右反転によって反転できる。また、定荷重ユニット60は、ヘッドボックス20のなかで、ばねケース61の嵌合突起Aと、ばねカバー62の嵌合突起Aとを、定荷重ユニット60の姿勢の左右反転によって反転できる。
図25が示すように、ばねケース61は、ばねカバー62に向けて突き出る上下で一対の嵌合片61Fを備える。ばねカバー62は、各嵌合片61Fと対向する位置に嵌合爪を備える。ばねケース61とばねカバー62とは、嵌合片61Fと嵌合爪との嵌合を通じて嵌合する。
図26が示すように、上述した第1結合形態では、ギヤユニット50と定荷重ユニット60とは、ユニット連結部51Jとユニット連結部61Jとの嵌合によって相互に連結されている。また、ギヤユニット50の出力軸55は、嵌挿軸65Bが出力側遊挿孔55Hに嵌合して、定荷重ユニット60の定荷重伝達軸65と機械的に結合している。
しかし定荷重ユニット60はヘッドボックス20内で上下反転した配置での使用を可能としており、使用するヘッドボックス20の種類(例えば、図27参照)によってはヘッドボックス20と嵌合した際に定荷重ユニット60の下面60Bとヘッドボックス20の内側下面20Bとの間に若干の隙間Sが生じる事がある。この為、ギヤユニット50のユニット連結部51Jと定荷重ユニット60のユニット連結部61Jとの嵌合によって連結されている状態であっても、駆動軸30の回転による出力軸55の軸周りや、定荷重伝達軸65の軸周りにおいて、定荷重ユニット60がギヤユニット50に対して回転方向へ位置ずれするおそれがある。
この際、ばねカバー62の外側面に位置する2つの嵌合突起Aは、ギヤカバー52の外側面に位置する嵌合孔Hに嵌る、結果として、ギヤカバー52の外側面が、ばねカバー62の外側面に突き合わされた状態で、各外側面の対角位置が相対的に固定される。そのため、ギヤユニット50のユニット連結部51Jと定荷重ユニット60のユニット連結部61Jとの嵌合と合わせて出力軸55の軸周りや、定荷重伝達軸65の軸周りにおいて、定荷重ユニット60がギヤユニット50に対して相対的に位置ズレすること(ガタツキを生じること)がより抑えられる。なお、嵌合突起Aと嵌合孔Hとの嵌合による位置決めは、上述した第3結合形態、第4結合形態、および、第5結合形態においても、すなわち、ギヤケース51とばねケース61との結合や、2つの定荷重ユニット60の結合においても、同様に位置ずれを抑えられる。
上記変形例によれば、上記(1)~(10)に加えて、以下に記載する効果が得られる。
(11)ギヤユニット50の外側面、および、定荷重ユニット60の外側面は、駆動軸30とほぼ直交する面である。そして、ギヤユニット50の外側面において対角関係となる二隅に嵌合孔Hを備え、定荷重ユニット60の外側面において対角関係となる二隅に嵌合突起Aを備え、各嵌合突起Aが別々の嵌合孔Hと嵌合する。そのため、出力軸55の軸周りや、定荷重伝達軸65の軸周りにおいて、ギヤユニット50と定荷重ユニット60とが相対的に位置ズレすることが抑えられる。
(12)定荷重ユニット60の嵌挿軸65Bが、ギヤユニット50の出力側遊挿孔55Hに嵌合して、定荷重ユニット60の定荷重伝達軸65と機械的に結合している。結果として、嵌挿軸65Bの外周面の全体と、出力側遊挿孔55Hの内周面の全体との嵌合が可能であるため、定荷重ユニット60とギヤユニット50との結合の強度を高めることが可能となる。
・ギヤユニット50の外側面は、対角関係となる二隅の嵌合孔Hを嵌合突起Aに変更することも可能である。そして、ギヤユニット50の嵌合突起Aが定荷重ユニット60の嵌合孔Hと嵌合することも可能である。この際、定荷重ユニット60の外側面は、対角関係となる二隅の嵌合突起Aを嵌合孔Hに変更することも可能である。すなわち、ギヤユニット50の外側面と、定荷重ユニット60の外側面とは、いずれか一方が嵌合突起Aを備え、その嵌合突起Aと嵌合する嵌合孔Hを他方が備えることも可能である。
[ケースカバー]
・図28が示すように、カバー本体44は、前後で一対の抜け止め部43aと対向する位置に、本体抜け止め部45aを備える。本体抜け止め部45aは、カバー本体44から、上方、前方、および、後方に広がる板状を有する。本体抜け止め部45aは、前後で一対となる抜け止め部43aと対向する位置に加えて、前後で一対となる抜け止め部43aの間と対向する位置にも連続している。そして、本体抜け止め部45aと、前後で一対の抜け止め部43aとの間に、前後で一対のブレーキ部45が配置されている。
上記変形例によれば、上記(1)~(12)に加えて、以下に記載する効果が得られる。
(13)本体抜け止め部45aは、ブレーキ部45に架け渡された昇降コード13が、ブレーキ部45からカバー本体44に向けて外れることを抑制可能である。
(14)本体抜け止め部45aは、抜け止め部43aと同じく、巻き取り軸41A,41Bの軸方向で昇降コード13と接触する。そして、本体抜け止め部45aは、抜け止め部43aと同じく、ブレーキ機構として機能して、昇降コード13と本体抜け止め部45aとの摩擦によって、昇降コード13の移動を抑制可能である。
(15)前後で一対となる抜け止め部43aの間と対向する位置にも本体抜け止め部45aが位置するため、ブレーキ部45からカバー本体44に向けて昇降コード13が外れることが、さらに抑制可能である。
上記実施形態、および、各変形例から導き出される技術的思想を以下に付記する。
[付記1]
遮蔽部材を昇降させるための駆動軸と、
入力軸の回転数を変えて出力軸から出力するギヤユニットと、
前記駆動軸に加えるための定荷重を出力する定荷重ユニットと、
を備える遮蔽装置であって、
前記入力軸は、前記駆動軸と結合可能な結合部を備え、
前記出力軸は、前記駆動軸を遊挿可能な遊挿部を備え、
前記ギヤユニットは、
前記結合部と前記遊挿部との位置を前記ギヤユニットの姿勢の左右反転によって反転し、かつ、前記反転によって作動配置と非作動配置とを切り替え可能であり、
前記作動配置では、前記駆動軸と前記結合部との結合、および、前記出力軸と定荷重ユニットとの結合によって、前記出力軸に定荷重を加え、
前記非作動配置では、前記作動配置に対する前記反転によって、前記駆動軸を前記遊挿部に遊挿して、前記駆動軸を前記出力軸に対して相対回転可能とする遮蔽装置。
[付記2]
遮蔽部材を昇降させるための駆動軸と、
前記駆動軸に加えるための定荷重を出力する定荷重ユニットと、
を備える遮蔽装置であって、
前記定荷重ユニットは、
前記駆動軸と平行、かつ、前記駆動軸と結合可能な定荷重伝達軸を備え、
前記定荷重伝達軸が前記駆動軸と同一軸線上に配置され、前記定荷重伝達軸と前記駆動軸との結合を通して前記定荷重を前記駆動軸に伝達する単体使用と、
前記駆動軸の回転を変速する変速手段の出力軸が、前記駆動軸と平行な平行軸線上に位置し、前記定荷重伝達軸が前記出力軸と同一軸線上に配置され、前記定荷重伝達軸と前記出力軸との結合を通じて前記定荷重を前記駆動軸に伝達する連結使用とを、
前記定荷重ユニットの上下反転または左右反転で切り換える遮蔽装置。
[付記3]
遮蔽部材を昇降させるための駆動軸と、
前記駆動軸に加えるための定荷重を出力する定荷重ユニットと、
を備える遮蔽装置であって、
前記定荷重ユニットは、
前記駆動軸に対し単体で使用される単体使用と、
前記単体使用に対して上下反転した配置で、前記駆動軸の回転を変速する変速手段と連結し前記定荷重を前記駆動軸に伝達する連結使用と、を切り換え可能とし、
前記変速手段と嵌合する複数の嵌合部を前記駆動軸の回転方向に備える
遮蔽装置。
[付記4]
手引き操作によって遮蔽部材を昇降可能に構成された遮蔽装置であって、
前記遮蔽部材を昇降するための駆動力を伝達する駆動伝達部材と、
前記駆動伝達部材の巻き取り、および、巻き出しを行う巻き取り部材と、
前記駆動伝達部材との接触を通じて、前記駆動伝達部材に対して移動の抵抗を付与するブレーキ機構とを備え、
前記ブレーキ機構は、前記巻き取り部材の軸方向で前記駆動伝達部材と接触する
遮蔽装置。