(第1の実施形態)
本発明にかかる加工処理装置の第1の実施形態を、図面を用いて説明する。尚、以下の説明では、シートSを搬送する搬送部4の搬送方向Fに直交する方向を幅方向Wとし、搬送方向F上流側から下流側を見たときの右側を装置の右側、左側を装置の左側と称する。図1は本発明に係る加工処理装置Dの模式縦断面図である。この図1において、加工処理装置Dは、装置本体1のシートSの搬送方向Fの上流端部に供給部3を備え、搬送方向Fの下流端部に加工処理物Qを載置するスタッカ部2を備え、該供給部3とスタッカ部2との間に、略水平な搬送路5が構成されている。
搬送路5には、上下一対の搬送ローラ9~17が複数設置された搬送部4を備えている。搬送ローラ9~17は、搬送方向Fに間隔をおいて配置される。搬送部4を構成する各搬送ローラ9~17は、図示しない動力伝達機構を介して搬送駆動部41~44にそれぞれ連結されており、各搬送駆動部41~44は制御部45に電気的に接続されている。
制御部45には、CPUや、RAM及びROM等の記憶装置が内蔵されており、制御部45のインターフェースには、操作パネル46及び読取部26が電気的に接続されている。操作パネル46は、シートSの裁断処理に関する情報を含む各種加工処理情報を設定する設定部と表示部とを兼ねて構成する。また、読取部26は、前記設定部を構成する。
搬送路5には、搬送されるシートSを加工処理する加工処理部24が設置されている。図1では、加工処理部24として、裁断部19及び搬送方向Fに直交する折り目を形成するクリース処理部21が設けられている。裁断部19は、3つのスリッター処理部20と、カッター処理部22とにより構成される。
スリッター処理部20、クリース処理部21及びカッター処理部22は、それぞれ着脱可能なユニットとして構成されており、カセット方式により、装置本体1内の所望の位置に着脱できる構造となっている。したがって、加工の種類に応じて、各処理部20,21,22の配置順序を変更したり、あるいは搬送方向Fに沿ったクリース処理を施す機構、面取り機構やミシン目形成機構等の他の加工処理部24と取り替えたり、追加したりすることができる。
スリッター処理部20の上流側には、読取部26及びリジェクト機構25が配置され、スリッター処理部20の下流側には、裁ち屑落とし機構27が配置されている。また、装置本体1内の下部には、裁ち屑回収部23が配置されている。
搬送路5には、さらに、シートSまたは加工処理物Qの前端縁(下流側端縁)Sfあるいは後端(上流側端縁)Srを検出する複数の光透過式の検出部31~35が配置されており、それぞれ制御部45のインターフェースに電気的に接続されている。シートSの搬送方向Fにおいて最も上流側の第1検出部31は、供給部3の吸引搬送部62と供給ローラ8との間に配置され、次の第2検出部32は、スリッター処理部20の上流側近傍に配置され、次の第3検出部33は,スリッター処理部20の途中に配置され、次の第4検出部34は、クリース処理部21の上流側近傍に配置され、最も下流側の第5検出部35は、スタッカ部2の上流側近傍に配置されている。
第1検出部31は、供給部3の吸引搬送部62により吸引搬送されたシートSが、供給ローラ8で把持される前の段階にあるシートSの前端縁Sf、又は供給ローラ8により把持され、搬送されるシートSの後端縁Srを検出し、検出したシートSの位置を基準にして、その後搬送路5上で搬送されているシートSの位置の算出に用いられる。
第2検出部32及び第3検出部33は、加工途中のシートSの詰まりを検出する。第4検出部34は、搬送路5が長くなって搬送路5上の加工途中のシートSの搬送方向Fの位置ずれ(搬送誤差)の累積が起こった場合に備えて、第1検出部31で得られたシート位置情報を修正して、当該シート位置情報をより正確なものにするために補助的に設置している。第5検出部35は、スタッカ部2への加工処理物Qの排出を検出する。また、第5検出部35は、スタッカ部2での加工処理物Qのジャム等を検出する。
[供給部3]
供給部3は、供給台61、供給ローラ8、吸引搬送部62及び分離送風部63を備える。供給台61は、シートSが積載され、該シートSを搬送路5へ供給するために設けられる。る。供給台61は、図示しない昇降手段により昇降可能となっている。昇降手段は、シートSの供給の際、最上位のシートSが吸引搬送部62によって吸引搬送され、搬送路5へ供給可能な所定の高さの供給位置まで、待機位置から供給台61を上昇させる。よって、供給台61は、待機位置と供給位置との間で移動可能となっている。
供給ローラ8は、上下一対設置される。吸引搬送部62は、吸引ファン67、搬送ベルト64及びベルトローラ65を備える。供給部3では、供給台61上に積載された所定枚数のシートSを、吸引搬送部62及び上下一対の供給ローラ8を用いて、上から順に、一枚ずつ搬送路5に供給する。
分離送風部63は、供給台61上のシートSの前端縁Sfに向けて図示しないファンにより送風し、積載された複数のシートSから最上位のシートSを分離して吸引搬送部62に吸着させ、搬送させる。一方のベルトローラ65、及び供給ローラ8のうち下方の供給ローラ81は、給紙用駆動部47に接続される。分離送風部63、吸引ファン67及び給紙用駆動部47は制御部45に電気的に接続されている。
[読取部26]
読取部26は、図6に示すようなシートSの前端隅部に印刷された位置マークM1の画像を読み取って、シートSの搬送方向F及び搬送方向Fと直交する幅方向Wの加工の基準位置を検出する。また、読取部26は、前記操作パネル46による各種加工処理情報の手動入力とは別に、自動的に加工処理情報を読み取り、設定を行う設定部として構成することもできる。具体的には、図6に示すようなシートSの前端部に印刷されたバーコードM2の画像を読み取ってシートSに施されるべき各種加工処理情報を取得する。読取部26は、CCDセンサー等により構成される。
[リジェクト機構25]
図1のリジェクト機構25は、シートSに印刷された位置マークM1やバーコードM2が不鮮明であるために読取部26による読取が不能であった場合、そのシートSに対して、作動し、読取不能のシートSを落下させてトレイ25aで回収する。
[スリッター処理部20]
スリッター処理部20は、搬送方向Fに3つのユニットを並べており、各ユニットには、上下の回転式切断刃からなる裁断刃36が、それぞれ幅方向Wに間隔を置いて2組ずつ配置されている。裁断刃36は、搬送部4の搬送方向Fに交差する交差方向に移動可能に設置され、搬送されるシートSの所定位置に所定の加工処理を施す加工部材を構成する。加工部材を駆動する加工部材駆動部としての回転駆動部48の駆動力で、搬送路5の上側または下側のいずれか一方の裁断刃36を回転させ、他方の裁断刃36を従動回転させることにより、搬送部4による搬送方向Fに沿った裁断を行いシートSに対して裁断線Tを形成するようになっている。
最上流のユニット20aには、裁断刃36の下流側にマージン落し部材55が設置されている。最上流のユニット20aでは、主としてシートSの左右両端縁の不要な裁ち屑Ja(図6参照)が切り取れられる。マージン落し部材55は、この裁断刃36によって切り取られた左右両端縁の裁ち屑Jaを裁ち屑回収部23へ案内し、落下させる。
図2はスリッター処理部20の最上流のユニット20aを搬送方向F上流側から見た正面図である。最上流のユニット20aは、枠体37、裁断刃36、回転駆動部48及び移動部51を備える。枠体37は、頂板371、左右一対の側板372、373及び底板375により構成される。頂板371の上面には2個の取手375が付いている。側板372,373は、頂板371の両側近傍位置から鉛直下方に向けて垂設されている。
裁断刃36は、左右一対設けられ、移動部51により枠体37内を幅方向Wに移動可能となっている。図3は、図2において右側に示す裁断刃361の内部構造を拡大して示している。図3に示すように、右側の裁断刃361は、上下に対向配置される駆動刃58及び従動刃59により構成される。そして、裁断刃361は、この駆動刃58と従動刃59とを擦り合わせることによってシートSの裁断を行う。
駆動刃58は、箱状の上ホルダー355に保持される。上ホルダー355は、下部に駆動刃58の突出する開口部を有する。上ホルダー355は、駆動刃58の左右両端を軸受367を介して回転自在に軸支する。上ホルダー355の上部には、螺合部369を設けている。該螺合部369はねじ軸511に螺合する。尚、このねじ軸511は、移動部51を構成し、左右側板372,373に架設される。駆動刃58の回転中心には、駆動軸460が挿通される。この駆動軸460は、回転駆動部48を構成する。駆動軸460の下部には長手方向に沿ってキー溝391が上向きに凹んで形成されており、駆動刃58に固定されたキー392が、該キー溝391に係合する。このキー392及びキー溝391により、駆動刃58は、駆動軸460の長手方向である幅方向Wに沿って摺動自在であり、且つ駆動軸460の回転に伴い駆動刃58が回転する。
従動刃59は、箱状で上部に従動刃59の突出する開口部を有する下ホルダー356に回転自在に保持されている。従動刃59の回転中心には、支持軸394が挿通されている。支持軸394は、下ホルダー356に固定され、すべり軸受395を介して従動刃59を軸支する。このすべり軸受395によって、従動刃59は、支持軸394に対し回転自在、かつ幅方向Wに摺動自在となっている。図3における下ホルダー356の左壁内面と従動刃59の左側端面との間に付勢部397を設けている。付勢部397は、巻きばねにより構成される。該巻きばねは支持軸394に挿通される。付勢部397は、駆動刃58と従動刃59との両裁断刃36が相互に圧接するよう、従動刃59を駆動刃58に向けて付勢する。
下ホルダー356は、上ホルダー355に連結部343によって連結されている。連結部343は駆動刃58と従動刃59の圧接部340の下流側で図3において上ホルダー355の下面右部分と下ホルダー35の上面左部分とを連結する。これより、下ホルダー356は、上ホルダー355に連結され、上ホルダー355の幅方向Wへの移動に伴って幅方向Wに移動される。
そして、裁断刃36は、図3に示す離間移動部345を備えている。離間移動部345は、左右いずれかまたは双方の裁断刃36がシートSの裁断に用いられないときに、一対の裁断刃36、即ち駆動刃58と従動刃59とを相互に離間させる。離間移動部345は、シートSの加工処理情報によれば、スリッター処理部19の全ての裁断刃36を用いて裁断処理する必要がないために、裁断刃36をシートSの裁断処理を行わない待機位置に位置させたとき駆動刃58と従動刃59を相互に離間させる。この離間移動部345は、押圧部材346を備えている。押圧部材346は、一対の裁断刃36のうちいずれかまたは双方の裁断刃36を、駆動刃58と従動刃59とが相互に離間する方向に押圧する。
図3に示す上流側から見て右側の離間移動部345の押圧部材346は、裁断刃361の待機位置近傍となる右側板372に固設される。押圧部材346は、従動刃59の設置高さと略同じ高さ位置で右側板372より内方、即ち図3における左方に向けて棒状の部材が突出した構造を有する。下ホルダー356には、前記押圧部材346の対向位置に押圧用開口部347が形成されている。
ねじ軸511の回転に伴い、裁断に用いられない裁断刃36を保持する上下ホルダー365,366が加工位置から待機位置へ移動されると、押圧用開口部347に押圧部材346が挿通され、そして、従動刃59の胴部591の側面、図3においては従動刃59の胴部591の右側面の下部に該押圧部材346が接触し、ねじ軸511が更に回転すると、従動刃59が付勢部397の付勢力に抗して押圧部材346に押圧され、駆動刃58から離間される。これより、従動刃59は、付勢部397による駆動刃58の刃先への圧接が解除され、両刃は接触しなくなり、摩耗が低減される。
図2において、左側に示す裁断刃362は、右側の裁断刃361と略同じ構成を有しているが、左右の向きが対称的に設けられている。
図2において、回転駆動部48は、1本の駆動軸460、ギア、ベルトなどの動力伝達機構393及びモータ等の回転駆動源(図示省略)を備える。駆動軸460は左右側板372,373に架設され、左右双方の駆動刃58の回転中心に挿通されている。動力伝達機構393は右側板372の外方に設けられる。回転駆動源は、装置本体1側に設置される。そして、ユニット20aが装置本体1に装着されたときに、回転駆動源の駆動力が動力伝達機構393に伝達され、駆動軸460を回転し、左右双方の駆動刃58を同時に回転する。
移動部51は、加工部材としての裁断刃36を加工位置、基準位置及び待機位置の間で移動させる。この移動部51は、2本のねじ軸511と、1本の上ガイド軸512と、1本の下ガイド軸513、左右一対のギヤ514及び2個の加工部材移動駆動部(図示省略)としての裁断刃移動駆動部(図示省略)とを備える。前記ねじ軸511、上ガイド軸512、下ガイド軸513からなる4本の軸はいずれも左右の側板372,373間に架設される。2本のねじ軸511は、シートSの搬送方向上流側及び下流側に並設される。
上流側のねじ軸511は、図2において左側の裁断刃362の螺合部369が螺挿される。そして、この上流側のねじ軸511は、左側板373の外側に突出した端部に、ギヤ514が設けられている。一方、下流側のねじ軸511は、図2において右側の裁断刃361の螺合部369が螺挿される。そして、この下流側のねじ軸511の右側板372から外側に突出した端部に、ギヤ514が設けられている。モータ等の加工部材移動駆動部は、装置本体1側に設置される。ユニット20が装置本体の受容部6に装着されたとき、左右のギヤ514が装置本体1側の2個の加工部材移動駆動部にそれぞれ連結される。そして、各加工部材移動駆動部の駆動によりギヤ514を介して2本のねじ軸511をそれぞれ独立して所定量だけ回動され、裁断刃36の上下ホルダー365,366を、シートSに加工処理を行うための加工位置に移動させ、停止させる。
図4は、スリッター処理部20の3個のユニット20a,20b、20cのうち中央のユニット20bをシートSの搬送方向F上流側から見た図である。中央のユニット20bは、上下一対の裁断刃36のうち、下側の裁断刃36bが駆動刃58を構成し、上側の裁断刃36が従動刃57を構成する。そして、駆動軸470がシートSの搬送面より下方に位置している。
そして、スリッター処理部20の3個のユニット20a,20b、20cのうち最下流のユニット20cは、最上流のユニット20aと同様に、上側の裁断刃36aが駆動刃58を構成し、下側の裁断刃36が従動刃59を構成する。そして、駆動軸460がシートSの搬送面より上方に位置している。
[裁ち屑落とし機構27]
裁ち屑落とし機構27は、前記スリッター処理部20の3つのユニットのうち、搬送方向F中央のユニット20b及び最下流のユニット20cで、搬送部4による搬送方向Fに沿ったシートSの裁断を行うことで搬送方向Fに沿って切り取られ不要となったシートSのなかほどの裁ち屑Jbを、搬送路5の下方へ排除する。裁ち屑落とし機構27は、例えば、最下流のユニット20cの裁断刃36の幅方向Wの移動に伴って移動するよう構成することができ、シートSが裁ち屑落とし機構27を通過する際に、前記裁ち屑Jbを裁ち屑回収部23へ案内し、落下させる。
[クリース処理部21]
クリース処理部21は、上端凹部を有する下型39と、前記凹部に嵌合する下端凸部を有する上型38とを備えており、前記上型38は、モータ等の折り型駆動部49に動力伝達機構を介して連結されている。すなわち、折り型駆動部49の駆動力で上型38を下降させることにより、シートSに対して、搬送方向Fと直交する幅方向Wに折り目を形成する。
[カッター処理部22] カッター処理部22は、幅方向Wに延び、相対向する一対の裁断刃69を備える。一方の裁断刃69は上側可動刃71により、他方の裁断刃69は下側固定刃73により構成されており、上側可動刃71が下側固定刃73に対し接触離間し、シートSを搬送方向Fと直交する幅方向Wに裁断する。上側可動刃71は、動力伝達機構を介してモータ等の裁断駆動部50に連結されている。
図5は、カッター処理部22の具体例である。尚、図5では、枠体の図示を省略している。下側固定刃73は用紙幅方向Wに延びるように略水平に配置され、上側可動刃71は、水平に対して、刃先部75から刃元部76に行くに従って低くなるように傾斜しており、搬送方向Fの上流側に配置された上側ガイド体29にとともに上下方向に移動する。上側ガイド板29は、裁断位置より搬送方向F上流側で搬送ローラ対17にニップされていない切除片Jが裁断によって跳ね上がるのを防止する。
上側可動刃71の刃元部76は、クランク機構52及び動力伝動機構53を介して、装置本体1側に設置された裁断駆動部(駆動モータ)50に連動連結されており、裁断駆動部50の駆動動力により、上側可動刃71は、幅方向W両側に一対ずつある平行リンク機構77の揺動中心78を中心として、傾斜状態を保って上下方向に揺動し、上側可動刃71が下側固定刃73に、幅方向Wに刃元部76側から刃先部75側へ順次接触することによりシートSを裁断する。上側可動刃71の位置は、2個の光学センサ79及び遮光板80からなる裁断刃位置センサ81により検出され、制御部45に送信される。上側可動刃71が下側固定刃73に順次接触する速度である裁断速度は、制御部45が 裁断駆動部50を制御することで変更可能となっている。
[スタッカ部2]
スタッカ部2は、加工処理部24での加工処理により得られた加工処理物Qを積載する。スタッカ部2には、加工処理物Qを載置面上の異なる位置に区分けして積載可能な載置部83が設けられる。載置部83には、周回走行するベルト85上に加工処理物Qを積載するベルトコンベアー86が設けられる。ベルトコンベアー86上には、搬送部4により排出された加工処理物Qが搬送されつつ載置される。
ベルトコンベアー86は、加工処理物Qをベルト85上に積載する積載部材を構成する。積載部材としてのベルトコンベアー86は、装置本体1の加工処理物Qの排出口近傍に設置される。積載部材は、図示しない記憶部を備え、当該記憶部に積載部材の種類を記憶している。積載部材の種類としては、ベルトコンベアーの他に、名刺、ポイントカード、メッセージカード、葉書等の所定の大きさの加工処理物Qを箱状の収容部に区分けして収容する区分け収容部や、昇降手段によって上下移動可能な昇降台、加工処理物Qの載置面が傾斜し、昇降できない固定式の傾斜台等が挙げられる。積載部材は、制御部45と有線または無線により通信を行うことで制御部45が積載部材の種類を識別ですることができる。
ベルトコンベアー86は、無端状のベルト85、コンベアローラ87及びコンベア駆動部40を備える。コンベアローラ87は、シートSの搬送方向Fと同じ方向である加工処理物Qの排出方向に所定量離間して設置され、前記ベルト85が掛け渡される。ベルト85の幅方向Wの長さは、シートSが搬送される搬送路5の幅方向W長さと略同じ乃至搬送路5より少し長い所定長さとなっており、幅方向Wで並行し排出される複数の加工処理物Qを、ベルト85上に載置可能である。コンベア駆動部40は制御部45に電気的に接続され、制御部45がコンベア駆動部40の駆動量を制御することで、ベルトコンベアー86は、所定速度で走行するよう調整される。
スタッカ部2は、更に、加工処理物Qの満杯を検知する満杯検出部30を備える。満杯検出部30は、光学式のセンサー等によって構成され、載置部83上の加工処理物Qが積載許容量を超過したことを検出する。
[裁ち屑回収部23]
裁ち屑回収部23は、裁ち屑収容箱54及びガイド59、60を備える。裁ち屑収容箱54は、上部開口を有する直方体状に形成される。裁ち屑収容箱54は、裁断部19において切り取られ不要となった裁ち屑Jを回収し、収容する。ガイド59、60は、裁断部19において切り取られ、落下する裁ち屑Jを裁ち屑収容箱54へと案内する。
[制御部45]
制御部45は、加工処理装置D全体の動作を制御する。そして、制御部45は、検出部31~35からの情報を取得し、操作パネル46または読取部26により設定されたシートSの加工処理情報に基づいて供給部3、搬送部4、スタッカ部2及び各加工処理部24の駆動を制御し、シートSの加工処理を行う。
制御部45は、スタッカ部2へ搬送部4によって排出される加工処理物Qのうち、先行して排出された所定量の加工処理物Qを、後続の加工処理物Qから区分けするよう制御する。また、制御部45は、加工処理物Qの区分け処理を、加工処理物Qのスタッカ部2への排出枚数に応じて行うよう制御する。
制御部45は、加工処理物Qを区分け処理する際に、加工処理物Qのスタッカ部2への排出動作を停止するよう搬送部4を制御する。制御部45は、加工処理物Qのスタッカ部2における区分け処理に関する情報を記憶装置に記憶するよう制御する。制御部45は、加工処理物Qを区分け処理するとき、ベルトコンベアー86の走行速度を変更するよう制御する。制御部45は、加工処理物Qの区分け処理を行った時点から所定時間経過後に、後続の加工処理物Qのスタッカ部2への排出動作を自動で再開するよう搬送部4を制御する。制御部45は、加工処理物Qの区分け処理を行った時点から所定時間経過後に、シートSの加工処理を終了するよう制御する。制御部45は、スタッカ部2に設置された積載部材の種類を識別し、識別結果に基づいて各部を制御する。制御部45は、シートSに付与された加工処理物Qのスタッカ部2における区分け処理に関する情報に基づいて各部を制御する。制御部45は、加工処理物Qのスタッカ部2における区分け処理を実行するかどうかの区分け情報に基づいて、加工処理物Qの区分け処理を実行するかどうかを判断する。
制御部45は、前後して区分け処理される加工処理物Qの加工部材による加工位置が異なる場合には、先行してスタッカ部2へ排出される加工処理物Qの加工位置である先行加工位置にある加工部材を基準位置へ移動した後、当該基準位置から後続の加工処理物の加工位置である後続加工位置へ移動するか、または先行加工位置から後続加工位置へ移動して加工処理を実行するとともに、前後して区分け処理される加工処理物Qの加工部材による加工位置が一致する場合には、先行加工位置にある加工部材を移動することなく後続の加工処理を開始するよう制御する。
制御部45は、前後して区分け処理される加工処理物Qの加工位置が異なるとき、シートSを搬送路5へ供給する供給台61を、該シートSを搬送路5へ供給可能な供給位置から待機位置へ移動するとともに、前後して区分け処理される加工処理物Qの加工位置が一致するとき、供給台61を供給位置に維持したままシートSの加工処理を開始するよう制御する。
[シートの加工処理パターン]
図6は、シートSの加工処理パターンの一例を示す平面図である。同図に示す加工処理パターンは、一枚のシートSから複数の加工処理物Qを製作するようになっている。搬送方向Fと平行に延びる複数の加工線としての裁断線Tと、前記搬送方向Fに直交する幅方向Wに延びる複数の加工線としての裁断線Kが設定されている。
図6において右端及び左端に示す第1裁断線T1,T6は、図1の搬送路5で、スリッター処理部20のうち最も上流に設置されたユニット20aによって形成される。第1裁断線T1と第6裁断線T6のそれぞれの内側に形成される第2、5裁断線T2、T5は、搬送方向Fで中央のユニット20bによって形成される。第2裁断線T2と第5裁断線T5のさらに内側に形成される第3、4裁断線T3、T4は、搬送方向Fで最下流に設置されたユニット20cによって形成される。第2裁断線T2と第3裁断線T3の間、および第4裁断線T4と第5裁断線T5の間の帯状の不要な裁ち屑Jbは、図1に示す裁ち屑落とし機構27によって下方へ案内され、裁ち屑回収部23で回収される。
また、裁断線Kは、シートSが裁断線T1~T6で搬送方向Fに平行に裁断され、シートSから切り取られた長尺の裁ち屑Jが除去されることで、幅方向Wに並んだ複数の帯状の裁断片に対し、同時に裁断処理が複数回施されることで形成される。
尚、図6に示すシートSの加工処理パターンでは、クリース処理部21による折線が設定されていないので、図1に例示した加工処理部24では、クリース処理部21を受容部6に受容させたまま機能させず、クリース処理を実行させないようにするか、図示しない搬送処理部に差し替えるか、またはクリース処理部21を受容部6から脱離させ、空の状態で使用する。
このような加工処理物Qの配列パターンについてのシートSに施されるべき各種加工処理情報は、使用者によって操作パネル46を用いて設定されるか、または、シートSのバーコードM2に記録される。この各種加工処理情報には、シートSの搬送方向長さ及び幅方向長さ等の所定方向の長さ、厚さ、種類等のシートS自体に関する情報、加工処理物Qの配列、数及び寸法等の加工処理物Qに関する情報、シートSから切り取られる不要な裁ち屑Jの大きさ、数、加工処理物Qの区分け処理に関する情報等のシートSの加工処理に関する情報が含まれる。区分け処理に関する情報には、スタッカ部2における区分け処理を実行するかどうかの区分け要否情報、区分け処理を実行すべきタイミングに関する区分けタイミング情報、載置部83における前後して区分けされた加工処理物Qの間の距離に関する区分け距離情報、先行の加工処理物Qと後続の加工処理物Qとの重なり長さなどの区分けされる加工処理物Qの積載方法に関する区分け積載情報、区分けする際に光や音で報知するかどうかの区分け報知情報等が含まれる。
一度設定が完了した加工処理情報は、制御部45の記憶装置に記憶しておくことができる。シートSの加工処理物Qの配列パターン等の異なる複数の加工処理情報ごとに、番号や処理の名称、名前等を付与し、記憶装置に記憶することで、使用者は操作部としての操作パネル46を操作して、必要な処理内容に関する加工処理情報を記憶装置から呼出し、シートSを処理することができる。
[加工処理装置の動作]
本実施形態の加工処理装置Dの動作を説明する。まず、図6に示す加工処理パターンのシートSを所定枚数の加工処理するときの一連の動作について説明する。加工処理装置Dを使用する際は、図1に示す操作パネル46より、使用者が各種加工処理情報を入力する。既に記憶装置に登録され、記憶されている処理内容と同じ処理を実行するときは、使用者は、操作部としての操作パネル46を操作し、番号や処理の名称、名前等を入力することで、記憶装置から必要な加工処理情報を呼び出す。そして、使用者は、シートSの処理枚数を操作パネル46により入力し、その後処理開始の操作を行う。
図7は、シートSに図6に示すパターンの加工処理を施す際のフロー図である。図7のステップ1において、加工処理を行いたいシートSの設定枚数が使用者によって入力される。そして、使用者によって、加工処理開始の操作がなされると、ステップ2において、制御部45は、処理開始の準備を行う。ステップ2の処理開始の準備では、複数の動作を並行して実行する。図8には、このステップ2の処理開始の準備のうち、供給台61の準備についてのフローを示し、図9は、ステップ2のうち、加工部材の準備についてのフローを示す。図8のステップ101で、制御部45は、供給台61を上昇させるため、昇降手段を駆動制御する。そして、供給台61上のシートSを搬送路5へ供給可能な供給位置まで供給台61を移動する。
次に、図8のステップ102で、制御部45は分離送風部63を駆動する。分離送風部63によって供給台61上の複数のシートSの前端縁Sfに向けて送風し、これより、各シートSを分離する。
また、図9のステップ103で、制御部45は、加工部材としての裁断刃36を基準位置へ移動する。シートSの加工処理開始の操作を行った時には、裁断刃36は、先行してスタッカ部2へ排出された加工処理物Qの加工処理パターンにおける加工位置にある。この裁断刃36を、加工位置から基準位置へ移動する。基準位置は、搬送路5の幅方向W外側のホームポジションとして設定される。このため制御部45は、加工部材移動駆動部を駆動し、ギヤ514を介してねじ軸511をそれぞれ裁断刃36の加工位置から基準位置までの移動に必要な所定量だけ回転させる。裁断刃36を保持する上下のホルダー365,366は、ねじ軸511の回転に伴って幅方向Wへ所定量移動する。
ステップ104で、制御部45は、加工部材としての裁断刃36を基準位置から後続の加工処理物Qの加工位置へ移動する。このため、制御部45は加工部材移動駆動部を制御し、ねじ軸511を所定量回転し、図6に示す加工処理パターンの搬送方向Fに沿った加工線としての裁断線Tを形成するため裁断刃36を保持した上下ホルダー365,366を所定の裁断位置に移動する。
図7のステップ3において、制御部45は、処理開始の準備が完了したかどうか確認する。制御部45は、供給台61が供給位置まで移動し、全ての加工部材が加工位置へ移動完了するまで、ステップ3を繰り返す。全ての裁断刃36の移動が完了すると、該裁断刃36は、裁断を行うことができる状態となる。処理開始の準備が完了するとステップ3を満たし、ステップ4へ進む。
ステップ4において、制御部45はシートSの搬送路5への供給動作を開始する。その際、制御部45は、吸引ファン67を駆動して最上位のシートSのみを吸引する。その後、制御部45は、ベルトローラ65及び供給ローラ8を回転する。ベルトローラ65の回転により搬送ベルト64が走行され、最上位のシートSは吸引ファン67に吸引されつつ搬送路5へ供給される。供給ローラ8がシートSをニップした後は、供給ローラ8及び吸引搬送部62の双方で、シートSが搬送され、搬送路5に供給される。
ステップ5において、制御部6は、設定された所定枚数のシートSを加工処理する。その際、制御部45は、シートSの供給動作開始と同じタイミングで、搬送駆動部41~44及び回転駆動部48を駆動する。搬送駆動部41~44の駆動により、全ての搬送ローラ9~17が同期して回転される。また、回転駆動部48の駆動によって、動力伝達機構393を介して駆動軸460、470が回転され、全ての裁断刃36の駆動刃58が同時に回転される。駆動刃58が回転されることで、付勢部397によりこの駆動刃58に圧接されている従動刃59が従動回転する。
制御部45は、供給部3によってシートSを搬送路5へ供給するタイミングを1枚のシートSの加工処理部24における加工処理が全て完了し、得られた加工処理物Qがスタッカ部2へ全て排出完了した後に、2枚目のシートSを供給するよう制御することができる。この場合、装置本体1内には1枚のシートSしかないので、安定して加工処理することができる。また、これに替えて制御部45は、装置本体1内で先行シートSが搬送途中であり加工処理途中であるとき、後続のシートSを搬送路5へ供給するよう制御することで、複数のシートSが装置本体1内にあるようにしてもよい。先行シートSの加工処理完了前に後続シートSを搬送路5へ供給し、複数のシートSを順次搬送し、連続して加工処理することで処理時間を短縮可能である。
搬送路5上へ供給されたシートSは、搬送部4によって下流側へ搬送され、読取部26に至る。読取部26によってシートSの位置マークM1並びに、必要に応じてバーコードM2が読み取られてシートSに施されるべき各種加工処理情報が取得される。
リジェクト機構25では、仮に、読取部26による位置マークM1の読取が適正に行えなかったり、加工処理情報の設定または呼出がされていないときにバーコードM2の読取が行えなかったために加工条件が不明であったりした場合に、そのような読取不能のシートSに対して作動し、該シートSを落下させてトレイ25aで回収する。
スリッター処理部20では、回転する駆動刃58と従動刃59とが圧接され、擦り合わされる圧接部29をシートSが通過する。最上流のユニット20aでは、図6において右端及び左端に示す第1,6裁断線T1,T6が形成される。裁断刃36によって切り取られた左右両端縁の裁ち屑Jaは、マージン落し部材55によって下方へ案内され、ガイド59に導かれて、裁ち屑収容箱54に収容される。
搬送方向F中央のユニット20bでは、第2、5裁断線T2、T5が形成される。搬送方向Fで最下流に設置されたユニット20cでは、第3、4裁断線T3、T4が形成される。第2裁断線T2と第3裁断線T3の間、および第4裁断線T4と第5裁断線T5の間の帯状の裁ち屑Jbは、図1に示す裁ち屑落とし機構27によって下方へ案内され、裁ち屑収容箱54に収容される。
このように、裁断刃36の裁断処理によってシートSを裁断し、加工処理物Qと裁ち屑Jとに分離する場合、幅方向Wにおいて、裁断線Tに対し、加工処理物Qと同じ側に下側の裁断刃36bが位置し、裁ち屑Jと同じ側に上側の裁断刃36aが位置することとなる。幅方向Wにおいて、加工処理物Qと同じ側に下側の裁断刃36bが位置することで、裁断線Tが形成され分離された加工処理物Qを下側の裁断刃36bが下方から支持することができる。よって、適正に下流側へ搬送することができる。一方、幅方向Wにおいて、裁ち屑Jと同じ側に上側の裁断刃36aが位置することで、シートSから分離された裁ち屑Jを上側の裁断刃36aによって下方へと導くことができる。
スリッター処理部20におけるユニット20a~20cの左右一対の裁断刃361~366の組み合わせでは、両者の上側の裁断刃36aが発生する裁ち屑Jに対して下側の裁断刃36bより外側に位置することとなる組み合わせを、設定しないようにすることが好ましい。そして、加工処理物Qと裁ち屑Jとを分離する裁断線Tに対し、上側の裁断刃36aの少なくとも一方が、裁ち屑Jの発生する側に位置され、下側の裁断刃36bが加工処理物Qが発生する側に位置されることが好ましい。
具体的には、図10の(D)に示されるように、発生する裁ち屑Jを挟む上側の裁断刃36aが各々の裁断線に対して、左右とも加工処理物Qの発生する側に位置する組み合わせは、設定しないようにする。設定される組み合わせは、図10の(A)、(B)、及び(C)である。図10の(A)では、上側の裁断刃36aが発生する裁ち屑Jに対して下側の裁断刃36bより内側に位置することとなる組み合わせであり、図10の(B)及び(C)は、一方の上側の裁断刃36aが発生する裁ち屑Jに対して下側の裁断刃36bより内側に位置し、且つ、他方の上側の裁断刃36aが発生する裁ち屑Jに対して下側の裁断刃36bより外側に位置する組み合わせである。
図10の(B)に示す上側の裁断刃36aが上下裁断刃36a、36bの圧接部343より右側に設置されるのは、最上流のユニット20aの右側の裁断刃361と、中央のユニット20bの左側の裁断刃364と、最下流のユニット20cの右側の裁断刃365である。図10の(C)に示す上側の裁断刃36aが上下裁断刃36a、36bの圧接部343より左側に設置されるのは、最上流のユニット20aの左側の裁断刃362と、中央のユニット20bの右側の裁断刃363と、最下流のユニット20cの左側の裁断刃366である。
最上流のユニット20aでシートSの最も外側の裁断線T1、T6を形成し、中央のユニット20bで裁断線T1,T6より一つ内側の裁断線T2、T5を形成し、最下流のユニット20cでシートSの最も中央寄りの裁断線T3,T4を形成することで、図11に示すように、全ての上側の裁断刃36aが裁断線Tを形成する圧接部343に対し裁ち屑Ja,Jbの発生する側に位置し、全ての下側の裁断刃36bが圧接部343に対し加工処理物Qの発生する側に位置する。よって、裁ち屑Jを適正に落下させつつ、部分的に加工処理の施されたシートSを適正に下流側へ搬送することができる。
裁ち屑落とし機構27では、スリッター処理部20のうち中央のユニット20b及び最下流のユニット20cによってシートSから切り取られた裁ち屑Jbが、下方の裁ち屑回収部23へと下向きに移動させられ、裁ち屑収容箱54に収容される。
カッター処理部22では、シートSの裁断線Kが裁断刃36設置位置に到達するタイミングで供給部3、搬送部4及び回転駆動部48を停止し、シートSの搬送を停止させる。制御部45は裁断駆動部50を駆動し、上側可動刃71が下側固定刃73に近接し、シートSを幅方向Wに沿って裁断する。裁断後の裁断駆動部50の駆動により上側可動刃71は上昇して下側固定刃73から離間する。裁断処理によりシートSから切り取られた裁ち屑Jcは下向きに移動し、ガイド60により案内され、裁ち屑回収部23に回収される。
カッター処理部22において裁断され、得られた加工処理物Qはスタッカ部2に排出される。制御部45は、コンベア駆動部40を駆動し、コンベアローラ87を回転し、ベルト85を所定速度で周回走行させる。ベルト85を、加工処理物Qの排出速度より遅い一定の速度で走行させることで、搬送路5から時間をおいて順々に排出される加工処理物Qを、載置面上で少しずつずらせて刺身状に積層することができる。
また、ベルト85を一定速度で走行させるのに替えて、制御部45は、ベルト85を間欠走行させるようコンベア駆動部40を駆動制御してもいい。即ち、制御部45は、加工処理物Qが排出されるまでの間、コンベア駆動部40を駆動せず、加工処理物Qの排出が完了した後に、ベルト85を所定量だけ走行させ、その後コンベア駆動部40を停止する動作を繰り返すことで、搬送部4による加工処理物Qの排出速度やタイミングに関わらず、加工処理物Qを等間隔ずつずらせて積載することができる。これより、使用者は、載置部83に積載された加工処理物Qを手際よく整えることができ作業効率を向上可能である。
図7のステップ5において、設定枚数のシートSの加工処理が完了すると、ステップ6に進み、制御部6は、シートSの加工処理を終了するための準備を行う。具体的には、制御部45は、昇降手段を駆動制御し、供給台61を供給位置から待機位置へ移動する。そして、吸引ファン67、分離送風部63、搬送駆動部41~44、回転駆動部48の駆動を停止する。なお、このステップ6の終了準備処理で、制御部45は加工部材移動駆動部を駆動せず、加工部材としての裁断刃36の基準位置への移動は行わない。よって、裁断刃36は加工位置に位置したままとなる。
以上で、一連のシートSの加工処理が終了する。その後、続いて実行する加工処理の加工処理パターンが、直前に行った処理と同じ加工処理パターンである場合、使用者は、操作パネル46より、処理枚数のみ入力し、既に入力済みの加工処理情報をそのまま変更することなく、処理開始の操作を行うことで、次の加工処理を開始することができる。もし、次に実行する加工処理の処理枚数が、直前の加工処理と同じ場合には、使用者は、既に入力済みの処理枚数及び加工処理情報をそのまま変更することなく、処理開始の操作を実行するだけで、次の加工処理を開始することができる。
例えば、図6に示す加工処理物Qが名刺であって、加工処理物Qの表面、必要により裏面に、個人の氏名、会社名、住所、電話番号等が印刷されているとする。そして、まずは、Aさんの名刺を100枚作成し、次にBさんの名刺を200枚作成しようとする場合、加工処理装置Dの使用者は、Aさんの名前、会社名等が印刷されたシートSを5枚とBさんの名前、会社名等が印刷されたシートSを10枚供給台61の上に載せる。その際、供給台61上へは、Aさんの名刺用のシートSがBさんの名刺用のシートSの上に積載されるようにする。なお、図6に示す加工処理パターンでは、シートS1枚につき21枚の加工処理物Qが得られるので、シートSが5枚分で105枚の名刺が、10枚で210枚の名刺の作成が可能である。Aさんの名刺は100枚あればいいので、5枚の名刺は予備となる。Bさんの名刺は10枚の予備ができる。
使用者は、図6に示す加工処理パターンに関する加工処理情報を操作パネル46から入力するか、記憶装置から当該加工処理情報を呼び出す。そして、Aさんの名刺用のシートSの処理枚数である5枚を設定枚数として入力し、処理開始の操作を行う。加工処理装置Dは図7乃至9に示すフローに従いシートSを加工処理し、Aさんの名刺が105枚作成される。
次に使用者は、操作パネル46を用いてシートSの設定枚数を10枚に変更する。加工処理情報は変更されることなく直前の加工処理情報のままである。このとき、図7乃至9に示すフローに従いシートSを加工処理すると、ステップ101の供給台61の待機位置から供給位置への移動、及びステップ103の加工部材の加工位置から基準位置への移動、ステップ104の加工部材の基準位置から加工位置への移動、ステップ3の処理開始準備完了の確認に所定の時間を要することとなる。
しかし、前後して処理されるAさんとBさんの名刺用のシートSは、シートSの種類、大きさが同じであり、一度に供給台61上に載置されているので、Bさんの名刺用のシートSの加工処理開始時に供給台61を待機位置から供給位置に移動させる必要はなく、この時間は無駄となる。
そこで、本実施形態にかかる加工処理装置Dは、ステップ6の終了準備処理を実行する前に、待機モードへ移行できることとし、当該待機モードにおいて、前後して加工処理される加工処理物Qの加工位置が同じ場合には、シートSを搬送路5へ供給する供給台61を、供給位置に維持したままシートSの加工処理を開始する供給台維持設定を選択できることとしている。
また、前後して処理されるAさんとBさんの名刺用のシートSは、裁断刃36による幅方向Wの裁断位置が同じである。よって、Aさんの名刺用のシートSの加工処理終了後、Bさんの名刺用シートSの加工処理開始時に、裁断刃36を加工位置と基準位置との間で往復移動させる必要はない。この往復移動に要する時間は無駄となる。加えて、前後の加工処理位置が同じであるにも拘わらず、裁断刃36を移動したために加工処理の精度に影響を及ぼす危険性がある。処理条件によっては同じ加工位置のまま移動させないほうが、得られる加工処理物の精度がよくなることがある。
そこで、本実施形態にかかる加工処理装置Dは、前後して加工処理される加工処理物Qの加工部材としての裁断刃36による加工位置が一致する場合には、先行してスタッカ部2へ排出される加工処理物Qの加工位置である先行加工位置にある加工部材を基準位置へ移動することなく後続の加工処理を開始することができる加工部材維持設定を、待機モードにおいて選択できるようにしている。
また、前後して加工処理される加工処理物Qが例えばいずれも名刺である場合のように、加工処理物Qの加工位置が一致し、加工処理物Qの形状や大きさが同じ場合には、前後して排出される加工処理物QがAさんの名刺と、Bさんの名刺とで区分けされることが好ましい。このため制御部45は、必要により、スタッカ部2へ搬送部4によって排出される加工処理物Qのうち、先行して排出された所定量の加工処理物Qを、後続の加工処理物Qから区分けするよう制御できることとしている。特に、前後して実行される加工内容が一致する場合には、自動で区分け処理を実行する自動区分け処理設定を、待機モードにおいて選択できるようにしている。
加工処理装置Dの操作パネル46には、待機モードを選択するための表示がなされる。待機モードを実行することが選択されると、加工処理の実行後、図7のステップ5の終了準備を実行せず、待機運転状態を所定時間維持する。待機モードを実行するかどうかの情報は、加工処理情報に関連付けられ、記憶装置に記憶することができる。よって、使用者は、記憶装置から所望する加工処理情報を呼び出したときに、自動的に待機モードを有効な状態にすることができる。また、操作パネル46の操作及び記憶装置の呼出に加え、またはこれに替えて、シートSのバーコードM2に待機モードを実行するかどうかの情報を記録することも可能である。
図12,13は、使用者が、待機モードを選択したときのフロー図である。同図のステップ11~13は、図7のステップ1~3と同じである。図12のステップ14で、制御部45は、スタッカ部2に設置された積載部材の種類を識別する。このため制御部45は、積載部材の記憶部と通信を行う。このように、制御部45は、スタッカ部2に設置された積載部材の種類を識別するので、スタッカ部2に設置された積載部材の種類に応じて加工処理物Qを適正に載置できる。
積載部材としてベルトコンベアー86が設置されていると判断できるとき、ステップ15へ進み、制御部45はコンベア駆動部40を駆動し、ベルトコンベアー86の走行を開始する。ステップ15でのベルトコンベアー86の走行速度は所定の積載速度である。積載速度は、搬送部4によって加工処理物Qがスタッカ部2への排出されるときの速度より遅く設定されることで加工処理物Qを載置部83上に少しずつずらせて積載できる。また、積載速度が、搬送部4によって加工処理物Qがスタッカ部2への排出されるときの速度と同じかまたはより速く設定されるときは、加工処理物Qを載置部83上に1枚ずつ重ならないように載置できる。なお、区分け処理を実行する場合であって、区分けして積載される加工処理物Qの枚数が少ない等何らかの理由により、加工処理物Qを少しずつずらせて積載するか、または1枚ずつ重ならないように載置する必要がないときには、ステップ15のベルトコンベアー86の積載速度での走行を実行せず、ベルトコンベアー86を停止したままとすることも可能である。
ステップ14で、積載部材としてベルトコンベアー86が設置されていないと判断するときはステップ16へ進む。ステップ16で、処理枚数に残りがあるかどうかを確認する。Aさんの名刺用のシートSを5枚分加工処理完了し、続いてBさんの名刺用のシートSを加工処理開始する段階では、処理枚数に残りはなく、ステップ16を満たさない。この場合、ステップ17へ進む。ステップ17では、処理枚数をステップ11で入力した設定枚数とする。例えば、ステップ11で、Bさんの名刺用のシートSの数である10枚を設定枚数として入力している場合、ステップ17の処理枚数は10枚となる。
ステップ16で、使用者が入力した設定枚数のうち、一部のシートSの処理を実行し、残りのシートSがまだ処理されていない場合、ステップ16を満たし、ステップ18へ進み、処理枚数を残りの枚数とする。そして、ステップ19へ進み、シートSの搬送路5への供給を開始し、ステップ17,18で処理枚数とした量のシートSの加工処理を実行する。
図12のステップ19から、図13のステップ20へ進み、ステップ20でスタッカ部2が満杯かどうか判断する。ステップ20で、満杯検出部30が積載部83の満杯を検出したときには、ステップ21に進み、残りの枚数を保持し、ステップ23へ進む。
満杯検出部30が積載部83の満杯を検出したとき、使用者に対してスタッカ部2が満杯であることを報知してもよい。報知方法は、特に限定されず、操作パネル46への表示、パトランプなどの回転警告灯による警告、スマートフォン等の携帯端末への通知等の種々な手段を用いることができる。
ステップ20でスタッカ部2が満杯ではないときは、ステップ22へ進む。ステップ22では、処理枚数とした量の加工処理が完了したかどうかを判断する。ステップ22を満たさないときステップ20に戻る。ステップ22で処理枚数を完了するまでステップ20から22を繰り返し実行し、処理枚数が完了したときステップ23へ進む。
ステップ23で、制御部45は、待機運転を行うよう各部を制御する。待機運転においては、吸引ファン67を停止し、供給用駆動部47及び搬送駆動部41~44の駆動を停止する。これよりシートSの搬送動作を停止する。
また、ステップ23の待機運転では、制御部45が回転駆動部48を停止する。これより、シートSの搬送停止中の裁断刃36の回転が停止され、裁断刃36の摩耗が抑制される。
そして、ステップ23の待機運転では、制御部45は、昇降手段を駆動せず、供給台61をシートSを吸引搬送可能な高さである供給位置のまま維持する。また、制御部45は分離送風部63の駆動を継続する。これより、供給台61上のシートSは、吸引ファン67及び供給用駆動部47が駆動再開したときにすぐにシートSを供給可能な状態とされる。
そして、制御部45は、スタッカ部2へ搬送部4によって排出される加工処理物Qのうち、先行して排出された所定量の加工処理物Qを、後続の加工処理物Qから区分けするかどうかを判断する。まず、ステップ24において、制御部45は、スタッカ部2に設置された積載部材の種類を識別し、識別結果に基づいて加工処理物Qの区分け処理を実行するかどうかを判断する。制御部45は、積載部材の記憶部と通信を行って、積載部材の種類を識別する。積載部材としてベルトコンベアー86が設置されていると判断するとき、区分け処理を実行することと判断し、ステップ25へ進む。
このように、制御部45は、スタッカ部2に設置された積載部材の種類を識別し、前記識別結果に基づいて加工処理物Qの区分け処理を実行するかどうかを判断するので、スタッカ部2に区分け処理に適する積載部材が設置されたとき区分け処理を自動で実行させることができ、利便性が向上する。
ここで、制御部45は、スタッカ部2にベルトコンベアー86が設置される場合であっても区分け処理を実行しないことが使用者によって選択されている場合には、制御部45は、区分け処理を実行しないこととしてもよい。
また、制御部45は、スタッカ部2にベルトコンベアー86が設置される場合であっても、区分け処理を実行するかどうかを、シートSに付与された区分け処理に関する情報である区分け情報を基に判断することもできる。シートSのバーコードM2には、区分け情報を含ませることができる。区分け情報には、区分け処理を実行するどうかの情報、そのバーコードM2のあるシートSから所定枚数までのシートSを加工処理した時点で区分け処理を実行するという情報、そのバーコードM2のあるシートSを加工処理した時点で区分け処理を実行するという情報等が含まれる。
読取部26は、バーコードM2に記録された各種加工処理情報に含まれる区分け情報を取得して制御部45に送信する。制御部45は、送信された加工処理情報を基に区分け処理について各部を制御する。そして、ステップ24でスタッカ部2にベルトコンベアー86が設置されていると制御部45が判断する場合でも、シートSに付与された区分け情報によれば、区分け処理を実行しないことが選択されているときには、制御部45は、区分け処理を実行しないこととしてもよい。区分け情報が複数あるとき、それらの優先順位を加工処理装置Dの記憶装置、シートSのバーコードM2、または積載部材の記憶部等いずれかの場所に予め記憶しておく。
ステップ25で、処理枚数としたシートSの処理を全て完了したかどうかを確認する。Aさんの名刺用のシートSを5枚すべて処理完了した段階では、ステップ25を満たすこととなり、ステップ26へ進む。ステップ26では、制御部45は、コンベア駆動部40の駆動を制御し、区分け処理を実行する。制御部45はベルトコンベアー86の走行速度を所定の区分け速度へ変更するようコンベア駆動部40の駆動を制御する。
制御部45が、Aさんの名刺をベルト85上に積載するときは、ベルト85を所定の積載速度で周回走行させることで、Aさんの名刺は載置面上で少しずつずらせて積載される。そして、ステップ26で区分け処理するときは、制御部45は、ベルト85を所定の区分速度で走行させる。区分け速度を、加工処理物Qのスタッカ部2への排出速度及び積載速度の双方より速くすることで、図1の加工処理物Q1,Q2で示すように、前後して区分け処理される加工処理物Qを、短時間で十分な間隔をあけて積載でき、より確実に区分けすることができる。スタッカ部2には、加工処理物Qを載置面上の異なる位置に区分けして積載可能な載置部83が設けられるので、載置部83上で容易に区分けできる。また、載置部83には、周回走行するベルト85上に加工処理物Qを積載するベルトコンベアー86が設けられるので、ベルトコンベアー86上で容易に区分けできる。
一方、区分け速度が積載速度より遅い速度とされる場合、区分けされる加工処理物の枚数が多いか厚さが厚いために加工処理物が嵩高く積み重ねられているときでも区分される加工処理物を適正に搬送できる。よって、ベルトコンベアー85が停止したときに嵩高く積載された加工処理物Qが崩れ、積載状態及び区分けが乱れるのを防止できる。
このように、スタッカ部2へ搬送部4によって排出される加工処理物Qのうち、先行して排出された所定量の加工処理物Qを、後続の加工処理物Qから区分けするよう制御する制御部45を備えたので、シートSを適正に管理することができ、作業性が向上する。また、制御部45は、加工処理物Qのスタッカ部2における区分け処理に関する情報である区分け情報を記憶装置に記憶するよう制御するので、記憶装置に記憶された情報を呼出し、設定することで当該記憶装置に記憶された情報を用いて区分け処理することができ、使用者の利便性が向上する。
ステップ26で、制御部45は、加工処理物Qを区分け処理する際に、加工処理物Qのスタッカ部2への排出動作を停止するよう搬送部4を制御する。これより、適正に区分け処理できる。搬送部4による搬送が停止されている間、必要により、使用者は、後続の加工処理を再開する操作をする前に、スタッカ部2に排出された加工処理物Qを回収する作業を行うことで、加工処理物Qを載置部83から取り除くこともできる。
ステップ26の区分け処理の後、またはステップ25を満たさないとき、ステップ27へ進む。ステップ27で、制御部45は、コンベア駆動部40を停止し、ベルトコンベアー86の走行を停止する。ステップ27のベルトコンベアー86の停止の後、またはステップ24で積載部材としてベルトコンベアー86が設置されておらずステップ24を満たさないとき、ステップ28へ進む。
ステップ28において、使用者が操作パネル46を用いて加工処理装置Dの待機運転を停止する操作を行ったとき、ステップ33へ進む。ステップ28の停止操作がされないとき、ステップ29に進む。
ステップ29で、使用者による操作パネル46の操作が何も行われないまま所定の停止時間が経過したかどうかを判断する。停止時間は、加工処理装置Dの運転を停止するために予め設定される時間である。停止時間は、例えば、待機運転開始した時点から5分等とすることができる。また、必要により区分け処理を開始した時点や区分け処理が終了した時点等を、停止時間を計測する際の基準としてもよい。
ステップ29で、停止時間経過しているときは、ステップ33に進む。ステップ29で停止時間を経過していないとき、ステップ30へ進む。ステップ30で、制御部45は、直前の加工処理情報に基づく処理内容と同じ加工処理を再開するかどうかを判断する。使用者が直前の加工処理情報を変更することなく、次に処理を行うシートSの枚数を操作パネル46から入力設定し、その後、処理開始の操作を行う場合には、制御部45は、直前の加工処理パターンと同じ加工処理情報に基づき、引き続き加工処理を行うと判断する。
このように使用者が、加工処理情報の新たな入力や呼出をすることなく、加工処理の枚数設定のみ行い、その後処理開始の操作を行うときは、制御部45は、裁断刃36を幅方向の異なる位置に移動させる必要がなく、直前の裁断位置を維持したままですぐに供給台61上で待機しているシートSの供給を開始し、次の処理を引き続き実行することができる。よって、供給台61及び裁断刃36の移動する動作を省略でき加工処理時間を短縮可能である。また、裁断刃36の不要な移動を行わないことで加工処理物Qの精度の向上が可能である。
ステップ30で再開の操作がされると、ステップ31へ進み、満杯検出部30によって満杯が検出されているかどうか判断する。スタッカ部2がまだ満杯になっておらず、満杯検出部30が満杯を検出していない場合に、図12のステップ14に戻り、次の加工処理が実行される。
ステップ31で、満杯検出部30が満杯を検出しているときは、ステップ28へ戻る。使用者がスタッカ部2から加工処理物Qを取り除くまで、ステップ28~31を繰り返す。この間待機運転の状態となる。そして、ステップ28で使用者が停止操作を行ったとき、またはステップ29で使用者がスタッカ部2から加工処理物Qを取り除かないまま所定の停止時間経過したときステップ33へ進む。
スタッカ部2が満杯を検出し待機運転を行っている間に、使用者がスタッカ部2から加工処理物Qを取り除き、更に、使用者が処理再開の操作を行うと、ステップ30を満たしステップ31に進む。ステップ31で満杯検出部30は満杯を検出しなくなり、ステップ31を満たさないために、図12のステップ14に戻り、残りの加工処理が実行される。ステップ14に戻った後のステップ16では、処理枚数に残りありとなり、ステップ18に進む。ステップ18で処理枚数に設定するのは、ステップ21で保持した残りの枚数である。このように、スタッカ部2が満杯となったとき待機運転を実行することで、該スタッカ部2から加工処理物Qが取り除かれたときに、すぐに加工処理を再開することができる。
ステップ30で再開の操作がされないとき、ステップ32へ進む。ステップ32で、所定の再開時間が経過したかどうか判断する。この再開時間は、使用者による枚数設定や加工処理再開の手動操作に基づかず、これに替えて、自動で同じ処理を再開するために予め設定される。所定の再開時間が経過するまでは、ステップ32を満たさずステップ28に戻る。例えば、制御部45は、ステップ23の待機運転の開始時点、ステップ26の区分け処理の開始、または終了時点等のいずれかのタイミングから3分といった所定の再開時間時間経過後に、後続の加工処理物Qのスタッカ部2への排出動作を自動で再開するよう搬送部4を制御する。このように、自動で処理が再開されるよう設定できるようにすることで、使用者が希望する場合には、処理再開の操作を操作パネル46によって行うことなく処理を再開でき、利便性が向上する。
ステップ32で判断する再開時間は、ステップ29の停止時間より短い時間になるよう設定される。再開時間が停止時間より短いことで、スタッカ部2が満杯となったとき自動で加工処理装置Dを運転停止することが可能となる。満杯検出部30がスタッカ部2の満杯を検出した後、使用者による手動操作がされずに所定の再開時間を経過すると、ステップ32を満たしステップ31へ進む。ステップ31でスタッカ部2が満杯のままなので、ステップ31を満たしステップ28に戻る。再開時間経過した後、停止時間を経過するまでの間は、ステップ29を満たさず、ステップ28乃至ステップ32を繰り返す。そして、停止時間を経過すると、ステップ29を満たし、ステップ33に進む。
このように、スタッカ部2が満杯となったときでも、すぐに運転終了の準備動作を行わず、所定の停止時間まで待機運転を実行することで、この待機運転の間に使用者はスタッカ部2から加工処理物Qを取り除くことができる。そして、スタッカ部2の満杯解消後、運転終了準備動作を経ることなく、すぐに同じ処理を再開することができる。また、使用者がスタッカ部2の満杯に気付かないときには、停止時間経過したときに自動で運転終了の準備に移行することができる。これより、待機運転の状態のまま延々と放置されることがないので、消費電力を節約できる。
ステップ33の終了準備は、図7のステップ5と同じく、制御部45が昇降手段を制御し、供給台61を降下する。また、分離送風部63を停止する。このとき、制御部45は、加工部材移動駆動部を駆動せず、裁断刃36を直前の加工位置から基準位置へ移動せず、加工位置を維持する。ステップ33の終了準備が完了すると終了となり、加工処理装置Dの運転を停止する。
(第2の実施形態)
上記第1の実施形態では、加工処理物Qの区分け処理を、シートSの設定枚数ごとに行った。本第2の実施形態では、区分け処理を加工処理物Qのスタッカ部への排出枚数に応じて行う。上記第1の実施形態において例えば加工処理装置Dを用いて、Aさんの名刺を100枚製造する際、図6に示す加工処理パターンのように1枚のシートSから21枚分の名刺が製造できる場合、5枚のシートSに全てAさんのみの氏名等を印刷すると、21枚分の名刺用のシートSを5枚加工処理することで、105枚の名刺が製造できる。しかし、必要な名刺の数は100枚なので、名刺100枚分のみAさんの名刺用にAさんの氏名などを印刷し、余った箇所にBさんの名刺を製造できるようBさんの氏名などを印刷し、加工処理することで、シートSと時間、手間等を節約できる。
図14は、このように、Aさんの名刺を100枚製造する際の5枚目のシートSaの加工処理パターンの一例である。シートSaには、同一形状及び同一サイズの加工処理物Qaが、シートSaの搬送方向Fに沿って7行、搬送方向Fに直交する幅方向Wに沿って3列設定される。Aさんの名刺は図14の搬送方向Fで6行目、幅方向Wで1列目となる左端の加工処理物Qaで100枚目となる。シートSaの搬送方向Fで最も下流側の1行には、Bさんの氏名等が印刷されており、加工処理によってBさんの名刺が製造できる。
Aさんの100枚目の名刺用の加工処理物Qaの隣の搬送方向Fで6行目且つ幅方向Wで2列目及び3列目となる中央及び右端の破線で示す位置には加工処理物Qaが設定されていない。これに替えて裁ち屑Jdが設定されている。
図14に示すシートSaを区分けするため、第2の実施形態では、図1に示す第1の実施形態にかかる加工処理装置Dのカッター処理部22とスタッカ部2との間に、破線で示す裁ち屑落とし機構27aが設けられる。裁ち屑落とし機構27aは、幅方向Wに複数並設された裁ち屑落とし部材271を備える。なお、複数の裁ち屑落し部材271に替えて1個または複数の裁ち屑落とし部材を幅方向に移動可能に構成してもよい。裁ち屑落とし部材271は、例えば、図示しない裁ち屑落とし駆動部の駆動によって、待機位置と作動位置の間で移動可能に構成することができる。
制御部は、幅方向Wの裁ち屑Jdの発生する箇所に対応する裁ち屑落とし部材271を、該裁ち屑落とし部材271の設置位置に裁ち屑Jdが至る所定のタイミングで移動させるよう裁ち屑落とし駆動部を駆動する。これより、待機位置に位置していた裁ち屑落とし部材271は、作動位置へ移動され、裁ち屑Jdを搬送路5の下方へ排除する。
図14に示す加工処理パターンのシートSaを加工処理する際、使用者は、加工処理により得たい加工処理物の枚数を、操作パネルを用いて設定する。そして、処理開始の操作を行う。制御部は、カッター処理部22で図14に示す裁断線Ka12を裁断した後、搬送部4を制御し、Aさんの100枚目の名刺用の加工処理物Qaをスタッカ部2へ排出する。このとき、裁ち屑Jdが搬送部によって搬送され、該裁ち屑Jdが裁ち屑落とし部材271の設置位置に至る所定のタイミングで、制御部は裁ち屑落とし駆動部を駆動する。幅方向Wの中央及び右端の裁ち屑Jdの発生する箇所に対応する位置に設置された裁ち屑落とし部材271は、待機位置から作動位置へ移動し、裁ち屑Jdを搬送路5の下方へ排除する。
Aさんの名刺としての加工処理物Qaが、載置面上の先のAさんの名刺の上に積載されると、制御部は、搬送駆動部41~44の駆動を停止し、シートSaの搬送を停止する。これより、後続のBさんの名刺のためのシートSaの加工処理動作は中断される。このとき、装置本体1内で後続のBさんの名刺用のシートSaが搬送途中であった場合、当該後続のBさんの名刺用のシートSaを含むすべてのシートSaの搬送及び加工処理が中断される。
そして、Aさんの名刺と、後続のBさんの名刺とを区分けするため、制御部45は、ベルト85を所定の区分け速度で走行させる。Aさんの名刺は、所定量下流側へ移動され、後続のBさんの名刺から間隔をあけて積載される。その後、中断していたシートSaのBさんの名刺用の加工処理を再開する。これより、より確実に区分けすることができる。
(第3の実施形態)
図1に示す第1の実施形態にかかる加工処理装置Dでは、スタッカ部2に積載部材として1台のベルトコンベアー86が設置される場合を示し、このベルトコンベアー86は、加工処理物Qの排出方向に沿って走行した。本第3の実施形態ではこれに替えてスタッカ部2bに積載部材として複数のベルトコンベアー861,862が設置される。また当該ベルトコンベアー861,862は加工処理物Qbの排出方向に対し交差する方向に走行する。図15は、第3の実施形態にかかる加工処理装置Dbのスタッカ部2bに加工処理物Qbを載置する状態を示す平面図である。同図に示すスタッカ部2bは、加工処理物Qbの排出口近傍に設置される第1ベルトコンベアー861と、第1ベルトコンベアー861による加工処理物Qbの搬送方向下流側に設置される第2ベルトコンベアー862からなる2つのベルトコンベアー861、862を備える。
図15に示す第1、第2ベルトコンベアー861、862は、双方とも搬送部による加工処理物Qbの排出方向に対し直交方向に走行する。第1ベルトコンベアー861は、第1ベルト851、コンベアローラ871、図示しない第1コンベア駆動部を備える。第1ベルト851は、加工処理物Qbの排出方向に対し直交する方向に所定量離間して設置された一対のコンベアローラ871に掛け渡される。第1コンベア駆動部の駆動により図示しない動力伝達機構を介して一方のコンベアローラ871が回転され、第1ベルト851が走行される。
第2ベルトコンベアー862は、第1ベルトコンベアー861と同様に、第2ベルト852、コンベアローラ872、図示しない第2コンベア駆動部を備える。第2ベルト852は、加工処理物Qbの排出方向に対し直交する方向に所定量離間して設置された一対のコンベアローラ872に掛け渡され、第2コンベア駆動部の駆動により走行される。
第1ベルト851の加工処理物Qbの載置面の高さは、加工処理物Qbの排出される高さより所定量低く設定される。第2ベルト852の加工処理物Qbの載置面の高さは、第1ベルト851の載置面の高さより所定量低く設定される。これより、加工処理物Qbは、順に低い位置へ搬送される。
装置本体1b内の最下流の裁断部19bとスタッカ部2bとの間には、裁ち屑落とし機構27bが設置される。図15では、裁ち屑落とし機構27bが加工処理物Qbの排出口近傍に設置される場合を示す。裁ち屑落とし機構27bでは、シートSの搬送方向Fbで前端から後端まで、及び幅方向Wbの右端から左端までの双方とも全体に渡らない一部分のみに裁ち屑Jeが設定され、当該裁ち屑Jeは、加工処理部24bの加工処理によって加工処理物QbとともにシートSbから裁断され、スタッカ部2b近傍まで搬送されている場合に、加工処理部24bで加工処理され、シートSbから切り取られた裁ち屑Jeを、下方の裁ち屑回収部23へ案内する。
図15に示す裁ち屑落とし機構27bは、幅方向WBに複数並設された裁ち屑落とし部材271bを備える。これら複数の裁ち屑落し部材271bに替えて1個または複数の裁ち屑落とし部材を幅方向WBに移動可能に構成してもよい。裁ち屑落とし部材271bは、例えば、図示しない裁ち屑落とし駆動部を駆動することで、待機位置と作動位置の間で移動可能に構成することができる。
制御部45は、幅方向WBの裁ち屑Jeの発生する箇所に対応する裁ち屑落とし部材271bを、該裁ち屑落とし部材271bの設置位置に裁ち屑Jeが至る所定のタイミングで裁ち屑落とし駆動部を駆動する。これより、待機位置に位置していた裁ち屑落とし部材271bは、作動位置へ移動され、裁ち屑Jeを搬送路5の下方へ排除する。
本第3の実施形態にかかる加工処理物Qbの加工処理パターンは、図15に示すように、同一形状及び同一サイズの加工処理物Qbが、シートSbの搬送方向Fbに沿って3行、搬送方向Fbに直交する幅方向Wbに沿って3列設定される。ただし、搬送方向Fb中央且つ幅方向Wb図15において右端の破線で示す位置には加工処理物Qbに替えて裁ち屑Jeが設定されており、この結果、合計8個の加工処理物Qbが設定されている。そして、この加工処理物Qbには、図15の左から右へ且つ、搬送方向下流から上流へ連番が付与されている。
制御部は、スタッカ部2bにおいて、付与された番号の順に、加工処理物Qbを積載する。そして、制御部は、加工処理物Qbの区分け処理を、加工処理物Qbのスタッカ部2bへの排出枚数に応じて行うよう制御する。図15に示すシートSbでは、第1ベルト851上に8枚の加工処理物Qbが積載された時点で区分け処理が実行され、後続の加工処理物Qbと所定量離間して載置され、区分けされる。
第3の実施形態にかかるスタッカ部2bの動作について説明する。
図16,17は、第3の実施形態のフロー図である。同図のステップ51乃至53は、図7のステップ1乃至3と同じである。図16のステップ54で、処理枚数に残りがあるかどうかを確認する。処理枚数に残りがないとき、ステップ55へ進む。ステップ55では、処理枚数をステップ51で入力した設定枚数とする。
ステップ54で、処理枚数に残りがある場合、ステップ56へ進み、処理枚数を残り枚数とする。ステップ57へ進み、シートSの搬送路5への供給を開始し、シートSの加工処理を開始する。加工処理部24bにおいてシートSbが加工処理されている間、制御部は、第1、第2コンベア駆動部を双方とも駆動せず、第1、第2ベルト851、852は双方とも走行が停止される。
図17のステップ58で、図15において搬送部の搬送方向Fbで第1行目の加工処理物Qb1~Qb3が第1ベルト851上に排出完了したかどうか判断する。加工処理物Qb1~Qb3の第1ベルト851上への排出完了するまでステップ58を繰り返し、加工処理物Qb1~Qb3の排出が完了すると、ステップ59へ進む。ステップ59において、制御部は、第1コンベア駆動部を所定量駆動し、第1ベルトコンベアー861を所定の載置速度で走行させる。
載置速度は、加工処理物Qbの装置本体1bからの排出速度より速く設定されることが好ましい。載置速度は、加工処理物Qb1~Qb3の第1ベルト851上への排出完了後、第2行目の加工処理物Qb4、Qb5が、第1ベルトコンベアー861の載置面上に接触するまでの間に、先行する第1行目の加工処理物Qb1~Qb3を幅方向Wbへ所定の載置移動量だけ移動可能な速度に設定される。このときの第1ベルトコンベアー861の走行による加工処理物Qb1~Qb3の幅方向Wbの載置移動量は、後続の加工処理物Qb4,Qb5が載置面上で先行する加工処理物Qb1~Qb3と等間隔で隣接して載置されるのに必要な所定長さに設定される。
第1ベルトコンベアー861の走行中、第2ベルトコンベアー862は、走行が停止されるかまたは第1ベルトコンベアー861より遅い速度で走行される。ステップ60に進み、満杯検出部30bがスタッカ部2bの満杯を検出したかどうかを判断する。ステップ60で満杯検出部30bが、第2ベルトコンベアー862にこれ以上加工処理物Qb載置できなくなったことを検出すると、ステップ61へ進む。
ステップ61で処理枚数に残りの枚数があるかどうかを判断する。設定された枚数の一部を処理した段階で、スタッカ部2bとしての第2ベルトコンベアー862が満杯となったことを検出している場合、ステップ61を満たし、ステップ62に進む。ステップ62で、処理枚数を残りの枚数とする。第2ベルトコンベアー862が満杯となったときちょうど設定された枚数の加工処理が完了している場合、ステップ61で処理枚数に残りの枚数がないことになり、ステップ61を満たさずステップ64へ進む。
ステップ60で、スタッカ部2bがまだ満杯でないと判断されると、ステップ60を満たさずステップ63へ進む。ステップ63で、処理枚数を完了したかどうか判断する。第1行目を排出し、第1ベルトコンベアー861を所定の載置移動量だけ走行させた段階では、処理枚数を完了しておらず、ステップ63を満たさず、ステップ58へ戻る。ステップ58で第2行目の加工処理物Qb4、Qb5が第1ベルト851上に排出完了したかどうか判断する。
第2行目の加工処理物Qb4、Qb5が裁ち屑落とし部材271bの設置位置を通過する際、制御部は、図15において、右端部分に示す2つの裁ち屑落とし部材2711,2712を移動するよう裁ち屑落とし駆動部を駆動制御する。裁ち屑落とし部材2711,2712が待機位置から移動して、裁ち屑Jeを落下可能な所定の作動位置まで移動されると、裁ち屑Jeは搬送路5の下方へ排除される。
その後、搬送路5上に残存し、下流側へ搬送された加工処理物Qb4、Qb5は、停止している第1ベルト851上へ排出される。加工処理物Qb4、Qb5の排出が完了すると、図17のステップ58を満たし、ステップ59へ進む。ステップ59で制御部は、第1コンベア駆動部を駆動制御し、第1ベルトコンベアー861を再度所定の載置移動量だけ移動する。第1行目と同様に、ステップ60からステップ63を実行する。
第3行目の加工処理物Qb6~Qb8についても第1,2行目と同様に、ステップ58から63が実行される。第3行目の加工処理物Qb6~Qb8は、裁ち屑落とし部材271bによって排除された裁ち屑Jeの大きさだけ距離を隔てて、先行する加工処理物Qb4、Qb5の隣に排出される。
加工処理物Qbが8枚排出され、処理枚数が完了したときステップ63を満たしステップ64へ進む。ステップ64で、制御部は、待機運転を実行する。
ステップ65へ進み、制御部は、処理枚数が完了したかどうか判断する。加工処理物Qbが8枚排出された段階では、処理枚数が完了しているので、ステップ65を満たしステップ66へ進む。ステップ65でスタッカ部2bが満杯のために待機運転を行っている状況あって、処理枚数が完了していないときは区分け処理を実行しないので、ステップ67へ進む。
ステップ66の区分け処理に先立って、制御部は、第1コンベア駆動部及び第2コンベア駆動部を駆動し、まず、加工処理物Qb1~Qb8を第1ベルトコンベアー861から第2ベルトコンベアー862へ移動させる。このベルトコンベアー861,862間の移動における第1ベルト851の走行速度は、第1移動速度とする。第1移動速度は、第2ベルトコンベアー862の走行速度である第2移動速度より速く設定される。この結果、第1ベルト851上に1枚ずつ重ならずに載置されていた加工処理物Qbは、第1ベルトコンベアー861より低速で走行する第2ベルトコンベアー862上で少しずつずらせて重ねられ積載される。
このとき、制御部は、複数の加工処理物Qb1~Qb8を等間隔で積載するため、加工処理物Qb5が第1ベルト851から第2ベルト852へ移動された後、第2コンベア駆動部を所定時間停止して、加工処理物Qb5の隣に設定されていた裁ち屑Jeの大きさに対応する長さだけ第2ベルト852の走行を停止する。これより、第1ベルト851上での加工処理物Qb5とQb6との距離がつめられ、第2ベルト852で全ての加工処理物Qbが同じ長さだけずらせて等間隔で積載され、作業性が向上する。
全ての加工処理物Qb1~Qb8が第2ベルト852上へ移動された後、制御部は、後続の加工処理物Qbと区分けするのに必要な長さだけ第2ベルト852を走行させる。区分け処理における第2ベルト852の走行速度は、加工処理物Qb1~Qb8を第1ベルトコンベアー861から第2ベルトコンベアー862へ移動させるときの第2ベルトコンベアー862の走行速度である第2移動速度と同じであってもよく、第2移動速度より速くしてもよい。区分け処理の際、第2ベルトコンベアー862を他のタイミングより高速で走行させることで、区分け処理に要する時間を短縮できる。
ステップ67からステップ72は図13に示す第1の実施形態のステップ28からステップ33と同様である。
(第4の実施形態)
図18は、第4の実施形態にかかる加工処理装置Dcのスタッカ部2cに加工処理物Qcを載置する状態を示す平面図である。第4の実施形態に係る加工処理装置Dcは上記第3の実施形態の加工処理装置Dbと同様に、スタッカ部2cに積載部材として、加工処理物Qcの排出方向に対し交差する方向に走行する複数のベルトコンベアー861c,862cが設置される。第1ベルトコンベアー861cは、上記第3の実施形態の第1ベルトコンベアー861よりも走行方向の長さが短く形成され、加工処理物Qcの排出口の幅方向Wcの長さと同程度とされている。第2ベルトコンベアー862cは、第1ベルトコンベアー861cより長く形成されている。
上記第3の実施形態では、加工処理物Qb1~Qb8を第1ベルトコンベアー861から第2ベルトコンベアー862へ移動させる動作を処理枚数が完了した後、区分け処理を実行する直前に行った。本第4の実施形態では、図17のステップ58で、一行分の加工処理物Qcの排出が完了した後に、一行分の加工処理物Qcを第1ベルトコンベアー861から第2ベルトコンベアー862へ移動させる。その際、図17のステップ59のコンベアーの走行において、制御部は、第1コンベア駆動部を所定量駆動し、第1ベルトコンベアー861を所定の載置速度で走行させる。第1ベルトコンベアー861の走行中、制御部は、第2ベルトコンベアー862を走行停止するかまたは第1ベルトコンベアー861cより遅い速度で走行させる。
第1ベルト851cの加工処理物Qcの載置面の高さは、第2ベルト852cの加工処理物Qcの載置面の高さより所定量低く設定されているので、加工処理物Qcは、第1ベルト851c上から第2ベルト852c上へ向けて順に落とされる。第2ベルトコンベアー862cの走行を停止している場合、加工処理物Qcは、第2ベルト852cの載置面の同じ位置に積み重ねられる。第2ベルトコンベアー862cを第1ベルトコンベアー861cより低速で走行する場合、第1ベルト851c上で1枚ずつ重ならずに載置されていた1行分の加工処理物Qcは、第2ベルト852cの載置面上で少しずつずらせて重ねられ積載される。
このように、加工処理物Qcの1行分の排出動作が完了するたびに、第1ベルトコンベアー861cから第2ベルトコンベアー862cへ1行分の加工処理物Qcを移動させる。このとき本第4の実施形態においても、第3の実施形態と同様に、複数の加工処理物Qc1~Qc8を等間隔で積載するため、加工処理物Qc5が第1ベルト851cから第2ベルト852cへ移動された後、第2コンベア駆動部を所定時間停止する。加工処理物Qc5の隣に設定されていた裁ち屑落とし部材271cによって排除された裁ち屑Jfの大きさに対応する長さについては、第2ベルト852cを走行させないようにする。これより、第2ベルト851c上に載置された加工処理物Qc5とQc6との距離が他の加工処理物Qcと等間隔となる。全ての加工処理物Qcが同じ長さだけずらせて積載され、作業性が向上する。
そして、制御部は、8枚の各処理物Qcがスタッカ部2cに排出され、処理枚数が完了したとき、待機運転を行い、区分け処理を行う。区分け処理では、全ての加工処理物Qcが第1ベルト851cから第2ベルト852c上へ移動された後、制御部が、後続の加工処理物Qcと区分けするのに必要な長さだけ第2ベルト852cを走行させる。区分け処理における第2ベルト852cの走行速度は、加工処理物Qcを第1ベルト851cから第2ベルト852cへ移動するときの第2ベルト852cの走行速度より速くすることが好ましい。これにより、区分け処理に要する時間を短縮でき、シートScの加工処理を効率よく行うことができる。
(第5の実施形態)
本第5の実施形態では、上記第1の実施形態の図6に示すシートSの加工処理パターンに替えて、図19に示すパターンの加工処理を行う。図6に示すシートSの加工処理パターンでは、シートSの搬送方向Fに沿って7行の加工処理物Qが設定されていた。これに対し、図19に示す加工処理パターンでは、シートSの搬送方向Fに沿って5行の加工処理物Qdが設定されている。このため、シートSの後端側の裁ち屑Jiの搬送方向Fの長さが、図6に示すシートSの後端側の裁ち屑Jcより長くなっている。
図6に示すシートSの後端側の裁ち屑Jcは、搬送方向Fの長さが短いために、カッター処理部22でシートSを幅方向Wに沿って裁断し、裁断線Kが形成されたとき、当該裁ち屑Jcは、シートSから切り取られ、下向きに移動し、ガイド60により案内され、裁ち屑回収部23に回収される。しかし、図19に示す裁ち屑Jiは、搬送方向Fの長さが裁ち屑Jcより長いために、裁断直後に下向きに移動せず、裁断刃36の上流側近傍に設置される搬送ローラ16に挟持されたまま搬送路5に留まる。
このような裁ち屑Jiは、図19において破線Kiで示すように、幅方向Wに沿って複数回余分に裁断線Kiを形成することで、裁断刃36による裁断直後に下方に移動させ、搬送路5から排除することができる。
また、他の方法として、裁断線Kiを形成することなく、カッター処理部22の下流側へ裁ち屑Jiを搬送し、搬送ローラ17によってスタッカ部2へ排出される際に、搬送路5の下方へ落下させ、搬送ローラ17の下流側の筐体の外部に設置した図示しない裁ち屑回収部に回収してもよい。裁ち屑Jiをより容易に落下させるために、搬送ローラ17とベルトコンベアー86の間を所定値以上広く開けておくことが好ましい。これより裁ち屑Jiをベルト85上へ載置しないようにできる。
搬送ローラ17とベルトコンベアー86の間の長さは、処理可能な加工処理物Qdの搬送方向Fの長さの最小値より短くする。加工処理物Qdをスタッカ部2へ排出しつつ裁ち屑Jiを搬送路5から排除できる。また、裁ち屑Jiをカッター処理部22の下流側の搬送路ローラ17によって搬送する際に、搬送ローラ17による裁ち屑Jiの搬送速度を加工処理物Qdを搬送するときより遅くすることで、より容易に裁ち屑Jiを落下させることができる。
裁ち屑Jiの搬送方向Fの長さが、搬送ローラ17とベルトコンベアー86の間の長さより長い場合には、裁ち屑Jiのいずれかの位置に幅方向Wに沿った裁断線Kiを形成し、スタッカ部2へ排出しないようにすることができる。裁断刃36を用いて裁ち屑Jiに形成する余分な裁断線Kiの数を減らすことで、裁断刃36の耐久性を向上可能である。また、裁断処理のために搬送部4による搬送を停止する時間を短縮できるので、シートSの処理効率を向上できる。
(第6の実施形態)
図20は、本第6の実施形態にかかるスタッカ装置Eの模式縦断面図を拡大して示す。上記第1~5の実施形態では、スタッカ部2,2b、2cが加工処理装置D、Db,Dcの一部として構成された。一方、本第6の実施形態のスタッカ装置Eは、加工処理装置Dfとは別の装置として構成される。スタッカ装置Eは、図1に示す第1の実施形態に係るスタッカ部2の構成に加え、押えローラ89、押えローラ検出部(図示省略)、傾斜ストッパ90、操作部91及びスタッカ制御部95を備える。
前記押えローラ89は、ベルト85の載置面上に接触可能に設置される。押えローラ89は一例として、揺動軸94を軸心に上下に揺動することで、自重により加工処理物Qfの上面を押えるよう構成される。更に、押えローラ89は、載置面上における設置位置を、ベルト85の走行方向Gに移動可能に構成される。これより、押えローラ89は、加工処理物Qfの寸法に応じて適正な位置に移動できる。
ベルト85の載置面上には、先行して載置される加工処理物Qfの上に後続の加工処理物Qfが、所定長さだけ一部重なるように載置される。
押えローラ検出部は、載置面における押えローラ89の位置を検出する。押えローラ検出部は、ポテンションメーター、押えローラ89を移動させるための図示しないモータの駆動量やラインセンサ等により構成することができる。
このように加工処理物Qfを押さえる押えローラ89が設定され、当該押えローラ89の設置位置をベルト85の走行方向Gに移動可能とされるので、使用者の所望する位置へ押えローラ89を移動することで作業効率を向上できる。制御部45には、載置面における押えローラ89の位置を、加工処理情報とともに、記憶装置に記憶しておくことができる。また、制御部45は、押えローラ検出部によって検出した押えローラ89の位置を、自動により、または使用者の手動による設定操作に応じて必要により加工処理情報と合せて記憶装置に記憶することとしてもよい。
傾斜ストッパ90は、ベルト85の走行を妨げない位置で、ベルト85の端部上方に傾斜配置される。傾斜ストッパ90は、ベルト85の走行により搬送される加工処理物Qfをすくい上げて所定の角度に起こして受け止める。
操作部91は、ベルト85の左右いずれかの側方や傾斜ストッパ90の前方、スタッカ装置Eの筐体99の側面などベルトコンベアー86fの近傍位置に設置される。操作部91 は、操作パネル,ボタン、スイッチ、テンキー等により構成される。操作部91には、運転停止操作部96及び連動切替部97が含まれる。運転停止操作部96は、加工処理装置Dfの搬送部4によるシートSの搬送動作、及び加工処理部24における加工処理動作の少なくともいずれかを使用者の手動操作によって開始及び停止する。
連動切替部97は、搬送部4や加工処理部24の少なくともいずれかの動作に、スタッカ装置Eの動作を連動させるかどうかを使用者が手動により切り替える。制御部45は、スタッカ装置Eの運転停止操作部96または連動切替部97が使用者によって手動で操作されたときに、加工処理装置Dfの操作パネル46にその旨、即ち、加工処理中断、加工処理再開、スタッカ装置Eの連動動作中、単独動作中等を表示するよう制御する。
スタッカ制御部95は、スタッカ装置Eの動作を制御する。スタッカ制御部95は、区分け情報を含む各種加工処理情報を、使用者による操作部91を用いた設定、または、加工処理装置Dfの制御部45から送信された信号の受信等によって取得する。スタッカ制御部95は、取得した各種加工処理情報を、スタッカ制御部95の記憶装置に記憶することができる。スタッカ装置Eを、上段の加工処理装置Dfの供給部3、搬送部4、加工処理部24等の動作に連動させずに動作させるよう設定されているとき、スタッカ制御部95は、取得した各種加工処理情報を基に単独で動作を開始し、加工処理物Qfを積載する。
スタッカ装置Eを、上段の加工処理装置Dfの供給部3、搬送部4、加工処理部24等の動作に連動して動作させるよう設定されているとき、加工処理装置Dfの制御部45は、スタッカ制御部95に対し、スタッカ装置Eの動作に関する信号を発信する。スタッカ制御部95は、受信した制御部45からの信号に基づき、スタッカ装置Eを作動させる。
加工処理装置Dfの制御部45は、加工処理情報として取得した区分け距離情報及び先行の加工処理物Qfと後続の加工処理物Qfとの重なり長さ等の区分け情報、加工処理物Qfのベルト85の走行方向Gにおける寸法等に基づいてコンベア駆動部40の駆動によるベルト85の走行時間を算出する。制御部45は、ベルト85の走行時間を算出する際、図示しない検出部によって検出された環境温度や環境湿度、加工処理情報より取得したシートSの種類やカールしやすさに関する情報、搬送路5上の検出部で検出されたシートSがカールしているかどうかに関する情報などを付加的に用いてもよい。これより、より適正な走行時間を算出することができる。
加工処理装置Dfの制御部45は、図1に示す第5検出部35が加工処理物Qを検出した後、所定のタイミングで、スタッカ制御部95にベルト駆動部40を駆動し、ベルト85の走行を開始するための信号を発信する。また、制御部45は、このベルト85の走行開始の信号の発信とともに、走行時間のカウントを行う。
スタッカ制御部95は、制御部45から走行開始の信号を受信してから走行停止の信号を受信するまでベルト85を走行させるようコンベア駆動部40を制御する。
制御部45は、走行時間のカウント値が、算出した最適な走行時間の値に達したとき、スタッカ制御部95に走行停止の信号を発信する。スタッカ制御部95は、走行停止の信号を受信すると、ベルト85の走行を停止するようコンベア駆動部40を制御する。
なお、制御部45は、スタッカ制御部95に対して、走行開始と、走行停止の信号を発信するようにしたが、これに替えて、走行開始及び走行時間に関する情報の信号を発信するようにしてもよい。この場合、スタッカ制御部92は、受信した走行開始の信号によりベルト85を走行させるとともに走行時間のカウントを行う。そして、走行時間のカウント値が、受信した最適な走行時間の値に達したとき、ベルト85の走行を停止する。
ベルト85の走行速度は、シートSの加工処理中に使用者がボリューム等を操作することによって自由に変更することができる。これより、載置面において加工処理物Qfがずらせて積層される際の重なりの長さを、使用者の所望する量に合わせることができ、作業効率を向上可能である。
制御部45は、ベルト85の走行速度を、図示しない速度検出部で検出することとしてもよい。検出したベルト85の走行速度は、自動でまたは使用者の手動の設定操作によって加工処理装置Dfの記憶装置またはスタッカ装置Eの記憶装置の少なくともいずれかに記憶することができる。ベルト85の走行速度を記憶装置へ記憶するタイミングは、シートSの処理動作を実行中としてもよいが、これに替えて、所定枚数のシートSの処理を完了したときやエラー発生時等シートSの搬送や加工処理を中断又は停止しているときとするほうが好ましい。これより、演算の負担を軽減できる。
また、使用者は、スタッカ装置Eでの加工処理物Qfの載置状況を確認しながら、順次所定量ずつ重ねられて積載される加工処理物Qfの重なり長さ、押えローラ89の位置、加工処理物Qfを区分けする際の区分け距離等の加工処理情報を変更することができる。この加工処理情報の変更操作は、スタッカ装置Eの操作部91または加工処理装置Dfの操作パネル46等を用いて実行することができる。加工処理装置Dfの制御部45またはスタッカ装置Eのスタッカ制御部95は、変更後の各種加工処理情報を、変更の行われない他の加工処理情報とともに記憶装置に記憶することができる。使用者は、記憶装置に記憶された変更後の各種加工処理情報を選択し、設定することにより、前回と同じ条件で加工処理物Qfをスタッカ装置Eに載置し、区分けすることができる。
満杯検出部30が加工処理物Qfの満杯を検出したときに、使用者が、載置部83fから加工処理物Qfを取り除く作業をした後、シートSの搬送を再開させ、加工処理を再開させるために操作部91を操作する。スタッカ装置Eに操作部91を設置することで、大型の加工処理装置1であっても、使用者はスタッカ装置Eで、加工処理物Qを回収する等の作業を行いつつ加工処理装置Dfの動作を開始または停止することができ、加工処理装置Dfの操作パネル46の設置位置まで行かなくてもいいので利便性が向上する。
尚、上記実施形態では、制御部45は、加工処理物Q,Qa~Qcを区分け処理する際に、加工処理物Q,Qa~Qcのスタッカ部2、2b、2cへの排出動作を停止するよう搬送部4を制御したが、これに替えて、搬送部の搬送速度を変更しないで区分け処理を実行してもよく、搬送部の搬送速度を区分け前より遅くする等搬送速度を変更してもよい。また、スタッカ部2,2b、2c、2fには、加工処理物Q、Qa~Qfを載置面上の異なる位置に区分けして積載可能な載置部83、83b、83c、83fが設けられたが、スタッカ部に加工処理物を収容する箱状のカードスタッカーを設置するなど、加工処理物を異なる位置に積載できない場合でもよい。この場合には、区分け処理の際、使用者に対し音や光で区分けのタイミングであることを報知し、加工処理物のスタッカ部からの回収を促すことで区分けしてもよい。
また、載置部83,83b、83fには、周回走行するベルト85、85f,851,852、851c、852c上に加工処理物を積載するベルトコンベアー86,86f、861,861c、862、862cが設けられたが、ベルトコンベアーに替えて、昇降台や傾斜台等他の構成としてもよい。また、制御部45は、加工処理物Q、Qa~Qcを区分け処理するとき、ベルトコンベアー86,861,861c、862、862cの走行速度を変更するよう制御したが、等速のままで走行距離や走行時間を長くするなど他の方法で区分け処理してもよい。また、制御部45は、加工処理物Q,Qa~Qcの区分け処理を行った時点から所定時間経過後に、シートS、Sb、Scの加工処理を終了するよう制御したが、待機運転を継続してもよい。また、制御部45は、スタッカ部2、2b、2cに設置された積載部材の種類を識別し、識別結果に基づいて加工処理物Q、Qa~Qcの区分け処理を実行するかどうかを判断したが、制御部が識別しない構成としてもよい。この場合、使用者が操作パネルから積載部材の種類を入力できるようにしてもよい。
待機運転の際、制御部45は、前後して区分け処理される加工処理物Q、Qa~Qcの前記加工部材による加工位置が異なる場合には、先行してスタッカ部へ排出される加工処理物の加工位置である先行加工位置にある加工部材を基準位置へ移動した後、当該基準位置から後続の加工処理物の加工位置である後続加工位置へ移動して加工処理を実行するとともに、前後して区分け処理される加工処理物の前記加工部材による加工位置が一致する場合には、前記先行加工位置にある加工部材を移動することなく後続の加工処理を開始するよう制御したが、区分け処理のたびに加工部材を基準位置へ移動してもよい。また、図12、13及び図16、17に示すフローでは、前後して区分け処理される加工処理物Q、Qa~Qcの前記加工部材による加工位置が異なる場合には、先行加工位置にある加工部材を基準位置へ移動した後、当該基準位置から後続加工位置へ移動することとなるが、これに替えて、先行加工位置から後続加工位置へ移動して加工処理を実行してもよい。この場合、加工部材は基準位置への移動を省略し、直接後続加工位置へ移動される。
また、制御部45は、前後して区分け処理される加工処理物Q、Qa~Qcの加工位置が異なるとき、シートS、Sb、Scを搬送路へ供給する供給台61を、該シートS、Sb、Scを搬送路5へ供給可能な供給位置から待機位置へ移動するとともに、前後して区分け処理される加工処理物Q、Qa~Qcの加工位置が一致するとき、前記供給台61を前記供給位置に維持したままシートの加工処理を開始するよう制御したが、区分け処理のたびに供給台を待機位置へ移動してもよい。
また、リジェクト機構25では、位置マークM1やバーコードM2の読取が不能のシートSに対して作動し、該シートSを落下させてトレイ25aで回収したが、これに替えて、区分け処理を実行するときには、リジェクト機構を作動させないようにしてもよい。区分け処理を実行するときには、加工処理物が名刺であって個人の氏名等が印刷されていたり、加工処理物にページ番号が割り当てられるなど処理順序を遵守することが重要な場合もある。このようなときに、読取不能のシートをリジェクトし、入力された設定枚数に基づきリジェクト後の処理が自動的に継続され、区分け処理が実行されると、区分けされた束の中に、本来別の束に区分けされるべき異なる個人名が印刷された加工処理物が混在してしまう恐れがある。また、リジェクトされたシートの分だけ落丁となる恐れがある。そこで、区分け処理を実行するときには、自動でまたは使用者の選択によりリジェクト機能を解除できるようにし、リジェクト機構を作動させないようにすることで、より適正に区分け処理を実行可能である。
また、使用者が設定枚数を入力し、この設定枚数を処理完了した時点で区分け処理を実行したが、使用者が設定枚数を入力しなくても自動で区分け処理を実行できるようにしてもよい。例えば、シートSのバーコードM2に記録される各種加工処理情報のうち、区分けタイミング情報に、その加工処理物が排出された直後に区分け処理を実行すべきであることを示すエンドマーク情報を含めることができる。エンドマーク情報が付与された加工処理物がスタッカ部に排出されると、制御部は自動で区分け処理を実行する。また、他の例として、区分けタイミング情報に、その加工処理物から何枚目の加工処理物がスタッカ部に排出されたとき、区分け処理を実行すべきであることを示す枚数指示情報を含めることもできる。これにより、使用者が設定枚数を入力しなくても区分け処理が実行されるので、手間が省ける。また、使用者による設定枚数の入力間違いを防止することができ、利便性が向上できる。
また、各種加工処理情報は、操作パネル46より使用者が手動設定するかまたは読取部26によりバーコードM2を読み取ることで自動的に入力したが、パソコンやPCコントローラ等の操作端末といった外部の情報処理装置や入力装置と通信を行って設定してもよい。予め操作パネルからの手動入力によって、シートの配列パターンを複数記憶手段に記憶しておき、各パターンを番号などによって呼出して、設定することとしてもよい。
また、加工処理装置は、スリッター処理部20、カッター処理部22及びクリース処理部21を備えたが、スリッター処理部及びカッター処理部の少なくともいずれかの裁断部を備えてもよく、裁断部と他の加工機構(ミシン目形成機構、型抜き機構等も含む)とを適宜組み合わせた加工処理装置、更には加工機構、搬送ローラの数が前記実施の形態と異なる加工処理装置にも、本発明を適用できることはいうまでもない。また、シートの配列パターンは、図6,14,15、18に例示したものに限定されず、裁断線T,Kや折線Cの数について、他の種々のパターンが設定可能である。
第3,4の実施形態では、加工処理物Qb、Qcを第2ベルト852、852c上に等間隔で積載するため、加工処理物Qb5、Qc5の第2ベルト852への移動後所定時間第2コンベア駆動部の駆動を停止したが、これに替えて、第1ベルト上へ2行目の加工処理物が排出完了した後の第1ベルトの移動量を裁ち屑Je、Jfの分だけ短くしてもよい。これより、第1ベルトまたは第2ベルト上で加工処理物を等間隔で積載できる。