以下、図面を参照しながら、各実施形態を説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1に示すように、本実施形態の車両用空調ユニット10は、空調ケース12、蒸発器16、ヒータコア18、送風機20、および複数のドア21、22、23、24a、24b、25を備えている。この車両用空調ユニット10は、例えば、車室内の最前部に設けられたインストルメントパネルの内側に配置されている。なお、図1および図2の各矢印DR1、DR2、DR3は、車両用空調ユニット10が搭載される車両の向きを示す。すなわち、図1の矢印DR1は車両前後方向DR1を示し、矢印DR2は車両上下方向DR2を示し、図2の矢印DR3は車両左右方向DR3すなわち車両幅方向DR3を示している。これらの方向DR1、DR2、DR3は互いに交差する方向、厳密に言えば互いに直交する方向である。
空調ケース12は、車両用空調ユニット10の外殻を成す樹脂製の部材である。図1に示すように、空調ケース12には、外気導入口121と、内気導入口122と、空調ケース12内から空気を吹き出す吹出口126、127、128とが形成されている。また、空調ケース12の内部には、外気導入口121と内気導入口122との一方または両方から各吹出口126、127、128へ空気が流れるケース内通路123が形成されている。このケース内通路123は車両前後方向DR1へ延びるように形成されている。
外気導入口121は、車室外の空気である外気をケース内通路123へ導入するための導入口である。内気導入口122は、車室内の空気である内気をケース内通路123へ導入するための導入口である。空調ケース12内へは、送風機20によって、外気または内気が導入される。
外気導入口121および内気導入口122は、内外気切替ドア25によって開閉される。そして、その外気導入口121と内気導入口122との一方または両方から導入された空気は蒸発器16へ流入する。
蒸発器16は、その蒸発器16を通過する空気を冷却する冷却用熱交換器である。要するに、蒸発器16は冷却器である。
蒸発器16は、空調ケース12内に収容されている。すなわち、蒸発器16は、ケース内通路123に配置されており、ケース内通路123に導入された外気または内気が流入するように配置されている。蒸発器16は、不図示のコンプレッサ、コンデンサ、および膨張弁とともに、冷媒を循環させる周知の冷凍サイクル装置を構成している。蒸発器16は、蒸発器16を通過する空気と冷媒とを熱交換させ、その熱交換により冷媒を蒸発させると共に空気を冷却する。
送風機20は、送風ファン201と、その送風ファン201をファン軸線CL1まわりに回転させるブロワモータ202とを有している。その送風ファン201とブロワモータ202はケース内通路123に配置されている。要するに、送風ファン201とブロワモータ202は空調ケース12内に収容されている。
送風ファン201は、ファン軸線CL1まわりに回転することによりケース内通路123に空気を流す。本実施形態では具体的に、送風ファン201は遠心ファンである。そのため、送風ファン201は、ファン軸線CL1まわりに回転することによりファン軸線CL1の軸方向DRaの一方側から空気を吸い込み、その吸い込んだ空気を送風ファン201の径方向外側へ吹き出す。その径方向外側へ吹き出された空気は、ケース内通路123の空気流れ下流側(例えば図1では車両後方側)へと空調ケース12によって導かれる。
ブロワモータ202は、回転しない非回転部であるステータ202aと、ファン軸線CL1を中心に回転するモータ軸202bとを有している。送風ファン201は、そのモータ軸202bに相対回転不能に連結されている。
なお、送風ファン201とブロワモータ202は同軸上に設けられるので、ファン軸線CL1は送風ファン201の回転中心であると同時にブロワモータ202の回転中心でもある。また、本実施形態では、ファン軸線CL1の軸方向DRaは車両前後方向DR1に一致している。また、ファン軸線CL1の軸方向DRaは送風ファン201の軸方向DRaでもあり、ファン軸線CL1の軸方向DRaをファン軸方向DRaとも呼ぶものとする。また、送風ファン201の径方向は別言すればファン軸線CL1の径方向である。そして、そのファン軸線CL1の径方向をファン径方向とも呼ぶものとする。
送風機20は、送風ファン201が蒸発器16に対して空気流れ下流側に配置された所謂吸込式レイアウトとなっている。送風機20は、送風ファン201の空気吸込み側であるファン軸方向DRaの一方側が蒸発器16の空気流出面16bと対向するように配置されている。従って、送風ファン201は、ファン軸方向DRaの一方側とは反対側であるファン軸線CL1の他方側がケース内通路123の空気流れ下流側へ向くように配置されている。
ヒータコア18は、ケース内通路123を流れる空気のうちヒータコア18を通過する空気を加熱する加熱器である。ヒータコア18は、ケース内通路123のうち送風ファン201に対し空気流れ下流側に配置されている。ヒータコア18は、そのケース内通路123のうちで、車両上下方向DR2の中央部に配置されている。そのため、送風機20は、送風ファン201の空気吸込み側とは反対側であるファン軸方向DRaの他方側がヒータコア18の空気流入面18aと対向するように配置されている。
空調ケース12内において、ヒータコア18の上側には、上側バイパス通路125aが形成され、ヒータコア18の下側には、下側バイパス通路125bが形成されている。この上側バイパス通路125aと下側バイパス通路125bは何れもケース内通路123に含まれ、ヒータコア18に対して並列に空気を流す。すなわち、上側バイパス通路125aと下側バイパス通路125bは何れも、ヒータコア18を迂回して空気を流す迂回通路である。言い換えれば、その上側バイパス通路125aと下側バイパス通路125bは何れも、ヒータコア18が設けられていない非加熱通路である。
ケース内通路123においてヒータコア18に対する空気流れ上流側には、第1エアミックスドア24aと第2エアミックスドア24bとが設けられている。この第1エアミックスドア24aと第2エアミックスドア24bは、送風機20に対して空気流れ下流側に設けられている。
第1エアミックスドア24aは、上側バイパス通路125aに配設されており、その上側バイパス通路125aを開閉する。第1エアミックスドア24aはスライド式のドア機構であり、不図示の電動アクチュエータによってスライドさせられる。
そして、第1エアミックスドア24aはそのスライド位置に応じて、ヒータコア18を通過する風量と、上側バイパス通路125aを通過する風量との風量割合を調節する。
第2エアミックスドア24bは、下側バイパス通路125bに配設されており、その下側バイパス通路125bを開閉する。第2エアミックスドア24bはスライド式のドア機構であり、不図示の電動アクチュエータによってスライドさせられる。
そして、第2エアミックスドア24bはそのスライド位置に応じて、ヒータコア18を通過する風量と、下側バイパス通路125bを通過する風量との風量割合を調節する。
空調ケース12には、その空調ケース12外へ空気を吹き出すフェイス吹出口126、デフロスタ吹出口127、およびフット吹出口128が形成されている。そのフェイス吹出口126、デフロスタ吹出口127、およびフット吹出口128はそれぞれ、ヒータコア18および各バイパス通路125a、125bに対する空気流れ下流側にてケース内通路123に連結している。
フェイス吹出口126から流出する空気は、不図示のダクトを介して導かれ、車室内の前席に着座する乗員の顔または胸部へ向けて吹き出される。デフロスタ吹出口127から流出する空気は、不図示のダクトを介して導かれ、車室内にて車両前面の窓ガラスに向けて吹き出される。フット吹出口128から流出する空気は、不図示のダクトを介して導かれ、車室内の前席に着座する乗員の足下へ向けて吹き出される。
また、フェイス吹出口126にはフェイスドア21が設けられており、フェイスドア21はフェイス吹出口126を開閉する。デフロスタ吹出口127にはデフロスタドア22が設けられており、デフロスタドア22はデフロスタ吹出口127を開閉する。フット吹出口128にはフットドア23が設けられており、フットドア23はフット吹出口128を開閉する。
ケース内通路123においてヒータコア18の空気流れ下流側では、ヒータコア18を通った暖風と上側バイパス通路125aを通った冷風とが混合される。そして、その混合された空気は、主としてフェイス吹出口126とデフロスタ吹出口127とのうちの開いている吹出口から車室内へ吹き出される。
また、ヒータコア18の空気流れ下流側では、ヒータコア18を通った暖風と下側バイパス通路125bを通った冷風とが混合される。そして、その混合された空気は、フット吹出口128が開いている場合には、主としてそのフット吹出口128から車室内へ吹き出される。
図1~図3に示すように、空調ケース12は、ケース開口孔13aが形成されたケース本体部13と、開口孔カバー14とを有している。そのケース本体部13は、空調ケース12の外壁を成す外壁部分のうち開口孔カバー14を除いた部分で構成されている。なお、図2は、図1におけるII矢視図であると共に、図3におけるII矢視図でもある。
ケース開口孔13aは、送風機20の交換作業を行う際に送風機20を空調ケース12内から取り出すための作業用開口孔である。具体的に、ケース開口孔13aは、送風機20に対しファン径方向の外側に配置され、そのファン径方向を向いて開口する。例えば本実施形態では、ケース開口孔13aは、送風機20に対し下側に配置され、下側を向いて開口する。
開口孔カバー14は、ケース本体部13に対し固定され、その固定された状態でケース開口孔13aを塞いでいる。詳細には、開口孔カバー14は例えばパッキン等を有し、ケース内通路123を流通する空気がケース開口孔13aから漏れ出ないように、そのケース開口孔13aを塞いでいる。
また、送風機20の交換作業を行う際にはケース開口孔13aを開く必要があるので、開口孔カバー14は、ケース本体部13から取外し可能に構成されている。例えば、開口孔カバー14は、スナップフィットまたはビス止め等によってケース本体部13に固定されており、スナップフィットの係止爪またはビス止め用のビスを外すことによりケース本体部13から取り外される。すなわち、開口孔カバー14がケース本体部13から取外し可能に構成されていることとは、開口孔カバー14をケース本体部13へ固定している上記係止爪やビス等の固定部品を操作すれば開口孔カバー14がケース本体部13から取り外せるように構成されていることである。
また、図1および図3に示すように、開口孔カバー14は送風機20に対して連結されている。詳細には、空調ケース12は、開口孔カバー14に固定され空調ケース12内に配置されたモータ支持部141を有している。そして、このモータ支持部141にブロワモータ202のステータ202aが固定されている。
例えば、開口孔カバー14とモータ支持部141は一体成形され、1つの樹脂成形品として構成されている。また、モータ支持部141は、例えばリブ状に形成された部分を含み、送風ファン201から吹き出された空気の流れを妨げ難いようになっている。
そして、送風機20は、開口孔カバー14と一体的にケース本体部13から取外し可能な構成となっている。例えば、送風機20はケース本体部13に直接には固定されておらず、開口孔カバー14を介して間接的にケース本体部13に固定されている。すなわち、送風機20は、開口孔カバー14がケース本体部13に固定されることで、空調ケース12内の所定位置に保持されるようになっている。
そのため、開口孔カバー14がケース本体部13から取り外されれば、それと同時に、送風機20もケース本体部13から取り外される。また、開口孔カバー14がケース本体部13に対し固定されれば、それと同時に、送風機20もケース本体部13に対し固定される。なお、本実施形態では図3の矢印Atで示すように、開口孔カバー14および送風機20はケース本体部13からファン径方向(具体的には下側)へ取り外される。
上述したようにケース開口孔13aは、送風機20を空調ケース12内から取り出すための作業用開口孔であるので、そのケース開口孔13aは、空調ケース12内から送風機20が取り外される場合に送風機20が通過可能な大きさで形成されている。
具体的には、送風機20がファン径方向に沿ってケース開口孔13a側(具体的には、下側)へ投影された場合に、その投影された送風機20は、図4に示すようにケース開口孔13aの範囲内に入っている。更に、その投影された送風機20に加え、投影されたモータ支持部141も、そのケース開口孔13aの範囲内に入っている。これにより、ケース開口孔13aの大きさは、空調ケース12内から送風機20が取り外される場合に送風機20が通過可能な大きさとなっている。なお、図4では、ケース開口孔13aとモータ支持部141は二点鎖線で示されている。
図3、図5、図6に示すように、送風機20は遠心送風機であるので、空調ケース12は、ファンカバー部15を空調ケース12内に有している。そして、そのファンカバー部15は、送風ファン201に対するファン軸方向DRaの一方側で送風ファン201を覆っている。それと共に、ファンカバー部15には、送風ファン201が吸い込む空気が流入するファン吸気孔15aが形成されている。ファンカバー部15のうち、そのファン吸気孔15a周りには、ファン吸気孔15aへ空気を導くためのベルマウスが設けられている。
また、ファンカバー部15は取外し可能部151を有している。その取外し可能部151は、開口孔カバー14に固定されており、その開口孔カバー14と共にケース本体部13から取外し可能に構成されている。例えば取外し可能部151は、開口孔カバー14と一体成形されており、これにより開口孔カバー14に固定されている。
また、取外し可能部151は、ファンカバー部15のうち取外し可能部151以外の部分である取外し周辺部152とは別部品として構成されている。そして、取外し可能部151は、開口孔カバー14がケース本体部13に固定されることで、その取外し周辺部152に対して連結される。すなわち、開口孔カバー14がケース本体部13から取り外されれば、それと同時に、取外し可能部151もその取外し周辺部152から取り外される。
そのファンカバー部15のうちの取外し周辺部152は、ケース本体部13に固定されている。また、取外し可能部151は、例えば取外し可能部151と取外し周辺部152との境界部分153を通過する空気の漏れを抑えるように、その取外し周辺部152に対して嵌合して連結する。
取外し可能部151は、送風機20が矢印Atのようにファン径方向へ取り出される際にファンカバー部15のうちで送風機20に対する障害物となる範囲全部を含むように形成されている。例えば図3で言えば、ファンカバー部15のうちのH1部分が、その送風機20に対する障害物となる。そのため、取外し可能部151は、ファンカバー部15のうち、送風機20がファン径方向に沿ってケース開口孔13a側(具体的には、下側)へ投影された場合にその投影された送風機20と重なる重複部分の全体を含む。
例えば図5および図6に示すように、その取外し可能部151は、車両上下方向DR2に沿った矢印Atで示す送風機20の取外し方向では、ファン軸線CL1の位置から開口孔カバー14まで及ぶ長さを有する。それと共に、取外し可能部151は、その取外し方向とファン軸方向DRaとに対し直交するカバー幅方向では、送風ファン201の直径よりも大きい幅を有する。すなわち、そのカバー幅方向において送風ファン201は、取外し可能部151の幅の範囲内に収まる。なお、そのカバー幅方向は、図5および図6に示すように車両幅方向DR3に一致する。
上述したように、本実施形態によれば、図3および図5に示すように、空調ケース12のケース本体部13には、送風機20に対しファン径方向の外側に配置されそのファン径方向(具体的には、下側)を向いて開口するケース開口孔13aが形成されている。また、空調ケース12の開口孔カバー14は、ケース本体部13に対し固定されてケース開口孔13aを塞いでおり、ケース本体部13から取外し可能に構成されている。そして、ケース開口孔13aは、空調ケース12内から送風機20が取り外される場合にその送風機20が通過可能な大きさで形成されている。
これにより、空調ケース12を分解しなくても開口孔カバー14を取り外すことで、空調ケース12内から送風機20をファン径方向(具体的には、矢印Atで示すように下側)へ抜き出すことが可能である。従って、空調ケース12からの送風機20の取外しに対する障害物がファン軸方向DRaの一方側および他方側の両方にあっても送風機20の交換作業が可能である。例えば図1に示すように、その送風機20に対してファン軸方向DRaにある障害物には、蒸発器16およびヒータコア18が該当する。
ここで、従来の空調ユニットでの送風機20の交換作業(すなわち、送風ファン201およびブロワモータ202の交換作業)にあたっては、ファン軸方向DRaへの脱着が一般的である。そのため、ファン軸方向DRaに送風機20の交換作業を行う際に障害となる障害物を取り外した後にその送風機20の交換作業を行うことが多い。その障害物とは例えば、インパネアンダーカバーやグローブボックス等である。
その従来の空調ユニットでの送風機20の交換作業において上記障害物を簡単に取り外せる場合は良いが、そうでない場合も想定される。例えば、その障害物の取外し作業に時間がかかる場合、または、その取外しが困難である場合には、空調ユニットを車両から下ろしその空調ユニットを分解してから送風機20の交換作業を行う必要がある。
これに対し、本実施形態の車両用空調ユニット10では、図3の矢印Atで示すファン径方向に送風機20の着脱が可能である。そのため、上述したような障害物がファン軸方向DRaにある場合に、車両用空調ユニット10を車両に搭載したままの状態での交換作業すなわち車両搭載状態での交換作業が可能である。
そして、車両搭載状態での送風機20の交換作業が可能であるので、その送風機20の交換作業を行うために車両用空調ユニット10を車両から外す工数が軽減される。延いては、送風機20の交換作業が行われる車ディーラーやサービス店の作業効率向上、負荷軽減、およびユーザーの作業工賃負担の軽減を図ることが可能である。
また、ファン軸方向DRaへの送風機20の脱着により交換作業が行われる従来の空調ユニットが、送風機20に対してファン軸方向DRaに配置された上記障害物を有する場合を想定したとする。そのような場合、空調ユニットを車両から下ろさずにファン軸方向DRaに送風機20の交換作業を行うには、その障害物と送風機20との距離を確保する必要がある。従って、従来の空調ユニットでは、その障害物と送風機20との距離を或る程度確保するために空調ユニットの体格が大きくなる。これに対し、本実施形態の車両用空調ユニット10では、送風機20の交換作業のためにファン軸方向DRaの障害物と送風機20との距離を或る程度確保するという必要性が無いので、車両用空調ユニット10の体格を小さくすることが可能である。
また、送風機20の交換作業がファン軸方向DRa以外の方向へ可能になることで、車両用空調ユニット10の搭載設計を行う際の送風機20の搭載制約が少なくなり、その搭載の自由度が増す。
また、本実施形態によれば、図3および図6に示すように、空調ケース12の開口孔カバー14は、送風機20に連結されている。そして、その送風機20は、開口孔カバー14と一体的にケース本体部13から取外し可能な構成となっている。従って、送風機20の交換作業の際には、開口孔カバー14をケース本体部13から取り外す作業を行うことで併せて送風機20も空調ケース12内から取り外すことが可能である。例えば図7に示すように、送風機20は、開口孔カバー14とファンカバー部15の取外し可能部151と共に、それらと一体となって取り外される。
また、本実施形態によれば、図3および図5に示すように、ファンカバー部15が有する取外し可能部151は、開口孔カバー14に固定され、その開口孔カバー14と共にケース本体部13から取外し可能に構成されている。そして、その取外し可能部151は、ファンカバー部15のうち、送風機20がファン径方向に沿ってケース開口孔13a側(具体的には、下側)へ投影された場合にその投影された送風機20と重なる部分全体を含む。従って、ファンカバー部15が送風機20の交換作業の際の障害物とはならないように、そのファンカバー部15を設けることが可能である。
また、本実施形態によれば、図3および図4に示すように、送風機20がファン径方向に沿ってケース開口孔13a側(具体的には、下側)へ投影された場合に、その投影された送風機20はケース開口孔13aの範囲内に入っている。これにより、ケース開口孔13aの大きさは、空調ケース12内から送風機20が取り外される場合にその送風機20が通過可能な大きさとなっている。従って、ファン径方向への送風機20の取外しにおいて、送風機20を空調ケース12内から簡単に取り出すことが可能である。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。また、前述の実施形態と同一または均等な部分については省略または簡略化して説明する。このことは後述の実施形態の説明においても同様である。
本実施形態の送風機20は、開口孔カバー14と一体的にケース本体部13から取外し可能な構成とはなっていない。この点において、本実施形態は第1実施形態と異なっている。
具体的には、第1実施形態の図3の図示とは異なり、開口孔カバー14とモータ支持部141は一体成形品ではなく別々の部品として構成されている。そのモータ支持部141にはブロワモータ202のステータ202aが固定されているが、例えば、モータ支持部141はケース本体部13と一体成形品になっている。すなわち、ブロワモータ202は、開口孔カバー14とは独立にケース本体部13に対して固定されている。
そのため、開口孔カバー14は、送風機20とは別個にケース本体部13から取外し可能な構成となっている。例えば第1実施形態と同様に、本実施形態の開口孔カバー14は、スナップフィットまたはビス止め等によってケース本体部13に固定されている。
そして、開口孔カバー14がケース本体部13から取り外された場合には、ケース開口孔13aが開放されるので、送風機20は空調ケース12内から取外し可能になる。例えば、送風機20は、ケース本体部13と一体のモータ支持部141に対し、スナップフィットまたはビス止め等によって固定されている。
なお、ファンカバー部15の取外し可能部151は、第1実施形態と同様に、例えば開口孔カバー14と一体成形されており、これにより開口孔カバー14に固定されている。
このように構成された本実施形態の車両用空調ユニット10で送風機20の取外しが行われる場合には、先ず図8の矢印At1で示すように、開口孔カバー14がケース本体部13からファン径方向へ取り外される。このとき、開口孔カバー14と一体である取外し可能部151も同時に取り外される。
そして、その開口孔カバー14および取外し可能部151の取外し後に、図9の矢印At2で示すように、送風機20が、空調ケース12内からファン径方向のケース開口孔13a側(具体的には下側)へ取り出される。
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
また、本実施形態によれば、図8および図9に示すように、開口孔カバー14は、送風機20とは別個にケース本体部13から取外し可能な構成となっている。そして、開口孔カバー14がケース本体部13から取り外された場合に、送風機20は空調ケース12内から取外し可能になる。従って、開口孔カバー14で送風機20を空調ケース12内に支持する必要がないので、送風機20を支持しやすいというメリットがある。すなわち、送風機20を空調ケース12内に支持する送風機支持構造、および開口孔カバー14をケース本体部13へ固定するカバー固定構造の簡素化を図ることが可能である。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
本実施形態では図10に示すように、空調ケース12周りには、車両用空調ユニット10に組み付けられている空調用周辺部品40、41、42が配置されている。その空調用周辺部品40、41、42とは例えば、ヒータコア18にエンジン冷却水を流通させるためのヒータ配管40、空調ダクト41、および空調用アクチュエータ42などである。
そして、送風機20、開口孔カバー14、および取外し可能部151は、その空調用周辺部品40、41、42が送風機20の交換作業を妨げない向きに空調ケース12内から送風機20を取り出すことができるように構成されている。本実施形態では図10の矢印Atで示すように、送風機20、開口孔カバー14、および取外し可能部151は、斜め下向きに取り外される。
このように本実施形態の車両用空調ユニット10は構成されているので、送風機20の交換作業の際に、車両用空調ユニット10に組み付けられている空調用周辺部品40、41、42を着脱する必要がない。そのため、その空調用周辺部品40、41、42を着脱するのに要する工数を削減することが可能である。要するに、本実施形態では、送風機20、開口孔カバー14、および取外し可能部151の着脱方向の最適化が図られている。
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
なお、本実施形態は第1実施形態に基づいた変形例であるが、本実施形態を前述の第2実施形態と組み合わせることも可能である。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
本実施形態では図11に示すように、ケース内通路123における送風機20、蒸発器16、およびヒータコア18の並び順は、空気流れ上流側から、送風機20、蒸発器16、ヒータコア18の順になっている。要するに、送風機20は、ケース内通路123において最上流側に配置されている。
また、車両用空調ユニット10は、その車両用空調ユニット10の車両前側および下側でダッシュパネル44に隣接している。そのダッシュパネル44は車両のボデー部品の一部である。
送風機20および開口孔カバー14の取外し方向は、本実施形態でもファン径方向であることには変わりないが、車両用空調ユニット10の下側にはダッシュパネル44が配置されている。そのため、送風機20および開口孔カバー14の取外し方向は、第1実施形態とは異なり、下向き以外の向き、例えば車両上側、右側、または左側の向きとなっている。
このような構成から本実施形態でも第1実施形態と同様に、空調ケース12からの送風機20の取外しに対する障害物がファン軸方向DRaの一方側および他方側の両方にあっても送風機20の交換作業が可能である。但し、図11に示すように、その送風機20に対してファン軸方向DRaにある障害物には、送風機20に対し車両前側に位置するダッシュパネル44と、送風機20に対し車両後側に位置する蒸発器16とが該当する。すなわち、送風機20に対しファン軸方向DRaの一方側または他方側に位置する障害物は、車両用空調ユニット10に関連する部品に限らない。
そして、車両用空調ユニット10の車両搭載の影響が吸収されて、車両用空調ユニット10を車両から下ろさずに送風機20の交換作業が可能となっている。
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
なお、本実施形態は第1実施形態に基づいた変形例であるが、本実施形態を前述の第2、第3実施形態と組み合わせることも可能である。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
本実施形態では図12に示すように、ケース内通路123における蒸発器16、ヒータコア18、および送風機20の並び順は、空気流れ上流側から、蒸発器16、ヒータコア18、送風機20の順になっている。要するに、送風機20は、ケース内通路123において最下流側に配置されている。
また、車両用空調ユニット10は、その車両用空調ユニット10の車両前側および下側でダッシュパネル44に隣接している。更に、車両用空調ユニット10は、その車両用空調ユニット10の車両後側で、インストルメントパネルに用いられるリンホース45およびオーディオ46に隣接している。そのリンホース45とオーディオ46は、インストルメントパネルを構成するインストルメントパネル部品の一部である。
送風機20および開口孔カバー14の取外し方向は、本実施形態でもファン径方向であることには変わりないが、車両用空調ユニット10の下側にはダッシュパネル44が配置されている。そのため、送風機20および開口孔カバー14の取外し方向は、上述の第4実施形態と同様に、下向き以外の向き、例えば車両上側、右側、または左側の向きとなっている。
このような構成から本実施形態でも第1実施形態と同様に、空調ケース12からの送風機20の取外しに対する障害物がファン軸方向DRaの一方側および他方側の両方にあっても送風機20の交換作業が可能である。但し、図12に示すように、その送風機20に対してファン軸方向DRaにある障害物には、送風機20に対し車両前側に位置するヒータコア18と、送風機20に対し車両後側に位置するリンホース45と、オーディオ46とが該当する。
そして、車両用空調ユニット10の車両搭載の影響が吸収されて、車両用空調ユニット10を車両から下ろさずに送風機20の交換作業が可能となっている。
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
なお、本実施形態は第1実施形態に基づいた変形例であるが、本実施形態を前述の第2、第3実施形態と組み合わせることも可能である。
(第6実施形態)
次に、第6実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
本実施形態では図13~図16に示すように、送風機20は、空調ケース12内から、ファン径方向の1つである第1径方向D1rへ取外し可能であり、且つ、ファン径方向の1つであって第1径方向D1rとは異なる第2径方向D2rへも取外し可能となっている。要するに、送風機20は、互いに異なる2つの径方向D1r、D2rへそれぞれ取外し可能となっている。この点において、本実施形態は第1実施形態と異なっている。なお、図13に示された送風機20およびその近傍は、図14におけるXIII-XIII断面を表している。
具体的に図13および図14に示すように、ケース本体部13には、第1ケース開口孔13aと第2ケース開口孔13bとである2つのケース開口孔13a、13bが形成されている。この第1ケース開口孔13aと第2ケース開口孔13bはそれぞれ、送風機20に対しファン径方向の外側に配置され、ファン径方向を向いて開口する。但し、第1ケース開口孔13aは第1径方向D1rを向いて開口し、第2ケース開口孔13bは第2径方向D2rを向いて開口する。本実施形態では、第2径方向D2rは、第1径方向D1rに対し直交する方向となっている。
また、図15に示すように、第1ケース開口孔13aは、空調ケース12内から第1径方向D1rへ送風機20が取り外される場合にその送風機20が通過可能な大きさで形成されている。第2ケース開口孔13bについてもこれと同様である。すなわち、図16に示すように、第2ケース開口孔13bは、空調ケース12内から第2径方向D2rへ送風機20が取り外される場合にその送風機20が通過可能な大きさで形成されている。
図14~図16に示すように、空調ケース12は、第1開口孔カバー14と第2開口孔カバー26とである2つの開口孔カバー14、26を有している。第1開口孔カバー14は、第2開口孔カバー26および送風機20とは別個にケース本体部13から取外し可能な構成となっている。また、第2開口孔カバー26は、第1開口孔カバー14および送風機20とは別個にケース本体部13から取外し可能な構成となっている。
また、第1開口孔カバー14は、ケース本体部13に対し固定され、第1ケース開口孔13aを塞いでいる。これと同様に、第2開口孔カバー26は、ケース本体部13に対し固定され、第2ケース開口孔13bを塞いでいる。そして、図14に示すように、第1ケース開口孔13aを塞いだ状態の第1開口孔カバー14と、第2ケース開口孔13bを塞いだ状態の第2開口孔カバー26は、例えばスプリングホールドなどの連結部材12aによって相互に固定されている。
上記のように第1開口孔カバー14が第1ケース開口孔13aを塞いでいるので、第1開口孔カバー14がケース本体部13から取り外された場合には、図15に示すように送風機20は空調ケース12内から取外し可能になる。すなわち、第1開口孔カバー14がケース本体部13から取り外された場合には、送風機20は空調ケース12内から第1ケース開口孔13aを通って、第1径方向D1rへ取外し可能になる。本実施形態では、送風機20は、第1径方向D1rに沿って、斜め左側且つ下向きの方向へ取外し可能になる。
また、第2開口孔カバー26が第2ケース開口孔13bを塞いでいるので、第2開口孔カバー26がケース本体部13から取り外された場合には、図16に示すように送風機20は空調ケース12内から取外し可能になる。すなわち、第2開口孔カバー26がケース本体部13から取り外された場合には、送風機20は空調ケース12内から第2ケース開口孔13bを通って、第2径方向D2rへ取外し可能になる。本実施形態では、送風機20は、第2径方向D2rに沿って、斜め右側且つ下向きの方向へ取外し可能になる。
なお、図14から判るように、2つの開口孔カバー14、26が両方ともケース本体部13から取り外された場合には、第1ケース開口孔13aと第2ケース開口孔13bは互いに連結した1つの開口孔になる。
図13および図14に示すように、送風機20は、送風ファン201およびブロワモータ202のほかに、ブロワモータ202のステータ202aが固定されたモータ固定部28を有している。従って、図15および図16に示すように送風機20が空調ケース12内から取り外される際には、モータ固定部28は、送風ファン201およびブロワモータ202と共に空調ケース12内から取り外される。
図13および図14に示すように、モータ固定部28は、第1径方向D1rへ拡がり且つ第2径方向D2rへも拡がるように形成されている。また、モータ固定部28は、送風ファン201に対しファン軸方向DRaの他方側に配置されている。すなわち、モータ固定部28は送風ファン201に対する空気流れ下流側に配置されているので、モータ固定部28には、送風ファン201が吹き出した空気が通過する複数の貫通孔28aが形成されている。この貫通孔28aはモータ固定部28をファン軸方向DRaに貫通しており、この貫通孔28aが設けられていることで、モータ固定部28は送風ファン201からの空気流れを妨げないようになっている。なお、本実施形態のモータ固定部28は、ファン軸方向DRaを厚み方向とした略板状を成し、ファン軸方向DRaから見た形状が略正方形形状を成すように形成されている。
また、モータ固定部28は、第1被案内部281と第2被案内部282と第3被案内部283と第4被案内部284とを有している。その第1被案内部281と第2被案内部282は、互いに並列するように配置され、第1径方向D1rへそれぞれ延びている。また、第3被案内部283と第4被案内部284は、互いに並列するように配置され、第2径方向D2rへそれぞれ延びている。
第1被案内部281と第2被案内部282と第3被案内部283と第4被案内部284は、モータ固定部28の形状である略正方形形状の各辺を構成するように配置されている。すなわち、第1被案内部281と第2被案内部282と第3被案内部283と第4被案内部284は、モータ固定部28の周縁部分に設けられている。また、第1被案内部281と第2被案内部282と第3被案内部283と第4被案内部284はそれぞれ、送風ファン201に対してファン径方向の外側に設けられている。
図14に示すように、第2被案内部282は第1被案内部281よりも第2開口孔カバー26の近くに設けられている。詳細には、第1被案内部281と第2被案内部282は第2径方向D2rに並んで設けられ、第2被案内部282は、第1被案内部281に対しファン軸線CL1を挟んだ反対側に配置されている。
また、第4被案内部284は第3被案内部283よりも第1開口孔カバー14の近くに設けられている。詳細には、第3被案内部283と第4被案内部284は第1径方向D1rに並んで設けられ、第4被案内部284は、第3被案内部283に対しファン軸線CL1を挟んだ反対側に配置されている。
第1開口孔カバー14は、第4被案内部284に対応する第4案内部としての第1カバー案内部142を有している。すなわち、その第1カバー案内部142は、空調ケース12のうち第2開口孔カバー26以外の部位に固定されている。その第1カバー案内部142は、第4被案内部284に沿って第2径方向D2rへ延びており、第4被案内部284に対し第2径方向D2rへ相対移動可能な状態で接触している。
第2開口孔カバー26は、第2被案内部282に対応する第2案内部としての第2カバー案内部262を有している。すなわち、その第2カバー案内部262は、空調ケース12のうち第1開口孔カバー14以外の部位に固定されている。その第2カバー案内部262は、第2被案内部282に沿って第1径方向D1rへ延びており、第2被案内部282に対し第1径方向D1rへ相対移動可能な状態で接触している。
空調ケース12は、第3被案内部283に対応する第3案内部としての第1ケース案内部191と、第1被案内部281に対応する第1案内部としての第2ケース案内部192とを有している。その第1ケース案内部191と第2ケース案内部192はケース本体部13に固定されている。すなわち、第1ケース案内部191と第2ケース案内部192は、空調ケース12のうち第1開口孔カバー14以外かつ第2開口孔カバー26以外の部位に固定されている。
また、第1ケース案内部191は、第3被案内部283に沿って第2径方向D2rへ延びている。そして、第1ケース案内部191は、第3被案内部283に対し第2径方向D2rへ相対移動可能な状態で接触している。
また、第2ケース案内部192は、第1被案内部281に沿って第1径方向D1rへ延びている。そして、第2ケース案内部192は、第1被案内部281に対し第1径方向D1rへ相対移動可能な状態で接触している。
このような構成から、例えば図15に示すように、空調ケース12内から送風機20が第1径方向D1rへ取り外される場合には、第2開口孔カバー26はケース本体部13に固定されたまま、第1開口孔カバー14がケース本体部13から取り外される。そして、送風機20は、その送風機20のうちのモータ固定部28が第2ケース案内部192と第2カバー案内部262とに案内されつつ、第1径方向D1rへ取り外される。
つまり、空調ケース12内から送風機20が第1径方向D1rへ取り外される場合には、第1径方向D1rへの送風機20の移動に伴って、第1被案内部281が第2ケース案内部192に案内されると共に第2被案内部282が第2カバー案内部262に案内される。そのため、例えば、取り外されていた送風機20が第1径方向D1rに沿って空調ケース12内に挿入される際には、第2ケース案内部192と第2カバー案内部262は、その送風機20に対する挿入ガイドとして機能する。
また、例えば図16に示すように、空調ケース12内から送風機20が第2径方向D2rへ取り外される場合には、第1開口孔カバー14はケース本体部13に固定されたまま、第2開口孔カバー26がケース本体部13から取り外される。そして、送風機20は、その送風機20のうちのモータ固定部28が第1ケース案内部191と第1カバー案内部142とに案内されつつ、第2径方向D2rへ取り外される。
つまり、空調ケース12内から送風機20が第2径方向D2rへ取り外される場合には、第2径方向D2rへの送風機20の移動に伴って、第3被案内部283が第1ケース案内部191に案内されると共に第4被案内部284が第1カバー案内部142に案内される。そのため、例えば、取り外されていた送風機20が第2径方向D2rに沿って空調ケース12内に挿入される際には、第1ケース案内部191と第1カバー案内部142は、その送風機20に対する挿入ガイドとして機能する。
詳細には図14および図17に示すように、第1被案内部281と第2ケース案内部192は、ファン軸方向DRaと第1径方向D1rとに直交する方向(例えば、図14で言えば第2径方向D2r)に、互いに対向するように配置されている。そして、第2ケース案内部192には、ファン軸線CL1と交差する方向(厳密に言えば、ファン軸線CL1と直交する方向)へ窪み第1径方向D1rへ延びる第1溝281aが形成されている。これに対し、第1被案内部281には、第1溝281aに嵌合する第1突部281bが形成されている。その第1突部281bは、第1溝281aの壁面281cに対し第1径方向D1rへ相対移動可能となっている。従って、第1径方向D1rへの送風機20の移動に伴って第1被案内部281が第2ケース案内部192に案内される場合には、第1突部281bは第1溝281aに嵌合した状態で第1径方向D1rへ移動する。
例えば、第1溝281aは、第2ケース案内部192の全長または略全長にわたって形成されている。そして、第1突部281bは第1径方向D1rへ延びて、第1被案内部281の全長または略全長にわたって形成されている。なお、上記の第1溝281aの壁面281cとは第1溝281aに面する壁面であるので、第1溝281aの底面であってもよいし、第1溝281aの側面であってもよい。このことは、後述する第2~第4溝282a~284aの壁面282c~284cについても同様である。
また、第2被案内部282と第2カバー案内部262は、ファン軸方向DRaと第1径方向D1rとに直交する方向に、互いに対向するように配置されている。そして、第2カバー案内部262には、ファン軸線CL1と交差する方向(厳密に言えば、ファン軸線CL1と直交する方向)へ窪み第1径方向D1rへ延びる第2溝282aが形成されている。これに対し、第2被案内部282には、第2溝282aに嵌合する第2突部282bが形成されている。その第2突部282bは、第2溝282aの壁面282cに対し第1径方向D1rへ相対移動可能となっている。従って、第1径方向D1rへの送風機20の移動に伴って第2被案内部282が第2カバー案内部262に案内される場合には、第2突部282bは第2溝282aに嵌合した状態で第1径方向D1rへ移動する。
例えば、第2溝282aは、第2カバー案内部262の全長または略全長にわたって形成されている。そして、第2突部282bは第1径方向D1rへ延びて、第2被案内部282の全長または略全長にわたって形成されている。
図14および図18に示すように、第3被案内部283と第1ケース案内部191は、ファン軸方向DRaと第2径方向D2rとに直交する方向(例えば、図14で言えば第1径方向D1r)に、互いに対向するように配置されている。そして、第1ケース案内部191には、ファン軸線CL1と交差する方向(厳密に言えば、ファン軸線CL1と直交する方向)へ窪み第2径方向D2rへ延びる第3溝283aが形成されている。これに対し、第3被案内部283には、第3溝283aに嵌合する第3突部283bが形成されている。その第3突部283bは、第3溝283aの壁面283cに対し第2径方向D2rへ相対移動可能となっている。従って、第2径方向D2rへの送風機20の移動に伴って第3被案内部283が第1ケース案内部191に案内される場合には、第3突部283bは第3溝283aに嵌合した状態で第2径方向D2rへ移動する。
例えば、第3溝283aは、第1ケース案内部191の全長または略全長にわたって形成されている。そして、第3突部283bは第2径方向D2rへ延びて、第3被案内部283の全長または略全長にわたって形成されている。
また、第4被案内部284と第1カバー案内部142は、ファン軸方向DRaと第2径方向D2rとに直交する方向に、互いに対向するように配置されている。そして、第1カバー案内部142には、ファン軸線CL1と交差する方向(厳密に言えば、ファン軸線CL1と直交する方向)へ窪み第2径方向D2rへ延びる第4溝284aが形成されている。これに対し、第4被案内部284には、第4溝284aに嵌合する第4突部284bが形成されている。その第4突部284bは、第4溝284aの壁面284cに対し第2径方向D2rへ相対移動可能となっている。従って、第2径方向D2rへの送風機20の移動に伴って第4被案内部284が第1カバー案内部142に案内される場合には、第4突部284bは第4溝284aに嵌合した状態で第2径方向D2rへ移動する。
例えば、第4溝284aは、第1カバー案内部142の全長または略全長にわたって形成されている。そして、第4突部284bは第2径方向D2rへ延びて、第4被案内部284の全長または略全長にわたって形成されている。
図13および図19に示すように、本実施形態のファンカバー部15は、送風ファン201に対するファン軸方向DRaの一方側から送風ファン201に対する径方向外側にかけて送風ファン201を覆っている。そして、ファンカバー部15には、第1実施形態と同様にファン吸気孔15aが形成されている。
また、空調ケース12内においてファンカバー部15に対するファン軸方向DRaの一方側には、導風板部129が設けられている。この導風板部129は、ファン径方向へ拡がる板状を成し、その周縁部分にてケース本体部13へ固定されている。そして、導風板部129の中央部分には、ファン吸気孔15aと略同径の貫通孔が形成されており、その貫通孔周りには、ファン吸気孔15aへ空気を導くためのベルマウスが設けられている。このような構成から、導風板部129は、蒸発器16から流出した空気をファン吸気孔15aへ導くようになっている。
本実施形態のファンカバー部15は5つの部位に分割されており、送風機一体部154と第1カバー一体部155と第2カバー一体部156と第1ケース固定部157と第2ケース固定部158とを有している。すなわち、その送風機一体部154と第1カバー一体部155と第2カバー一体部156と第1ケース固定部157と第2ケース固定部158とが相互に連結し一体となることで、ファンカバー部15は構成される。
送風機一体部154は、ファン軸方向DRaから見た形状がモータ固定部28と同様の形状すなわち略正方形形状を成すように形成されている。そして、送風機一体部154は、空調ケース12内から取外し可能な送風機20の一部を構成している。従って、送風機20が空調ケース12内から取り外される際には、送風機一体部154は、送風ファン201およびブロワモータ202と共に空調ケース12内から取り外される。
具体的に、送風機一体部154は、その略正方形形状の4つの頂点部分それぞれでモータ固定部28に連結し固定されている。別言すると、送風機一体部154は、その4つの頂点部分に該当しファン軸方向DRaの他方側の端に位置する他端部154aを有し、その他端部154aにてモータ固定部28に連結し固定されている。
また、ファン吸気孔15aは、ファンカバー部15のうち送風機一体部154に形成されている。また、送風機一体部154は、ファン吸気孔15a周りにて導風板部129に接触するが、導風板部129には固定されておらず、導風板部129は、送風機20の取外しを妨げないようになっている。
第1カバー一体部155は、第1径方向D1rで、送風機一体部154に対し、第1開口孔カバー14がケース本体部13から取り外された際に開放される第1開放側に配置されている。
第1カバー一体部155は第1開口孔カバー14の一部を構成している。そのため、第1開口孔カバー14がケース本体部13から取り外されれば、第1カバー一体部155もケース本体部13から取り外されることになる。
また、第1カバー一体部155はファン軸方向DRaの他方側に他端部を有している。その第1カバー一体部155の他端部は、図14に示すように円弧状を成して第1カバー案内部142に連結し、その他端部と第1カバー案内部142とで囲まれた貫通孔155aを形成している。送風ファン201から吹き出された空気の一部は、この貫通孔155aを通過して、モータ固定部28に対する空気流れ下流側へと流れる。
図14および図19に示すように、第2カバー一体部156は、第2径方向D2rで、送風機一体部154に対し、第2開口孔カバー26がケース本体部13から取り外された際に開放される第2開放側に配置されている。
第2カバー一体部156は第2開口孔カバー26の一部を構成している。そのため、第2開口孔カバー26がケース本体部13から取り外されれば、第2カバー一体部156もケース本体部13から取り外されることになる。
また、第2カバー一体部156はファン軸方向DRaの他方側に他端部を有している。その第2カバー一体部156の他端部は、図14に示すように円弧状を成して第2カバー案内部262に連結し、その他端部と第2カバー案内部262とで囲まれた貫通孔156aを形成している。送風ファン201から吹き出された空気の一部は、この貫通孔156aを通過して、モータ固定部28に対する空気流れ下流側へと流れる。
図14および図19に示すように、第1ケース固定部157は、第1径方向D1rで、送風機一体部154に対し、第1カバー一体部155側とは反対側に配置されている。また、第2ケース固定部158は、第2径方向D2rで、送風機一体部154に対し、第2カバー一体部156側とは反対側に配置されている。第1ケース固定部157および第2ケース固定部158はそれぞれケース本体部13に固定されている。
また、第1ケース固定部157はファン軸方向DRaの他方側に他端部を有している。その第1ケース固定部157の他端部は、図14に示すように円弧状を成して第1ケース案内部191に連結し、その他端部と第1ケース案内部191とで囲まれた貫通孔157aを形成している。送風ファン201から吹き出された空気の一部は、この貫通孔157aを通過して、モータ固定部28に対する空気流れ下流側へと流れる。
これと同様に、第2ケース固定部158もファン軸方向DRaの他方側に他端部を有している。その第2ケース固定部158の他端部は、円弧状を成して第2ケース案内部192に連結し、その他端部と第2ケース案内部192とで囲まれた貫通孔158aを形成している。送風ファン201から吹き出された空気の一部は、この貫通孔158aを通過して、モータ固定部28に対する空気流れ下流側へと流れる。
上述したように、本実施形態によれば、図15に示すように、第1開口孔カバー14がケース本体部13から取り外された場合には、送風機20は空調ケース12内から第1ケース開口孔13aを通って、第1径方向D1rへ取外し可能になる。また、図16に示すように、第2開口孔カバー26がケース本体部13から取り外された場合には、送風機20は空調ケース12内から第2ケース開口孔13bを通って、第2径方向D2rへ取外し可能になる。
従って、車両用空調ユニット10が搭載される車両において送風機20の交換作業を行う場合、第1径方向D1rへの送風機20の脱着を妨げる障害物が車両用空調ユニット10の周辺に設けられている場合には、送風機20を第2径方向D2rへ脱着すればよい。逆に、第2径方向D2rへの送風機20の脱着を妨げる障害物が車両用空調ユニット10の周辺に設けられている場合には、送風機20を第1径方向D1rへ脱着すればよい。このように、送風機20を複数の方向へ脱着することができるので、送風機20の脱着を可能としつつ、1つの形式の車両用空調ユニット10を種々の車両へ搭載することが可能である。これにより、車両用空調ユニット10の種類を削減できるので、製造工数および管理工数の低減を図ることが可能である。延いては、車両用空調ユニット10のコスト低減を可能にする。
例えば車室内においてインストルメントパネル内の車両幅方向DR3の中央部分に車両用空調ユニット10が配置される場合を想定する。この場合、右ハンドル車であれば、図14の第1開口孔カバー14を取り外すことにより、運転席側のペダル類の干渉を受けずに助手席側へ送風機20を取り外すことが可能である。逆に、左ハンドル車であれば、第2開口孔カバー26を取り外すことにより、運転席側のペダル類の干渉を受けずに助手席側へ送風機20を取り外すことが可能である。
すなわち、右ハンドル車と左ハンドル車との何れに対しても共通の車両用空調ユニット10を用いることができるので、上記のように車両用空調ユニット10の種類を削減することができる。
また、本実施形態によれば、図14に示すように、送風機20に含まれるモータ固定部28は、互いに並列するように配置され第1径方向D1rへ延びる第1被案内部281および第2被案内部282を有している。そして、モータ固定部28は、互いに並列するように配置され第2径方向D2rへ延びる第3被案内部283および第4被案内部284とを有している。そして、図15に示すように、空調ケース12内から送風機20が第1径方向D1rへ取り外される場合がある。この場合、第1径方向D1rへの送風機20の移動に伴って、第1被案内部281が第2ケース案内部192に案内されると共に第2被案内部282が第2カバー案内部262に案内される。その一方で、図16に示すように、空調ケース12内から送風機20が第2径方向D2rへ取り外される場合もある。この場合、第2径方向D2rへの送風機20の移動に伴って、第3被案内部283が第1ケース案内部191に案内されると共に第4被案内部284が第1カバー案内部142に案内される。
従って、第1径方向D1rおよび第2径方向D2rの何れの向きに送風機20を脱着する場合においても、その送風機20を脱着する方向に沿って送風機20を容易に移動させることが可能である。そのため、送風機20の交換作業の作業性を向上させることが可能である。その結果、生産性が上がり、コスト低減を可能にする。
また、車両において、車両用空調ユニット10の配置が、送風機20の脱着を行いにくい配置になっていることも想定される。そのような場合には、上記のように送風機20の脱着の際に送風機20の移動を容易にすることは特に有効である。例えば車室内の床面に近い場所に車両用空調ユニット10が配置され、その車両用空調ユニット10に対する斜め下方に送風機20を脱着する斜め入り作業を行う場合、その斜め入り作業の行い難さを改善することが可能である。
また、本実施形態によれば、図14~図16に示すように、モータ固定部28は、第1径方向D1rへ拡がり且つ第2径方向D2rへも拡がるように形成されている。そして、第1被案内部281と第2被案内部282と第3被案内部283と第4被案内部284は、モータ固定部28の周縁部分に設けられている。従って、第1被案内部281と第2被案内部282との間隔、および、第3被案内部283と第4被案内部284との間隔をそれぞれ広く取りやすい。そのため、送風機20の脱着の際に第1径方向D1rまたは第2径方向D2rへ移動する送風機20を安定して案内することが可能である。
また、本実施形態によれば、図13および図14に示すように、送風ファン201は、ファン軸線CL1まわりに回転することによりファン軸方向DRaの一方側から空気を吸い込む。モータ固定部28は、送風ファン201に対しファン軸方向DRaの他方側に配置されている。そして、モータ固定部28には、送風ファン201が吹き出した空気が通過する複数の貫通孔28aが形成されている。従って、送風ファン201が吹き出した空気の流通をモータ固定部28が塞き止めないように、第1~第4被案内部281、282、283、284を配置することが可能である。
また、本実施形態によれば、図15および図17に示すように、第2ケース案内部192には、ファン軸線CL1と交差する方向へ窪み第1径方向D1rへ延びる第1溝281aが形成されている。これに対し、第1被案内部281には、第1溝281aに嵌合する第1突部281bが形成されている。また、第2カバー案内部262には、ファン軸線CL1と交差する方向へ窪み第1径方向D1rへ延びる第2溝282aが形成されている。これに対し、第2被案内部282には、第2溝282aに嵌合する第2突部282bが形成されている。そして、第1径方向D1rへの送風機20の移動に伴って第1被案内部281が第2ケース案内部192に案内される場合には、第1突部281bは第1溝281aに嵌合した状態で第1径方向D1rへ移動する。すなわち、その場合には、第1突部281bが第1溝281aに嵌合した状態で第1被案内部281は第2ケース案内部192に対して第1径方向D1rへ移動する。これと同様に、第1径方向D1rへの送風機20の移動に伴って第2被案内部282が第2カバー案内部262に案内される場合には、第2突部282bは第2溝282aに嵌合した状態で第1径方向D1rへ移動する。すなわち、その場合には、第2突部282bが第2溝282aに嵌合した状態で第2被案内部282は第2カバー案内部262に対して第1径方向D1rへ移動する。
従って、第1開口孔カバー14を取り外して送風機を脱着する際に、ファン軸方向DRaに送風機20を拘束しつつ、送風機20が第1径方向D1rに沿って移動するように送風機20を案内することが可能である。
また、本実施形態によれば、図16および図18に示すように、第1ケース案内部191には、ファン軸線CL1と交差する方向へ窪み第2径方向D2rへ延びる第3溝283aが形成されている。これに対し、第3被案内部283には、第3溝283aに嵌合する第3突部283bが形成されている。また、第1カバー案内部142には、ファン軸線CL1と交差する方向へ窪み第2径方向D2rへ延びる第4溝284aが形成されている。これに対し、第4被案内部284には、第4溝284aに嵌合する第4突部284bが形成されている。そして、第2径方向D2rへの送風機20の移動に伴って第3被案内部283が第1ケース案内部191に案内される場合には、第3突部283bは第3溝283aに嵌合した状態で第2径方向D2rへ移動する。すなわち、その場合には、第3突部283bが第3溝283aに嵌合した状態で第3被案内部283は第1ケース案内部191に対して第2径方向D2rへ移動する。これと同様に、第2径方向D2rへの送風機20の移動に伴って第4被案内部284が第1カバー案内部142に案内される場合には、第4突部284bは第4溝284aに嵌合した状態で第2径方向D2rへ移動する。すなわち、その場合には、第4突部284bが第4溝284aに嵌合した状態で第4被案内部284は第1カバー案内部142に対して第2径方向D2rへ移動する。
従って、第2開口孔カバー26を取り外して送風機20を脱着する際に、ファン軸方向DRaに送風機20を拘束しつつ、送風機20が第2径方向D2rに沿って移動するように送風機を案内することが可能である。
また、本実施形態によれば、図17および図18に示すように、第1~第4突部281b~284bの全てがモータ固定部28の被案内部281~284に設けられている。そして、第1~第4溝281a~284aの全てが、その被案内部281~284の相手側である案内部192、262、191、142に設けられている。すなわち、被案内部281~284と案内部192、262、191、142と一方には、突部281b~284bと溝281a~284aとの一方全てが設けられている。そして、被案内部281~284と案内部192、262、191、142と他方には、突部281b~284bと溝281a~284aとの他方全てが設けられている。要するに、被案内部281~284と案内部192、262、191、142との間で、突部281b~284bと溝281a~284aとが混在して設けられてはいない。
従って、モータ固定部28を第1径方向D1rと第2径方向D2rとのそれぞれへ脱着可能に案内する構造を、互いに連結する被案内部281~284同士の境目部分、および、案内部192、262、191、142同士の境目部分において成立させやすい。
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
(第7実施形態)
次に、第7実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第6実施形態と異なる点を主として説明する。
本実施形態では図20および図21に示すように、第1~第4溝281a、282a、283a、284aが設けられる部位と、第1~第4突部281b、282b、283b、284bが設けられる部位とが、第6実施形態と比較して逆になっている。なお、以下の説明では、第1~第4溝281a、282a、283a、284aを、略して、第1~第4溝281a~284aと表示する場合がある。また、第1~第4突部281b、282b、283b、284bを、略して、第1~第4突部281b~284bと表示する場合がある。
具体的には、第1被案内部281には第1溝281aが形成され、第2ケース案内部192には、第1溝281aに嵌合する第1突部281bが形成されている。また、第2被案内部282には第2溝282aが形成され、第2カバー案内部262には、第2溝282aに嵌合する第2突部282bが形成されている。また、第3被案内部283には第3溝283aが形成され、第1ケース案内部191には、第3溝283aに嵌合する第3突部283bが形成されている。また、第4被案内部284には第4溝284aが形成され、第1カバー案内部142には、第4溝284aに嵌合する第4突部284bが形成されている。
以上説明したことを除き、本実施形態は第6実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第6実施形態と共通の構成から奏される効果を第6実施形態と同様に得ることができる。
(第8実施形態)
次に、第8実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第6実施形態と異なる点を主として説明する。
本実施形態では図22に示すように、第1突部281bには、部分的に突き出るように形成された突部側突起285が設けられている。例えば、この突部側突起285は、第1突部281bの頂部から更に第1突部281bの突き出し方向へ突き出ている。また、突部側突起285は、先端に近いほど幅狭になる断面三角形状を成している。例えば、突部側突起285は第1被案内部281に含まれるが、第1被案内部281のうち第1突部281bなど突部側突起285周りの部分との一体成形によって構成されている。
また、送風機20が空調ケース12内に装着された状態では、突部側突起285は、第1溝281aが形成された第1溝形成部281dによって押し潰された状態で保持されている。その第1溝形成部281dは第2ケース案内部192に含まれている。図22では、突部側突起285は、押し潰される前の形状で図示されている。このことは、図22と同様の断面が図示される後述の図でも同様である。
詳しく言うと、突部側突起285のうち、第1突部281bが第1溝281aに嵌合した状態で第1溝形成部281dと重なる重複部分285aが、第1溝形成部281dによって押し潰されることになる。また、本実施形態では、突部側突起285は、ファン軸線CL1に直交する方向(具体的には、第2径方向D2r)へ第1溝形成部281dによって押し潰された状態で保持されている。
図22は、第1突部281bに設けられた突部側突起285を図示しているが、第2~第4突部282b、283b、284bにも、上述した第1突部281bと同様に、突部側突起285がそれぞれ設けられている。
すなわち、第2突部282bに設けられた突部側突起285は、第2溝282aが形成された第2溝形成部282dによって押し潰された状態で保持されている。また、第3突部283bに設けられた突部側突起285は、第3溝283aが形成された第3溝形成部283dによって押し潰された状態で保持されている。また、第4突部284bに設けられた突部側突起285は、第4溝284aが形成された第4溝形成部284dによって押し潰された状態で保持されている。
そして、突部側突起285は、第1~第4被案内部281、282、283、284それぞれの全長または略全長にわたって、例えば所定ピッチで点在するように複数設けられている。
なお、図22は、図17のXXII部分を模式的に拡大図示した断面図であるが、図17のXXIIa部分、図18のXXIIb部分、および図18のXXIIc部分における対応部位の符号も示されている。そのXXIIa部分、XXIIb部分、およびXXIIc部分の説明も図22を用いて行うためである。
また、図22では、見やすい図示とするために、第1被案内部281と第2ケース案内部192との間の隙間を敢えて実物よりも拡大して図示している。このことは、図22と同様の断面が図示される後述の図でも同様である。
また、本実施形態では、突部側突起285が設けられた第1~第4突部281b~284bは総称して、所定突部と称される。その場合、第1~第4溝281a~284aのうち、その所定突部が嵌合する溝は所定溝と称され、第1~第4溝形成部281d~284dのうち、その所定溝が形成された溝形成部は所定溝形成部と称される。
上述したように、本実施形態によれば、図22に示すように、第1~第4突部281b~284bのうち1つ以上の所定突部に、突部側突起285が設けられている。そして、その突部側突起285は、第1~第4溝281a~284aのうち所定突部が嵌合する所定溝が形成された所定溝形成部281d~284dによって押し潰された状態で保持されている。従って、その突部側突起285により、ケース本体部13に対する送風機20のガタツキを抑制し、異音や振動摩耗を防止することが可能である。そして、その異音や振動に起因した不快感が乗員に生じることを回避することが可能である。
また、本実施形態によれば、第1~第4突部281b~284bに設けられた突部側突起285は、ファン軸線CL1に直交する方向へ所定溝形成部281d~284dによって押し潰された状態で保持されている。従って、1つの所定突部に設けられた突部側突起285について見れば、ファン軸線CL1に直交する方向であるその突部側突起285が押し潰された方向へ送風機20ががたつくことを防止することが可能である。本実施形態の突部側突起285は、第1~第4突部281b~284bにそれぞれ設けられているので、本実施形態では、第1径方向D1rと第2径方向D2rとの各方向への送風機20のガタツキを防止することが可能である。
また、本実施形態によれば、何れの突部側突起285もモータ固定部28に設けられているので、突部側突起285は、ケース本体部13側と送風機20側とのうち、ケース本体部13側には設けられずに送風機20側に設けられていることになる。従って、送風機20の交換作業において突部側突起285を一新したい場合には、送風機20をケース本体部13から取り外せば、突部側突起285を容易に一新することが可能である。
以上説明したことを除き、本実施形態は第6実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第6実施形態と共通の構成から奏される効果を第6実施形態と同様に得ることができる。
なお、本実施形態は第6実施形態に基づいた変形例であるが、本実施形態を前述の第7実施形態と組み合わせることも可能である。
(第9実施形態)
次に、第9実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第8実施形態と異なる点を主として説明する。
本実施形態では図23に示すように、第8実施形態の突部側突起285に替えて、溝側突起286が設けられている。本実施形態の溝側突起286は、それが設けられる設置場所を除き、第8実施形態の突部側突起285と同様である。
具体的には図23に示すように、溝側突起286は第1溝281aに設けられ、その第1溝281aの壁面281cから部分的に突き出るように形成されている。本実施形態では、溝側突起286は、第1溝281aの壁面281cのうち底面から突き出ている。例えば、溝側突起286は第2ケース案内部192に含まれるが、第2ケース案内部192のうち第1溝281aを形成する部分など溝側突起286周りの部分との一体成形によって構成されている。
また、送風機20が空調ケース12内に装着された状態では、溝側突起286は、第1突部281bによって押し潰された状態で保持されている。図23では、図22の突部側突起285と同様に、溝側突起286は、押し潰される前の形状で図示されている。このことは、図23と同様の断面が図示される後述の図でも同様である。
詳しく言うと、溝側突起286のうち、第1突部281bが第1溝281aに嵌合した状態で第1突部281bと重なる重複部分286aが、第1突部281bによって押し潰されることになる。また、本実施形態では、溝側突起286は、ファン軸線CL1に直交する方向(具体的には、第2径方向D2r)へ第1突部281bによって押し潰された状態で保持されている。
図23は、第1溝281aに設けられた溝側突起286を図示しているが、第2~第4溝282a、283a、284aにも、上述した第1溝281aと同様に、溝側突起286がそれぞれ設けられている。
すなわち、第2溝282aに設けられた溝側突起286は、第2突部282bによって押し潰された状態で保持されている。また、第3溝283aに設けられた溝側突起286は、第3突部283bによって押し潰された状態で保持されている。また、第4溝284aに設けられた溝側突起286は、第4突部284bによって押し潰された状態で保持されている。
そして、第1溝281aに設けられた溝側突起286は、第2ケース案内部192の全長または略全長にわたって、例えば所定ピッチで点在するように複数設けられている。このことは、第2~第4溝282a、283a、284aに設けられた溝側突起286に関しても同様である。
なお、図23では、上述した図22と同様に、図17のXXII部分における各要素の符号と併せて、図17のXXIIa部分、図18のXXIIb部分、および図18のXXIIc部分における対応部位の符号も示されている。
また、本実施形態では、溝側突起286が設けられた第1~第4溝281a~284aは総称して、所定溝と称される。その場合、第1~第4突部281b~284bのうち、その所定溝に嵌合する突部は所定突部と称される。
上述したように、本実施形態によれば、図23に示すように、第1~第4溝281a~284aのうち1つ以上の所定溝には溝側突起286が設けられている。そして、その溝側突起286は、第1~第4突部281b~284bのうち所定溝に嵌合する所定突部によって押し潰された状態で保持されている。従って、その溝側突起286により、ケース本体部13に対する送風機20のガタツキを抑制し、異音や振動摩耗を防止することが可能である。そして、その異音や振動に起因した不快感が乗員に生じることを回避することが可能である。
また、本実施形態によれば、溝側突起286は、ファン軸線CL1に直交する方向へ所定突部281b~284bによって押し潰された状態で保持されている。従って、1つの所定溝に設けられた溝側突起286について見れば、ファン軸線CL1に直交する方向であるその溝側突起286が押し潰された方向へ送風機20ががたつくことを防止することが可能である。本実施形態の溝側突起286は、第1~第4溝281a~284aにそれぞれ設けられているので、本実施形態でも第8実施形態と同様に、第1径方向D1rと第2径方向D2rとの各方向への送風機20のガタツキを防止することが可能である。
以上説明したことを除き、本実施形態は第8実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第8実施形態と共通の構成から奏される効果を第8実施形態と同様に得ることができる。
(第10実施形態)
次に、第10実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第8実施形態と異なる点を主として説明する。
本実施形態では図24に示すように、突部側突起285が設けられている場所が、第8実施形態と異なっている。
突部側突起285は、第1突部281bの周りに設けられている。詳細には、突部側突起285は、第1突部281bの基部の周りで第1突部281bに対するファン軸方向DRaの他方側に配置されている。そのため、突部側突起285は、ファン軸線CL1に直交する方向とファン軸方向DRaとへ第1溝形成部281dによって押し潰された状態で保持されている。
また、突部側突起285は、第2~第4突部282b~284bの各々の周りにも、上記の第1突部281bの周りと同様に設けられている。
本実施形態では、第1~第4突部281b~284bの各々の周りに突部側突起285が設けられているので、その第1~第4突部281b~284bをそれぞれ所定突部と呼ぶものとする。その場合、その所定突部の周りに設けられた突部側突起285は、ファン軸線CL1に直交する方向とファン軸方向DRaとへ所定溝形成部281d~284dによって押し潰された状態で保持されている。従って、1つの所定突部の周りに設けられた突部側突起285について見れば、その突部側突起285が押し潰された二方向それぞれへ送風機20ががたつくことを防止することが可能である。本実施形態の突部側突起285は、第1~第4突部281b~284bの周りそれぞれに設けられているので、本実施形態では、第1径方向D1rと第2径方向D2rとファン軸方向DRaとの各方向への送風機20のガタツキを防止することが可能である。
以上説明したことを除き、本実施形態は第8実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第8実施形態と共通の構成から奏される効果を第8実施形態と同様に得ることができる。
(第11実施形態)
次に、第11実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第9実施形態と異なる点を主として説明する。
本実施形態では図25に示すように、溝側突起286が設けられている場所が、第9実施形態と異なっている。
本実施形態では、溝側突起286は、第1溝281aの壁面281cのうち底面と側面との連結部分に設けられている。すなわち、溝側突起286は、その壁面281cのうち底面と側面との両方から突き出るように形成されている。
詳細には、溝側突起286は、第1溝281aの壁面281cに含まれるファン軸方向DRaの一方側の側面と他方側の側面とのうち他方側の側面と底面との連結部分に設けられている。そして、溝側突起286は、その一方側の側面と底面との連結部分には設けられていない。このような溝側突起286の配置から、溝側突起286は、ファン軸線CL1に直交する方向とファン軸方向DRaとへ第1突部281bによって押し潰された状態で保持されている。
また、溝側突起286は、第2~第4溝282a~284aにもそれぞれ、上記の第1溝281aと同様に設けられている。
上述したように、本実施形態によれば、溝側突起286は、ファン軸線CL1に直交する方向とファン軸方向DRaとへ所定突部281b~284bによって押し潰された状態で保持されている。従って、第1~第4溝281a~284aのうちの1つの所定溝に設けられた溝側突起286について見れば、その溝側突起286が押し潰された二方向それぞれへ送風機20ががたつくことを防止することが可能である。本実施形態の溝側突起286は、第1~第4溝281a~284aのそれぞれに設けられているので、本実施形態では、第1径方向D1rと第2径方向D2rとファン軸方向DRaとの各方向への送風機20のガタツキを防止することが可能である。
以上説明したことを除き、本実施形態は第9実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第9実施形態と共通の構成から奏される効果を第9実施形態と同様に得ることができる。
(第12実施形態)
次に、第12実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第10実施形態と異なる点を主として説明する。
本実施形態では図26に示すように、突部側突起285は、第1突部281bの基部の周りで第1突部281bに対するファン軸方向DRaの他方側だけでなく一方側にもそれぞれ配置されている。
このことは第1突部281bの周りにおける突部側突起285の配置であるが、突部側突起285は、その第1突部281bの周りと同様に、第2~第4突部282b~284bの各々の周りにも設けられている。
以上説明したことを除き、本実施形態は第10実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第10実施形態と共通の構成から奏される効果を第10実施形態と同様に得ることができる。
(第13実施形態)
次に、第13実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第11実施形態と異なる点を主として説明する。
本実施形態では図27に示すように、溝側突起286は、第1溝281aの壁面281cに含まれるファン軸方向DRaの一方側の側面と他方側の側面とのうち他方側の側面と底面との連結部分に設けられている。それだけでなく、溝側突起286は、その一方側の側面と底面との連結部分にも設けられている。
このことは第1溝281aにおける溝側突起286の配置であるが、溝側突起286は、その第1溝281aと同様に、第2~第4溝282a~284aの各々にも設けられている。
以上説明したことを除き、本実施形態は第11実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第11実施形態と共通の構成から奏される効果を第11実施形態と同様に得ることができる。
(第14実施形態)
次に、第14実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第10実施形態と異なる点を主として説明する。
本実施形態では図28に示すように、本実施形態の突部側突起285は、第10実施形態と同様の配置で、第1突部281bの周りに設けられている。但し、本実施形態の突部側突起285は、第1被案内部281のうち第1突部281bなど突部側突起285周りの部分とは別体の部品として構成された上で、その突部側突起285周りの部分へ固定されている。
このことは第1突部281bの周りに設けられた突部側突起285の構成であるが、第2~第4突部282b~284bの各々の周りに設けられた突部側突起285の構成も、これと同様である。
このように突部側突起285を上記別体の部品として構成することで、その突部側突起285が設けられる部材の成形を容易し、送風機20のガタツキを詰める細かい調整を容易にすることが可能になる。また、突部側突起285を設ける設置場所の自由度を高めることが可能である。
以上説明したことを除き、本実施形態は第10実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第10実施形態と共通の構成から奏される効果を第10実施形態と同様に得ることができる。
(第15実施形態)
次に、第15実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第6実施形態と異なる点を主として説明する。
本実施形態では図29に示すように、空調ケース12は、第1開口孔カバー14をケース本体部13に固定するためのカバー固定部として、スクリュー203(別言すれば、ビス203)を有している。
そして、ケース本体部13は、スクリュー203がねじ込まれるスクリュー受け部131を、第1ケース開口孔13a周りの一部に有している。これに対し、第1開口孔カバー14は、そのスクリュー受け部131に対し第1径方向D1rに重ねて設けられたスクリュー座部143を有し、そのスクリュー座部143には、スクリュー203が挿通されるスクリュー挿通孔が形成されている。
スクリュー203は、そのスクリュー座部143のスクリュー挿通孔に挿通された上でスクリュー受け部131にねじ込まれている。例えば、そのスクリュー203は、第1径方向D1rに沿った向きでスクリュー受け部131にねじ込まれている。このように、第1開口孔カバー14は、ケース本体部13に対しスクリュー203を介して固定されている。
また、第2開口孔カバー26も、第1開口孔カバー14と同様に、ケース本体部13に対しスクリュー203を介して固定されている。
なお、第1開口孔カバー14がケース本体部13から取り外される際には、スクリュー203が取り外された上で第1開口孔カバー14がケース本体部13から取り外される。これと同様に、第2開口孔カバー26がケース本体部13から取り外される際には、スクリュー203が取り外された上で第2開口孔カバー26がケース本体部13から取り外される。
また、スクリュー203を用いたケース本体部13に対する第1開口孔カバー14の固定箇所は、1箇所であってもよいし、複数箇所であってもよい。このことは、第2開口孔カバー26に関しても同様である。
上述したように、本実施形態によれば、第1開口孔カバー14は、ケース本体部13に対しスクリュー203を介して固定されている。従って、第1開口孔カバー14が意図せずに外れることを確実に防止し、第1開口孔カバー14に対する送風機20のガタツキを抑えることが可能である。
以上説明したことを除き、本実施形態は第6実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第6実施形態と共通の構成から奏される効果を第6実施形態と同様に得ることができる。
なお、本実施形態は第6実施形態に基づいた変形例であるが、本実施形態を前述の第7~第14実施形態の何れかと組み合わせることも可能である。
(第16実施形態)
次に、第16実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第15実施形態と異なる点を主として説明する。
本実施形態では図30に示すように、ケース本体部13はスクリュー受け部131(図29参照)を有していない。スクリュー203は、そのスクリュー受け部131に対してではなく、モータ固定部28の一部に対してねじ込まれている。
すなわち、本実施形態のスクリュー203は、スクリュー座部143のスクリュー挿通孔に挿通された上でモータ固定部28の一部にねじ込まれている。本実施形態では例えば、そのスクリュー203は、第1径方向D1rに沿った向きでモータ固定部28にねじ込まれている。このように、本実施形態では、第1開口孔カバー14は、モータ固定部28を有する送風機20に対しスクリュー203を介して固定されている。
また、第2開口孔カバー26も、第1開口孔カバー14と同様に、送風機20に対しスクリュー203を介して固定されている。
なお、第1開口孔カバー14がケース本体部13から取り外される際には、スクリュー203が取り外された上で第1開口孔カバー14がケース本体部13から取り外される。或いは、第1開口孔カバー14と送風機20とが一体的に脱着可能な構成であれば、スクリュー203を取り外さずに、第1開口孔カバー14をケース本体部13から取り外すと同時に送風機20を空調ケース12内から取り外してもよい。
これと同様に、第2開口孔カバー26がケース本体部13から取り外される際には、スクリュー203が取り外された上で第2開口孔カバー26がケース本体部13から取り外される。或いは、第2開口孔カバー26と送風機20とが一体的に脱着可能な構成であれば、スクリュー203を取り外さずに、第2開口孔カバー26をケース本体部13から取り外すと同時に送風機20を空調ケース12内から取り外してもよい。
また、スクリュー203を用いた送風機20に対する第1開口孔カバー14の固定箇所は、1箇所であってもよいし、複数箇所であってもよい。このことは、第2開口孔カバー26に関しても同様である。
上述したように、本実施形態によれば、第1開口孔カバー14は、送風機20に対しスクリュー203を介して固定されている。従って、第1開口孔カバー14が意図せずに外れることを確実に防止し、第1開口孔カバー14に対する送風機20のガタツキを抑えることが可能である。
以上説明したことを除き、本実施形態は第15実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第15実施形態と共通の構成から奏される効果を第15実施形態と同様に得ることができる。
(他の実施形態)
(1)上述の各実施形態では例えば図1に示すように、送風ファン201は遠心ファンであるが、それに限らず例えば、軸流ファンまたは斜流ファンであっても差し支えない。
(2)上述の第1実施形態において送風機20の交換作業の際には、例えば図3の矢印Atで示すように、開口孔カバー14とファンカバー部15の取外し可能部151と送風機20は空調ケース12から下側へ取り外されるが、これは一例である。その送風機20等は、空調ケース12からファン径方向へ取り外されるのであれば、下側以外の方向(例えば上側など)へ取り外されるように構成されていても差し支えない。このことは、第2実施形態以降においても同様である。
また、上記の送風機20の交換作業において、ファン径方向へ送風機20等が抜き出される際に、ファン径方向以外の向きへ送風機20等の若干の動きがあっても差し支えない。例えば、ケース本体部13に対する擦れや引っかかりを回避するため、或いは、組付け状態での隙間を埋める段差を回避するために、送風機20等をファン径方向以外の向きへ若干動かす必要が生じるということが想定される。
(3)上述の各実施形態では図2および図3に示すように、ケース開口孔13aはファン径方向を向いて開口するが、そのケース開口孔13aの開口向きは、そのファン径方向に対し多少傾いていても差し支えない。
(4)上述の第6実施形態では図14に示すように、第2径方向D2rは、第1径方向D1rに対し直交する方向となっているが、直交する方向でなくても差し支えない。
(5)上述の第6実施形態では図14に示すように、モータ固定部28は、ファン軸方向DRaから見た形状が略正方形形状を成すように形成されているが、モータ固定部28の形状に特に限定はない。そのモータ固定部28の形状は、送風機20を空調ケース12に対し脱着する軌跡を確保できれば、例えば菱形形状のほか色々な多角形であることも想定できる。
(6)上述の第6実施形態では図17および図18に示すように、被案内部281~284とその相手側である案内部192、262、191、142との間で、突部281b~284bと溝281a~284aとが混在して設けられてはいない。しかしながら、これは一例であり、被案内部281~284と案内部192、262、191、142との間で、突部281b~284bと溝281a~284aとが混在して設けられていることも考え得る。
(7)上述の第6実施形態では図15および図16に示すように、第1径方向D1rと第2径方向D2rは車両幅方向DR3において互いに対称的な向きとなっているが、これは一例である。その第1径方向D1rと第2径方向D2rは左右非対称であってもよい。要するに、第1径方向D1rと第2径方向D2rは、空調ケース12内から取り外される送風機20が干渉物を避けることが可能となるように定められていればよい。
また、上記のように第1径方向D1rと第2径方向D2rとが左右非対称であってもよいので、被案内部281~284および案内部192、262、191、142も左右非対称であってもよい。
(8)上述の第6実施形態では図17および図18に示すように、案内部192、262、191、142は、突部281b~284bと溝281a~284aとの嵌め合い構造を利用して被案内部281~284を案内するが、これは一例である。案内部192、262、191、142は、そのような嵌め合い構造以外の構造を利用して被案内部281~284を案内しても差し支えない。
例えば、案内部192、262、191、142の一部または全部に、突部281b~284bおよび溝281a~284aの何れも設けられていないということも考え得る。このことは、被案内部281~284についても同様である。
(9)上述の第6実施形態では図14に示すように、2つの開口孔カバー14、26が両方ともケース本体部13から取り外された場合には、第1ケース開口孔13aと第2ケース開口孔13bは互いに連結した1つの開口孔になるが、これは一例である。第1ケース開口孔13aと第2ケース開口孔13bとが、ケース本体部13において各々独立した開口孔として形成されていても差し支えない。
(10)上述の第8実施形態では、図22に示す突部側突起285は、第1~第4被案内部281、282、283、284それぞれの全長または略全長にわたって、例えば所定ピッチで点在するように複数設けられているが、これは一例である。
例えば、突部側突起285は、第1~第4突部281b~284bのうちの全部ではなく一部に設けられているだけでもよい。また、突部側突起285は、第1~第4被案内部281、282、283、284それぞれで、その全長のうちの一部分に局所的に設けられているだけでもよい。また、突部側突起285は、所定ピッチで点在するように設けられているのではなく、連続して連なるように設けられていてもよい。このことは、図23~図28に示された突部側突起285および溝側突起286についても同様である。
(11)上述の第10実施形態において、図24に示す突部側突起285は、第1溝形成部281dのうちの角部によって押し潰されているが、これは一例である。例えば第1溝形成部281dが、ファン軸方向DRaに対して傾斜した傾斜面を有し、その傾斜面によって突部側突起285が押し潰されていても差し支えない。このようにしても、突部側突起285が、ファン軸線CL1に直交する方向とファン軸方向DRaとへ第1溝形成部281dによって押し潰された状態で保持されていることに変わりはないからである。このことは、例えば図25に示す溝側突起286についても同様である。
(12)上述の第15実施形態では図29に示すように、各開口孔カバー14、26をケース本体部13に固定するためのカバー固定部は、締結部品であるスクリュー203であるが、スクリュー203以外の部品であっても差し支えない。例えば、そのカバー固定部が、ボルト、スプリングホールド、または爪等であることも考え得る。このことは、第16実施形態のカバー固定部についても同様である。
(13)なお、本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の材質、形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の材質、形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その材質、形状、位置関係等に限定されるものではない。
(まとめ)
上記各実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、空調ケースは、送風機に対しファン軸線の径方向の外側に配置されその径方向を向いて開口するケース開口孔が形成されたケース本体部を有する。そして、空調ケースは、そのケース本体部に対し固定されケース開口孔を塞ぐ開口孔カバーを有する。その開口孔カバーは、ケース本体部から取外し可能に構成されている。更に、ケース開口孔は、空調ケース内から送風機が取り外される場合にその送風機が通過可能な大きさで形成されている。
また、第2の観点によれば、開口孔カバーは、送風機に連結されている。そして、送風機は、開口孔カバーと一体的にケース本体部から取外し可能な構成となっている。従って、送風機の交換作業の際には、開口孔カバーをケース本体部から取り外す作業を行うことで併せて送風機も空調ケース内から取り外すことが可能である。
また、第3の観点によれば、開口孔カバーは、送風機とは別個にケース本体部から取外し可能な構成となっている。そして、開口孔カバーがケース本体部から取り外された場合に、送風機は空調ケース内から取外し可能になる。従って、開口孔カバーで送風機を空調ケース内に支持する必要がないので、送風機を支持しやすいというメリットがある。
また、第4の観点によれば、ファンカバー部は、開口孔カバーに固定されその開口孔カバーと共にケース本体部から取外し可能に構成された取外し可能部を有する。その取外し可能部は、ファンカバー部のうち、送風機が上記径方向に沿ってケース開口孔側へ投影された場合にその投影された送風機と重なる部分を含む。従って、送風ファンが遠心ファンである場合において、ファンカバー部が送風機の交換作業の際の障害物とはならないように、そのファンカバー部を設けることが可能である。
また、第5の観点によれば、送風機が上記径方向に沿ってケース開口孔側へ投影された場合に、その投影された送風機はケース開口孔の範囲内に入っている。これにより、ケース開口孔の大きさは、空調ケース内から送風機が取り外される場合にその送風機が通過可能な大きさとなっている。従って、上記径方向への送風機の取外しにおいて、送風機を空調ケース内から簡単に取り出すことが可能である。
また、第6の観点によれば、第1開口孔カバーがケース本体部から取り外された場合には、送風機は空調ケース内から第1ケース開口孔を通って、上記径方向の1つである第1径方向へ取外し可能になる。また、第2開口孔カバーがケース本体部から取り外された場合には、送風機は空調ケース内から第2ケース開口孔を通って、上記径方向の1つであって第1径方向とは異なる第2径方向へ取外し可能になる。
従って、車両用空調ユニットが搭載される車両において送風機の交換作業を行う場合、例えば第1径方向への送風機の脱着を妨げる障害物が車両用空調ユニットの周辺に設けられている場合には、送風機を第2径方向へ脱着すればよい。逆に、第2径方向への送風機の脱着を妨げる障害物が車両用空調ユニットの周辺に設けられている場合には、送風機を第1径方向へ脱着すればよい。このように、送風機を複数の方向へ脱着することができるので、送風機の脱着を可能としつつ、1つの形式の車両用空調ユニットを種々の車両へ搭載することが可能である。これにより、車両用空調ユニットの種類を削減できるので、製造工数および管理工数の低減を図ることが可能である。
また、第7の観点によれば、送風機はモータ固定部を有する。そのモータ固定部は、互いに並列するように配置され第1径方向へ延びる第1被案内部および第2被案内部を有する。空調ケースは、空調ケースのうち第1開口孔カバー以外の部位に固定され且つ第1被案内部に沿って第1径方向へ延びる第1案内部を有する。また、空調ケースは、空調ケースのうち第1開口孔カバー以外の部位に固定され且つ第2被案内部に沿って第1径方向へ延びる第2案内部を有する。空調ケース内から送風機が第1径方向へ取り外される場合には、第1径方向への送風機の移動に伴って、第1被案内部が第1案内部に案内されると共に第2被案内部が第2案内部に案内される。
従って、第1径方向に送風機を脱着する場合において、その送風機を脱着する方向に沿って送風機を容易に移動させることが可能である。そのため、送風機の交換作業の作業性を向上させることが可能である。
また、第8の観点によれば、送風ファンは、ファン軸線まわりに回転することによりファン軸線の軸方向の一方側から空気を吸い込む。モータ固定部は、送風ファンに対し上記軸方向の一方側とは反対側の他方側に配置される。そして、モータ固定部には、送風ファンが吹き出した空気が通過する貫通孔が形成されている。従って、送風ファンが吹き出した空気の流通をモータ固定部が塞き止めないように、第1および第2被案内部を配置することが可能である。
また、第9の観点によれば、第1被案内部と第1案内部との一方には、ファン軸線と交差する方向へ窪み第1径方向へ延びる第1溝が形成され、他方には、その第1溝に嵌合する第1突部が形成されている。第2被案内部と第2案内部との一方には、ファン軸線と交差する方向へ窪み第1径方向へ延びる第2溝が形成され、他方には、その第2溝に嵌合する第2突部が形成されている。そして、第1径方向への送風機の移動に伴って第1被案内部が第1案内部に案内される場合には、第1突部が第1溝に嵌合した状態で第1被案内部は第1案内部に対して第1径方向へ移動する。第1径方向への送風機の移動に伴って第2被案内部が第2案内部に案内される場合には、第2突部が第2溝に嵌合した状態で第2被案内部は第2案内部に対して第1径方向へ移動する。
従って、第1開口孔カバーを取り外して送風機を脱着する際に、上記軸方向に送風機を拘束しつつ、送風機が第1径方向に沿って移動するように送風機を案内することが可能である。
また、第10の観点によれば、第1溝と第2溝とのうち1つ以上の所定溝には、その所定溝の壁面から部分的に突き出た溝側突起が設けられている。そして、溝側突起は、第1突部と第2突部とのうち所定溝に嵌合する所定突部によって押し潰された状態で保持されている。従って、その溝側突起により、ケース本体部に対する送風機のガタツキを抑制し、異音や振動摩耗を防止することが可能である。そして、その異音や振動に起因した不快感が乗員に生じることを回避することが可能である。
また、第11の観点によれば、溝側突起は、ファン軸線に直交する方向へ所定突部によって押し潰された状態、またはファン軸線に直交する方向とファン軸線の軸方向とへ所定突部によって押し潰された状態で保持されている。従って、溝側突起がファン軸線に直交する方向へ押し潰された状態であれば、そのファン軸線に直交する方向へ送風機ががたつくことを防止することが可能である。また、溝側突起がファン軸線に直交する方向とファン軸線の軸方向とへ押し潰された状態であれば、そのファン軸線に直交する方向とファン軸線の軸方向との二方向へ送風機ががたつくことを防止することが可能である。
また、第12の観点によれば、第1突部と第2突部とのうち1つ以上の所定突部またはその所定突部の周りには、部分的に突き出るように形成された突部側突起が設けられている。そして、突部側突起は、第1溝と第2溝とのうち所定突部が嵌合する所定溝が形成された所定溝形成部によって押し潰された状態で保持されている。従って、第10の観点における溝側突起の作用効果と同様に、送風機のガタツキを抑制することが可能である。
また、第13の観点によれば、突部側突起は、ファン軸線に直交する方向へ所定溝形成部によって押し潰された状態、またはファン軸線に直交する方向とファン軸線の軸方向とへ所定溝形成部によって押し潰された状態で保持されている。従って、第11の観点における溝側突起の作用効果と同様に、突部側突起が押し潰される方向に応じて送風機のガタツキを抑制することが可能である。
また、第14の観点によれば、空調ケースは、カバー固定部を有する。そして、第1開口孔カバーは、ケース本体部または送風機に対しカバー固定部を介して固定されている。従って、第1開口孔カバーが意図せずに外れることを確実に防止し、第1開口孔カバーに対する送風機のガタツキを抑えることが可能である。
また、第15の観点によれば、第2径方向は、第1径方向に対し直交する方向である。