JP7032113B2 - プリント配線板及び接続体 - Google Patents

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Description

本発明は、プリント配線板及び接続体に関する。
電子部品等の電気回路を構成するためにプリント配線板が広く用いられている。このプリント配線板は、絶縁性のベースフィルムと、このベースフィルムの一方側の面に積層される電極とを有している。具体的には、このプリント配線板は、例えば絶縁基板と、この絶縁基板の一方側の面に積層され、電極本体を構成する銅箔と、この銅箔の外面に積層される錫めっき層とを有している(特開2009-295620号公報参照)。
特開2009-295620号公報
上記公報に記載のプリント配線板は、上記銅箔及び錫めっき層からなる電極がICチップの電極と半田接合されることでICチップが実装された接続体を構成する。しかしながら、このプリント配線板は、例えば製造過程で熱処理された場合に錫めっき層に含まれる錫と銅箔を構成する銅とが合金化しやすい。その結果、上記プリント配線板は、このプリント配線板の電極とICチップの電極との接合強度が不十分となりやすい。特に、今日では、電子部品の小型化等に起因してプリント配線板の回路パターンの微細化及び高密度化が図られるようになっており、これに伴いプリント配線板の電極及びICチップの電極の接合面積も小さくなっている。そのため、上記公報に記載の従来の構成によっては、プリント配線板の電極及びICチップの電極の所望の接合強度を確保することが困難になっている。
本発明は、このような事情に基づいてなされたものであり、電子部品との接合強度を十分に高めることができるプリント配線板及び電極間の接合強度が十分に高い接続体の提供を課題とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様に係るプリント配線板は、絶縁性を有するベースフィルムと、このベースフィルムの一方側の面に積層される複数の電極とを備えるプリント配線板であって、上記複数の電極が、電極本体と、この電極本体の上記一方側の面に積層される錫めっき層とを有し、上記錫めっき層の上記一方側の面に、錫合金によって形成される1又は複数の第1領域及び合金化していない錫によって形成される1又は複数の第2領域が設けられ、上記錫めっき層の上記一方側の面における上記1又は複数の第1領域の合計占有面積率が90%以下である。
また、上記課題を解決するためになされた本発明の他の一態様に係る接続体は、当該プリント配線板と、上記電極に電気的に接続される他の電極を有する電子部品との接続体であって、当該プリント配線板の電極及び電子部品の電極が共晶接合されている。
本発明に係るプリント配線板は、電子部品との接合強度を十分に高めることができる。また、本発明に係る接続体は、電極間の接合強度が十分に高い。
本発明の一実施形態に係るプリント配線板を示す模式的平面図である。 図1のプリント配線板のA-A線部分拡大断面図である。 図2のプリント配線板の錫めっき層の外面を示す模式的拡大図である。 図2のプリント配線板の電極の模式的部分拡大断面図である。 図1のプリント配線板を用いた接続体の製造方法の熱プレス工程を示す模式的部分断面図である。 図1のプリント配線板を用いた接続体の製造方法の熱プレス工程後の状態を示す模式的部分断面図である。 No.4のプリント配線板の錫めっき層の外面を示す模式的拡大図である。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
本発明の一態様に係るプリント配線板は、絶縁性を有するベースフィルムと、このベースフィルムの一方側の面に積層される複数の電極とを備えるプリント配線板であって、上記複数の電極が、電極本体と、この電極本体の上記一方側の面に積層される錫めっき層とを有し、上記錫めっき層の上記一方側の面に、錫合金によって形成される1又は複数の第1領域及び合金化していない錫によって形成される1又は複数の第2領域が設けられ、上記錫めっき層の上記一方側の面における上記1又は複数の第1領域の合計占有面積率が90%以下である。
当該プリント配線板は、上記複数の電極が、電極本体の一方側の面(ベースフィルムと積層される側と反対側の面)に積層される錫めっき層を有しており、これにより上記電極が電子部品の電極と合金接合可能に構成されている。当該プリント配線板は、上記錫めっき層の一方側の面(ベースフィルムと積層される側と反対側の面)に、錫合金によって形成される1又は複数の第1領域及び合金化していない錫によって形成される1又は複数の第2領域が設けられ、上記錫めっき層の一方側の面における上記1又は複数の第1領域の合計占有面積率が上記上限以下であるので、電子部品との接合強度を十分に高めることができる。
上記錫めっき層の上記一方側の面の300μmの単位面積における最大面積を有する1つの上記第1領域の占有面積率としては90%以下が好ましい。このように、上記錫めっき層の上記一方側の面の300μmの単位面積における最大面積を有する1つの上記第1領域の占有面積率が上記上限以下であることによって、当該プリント配線板の電極と電子部品の電極とのより安定した合金接合が可能となる。
上記錫めっき層の上記一方側の面からの上記1又は複数の第2領域の平均厚さとしては0.4μm以下が好ましい。このように、上記錫めっき層の上記一方側の面からの上記1又は複数の第2領域の平均厚さが上記上限以下であることによって、当該プリント配線板の電極間の短絡を的確に抑制することができる。
上記電極本体の主成分が銅であるとよい。このように、上記電極本体の主成分が銅であることで、微細かつ高密度な回路パターンを比較的低コストで容易に形成しやすい。また、上記電極本体の主成分が銅である場合、この銅と錫めっき層に含まれる錫とが合金化しやすいが、上述のように上記錫めっき層の上記一方側の面における上記1又は複数の第1領域の合計占有面積率を制御することで、電子部品との接合強度を十分に高めることができる。
上記複数の電極が線状で、かつ幅方向に並列に配設されるとよく、上記複数の電極の平均幅としては40μm以下、隣接する電極の平均間隔としては40μm以下が好ましい。当該プリント配線板は、幅の小さい電極を狭ピッチで配設した場合でも、上記錫めっき層の上記一方側の面における上記1又は複数の第1領域の合計占有面積率を制御することで、電子部品との接合強度を十分に高めることができる。そのため、上記複数の電極を線状で、かつ幅方向に並列に配設し、上記複数の電極の平均幅及び隣接する電極の平均間隔をいずれも上記上限以下とすることで、微細かつ高密度な回路パターンの形成容易化を図り、当該プリント配線板の小型化を促進することができる。
本発明の他の一態様に係る接続体は、当該プリント配線板と、当該プリント配線板の上記電極に電気的に接続される他の電極を有する電子部品との接続体であって、当該プリント配線板の電極及び電子部品の電極が共晶接合されている。
当該接続体は、当該プリント配線板を備えるので、当該プリント配線板の電極及び電子部品の電極間の接合強度が十分に高い。
なお、本発明において、「錫めっき層の一方側の面の300μmの単位面積」とは、錫めっき層の一方側の面において設定可能な300μmの矩形領域をいう。「第2領域の平均厚さ」は、電解式膜厚計で測定される平均厚さをいう。「主成分」とは、最も含有量の多い成分をいい、例えば含有量が50質量%以上の成分をいい、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上の成分をいう。「電極の平均幅」とは、電極の長手方向と垂直な断面における最大幅をその長手方向に平均した値をいう。「隣接する電極の平均間隔」とは、電極の長手方向と垂直な断面における隣接する電極の対向する側縁間の最小距離を電極の長手方向に平均した値をいう。
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の好適な実施形態について、以下に図面を参照しつつ説明する。
[プリント配線板]
図1及び図2のプリント配線板1は、絶縁性を有するベースフィルム2と、ベースフィルム2の一方側の面に積層される複数の電極3とを備える。また、複数の電極3は、電極本体3aと、電極本体3aの上記一方側の面(ベースフィルム2と積層される側と反対側の面。以下、ベースフィルム2と積層される側と反対側の面を単に「外面」ともいう。)に積層される錫めっき層3bとを有する。当該プリント配線板1は、フレキシブルプリント配線板であり、可撓性を有する。当該プリント配線板1は、ベースフィルム2の上記一方側の面に回路パターン(不図示)が積層されている。また、この回路パターンは、外面側に接着剤層及びカバー層(いずれも不図示)が積層された配線部と、接着剤層及びカバー層が積層されていないランド部とを有しており、電極本体3aはこのランド部に形成されている。換言すると、上記回路パターンの接着剤層及びカバー層が積層されていない領域の一部が電極本体3aを構成している。当該プリント配線板1の電極3は、電子部品の電極と合金接合可能に構成されている。当該プリント配線板1は、例えばICチップ等の電子部品との熱プレス加工によって電極3と上記電子部品の電極とが合金接合されることで接続体を構成可能に構成されている。
(ベースフィルム)
ベースフィルム2は可撓性及び柔軟性を有する。ベースフィルム2は合成樹脂を主成分とする。ベースフィルム2の主成分としては、例えばポリイミド、液晶ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、フッ素樹脂等の軟質材が挙げられる。これらの中でも、絶縁性、柔軟性、耐熱性等に優れるポリイミドが好ましい。また、ベースフィルム2は、多孔化されたものでもよく、充填材、添加剤等を含んでもよい。
ベースフィルム2の厚さは、特に限定されないが、例えばベースフィルム2の平均厚さの下限としては、5μmが好ましく、12μmがより好ましい。一方、ベースフィルム2の平均厚さの上限としては、2mmが好ましく、1.6mmがより好ましい。ベースフィルム2の平均厚さが上記下限より小さいと、ベースフィルム2の強度が不十分となるおそれがある。逆に、ベースフィルム2の平均厚さが上記上限を超えると、薄型化が要求される電子機器への適用が困難となるおそれや可撓性が不十分となるおそれがある。
(電極)
電極3は、上述のように、電極本体3aと、電極本体3aの外面に積層される錫めっき層3bとを有する。錫めっき層3bは、電極本体3aに直接積層されている(つまり、錫めっき層3b及び電極本体3aの間には他の層が介在していない)。本実施形態では、錫めっき層3bは、図2に示すように、電極本体3aのベースフィルム2と積層される側の面以外の全面に積層されている。錫めっき層3bは、電極3の外面側の最表層を構成しており、本実施形態では電極3のベースフィルム2と積層される側の面以外の全領域における最表層を構成している。
錫めっき層3bは、電極本体3aの外面への錫めっきによって形成され、例えば電極本体3aの外面への無電解錫めっきによって形成される。
図3に示すように、錫めっき層3bの外面には、錫合金によって形成される1又は複数の第1領域11と、合金化していない錫によって形成される1又は複数の第2領域12が設けられている。本実施形態では、錫めっき層3bの外面には、第2領域12中に複数の第1領域11が点在する海島構造が形成されている。また、複数の第1領域11は、第2領域12中に略等密度で配置されている。第1領域11は、例えば当該プリント配線板1の製造過程における熱処理によって錫めっき層3bに含まれる錫が電極本体3aを構成する銅などの金属と合金化することで形成される。一方、第2領域12は、例えば上記熱処理を経た後においてもめっき錫が合金化されていない領域によって形成される。
当該プリント配線板1は、錫めっき層3bの外面における1又は複数の第1領域11の合計占有面積率が90%以下である。
当該プリント配線板1は、上述のように、複数の電極3が、電極本体3aの外面に積層される錫めっき層3bを有しており、錫めっき層3bの外面における1又は複数の第1領域11の合計占有面積率が上記上限以下である。当該プリント配線板1は、錫めっき層3bに含まれる合金化していない錫と、電子部品の電極に含まれる金属とが合金接合することで電子部品と接合可能に構成されている。この点に関し、錫めっき層3bの外面に1又は複数の第1領域11が形成されていない場合、当該プリント配線板1の電極3と電子部品の電極との接合時に形成されるろう材の量が多くなり過ぎて隣接する電極3間で短絡を生じるおそれがある。これに対し、当該プリント配線板1は、錫めっき層3bの外面に1又は複数の第1領域11が形成されるので、電極間の短絡を抑制することができる。一方、錫めっき層3bの外面における1又は複数の第1領域11の合計占有面積率が高すぎると、当該プリント配線板1の電極と電子部品の電極との接合に用いられるろう材の形成量が不十分となり、当該プリント配線板1と電子部品とを十分強固に接合することができない。これに対し、当該プリント配線板1は、錫めっき層3bの外面における1又は複数の第1領域11の合計占有面積率が上記上限以下であるので、ろう材の形成量を確保することで電子部品との接合強度を十分に高めることができる。
錫めっき層3bの外面における1又は複数の第1領域11の合計占有面積率の上限としては、80%が好ましく、70%がより好ましい。一方、錫めっき層3bの外面における1又は複数の第1領域11の合計占有面積率の下限としては、2%が好ましく、10%がより好ましい。上記合計占有面積率が上記上限を超えると、電子部品の電極との接合に用いられるろう材の形成量が不十分となり、電子部品との所望の接合強度が得られないおそれがある。逆に、上記合計占有面積率が上記下限に満たないと、電子部品の電極との接合時に形成されるろう材の量が多くなることで隣接する電極3間で短絡を生じるおそれがある。なお、当該プリント配線板1では、全ての電極3の全ての錫めっき層3bの外面における1又は複数の第1領域11の合計占有面積率が上記範囲内であることが好ましい。
錫めっき層3bの外面の300μmの単位面積における最大面積を有する1つの第1領域11の占有面積率の上限としては90%が好ましく、80%がより好ましく、70%がさらに好ましい。上記占有面積率が上記上限を超えると、上記単位面積中の第2領域12の占有面積が不十分となることで、電子部品の電極との接合強度が部分的に不十分となり、十分に安定した合金接合ができないおそれがある。一方、上記占有面積率の下限としては、0.1%が好ましく、1%がより好ましい。上記占有面積率が上記下限に満たないと、電子部品の電極との接合時に形成されるろう材の量が部分的に過剰となることで隣接する電極3間で短絡を生じるおそれがある。当該プリント配線板1は、錫めっき層3bの外面に設定可能な全ての上記単位面積において最大面積を有する1つの第1領域11の占有面積率が上記範囲内であることが好ましい。なお、「錫めっき層の外面の300μmの単位面積」は、対向する2辺が電極の長手方向及び幅方向と平行に延びる矩形領域によって設定することができる。より具体的には、「錫めっき層の外面の300μmの単位面積」は、対向する2辺が電極の長手方向及び幅方向と平行に延びる正方形領域によって設定することが可能であり、電極の幅が不足してこの正方形領域を設定することができない場合には、一対の短辺の長さが電極の幅方向長さと等しい長方形領域によって設定することが可能である。
錫めっき層3bの平均厚さ(電極本体3aの外面に積層される部分の平均厚さ)下限としては、0.1μmが好ましく、0.2μmがより好ましい。一方、錫めっき層3bの平均厚さの上限としては、1.0μmが好ましく、0.5μmがより好ましい。上記平均厚さが上記下限より小さいと、錫めっき層3bと電子部品の電極との接合に用いられるろう材の形成量を十分に確保し難くなるおそれがある。逆に、上記平均厚さが上記上限を超えると、錫めっき層3bと電子部品の電極との接合時に形成されるろう材の量を制御し難くなるおそれがある。
第2領域12は、図4に示すように、錫めっき層3bの外面からベースフィルム2側に向けて一定の厚さを有している。第2領域12の厚さは、均一であってもよいが、一般的には部分毎に不均一である。
錫めっき層3bの外面からの1又は複数の第2領域12の平均厚さ(錫めっき層3bの外面に設けられる全ての第2領域12の厚さの平均値)の上限としては、0.4μmが好ましく、0.3μmがより好ましい。上記平均厚さが上記上限を超えると、電子部品の電極との接合時に形成されるろう材の量が多くなることで隣接する電極3間で短絡を生じるおそれがある。一方、上記平均厚さの下限としては、0.05μmが好ましく、0.10μmがより好ましい。上記平均厚さが上記下限より小さいと、電子部品との接合に用いられるろう材の形成量が不十分となり、電子部品との所望の接合強度を得られないおそれがある。
上述のように、電極本体3aは、上記回路パターンが所定の位置で外面に露出したランド部によって形成されており、上記回路パターンと同様の材質によって構成される。電極本体3aの主成分としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば銅、銀、白金、ニッケル等が挙げられる。中でも、電極本体3aの主成分としては、銅が好ましい。当該プリント配線板1は、電極本体3aの主成分が銅であることで、微細かつ高密度な回路パターンを比較的低コストで容易に形成しやすい。また、電極本体3aの主成分が銅である場合、この銅と錫めっき層3bに含まれる錫とが合金化しやすい。この点に関し、当該プリント配線板1は、上述のように錫めっき層3bの上記一方側の面における1又は複数の第1領域11の合計占有面積率を制御することで、電子部品との接合強度を十分に高めることができる。
電極本体3aは、例えばベースフィルム2の一方側の面に金属箔、金属蒸着、金属微粒子の焼結等によって金属層を積層し、この金属層にレジストパターン等のマスキングを施してエッチングするサブトラクティブ法によって形成してもよく、セミアディティブ法によって形成してもよい。また、電極本体3aは、銅、銀、ニッケル等の金属を配合したペースト、インキ等を印刷することによって形成してもよい。なお、ベースフィルム2の上記一方側の面には、電極本体3aとの接着性を向上させるため、必要に応じて親水化処理等の表面処理を施してもよい。
電極3は、全領域に亘って略均一な厚さで形成されている。電極3の平均厚さの下限としては、2μmが好ましく、5μmがより好ましい。一方、電極3の平均厚さの上限としては、50μmが好ましく、40μmがより好ましい。上記平均厚さが上記下限より小さいと、電子部品の電極との接合が容易でなくなるおそれがある。逆に、上記平均厚さが上記上限を超えると、電極3が不要に厚くなり、当該プリント配線板1の薄型化を十分に促進することができないおそれがある。
複数の電極3は、それぞれ線状に構成されており、例えば平面視直線状に設けられている。また、複数の電極3は、幅方向に並列に配設されている。特に本実施形態では、複数の電極3は、ベースフィルム2の一方側の面に全体として略四角環状に配設されており、この四角環状の各直線部分において、この直線部分の延在方向と電極3の幅方向とが平行になるよう、並列に配設されている。複数の電極3は、上記四角環状の各直線部分の延在方向に略等ピッチで配設されている。
複数の電極3の幅は略等しい。複数の電極3の平均幅の上限としては、40μmが好ましい。また、並列に配設される複数の電極3において、隣接する電極3の平均間隔の上限としては、40μmが好ましい。当該プリント配線板1は、幅の小さい電極3を狭ピッチで配設した場合でも、錫めっき層3bの外面における1又は複数の第1領域11の合計占有面積率を制御することで、電子部品との接合強度を十分に高めることができる。そのため、複数の電極3を線状で、かつ幅方向に並列に配設し、複数の電極3の平均幅及び隣接する電極3の平均間隔をいずれも上記上限以下とすることで、微細かつ高密度な回路パターンの形成容易化を図り、当該プリント配線板1の小型化を促進することができる。
複数の電極3の平均幅の下限としては、3μmが好ましく、5μmがより好ましい。上記平均幅が上記下限より小さいと、電子部品の電極との接合強度が十分に得られないおそれがある。一方、複数の電極3の平均幅の上限としては、上述のように40μmが好ましく、30μmであってもよく、25μmであってもよい。当該プリント配線板1は、上述のように、電子部品の電極との接合時に形成されるろう材の量を適切に制御することができるので、複数の電極3の平均幅を上記上限以下とした場合でも、当該プリント配線板1の電極3と電子部品の電極との接合強度を十分に確保することができる。
隣接する電極3の平均間隔の下限としては、5μmが好ましく、10μmがより好ましい。上記平均間隔が上記下限より小さいと、隣接する電極3間の短絡を的確に抑制することができないおそれがある。一方、隣接する電極3の平均間隔の上限としては、上述のように40μmが好ましく、30μmであってもよく、25μmであってもよい。当該プリント配線板1は、上述のように、電子部品の電極との接合時に形成されるろう材の量を適切に制御することができるので、隣接する電極3の平均間隔を上記上限以下とした場合でも、隣接する電極3間の短絡を十分に抑制することができる。
[プリント配線板の製造方法]
次に、図1のプリント配線板1の製造方法の一例について説明する。当該プリント配線板の製造方法は、絶縁性を有するベースフィルム2を用意する工程(ベースフィルム用意工程)と、このベースフィルム2の一方側の面に電極3を積層する工程(電極積層工程)とを備える。上記電極積層工程は、ベースフィルム2の上記一方側の面に電極本体3aを積層する工程(電極本体積層工程)と、電極本体積層工程で積層された電極本体3aの外面に錫めっき層3bを積層する工程(錫めっき層積層工程)とを備える。また、当該プリント配線板の製造方法は、電極積層工程後にベースフィルム2及び電極3の積層体に熱処理を施す工程(熱処理工程)をさらに備えることが好ましい。当該プリント配線板の製造方法によって製造されるプリント配線板1は、上述のように錫めっき層3bの外面に、錫合金によって形成される1又は複数の第1領域11及び合金化していない錫によって形成される1又は複数の第2領域12が設けられ、錫めっき層3bの外面における1又は複数の第1領域11の合計占有面積率が90%以下である。
(電極本体積層工程)
上記電極本体積層工程では、例えばベースフィルム2の上記一方側の面に金属箔、金属蒸着、金属微粒子の焼結等によって金属層を積層したうえ、この金属層にレジストパターン等のマスキングを施してエッチングすることで、サブトラクティブ法によってベースフィルム2の上記一方側の面に電極本体3aを形成する。また、上記電極本体積層工程では、上記サブトラクティブ法に換えて、セミアディティブ法によって電極本体3aを形成してもよい。さらに、上記電極本体積層工程では、銅、銀、ニッケル等の金属を配合したペースト、インキ等の印刷によってベースフィルム2の上記一方側の面に電極本体3aを形成してもよい。
(錫めっき層積層工程)
上記錫めっき層積層工程では、上記電極本体積層工程で積層された電極本体3aの外面に錫めっきを施す。この錫めっきとしては、電気錫めっき及び無電解錫めっきが挙げられ、より緻密な錫めっき層3bを形成する点から無電解錫めっきを用いることが好ましい。
上記錫めっき層積層工程では、得られるプリント配線板1の錫めっき層3bの外面における1又は複数の第1領域11及び1又は複数の第2領域12の占有面積率、並びに錫めっき層3bの外面からの1又は複数の第2領域12の平均厚さを上述の範囲に制御するようめっき錫の厚さを調節する。具体的には、当該プリント配線板の製造方法は、後述の熱処理工程を行う場合、この熱処理工程の熱処理に起因して錫めっき層3bの外面からの1又は複数の第2領域12の平均厚さが小さくなる。また同時に、錫めっき層3bの外面における1又は複数の第1領域11の合計占有面積率が高くなる。そのため、上記錫めっき層積層工程では、この熱処理工程に起因する錫めっき層3bの外面からの1又は複数の第2領域12の平均厚さの減少、並びに錫めっき層3bの外面における1又は複数の第1領域11の合計占有面積率の向上を予め加味して錫めっき層3bの厚さを調節する。
(熱処理工程)
上記熱処理工程は、例えばウィスカの生成を抑制するために行う。ウィスカの生成を抑制するために行う熱処理工程の熱処理温度としては例えば100℃以上140℃以下とすることができる。また、この熱処理工程の熱処理時間としては、1時間以上3時間以下とすることができる。なお、上記熱処理条件で熱処理を行った場合、錫めっき層3bの外面からの1又は複数の第2領域12の平均厚さが0.1μm以上0.4μm以下程度の範囲で減少する。そのため、上記錫めっき層積層工程では、この減少量を予め加味して錫めっき層3bの厚さを調節する。
当該プリント配線板の製造方法は、図1のプリント配線板1を容易かつ確実に製造することができる。
[接続体の製造方法]
次に、図5及び図6を参照して、図1のプリント配線板1と、当該プリント配線板1の電極3と電気的に接続される他の電極23を有する電子部品21との接続体31の製造方法について説明する。当該接続体の製造方法は、当該プリント配線板1及び電子部品21を熱プレスする熱プレス工程を備える。まず、当該プリント配線板1と接続される電子部品21について説明する。
<電子部品>
電子部品21は、例えばICチップ等の半導体チップである。電子部品21は、本体22と、本体22に積層される電極23とを備える。電極23は、当該プリント配線板1の電極3と外面同士が突き合わせられるように、当該プリント配線板1の電極3と平面視略同一形状かつ同一間隔で配設されている。本体22の材質としては、特に限定されるものではなく、ガラスエポキシ等のリジッド材や、合成樹脂等の軟質材が挙げられる。中でも、熱プレス時の圧力の均一化を図りやすいリジッド材が好ましい。また、電極23の主成分としては、例えば金、銀、錫、ニッケル等の金属が挙げられ、中でも当該プリント配線板1の電極3とAu-Sn共晶接合により容易かつ確実に接合可能な金が好ましい。なお、当該プリント配線板1の電極3とAu-Sn共晶接合可能な電子部品21の電極23の構成として、例えば電極本体の外面に金めっき層が積層された構成を採用することも可能である。
(熱プレス工程)
上記熱プレス工程では、図5に示すように、当該プリント配線板1の電極3及び電子部品21の電極23の外面同士を対向させた状態で、当該プリント配線板1を電子部品21と熱プレスする。上記熱プレス工程によって、当該プリント配線板1の錫めっき層3b及び電子部品21の電極23の外面側の一部が溶融し、例えばAu-Sn共晶接合によって電極同士が合金で接合される。これにより、図6に示すように、例えばAu-Sn共晶合金によって形成され、当該プリント配線板1の電極3及び電子部品21の電極23を接合する接合部32を有する接続体31が製造される。
上記熱プレス工程における熱プレス温度の下限としては、250℃が好ましく、270℃がより好ましい。一方、上記熱プレス温度の上限としては、500℃が好ましく、470℃がより好ましい。上記熱プレス温度が上記下限に満たないと、電極同士の接合強度が不十分となるおそれがある。逆に、上記熱プレス温度が上記上限を超えると、上記熱プレス温度が不要に高くなり、接続体31が劣化するおそれがある。
上記熱プレス工程における圧力の下限としては、2MPaGが好ましく、5MPaGがより好ましい。一方、上記圧力の上限としては、50MPaGが好ましく、30MPaGがより好ましい。上記圧力が上記下限に満たないと、電極同士の接合強度が不十分となるおそれがある。逆に、上記圧力が上記上限を超えると、接続体31が劣化するおそれがある。
上記熱プレス工程における熱プレス時間の下限としては、0.2秒が好ましく、0.4秒がより好ましい。一方、上記熱プレス時間の上限としては、20秒が好ましく、10秒がより好ましい。上記熱プレス時間が上記下限に満たないと、電極同士の接合強度が不十分となるおそれがある。逆に、上記熱プレス時間が上記上限を超えると、接続体31の生産効率が低下するおそれや接続体31が劣化するおそれがある。
当該接続体の製造方法は、電極間の接合強度が十分に高い接続体31を容易かつ確実に製造することができる。
[接続体]
次に、図6を参照して、当該プリント配線板1と、当該プリント配線板1の電極3に電気的に接続される他の電極23を有する電子部品21との接続体31について説明する。当該接続体31は、当該プリント配線板1の電極3及び電子部品21の電極23が合金接合されており、詳細には共晶結合されている。当該接続体31は、当該プリント配線板1の電極本体3a及び電子部品21の電極23を接合する接合部32を有する。
(接合部)
接合部32は、例えばAu-Sn共晶合金を含む。接合部32は、当該プリント配線板1の電極本体3a及び電子部品21の電極23を接続する。接合部32は、電極本体3aの厚さ方向基端側から先端側に向けて、かつ電子部品21の電極23の厚さ方向基端側から先端側に向けて徐々に拡幅しており、電極本体3a及び電極23の中間位置で幅が最も大きくなっている。接合部32がAu-Sn共晶合金を含む場合、接合部32におけるAuの含有量の下限としては、50質量%が好ましく、60質量%がより好ましい。一方、接合部32におけるAuの含有量の上限としては、95質量%が好ましく、93質量%がより好ましい。また、接合部32がAu-Sn共晶合金を含む場合、接合部32におけるSnの含有量の下限としては、5質量%が好ましく、7質量%がより好ましい。一方、接合部32におけるSnの含有量の上限としては、50質量%が好ましく、40質量%がより好ましい。
当該プリント配線板1の電極3及び電子部品21の電極23が共晶結合される場合、上述の熱プレス時に電子部品21の電極23の外面側の一部が溶融し、この外面側に含まれるAuが錫めっき層3bに含まれるSnと共晶合金を形成する。これにより、当該接続体31にあっては、電子部品21の電極23の外面は厚さ方向先端側に向かって凸なアーチ状に形成される。さらに、当該接続体31にあっては、上述の熱プレス時に当該プリント配線板1の電極本体3aの外面側の一部が溶融し、電極本体3aの外面が厚さ方向先端側に向かって凸なアーチ状に形成される。
当該接続体31は、当該プリント配線板1を備えるので、当該プリント配線板1の電極3及び電子部品21の電極23間の接合強度が十分に高い。
[その他の実施形態]
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば当該プリント配線板は、ベースフィルムの両面側に回路パターンを有する2層構造であってもよく、また3層以上の多層構造であってもよい。
当該プリント配線板は、必ずしも可撓性を有するフレキシブルプリント配線板でなくてもよい。当該プリント配線板は、例えばベースフィルムの主成分として、紙フェノール、紙エポキシ、ガラスコンポジット、ガラスエポキシ、ガラス基材等の硬質材を用いたリジッドプリント配線板であってもよい。
上記錫めっき層は、電極本体の外面に積層される限り、必ずしも電極本体のベースフィルムと積層される側の面以外の全面に積層される必要はない。
当該プリント配線板の製造方法における熱処理工程は、ウィスカの生成を抑制するために行われる必要はない。また、上記熱処理工程は、複数回行われてもよく、例えばウィスカの生成を抑制するための第1熱処理工程、及びその他の目的で行われる第2熱処理工程を有していてもよい。
当該接続体における電子部品は、当該プリント配線板の電極と電気的に接続される他の電極を有する限り、その具体的構成は上述の実施形態の構成に限定されるものではない。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[No.1]
(プリント配線板)
ポリイミドを主成分とする平均厚さ25μmのベースフィルムを用意し、このベースフィルムの一方側の面に平均幅25μmの銅箔製の平面視直線状の電極本体を平均間隔25μmで並列に積層した。続いてこの電極本体のベースフィルムとの積層面以外の全面に無電解錫めっきを施すことで錫めっき層を積層した。さらに、無電解めっき後のベースフィルム、電極本体及び錫めっき層の積層体にウィスカの生成を抑制するための第1熱処理を施すことでNo.1のプリント配線板を製造した。得られたプリント配線板の錫めっき層の外面には、図3に示すように、錫-銅合金によって形成される複数の第1領域及び合金化していない錫によって形成される1つの第2領域が設けられており、複数の第1領域が第2領域中に点在する海島構造が形成されていた。得られたNo.1のプリント配線板の錫めっき層の平均厚さ(電極本体の外面に積層される部分の平均厚さ)、錫めっき層の外面からの第2領域の平均厚さ、錫めっき層の外面における複数の第1領域の合計占有面積率、及び錫めっき層の外面の300μmの単位面積における最大面積を有する1つの第1領域の占有面積率を表1に示す。また、上記熱処理の熱処理条件を表1に示す。なお、錫めっき層の平均厚さ、錫めっき層の外面からの第2領域の平均厚さ、錫めっき層の外面における複数の第1領域の合計占有面積率、及び錫めっき層の外面の300μmの単位面積における最大面積を有する1つの第1領域の占有面積率は以下の測定方法によって測定した。
<錫めっき層の平均厚さ>
錫めっき層の平均厚さは、蛍光X線分析装置(株式会社日立ハイテクサイエンス製の「SFT9300」)を用いて測定した。
<錫めっき層の外面からの第2領域の平均厚さ>
錫めっき層の外面からの第2領域の平均厚さは、電解式膜厚計(株式会社電測製の「GCT-311」)を用いて測定した。
<錫めっき層の外面における複数の第1領域の合計占有面積率>
錫めっき層の外面について、エネルギー分散型X線(EDX)分析装置(BRUKER社製の「QUANTAX FlatQUAD」)を用いて倍率5000倍で撮像し、この錫めっき層の外面における複数の第1領域の合計占有面積率を測定した。
<錫めっき層の外面の300μmの単位面積における最大面積を有する1つの第1領域の占有面積率>
上述のエネルギー分散型X線(EDX)分析装置を用い、錫めっき層の外面について倍率5000倍で撮像したうえ、対向する2辺が電極の長手方向及び幅方と平行に延びる300μmの正方形領域を設定し、この正方形領域内における最大面積を有する1つの第1領域の占有面積率を測定した。
[No.2]
No.1の第1熱処理の後に、表1の条件で第2熱処理を施した以外はNo.1と同様の手順でNo.2のプリント配線板を製造した。得られたプリント配線板の錫めっき層の外面には、錫-銅合金によって形成される複数の第1領域及び合金化していない錫によって形成される1つの第2領域が設けられており、複数の第1領域が第2領域中に点在する海島構造が形成されていた。No.2のプリント配線板の錫めっき層の平均厚さ、錫めっき層の外面からの第2領域の平均厚さ、錫めっき層の外面における複数の第1領域の合計占有面積率、及び錫めっき層の外面の300μmの単位面積における最大面積を有する1つの第1領域の占有面積率を表1に示す。
[No.3]
No.1と同様の手順でNo.3のプリント配線板を製造した。得られたプリント配線板の錫めっき層の外面には、図7に示すように、錫-銅合金によって形成される1つの第1領域41及び合金化していない錫によって形成される複数の第2領域42が形成されており、複数の第2領域42が第1領域41中に点在する海島構造が形成されていた。No.3のプリント配線板の錫めっき層の平均厚さ、錫めっき層の外面からの複数の第2領域の平均厚さ、錫めっき層の外面における第1領域の合計占有面積率、及び錫めっき層の外面の300μmの単位面積における最大面積を有する1つの第1領域の占有面積率を表1に示す。
[No.4]
No.1と同様の手順でNo.4のプリント配線板を製造した。得られたプリント配線板の錫めっき層の外面には、錫-銅合金によって形成される複数の第1領域及び合金化していない錫によって形成される1つの第2領域が形成されており、複数の第1領域が第2領域中に点在する海島構造が形成されていた。No.4のプリント配線板の錫めっき層の平均厚さ、錫めっき層の外面からの第2領域の平均厚さ、錫めっき層の外面における複数の第1領域の合計占有面積率、及び錫めっき層の外面の300μmの単位面積における最大面積を有する1つの第1領域の占有面積率を表1に示す。
[No.5]
No.1の第1熱処理に換えて、第2熱処理としてリフロー炉にてピーク温度275℃でリフロー処理を施すことでNo.5のプリント配線板を製造した。得られたプリント配線板の錫めっき層の外面には、錫-銅合金によって形成される1つの第1領域及び合金化していない錫によって形成される複数の第2領域が形成されており、複数の第2領域が第1領域中に点在する海島構造が形成されていた。No.5のプリント配線板の錫めっき層の平均厚さ、錫めっき層の外面からの複数の第2領域の平均厚さ、錫めっき層の外面における第1領域の合計占有面積率、及び錫めっき層の外面の300μmの単位面積における最大面積を有する1つの第1領域の占有面積率を表1に示す。
Figure 0007032113000001
[品質評価]
(電子部品)
シリコンを主成分とする平均厚さ200μmの基板の表面に、平均厚さ30μm、かつNo.1~No.5のプリント配線板の電極と同一幅の金箔製の電極をこれらのプリント配線板の電極と同一間隔で並列に積層し、電子部品を模した試験材を製造した。
(接続体)
No.1~No.5のプリント配線板及び上記電子部品の電極同士を対向させ、プレス温度400℃、圧力20MPaG、プレス時間5秒の条件で熱プレスすることで接続体を製造した。
<共晶結合の有無>
No.1~No.5のプリント配線板と上記電子部品との接続体について、プリント配線板及び電子部品の電極同士の対向方向と平行な接合部の任意の10箇所の断面を、上述のエネルギー分散型X線(EDX)分析装置を用いて倍率5000倍で撮像し、Au-Sn共晶結合の有無を観察し、以下の基準で評価した。この評価結果を表2に示す。なお、表2では10箇所の測定断面のうち、評価Aであった個数(断面数)、及び評価Bであった個数(断面数)を記載している。
A:Au-Sn共晶結合が形成されている。
B:Au-Sn共晶結合が形成されていない。
<絶縁性>
No.1~No.5のプリント配線板と上記電子部品との接続体について、電極間の絶縁性を以下の基準で評価した。この評価結果を表2に示す。
A:短絡が生じない。
B:短絡が生じる。
Figure 0007032113000002
[評価結果]
表2に示すように、No.1及びNo.2のプリント配線板は、プリント配線板の電極及び電子部品の電極が共晶結合されおり、かつ電極間の短絡も生じていない。これに対し、No.3のプリント配線板は、錫めっき層の外面における第1領域の合計占有面積率、及び錫めっき層の外面の300μmの単位面積における最大面積を有する1つの第1領域の占有面積率が高すぎるため、またNo.5のプリント配線板は、錫めっき層の外面の300μmの単位面積における最大面積を有する1つの第1領域の占有面積率が高すぎるため、電子部品との接合に用いられるろう材の形成量が不十分となり、プリント配線板の電極及び電子部品の電極が十分に共晶結合されていない。その結果、No.3及びNo.5のプリント配線板は、電子部品との接合強度が不十分である。また、No.4のプリント配線板は、プリント配線板の電極及び電子部品の電極が共晶結合されおり、電子部品との接合強度は高い。しかしながら、No.4のプリント配線板は、錫めっき層の外面からの第2領域の平均厚さが大き過ぎるため、電子部品の電極との接合時に形成されるろう材の量が多くなることで隣接する電極間で短絡が生じている。
以上のように、本発明に係るプリント配線板は、電子部品との接合強度を十分に高めることができるので、ICチップ等の電気回路を構成するのに適している。
1 プリント配線板
2 ベースフィルム
3 電極
3a 電極本体
3b 錫めっき層
11,41 第1領域
12,42 第2領域
21 電子部品
22 本体
23 電極
31 接続体
32 接合部

Claims (4)

  1. 絶縁性を有するベースフィルムと、このベースフィルムの一方側の面に積層される複数の電極とを備えるプリント配線板であって、
    上記複数の電極が、電極本体と、この電極本体の上記一方側の面に積層される錫めっき層とを有し、
    上記錫めっき層の上記一方側の面に、錫合金によって形成される1又は複数の第1領域及び合金化していない錫によって形成される1又は複数の第2領域が設けられ、
    上記電極本体の主成分が銅であり、
    上記錫めっき層の上記一方側の面における上記1又は複数の第1領域の合計占有面積率が90%以下であり、
    上記錫めっき層の上記一方側の面の300μm の単位面積における最大面積を有する1つの上記第1領域の占有面積率が3.6%以上90%以下であるプリント配線板。
  2. 上記錫めっき層の上記一方側の面からの上記1又は複数の第2領域の平均厚さが0.4μm以下である請求項1に記載のプリント配線板。
  3. 上記複数の電極が線状で、かつ幅方向に並列に配設され、上記複数の電極の平均幅が40μm以下、隣接する電極の平均間隔が40μm以下である請求項1又は請求項2に記載のプリント配線板。
  4. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載のプリント配線板と、上記電極に電気的に接続される他の電極を有する電子部品との接続体であって、
    上記プリント配線板の電極及び電子部品の電極が共晶接合されている接続体。
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