JP2019096808A - 電子部品の製造方法 - Google Patents

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Ryuta Osuga
隆太 大須賀
新田 耕司
Koji Nitta
耕司 新田
将一郎 酒井
Shoichiro Sakai
将一郎 酒井
山本 正道
Masamichi Yamamoto
正道 山本
潤一 岡上
Junichi Okaue
潤一 岡上
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Abstract

【課題】本発明は、プリント配線板の錫めっき層と電子素子の電極との接合強度を十分に高めることができる電子部品の製造方法の提供を課題とする。【解決手段】本発明の電子部品の製造方法は、絶縁性を有するベースフィルムと、このベースフィルムに積層され、第1ランド部及び第2ランド部を有する導電パターンとを有するプリント配線板と、上記第1ランド部に電気的に接続される電子素子とを備える電子部品の製造方法であって、上記第2ランド部の外面に錫めっき層を積層する錫めっき層積層工程と、上記錫めっき層積層工程後に、上記第1ランド部及び上記電子素子をリフロー半田付けする第1接続工程とを備え、上記錫めっき層の平均厚さが0.6μm以上であり、上記第1接続工程におけるリフローピーク温度が270℃以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、電子部品の製造方法に関する。
従来、複数の電子素子を実装するためにプリント配線板が用いられている。このプリント配線板は、絶縁性のベースフィルムと、このベースフィルムに積層される導電パターンとを有し、この導電パターンが1の電子素子に電気的に接続される第1ランド部と、他の電子素子に電気的に接続される第2ランド部とを備える。このプリント配線板と電子素子との接続方法としては、例えばリフロー炉を用いた半田接合が広く用いられている。
また、このプリント配線板と電子素子との接続方法としては、ランド部の外面に錫めっき層を積層し、この錫めっき層と電子素子の電極とを合金接合する方法も提案されている。このような合金接続可能なプリント配線板として、例えば銅配線パターンと、この銅配線パターンから連続して設けられるランド部とを有し、このランド部の表面に無電解錫めっきが施されたプリント配線板が発案されている(特開2011−66183号公報参照)。
特開2011−66183号公報
しかしながら、上記公報に記載のプリント配線板は、熱処理が施された際に錫めっき層に含まれる錫とランド部を構成する銅とが容易に合金化する。特に、上記プリント配線板が上記ランド部に加え、他の電子素子と半田接合される他のランド部を有する場合、この他のランド部及び他の電子素子の電極を接続するためのリフロー処理による熱履歴を受けることで、上記錫及び銅が合金化しやすい。そのため、上記プリント配線板に複数の電子素子を実装した電子部品は、上記錫めっき層と電子素子の電極との接合強度を十分に確保し難い。
本発明は、このような事情に基づいてなされたものであり、プリント配線板の錫めっき層と電子素子の電極との接合強度を十分に高めることができる電子部品の製造方法の提供を課題とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様に係る電子部品の製造方法は、絶縁性を有するベースフィルムと、このベースフィルムに積層され、第1ランド部及び第2ランド部を有する導電パターンとを有するプリント配線板と、上記第1ランド部に電気的に接続される電子素子とを備える電子部品の製造方法であって、上記第2ランド部の外面に錫めっき層を積層する錫めっき層積層工程と、上記錫めっき層積層工程後に、上記第1ランド部及び上記電子素子をリフロー半田付けする第1接続工程とを備え、上記錫めっき層の平均厚さが0.6μm以上であり、上記第1接続工程におけるリフローピーク温度が270℃以下である。
本発明に係る電子部品の製造方法は、プリント配線板の錫めっき層と電子素子の電極との接合強度を十分に高めることができる。
本発明の一実施形態に係る電子部品の製造方法によって製造される電子部品を示す模式的断面図である。 図1の電子部品の製造方法を示すフロー図である。 図1の電子部品の電極の配列を示す模式的部分平面図である。 図1の電子部品の製造方法の第1接続工程後の錫めっき層の外面を示す模式的拡大図である。 図1の電子部品の製造方法の第1接続工程後の電極の模式的部分拡大断面図である。 図1の電子部品とは異なる実施形態に係る電子部品を示す模式的断面図である。 図6の電子部品の製造方法を示すフロー図である。 図6の電子部品の製造方法の第2接続工程を示す模式的部分断面図である。 No.9の電子部品の錫めっき層の外面を示す模式的拡大図である。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
本発明の一態様に係る電子部品の製造方法は、絶縁性を有するベースフィルムと、このベースフィルムに積層され、第1ランド部及び第2ランド部を有する導電パターンとを有するプリント配線板と、上記第1ランド部に電気的に接続される電子素子とを備える電子部品の製造方法であって、上記第2ランド部の外面に錫めっき層を積層する錫めっき層積層工程と、上記錫めっき層積層工程後に、上記第1ランド部及び上記電子素子をリフロー半田付けする第1接続工程とを備え、上記錫めっき層の平均厚さが0.6μm以上であり、上記第1接続工程におけるリフローピーク温度が270℃以下である。
当該電子部品の製造方法は、第2ランド部の外面に錫めっき層を積層する錫めっき層積層工程と、上記錫めっき層積層工程後に、第1ランド部及び電子素子をリフロー半田付けする第1接続工程とを備えており、この第1接続工程後に上記錫めっき層と他の電子素子の電極とを合金接合することができる。当該電子部品の製造方法は、上記錫めっき層の平均厚さが上記下限以上であり、かつ上記第1接続工程におけるリフローピーク温度が上記上限以下であるので、上記錫めっき層に含まれる錫と上記第2ランド部を構成する金属とが上記錫めっき層の外面で合金化することを抑制することができる。これにより、当該電子部品の製造方法は、上記錫めっき層と他の電子素子の電極との接合強度を十分に高めることができる。
上記第1接続工程後における上記錫めっき層の外面に、錫合金によって形成される1又は複数の第1領域及び合金化していない錫によって形成される1又は複数の第2領域が形成されるとよい。上記第1接続工程後における上記錫めっき層の外面に、錫合金によって形成される第1領域及び合金化していない錫によって形成される第2領域がそれぞれ適度に形成されることで、上記錫めっき層と他の電子素子とをより安定的に電気的に接続することができる。
上記錫めっき層の外面からの上記1又は複数の第2領域の平均厚さとしては、0.4μm以下が好ましい。このように、上記錫めっき層の外面からの上記1又は複数の第2領域の平均厚さが上記上限以下であることによって、上記錫めっき層における合金化していない錫の存在割合が高くなり過ぎることに起因する短絡を的確に抑制することができる。
上記導電パターンの主成分が銅であるとよい。このように、上記導電パターンの主成分が銅であることで、微細かつ高密度な回路パターンを比較的低コストで容易に形成しやすい。また、上記導電パターンの主成分が銅である場合、この銅と錫めっき層に含まれる錫とが合金化しやすいが、上述のように、上記錫めっき層の平均厚さを上記下限以上とし、かつ上記第1接続工程におけるリフローピーク温度を上記上限以下とすることで、上記錫めっき層の外面における錫の合金化を十分に抑制することができる。
当該電子部品の製造方法は、上記第1接続工程後に上記錫めっき層及び他の電子素子の電極を共晶接合する第2接続工程をさらに備えるとよい。このように、上記第1接続工程後に上記錫めっき層及び他の電子素子の電極を共晶接合する第2接続工程をさらに備えることによって、上記錫めっき層と他の電子素子の電極とを容易かつ確実に接合することができる。
なお、本発明において、「錫めっき層の平均厚さ」とは、蛍光X線分析装置を用いて測定される平均厚さをいう。「第2領域の平均厚さ」は、電解式膜厚計で測定される平均厚さをいう。「主成分」とは、最も含有量の多い成分をいい、例えば含有量が50質量%以上の成分をいい、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上の成分をいう。
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の好適な実施形態について、以下に図面を参照しつつ説明する。
[第一実施形態]
当該電子部品の製造方法は、絶縁性を有するベースフィルムと、このベースフィルムに積層され、第1ランド部及び第2ランド部を有する導電パターンとを有するプリント配線板と、上記第1ランド部に電気的に接続される電子素子とを備える電子部品の製造方法である。当該電子部品の製造方法によると、例えば図1の電子部品を製造することができる。以下、当該電子部品の製造方法について、図1の電子部品を製造する場合を例に挙げて説明する。まず、当該電子部品の製造方法を説明するに当たり、図1の電子部品について説明する。
<電子部品>
図1の電子部品は、絶縁性を有するベースフィルム2と、ベースフィルム2に積層され、第1ランド部3a及び第2ランド部3bを有する導電パターン3とを有するプリント配線板1と、第1ランド部3aに電気的に接続される電子素子(以下、「第1電子素子4」ともいう)とを備える。なお、図1では、第1ランド部3a及び第2ランド部3bは、いずれもベースフィルム2の同じ面に直接積層されている。しかしながら、第1ランド部3a及び第2ランド部3bは、ベースフィルム2の同じ面に直接積層される必要はなく、ベースフィルム2の対向面に積層されていてもよい。また、第1ランド部3a及び第2ランド部3bは、他の層を介してベースフィルム2に積層されていてもよい。加えて、この電子部品は、第1ランド部3a及び第2ランド部3b以外の他のランド部をさらに有していてもよい。
(プリント配線板)
プリント配線板1は、フレキシブルプリント配線板であり、可撓性を有する。プリント配線板1は、第2ランド部3bの外面(ベースフィルム2と積層される側と反対側の面。以下、同様。)に積層される錫めっき層5を有する。また、プリント配線板1は、ベースフィルム2の導電パターン3が積層される面側にカバーレイ6が積層されている。このカバーレイ6は、ベースフィルム2及び導電パターン3の一部には積層されていない。第1ランド部3a及び第2ランド部3bは、この導電パターン3のカバーレイ6が積層されていない領域に形成されている。換言すると、導電パターン3の外面側に露出した領域の一部が第1ランド部3a及び第2ランド部3bを構成している。
(電子素子)
第1電子素子4は、第1ランド部3aに半田層7によって接続されている。第1電子素子4としては、特に限定されるものではなく、例えば発光ダイオード、温度センサ、チップ抵抗器等、通常の回路基板を構成する各種電子部品が挙げられる。
<製造方法>
続いて、当該電子部品の製造方法について詳説する。図2に示すように、当該電子部品の製造方法は、第2ランド部3bの外面に錫めっき層5を積層する錫めっき層積層工程と、上記錫めっき層積層工程後に、第1ランド部3a及び第1電子素子4をリフロー半田付けする第1接続工程とを備える。当該電子部品の製造方法は、錫めっき層5の平均厚さが0.6μm以上であり、上記第1接続工程におけるリフローピーク温度が270℃以下である。
なお、当該電子部品の製造方法は、上記錫めっき層積層工程よりも前に、ベースフィルム2を用意する工程(ベースフィルム用意工程)と、ベースフィルム2の表面に導電パターン3を積層する工程(導電パターン積層工程)と、ベースフィルム2の導電パターン3が積層された面側にカバーレイ6を積層する工程(カバーレイ積層工程)とをさらに備えていてもよい。加えて、当該電子部品の製造方法は、上記錫めっき層積層工程後に、プリント配線板1を熱処理する工程(熱処理工程)を備えていてもよい。
当該電子部品の製造方法は、第2ランド部3bの外面に錫めっき層5を積層する錫めっき層積層工程と、上記錫めっき層積層工程後に、第1ランド部3a及び第1電子素子4をリフロー半田付けする第1接続工程とを備えており、この第1接続工程後に錫めっき層5と他の電子素子の電極とを合金接合することができる。錫めっき層5に他の電子素子の電極を合金接合するに当たり、上記第1接続工程で、錫めっき層5に含まれる錫と第2ランド部3bを構成する金属とが錫めっき層5の外面で合金化し過ぎると、錫めっき層5と他の電子素子の電極との接合に用いられるろう材の形成量が不十分となり、プリント配線板1と他の電子素子とを十分強固に接合することができない。これに対し、当該電子部品の製造方法は、錫めっき層5の平均厚さが上記下限以上であり、かつ上記第1接続工程におけるリフローピーク温度が上記上限以下であるので、錫めっき層5に含まれる錫と第2ランド部3bを構成する金属とが錫めっき層5の外面で合金化することを抑制することができる。これにより、当該電子部品の製造方法は、錫めっき層5と他の電子素子の電極との接合強度を十分に高めることができる。
(ベースフィルム用意工程)
上記ベースフィルム用意工程では、プリント配線板1を構成するベースフィルム2を用意する。このベースフィルム2は可撓性及び柔軟性を有する。ベースフィルム2は合成樹脂を主成分とする。ベースフィルム2の主成分としては、例えばポリイミド、液晶ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、フッ素樹脂等の軟質材が挙げられる。これらの中でも、絶縁性、柔軟性、耐熱性等に優れるポリイミドが好ましい。また、ベースフィルム2は、多孔化されたものでもよく、充填材、添加剤等を含んでもよい。
ベースフィルム2の厚さは、特に限定されないが、例えばベースフィルム2の平均厚さの下限としては、5μmが好ましく、12μmがより好ましい。一方、ベースフィルム2の平均厚さの上限としては、2mmが好ましく、1.6mmがより好ましい。ベースフィルム2の平均厚さが上記下限より小さいと、ベースフィルム2の強度が不十分となるおそれがある。逆に、ベースフィルム2の平均厚さが上記上限を超えると、薄型化が要求される電子機器への適用が困難となるおそれや可撓性が不十分となるおそれがある。
(導電パターン積層工程)
上記導電パターン積層工程では、例えばベースフィルム2の表面に金属箔の貼着、金属蒸着、金属微粒子の焼結等によって金属層を積層したうえ、この金属層にレジストパターン等のマスキングを施してエッチングすることで、サブトラクティブ法によってベースフィルム2の表面に導電パターン3を形成する。また、上記導電パターン積層工程では、上記サブトラクティブ法に換えて、セミアディティブ法により導電パターン3を形成してもよい。
上述のように、導電パターン3は、第1ランド部3a及び第2ランド部3bを含んでいる。導電パターン3の主成分としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば銅、銀、白金、ニッケル等が挙げられる。中でも、導電パターン3の主成分としては、銅が好ましい。導電パターン3の主成分が銅であることで、微細かつ高密度な回路パターンを比較的低コストで容易に形成しやすい。また、導電パターン3の主成分が銅である場合、この銅と錫めっき層5に含まれる錫とが合金化しやすい。しかしながら、当該電子部品の製造方法は、上述のように錫めっき層5の平均厚さ及び第1接続工程におけるリフローピーク温度を制御することで、錫めっき層5の外面における錫及び銅の合金化を抑制し、錫めっき層5と他の電子素子との接合強度を十分に高めることができる。
導電パターン3は、複数の第2ランド部3bを有している。複数の第2ランド部3bは、全領域に亘って略均一な厚さで形成されている。また上述のように、各第2ランド部3bは、外面に錫めっき層5が積層されている。この第2ランド部3b及び錫めっき層5の積層体は、他の電子素子の電極と接続される電極11を構成している。
複数の第2ランド部3bの平均厚さの下限としては、2μmが好ましく、5μmがより好ましい。一方、複数の第2ランド部3bの平均厚さの上限としては、50μmが好ましく、40μmがより好ましい。上記平均厚さが上記下限より小さいと、他の電子素子の電極との接合が容易でなくなるおそれがある。逆に、上記平均厚さが上記上限を超えると、第2ランド部3bが不要に厚くなり、プリント配線板1の薄型化を十分に促進することができないおそれがある。
複数の第2ランド部3bは、それぞれ線状に構成されており、例えば平面視直線状に設けられている。また、複数の第2ランド部3bは、幅方向に並列に配設されている。特に本実施形態では、複数の第2ランド部3bは、図3に示すように、ベースフィルム2の表面に全体として略四角環状に配設されており、この四角環状の各直線部分において、この直線部分の延在方向と第2ランド部3bの幅方向とが平行になるよう、並列に配設されている。複数の第2ランド部3bは、上記四角環状の各直線部分の延在方向に略等ピッチで配設されている。
複数の第2ランド部3bの幅は略等しい。複数の第2ランド部3bの平均幅の下限としては、3μmが好ましく、5μmがより好ましい。上記平均幅が上記下限より小さいと、他の電子素子の電極との接合強度が十分に得られないおそれがある。一方、複数の第2ランド部3bの平均幅の上限としては、40μmが好ましく、30μmであってもよく、25μmであってもよい。当該電子部品の製造方法は、錫めっき層5の平均厚さ及び上記第1接続工程におけるリフローピーク温度を制御することで、他の電子素子の電極との接合時に形成されるろう材の量を適切に制御することができるので、複数の第2ランド部3bの平均幅を上記上限以下とした場合でも、プリント配線板1の電極11と他の電子素子の電極との接合強度を十分に確保することができる。
並列に配設される複数の第2ランド部3bにおいて、隣接する第2ランド部3bの平均間隔の下限としては、5μmが好ましく、10μmがより好ましい。上記平均間隔が上記下限より小さいと、隣接する電極11間の短絡を的確に抑制することができないおそれがある。一方、隣接する第2ランド部3bの平均間隔の上限としては、40μmが好ましく、30μmであってもよく、25μmであってもよい。当該電子部品の製造方法は、錫めっき層5の平均厚さ及び上記第1接続工程におけるリフローピーク温度を制御することで、他の電子素子の電極との接合時に形成されるろう材の量を適切に制御することができるので、隣接する第2ランド部3bの平均間隔を上記上限以下とした場合でも、隣接する電極11間の短絡を十分に抑制することができる。
(カバーレイ積層工程)
上記カバーレイ積層工程では、第1ランド部3a及び第2ランド部3bが外面側に露出するように、ベースフィルム2及び導電パターン3の所定領域にカバーレイ6を積層する。上記カバーレイ積層工程におけるカバーレイ6の積層手順は、特に限定されるものではなく、公知の手順を採用可能である。
カバーレイ6は、プリント配線板1において主に導電パターン3を保護する層であり、市販のソルダーレジスト等が用いられる。カバーレイ6の形成材料としては、絶縁性を有する限り特に限定されず、ポリイミド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル、熱可塑性ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、フッ素樹脂、液晶ポリマー等の樹脂を主成分とするものが使用することができる。また、カバーレイ6は絶縁層と接着剤層との2層構造体とすることも可能である。カバーレイ6が2層構造体である場合、上記接着剤層を構成する接着剤としては、特に限定されるものではなく、例えばナイロン樹脂系、エポキシ樹脂系、ブチラール樹脂系、アクリル樹脂系などの各種樹脂系の接着剤を用いることができる。
カバーレイ6の平均厚さ(ベースフィルム2の表面からカバーレイ6の外面までの平均距離)の下限としては、25μmが好ましく、35μmがより好ましく、45μmがさらに好ましい。一方、カバーレイ6の平均厚さの上限としては、200μmが好ましく、180μmがより好ましく、160μmがさらに好ましい。カバーレイ6の平均厚さが上記下限より小さいと、絶縁性が不十分となるおそれがある。逆に、カバーレイ6の平均厚さが上記上限を超えると、プリント配線板1が不要に厚くなるおそれがある。
(錫めっき層積層工程)
上記錫めっき層積層工程では、第2ランド部3bの外面に錫めっきを施す。これにより、錫めっき層5は、第2ランド部3bの外面に直接積層される(つまり、錫めっき層5及び第2ランド部3bの間には他の層が介在しない)。本実施形態において、上記錫めっき層積層工程では、錫めっき層5を第2ランド部3bのベースフィルム2と積層される側の面以外の全面に積層する。上記錫めっきとしては、電気錫めっき及び無電解錫めっきが挙げられ、より緻密な錫めっき層5を形成する点から無電解錫めっきを用いることが好ましい。錫めっき層5は、電極11の外面側の最表層を構成しており、特に本実施形態では電極11のベースフィルム2と積層される側の面以外の全領域における最表層を構成している。
上記錫めっき層積層工程では、得られる錫めっき層5の平均厚さ(第2ランド部3bの外面に積層される部分の平均厚さ)を0.6μm以上に調節する。錫めっき層5の平均厚さの下限としては、0.8μmが好ましい。一方、錫めっき層5の平均厚さの上限としては、2.0μmが好ましく、1.8μmがより好ましい。上記平均厚さが上記下限より小さいと、錫めっき層5の外面で、錫めっき層5に含まれる錫と第2ランド部3bを構成する金属とが合金化し過ぎるおそれがあり、これにより錫めっき層5と他の電子素子の電極との接合に用いられるろう材の形成量を十分に確保し難くなるおそれがある。また、上記平均厚さが上記下限より小さいと、錫めっき層5の外面において錫合金によって形成される領域(後述の第1領域12)が偏在するおそれがあり、これにより他の電子素子の電極との接合強度が部分的に不十分になるおそれがある。逆に、上記平均厚さが上記上限を超えると、錫めっき層5と他の電子素子の電極との接合時に形成されるろう材の量を制御し難くなるおそれがある。
(第1接続工程)
上記第1接続工程では、リフロー炉を用いた半田リフローにより第1ランド部3a及び第1電子素子4の電極を半田層7で接続する。なお、当該電子部品の製造方法は、実装される電子部品の個数等に応じて上記第1接続工程を複数回行ってもよい。
上記第1接続工程におけるリフローピーク温度の上限としては、上述のように270℃であり、260℃が好ましい。一方、上記第1接続工程におけるリフローピーク温度の下限としては、240℃が好ましく、250℃がより好ましい。上記第1接続工程におけるリフローピーク温度が上記上限を超えると、錫めっき層5の外面で、錫めっき5に含まれる錫と第2ランド部3bを構成する金属とが合金化し過ぎるおそれがあり、これによりプリント配線板1の第2ランド部3bと他の電子素子の電極との接合に用いられるろう材の形成量が不十分となるおそれがある。また、上記第1接続工程におけるリフローピーク温度が上記上限を超えると、錫めっき層5の外面において錫合金によって形成される第1領域12が偏在するおそれがあり、これにより他の電子素子の電極との接合強度が部分的に不十分になるおそれがある。逆に、上記第1接続工程におけるリフローピーク温度が上記下限より低いと、半田の溶融が不十分となり第1ランド部3a及び第1電子素子4の電極を的確に接続することができないおそれがある。
上記第1接続工程における処理時間としては、第1ランド部3a及び第1電子素子4の電極を的確に接続できる限り特に限定されるものではなく、例えば2秒以上30秒以下とすることができる。
図4に示すように、当該電子部品の製造方法では、上記第1接続工程後における錫めっき層5の外面に、錫合金によって形成される1又は複数の第1領域12及び合金化していない錫によって形成される1又は複数の第2領域13が形成されることが好ましい。つまり、当該電子部品の製造方法では、上記第1接続工程による熱処理によって、錫めっき層5の外面の一部に1又は複数の第1領域12が形成することが好ましい。また、上記第1接続工程後における錫めっき層5の外面には、第2領域13中に複数の第1領域12が点在する海島構造が形成されることが好ましい。さらに、複数の第1領域12は、第2領域13中に略等密度で配置されることが好ましい。当該電子部品の製造方法は、上記第1接続工程後における錫めっき層5の外面に、錫合金によって形成される第1領域12及び合金化していない錫によって形成される第2領域13がそれぞれ適度に形成されることで、錫めっき層5と他の電子素子とをより安定的に電気的に接続することができる。
錫めっき層5の外面における1又は複数の第1領域12の合計占有面積率の上限としては、80%が好ましく、70%がより好ましい。一方、錫めっき層5の外面における1又は複数の第1領域12の合計占有面積率の下限としては、2%が好ましく、10%がより好ましい。上記合計占有面積率が上記上限を超えると、他の電子素子の電極との接合に用いられるろう材の形成量が不十分となり、他の電子素子との所望の接合強度が得られないおそれがある。逆に、上記合計占有面積率が上記下限に満たないと、他の電子素子の電極との接合時に形成されるろう材の量が多くなることで隣接する電極11間で短絡を生じるおそれがある。また、当該電子部品の製造方法では、全ての錫めっき層5の外面における1又は複数の第1領域12の合計占有面積率が上記範囲内であることが好ましい。なお、「錫めっき層の外面における1又は複数の第1領域の合計占有面積率」とは、エネルギー分散型X線(EDX)分析装置を用いて測定される値をいう。
錫めっき層5の外面の300μmの単位面積における最大面積を有する1つの第1領域12の占有面積率の上限としては90%が好ましく、80%がより好ましく、70%がさらに好ましい。上記占有面積率が上記上限を超えると、上記単位面積中の第2領域13の占有面積が不十分となることで、他の電子素子の電極との接合強度が部分的に不十分となり、十分に安定した合金接合ができないおそれがある。一方、上記占有面積率の下限としては、0.1%が好ましく、1%がより好ましい。上記占有面積率が上記下限に満たないと、他の電子素子の電極との接合時に形成されるろう材の量が部分的に過剰となることで隣接する電極11間で短絡を生じるおそれがある。また、当該電子部品の製造方法では、錫めっき層5の外面に設定可能な全ての上記単位面積において最大面積を有する1つの第1領域12の占有面積率が上記範囲内であることが好ましい。なお、「錫めっき層の外面の300μmの単位面積」は、対向する2辺が電極の長手方向及び幅方向と平行に延びる矩形領域によって設定することができる。より具体的には、「錫めっき層の外面の300μmの単位面積」は、対向する2辺が電極の長手方向及び幅方向と平行に延びる正方形領域によって設定することが可能であり、電極の幅が不足してこの正方形領域を設定することができない場合には、一対の短辺の長さが電極の幅方向長さと等しい長方形領域によって設定することが可能である。また、「錫めっき層の外面の300μmの単位面積における最大面積を有する1つの第1領域の占有面積率」とは、エネルギー分散型X線(EDX)分析装置を用いて測定される値をいう。
第2領域13は、図5に示すように、錫めっき層5の外面からベースフィルム2側に向けて一定の厚さを有している。第2領域13の厚さは、均一であってもよいが、一般的には部分毎に不均一である。
錫めっき層5の外面からの1又は複数の第2領域13の平均厚さ(錫めっき層5の外面に設けられる全ての第2領域13の厚さの平均値)の上限としては、0.4μmが好ましく、0.3μmがより好ましい。上記平均厚さが上記上限を超えると、他の電子素子の電極との接合時に形成されるろう材の量が多くなることで隣接する電極11間で短絡を生じるおそれがある。一方、上記平均厚さの下限としては、0.05μmが好ましく、0.10μmがより好ましい。上記平均厚さが上記下限より小さいと、他の電子素子との接合に用いられるろう材の形成量が不十分となり、電子部品との所望の接合強度を得られないおそれがある。
(熱処理工程)
上記熱処理工程では、例えばウィスカの生成を抑制するために熱処理を行う。上記熱処理工程の熱処理温度の上限は、上記第1接続工程におけるリフローピーク温度以下であることが好ましい。ウィスカの生成を抑制するために行う熱処理工程の熱処理温度としては例えば100℃以上140℃以下とすることができる。また、この熱処理工程の熱処理時間としては、1時間以上3時間以下とすることができる。
[第二実施形態]
次に、図6を参照して、図1の電子部品の電極11と他の電子素子(以下、「第2電子素子21」ともいう)の電極23とが接合された電子部品の製造方法について説明する。
図7に示すように、当該電子部品の製造方法は、第2ランド部3bの外面に錫めっき層5を積層する錫めっき層積層工程と、上記錫めっき層積層工程後に、第1ランド部3a及び第1電子素子4をリフロー半田付けする第1接続工程と、上記第1接続工程後に錫めっき層5及び第2電子素子21の電極23を共晶結合する第2接続工程とを備える。また、当該電子部品の製造方法は、上記錫めっき層積層工程よりも前に、ベースフィルム2を用意する工程(ベースフィルム用意工程)と、ベースフィルム2の表面に導電パターン3を積層する工程(導電パターン積層工程)と、ベースフィルム2の導電パターン3が積層された面側にカバーレイ6を積層する工程(カバーレイ積層工程)とをさらに備えていてもよい。加えて、当該電子部品の製造方法は、上記錫めっき層積層工程後に、プリント配線板1を熱処理する工程(熱処理工程)を備えていてもよい。なお、当該電子部品の製造方法は、上記第2接続工程を備える以外、第一実施形態における当該電子部品の製造方法と同様の手順で行うことができる。そのため、以下では、上記第2接続工程についてのみ説明する。
まず、上記第2接続工程を説明するに当たり、上記第2接続工程で接続される第2電子素子21について説明する。
(電子素子)
第2電子素子21は、例えばICチップ等の半導体チップである。第2電子素子21は、本体22と、本体22に積層される電極23とを備える。電極23は、プリント配線板1の電極11と外面同士が突き合わせられるように、プリント配線板1の電極11と平面視略同一形状かつ同一間隔で配設されている。電極23の主成分としては、例えば金、銀、錫、ニッケル等の金属が挙げられ、中でもプリント配線板1の電極11とAu−Sn共晶接合により容易かつ確実に接合可能な金が好ましい。なお、プリント配線板1の電極11とAu−Sn共晶接合可能な電子部品21の電極23の構成として、例えば電極本体の外面に金めっき層が積層された構成を採用することも可能である。
(第2接続工程)
上記第2接続工程では、図8に示すように、プリント配線板1の電極11及び第2電子素子21の電極23の外面同士を対向させた状態で、プリント配線板1を電子部品21と熱プレスする。上記第2接続工程によって、プリント配線板1の錫めっき層5及び第2電子素子21の電極23の外面側の一部が溶融し、例えばAu−Sn共晶接合によって電極同士が合金で接合される。これにより、図6に示すように、例えばAu−Sn共晶合金によって形成され、プリント配線板1の電極11及び第2電子素子21の電極23を接合する接合部32を有する電子部品が製造される。
〔接合部〕
接合部32は、例えばAu−Sn共晶合金を含む。接合部32は、プリント配線板1の第2ランド部3b及び第2電子素子21の電極23を接続する。接合部32は、第2ランド部3bの厚さ方向基端側から先端側に向けて、かつ第2電子素子21の電極23の厚さ方向基端側から先端側に向けて徐々に拡幅しており、第2ランド部3b及び電極23の中間位置で幅が最も大きくなっている。接合部32がAu−Sn共晶合金を含む場合、接合部32におけるAuの含有量の下限としては、50質量%が好ましく、60質量%がより好ましい。一方、接合部32におけるAuの含有量の上限としては、95質量%が好ましく、93質量%がより好ましい。また、接合部32がAu−Sn共晶合金を含む場合、接合部32におけるSnの含有量の下限としては、5質量%が好ましく、7質量%がより好ましい。一方、接合部32におけるSnの含有量の上限としては、50質量%が好ましく、40質量%がより好ましい。
プリント配線板1の電極11及び第2電子素子21の電極23が共晶結合される場合、上述の熱プレス時に第2電子素子21の電極23の外面側の一部が溶融し、この外面側に含まれるAuが錫めっき層5に含まれるSnと共晶合金を形成する。これにより、第2電子素子21の電極23の外面は厚さ方向先端側に向かって凸なアーチ状に形成される。さらに、当該電子部品の製造方法では、上述の熱プレス時にプリント配線板1の第2ランド部3bの外面側の一部が溶融し、第2ランド部3bの外面が厚さ方向先端側に向かって凸なアーチ状に形成される。
上記第2接続工程における熱プレス温度の下限としては、250℃が好ましく、270℃がより好ましい。一方、上記熱プレス温度の上限としては、500℃が好ましく、470℃がより好ましい。上記熱プレス温度が上記下限に満たないと、電極同士の接合強度が不十分となるおそれがある。逆に、上記熱プレス温度が上記上限を超えると、上記熱プレス温度が不要に高くなり、電子部品が劣化するおそれがある。
上記第2接続工程における圧力の下限としては、2MPaGが好ましく、5MPaGがより好ましい。一方、上記圧力の上限としては、50MPaGが好ましく、30MPaGがより好ましい。上記圧力が上記下限に満たないと、電極同士の接合強度が不十分となるおそれがある。逆に、上記圧力が上記上限を超えると、電子部品が劣化するおそれがある。
上記第2接続工程における熱プレス時間の下限としては、0.2秒が好ましく、0.4秒がより好ましい。一方、上記熱プレス時間の上限としては、20秒が好ましく、10秒がより好ましい。上記熱プレス時間が上記下限に満たないと、電極同士の接合強度が不十分となるおそれがある。逆に、上記熱プレス時間が上記上限を超えると、電子部品の生産効率が低下するおそれや電子部品が劣化するおそれがある。
当該電子部品の製造方法は、上記第1接続工程後に錫めっき層5及び第2電子素子21の電極23を共晶接合する第2接続工程をさらに備えるので、プリント配線板1の電極11と第2電子素子21の電極23とを容易かつ確実に接合することができる。
[その他の実施形態]
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば当該電子部品の製造方法では、上記第1接続工程後に錫めっき層の外面に必ずしも上述の1又は複数の第1領域が形成されなくてもよい。
上記プリント配線板は、必ずしも可撓性を有するフレキシブルプリント配線板でなくてもよい。上記プリント配線板は、例えばベースフィルムの主成分として、紙フェノール、紙エポキシ、ガラスコンポジット、ガラスエポキシ、ガラス基材等の硬質材を用いたリジッドプリント配線板であってもよい。
上記錫めっき層は、第2ランド部の外面に積層される限り、必ずしも第2ランド部のベースフィルムと積層される側の面以外の全面に積層される必要はない。
上記熱処理工程は、ウィスカの生成を抑制するために行われる必要はない。また、上記熱処理工程は、複数回行われてもよく、例えばウィスカの生成を抑制するための第1熱処理工程、及びその他の目的で行われる第2熱処理工程を有していてもよい。さらに、上記熱処理工程は、上述の上記錫めっき層積層工程後に行われる限り、上記第1接続工程前に行われてもよく、第1接続工程後に行われてもよい。加えて、当該電子部品の製造方法は、上記錫めっき層積層工程前に、他の熱処理工程を有していてもよい。
上記第2接続工程で接続される電子素子は、上記プリント配線板の電極と電気的に接続される他の電極を有する限り、その具体的構成は上述の実施形態の構成に限定されるものではない。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[No.1]
(電子部品)
ポリイミドを主成分とする平均厚さ25μmのベースフィルムを用意し、このベースフィルムの表面に複数の第1ランド部及び複数の第2ランド部を有する銅箔製の導電パターンを積層した。上記複数の第2ランド部は、平均幅25μmの平面視直線状であり、隣接する第2ランド部の平均間隔を25μmとして並列に形成した。続いて、この第2ランド部の外面に無電解錫めっきを施すことで錫めっき層を積層し(錫めっき層積層工程)、プリント配線板を製造した。この錫めっき層は、第2ランド部のベースフィルムとの積層面以外の全面に積層した。さらに、このプリント配線板の第1ランド部と電子素子とをリフロー半田付けによって接続することで(リフロー半田付け工程)、No.1の電子部品を製造した。この電子部品の錫めっき層の外面には、図4に示すように、錫−銅合金によって形成される複数の第1領域及び合金化していない錫によって形成される1つの第2領域が形成されており、複数の第1領域が第2領域中に点在する海島構造が形成されていた。また、複数の第1領域は第2領域中に略等密度で配置されていた。No.1の電子部品の錫めっき層の平均厚さ、錫めっき層の外面からの第2領域の平均厚さ、リフロー条件及び錫めっき層の外面の300μmの単位面積における最大面積を有する1つの第1領域の占有面積率を表1に示す。なお、錫めっき層の平均厚さ、錫めっき層の外面からの第2領域の平均厚さ及び錫めっき層の外面の300μmの単位面積における最大面積を有する1つの第1領域の占有面積率は以下の測定方法によって測定した。
<錫めっき層の平均厚さ>
錫めっき層の平均厚さは、蛍光X線分析装置(株式会社日立ハイテクサイエンス製の「SFT9300」を用いて測定した。
<錫めっき層の外面からの第2領域の平均厚さ>
錫めっき層の外面からの第2領域の平均厚さは、電解式膜厚計(株式会社電測製の「GCT−311」)を用いて測定した。
<錫めっき層の外面の300μmの単位面積における最大面積を有する1つの第1領域の占有面積率>
エネルギー分散型X線(EDX)分析装置(BRUKER社製の「QUANTAX FlatQUAD」)を用いて、錫めっき層の外面について倍率5000倍で撮像したうえ、対向する2辺が第2ランド部の長手方向及び幅方と平行に延びる300μmの正方形領域を設定し、この正方形領域内における最大面積を有する1つの第1領域の占有面積率を測定した。
[No.2]
第2ランド部の外面への錫めっき層の積層後、かつリフロー半田付けの前に表1の条件でウィスカの生成を抑制するための熱処理を行った(熱処理工程)以外はNo.1と同様の手順でNo.2の電子部品を製造した。得られた電子部品の錫めっき層の外面には、錫−銅合金によって形成される複数の第1領域及び合金化していない錫によって形成される1つの第2領域が形成されており、複数の第1領域が第2領域中に点在する海島構造が形成されていた。また、複数の第1領域は第2領域中に略等密度で配置されていた。No.2の電子部品の錫めっき層の平均厚さ、錫めっき層の外面からの第2領域の平均厚さ、ウィスカの生成を抑制するための熱処理条件、リフロー条件及び錫めっき層の外面の300μmの単位面積における最大面積を有する1つの第1領域の占有面積率を表1に示す。
[No.3]
リフロー半田付け回数を変えた以外はNo.2と同様の手順でNo.3の電子部品を製造した。得られた電子部品の錫めっき層の外面には、錫−銅合金によって形成される複数の第1領域及び合金化していない錫によって形成される1つの第2領域が形成されており、複数の第1領域が第2領域中に点在する海島構造が形成されていた。また、複数の第1領域は第2領域中に略等密度で配置されていた。No.3の電子部品の錫めっき層の平均厚さ、錫めっき層の外面からの第2領域の平均厚さ、ウィスカの生成を抑制するための熱処理条件、リフロー条件及び錫めっき層の外面の300μmの単位面積における最大面積を有する1つの第1領域の占有面積率を表1に示す。
[No.4]
リフロー半田付け回数を変えた以外はNo.2と同様の手順でNo.4の電子部品を製造した。得られた電子部品の錫めっき層の外面には、錫−銅合金によって形成される複数の第1領域及び合金化していない錫によって形成される1つの第2領域が形成されており、複数の第1領域が第2領域中に点在する海島構造が形成されていた。また、複数の第1領域は第2領域中に略等密度で配置されていた。No.4の電子部品の錫めっき層の平均厚さ、錫めっき層の外面からの第2領域の平均厚さ、ウィスカの生成を抑制するための熱処理条件、リフロー条件及び錫めっき層の外面の300μmの単位面積における最大面積を有する1つの第1領域の占有面積率を表1に示す。
[No.5]
リフロー半田付け回数を変えた以外はNo.2と同様の手順でNo.5の電子部品を製造した。得られた電子部品の錫めっき層の外面には、錫−銅合金によって形成される複数の第1領域及び合金化していない錫によって形成される1つの第2領域が設けられており、複数の第1領域が第2領域中に点在する海島構造が形成されていた。また、複数の第1領域は第2領域中に略等密度で配置されていた。No.5の電子部品の錫めっき層の平均厚さ、錫めっき層の外面からの第2領域の平均厚さ、ウィスカの生成を抑制するための熱処理条件、リフロー条件及び錫めっき層の外面の300μmの単位面積における最大面積を有する1つの第1領域の占有面積率を表1に示す。
[No.6]
No.2と同様の手順でNo.6の電子部品を製造した。得られた電子部品の錫めっき層の外面の全面には、錫−銅合金からなる第1領域が形成されており、上述の第2領域は全く形成されていなかった。No.6の電子部品の錫めっき層の平均厚さ、錫めっき層の外面からの第2領域の平均厚さ、ウィスカの生成を抑制するための熱処理条件、リフロー条件及び錫めっき層の外面の300μmの単位面積における最大面積を有する1つの第1領域の占有面積率を表1に示す。
[No.7]
リフロー半田付け温度を変えた以外はNo.2と同様の手順でNo.7の電子部品を製造した。得られた電子部品の錫めっき層の外面には、錫−銅合金によって形成される1つの第1領域及び合金化していない錫によって形成される複数の第2領域が形成されており、複数の第2領域が第1領域中に点在する海島構造が形成されていた。No.7の電子部品の錫めっき層の平均厚さ、錫めっき層の外面からの第2領域の平均厚さ、ウィスカの生成を抑制するための熱処理条件、リフロー条件及び錫めっき層の外面の300μmの単位面積における最大面積を有する1つの第1領域の占有面積率を表1に示す。
[No.8]
リフロー半田付け回数を変えた以外はNo.7と同様の手順でNo.8の電子部品を製造した。得られた電子部品の錫めっき層の外面の全面には、錫−銅合金からなる第1領域が形成されており、上述の第2領域は全く形成されていなかった。No.8の電子部品の錫めっき層の平均厚さ、錫めっき層の外面からの第2領域の平均厚さ、ウィスカの生成を抑制するための熱処理条件、リフロー条件及び錫めっき層の外面の300μmの単位面積における最大面積を有する1つの第1領域の占有面積率を表1に示す。
[No.9]
No.7と同様の手順でNo.9の電子部品を製造した。得られた電子部品の錫めっき層の外面には、図9に示すように、錫−銅合金によって形成される1つの第1領域41及び合金化していない錫によって形成される複数の第2領域42が形成されており、複数の第2領域42が第1領域41中に点在する海島構造が形成されていた。また、複数の第2領域42は偏在しており、錫めっき層の外面には部分的に第2領域42の占有面積率の低い部分が形成されていた。No.9の電子部品の錫めっき層の平均厚さ、錫めっき層の外面からの第2領域の平均厚さ、ウィスカの生成を抑制するための熱処理条件、リフロー条件及び錫めっき層の外面の300μmの単位面積における最大面積を有する1つの第1領域の占有面積率を表1に示す。
[No.10]
リフロー半田付け回数を変えた以外はNo.9と同様の手順でNo.10の電子部品を製造した。得られた電子部品の錫めっき層の外面には、No.9と同様、錫−銅合金によって形成される1つの第1領域及び合金化していない錫によって形成される複数の第2領域が形成されており、複数の第2領域が第1領域中に点在する海島構造が形成されていた。また、複数の第2領域は偏在しており、錫めっき層の外面には部分的に第2領域の占有面積率の低い部分が形成されていた。No.10の電子部品の錫めっき層の平均厚さ、錫めっき層の外面からの第2領域の平均厚さ、ウィスカの生成を抑制するための熱処理条件、リフロー条件及び錫めっき層の外面の300μmの単位面積における最大面積を有する1つの第1領域の占有面積率を表1に示す。
Figure 2019096808
[品質評価]
(試験材)
シリコンを主成分とする平均厚さ200μmの基板の表面に、平均厚さ30μm、かつ平均幅25μmの平面視直線状の金箔製の電極を平均幅25μmで並列に積層し、電子素子を模した試験材を製造した。
No.1〜No.10の電子部品の第2ランド部及び錫めっき層によって形成される電極及び上記試験材の電極を対向させ、プレス温度400℃、圧力20MPaG、プレス時間5秒の条件で熱プレスすることでNo.1〜No.10の電子部品の電極と上記試験材の電極とを接続した(第2接続工程)。
<共晶結合の有無>
No.1〜No.10について、プリント配線板及び上記試験材の電極同士の対向方向と平行な接合部の任意の10箇所の断面を、エネルギー分散型X線(EDX)分析装置(BRUKER社製の「QUANTAX FlatQUAD」)を用いて倍率5000倍で撮像し、Au−Sn共晶結合の有無を観察し、以下の基準で評価した。この評価結果を表2に示す。なお、表2では10箇所の測定断面のうち、評価Aであった個数(断面数)、及び評価Bであった個数(断面数)を記載している。
A:Au−Sn共晶結合が形成されている。
B:Au−Sn共晶結合が形成されていない。
Figure 2019096808
[評価結果]
表2に示すように、錫めっき層の平均厚さが0.6μm以上で、かつ第1接続工程におけるリフローピーク温度が270℃以下であるNo.1〜No.5の電子部品は、錫めっき層の外面において複数の第1領域が第2領域中に略等密度で配置されており、かつ錫めっき層の外面からの第2領域の平均厚さが0.4μm以下であり、プリント配線板の電極及び試験材の電極が共晶接合されている。これにより、錫めっき層の平均厚さ及び第1接続工程におけるリフローピーク温度が適切に制御される場合、第1接続工程の回数や、この第1接続工程におけるリフローピーク温度以下の熱処理工程の有無に関わらず、プリント配線板の電極及び試験材の電極が共晶接合することが分かる。
これに対し、No.6の電子部品は、錫めっき層の平均厚さが小さ過ぎるため、第1接続工程におけるリフローピーク温度が260℃であっても、錫めっき層の外面の全面が合金化している。また、No.7、No.8の電子部品は、第1接続工程におけるリフローピーク温度が280℃と高過ぎるため、錫めっき層の平均厚さが1.0μmであっても、錫めっき層の外面のほぼ全面が合金化している。その結果、No.6及びNo.7、No.8の電子部品は、プリント配線板の電極及び試験材の電極が共晶接合していない。
さらに、No.9及びNo.10の電子部品は、第1接続工程におけるリフローピーク温度が280℃と高過ぎるため、錫めっき層の平均厚さを1.5μmと比較的大きくしても、錫めっき層の外面において第2領域が散点的に偏在している。その結果、No.9及びNo.10の電子部品は、プリント配線板の電極と試験材の電極とが十分に共晶接合していない。
以上のように、本発明に係る電子部品の製造方法は、プリント配線板の錫めっき層と電子素子の電極との接合強度を十分に高めることができるので、プリント配線板にICチップが実装するのに適している。
1 プリント配線板
2 ベースフィルム
3 導電パターン
3a 第1ランド部
3b 第2ランド部
4 第1電子素子
5 錫めっき層
6 カバーレイ
7 半田層
11 電極
12,41 第1領域
13,42 第2領域
21 第2電子素子
22 本体
23 電極
32 接合部

Claims (5)

  1. 絶縁性を有するベースフィルムと、このベースフィルムに積層され、第1ランド部及び第2ランド部を有する導電パターンとを有するプリント配線板と、上記第1ランド部に電気的に接続される電子素子とを備える電子部品の製造方法であって、
    上記第2ランド部の外面に錫めっき層を積層する錫めっき層積層工程と、
    上記錫めっき層積層工程後に、上記第1ランド部及び上記電子素子をリフロー半田付けする第1接続工程と
    を備え、
    上記錫めっき層の平均厚さが0.6μm以上であり、
    上記第1接続工程におけるリフローピーク温度が270℃以下である電子部品の製造方法。
  2. 上記第1接続工程後における上記錫めっき層の外面に、錫合金によって形成される1又は複数の第1領域及び合金化していない錫によって形成される1又は複数の第2領域が形成される請求項1に記載の電子部品の製造方法。
  3. 上記錫めっき層の外面からの上記1又は複数の第2領域の平均厚さが0.4μm以下である請求項2に記載の電子部品の製造方法。
  4. 上記導電パターンの主成分が銅である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の電子部品の製造方法。
  5. 上記第1接続工程後に上記錫めっき層及び他の電子素子の電極を共晶接合する第2接続工程をさらに備える請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電子部品の製造方法。
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