JP2019176101A - 多層フレキシブルプリント配線板、多層フレキシブルプリント配線板の製法方法、接続体及び接続体の製造方法 - Google Patents

多層フレキシブルプリント配線板、多層フレキシブルプリント配線板の製法方法、接続体及び接続体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、電子部品の実装領域で、表面が厚さ方向に膨れあがる基板膨れが発生し難い多層フレキシブルプリント配線板の提供を目的とする。【解決手段】本発明の一態様に係る多層フレキシブルプリント配線板は、絶縁性を有するベースフィルムと導電層とを交互に備え、少なくとも一方の面側の最表層が導電層である多層フレキシブルプリント配線板であって、上記最表層の導電層が、複数の電極を有する電子部品を接続するための実装領域と、上記実装領域に配設され、少なくとも上記最表層の導電層と接するベースフィルムを貫通する複数のスルーホールとを有し、上記複数のスルーホールの上記最表層側の孔径が20μm超40μm以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、多層フレキシブルプリント配線板、多層フレキシブルプリント配線板の製法方法、接続体及び接続体の製造方法に関する。
近年、電子機器の小型軽量化に伴い、可撓性を有しコンパクトに実装できるフレキシブルプリント配線板が注目されている。
このフレキシブルプリント配線板に実装される他の電子部品についても、小型化が進んでいる。このような小型の電子部品では、電極の狭ピッチ多極化が必要とされ、例えばフリップチップのように多数の突起状電極を格子状に配列した構成の電極(バンプ)が採用される場合がある(例えば特開2001−28381号公報参照)。
バンプは、狭ピッチで格子状に配列されるため、1層の配線で全バンプにアクセスすることが難しい。このためバンプを有する電子部品を実装するフレキシブルプリント配線板では、バンプにアクセスする配線は多層化され、電子部品の実装領域内でスルーホールを経て個々のバンプにアクセスする構成が取られている。
特開2001−28381号公報
ところで、バンプを有する電子部品は、電子部品のバンプやフレキシブルプリント配線板の電子部品の実装領域を予め加熱した後、フレキシブルプリント配線板に当接させながら押圧して密着させつつ冷却することで接合される。このようにバンプを加熱接合させる際に、フレキシブルプリント配線板の実装領域で、その表面が厚さ方向に膨れあがる基板膨れが発生し、製造不良となる場合がある。
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、電子部品の実装領域で、表面が厚さ方向に膨れあがる基板膨れが発生し難い多層フレキシブルプリント配線板及び多層フレキシブルプリント配線板の製法方法の提供並びにこの多層フレキシブルプリント配線板を用いた接続体及び接続体の製造方法の提供を目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様に係る多層フレキシブルプリント配線板は、絶縁性を有するベースフィルムと導電層とを交互に備え、少なくとも一方の面側の最表層が導電層である多層フレキシブルプリント配線板であって、上記最表層の導電層が、複数の電極を有する電子部品を接続するための実装領域と、上記実装領域に配設され、少なくとも上記最表層の導電層と接するベースフィルムを貫通する複数のスルーホールとを有し、上記複数のスルーホールの上記最表層側の孔径が20μm超40μm以下である。
上記課題を解決するためになされた本発明の別の一態様に係る多層フレキシブルプリント配線板の製造方法は、絶縁性を有するベースフィルムと導電層とを交互に備え、少なくとも一方の面側の最表層が導電層である多層フレキシブルプリント配線板の製造方法であって、ベースフィルムの少なくとも一方の面に導電層が積層された複数の基板を準備する工程と、上記複数の基板を接着層を介して積層する工程とを備え、上記最表層の導電層が、複数の電極を有する電子部品を接続するための実装領域と、上記実装領域に配設され、少なくとも上記最表層の導電層と接するベースフィルムを貫通する複数のスルーホールとを有し、上記基板準備工程で、上記複数のスルーホールの上記最表層側の孔径を20μm超40μm以下とする。
上記課題を解決するためになされた本発明のさらに別の一態様に係る接続体は、本発明の多層フレキシブルプリント配線板と、上記複数の接続端子に電気的に接続される複数の電極を有する電子部品との接続体であって、上記多層フレキシブルプリント配線板の接続端子及び上記電子部品の電極が上記低融点金属層由来の合金で接合されている。
上記課題を解決するためになされた本発明のさらに別の一態様に係る接続体の製造方法は、本発明の多層フレキシブルプリント配線板と、上記複数の接続端子に電気的に接続される複数の電極を有する電子部品との接続体の製造方法であって、上記多層フレキシブルプリント配線板及び電子部品を熱プレスする工程を備える。
本発明の多層フレキシブルプリント配線板及び本発明の多層フレキシブルプリント配線板の製法方法により製造された多層フレキシブルプリント配線板並びに本発明の接続体及び本発明の接続体の製造方法により製造された接続体は、電子部品の実装領域で、表面が厚さ方向に膨れあがる基板膨れが発生し難い。
図1は、本発明の一実施形態に係る多層フレキシブルプリント配線板の模式的部分平面図である。 図2は、図1のA−A線での模式的断面図である。 図3は、本発明の一実施形態に係る多層フレキシブルプリント配線板の製法方法を示すフロー図である。 図4は、基板準備工程で準備される基板を示す模式的断面図である。 図5は、本発明の一実施形態に係る接続体の模式的断面図である。 図6は、図5をB方向から見た模式的部分側面図である。 図7は、図2の多層フレキシブルプリント配線板を用いた接続体の製造方法の熱プレス工程を示す模式的部分断面図である。
[本発明の実施形態の説明]
本発明者らが、電子部品の実装領域で表面が厚さ方向に膨れあがる基板膨れについて鋭意検討した結果、ベースフィルムの表面に導電層が積層された基板を貼り合わせた際に、実装領域のスルーホール直下に空気が閉じ込められていることを知得した。この閉じ込められた空気が、電子部品実装時の熱により膨張し、基板膨れを発生させていると考えられる。そして、本発明者らは、空気が閉じ込められてしまう原因が、微細化されたスルーホールの最表層側が導電層により塞がっていることにあることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の一態様に係る多層フレキシブルプリント配線板は、絶縁性を有するベースフィルムと導電層とを交互に備え、少なくとも一方の面側の最表層が導電層である多層フレキシブルプリント配線板であって、上記最表層の導電層が、複数の電極を有する電子部品を接続するための実装領域と、上記実装領域に配設され、少なくとも上記最表層の導電層と接するベースフィルムを貫通する複数のスルーホールとを有し、上記複数のスルーホールの上記最表層側の孔径が20μm超40μm以下である。
当該多層フレキシブルプリント配線板は、実装領域に配設されるスルーホールの最表層側の孔径を上記範囲内とするので、高密度実装を維持しつつ、スルーホールの最表層側が導電層により塞がってしまうことを防止できる。このため、当該多層フレキシブルプリント配線板は、実装領域のスルーホール直下に空気が閉じ込められ難くなるため、基板膨れを抑止することができる。
上記複数のスルーホールの上記最表層側とは反対側の孔径としては、8μm以上20μm以下が好ましい。スルーホールは、例えばレーザを用いて容易に形成できるが、その形状は円錐台状となる。そこで、スルーホールの最表層側とは反対側の孔径を、最表層側よりも小さい上記範囲内とすることで、スルーホールを介した電気的接続を維持しつつ、スルーホールを容易に形成することができる。
上記複数のスルーホールの上記最表側の孔径に対する上記最表層側とは反対側の孔径の比としては、0.4以上0.8以下が好ましい。上記スルーホールの孔径比を上記範囲内とすることで、スルーホールを容易に形成できると共に実装密度を高めることができる。
上記最表層の導電層が、上記実装領域に上記電子部品の電極と接続するための複数の接続端子を有するとよく、上記複数の接続端子中心間の最短距離としては、25μm以上60μm以下が好ましい。このように中心間の最短距離が上記範囲内である複数の接続端子を実装領域に有することで、狭ピッチで多数のバンプ電極を有する電子部品に好適に対応できる。
上記最表層の導電層の接続端子部分が、表面に低融点金属層を有するとよい。このように上記最表層の導電層の接続端子部分が、表面に低融点金属層を有することで、電子部品との熱プレスにより上記接続端子及び電子部品の電極が合金で接合されるので、容易かつ確実に電子部品と電気的に接続することができる。
本発明の別の一態様に係る多層フレキシブルプリント配線板の製法方法は、絶縁性を有するベースフィルムと導電層とを交互に備え、少なくとも一方の面側の最表層が導電層である多層フレキシブルプリント配線板の製造方法であって、ベースフィルムの少なくとも一方の面に導電層が積層された複数の基板を準備する工程と、上記複数の基板を接着層を介して積層する工程とを備え、上記最表層の導電層が、複数の電極を有する電子部品を接続するための実装領域と、上記実装領域に配設され、少なくとも上記最表層の導電層と接するベースフィルムを貫通する複数のスルーホールとを有し、上記基板準備工程で、上記複数のスルーホールの上記最表層側の孔径を20μm超40μm以下とする。
当該多層フレキシブルプリント配線板の製造方法では、上記基板準備工程で、実装領域に配設されるスルーホールの最表層側の孔径が上記範囲内となるように複数の基板を準備する。従って、当該多層フレキシブルプリント配線板の製造方法により製造される多層フレキシブルプリント配線板は、高密度実装を維持しつつ、スルーホールの最表層側が導電層により塞がってしまうことを防止できる。このため、上記多層フレキシブルプリント配線板は、実装領域のスルーホール直下に空気が閉じ込められ難くなるため、基板膨れを抑止することができる。
上記課題を解決するためになされた本発明のさらに別の一態様に係る接続体は、本発明の多層フレキシブルプリント配線板と、上記複数の接続端子に電気的に接続される複数の電極を有する電子部品との接続体であって、上記多層フレキシブルプリント配線板の接続端子及び上記電子部品の電極が上記低融点金属層由来の合金で接合されている。
当該接続体は、本発明の多層フレキシブルプリント配線板を有するので、その製造時に基板膨れが発生することを抑止できる。また、本発明の多層フレキシブルプリント配線板の接続端子及び電子部品の電極が合金で接合されているので、接続端子及び電極間の接合強度が十分に高い。
上記課題を解決するためになされた本発明のさらに別の一態様に係る接続体の製造方法は、本発明の多層フレキシブルプリント配線板と、上記複数の接続端子に電気的に接続される複数の電極を有する電子部品との接続体の製造方法であって、上記多層フレキシブルプリント配線板及び電子部品を熱プレスする工程を備える。
当該接続体の製造方法では、本発明の多層フレキシブルプリント配線板を用いるので、熱プレス時に基板膨れが発生することを抑止できる。また、当該接続体の製造方法では、熱プレスにより接続端子表面の低融点金属層が電子部品の電極と合金化して接合されるので、接続端子及び電極間の接合強度が十分に高い。
ここで、「スルーホールの孔径」とは、ベースフィルムに開けられている孔の直径、すなわち導電層を除外した孔の直径を指す。また、「低融点金属層」とは、導電層よりも融点の低い金属を主成分とする層をいう。なお、「主成分」とは、最も含有量の多い成分をいい、例えば含有量が50質量%以上の成分をいう。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、本発明に係る多層フレキシブルプリント配線板、多層フレキシブルプリント配線板の製法方法、接続体及び接続体の製造方法について図面を参照しつつ詳説する。
[多層フレキシブルプリント配線板]
図1及び図2に示す多層フレキシブルプリント配線板は、絶縁性を有するベースフィルム1と導電層2とを交互に備え、一方の面側の最表層が第1導電層2aである。当該多層フレキシブルプリント配線板は、最表層の第1導電層2aが、複数の電極を有する電子部品を接続するための実装領域3と、実装領域3に配設され、最表層の第1導電層2aと接する第1ベースフィルム1aを貫通する複数のスルーホール4とを有する。この複数のスルーホール4の上記最表層側の孔径は、20μm超40μm以下である。
当該多層フレキシブルプリント配線板は、実装領域3に配設されるスルーホール4の最表層側の孔径を上記範囲内とするので、高密度実装を維持しつつ、スルーホール4の最表層側が導電層2により塞がってしまうことを防止できる。このため、当該多層フレキシブルプリント配線板は、実装領域3のスルーホール4直下に空気が閉じ込められ難くなるため、基板膨れを抑止することができる。
図1及び図2に示す当該多層フレキシブルプリント配線板の具体的な構成をさらに説明すると、当該多層フレキシブルプリント配線板は、第1ベースフィルム1aの他方の面側(第1導電層2aとは反対の面側)に第2導電層2bを備え、さらに接着層5を介して第2ベースフィルム1bと、その裏面側に第3導電層2cとを備える。また、当該多層フレキシブルプリント配線板は、第1導電層2aとは反対の面に接着層5を介して積層されるカバーレイ6を備える。
<ベースフィルム>
ベースフィルム1は、絶縁性及び可撓性を有するシート状部材から構成される。このベースフィルム1としては、特に限定されないが、例えば樹脂フィルムを採用可能である。この樹脂フィルムの材料としては、例えばエポキシ、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレートなどが好適に用いられる。
ベースフィルム1の平均厚さは特に限定されるものではないが、ベースフィルム1の平均厚さの下限としては、5μmが好ましく、10μmがより好ましい。また、ベースフィルム1の平均厚さの上限としては、300μmが好ましく、50μmがより好ましい。ベースフィルム1の平均厚さが上記下限未満であると、ベースフィルム1の強度が不十分となるおそれがある。一方、ベースフィルム1の平均厚さが上記上限を超えると、可撓性が不十分となるおそれがある。
<導電層>
導電層2は、電気配線構造、グラウンド、シールドなどの構造を構成するものである。
導電層2を形成する材料としては、導電性を有する材料であれば特に限定されないが、例えば銅、アルミニウム、ニッケル等の金属が挙げられ、一般的には比較的安価で導電率が大きい銅が用いられる。
導電層2の平均厚さの下限としては、2μmが好ましく、5μmがより好ましい。一方、導電層2の平均厚さの上限としては、50μmが好ましく、40μmがより好ましい。導電層2の平均厚さが上記下限未満であると、導電層2の導電性が不十分となるおそれがある。逆に、導電層2の平均厚さが上記上限を超えると、当該フレキシブルプリント配線板が不必要に厚くなるおそれがある。
<接着層>
接着層5は、第1ベースフィルム1a及び第2導電層2bと、第2ベースフィルム1bとの間、並びに第2ベースフィルム1b及び第3導電層2cと、カバーレイ6との間を接着する。
接着層5に使用する接着剤としては、柔軟性や耐熱性に優れたものが好ましく、例えばエポキシ、ブチラール、アクリル等を主成分とする接着剤が挙げられる。また、耐熱性の点において、接着剤の主成分は、熱硬化性樹脂が好ましい。
接着層5の平均厚さは、特に限定されるものではないが、接着層5の平均厚さの下限としては、例えば5μmが好ましく、10μmがより好ましい。一方、接着層5の平均厚さの上限としては、例えば100μmが好ましく、80μmがより好ましい。接着層5の平均厚さが上記下限未満であると、接着性が不十分となるおそれがある。逆に、接着層5の平均厚さが上記上限を超えると、当該フレキシブルプリント配線板の可撓性が損なわれるおそれがある。
<カバーレイ>
カバーレイ6は、導電層2を外力や水分等から保護するものである。
カバーレイ6の材質としては、特に制限されるものではないが、例えばベースフィルム1を構成する樹脂と同様のものを用いることができる。
カバーレイ6の平均厚さの下限としては、5μmが好ましく、10μmがより好ましい。一方、カバーレイ6の平均厚さの上限としては、50μmが好ましく、30μmがより好ましい。カバーレイ6の平均厚さが上記下限未満であると、絶縁性が不十分となるおそれがある。逆に、カバーレイ6の平均厚さが上記上限を超えると、当該フレキシブルプリント配線板の可撓性が損なわれるおそれがある。
<実装領域>
実装領域3は、上述のように複数の電極を有する電子部品を接続するための領域である。最表層の第1導電層2aは、この実装領域3に上記電子部品の電極と接続するための複数の接続端子7と、この接続端子7へそれぞれ接続される複数の配線8とを有する。
また、最表層の第1導電層2aの接続端子部分は、表面に低融点金属層7aを有する。このように最表層の第1導電層2aの接続端子部分が、表面に低融点金属層7aを有することで、電子部品との熱プレスにより接続端子7及び電子部品の電極が合金で接合されるので、容易かつ確実に電子部品と電気的に接続することができる。
(接続端子)
接続端子7の平面視での形状は、特に限定されず、図1に示すような方形状や円形状とされる。また、上記接続端子7の大きさは、接続する電子部品の電極の大きさにより適宜決定される。
複数の接続端子7の配列は、電子部品の複数の電極の位置に対応して決定されるが、例えば図1に示すようにアレイ状とできる。
接続端子7の表面に積層されている低融点金属層7aは、例えば本体3aの表面への錫(Sn)を主成分とするめっきによって形成されるめっき層である。低融点金属層7aは、少なくとも接続端子7の表面に積層されていればよいが、電子部品との接合強度を十分に高める点からは、図2に示すように接続端子7の側面にも積層されていることが好ましい。また、図2では低融点金属層7aは、接続端子7のみに積層されているが、第1導電層2a全体に積層されてもよい。
低融点金属層7aは、接続端子7の表面に略均一な厚さで形成されている。低融点金属層7aの平均厚さの下限としては、0.05μmが好ましく、0.10μmがより好ましい。一方、低融点金属層7aの平均厚さの上限としては、5.0μmが好ましく、2.0μmがより好ましい。上記平均厚さが上記下限未満であると、電子部品の電極との接合強度が不十分となるおそれがある。逆に、上記平均厚さが上記上限を超えると、低融点金属の量が不要に多くなり、電子部品との接合状態で隣接する電極同士が短絡するおそれがある。
低融点金属層7aの融点の上限としては、500℃が好ましく、470℃がより好ましい。低融点金属層7aの融点が上記上限を超えると、接続端子7及び電子部品の電極間で合金を形成するための温度が高くなるため、当該多層フレキシブルプリント配線板が劣化するおそれがある。一方、低融点金属層7aの融点の下限としては、特に限定されないが、取扱い性の点から、250℃が好ましい。
複数の接続端子7の中心間の最短距離の下限としては、25μmが好ましく、30μmがより好ましい。一方、上記最短距離の上限としては、60μmが好ましく、55μmがより好ましい。上記最短距離が上記下限未満であると、配線8を接続端子7へ接続することが困難となるおそれがある。逆に、上記最短距離が上記上限を超えると、例えば狭ピッチで多数のバンプ電極を有する電子部品を実装することができず、高密度実装の要求に反するおそれがある。
複数の接続端子7へそれぞれ接続される複数の配線8は、この実装領域3に接続される電子部品と、他の電子部品等を電気的に接続するための配線であり、実装領域3の外部から配線される。この複数の配線8は、その一部又は全部が実装領域3内でスルーホール4を介して配線されることで、実装密度が向上されている。
(スルーホール)
スルーホール4は、ベースフィルム1の表面側の導電層2と裏面側の導電層2とを接続するためにベースフィルム1を貫通する平面視で円形状の孔であり、その表面には導電層2が積層される。
実装領域3に配設され、最表層の第1導電層2aと接する第1ベースフィルム1aを貫通する複数のスルーホール4の最表層側の孔径(図2のD1)は、20μm超であり、22μm超がより好ましい。一方、上記スルーホール4の最表層側の孔径D1の上限としては、40μmであり、35μmがより好ましい。上記スルーホール4の最表層側の孔径D1が上記下限以下であると、スルーホール4の最表層側が導電層2により塞がり、基板膨れが発生し易くなるおそれがある。逆に、上記スルーホール4の最表層側の孔径D1が上記上限を超えると、隣接するスルーホール4の間隔を十分に縮めることができず、高密度実装の要求に反するおそれがある。なお、実装領域3以外にもスルーホールが設けられることがあるが、実装領域3以外のスルーホールについては、この限りではなく、スルーホールの最表層側の孔径が20μm以下、あるいは40μm超となってもよい。
このスルーホール4は、例えばレーザを用いて容易かつ安価に形成することができるが、このようにして形成されたスルーホール4は、円錐台状となる。つまり、スルーホール4は、その両端で孔径が異なる。当該多層フレキシブルプリント配線板では、複数のスルーホール4の上記最表層側とは反対側の孔径(上記スルーホール4の裏面側の孔径で、図2のD2)が、最表層側の孔径D1(以下、「表面側の孔径D1」ともいう)よりも小さいことが好ましい。上述のようにスルーホール4の最表層側が導電層2により塞がることを抑止するためには、上記スルーホール4の表面側の孔径D1は上記下限超とする必要があるが、上記スルーホール4の裏面側の孔径D2にはこのような制約はなく、上記下限以下とすることも可能である。従って、このように上記スルーホール4の裏面側の孔径D2を表面側の孔径D1よりも小さくすることで、上記スルーホール4の最表層側が導電層2により塞がってしまうことを防止しつつ、さらに実装密度を高めることができる。
上記スルーホール4の裏面側の孔径D2の下限としては、8μmが好ましく、9μmがより好ましい。一方、上記スルーホール4の裏面側の孔径D2の上限としては、20μmが好ましく、18μmがより好ましい。上記スルーホール4の裏面側の孔径D2が上記下限未満であると、ベースフィルム1の表面側の導電層2と裏面側の導電層2とのスルーホール4を介した電気的接続が不十分となるおそれがある。逆に、上記スルーホール4の裏面側の孔径D2が上記上限を超えると、表面側の孔径D1はこの裏面側の孔径D2よりさらに大きくなるため、高密度実装の要求に反するおそれがある。
上記複数のスルーホール4の上記最表側の孔径D1に対する上記最表層側とは反対側の孔径D2の比(D2/D1)の下限としては、0.4が好ましく、0.45がより好ましい。一方、上記D2/D1の上限としては、0.8が好ましく、0.75がより好ましい。上記D2/D1が上記下限未満であると、スルーホール4の裏面側の孔径D2が小さくなりベースフィルム1の表面側の導電層2と裏面側の導電層2とのスルーホール4を介した電気的接続が不十分となるか、表面側の孔径D1が大きくなり過ぎ高密度実装の要求に反するかのいずれかとなるおそれがある。逆に、上記D2/D1が上記上限を超えると、上記スルーホール4を例えばレーザを用いて形成することが困難となり、製造コストが上昇するおそれがある。
[多層フレキシブルプリント配線板の製造方法]
本発明の別の一態様に係る多層フレキシブルプリント配線板の製造方法は、図1及び図2に示す絶縁性を有するベースフィルム1と導電層2とを交互に備え、一方の面側の最表層が導電層2である多層フレキシブルプリント配線板の製造方法である。当該多層フレキシブルプリント配線板の製造方法は、図3に示すように、ベースフィルム1の少なくとも一方の面に導電層2が積層された複数の基板を準備する工程(基板準備工程S1)と、上記複数の基板を接着層5を介して積層する工程(積層工程S2)と、積層工程S2で得られた積層体の上記最表層側とは反対側の面にカバーレイ6を積層する工程(カバーレイ積層工程S3)とを備え、上記最表層の導電層2が、複数の電極を有する電子部品を接続するための実装領域3と、実装領域3に配設され、上記最表層の導電層2と接するベースフィルム1を貫通する複数のスルーホール4とを有し、基板準備工程S1で、上記複数のスルーホール4の上記最表層側の孔径D1を20μm超40μm以下とする。
当該多層フレキシブルプリント配線板の製造方法では、基板準備工程S1で、実装領域3に配設されるスルーホール4の最表層側の孔径D1が上記範囲内となるように複数の基板を準備する。従って、当該多層フレキシブルプリント配線板の製造方法により製造される多層フレキシブルプリント配線板は、高密度実装を維持しつつ、上記スルーホール4の最表層側が導電層2により塞がってしまうことを防止できる。このため、上記多層フレキシブルプリント配線板は、実装領域3のスルーホール4直下に空気が閉じ込められ難くなるため、基板膨れを抑止することができる。
<基板準備工程>
基板準備工程S1では、ベースフィルム1の少なくとも一方の面に導電層2が積層された複数の基板を準備する。
図1及び図2に示す多層フレキシブルプリント配線板を製造する場合であれば、図4に示す第1基板9及び第2基板10が準備される。ここで、第1基板9は、製造される多層フレキシブルプリント配線板の第1ベースフィルム1aと、この第1ベースフィルム1aの一方の面に積層される第1導電層2aと、この第1ベースフィルム1aの他方の面に積層される第2導電層2bとを有する。また、第2基板10は製造される多層フレキシブルプリント配線板の第2ベースフィルム1bと、この第2ベースフィルム1bの一方の面に積層される第3導電層2cとを有する。
このような基板は、以下の手順により準備することができる。
まず、ベースフィルム1の一方の面にシード層を形成する。
シード層は、例えば接着剤を用いて箔状の導体をベースフィルム1に接着することにより、あるいは公知の成膜手法により形成できる。導体としては、例えば、銅、銀、金、ニッケル等が挙げられる。接着剤としては、ベースフィルム1に導体を接着できるものであれば特に制限はなく、公知の種々のものを使用することができる。成膜手法としては、例えば蒸着、めっき等が挙げられる。導体層は、ポリイミド接着剤を用いて銅箔をベースフィルム1に接着して形成することが好ましい。
次に、このシード層をパターニングして導電層2を形成する。
シード層のパターニングは、公知の方法、例えばフォトエッチングにより行うことができる。フォトエッチングは、シード層の一方の面に所定のパターンを有するレジスト膜を形成した後に、レジスト膜から露出するシード層をエッチング液で処理し、レジスト膜を除去することにより行われる。
第1基板9のようにベースフィルム1の両面に導電層2が形成されている場合は、上述の手順を、片面ずつ行うとよい。
第1基板9は、多層フレキシブルプリント配線板の最表層となる第1導電層2aを有し、この第1導電層2aが複数の電極を有する電子部品を接続するための実装領域3と、実装領域3に配設され、第1導電層2aと接する第1ベースフィルム1aを貫通する複数のスルーホール4とを有する。また、第1基板9の第1導電層2aは、接続端子部分の表面に低融点金属層7aを有する。
低融点金属層7aは、例えば公知のめっき処理により第1導電層2aの表面に積層することができる。また、基板がスルーホール4を有する場合は、以下の手順により形成することができる。
まず、導電層2を積層する前のベースフィルム1に対して、スルーホール4を形成する位置にベースフィルム1を貫通する孔を開ける。この孔開けには、例えば出力3W以上5W以下のUVレーザ等のレーザを用いることができる。
この貫通孔の第1導電層2aを積層する面側の孔径(表面側の孔径)は、20μm超であり、22μm超がより好ましい。一方、上記貫通孔の表面側の孔径の上限としては、40μmであり、35μmがより好ましい。
レーザを用いて孔開けを行う場合、開けられた孔は、レーザを照射する側の孔径が大きい円錐台状となる。このため、レーザの照射は、第1導電層2aを積層する面側から行うことが好ましい。このようにレーザを照射することで、上記電子部品が接続される側である第1導電層2aを積層する面側の孔径を、その反対側の面である第2導電層2bが積層される面側の孔径よりも大きくすることができる。このように貫通孔を形成することで、製造された多層フレキシブルプリント配線板に電子部品を実装する際の基板膨れを防止しつつ、さらに実装密度を高めることができる。
レーザ照射を第1導電層2aが積層される側から行う場合、上記貫通孔の第2導電層2bが積層される面側の孔径(裏面側の孔径)の下限としては、8μmが好ましく、9μmがより好ましい。一方、上記貫通孔の裏面側の孔径の上限としては、20μmが好ましく、18μmがより好ましい。なお、貫通孔の孔径はレーザの出力や照射時間で調整することができる。
また、上記貫通孔の表面側の孔径に対する上記貫通孔の裏面側の孔径の比の下限としては、0.4が好ましく、0.45がより好ましい。一方、上記孔径の比の上限としては、0.8が好ましく、0.75がより好ましい。
次に、上述の手順で第1導電層2a及び第2導電層2bがベースフィルム1の両面に積層される。このとき、スルーホール4により接続されるべきパターンは、この貫通孔に隣接するように配設される。
第1導電層2a及び第2導電層2bを形成した後、上記貫通孔の側面と、上記貫通孔に隣接する第1導電層2a及び第2導電層2bとに、例えばSn等の金属めっきにより導電層2を積層し、第1導電層2a及び第2導電層2bを電気的に接続するスルーホール4を形成することができる。
<積層工程>
積層工程S2では、上記複数の基板を接着層5を介して積層する。
図1及び図2に示す多層フレキシブルプリント配線板を製造する場合であれば、第1基板9又は第2基板10あるいはその両方の接着面に接着剤を塗布し、貼り合わせることで第1基板9及び第2基板10を積層する。
接着剤を使用した基板の接着は、通常、熱圧着により行うことができる。熱圧着する際の温度及び圧力は、使用する接着剤の種類や組成等に応じて適宜決定すればよい。
<カバーレイ積層工程>
カバーレイ積層工程S3では、積層工程S2で得られた積層体の上記最表層側とは反対側の面にカバーレイ6を積層する。この工程は、積層工程S2と同様にして行うことができる。
[接続体]
図5及び図6に示す接続体は、本発明の多層フレキシブルプリント配線板11と、電子部品12との接続体である。電子部品12は、基板13と、基板13に積層され、多層フレキシブルプリント配線板11の複数の接続端子7に電気的に接続される複数の電極14を有する。また、当該多層フレキシブルプリント配線板11の接続端子7及び電子部品12の電極14は、当該多層フレキシブルプリント配線板11の低融点金属層に由来する合金で接合されており、詳細には当該接続体は、共晶合金接合される接合部15を有する。
当該接続体は、本発明の多層フレキシブルプリント配線板11を有するので、その製造時に基板膨れが発生することを抑止できる。また、本発明の多層フレキシブルプリント配線板11の接続端子7及び電子部品12の電極14が合金で接合されているので、接続端子7及び電極14間の接合強度が十分に高い。
<多層フレキシブルプリント配線板>
多層フレキシブルプリント配線板11は、図1及び図2に示す多層フレキシブルプリント配線板と、低融点金属層7aを除き同様に構成できる。同様に構成できる部分には、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
<電子部品>
電子部品12は、例えばICチップ等の半導体チップである。電極14は、当該多層フレキシブルプリント配線板11の接続端子7と外面同士が突き合わせられるように、当該多層フレキシブルプリント配線板11の接続端子7と平面視略同一形状かつ同一間隔で配設されている。
基板13の材質としては、特に限定されるものではなく、ガラスエポキシ等のリジッド材や、合成樹脂等の軟質材が挙げられる。中でも、熱プレス時の圧力の均一化を図りやすいリジッド材が好ましい。
また、電極14の主成分としては、例えば金、銀、錫、ニッケル等の金属が挙げられ、中でも当該多層フレキシブルプリント配線板11の接続端子7とAu−Sn共晶接合により容易かつ確実に接合可能な金(Au)が好ましい。なお、当該多層フレキシブルプリント配線板11の接続端子7とAu−Sn共晶接合可能な電子部品12の電極14の構成として、例えば電極本体の外面に金めっき層が積層された構成を採用することもできる。
<接合部>
接合部15は、例えばAu−Sn共晶合金によって形成される。接合部15は、当該多層フレキシブルプリント配線板11の接続端子7を構成する第1導電層2a及び電子部品12の電極14を接続する。
また、接合部15は、図6に示すように第1導電層2aの厚さ方向基端側から先端側に向けて、かつ電子部品12の電極14の厚さ方向基端側から先端側に向けて徐々に拡幅しており、第1導電層2a及び電極14の中間位置で幅が最も大きくなっている。
接合部15がAu−Sn共晶合金によって形成される場合、接合部15におけるAuの含有量としては例えば50質量%以上95質量%以下とすることができ、60%質量%以上93質量%以下がより好ましい。また、この場合、接合部15におけるSnの含有量としては、5質量%以上50質量%以下が好ましく、7質量%以上40質量%以下がより好ましい。
また、接合部15がAu−Sn共晶合金によって形成される場合、後述する熱プレス時に電子部品12の電極14の外面側の一部が溶融し、この外面側に含まれるAuが低融点金属層7aに含まれるSnと共晶合金を形成する。これにより、当該接続体にあっては、電子部品12の電極14の外面は厚さ方向先端側に向かって凸なアーチ状に形成される。さらに、当該接続体にあっては、熱プレス時に当該多層フレキシブルプリント配線板11の第1導電層2aの外面側の一部が溶融し、第1導電層2aの外面が厚さ方向先端側に向かって凸なアーチ状に形成される。
[接続体の製造方法]
本発明の一態様に係る接続体の製造方法は、本発明の多層フレキシブルプリント配線板11と、当該多層フレキシブルプリント配線板11の複数の接続端子7に電気的に接続される複数の電極14を有する電子部品12との接続体の製造方法である。当該接続体の製造方法は、多層フレキシブルプリント配線板11及び電子部品12を熱プレスする工程を備える。
当該接続体の製造方法では、本発明の多層フレキシブルプリント配線板11を用いるので、熱プレス時に基板膨れが発生することを抑止できる。また、当該接続体の製造方法では、熱プレスにより接続端子7表面の低融点金属層7aが電子部品12の電極14と合金化して接合されるので、接続端子7及び電極14間の接合強度が十分に高い。
<熱プレス工程>
熱プレス工程では、図7に示すように、当該多層フレキシブルプリント配線板11の接続端子7及び電子部品12の電極14の外面同士を対向させた状態で、当該多層フレキシブルプリント配線板11を電子部品12と熱プレスする。上記熱プレス工程によって、当該多層フレキシブルプリント配線板11の低融点金属層7a及び電子部品12の電極14の外面側の一部が溶融し、例えばAu−Sn共晶接合によって接続端子7及び電子部品12が合金で接合される。これにより、図5に示すように、例えばAu−Sn共晶合金によって形成され、当該多層フレキシブルプリント配線板11の接続端子7及び電子部品12の電極14を接合する接合部15を有する当該接続体が製造される。
上記熱プレス工程における熱プレス温度の下限としては、250℃が好ましく、270℃がより好ましい。一方、上記熱プレス温度の上限としては、500℃が好ましく、470℃がより好ましい。上記熱プレス温度が上記下限未満であると、接続端子7と電極14との接合強度が不十分となるおそれがある。逆に、上記熱プレス温度が上記上限を超えると、上記熱プレス温度が不要に高くなり、製造される接続体が劣化するおそれがある。
上記熱プレス工程における圧力の下限としては、50MPaが好ましく、70MPaがより好ましい。一方、上記圧力の上限としては、200MPaが好ましく、160MPaがより好ましい。上記圧力が上記下限未満であると、接続端子7と電極14との接合強度が不十分となるおそれがある。逆に、上記圧力が上記上限を超えると、製造される接続体が劣化するおそれがある。ここで、上記圧力は、印加した荷重を接続端子7と電極14との接触面積で除した値を指す。
上記熱プレス工程における熱プレス時間の下限としては、0.2秒が好ましく、0.4秒がより好ましい。一方、上記熱プレス時間の上限としては、20秒が好ましく、10秒がより好ましい。上記熱プレス時間が上記下限未満であると、接続端子7と電極14との接合強度が不十分となるおそれがある。逆に、上記熱プレス時間が上記上限を超えると、接続体の生産効率が低下するおそれや製造される接続体が劣化するおそれがある。
[その他の実施形態]
以上開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
上記実施形態では、2層のベースフィルムと3層の導電層とを有する多層フレキシブルプリント配線板を例に説明したが、多層フレキシブルプリント配線板はこの構成に限定されず、多層フレキシブルプリント配線板はさらに多くのベースフィルム及び導電層を有してもよい。
上記実施形態では、多層フレキシブルプリント配線板の一方の面のみが実装領域を有する場合を説明したが、多層フレキシブルプリント配線板は、両方の面に実装領域を有してもよい。
上記実施形態では、多層フレキシブルプリント配線板の他方の面(実装領域を有する第1導電層とは反対側の面)にカバーレイを有する場合を説明したが、カバーレイは必須の構成要素ではなく、省略可能である。
また、カバーレイは多層フレキシブルプリント配線板の両面に積層されていてもよい。この場合、実装領域にはカバーレイは積層されない。実装領域にカバーレイを積層しない方法としては、カバーレイを全面に積層した後に実装領域のカバーレイを除去する方法や、実装領域に対応する部分に予め開口を設けたカバーレイを積層する方法等を挙げることができる。
当該接続体における電子部品は、当該多層フレキシブルプリント配線板の接続端子と電気的に接続される電極を有する限り、その具体的構成は上述の実施形態の構成に限定されるものではない。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[No.1]
(多層フレキシブルプリント配線板)
ポリイミドを主成分とする平均厚さ25μmの第1ベースフィルムを用意し、この第1ベースフィルムの一方の面に銅箔製の平面視直線状の接続端子を平均ピッチ60μmで並列に積層した。続いてこの接続端子にSnを主成分とする電気めっきによって平均厚さ0.5μmの低融点金属層を積層し、平均幅20μm、平均厚さ10μmの複数の接続端子を形成した。さらに、一端が上記接続端子へ接続する配線と、この配線の他端側に配設されるスルーホールを形成し、上記第1ベースフィルムの裏面側へ配線を導いた。このスルーホールの孔径は、表面側を25μm、裏面側を18μmとした。さらに、上記第1ベースフィルムの裏面側に平均厚さ50μmの接着層を介してポリイミドを主成分とする平均厚さ25μmの第2ベースフィルムを積層し、その裏面側に導電層を設けた。
(電子部品)
シリコンを主成分とする平均厚さ200μmの基板の表面に、平均厚さ30μm、かつ上記フレキシブルプリント配線板の電極と同一幅の金箔製の電極を上記フレキシブルプリント配線板の電極と同一ピッチで並列に積層し、電子部品を模した試験材を製造した。
(接続体)
上記多層フレキシブルプリント配線板及び電子部品をプレス温度400℃、圧力80MPa、プレス時間5秒の条件で熱プレスし、No.1の接続体を製造した。
[No.2〜No.18]
接続端子の形状、スルーホールの孔径及びプレス条件を表1に示す条件とした以外は、No.1と同様にしてNo.2〜No.18の接続体を製造した。
<評価>
No.1〜No.18の接続体について、接合部の合金組成、接合部の強度及び接続信頼性について評価を行った。
(接合部の合金組成)
接合部の合金組成は、SEM−EDX(走査型電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分光法)によって測定した。評価結果を表1に示す。なお、表1で「未共晶」とあるのは、Au−Sn共晶合金接合が形成されていないことを意味する。
(接合部の強度)
接合部の強度は、電子部品を多層フレキシブルプリント配線板から引き剥がし、剥離部分を目視にて観察し、以下の判定基準で評価した。評価結果を表1に示す。
A:多層フレキシブルプリント配線板及び電子部品の接続部分で破壊されていない。
B:多層フレキシブルプリント配線板及び電子部品の接続部分で破壊されている。
(接続信頼性)
接合部及びスルーホール部それぞれについて、125℃及び−40℃間のヒートサイクル試験を1000サイクル行い、試験前の抵抗値に対する抵抗値の変化率を測定し、以下の判定基準で判定した。評価結果を表1に示す。
A:抵抗値の変化率が10%以下であり、接続信頼性に優れる。
B:抵抗値の変化率が10%超であり、接続信頼性に劣る。
Figure 2019176101
表1から、表面側のスルーホール孔径が20μm超40μm以下であるNo.1〜No.16の接続体では、裏面側のスルーホール孔径によらずスルーホール部が信頼性に優れるのに対し、表面側のスルーホール孔径が20μm以下であるNo.17及びNo.18の接続体では、スルーホール部が信頼性に劣ることが分かる。表面側のスルーホール孔径が20μm以下であるNo.17及びNo.18の接続体では、実装領域のスルーホール直下に閉じ込められた空気が、電子部品実装時の熱により膨張し、基板膨れを発生させたため、スルーホール部の信頼性が低下したと考えられる。つまり、表面側のスルーホール孔径を20μm超40μm以下とすることで、基板膨れを抑止することができると結論できる。
さらに詳細に見ると、No.1〜No.12の接続体は、No.13及びNo.14の接続体に比べ、接合部の強度及び信頼性に優れる。No.1〜No.12の接続体では、接合部のAuの割合が高く、多層フレキシブルプリント配線板の接続端子及び電子部品の電極が低融点金属層由来の合金で接合されていることが分かる。つまり、多層フレキシブルプリント配線板の接続端子及び電子部品の電極を合金で接合することで、接続端子及び電極間の接合強度及び信頼性を高められると結論できる。
以上のように、本発明の多層フレキシブルプリント配線板及び多層フレキシブルプリント配線板の製法方法により製造された多層フレキシブルプリント配線板は、電子部品の実装領域で、表面が厚さ方向に膨れあがる基板膨れが発生し難い。
1 ベースフィルム
1a 第1ベースフィルム
1b 第2ベースフィルム
2 導電層
2a 第1導電層
2b 第2導電層
2c 第3導電層
3 実装領域
4 スルーホール
5 接着層
6 カバーレイ
7 接続端子
7a 低融点金属層
8 配線
9 第1基板
10 第2基板
11 多層フレキシブルプリント配線板
12 電子部品
13 基板
14 電極
15 接合部

Claims (8)

  1. 絶縁性を有するベースフィルムと導電層とを交互に備え、少なくとも一方の面側の最表層が導電層である多層フレキシブルプリント配線板であって、
    上記最表層の導電層が、
    複数の電極を有する電子部品を接続するための実装領域と、
    上記実装領域に配設され、少なくとも上記最表層の導電層と接するベースフィルムを貫通する複数のスルーホールと
    を有し、
    上記複数のスルーホールの上記最表層側の孔径が20μm超40μm以下である多層フレキシブルプリント配線板。
  2. 上記複数のスルーホールの上記最表層側とは反対側の孔径が8μm以上20μm以下である請求項1に記載の多層フレキシブルプリント配線板。
  3. 上記複数のスルーホールの上記最表側の孔径に対する上記最表層側とは反対側の孔径の比が0.4以上0.8以下である請求項1又は請求項2に記載の多層フレキシブルプリント配線板。
  4. 上記最表層の導電層が、上記実装領域に上記電子部品の電極と接続するための複数の接続端子を有し、
    上記複数の接続端子中心間の最短距離が、25μm以上60μm以下である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の多層フレキシブルプリント配線板。
  5. 上記最表層の導電層の接続端子部分が、表面に低融点金属層を有する請求項4に記載の多層フレキシブルプリント配線板。
  6. 絶縁性を有するベースフィルムと導電層とを交互に備え、少なくとも一方の面側の最表層が導電層である多層フレキシブルプリント配線板の製造方法であって、
    ベースフィルムの少なくとも一方の面に導電層が積層された複数の基板を準備する工程と、
    上記複数の基板を、接着層を介して積層する工程と
    を備え、
    上記最表層の導電層が、
    複数の電極を有する電子部品を接続するための実装領域と、
    上記実装領域に配設され、少なくとも上記最表層の導電層と接するベースフィルムを貫通する複数のスルーホールと
    を有し、
    上記基板準備工程で、上記複数のスルーホールの上記最表層側の孔径を20μm超40μm以下とする多層フレキシブルプリント配線板の製造方法。
  7. 請求項5に記載の多層フレキシブルプリント配線板と、上記複数の接続端子に電気的に接続される複数の電極を有する電子部品との接続体であって、
    上記多層フレキシブルプリント配線板の接続端子及び上記電子部品の電極が上記低融点金属層由来の合金で接合されている接続体。
  8. 請求項5に記載の多層フレキシブルプリント配線板と、上記複数の接続端子に電気的に接続される複数の電極を有する電子部品との接続体の製造方法であって、
    上記多層フレキシブルプリント配線板及び電子部品を熱プレスする工程を備える接続体の製造方法。
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