JP2007048825A - 接合方法、接合部構造、配線板および配線板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の接合方法は、主として銅で構成されている導体部材と、主として銅で構成されている電極部材とを、主として錫で構成されているろう接部材を溶融接合する接合方法であって、前記ろう接部材を溶融して、前記導電部材と前記電極部材との間にフィレットを形成する第1ステップと、さらに前記フィレットを構成する前記ろう接部材の融点近傍または融点以上の温度で加熱する第2ステップとを有していることを特徴とする。
【選択図】 図5
Description
しかし、この方法では層間の電気的接続を導電性接着剤で行っているため、信頼性が十分でない場合がある。また、微細なビアホールに導電性接着剤を埋め込むには、高度な技術が要求される。さらに、導電性接着剤は導通抵抗値が比較的高いため、微細なビアホールに埋め込んだ場合には導通抵抗値が上昇してしまう。そのため、高密度で配線実装されるような基板の層間の電気的接続に導電性接着剤を用いることが困難である。
しかし、この方法では、導体ポストと接続パッドとの間の層間接着剤を完全に除去することは難しく、信頼性が不十分となる場合があった。
また、本発明の目的は、導体部材と電極部材との間の接続信頼性に優れ、かつ層間接続部の耐熱性にも優れる接合部構造を有する配線板およびその製造方法を提供することにある。
(1)主として銅で構成されている導体部材と、主として銅で構成されている電極部材とを、主として錫で構成されているろう接部材で溶融接合する接合方法であって、前記ろう接部材を溶融して、前記導電部材と前記電極部材との間にフィレットを形成する第1ステップと、さらに前記フィレットを構成する前記ろう接部材の融点近傍または融点以上の温度で加熱する第2ステップとを有していることを特徴とする接合方法。
(2)前記第2ステップにおける加熱温度は、前記ろう接部材の融点の25℃以上である上記(1)に記載の接合方法。
(3)前記第2ステップにおける加熱時間は、1分〜10分である上記(1)または(2)に記載の接合方法。
(4)前記第2ステップを実質的に無加圧または低圧の状態で加熱するものである上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の接合方法。
(5)前記第2ステップは、前記フィレットに前記導体部材を構成する銅の一部を拡散させるものである上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の接合方法。
(6)前記第2ステップは、前記フィレットに前記電極部材を構成する銅の一部を拡散させるものである上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の接合方法。
(7)前記第2ステップは、前記フィレットの中心部における銅原子含有率を、外周部におけるそれよりも高くするものである上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の接合方法。
(8)上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の接合方法によって得られる接合部構造。
(9)上記(8)に記載の接合部構造を有することを特徴とする配線板。
(10)主として銅で構成されている導体部材を有する第1基板と、主として銅で構成されている電極部材を有する第2基板と、を有する配線板の製造方法であって、前記第1基板と前記第2基板とを接合する際に上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の接合方法を用いていることを特徴とする配線板の製造方法。
また、本発明によれば、導体部材と電極部材との間の接続信頼性に優れ、かつ層間接続部の耐熱性にも優れる接合部構造を有する配線板を得ることができる。
本発明の接合方法は、主として銅で構成されている導体部材と、主として銅で構成されている電極部材とを、主として錫で構成されているろう接部材を溶融接合する接合方法であって、前記ろう接部材を溶融して、前記導電部材と前記電極部材との間にフィレットを形成する第1ステップと、さらに前記フィレットを構成する前記ろう接部材の融点近傍または融点以上の温度で加熱する第2ステップとを有していることを特徴とする。
また、本発明の接合部構造は、上記接合方法によって得られることを特徴とする。
また、本発明の配線板は、上記に記載の接合部構造を有していることを特徴とする。
また、本発明の配線板の製造方法は、主として銅で構成されている導体部材を有する第1基板と、主として銅で構成されている電極部材を有する第2基板と、を有する配線板の製造方法であって、前記第1基板と前記第2基板とを接合する際に上記に記載の接合方法を用いていることを特徴とする。
本発明の接合部構造の接合方法では、ろう接部材12を溶融して導体部材1と電極部材2との間にフィレット3’(最終的に接合部3となる部位)を形成し、さらにフィレット3’を構成するろう接部材12の融点近傍または融点以上の温度で加熱することを特徴とする。これにより、ろう接部材12の溶融状態が制御され、その結果に導体部材1および/または電極部材2を構成する銅を接合部3に拡散させて合金化(例えばCu6Sn5、Cu3Sn)を促進させることができる。
なお、接合部3の中心部31および外周部32の合金中の銅原子含有率は、例えばX線分析により元素分析を行なう方法や、X線光電子分光分析装置(XPS)、エネルギー分散型微小部蛍光X線分析装置(EDX)のエリア分析を行なう方法等が挙げられる。
しかし、このような短時間での熱処理による導体部材と電極部材との半田による接合では、耐熱性の不足により接合した半田部分が再度加熱された場合に溶融して接続不良が生じたり、部品実装している場合は部品の脱落等が生じたりする場合があった。
まず図2に示すように、主として銅で構成されている導体部材1と、主として銅で構成されている電極部材2とを、主として錫で構成されているろう接部材12で溶融接合してフィレット3’(最終的に接合部3となる部位)を形成する(第1ステップ)。これにより、導体部材1と電極部材2とが電気的に接続される。
具体的には、例えばろう接部材12が錫95〜99.5重量%と銀0.5〜5重量%のブレンド物で構成されている場合、前記溶融接合する温度は、220〜270℃が好ましく、特に230〜265℃が好ましい。
具体的には、例えばろう接部材12が錫95〜99.5重量%と銀0.5〜5重量%のブレンド物で構成されている場合、前記溶融接合する温度は、220〜270℃が好ましく、特に230〜265℃が好ましい。
まず、前記加熱時間の初期段階(具体的には10〜40秒間)では、図3に示すようにフィレット3’の内部には、銅原子の拡散が十分でないので銅原子含有率が15原子%以下である層33が形成される。フィレット3’中の他の部分は、銅原子含有率が15原子%より高くなっている。
一般的な接合方法では、ろう接部材12でフィレットを形成するだけであるため、銅原子が十分に拡散することができず、フィレット3’の中心部31と、外周部32とにおける銅原子含有率に大きな相違は現れない。
これに対して、ろう接部材12を融点近傍または融点以上の温度で加熱すると、図2ないし図4に示すように、ろう接部材12により形成されたフィレット3’には導体部材1および電極部材2より銅原子が拡散していき、それによって銅−錫の合金を形成して行く。つまり、フィレット3’をろう接部材12の融点近傍または融点以上の温度で加熱すると銅原子の拡散が容易となり、フィレット3’の中心部31には、導体部材1および電極部材2の双方から銅原子が拡散していくことが可能となる。これに対して、フィレット3’の外周部32には、導体部材1が直接接触していないため、主として電極部材2のみから銅原子が拡散していくことになる。
したがって、図5に示すように最終的に得られる接合部3の中心部31の銅原子含有率が外周部32のそれよりも高くなる。
さらに、ろう接部材12を融点近傍または融点以上の温度(溶融状態で制御)で加熱するため、銅原子が拡散しても内部に気泡(空孔)等を形成することを抑制することができる。ろう接部材12が固化している状態で銅原子が拡散するのと比較して、本発明ではろう接部材12を溶融状態にして銅原子を拡散させるため、銅原子の拡散速度が速くなり合金化を促進できる。それによって、ろう接部材12が固化した後での銅原子の拡散量を減少することができるので気泡(空孔)等の形成を抑制することができる。
このように、実質的に無加圧または低圧での加圧状態で加熱を行なうことが好ましいのは以下の理由からである。
従来、導体ポストと内層回路との層間接続は、2.5MPa以上の高圧で行なわれていた。しかし、このように高圧で層間接続を行なうと導体ポストと内層回路との接触部に圧力が集中してかかるため、内層回路が歪んだり、この内層回路の歪みに起因して回路基板全体が撓んだり、波打ったりして変形する場合があった。
これに対して、本発明では実質的に無加圧または0.5MPa以下の低圧の加圧状態で加熱して導体部材1と電極部材2との接続を行なうので、回路基板の一点に圧力が集中するのを防止することができる。これにより、回路基板が変形するのを防止することができる。さらに、実質的に無加圧または0.5MPa以下の低圧での加圧状態で加熱して行なうので、接着剤層の染み出しを防止することもできる。これにより、層間厚さのばらつきがより少ない回路基板を得ることができる。
上述のような接合方法により、図5に示すような接合部構造を得ることができる。
本発明の接合部構造10では、導体部材1と、電極部材2とが、接合部3で接合されたときに、接合部3の中心部31における合金中の銅原子含有率が、外周部32のそれよりも高くなっている。すなわち、接合部3の中心部31における錫と銅との合金化が、外周部32より進んでいるものである。
導体部材1と、電極部材2とは、接合部3を介して接合されている。
接合部3の、中心部31における合金中の銅原子含有率が、外周部32のそれよりも高くなっている。これにより、接合部3での耐熱性を向上することができる。特に中心部31の耐熱性に優れ、接続信頼性の向上に寄与できる。
このように、中心部31における合金中の銅原子含有率が、外周部32のそれよりも高くなる理由は、次のように考えられる。
中心部31は導体部材1および電極部材2の双方に接しているため、双方から銅原子が拡散してくることが可能である。これに対して、外周部32は電極部材2のみと接しているため、電極部材2のみからしか銅原子が拡散されない。したがって、外周部32と比較すると、中心部31の銅原子含有率が高くなる。
具体的には、錫95〜99.5重量%に対して銀原子0.5〜7重量%をブレンドしたものが挙げられ、特に錫97.5重量%に銀2.5重量%をブレンドしたろう接部材、錫96.5重量%に銀3.5重量%をブレンドしたろう接部材が好ましい。
本発明の配線板は、上述した接合部構造10を有するものである。
以下、添付図面に示す好適な実施形態(6層のフレキシブル配線板)に基づいて詳細に説明する。
図6に示すように、6層のフレキシブル配線板400は、コアとなる回路基板300の両面(図6中の上下)から内層回路基板200を積層する。
次に、内層回路基板200に隣接するように両面(図6中の上下)から外層回路基板100を積層する。
この際、コアとなる回路基板300と、内層回路基板200との接合を上述のような接合部3で構成されている接合部構造10を有するものである。したがって、接合部3での中心部における合金中の銅原子含有率が、外周部のそれよりも高いものである。
また、内層回路基板200と、外層回路基板100との接合も上述のような接合部3で構成されている接合部構造10を有するものである。したがって、接合部3での中心部における合金中の銅原子含有率が、外周部のそれよりも高いものである。
本発明の配線板の製造方法は、主として銅で構成されている導体部材を有する第1基板と、主として銅で構成されている電極部材を有する第2基板と、を有する配線板の製造方法であって、前記第1基板と前記第2基板とを接合する際に上記に記載の接合方法を用いていることを特徴とする。
例えば、接続部材の導体部材1として突起電極を用いたが、これに限定されず導電性樹脂ペーストで構成される導体部材、銅ペースト(実質的に樹脂を含まないもの)で構成される導体部材等を用いることができる。
また、配線板として6層のフレキシブル配線板以外に、2層、3層等の6層未満の多層配線板、7層、8層等の6層以上の多層配線板等が挙げられる。
(第1基板−外層回路基板の作製−)
厚さ25μmのポリイミド樹脂の絶縁基材に厚さ12μmの銅箔が付いた第1基材(宇部興産製 ユピセル SE1310)の絶縁基材側の面から、UVレーザーにより50μm径の開口部を形成し、ドライデスミア装置によりデスミアを行った。この開口部内に電解銅メッキを施し導体部材である銅ポストを銅箔のある反対面側の絶縁層表面より高さ10μmとした後、ろう接部材(半田メッキ、錫97.5重量%と銀2.5重量%とのブレンド物)を厚さ15μmで施し、導体ポストを形成した。次いで銅箔をエッチングし、配線パターンを形成した。次に、厚さ25μmの熱硬化性のフラックス機能付き接着剤シート(住友ベークライト製 層間接着シート)を真空ラミネーターにてラミネートした後、積層サイズ(120×170mm)に外形加工して、第1基板(外層回路基板)100を得た。
厚さ25μmのポリイミド樹脂の絶縁基材に厚さ12μmの銅箔が付いた第2基材a(宇部興産製 ユピセル SE1310)の絶縁基材側の面から、UVレーザーにより50μm径の開口部を形成し、ドライデスミアによるデスミアを施した。この開口部内に電解銅メッキを施し、導体部材である銅ポストを銅箔のある反対面側の絶縁基材表面より高さ10μmとした後、ろう接部材(半田メッキ、錫97.5重量%と銀2.5重量%とのブレンド物)を厚さ15μmで施し、導体ポストを形成した。次いで、銅箔をエッチングし、配線パターンと、第1基板の導体部材である導体ポストを受ける電極部材であるパッドを形成した。次に、厚さ25μmの熱硬化性のフラックス機能付き接着剤シート(住友ベークライト製 層間接着シート)を真空ラミネーターにてラミネートすることにより形成した後、積層部サイズ(120×170mm)に外形加工して、第2基板a(内層回路基板)200を得た。
厚さ25μmのポリイミド樹脂フィルムの絶縁基材の両面に厚さ12μmの銅箔が付いた第2基材b(コア基材)(三井化学製 NEX23FE(25T))を、ドリルによって穴明けしてスルーホールを形成した後、ダイレクトメッキおよび電解銅メッキにより表裏の電気的導通を行なった。次に、銅箔をエッチングすることにより、配線パターンおよび導体部材である導体ポストを受ける電極部材であるパッドを形成した。
次に、フレキシブル部に相当する部分の配線パターンに、厚さ12.5μmのポリイミドに厚さ25μmのエポキシ樹脂系接着剤が予め塗布されたカバーレイフィルム(有沢製作所製 CVA0525)で表面被覆層を形成した。最後に、積層サイズ(120×170mm)に切断し、第2基板b(コアとなる回路基板)300を得た。
1.積層工程
第1基板(外層回路基板)100と、第2基板a(内層回路基板)200と、第2基板b(コアとなる回路基板)300と、第2基板a(内層回路基板)200と、第1基板(外層回路基板)100とをこの順に、位置合わせ用のピンガイド付き治具を用いてレイアップした。その後、スポットヒーターで部分的に200℃となるように加熱して、第1基板100、第2基板a200および第2基板b300を部分的に仮接着して、位置決めを行なった。
次に、真空式プレスで150℃、0.5MPaで60秒間加熱・加圧成形し、導体ポストが導体パッドに接するまでプレス成形を行なった。この際、導体パッドがある第2基板a(内層回路基板)200と第2基板b(コアとなる回路基板)300の回路の周囲が気泡無く、接着剤が充填されるようにした。
次いで、得られた積層体をプレスで次のような条件で加熱して導体部材である導体ポストと、電極部材であるパッドとをろう接部材である半田を介して接合した。
加熱の条件は、積層体の温度が常温〜260℃までにおいて、昇温速度が100℃/分となるようにした。また、最高温度は265℃となるようにし、260℃以上で300秒間(第1ステップ30秒間、第2ステップ270秒間)保持した。
ここで、接合時の圧力は0.1MPaで行った。半田を介した導体ポストとパッドとの接合は、半田が溶融接合し、半田フィレットを形成していた。
接合部の中心部の銅原子含有率は55原子%であり、周辺部の銅原子含有率は25原子%であり、その差は30原子%であった。
なお、銅原子含有率は、EDXのエリア分析により評価した。中心部の銅原子含有率は3×30μmの領域の平均値とし、周辺部の銅原子含有率は5×10μmの領域の平均値とした。
次に、フラックス機能付き接着剤を硬化させるために、180℃で60分間加熱し、接着剤層を硬化した。
外層の両表面に、液状レジスト(日立化成製 SR9000W)を印刷し、露光、現像することにより表面被膜を施し、開口部もあわせて形成した。次に、開口部に表面処理として金メッキを施し最終的に6層の多層フレキシブル回路基板を得た。
接合工程での加熱の条件を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
積層体の温度が常温〜250℃までにおいて、昇温速度が100℃/分となるようにした。また、最高温度は255℃となるようにし、250℃以上で300秒間(第1ステップ30秒間、第2ステップ270秒間)保持した。
なお、接合部の中心部の銅原子含有率は50原子%であり、周辺部の銅原子含有率は20原子%であり、その差は30原子%であった。
接合工程の加熱条件を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
積層体の温度が常温〜260℃までにおいて、昇温速度が100℃/分となるようにした。また、最高温度は265℃となるようにし、260℃以上で240秒間(第1ステップ30秒間、第2ステップ210秒間)保持した。
なお、接合部の中心部の銅原子含有率は50原子%であり、周辺部の銅原子含有率は30原子%であり、その差は20原子%であった。
接合工程の加熱条件を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
最高温度を265℃となるようにして、260℃以上で180秒間(第1ステップ30秒間、第2ステップ150秒間)保持した。
なお、接合部の中心部の銅原子含有率は45原子%であり、周辺部の銅原子含有率は30原子%であり、その差は15原子%であった。
ろう接部材を錫96.5重量%と銀3.5重量%とのブレンド物にした以外は実施例1と同様にした。
なお、接合部の中心部の銅原子含有率は50原子%であり、周辺部の銅原子含有率は30原子%であり、その差は20原子%であった。
接合工程の加熱条件を、以下のようにした以外は実施例1と同様にした。
最高温度を265℃となるようにして、260℃以上で15秒間保持した。
なお、接合部の中心部の銅原子含有率は25原子%であり、周辺部の銅原子含有率は25原子%であり、その差は0原子%であった。
接続信頼性は、熱衝撃試験(ホットオイル260℃10秒⇔常温20秒 100サイクル)を行い、その外観、及び導通抵抗を測定し、評価した。
◎:外観に異常がなく、導通抵抗の初期値からの変化率が、±5%未満である。
○:外観に異常がなく、導通抵抗の初期値からの変化率が、±5%以上で±8%未満である。
△:外観に異常がなく、導通抵抗の初期値からの変化率が、±8%以上で±10%未満である。
×:外観に膨れ、剥がれ等の異常がある、または導通抵抗の初期値からの変化率が±10%以上である。または、初期段階で導通が取れていない。
接続信頼性は、150℃で1000時間処理した後、断面観察および、導通抵抗にて評価した。
◎:接合部に気泡は見られるが全体の5%未満であり、初期状態の抵抗値と処理後の抵抗値の変動が±5%未満である。
○:接合部に気泡は見られるが全体の5%未満であり、初期状態の抵抗値と処理後の抵抗値の変動が±5%以上で±8%未満である。
△:接合部に気泡は見られるが全体の5%未満であり、初期状態の抵抗値と処理後の抵抗値の変動が±8%以上で±10%未満である。
×:接合部に気泡は見られるが全体の5%以上であり、初期状態の抵抗値と処理後の抵抗値の変動が±10%以上である。または、初期段階で導通が取れていない。
密着性は、層間のピール強度JIS C 5016に準拠して評価した。
◎:1.0N/mm以上である。
○:0.7N/mm以上で1.0N/mm未満である。
△:0.5N/mm以上で0.7N/mm未満である。
×:0.5N/mm未満である。
配線板の歪みは、断面観察と導通抵抗にて評価した。
◎:層のうねりはほとんどなく、断線もしていない。
○:層のうねりが見られるが、断線はしていない。
△:層のうねりが見られ、断線箇所が3箇所以下である。
×:層のうねりが見られ、断線箇所が4箇所以上である。
また、実施例1および2は、特に耐熱性および接続信頼性に優れていた。これより、接合後に再度加熱された場合であっても、接合部で溶融等することなく優れた耐熱性を有していることが示された。
11 突起電極
12 ろう接部材
2 電極部材
3 接合部
3’ フィレット
31 中心部
32 外周部
33 層
34 島状の部分
10 接合部構造
100 外層回路基板
200 内層回路基板
300 コアとなる回路基板
400 6層のフレキシブル配線板
Claims (10)
- 主として銅で構成されている導体部材と、主として銅で構成されている電極部材とを、主として錫で構成されているろう接部材で溶融接合する接合方法であって、
前記ろう接部材を溶融して、前記導電部材と前記電極部材との間にフィレットを形成する第1ステップと、
さらに前記フィレットを構成する前記ろう接部材の融点近傍または融点以上の温度で加熱する第2ステップとを有していることを特徴とする接合方法。 - 前記第2ステップにおける加熱温度は、前記ろう接部材の融点の25℃以上である請求項1に記載の接合方法。
- 前記第2ステップにおける加熱時間は、1分〜10分である請求項1または2に記載の接合方法。
- 前記第2ステップを実質的に無加圧または低圧の状態で加熱するものである請求項1ないし3のいずれかに記載の接合方法。
- 前記第2ステップは、前記フィレットに前記導体部材を構成する銅の一部を拡散させるものである請求項1ないし4のいずれかに記載の接合方法。
- 前記第2ステップは、前記フィレットに前記電極部材を構成する銅の一部を拡散させるものである請求項1ないし5のいずれかに記載の接合方法。
- 前記第2ステップは、前記フィレットの中心部における銅原子含有率を、外周部におけるそれよりも高くするものである請求項1ないし6のいずれかに記載の接合方法。
- 請求項1ないし7のいずれかに記載の接合方法によって得られる接合部構造。
- 請求項8に記載の接合部構造を有することを特徴とする配線板。
- 主として銅で構成されている導体部材を有する第1基板と、
主として銅で構成されている電極部材を有する第2基板と、を有する配線板の製造方法であって、
前記第1基板と前記第2基板とを接合する際に請求項1ないし7のいずれかに記載の接合方法を用いていることを特徴とする配線板の製造方法。
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