JP2007115955A - 多層プリント配線基板及びその製造方法 - Google Patents

多層プリント配線基板及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来の複数枚のフィルムを 接着剤を用いて張り合わせてなる多層プリント配線基板の場合、フィルム同士の接続に接着剤を用いるため、接着剤が薄層化へ影響を与える場合があった。そこで本発明は薄層化を目的とするものである。
【解決手段】フィルム102a、102bを使った複数枚の両面基板114a、114bを、途中にプリプレグ130及び前記プレプリグを貫通する貫通バンプ110を介して、加熱圧着積層し一体化することで、両面基板114a、114bの上に予め形成された第2の配線106a、106b同士を電気的に接続することができ、更に第2の配線106a、106bを前記プリプレグに埋没させることでその配線厚みを吸収することで、多層基板の薄層化のニーズに対応できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、携帯電話や超小型携帯端末等に使われる多層プリント配線基板や、半導体チップをベアチップ実装する際に用いられるインターポーザ等に用いられる多層プリント配線基板及びその製造方法に関するものである。
従来、この種の多層プリント配線基板(以下、単に多層基板と呼ぶ)としては、任意の位置にIVH(インナービアホール)を形成したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
そして市場からは多層基板の更なる薄層化が望まれていた。以下、多層基板を薄層化するための手段としてフィルムを使った多層基板について説明する。
図14は従来の多層基板の一例を示す断面図であり、接着剤を用いてフィルムを積層する多層配線板の一例である。図14において、フィルム10上には配線12よりなる所定パターンが形成されている。そして複数のフィルム10は、接着剤14によって銅箔12と共に接着されている。また必要部分にIVH8を形成することで、異なる層に形成された配線12同士を接続している。
特開2002−353619号公報
しかしながら、前記従来の構成では、フィルム10同士を接続するために接着剤14を用いているため、薄層化に限度があった。
例えば図14で示した構成の場合、配線12が片面に形成されたフィルム10を用いて積層するため、4層の多層基板を作成する場合、接着剤14が3層、フィルム10が4層の合計7層分の厚みが必要となり、薄層化が難しかった。
一方図14で示した構成の応用として、配線12を両面に形成したフィルム10を2枚用意し、接着剤14で貼り付けて4層の多層基板とすることも考えられた。この場合、両面に配線12が形成されたフィルム10同士を、接着剤14によって貼り付けることになる。しかしこの張り合わせの際に、接着剤14が軟化、流動するため、向き合った配線12同士を短絡させる可能性がある。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、フィルムの積層に接着剤の代わりにプリプレグを用いた多層基板を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明は表裏面に配線パターンが形成された樹脂フィルムを使った両面プリント配線基板同士を、途中にプリプレグを挟んでプレス、一体化することになる。
本発明の場合、例えば織布が樹脂で含浸されてなるプリプレグを選んだ場合、このプリプレグを介して配線が両面に形成されたフィルム同士を張り合わせるため、高圧でプレスした場合でもプリプレグに含まれる織布によって配線同士の短絡が防止できる。また予めプリプレグに貫通孔を形成し導電性ペーストが充填しておくことで、両面プリント配線基板同士の接着と同時にIVH(インナービアホール)の形成も可能となる。
本発明のプリント配線基板及びその製造方法においては、接着剤の代わりにプリプレグを用いて積層することで、IVHを有するプリント配線基板を極薄で作成することができる。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における多層基板について、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の実施の形態1における多層基板の断面図である。図1において102a、102bはフィルム、104a、104bは第1の配線、106a、106bは第2の配線、108は絶縁層、110は貫通バンプ、112は層間接続部、114a、114bは両面基板、116は貫通接続層である。ここでフィルム102aの片面には第1の配線104aが、もう片面には第2の配線106aが形成され、層間接続部112を用いて互いに接続され、両面基板114aを構成する。同様に両面基板114bは、フィルム102bの両面に第1の配線104bと第2の配線106bが形成され、層間接続部112で接続されている。また貫通接続層116は、絶縁層108と貫通バンプ110から構成されている。そして両面基板114aと両面基板114bは間に、貫通接続層116を介して層間接続される。同様に両面基板114aの第2の配線106aと両面基板114bの第2の配線106bを貫通バンプ110で電気的に接続する。そして両面基板114a上に形成された第2の配線106aと、両面基板114b上に形成された第2の配線106bを、共に貫通接続層116に埋没させる。なお貫通バンプ110については後で説明するように、実施の形態1ではIVH(インナービアホール)として機能することになる。
図1において配線や絶縁層の数え方について説明する。図1を上から下に数えた場合、表層から数えて1層目の1層目絶縁層(これは表層に相当する)がフィルム102a、表層から数えて2層目の2層目絶縁層が絶縁層108に、表層から数えて3層目の3層目絶縁層がフィルム102bに、相当する。同様に表層から数えて1層目の1層目配線(もしくは表層の配線)が第1の配線104aに、表層から数えて2層目の配線が第2の配線106aに、表層から数えて3層目の配線が第2の配線106bに、表層から数えて4層目の配線が第1の配線104bに、相当する。なお図1は、4層構造(電極が4層有る意味)で、上下対称であるため、上から下に数えても、下から上に数えても実質的な違いは無いが、本発明においては原則的に上から下に数えるものとする。
こうして実施の形態1では、図1に示すように、表層から数えて2層目に形成された2層目絶縁層(図1の絶縁層108)を貫通する電気的接続が、貫通バンプ110となる貫通接続層116を有する。そして表層から数えて2層目に形成された2層目配線(図1の第2の配線106a)と、表層から数えて3層目に形成された3層目配線(図1の第2の配線106b)とが、前記貫通接続層116に埋設される。
このようにして実施の形態1において絶縁層108の任意の位置に貫通バンプからなる貫通バンプ110を形成できる。そして図1に示すように、フィルム102を用いた複数枚の両面基板114a、114bの電極厚み(あるいは電極の凹凸)を絶縁層108で吸収すると同時に、貫通バンプ110からなるIVH(インナービアホール)を形成することになる。
なお実施の形態1において貫通接続層116を構成する絶縁部材として、プリプレグを使うことができる。ここでプリプレグとは、例えばガラス繊維等を樹脂で含浸させたもの等が市販されているが、特にこれにこだわる必要は無い。本実施の形態では、積層前は未硬化で、積層後に硬化している部材であればプリプレグとして使える。また繊維(織布、不織布)や後述するフィラー等をプリプレグの一成分とすることで、プレス時に第2の配線106a、106b同士の短絡を防止できる。こうした添加物は繊維や粉体にこだわることなく、例えばフィルム状のものであってもよい。
また貫通バンプ110を構成する部材として、熱硬化性の導電ペーストを用いることができる。このように本発明において、プリプレグ及び貫通バンプ110を使うことで、接着剤を使わない分、多層基板を薄層化できる。
なお多層基板の寸法は300mm×500mm±200mm程度が望ましい。100mm×300mmより寸法が小さい場合、製品の取れ数が少なくなるため、コストアップする可能性がある。また500mm×700mmより基板寸法が大きくなると、工程内での取り扱い性、寸法変化等への影響が表れる場合がある。
以上のように、表層から数えて2層目の2層目絶縁層(図1の絶縁層108に相当)を貫通する電気的接続を貫通バンプ110で行う。そして表層から数えて2層目に形成された2層目配線(図1の場合、上から数えると両面基板114aの上に形成された第2の配線106aに相当する。同様に下から数えると両面基板114bの上に形成された第2の配線106bに相当する)と、表層から数えて3層目に形成された3層目配線(図1の場合、上から数えると両面基板114bの上に形成された第2の配線106bに相当する。同様に下から数えると両面基板114aの上に形成された第2の配線106aに相当する)を、貫通接続層116で接続することで、4層基板の薄層が可能となる。
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2における多層基板の製造方法について、図2から図4を用いて説明する。図2から図4は、実施の形態2による多層基板の製造方法を説明する断面図である。ここで実施の形態2は4層基板の製造方法の一例であり、例えば実施の形態1で説明した4層基板の製造方法の一例に相当する。
図2は導電性ペースト(例えば、熱硬性導電ペースト)を用いたバンプの製造方法の一例を示す断面図である。図2において、118は第1の基板材、120は第2の基板材、122は金属板、124は導電性ペースト、126は矢印である。
図2(A)において、第1の基板材118と第2の基板材120は、共に金属板122の上に固定された状態で、互いに向かい合わせてセットされている。また第1の基板材118の表面には、予め導電性ペースト124が所定位置に点付け(もしくはメタルマスク等を用いて印刷)されている。そして矢印126に示すように、第1の基板材118と第2の基板材120を互いに押し付けて、導電性ペースト124が、第2の基板材120に接するようにする。その後、第1の基板材118と第2の基板材120を矢印126の方向に引き剥がす。そして図2(B)に示すように、導電ペースト124が、凸状に引き伸ばされ、バンプ128を形成する。こうして導電性ペースト124からなるバンプ128を所定の形状に揃える。なおバンプ128の形状は凸状(望ましくは、先端が鋭い突起状)が望ましい。そして導電ペースト124を硬化させ、バンプ128とする。
図3は、バンプを用いて積層する様子を示す断面図である。図3において、130はプリプレグである。
図3(A)において、両面基板114aは、フィルム102aの両面に第1の配線104aと、第2の配線106aが形成され、互いに層間絶縁部112を介して接続されている。図3(B)は、両面基板114aの第2の配線106a上に、バンプ128を形成した様子を示す。なおバンプ128の形成には、図2を参照できる。
ここでフィルム102の材質として、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、アラミドフィルム等の耐熱性フィルムを使うことが望ましい。高耐熱性の樹脂フィルムを用いることで、半田付け工程等での熱影響を抑えられる。またフィルム102の厚みとしては100μm以下、特に5μm以上50μm以下(望ましくは30μm以下、更に可能なれば25μm以下)が望ましい。このように極薄の耐熱性フィルムを用いることで、出来上がった多層基板の総厚を薄くできる。なおこうした耐熱性フィルムの両面に、接着剤を使うことなく銅箔を形成した基板材料(例えば後述するCCL)を選ぶことができる。こうした接着剤を用いることなく耐熱性フィルムと銅箔を貼り付けた銅貼りフィルムを用いることで、多層基板の耐熱性や信頼性が高められる。
図3(C)は、図3(B)のバンプが形成された両面基板114aと、プレプリグ130と、第2の両面基板114bを互いに位置合わせする状態を示す。そして位置合わせした状態で、真空プレスで加熱圧着させる(真空プレスは図示していない)。そして真空中で加熱、加圧プレスが終了した後サンプルを取り出す。図3(D)はこうして熱プレスした後のサンプルの断面図に相当する。
なお真空プレス等を使う際、所定の温度プロファイルでサンプルを加熱することで、プリプレグ130が軟化、硬化し、絶縁層108と変化する。そしてプリプレグ130が軟化した際に、第1の両面基板114aに形成された第2の配線106aを埋没させ配線厚みを吸収する。そして配線厚みを吸収した状態でプリプレグ130が硬化し、絶縁層108となり両面基板114aを強固に固定する。同時にバンプ128が軟化したプリプレグ130を突き破り(あるいは繊維の隙間を介して)、バンプ接続層110を形成する。このようにして第2の配線106a、106bの厚み(もしくは厚みによる凹凸)が低減(もしくは平坦化)できる。
更に詳しく説明する。まずプリプレグの一例としてはガラスエポキシ系の市販品(織布としてガラス繊維を用い、エポキシ系の樹脂で含浸したもの)を使った。次に両面銅箔張りフィルムを用意した。具体的にはポリイミドフィルム(厚み10μm)の両面に接着剤を使うことなく銅箔を張ったものを用いた。具体的には市販のCCL(Copper Clad Laminate)を使うことが望ましい。次に前記両面銅張りフィルムの銅箔部分を所定パターンに加工し、図3(A)の両面基板114aとした。なおCCLとして、接着剤を用いないものを選ぶことが望ましい。このような接着剤を使っていない両面銅張フィルム(例えば、下地等に薄膜法を用いたもの)を選ぶことで、接着剤に起因する課題発生を防止できる。
そしてこの上に、図2で示したようにしてバンプ128を形成し、図3(C)に示すように、両面基板114a、114bを所定治具(図示していない)によって位置合わせした。その後、プレスで所定時間、所定温度でプレスして一体化した。この際、必要に応じて真空プレスとしても良い。またこのプレス条件を、プリプレグ130が軟化した後、硬化する条件とすることで、バンプ128が軟化したプレプリグ130を介して、第2の配線106aと第2の配線106bを電気的に接続する。
こうして、図3(D)に示すような、極薄の多層基板を作製した。ここで、フィルム102a、102bやプリプレグ130の厚みを薄く(例えば、40μm→20μm→10μm)することで、総厚が100μm以下、(あるいは60μm以下、更には30μm以下)といった極薄の多層基板が製造できる。
以上のようにして、4層プリント配線基板の表層から数えて2層目の2層目絶縁層の(もしくは絶縁層を貫通する部分の)電気的接続が貫通バンプ110である貫通接続層116を有し、表層から数えて2層目に設けられた2層目配線(図1において、上から数えた場合、両面基板114aの上に形成された第2の配線106aに相当する。同様に下から数えた場合、両面基板114b上に形成された第2の配線106bに相当する)と表層から数えて3層目に設けられた3層目配線(図1において、上から数えた場合、両面基板114bの上に形成した第2の配線106bに相当する。下から数えた場合、両面基板114aの上に形成した第2の配線106aに相当する。)が、前記貫通接続層116に埋設されていることを特徴とする4層プリント配線基板を作成できる。
なお“4層プリント配線基板の表層から数えて2層目の2層目絶縁層”は、図1における絶縁層108に相当する。4層プリント配線基板の表層から上から数えて1層目の1層目絶縁層は、図1においてフィルム102aに相当する。“表層から2層目に設けられた2層目配線”は、図1を上から数えた場合におけるフィルム102a上に設けられた配線のうち、絶縁層108(もしくは貫通接続層116)側に埋没された配線、つまり第2の配線106aに相当する。同様に“表層から3層目に設けられた3層目配線”は、図1において、上から下に数えた場合、両面基板114bの上に形成され貫通接続層116(もしくは絶縁層108)側に埋没された第2の配線106aに相当する。
そしてプレプリグ130を構成する樹脂の軟化温度を、バンプ128を構成する樹脂のガラス転移温度より低く(ガラス転移温度の差は10℃以上、更に望ましくは20℃以上が望ましい。ガラス転移温度の差が10℃未満では貫通性に影響を与える場合がある)することで、プリプレグ130を安定して貫通できる。
更に実施の形態2において、“表層から数えて2層目”と、“表層から数えて3層目”の配線(図1における第2の配線106a、106bに相当)を、両方とも同様に貫通接続層116に埋没することができるため、実装時に基板表面の平滑性や平坦性が望まれるチップ部品や半導体チップ等の実装性(バンプ等を用いたベアチップ実装、更にはインターポーザ等も含む)が高められる。
なお図4は、両面基板114a、114bの両方にバンプを形成した様子を示す断面図であり、図3(C)に相当する。図4において両面基板114aの第2の配線106aと、両面基板114bの第2の配線106bの両方の上に、バンプ128が形成されている。ここでバンプ128の形成に、図2で説明する方法を用いることで、複数枚の両面基板の所定位置にバンプ128を一度に形成できる。そして図4に示すようにして、プリプレグ130を挟んで、バンプ128が形成されて両面基板114a、114bを真空プレス装置(図示していない)にて積層する。そしてプリプレグ130をバンプ128が貫通し、貫通接続層116を形成する。
なお図4において、バンプ128が形成されていない部分では、プリプレグ130に含まれる織布が、互いに向き合った第2の電極106a、106bが接触、短絡することを防止する。
以上のようにして、図3に示すように第2の配線106a上にバンプ128を形成するバンプ形成工程と、プリプレグ130からなる絶縁層108を貫通バンプ110で貫通して貫通接続層116を形成する貫通接続層形成工程と、両面基板114a、114bを作成する両面基板作成工程と、前記貫通接続層116の表裏面に前記両面基板114a、114bを積層する積層工程と、前記積層体を熱プレス加工する熱プレス工程と、を少なくとも備えることで、4層以上のプリント配線基板を薄層化して製造できる。
(実施の形態3)
以下、本発明の実施の形態3における多層基板について、図面を参照しながら説明する。実施の形態1と実施の形態3の違いは、多層化に用いているフィルムの枚数(実施の形態1では2枚、実施の形態2では3枚)である。
図5は実施の形態3における多層基板の断面図である。図5はフィルムを用いた両面基板114a、114b、114cを、2枚の貫通接続層116a、116bを用いて互いに貼り合わしたものである。そして両面基板114aの表面に形成された第2の配線106aと、両面基板114bの表面に形成された第2の配線106bとを、貫通バンプ110によって電気的に接続する。同様に両面基板114cの上に形成された第2の配線106dと、両面基板114bの上に形成された第2の配線106cとを貫通バンプ110によって電気的に接続する。
このように3枚の両面基板114a、114b、114c(配線の合計の層数を計算すると、配線2層×3枚=6層)を貫通接続層116a、116bを用いて一体化することで、配線合計6層のうち4層分の配線厚みを、前記貫通接続層116a、116bに埋め込み吸収することができ、更なる薄層化が可能となる。
なお貫通接続層116a、116bは、絶縁層108と貫通バンプ110から構成されている。ここで貫通バンプ110とは所定の絶縁部材がバンプ128で貫通されたものである。
なお貫通接続層116を構成する絶縁部材としてプリプレグを使うことができる。また貫通バンプ110を構成する導電部材として、硬化型導電性ペースト124を用いることが望ましい。このように本発明において、プリプレグ130及び硬化型導電性ペースト124を使うことで、接着剤を使うことなく、多層基板を構成できるため、多層基板を大幅に薄層化できる。
以上のように、5層以上のプリント配線基板の、少なくとも一方の表層から2層目の2層目絶縁層(図3における絶縁層108)間の電気的接続として、貫通バンプ110を有し、少なくとも一方の表層から2層目に設けられた2層目配線(図5において、上から数えると両面基板114aの上に形成された第2の配線106aに相当する。同様に下から数えた場合、両面基板114cの上に形成された第2の配線106dに相当する)と表層から3層目に設けられた3層目配線(図5において、上から数えると両面基板114bの上に形成された第2の配線106bに相当する。下から数えると、両面基板114bの上に形成された第2の配線106cに相当する)とが、前記貫通接続層116に埋設することで、5層以上の多層プリント配線基板を薄層に形成できる。
なおここで“表層から2層目の2層目絶縁層の電気的接続が導電性ペーストである貫通接続層”とは、図5の貫通接続層116a、116bのことである。また表層から数えて1層目の1層目絶縁層とは、図5におけるフィルム102a、102bに相当する。“表層から数えて2層目に設けられた2層目配線”とは、図5における両面基板114a、114cに形成され貫通接続層116aに埋没された第2の配線106a、に相当する。また“表層から数えて3層目に設けられた3層目配線”とは、上から下へ数えた場合、図5における両面基板114bの両面に形成され貫通接続層116に埋没された第2の配線106b側に相当する。
(実施の形態4)
以下、本発明の実施の形態4における多層基板の製造方法について、図面を参照しながら説明する。図6、図7は実施の形態4における多層基板の製造方法を説明する断面図である。実施の形態4は、複数枚のフィルムを用いて多層化する製造方法の一例であり、例えば実施の形態3での多層基板の製造方法の一例を示すものである。
まず図6(A)に示すような両面基板114aの表面にバンプ128を形成し、図6(B)の状態とする。図6(B)においてフィルム102aの表面には第1の配線104aと、第2の配線106aが形成され、層間接続部112を介して電気的に接続されている。またフィルム102aとしては、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、アラミドフィルム等の高強度で低熱膨張係数のフィルム部材を使うことが望ましい。熱膨張係数の小さい(特にシリコンに近い熱膨張係数の)樹脂フィルム102aを用いることで、半導体チップのベアチップ実装にも対応できる。またフィルム102a、102b、102cの厚みとしては100μm以下、特に5μm以上50μm以下(望ましくは30μm以下、更に可能なれば25μm以下)が望ましい。このような極薄の耐熱性フィルムを用いることで、出来上がった多層基板の総厚を薄くできる。なおこうした耐熱性フィルムの両面に、接着剤を使うことなく銅箔を形成した基板材料(例えばCCL)を選ぶことができる。こうした接着剤を用いることなく、耐熱性フィルムと銅箔を貼り付けた銅貼りフィルムを用いることで、多層基板の耐熱性を高められるため、鉛フリー半田を用いた実装に対応しやすい。
図6(C)は、プリプレグ130と、複数枚の両面基板114a、114b、114cを互いに位置合わせする様子を示す。第2の配線106aの表面には、バンプ128が形成されている。
図6(D)は、図6(C)のプリプレグ130と、両面基板114a、114b、114cを互いに一体化した後の様子を示す断面図である。具体的には図3(D)で示した状態のサンプルを、真空プレス等を使って互いに密着させると共に、所定の温度プロファイルで加熱することで、プリプレグ130が軟化し硬化することとなり、絶縁層108と変化する。同時に軟化したプリプレグ130は、バンプ128によって貫通され(あるいは織布を介して)、第2の配線106a、106bを互いに電気的に接続する。
更に詳しく説明する。例えば、プリプレグとしてはアラミドエポキシ系を選ぶことができる。次に両面銅箔張りフィルムを用意した。具体的にはアラミドフィルム(厚み10μm)の両面に接着剤を使うことなく銅箔を張ったものを用いた。こうした部材に市販のCCL(Copper Clad Laminate)を使うことができる。次に前記両面銅張りフィルムの銅箔部分を所定パターンに加工し、図6(A)の両面基板114aとした。なおCCLとして、接着剤を用いないものを選ぶことが望ましい。このように両面銅張フィルムにおける銅箔の接合に接着剤を使わないもの(例えば、下地等に薄膜法を用いたもの)を選ぶことで、接着剤に起因する課題発生を防止できる。
次に図6(C)に示すように、プリプレグ130と、バンプ128の形成された両面基板114a、114b、114cを互いに交互に積み重ねて位置合わせする。その後プレスで所定時間、所定温度でプレスして一体化する。この時必要に応じて真空プレスとしても良い。またこのプレス条件をプリプレグ130が軟化→硬化する条件とすることで、多層プリント配線基板として一体化できる。そして同時にバンプ128が、軟化したプリプレグ130を貫通し(あるいは介して)第2の配線106a、106bを電気的に接続する。
こうして図6(D)に示すような、極薄の多層基板を作製した。ここで、フィルム102a、102b、102cやプリプレグ130の厚みを薄く(例えば、40μm→20μm→10μm)することで、総厚が100μm以下、(あるいは60μm以下、更には30μm以下)といった極薄の多層基板が製造できる。
図7は、両面基板の両面にバンプを形成した場合について説明する断面図である。図7と図6(C)との違いは、バンプの形成位置(もしくは形成面の数)である。必要に応じて図7のように、1枚のプリプレグ130の両側からバンプ128を挿入することで、プリプレグ130のバンプによる貫通を確実にでき、貫通接続層116による層間接続の歩留を高められる。
またバンプ128が形成されていない部分の第2の配線106a、106b、106c、106d同士は、真空プレス等によって互いに強く押し付けられた場合でも、プリプレグ130を構成する織布によって互い短絡することはない。
図6に示すように、少なくとも一方の表層から数えて2層目に形成された2層目絶縁層(両面基板114aと絶縁層108に挟まれた第2の配線106a)を貫通する電気的接続が貫通バンプ110である貫通接続層116aを有し、少なくとも一方の表層から数えて2層目に形成された2層目配線(第2の配線106a)と、表層から数えて3層目に形成された3層目配線(第2の配線106b)とが、前記貫通接続層116に埋設されていることで、5層以上の多層プリント配線基板の薄層化が可能になる。
(実施の形態5)
以下、本発明の実施の形態5における多層基板について説明する。図8は実施の形態5の多層基板の断面図である。実施の形態5と実施の形態3の違いは、中央部が2層基板(実施の形態3)、中央部が3層以上の多層基板(実施の形態5)である。実施の形態5では、フィルム等を用いた両面基板以外の多様な基板を用いることで、様々な形態の多層基板を形成することとなる。
図8において132は多層基板、134は層間絶縁層である。多層基板132は、層間絶縁層134によって層間絶縁された配線104と、配線104を接続する層間接続部112から構成され、その表面には第2の配線106b、106cが形成されている。そして図8において多層基板132の表面に形成された配線(第2の配線106b、106c)は共に貫通接続層116a、116bに埋め込まれる。同様にフィルム102a、102bの表面に形成された第2の配線106aと第2の配線106dが、貫通接続層116a、116bに埋め込まれる。
そして両面基板114a上の第2の配線106aと、多層基板132上の第2の配線106bとを、貫通接続層116aに埋没されると共に貫通バンプ110によって電気的に接続する。同様に両面基板114b上の第2の配線106dと、多層基板132上の第2の配線106cとを、貫通バンプ110によって接続する。
このように多層基板132を中央にして、その両側(もしくは両面)に両面基板114a、114bを形成し、貫通接続層116を用いてその配線厚みを吸収すると共に層間接続を行う。また実施の形態5では、接着剤を使っていないため、接着剤に起因する課題は発生せず、また接着剤を用いない分、薄層化が可能となる。
(実施の形態6)
実施の形態6では多層基板の製造方法について、図9、図10を用いて更に詳しく説明する。図9から図11は実施の形態6における多層基板の製造方法を説明する断面図であり、例えば実施の形態5で説明した図8の多層基板の製造方法に相当する。
まず図9(A)に示すように、両面基板114aを用意する。次に図9(B)に示すように、両面基板114aの第2の配線106a上に、バンプ128を形成する。
図9(C)に示すように多層基板132を用意する。図9(C)は、多層基板132の断面である。多層基板132は、層間絶縁層134、層間接続部112、第1の配線104から構成されている。そして層間絶縁層134に形成された層間接続部112を介して、異なる層に形成された第1の配線104同士を接続する。
図9(D)は、多層基板132、両面基板114a、114bをプリプレグ130によって接続する様子を示す断面図である。図9(D)において、両面基板114a、114bのプリプレグ130に面する側に、バンプ128が形成されている。そして、このバンプ128が、プリプレグ130を貫通すると共に、層間接続を行うこととなる。
図9(E)は、図9(D)の部材が加熱プレスされて、一体化された後の様子を示す断面図である。この加熱プレスによって、第2の配線106a、106b、106c、106dをプリプレグ130の中に埋没させる。ここで真空プレス(あるいは真空加熱プレス)を使って互いに密着させると共に、所定の温度プロファイルで加熱することで、プリプレグ130が軟化し、第2の配線106a、106b、106c、106dをプリプレグ130の中に埋没させ、その後、プリプレグ130が硬化し、絶縁層108を構成する。この時バンプ128は軟化したプリプレグ130を貫通すると共に、第2の配線106a、106b、あるいは第2の配線106c、106dを電気的に接続し、貫通バンプ110となる。
更に詳しく説明する。まずプリプレグとしては市販品(厚み30μm、ガラスエポキシ系)を使った。次に両面銅箔張りフィルムを用意した。具体的にはポリイミドフィルム(厚み10μm)の両面に接着剤を使うことなく銅箔を張ったものを用いた。こうしたものとして市販のCCL(Copper Clad Laminate)を使うことができる。次に、前記両面銅張りフィルムの銅箔部分を所定パターンに加工し、図9(A)の両面基板114aとした。
次に、図9(D)に示すように所定時間、所定温度でプレスして一体化した。この際、必要に応じて真空プレスとしても良い。こうして図9(E)に示すような、極薄の多層基板を作製した。
次にプリプレグについて説明する。ここでプリプレグ(事前含浸処理シート材)とは、活性樹脂を含浸させた繊維素材(または織布)であり、まだ完全には硬化していていない状態であるため、熱プレス等によって硬化可能なものである。また後述するようにプリプレグに繊維を加えても良い。こうすることで成形での寸法バラツキを抑えられると共に、出来上がった多層基板の強度も高められる。なお含浸させる樹脂としては、熱硬化性樹脂を使うことが望ましい。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂やイミド樹脂を使うことができる。また繊維素材(あるいは織布)としては、ガラス繊維、イミド、芳香族等のポリアミド、アラミドなどを用いることができる。
なおプリプレグの硬化温度は85℃から220℃の範囲が望ましい。温度が230℃以上の場合、樹脂硬化にバラツキが発生し、寸法性に影響を与える場合がある。また温度が85℃より低い場合、樹脂硬化の時間が増加し、硬化状態に影響を与える場合がある。また特にフィルムの厚みが50μm以下と薄い場合、180℃以上220℃以下の温度範囲でプレリグの硬化を行うことが望ましい。こうすることで両面基板114の表面に形成された配線のうち、プリプレグ130の側に形成された第2の配線106をプリプレグ130の中に(あるいはプリプレグの厚みの中に)埋没できる。
また圧力範囲は2MPa(メガパスカル、圧力の単位)以上6MPa以下が望ましい。2MPa未満の場合、図9(E)に示す多層基板の密着性にバラツキが発生する可能性がある。また圧力の印加時間は1分以上3時間未満が望ましい。圧力の印加時間が1分未満の場合、プレスによるバラツキが発生する場合がある。またプレス時間が3時間を越えると、生産性に影響を与えてしまう。このため、圧力2MP以上6MPa以下(特には4MPa以上6Mpa以下)が望ましい。一般的な多層基板の場合2から3MPaで積層されることが多いが、本実施の場合、フィルムが薄くなるほど、貫通バンプ110やプリプレグ130の厚みバラツキの影響を受ける可能性もある。そのため、貫通バンプ110を用いる場合の積層圧力は5Mpa程度(例えば4MPa以上6MPa以下)と高めにすることが望ましい。
更に具体的に説明する。まず繊維含浸プリプレグとしては、約50cm角、厚み50μmで、アラミド繊維をエポキシ系樹脂の中に埋め込まれた状態のもの(硬化前のもの)選んだ。そして、この繊維含浸プリプレグ(繊維に樹脂を含浸させてなるプリプレグ)を、多数個のバンプ128を形成した両面基板を用いてプレス装置によって加圧加熱圧着し、一体化させた。なおプレス条件としては、発明者が事前に最適化したプレスプログラム(室温から200℃前後まで段階的に温度が上がった後、自動的に室温まで温度が下がるものであり、時間と共に圧力も変化させたもの)を使うことで、安定した物作りが可能となる。
図10は、多層基板の両面にバンプを形成した場合について説明する断面図である。図10と図9(D)との違いは、バンプの形成位置(もしくは形成面)である。図10のように、両面基板の側にバンプ128を形成することで、極薄のフィルムの代わりに、バンプが多層基板側に形成することで、バンプ付き基板の取り扱いが容易になる。
図11は、多層基板及び両面基板の両方にバンプを形成した例である。このようにプリプレグ130の両側に向き合うようにバンプ128を形成し、両側からバンプ128を挿入することで、プリプレグ130のバンプによる貫通を確実にすると共に、バンプ128のバラツキ(厚み、形状、位置、硬度他)を吸収できるため、貫通接続層116による層間接続の歩留を高められる。
(実施の形態7)
次に実施の形態7について、図12を用いて説明する。実施の形態7では、表層に形成したブラインドビアを用いて層間接続及び表層の配線を形成する場合について説明する。
図12は実施の形態7の多層基板の製造方法を説明する断面図であり、例えば実施の形態6で説明した多層基板の製造方法の一例であり、実施の形態1や実施の形態3等にも応用可能なものである。特に本実施の形態7では、多層基板の表層の電極(表層から数えて1層目の1層目絶縁層を形成する絶縁基材が樹脂フィルムであり、表層から数えて1層目の1層目配線)及びその配線に接続された層間接続部を、めっき技術を用いて一体化することに特徴があり、より高性能で微細なパターンを形成できる。
まず図12において136はブラインドビア、138は金属膜である。まず図12(A)を用いて説明する。図12(A)は表層がフィルムである多層基板の断面図である。図12(A)において、中央部には、層間絶縁層134や第1の配線104a、層間接続部112からなる多層基板132が形成されている。そして多層基板132の、絶縁層108に面した側の第2の配線106bは、必要に応じて貫通バンプ110を介して、フィルム102の絶縁層108に面した側に形成された第2の配線106aに接続されている。このようにして、多層基板132の表面に形成された第2の配線106bと、フィルム102の上に形成された第2の配線106aが、貫通バンプ110を介して電気的に接続する。
図12(A)に示す多層基板の両表面は、フィルム102で覆われている。次に図12(B)から図12(D)を用いて、フィルム102の表面に配線等を形成する様子を断面で説明する。
図12(B)は、図12(A)で示した多層基板の両表面に形成されたフィルム102に孔(この孔がブライドビア130となる)を形成した後の断面図である。図12(B)において表層のフィルム102にはブラインドビア136が形成されており、ブラインドビア136の中(もしくはブラインドビア136の底)には、フィルム102の絶縁層108側に形成された第2の配線106a、106dが露出している。
図12(C)は、フィルムの上にブラインドビアを埋めるように金属膜を形成した様子を示す断面図である。図12(C)において、フィルム102の表面に金属膜138を形成することで、同時にブラインドビア136も金属膜138で覆う。なおこのような金属膜138の形成としては、めっき法や薄膜法等を用いることができる。なお金属膜138の形成は、図12(C)に示すように基板の両面でも良いが、必要に応じて片面だけに形成しても良い。このようにしてブラインドビア136を覆うように形成された金属膜138は、フィルム102の絶縁層108側に形成された第2の配線106a、106dに電気的に接続する。
図12(D)は、金属膜138をエッチング等で、所定パターンに形成した後の断面図を示す。図12(D)に示すように、金属膜138を所定形状にパターニングする際、ブラインドビア136を覆う部分の金属膜138もビアフィル(もしくはビア埋め材として)をそのまま残しながら、第1の配線104とする。こうして第1の配線104は、ブラインドビア136を介して、第2の配線106とも電気的に接続する。
このように図12(C)、図12(D)に示すように、ブラインドビア136に金属膜138を形成することで、表層から数えて1層目の1層目絶縁層の電気的接続(つまりフィルム102に形成されたブラインドビア136を介して第1の配線104と第2の配線106を電気的接続すること)が可能となるため、配線抵抗の低い層間接続が可能となる。
(実施の形態8)
実施の形態8では、めっき法の代わりに薄膜法(あるいは薄膜法とめっき法の組合せ)を用いた場合について説明する。実施の形態8と実施の形態7の違いは、薄膜法(実施の形態8)とめっき法(実施の形態7)の違いだけであり、共通点が多いので図12を用いて説明する。
まず図12(A)に示すブラインドビア136の形成としては、YAG、CO2等のレーザ装置を使うことができる。ブラインドビア136等の表面への金属膜138の形成方法としては、最初にNiCr等の下地層(シード層と呼ばれることもある)を10から50Å程度形成し、この上に銅を電気めっきしても良い。あるいはシード層無しにフィルム上に銅を無電解めっきしても良い。あるいはフィルム上に薄膜法(電子ビーム、スパッタ他)を用いて、直接銅を析出(デポジション)しても良い。なおこれらの場合、その厚みが10Å以上(望ましくは電気めっきに使える程度の導電性が得られる程度)あれば、その導電性を利用してその上に銅を電気めっきで配線に必要となる厚み(例えば5〜30μm、薄層化が必要な場合は3〜15μm程度)として形成できる。このようにシード層(あるいは金属下地)を使う、あるいは金属膜の形成方法を工夫することで、フィルム102に対する部材の密着力を高められる。
このように表層から数えて1層目及び数えて2層目に設けられた配線の少なくとも一方は、スパッタ膜を介して、表層から数えて1層目の1層目絶縁層に固定することで、フィルム102表面への金属膜138や第1の配線104、第2の配線106等の密着性を高められる。
(実施の形態9)
実施の形態9では、図13を用いて説明する。図13は実施の形態9による多層基板の製造方法を説明する断面図であり、図13において140は下地電極層である。実施の形態8(図12)と実施の形態9(図13)の違いは、フィルム表面の下地電極層140の有無である。
まず図13(A)に示すようにフィルム102a、102bの少なくとも露出面に下地電極層140に銅を用いる場合、下地電極層140を用いることで、フィルム102a、102bへの密着力を更に高められる。また必要に応じてNiCrやCr等の薄膜を更に下地電極層140(下地電極層を単層としても良いし、複数層としても良い)に使うこともできる。この場合は10から50Å程度形成し、この上に銅を電気めっきしても良い。なお厚みが10Å以上1μm程度あれば、その導電性を利用してその上に銅を配線に必要な厚み(例えば5〜30μm、薄層化が必要な場合3〜15μm程度が望ましい)に形成することができる。このように下地電極層140を使うことでフィルム102への密着力を高められる。
なお、図13(B)に示すように、下地電極層140と共に、フィルム102にレーザ等を用いてブラインドビア136を形成することができる。そしてその後は、図12と同様にして所定の厚みで第1の配線104や層間接続部112を形成できる。
(実施の形態10)
実施の形態10では、絶縁層に無機フィラーが添加されてなる樹脂フィルムを用いた場合について説明する。実施の形態2(ガラスエポキシ系プリプレグ)や実施の形態6(アラミド入りプリプレグ)と、実施の形態9(無機フィラー入り)との違いは、プレプリグの内容物(添加物である)。同様に樹脂フィルムとしては、熱硬化性樹脂フィルム(本硬化前のプレプリグ状態)を使うことができる。なお実施の形態10は、実施の形態2や実施の形態9と共通する部分が多いため、図2や図13を参照できる。
なおプリプレグに添加する無機フィラーとしては、アルミナやシリカ等のセラミック系の絶縁粉が望ましい。このようにプリプレグに予め無機フィラーを添加しておくことで、熱プレス時にプリプレグが流動しすぎる(流動しすぎると、バンプ128がスカスカと貫通してしまうため、多層基板の総厚のバラツキの発生原因になる)ことを防止できる。このように、熱プレス時のプリプレグの軟化、流動化を一定量で抑えるには、こうした無機フィラーを10から85wt%(望ましくは20から80wt%、更に高精度が要求される場合、40から60wt%)、添加することが望ましい。ここで無機フィラーの添加量が少なすぎる場合、第2の配線106の埋没は容易であるが、貫通接続層116へ影響する可能性もある。また無機フィラーの添加量が多すぎる場合、熱プレス時に貫通接続層116が流れなくなる(あるいはズレたり、望ましくない方向に流動しにくくなる)が、第2の配線の埋没性に影響を与える可能性(例えば、第2の配線の凹凸が吸収できない)可能性がある。そのため、配線の厚み、バンプの形成密度等によって、実施の形態9で用いる熱硬性樹脂の種類やグレード、品番(例えば、ガラス転移温度を増減させる)を調整することが望ましい。
なお添加する無機フィラーの平均粒径は0.5μm以上5μm以下が望ましい。0.5μm未満の場合、BET(比表面積)が大きくなりすぎて、取り扱いにくい場合がある。また5μmを超える場合、多層基板の薄層化に影響を与える場合がある。
(実施の形態11)
実施の形態11では、貫通接続層に熱硬性樹脂を用いる場合について説明する。実施の形態10で説明するように、貫通接続層を構成する絶縁部材はプリプレグに限定する必要はない。熱硬性の樹脂フィルムでも良いが、LCP(液晶ポリマー樹脂)等の高機能性、高強度を有した熱可塑性樹脂も使うことができる。このような高強度な熱可塑性樹脂を用いることで、高精度な多層基板を製造できる。
また貫通接続層に接続される配線の表面は、粗面化処理を行うことが望ましい。このように配線表面を粗面化することで、配線のみならず貫通接続層116に対する密着強度も高められる。ここで配線(特に第2の配線106)の表面の粗面化処理としては、めっき法(アディティブ法)を使うことが望ましい。ここにサブストラクト法(エッチング法)を用いた場合、配線がエッチングされることにより導電性に影響を与えてしまう場合がある。
なおプリプレグ130は、未硬化状態にあるものが、絶縁体として硬化するものであれば良く、織布(あるいは不織布、繊維)の有無、フィラーの有無にこだわる必要はない。または加熱硬化時に絶縁防止できればよく、織布の代わり適当なショート防止部材(例えばフィルム等)の中から選ぶことができる。
以上のように、本発明の多層基板及びその製造方法は、フィルムや多層基板を組合せることによって、従来に無い極薄の多層基板を作製できるため、各種電子機器、携帯機器の小型化、薄型化の用途にも適用できる。
発明の実施の形態1における多層基板の断面図 実施の形態2による多層基板の製造方法を説明する断面図 実施の形態2による多層基板の製造方法を説明する断面図 実施の形態2による多層基板の製造方法を説明する断面図 実施の形態3における多層基板の断面図 実施の形態4における多層基板の製造方法を説明する断面図 実施の形態4における多層基板の製造方法を説明する断面図 実施の形態5の多層基板の断面図 実施の形態6における多層基板の製造方法を説明する断面図 実施の形態6における多層基板の製造方法を説明する断面図 実施の形態6における多層基板の製造方法を説明する断面図 実施の形態7の多層基板の製造方法を説明する断面図 実施の形態9の多層基板の製造方法を説明する断面図 従来の多層基板の一例を示す断面図
符号の説明
102 フィルム
104 第1の配線
106 第2の配線
108 絶縁層
110 貫通バンプ
112 層間接続部
114 両面基板
116 貫通接続層
118 第1の基板材
120 第2の基板材
122 金属板
124 導電性ペースト
126 矢印
128 バンプ
130 プリプレグ
132 多層基板
134 層間絶縁層
136 ブラインドビア
138 金属膜
140 下地電極層

Claims (16)

  1. 3層の絶縁層を有し、表層から数えて2層目に形成された2層目絶縁層は、それを貫通する電気的接続が貫通バンプである貫通接続層となっており、
    表層から数えて2層目に形成された2層目配線と、表層から数えて3層目に形成された3層目配線とが、前記貫通接続層に埋設されていることを特徴とする多層プリント配線基板。
  2. 4層以上の絶縁層を有し、少なくとも一方の表層から数えて2層目に形成された2層目絶縁層は、それを貫通する電気的接続が貫通バンプである貫通接続層となっており、
    少なくとも一方の表層から数えて2層目に形成された2層目配線と、表層から数えて3層目に形成された3層目配線とが、前記貫通接続層に埋設されていることを特徴とする多層プリント配線基板。
  3. 貫通接続層は、プリプレグと、貫通バンプとからなる請求項1もしくは2のいずれか一つに記載の多層プリント配線基板。
  4. 貫通接続層は、熱硬性樹脂と、貫通バンプとからなる請求項1もしくは2のいずれか一つに記載の多層プリント配線基板。
  5. 貫通接続層は、熱可塑性樹脂と、貫通バンプとからなる請求項1もしくは2のいずれか一つに記載の多層プリント配線基板。
  6. 表層から数えて1層目の1層目絶縁層は樹脂フィルムであり、前記樹脂フィルムの表面には接着剤を介することなく所定の配線が形成されている請求項1もしくは2のいずれか一つに記載の多層プリント配線基板。
  7. 前記プリプレグは、ガラスエポキシもしくはアラミドエポキシである請求項3記載の多層プリント配線基板。
  8. 前記樹脂中には、無機フィラーが10wt%以上85wt%の割合で充填されている請求項4もしくは5のいずれか一つに記載の多層プリント配線基板。
  9. 表層から数えて1層目に形成された1層目配線と、表層から数えて2層目に形成された2層目配線の少なくとも一方以上は、スパッタ膜を介して、表層から数えて1層目の1層目絶縁層に固定されている請求項1もしくは2のいずれか一つに記載の多層プリント配線基板。
  10. 表層から数えて1層目に形成された1層目配線と、表層から数えて2層目に形成された2層目配線の少なくとも一方以上は、めっき膜を介して、表層から数えて1層目の1層目絶縁層に固定されている請求項1もしくは2のいずれか一つに記載の多層プリント配線基板。
  11. 表層から数えて1層目に形成された1層目絶縁層を貫通する電気的接続が、めっきで行われている請求項1もしくは2のいずれか一つに記載の多層プリント配線基板。
  12. 貫通バンプは、熱硬性ペーストが硬化されたものである請求項1もしくは2のいずれか一つに記載の多層プリント配線基板。
  13. 配線上に貫通バンプを形成するバンプ形成工程と、
    絶縁層を貫通バンプで貫通して貫通接続層を形成する貫通接続層形成工程と、
    両面基板を作成する両面基板作成工程と、
    前記貫通接続層の表裏面に前記両面基板を積層する積層工程と、
    前記積層体を熱プレス加工する熱プレス工程と、を少なくとも備えた多層プリント配線基板の製造方法。
  14. 配線上に貫通バンプを形成するバンプ形成工程と、
    絶縁層を貫通バンプで貫通して貫通接続層を形成する貫通接続層形成工程と、
    2層以上の層数を有する多層基板を作成する多層基板作成工程と、
    前記貫通接続層の表裏面に前記両面基板を積層する積層工程と、
    前記積層体を熱プレス加工する熱プレス工程と、
    を少なくとも備えた多層プリント配線基板の製造方法。
  15. 前記両面基板の表裏面の配線を電気的に接続する為の層間接続を形成する層間接続形成工程を、熱プレス工程以降にも有する請求項13もしくは14のいずれか一つに記載の多層プリント配線基板の製造方法。
  16. 前記層間接続形成工程は、少なくともブラインドビアを形成するビア加工工程と、ブラインドビアにめっきを施すめっき工程と、からなる請求項13もしくは14のいずれか一つに記載の多層プリント配線基板の製造方法。
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