JP7031499B2 - 溶鋼の精錬方法 - Google Patents
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Description
また、ノズル前圧P0(Torr)は、スロート径Dt(m)とキャリアガス流量Q(Nm3/min)とから(3)式で表される。
P0=0.089・Q/Dt 2 ・・・(3)
(1)雰囲気圧力Pe(Torr)が100Torr未満の減圧下にてキャリアガスとともに溶鋼表面に精錬用粉体を先端形状が円筒形のスロート部と円錐形の径拡大部とからなる上吹きランスから吹付ける処理において、
前記スロート部の直径Dt(m)と前記スロート部の長さlt(m)とが(1)式の関係を満たす上吹きランスを用いて精錬用粉体の凝集の指標である規格化粉体径をスロート部が無い場合(l t (m)=0)より半減以下に抑え、
かつ、前記キャリアガスの供給条件が(2)式~(3)式の条件を満たし、
前記吹付ける前の精錬用粉体の平均粒径が30~300μm、
かつ、前記キャリアガスと前記精錬用粉体の粉体供給速度との関係が(4)式の条件を満たすことを特徴とする、溶鋼の精錬方法。
lt/Dt≧5.0 ・・・(1)
1344.1≧P0≧540×(lt/Dt)-0.27 ・・・(2)
P0=0.089・Q/Dt 2 ・・・(3)
3.5≦Wpowder/Q≦11 ・・・(4)
ここで、P0:ノズル前圧(Torr)、Q:キャリアガス流量(Nm3/min)、Wpowder:粉体供給速度(kg/min)
規格化粉体径:見かけの粉体径を上吹き前の凝集していない状態での単一粉体径平均粒径で割った値、
単一粉体径平均粒径:上吹きに用いる粉体の単一粉体径の平均値、
見かけの粉体径:ノズル内部にて複数の単一粉体が凝集して形成された粒子群の円相当径、
である。
(2)さらに3.5≦W powder /Q≦6.8の条件を満たすことを特徴とする上記(1)に記載の溶鋼の精錬方法。
以下に本発明について説明する。以下に説明する「RH真空脱ガス装置」とは、真空槽を有する溶鋼処理装置であり、「粉体反応効率指数」とは、上吹きした精錬用粉体(以下、粉体)が溶鋼と反応し、不純物の低減に寄与した効率を示す。また、「粉体上吹き処理」とは、RH真空脱ガス装置などの精錬容器の内部に設置された上吹きランスから、キャリアガスとともに粉体を吹き付けて溶鋼の精錬を行う処理である。さらに、「平均粒径」とは、上吹きに用いる粉体の単一粉体径の平均値を示し、「見かけの粉体径」とは、ノズル内部にて複数の単一粉体が凝集して形成された粒子群の円相当径を示す。また、「規格化粉体径」とは、見かけの粉体径を上吹き前の単一粉体径で無次元化した値、すなわち、見かけの粉体径を上吹き前の凝集していない状態での単一粉体径で割った値である。粉体、粉体と溶鋼との反応、不純物元素の具体的な例に基づく「粉体反応効率指数」の算出については後述する。
[Pe:100Torr未満]
キャリアガスが形成するジェットはノズル前圧とノズル出口圧力との圧力勾配を駆動力とするため、ノズル出口圧力が低いほど超音速ジェットを形成し易い。また、真空槽内の雰囲気圧力Peが低いほど空気抵抗が小さくなるため、ノズルから噴射された粉体が溶鋼表面に到達するまでの速度の減衰が抑えられ、粉体の溶鋼への侵入効率が安定する。したがって、雰囲気圧力Peを100Torr以上としてしまうと、キャリアガスジェット流速の大幅な低下、空気抵抗の大幅な増加により粉体噴射後の速度の大幅な減衰を招くことから、雰囲気圧力Peを100Torr未満とする。
粉体速度がある臨界値を超えると粉体が溶鋼の表面を破り、浴内に侵入するようになり、反応効率が飛躍的に向上する。図2には、後述の方法にて調査した粉体反応効率指数とノズル出口での粉体噴射速度との関係を示す。この調査結果から、粉体噴射速度がおよそ60m/sを超えると脱硫効率が飛躍的に向上することを知見した。
比lt/Dtが異なると粉体加速効果は大きく異なってくるため、臨界速度を超えるために必要なノズル前圧P0の値は比lt/Dtによって当然異なってくる。そこで、図3および後述の表2に示した結果から、比lt/Dtが5.0以上を満たしている条件にて粉体噴射速度が60m/sを超えるために必要なノズル前圧P0および比lt/Dtの条件を定式化し、(2)式を得た。また、ノズル前圧P0を増加させるためにキャリアガス流量Qを大幅に増加させてしまうと、ジェットが著しい不足膨張となり威力が大きく減衰し、加速効果が大幅に減少してしまうため、粉体を効率的に加速させるためのノズル前圧P0には上限がある。したがって、本発明の効果を得るためには、(1)式の条件に加え、比lt/Dtに応じてノズル前圧P0が(2)式の条件を満たすように制御する必要がある。
粉体の平均粒径が小さすぎると、噴射された粉体が真空排気系に飛散ロスして歩留りが悪くなることに加え、粉体が持つ慣性力が極端に小さくなり粉体が殆ど溶鋼内に侵入しなくなるため、下限を30μmとした。一方、粉体の平均粒径が大きすぎると、同一の粉体質量で比べた時の溶鋼との被表面積が小さくなり、反応効率が大きく低下する懸念があることから、上限を300μmとした。
図4に、上述した粉体観察実験で得たノズルから噴射されたノズル出口での粉体の見かけの粉体径を上吹き前の単一粉体径で無次元化した規格化粉体径と、粉体供給速度Wpowder(kg/min)とキャリアガス流量Qとの比Wpowder/Qとの関係を示す。また、図5には、後述の実施例の方法にて調査した粉体反応効率指数と比Wpowder/Qとの関係を示す。なお、図4及び図5に示す実験結果で用いた粒子は単一粉体径が150μmのポリエチレンとした。
本発明において、転炉等の精錬炉から取鍋に出鋼された溶鋼は、脱酸、合金添加等の成分調整を終えた後、RH真空脱ガス装置等に代表される精錬容器において溶鋼の処理が実施される。上吹きランスを具備した精錬容器内にて前述の条件を満たす範囲でランス形状、操業条件を設定し、精錬用粉体をキャリアガスとともに上吹きする。ここで、粉体上吹きに用いる上吹きランスの断面形状は必ずしも真円形である必要はない。断面形状が真円以外の場合、スロート径Dtおよびノズル拡大部の出口径Deの値は、断面積から円相当径に換算した値を用いる。また、孔数についても特に限定しないが、孔数が多すぎると孔一つ当たりの前圧が低下して粉体の加速が困難となるため、単孔が望ましい。
本発明の効果は、粉体反応効率指数にて評価することができる。まず、粉体上吹き処理前後にて溶鋼サンプルを採取し、化学分析に供することで溶鋼中の不純物濃度[%X]を得る。ここで、後述の実施例の脱硫処理ではXはS(硫黄)であるが、本発明は脱硫処理に限らず様々な不純物の除去に適用し得ることから、例えば脱炭処理ではXはC(炭素)、脱窒処理ではXはN(窒素)である。粉体反応効率は以下の(5)式の粉体反応効率指数で評価する。
粉体反応効率指数=ln([%X]上吹キ前/[%X]上吹キ後)/粉体原単位
・・・(5)
粉体上吹き処理前のS濃度[%S]上吹キ前:0.0025~0.0035質量%
粉体上吹き処理前の溶鋼の組成:
C濃度[%C]:0.05~0.20質量%
Si濃度[%Si]:0.05~0.30質量%
Mn濃度[%Mn]:0.50~1.50質量%
Al濃度[%Al]:0.10~0.20質量%
粉体上吹き処理時間:10min
ランス-湯面間距離:3.0m
Claims (2)
- 雰囲気圧力Pe(Torr)が100Torr未満の減圧下にてキャリアガスとともに溶鋼表面に精錬用粉体を先端形状が円筒形のスロート部と円錐形の径拡大部とからなる上吹きランスから吹付ける処理において、
前記スロート部の直径Dt(m)と前記スロート部の長さlt(m)とが(1)式の関係を満たす上吹きランスを用いて精錬用粉体の凝集の指標である規格化粉体径をスロート部が無い場合(l t (m)=0)より半減以下に抑え、
かつ、前記キャリアガスの供給条件が(2)式~(3)式の条件を満たし、
前記吹付ける前の精錬用粉体の平均粒径が30~300μm、
かつ、前記キャリアガスと前記精錬用粉体の粉体供給速度との関係が(4)式の条件を満たすことを特徴とする、溶鋼の精錬方法。
lt/Dt≧5.0 ・・・(1)
1344.1≧P0≧540×(lt/Dt)-0.27 ・・・(2)
P0=0.089・Q/Dt 2 ・・・(3)
3.5≦Wpowder/Q≦11 ・・・(4)
ここで、P0:ノズル前圧(Torr)、Q:キャリアガス流量(Nm3/min)、Wpowder:粉体供給速度(kg/min)
規格化粉体径:見かけの粉体径を上吹き前の凝集していない状態での単一粉体径平均粒径で割った値、
単一粉体径平均粒径:上吹きに用いる粉体の単一粉体径の平均値、
見かけの粉体径:ノズル内部にて複数の単一粉体が凝集して形成された粒子群の円相当径、
である。 - さらに3.5≦W powder /Q≦6.8の条件を満たすことを特徴とする請求項1に記載の溶鋼の精錬方法。
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JP2003041316A (ja) | 2001-07-31 | 2003-02-13 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 減圧精錬方法 |
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