JP2019073780A - 溶鋼の精錬方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、ノズル前圧P0(Torr)は、スロート径Dt(m)とキャリアガス流量Q(Nm3/min)とから(3)式で表される。
P0=0.089・Q/Dt 2 ・・・(3)
(1)雰囲気圧力Pe(Torr)が100Torr未満の減圧下にてキャリアガスとともに溶鋼表面に精錬用粉体を吹き付ける処理において、前記精錬用粉体を吹き付ける上吹きランスの先端形状が円筒形のスロート部と円錐形の径拡大部とからなり、前記スロート部の直径Dt(m)と前記スロート部の長さlt(m)とが(1)式の関係を満たす上吹きランスを用い、かつ前記キャリアガスの供給条件が(2)式〜(3)式の条件を満たすことを特徴とする、溶鋼の精錬方法。
lt/Dt≧5.0 ・・・(1)
P0≧540×(lt/Dt)-0.27 ・・・(2)
P0=0.089・Q/Dt 2 ・・・(3)
ここで、P0:ノズル前圧(Torr)、Q:キャリアガス流量(Nm3/min)である。
(2)前記上吹きランスを用いて溶鋼表面に前記精錬用粉体を吹き付ける際に、さらに(4)式の条件を満たすことを特徴とする、上記(1)に記載の溶鋼の精錬方法。
(P0/Pe)0.2(De/H)0.1・(lt/WPB)0.1≧0.6 ・・・(4)
ここで、De:前記径拡大部の出口直径(m)H:ランス−湯面間距離(m)、WPB:粉体供給速度(kg/min)である。
以下に本発明について説明する。以下に説明する「RH真空脱ガス装置」とは、真空槽を有する溶鋼処理装置であり、「粉体反応効率」とは、上吹きした精錬用粉体(以下、粉体)が溶鋼と反応し、不純物の低減に寄与した効率を示す。また、「粉体上吹き処理」とは、RH真空脱ガス装置などの精錬容器の内部に設置された上吹きランスから、キャリアガスとともに粉体を吹き付けて溶鋼の精錬を行う処理である。粉体、粉体と溶鋼との反応、不純物元素の具体的な例に基づく「粉体反応効率」の算出については後述する。
[Pe:100Torr未満]
キャリアガスが形成するジェットはノズル前圧とノズル出口圧力との圧力勾配を駆動力とするため、ノズル出口圧力が低いほど超音速ジェットを形成し易い。また、真空槽内の雰囲気圧力Peが低いほど空気抵抗が小さくなるため、ノズルから噴射された粉体が溶鋼表面に到達するまでの速度の減衰が抑えられ、粉体の溶鋼への侵入効率が安定する。したがって、雰囲気圧力Peを100Torr以上としてしまうと、キャリアガスジェット流速の大幅な低下、空気抵抗の大幅な増加により粉体噴射後の速度の大幅な減衰を招くことから、雰囲気圧力Peを100Torr未満とする。
粉体速度がある臨界値を超えると粉体が溶鋼の表面を破り、浴内に侵入するようになり、反応効率が飛躍的に向上する。図2には、後述の方法にて調査した粉体反応効率指数とノズル出口での粉体噴射速度との関係を示す。この調査結果から、粉体噴射速度がおよそ60m/sを超えると脱硫効率が飛躍的に向上することを知見した。
比lt/Dtによって粉体加速効果は大きく異なってくるため、臨界速度を超えるために必要なノズル前圧P0の値は比lt/Dtによって当然異なってくる。そこで、図3に示した結果から、比lt/Dtが5.0以上を満たしている条件にて粉体噴射速度が60m/sを超えるために必要なノズル前圧P0および比lt/Dtの条件を定式化し、(2)式を得た。したがって、本発明の効果を得るためには、(1)式の条件に加え、比lt/Dtに応じてノズル前圧P0が(2)式の条件を満たすように制御する必要がある。
ノズルから噴射された粉体が溶鋼表面に到達するまでの間に、様々な要因で速度の減衰が生じる。本発明者らは後述する方法に則り、本発明の効果をより安定的に得るために必要な操業因子を抽出し、その影響を定式化した。
本発明において、転炉等の精錬炉から取鍋に出鋼された溶鋼は、脱酸、合金添加等の成分調整を終えた後、RH真空脱ガス装置等に代表される精錬容器において溶鋼の処理が実施される。上吹きランスを具備した精錬容器内にて前述の条件を満たす範囲でランス形状、操業条件を設定し、精錬用粉体をキャリアガスとともに上吹きする。ここで、粉体上吹きに用いる上吹きランスの断面形状は必ずしも真円形である必要はない。断面形状が真円以外の場合、スロート径Dtおよびノズル拡大部の出口径Deの値は、断面積から円相当径に換算した値を用いる。また、孔数についても特に限定しないが、孔数が多すぎると孔一つ当たりの前圧が低下して粉体の加速が困難となるため、単孔が望ましい。
本発明の効果は、粉体反応効率にて評価することができる。まず、粉体上吹き処理前後にて溶鋼サンプルを採取し、化学分析に供することで溶鋼中の不純物濃度[%X]を得る。ここで、粉体反応効率は以下の(5)式の粉体反応効率指数で評価する。
粉体反応効率指数=ln([%X]上吹き前/[%X]上吹き後)/粉体原単位
・・・(5)
粉体上吹き処理前のS濃度[%S]:0.0020〜0.0030質量%
粉体上吹き処理前の溶鋼の組成:
C濃度[%C]:0.05〜0.20質量%
Si濃度[%Si]:0.05〜0.30質量%
Mn濃度[%Mn]:0.50〜1.50質量%
Al濃度[%Al]:0.10〜0.20質量%
粉体上吹き処理時間:10min
実施例2のCh.No.7〜11は、前述の(4)式の条件を満たしていなかったが、それ以外の条件を全て満たしていたため、発明の効果が得られた。(4)式の条件を満たしていないとノズルから噴射された粉体の速度がやや減衰し、湯面に到達した時点での粉体速度がやや低位となったため、発明の効果が小さくなったと考えられる。したがって、本発明の効果を最大限発揮するためには、(1)式〜(3)式の条件に加えて(4)式の条件も併せて満たすことが望ましいことが確認できた。
Claims (2)
- 雰囲気圧力Pe(Torr)が100Torr未満の減圧下にてキャリアガスとともに溶鋼表面に精錬用粉体を吹き付ける処理において、前記精錬用粉体を吹き付ける上吹きランスの先端形状が円筒形のスロート部と円錐形の径拡大部とからなり、前記スロート部の直径Dt(m)と前記スロート部の長さlt(m)とが(1)式の関係を満たす上吹きランスを用い、かつ前記キャリアガスの供給条件が(2)式〜(3)式の条件を満たすことを特徴とする、溶鋼の精錬方法。
lt/Dt≧5.0 ・・・(1)
P0≧540×(lt/Dt)-0.27 ・・・(2)
P0=0.089・Q/Dt 2 ・・・(3)
ここで、P0:ノズル前圧(Torr)、Q:キャリアガス流量(Nm3/min)である。 - 前記上吹きランスを用いて溶鋼表面に前記精錬用粉体を吹き付ける際に、さらに(4)式の条件を満たすことを特徴とする、請求項1に記載の溶鋼の精錬方法。
(P0/Pe)0.2(De/H)0.1・(lt/WPB)0.1≧0.6 ・・・(4)
ここで、De:前記径拡大部の出口直径(m)H:ランス−湯面間距離(m)、WPB:粉体供給速度(kg/min)である。
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