JP2019073780A - 溶鋼の精錬方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】粉体を大幅に加速させ溶鋼中への粉体の侵入を促進させて精錬効率を高める溶鋼の精錬方法を提供する。【解決手段】雰囲気圧力Pe(Torr)が100Torr未満の減圧下にてキャリアガスとともに溶鋼表面に精錬用粉体を吹き付ける処理において、前記精錬用粉体を吹き付ける上吹きランスの先端形状が円筒形のスロート部と円錐形の径拡大部とからなり、前記スロート部の直径Dt(m)と前記スロート部の長さlt(m)との比lt/Dtが5.0以上で、かつノズル前圧P0が540×(lt/Dt)-0.27以上を満たすようにする。【選択図】図1

Description

本発明は、溶鋼の減圧精錬装置内の上吹きランスから噴射される精錬用粉体を大幅に加速させ、効率良く高級鋼を溶製する溶鋼の精錬方法に関する。
近年、鉄鋼製品に求められる性能レベルがますます高まっており、S,C等の溶鋼中不純物の徹底除去が求められている。例えばSに関して、10ppm以下の極低硫鋼を溶製するために、RH等の環流型真空脱ガス装置にて、溶鋼表面にキャリアガスとともにCaOを含有する脱硫剤粉体を吹き付けて脱硫処理を施す手法がとられる場合がある。また、Cに関して、溶鋼表面にFe23粉体を吹き付け、CによるFe23の還元を生じさせて脱炭反応を促進させる技術が知られている。
上記粉体上吹き処理における精錬効率を向上させる方法として、主に粉体の噴射範囲を拡大する手法と、溶鋼内部へ粉体の侵入を促進させる手法とが挙げられる。特に後者の手法では、粉体の噴射速度を増加させて慣性力を高め、溶鋼の表面張力を破って溶鋼内に深く侵入させる必要がある。また、上記粉体上吹き処理には、一般的にラバールノズルと呼称される径縮小部(スロート部)と径拡大部とを有する超音速ノズルを用い、キャリアガスとともに精錬用粉体を噴射する手法が広く用いられている。しかしながら、キャリアガスは体積の収縮と膨張とにより超音速まで瞬時に加速されるものの、体積変化を伴わない精錬用粉体はノズルから噴射された時点で必ずしもガスと同等の速度となっておらず、現状では粉体が加速不良で噴射され、溶鋼内に効率的に侵入していない。
上記課題に対し、特許文献1には、スロート部と円筒型の拡大部とを有する二段ノズルを用いた減圧精錬方法が開示されている。上記ノズルにより形成されるガスジェットは、ラバールノズルに対して最大動圧及び流速は劣るものの噴射範囲が拡大するため、粉体を広範囲に噴射することにより反応効率が向上するとしている。しかしながら、精錬用粉体は体積膨張を伴わず、かつガスに対して密度が大きいため直進性が非常に高く、粉体が必ずしもジェットと同様に広範囲に噴射されるとは限らない。また、ジェットの最大動圧及び流速がラバールノズルに対して大きく低下するため、粉体の加速が十分になされずに粉体の慣性力が溶鋼表面の表面張力を下回り、粉体が溶鋼内に侵入することができず溶鋼表面に堆積して反応効率が大きく低下する懸念がある。
一方、特許文献2には、ラバールノズルの先端にストレート形内管を接続し、粉体の加速距離を確保することで噴射速度を向上させ、粉体の溶鋼内への侵入を促進させて精錬効率を向上させることを特徴とするランスが開示されている。しかしながら、スロート出口から径拡大部にかけて著しくガスが膨張して圧力の低下が生じる。したがって、上記ノズルのストレート形内管におけるガスの圧力が非常に小さくなるため、加速効果は極めて小さい。また、上述した技術には、粉体上吹き処理中の操業条件に関する記載がなく、条件によって精錬効率が大きく変動する懸念がある。
特許第3654216号公報 特許第3598536号公報
以上のように従来の手法では、精錬用粉体の加速が効率的になされていないため、安定して高い精錬効率を発揮することは困難である。
そこで本発明は前述の問題点を鑑み、粉体を大幅に加速させ溶鋼中への粉体の侵入を促進させて精錬効率を高める溶鋼の精錬方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、種々のノズル形状、および粉体の吹き込み条件にて、まずノズルから噴射された粉体の速度を調査する試験を実施した。図1には、ラバールノズルの内部構造の例を示す。ラバールノズルを基本とし、かつラバールノズルにおいて最も圧力が高くなるスロート部の長さlt(m)を大きくすることで、粉体を大幅に加速できることを見出した。
また、ノズル前圧P0(Torr)は、スロート径Dt(m)とキャリアガス流量Q(Nm3/min)とから(3)式で表される。
0=0.089・Q/Dt 2 ・・・(3)
(3)式からもわかるように、ノズル前圧P0はスロート径Dtが小さいほど高くなる。したがって、仮にスロート部の長さltをある程度確保したとしても、スロート径Dtが大きすぎるとノズル前圧P0が小さくなり、粉体の加速不良が生じてしまう。このことから、スロート部の長さltとスロート部の直径(スロート径)Dtとの比に適正な範囲があることを見出した。
さらに本発明者らは、粉体の噴射速度を変えた条件にて、脱硫を対象として溶鋼への粉体上吹き試験を実施し、粉体反応効率と粉体速度との関係を調査した。その結果、粉体速度がある臨界値を超えると粉体が溶鋼の表面を破り溶鋼内に侵入するようになり、粉体反応効率が飛躍的に向上することがわかった。スロート部における粉体の加速にはスロート内部の圧力の絶対値も併せて高めることが必要であることから、スロート部の長さltとスロート径Dtとの比に加えてノズル前圧P0をある臨界値以上に制御することで粉体が溶鋼内に侵入可能な速度まで加速され、粉体反応効率が飛躍的に向上することを見出した。
本発明は、精錬用粉体の噴射速度を大幅に加速させて溶鋼中への侵入を促進させ、精錬効率を飛躍的に向上させるためのランス形状、および粉体噴射条件を明確とすることでなされたものである。具体的には、以下のとおりである。
(1)雰囲気圧力Pe(Torr)が100Torr未満の減圧下にてキャリアガスとともに溶鋼表面に精錬用粉体を吹き付ける処理において、前記精錬用粉体を吹き付ける上吹きランスの先端形状が円筒形のスロート部と円錐形の径拡大部とからなり、前記スロート部の直径Dt(m)と前記スロート部の長さlt(m)とが(1)式の関係を満たす上吹きランスを用い、かつ前記キャリアガスの供給条件が(2)式〜(3)式の条件を満たすことを特徴とする、溶鋼の精錬方法。
t/Dt≧5.0 ・・・(1)
0≧540×(lt/Dt-0.27 ・・・(2)
0=0.089・Q/Dt 2 ・・・(3)
ここで、P0:ノズル前圧(Torr)、Q:キャリアガス流量(Nm3/min)である。
(2)前記上吹きランスを用いて溶鋼表面に前記精錬用粉体を吹き付ける際に、さらに(4)式の条件を満たすことを特徴とする、上記(1)に記載の溶鋼の精錬方法。
(P0/Pe0.2(De/H)0.1・(lt/WPB0.1≧0.6 ・・・(4)
ここで、De:前記径拡大部の出口直径(m)H:ランス−湯面間距離(m)、WPB:粉体供給速度(kg/min)である。
本発明によれば、上吹きランスから精錬用粉体を吹き付ける際に、精錬用粉体を効率良く溶鋼内へ侵入させることができるため、精錬効率を飛躍的に向上させることができ、工業的価値は非常に大きい。
本発明における上吹きランスのノズル形状を模式的に示した図である。 粉体反応効率指数と粉体噴射速度との関係を示した図である。 本発明が適用されるノズル前圧P0と比lt/Dtとの関係を示す図である。
(1.本発明における用語の定義)
以下に本発明について説明する。以下に説明する「RH真空脱ガス装置」とは、真空槽を有する溶鋼処理装置であり、「粉体反応効率」とは、上吹きした精錬用粉体(以下、粉体)が溶鋼と反応し、不純物の低減に寄与した効率を示す。また、「粉体上吹き処理」とは、RH真空脱ガス装置などの精錬容器の内部に設置された上吹きランスから、キャリアガスとともに粉体を吹き付けて溶鋼の精錬を行う処理である。粉体、粉体と溶鋼との反応、不純物元素の具体的な例に基づく「粉体反応効率」の算出については後述する。
(2.本発明に係る粉体噴射条件)
[Pe:100Torr未満]
キャリアガスが形成するジェットはノズル前圧とノズル出口圧力との圧力勾配を駆動力とするため、ノズル出口圧力が低いほど超音速ジェットを形成し易い。また、真空槽内の雰囲気圧力Peが低いほど空気抵抗が小さくなるため、ノズルから噴射された粉体が溶鋼表面に到達するまでの速度の減衰が抑えられ、粉体の溶鋼への侵入効率が安定する。したがって、雰囲気圧力Peを100Torr以上としてしまうと、キャリアガスジェット流速の大幅な低下、空気抵抗の大幅な増加により粉体噴射後の速度の大幅な減衰を招くことから、雰囲気圧力Peを100Torr未満とする。
[lt/Dt≧5.0 ・・・(1)]
粉体速度がある臨界値を超えると粉体が溶鋼の表面を破り、浴内に侵入するようになり、反応効率が飛躍的に向上する。図2には、後述の方法にて調査した粉体反応効率指数とノズル出口での粉体噴射速度との関係を示す。この調査結果から、粉体噴射速度がおよそ60m/sを超えると脱硫効率が飛躍的に向上することを知見した。
図3には、ノズル前圧P0を変更した条件にてノズル出口での粉体噴射速度を実測し、比lt/Dtで整理した結果を示す。図3において、○印は粉体噴射速度が60m/sを超えたものを示し、×印は粉体噴射速度が60m/sを超えなかったものを示している。図3に示すように、比lt/Dt<5.0の範囲においては粉体加速効果が不十分であり、ノズル前圧P0を高位に制御したとしても粉体噴射速度を60m/s以上とすることができなかった。したがって、本発明の効果を十分に発揮するためには、比lt/Dtを5.0以上とする必要がある。
[P0≧540×(lt/Dt-0.27 ・・・(2)]
比lt/Dtによって粉体加速効果は大きく異なってくるため、臨界速度を超えるために必要なノズル前圧P0の値は比lt/Dtによって当然異なってくる。そこで、図3に示した結果から、比lt/Dtが5.0以上を満たしている条件にて粉体噴射速度が60m/sを超えるために必要なノズル前圧P0および比lt/Dtの条件を定式化し、(2)式を得た。したがって、本発明の効果を得るためには、(1)式の条件に加え、比lt/Dtに応じてノズル前圧P0が(2)式の条件を満たすように制御する必要がある。
[(P0/Pe0.2(De/H)0.1・(lt/WPB0.1≧0.6 ・・・(4)]
ノズルから噴射された粉体が溶鋼表面に到達するまでの間に、様々な要因で速度の減衰が生じる。本発明者らは後述する方法に則り、本発明の効果をより安定的に得るために必要な操業因子を抽出し、その影響を定式化した。
まず、ノズル前圧P0と雰囲気圧力Peとの関係で、前述したようにノズル前圧とノズル出口圧力との比が大きいほど、ジェットの駆動力が大きくなるため、ノズル前圧P0と雰囲気圧力Peと比P0/Peは大きい方が望ましい。また、ノズル拡大部の出口径Deとランス−湯面間距離(ランス高さ)Hとの関係で、ランス高さHが大きくなると、その分湯面に到達するまでの間に粉体が空気抵抗にさらされることになるため、ノズル拡大部の出口径Deとランス高さHとの比De/Hも大きい方が望ましい。さらに、スロート部の長さltと粉体供給速度WPBとの関係で、粉体供給速度WPBが大きくなると、粉体間の凝集などによるエネルギーの損耗が大きくなるため、スロート部の長さltと粉体供給速度WPBとの比lt/WPBも大きい方が望ましい。以上のことから、本発明の顕著な効果を安定して得るためには、(1)式および(2)式に加えて、さらに(4)式の条件を満たしていることが望ましい。
(3.処理条件)
本発明において、転炉等の精錬炉から取鍋に出鋼された溶鋼は、脱酸、合金添加等の成分調整を終えた後、RH真空脱ガス装置等に代表される精錬容器において溶鋼の処理が実施される。上吹きランスを具備した精錬容器内にて前述の条件を満たす範囲でランス形状、操業条件を設定し、精錬用粉体をキャリアガスとともに上吹きする。ここで、粉体上吹きに用いる上吹きランスの断面形状は必ずしも真円形である必要はない。断面形状が真円以外の場合、スロート径Dtおよびノズル拡大部の出口径Deの値は、断面積から円相当径に換算した値を用いる。また、孔数についても特に限定しないが、孔数が多すぎると孔一つ当たりの前圧が低下して粉体の加速が困難となるため、単孔が望ましい。
一方で、粉体上吹きに用いるキャリアガスの種類は限定しないが、操業安定性、処理コストの観点から、希ガス元素が望ましく、特にArを使用することがより望ましい。また、キャリアガス流量Qが大きすぎると真空槽内の雰囲気圧力Peを高真空に維持することが困難となることに加え、キャリアガスジェットによる溶鋼飛散が活発となり設備負荷が大きく増加する。このことからキャリアガス流量Qは20Nm3/min未満とすることが望ましい。
さらに、本発明は脱硫に限定せず粉体上吹き処理全般を対象としているため、精錬用粉体は除去する不純物に応じて種類、粒径等を変更してもよい。しかしながら、粉体の粒径が大きすぎると質量に対する表面積が低下し、溶鋼との反応速度が大きく低下する。また、粉体の粒径が小さすぎると単一粒子の質量が大きく低下し、溶鋼への侵入が困難となる。このため、精錬用粉体の粒径は平均値で20〜100μmであることが望ましい。
(4.効果の確認方法)
本発明の効果は、粉体反応効率にて評価することができる。まず、粉体上吹き処理前後にて溶鋼サンプルを採取し、化学分析に供することで溶鋼中の不純物濃度[%X]を得る。ここで、粉体反応効率は以下の(5)式の粉体反応効率指数で評価する。
粉体反応効率指数=ln([%X]上吹き前/[%X]上吹き後)/粉体原単位
・・・(5)
ここで、粉体原単位(kg/ton)は、粉体上吹き処理に使用した粉体総質量を溶鋼質量で除した値である。本発明において、粉体反応効率指数が0.100以上であったものを発明の効果が得られたと判断でき、粉体反応効率指数が0.150以上であったものを発明の効果が特に顕著に得られたと判断できる。
次に、本発明の実施例について説明するが、実施例での条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
転炉吹錬を終えた溶鋼を取鍋に出鋼した後、取鍋をRH真空脱ガス装置まで搬送し、上吹きランスを具備した真空槽を取鍋内の溶鋼に挿入し、溶鋼を真空槽内に吸引して粉体の上吹き処理を開始した。実施例1及び2(本発明例)、比較例はすべて脱硫処理を対象とし、上吹きランスは単孔ラバールランス、上吹きする粉体はCaO、キャリアガスはAr、溶鋼量は250ton規模、溶鋼温度は1600〜1640℃とした。粉体の上吹き処理を行う際に、スロート部の長さlt、スロート径Dt、出口径De、雰囲気圧力Pe、キャリアガス流量Q、粉体供給速度WPBおよびランス高さHを操作因子として以下の表1のように変化させ、他の精錬条件は以下の通りとした。
粉体上吹き処理前のS濃度[%S]:0.0020〜0.0030質量%
粉体上吹き処理前の溶鋼の組成:
C濃度[%C]:0.05〜0.20質量%
Si濃度[%Si]:0.05〜0.30質量%
Mn濃度[%Mn]:0.50〜1.50質量%
Al濃度[%Al]:0.10〜0.20質量%
粉体上吹き処理時間:10min
粉体上吹き処理の前後に溶鋼サンプルを採取し、溶鋼サンプルの一部を化学分析に供することで処理前後のS濃度[%S]を得て、前述の(5)式にて粉体反応効率指数を算出した。各条件における粉体反応効率指数の値を表2に併せて示す。なお、上述した効果の確認方法に則り、粉体反応効率指数が0.150以上で発明の効果が特に顕著に得られたものを◎、顕著ではないが粉体反応効率指数が0.100以上で発明の効果が得られたものを○、発明の効果が得られなかったものを×と評価した。また、表1および表2中の下線で示している項目は、本発明を満足しない値を示している。
実施例1のCh.No.1〜6は、前述の(1)式〜(4)式のすべての条件を全て満たしていたため、発明の効果が特に顕著に得られた。
実施例2のCh.No.7〜11は、前述の(4)式の条件を満たしていなかったが、それ以外の条件を全て満たしていたため、発明の効果が得られた。(4)式の条件を満たしていないとノズルから噴射された粉体の速度がやや減衰し、湯面に到達した時点での粉体速度がやや低位となったため、発明の効果が小さくなったと考えられる。したがって、本発明の効果を最大限発揮するためには、(1)式〜(3)式の条件に加えて(4)式の条件も併せて満たすことが望ましいことが確認できた。
一方、比較例のCh.No.12〜16は、必須の条件を一部満たしていなかったため、発明の効果が得られなかったものである。Ch.No.12は、雰囲気圧力が100Torr以上であったため、キャリアガスジェットの動圧、流速が大きく減衰したことに加え、雰囲気の空気抵抗が大きく噴射後の粉体速度が大きく低下してしまい、発明の効果が得られなかったと考えられる。したがって、粉体上吹き処理中の雰囲気圧力は必ず100Torr未満とする必要があることが確認できた。
Ch.No.13および14は、粉体上吹き処理における上吹きランスの比lt/Dtが5.0を下回っていたため、粉体の加速距離が不十分であり、発明の効果が得られなかった。したがって、上吹きランスの比lt/Dtは必ず5.0以上とする必要があることが確認できた。
Ch.No.15および16は、粉体上吹き処理におけるノズル前圧P0が(2)式の条件を満たしていなかったため、Ch.No.13および14と同様に粉体の加速が不十分であり、発明の効果が得られなかった。したがって、ノズル前圧P0は必ず(2)式の条件を満たす必要があることが確認できた。

Claims (2)

  1. 雰囲気圧力Pe(Torr)が100Torr未満の減圧下にてキャリアガスとともに溶鋼表面に精錬用粉体を吹き付ける処理において、前記精錬用粉体を吹き付ける上吹きランスの先端形状が円筒形のスロート部と円錐形の径拡大部とからなり、前記スロート部の直径Dt(m)と前記スロート部の長さlt(m)とが(1)式の関係を満たす上吹きランスを用い、かつ前記キャリアガスの供給条件が(2)式〜(3)式の条件を満たすことを特徴とする、溶鋼の精錬方法。
    t/Dt≧5.0 ・・・(1)
    0≧540×(lt/Dt-0.27 ・・・(2)
    0=0.089・Q/Dt 2 ・・・(3)
    ここで、P0:ノズル前圧(Torr)、Q:キャリアガス流量(Nm3/min)である。
  2. 前記上吹きランスを用いて溶鋼表面に前記精錬用粉体を吹き付ける際に、さらに(4)式の条件を満たすことを特徴とする、請求項1に記載の溶鋼の精錬方法。
    (P0/Pe0.2(De/H)0.1・(lt/WPB0.1≧0.6 ・・・(4)
    ここで、De:前記径拡大部の出口直径(m)H:ランス−湯面間距離(m)、WPB:粉体供給速度(kg/min)である。
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