JP6660044B2 - 溶鉄の送酸精錬方法及び上吹きランス - Google Patents

溶鉄の送酸精錬方法及び上吹きランス Download PDF

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Description

本発明は、反応容器に装入した溶鉄に上吹きランスから酸素含有ガスを吹き付けて溶鉄に送酸精錬を施す溶鉄の送酸精錬方法、及びその送酸精錬に用いるための上吹きランスに関する。
溶鉄の酸化精錬において、反応効率向上の観点から、上吹きランスから噴射される酸素含有ガスの溶鉄浴面での噴流流速とガス流量とを同時に制御できる実用的な送酸手段が求められている。
例えば、転炉での溶銑の脱炭精錬では、転炉生産性向上の観点から、単位時間当たりの上吹き酸素流量を高めた操業を行うことがある。しかし、その場合溶銑湯面での噴流の流速が高くなると、ダストなどとして炉外に飛散する鉄分及び炉壁や炉口付近に付着・堆積する鉄分が増加する。この量が多くなると、鉄歩留低下によるコストの増加や転炉稼働率の低下を招くため、高流量かつ低流速を実現可能な送酸手段が求められている。
一方で、吹錬末期の溶鉄中炭素濃度が低い場合においては、鉄の過剰な酸化ロスを防ぐため、上吹き酸素流量を少なくして吹錬を行うことが一般的である。この場合、溶鉄湯面での噴流の流速が低すぎると、火点における溶鉄の攪拌が弱く、鉄が過剰に酸化するという問題がある。このため、高酸素流量時においては低流速での操業を可能とし、かつ、低酸素流量時でも高流速での操業を可能とする送酸手段が求められている。
一般に、酸素流量の調整とは独立して浴面での流速を調整する方法として、ランス高さを調整する方法が用いられている。しかし、ランス高さを低くし過ぎると、飛散した溶鉄による溶損を受けてランス寿命が著しく低下する問題があり、また、ランス高さを高くし過ぎると、2次燃焼率の増大や2次燃焼着熱効率の低下によって炉内ガス温度が上昇し、耐火物寿命の低下を招く問題があるため、ランス高さによる流速の調整範囲には限界がある。このため、酸素流量に拠らずに噴射速度を調整可能な送酸ノズルの実現が期待されていた。
しかし、一般的には、ノズル出口でのガス流速は、ノズル形状を決めればガス流量に対してガス流速が一義的に決定され、高流量では流速が増加し、低流量では流速が減少するという性質がある。特に、高ガス流量で低動圧となるようノズル径を大きくすると、ガス流量を低下させた場合に流速が低下しすぎることが問題であった。このため、吹錬中にノズル形状を制御することで、高酸素流量時に動圧が高くなり過ぎることがない吹錬条件、および、低酸素流量時に動圧が低くなり過ぎない吹錬条件を同時に達成できる技術が検討されていた。吹錬中にノズル形状を制御する技術としては、例えば、特許文献1に、機械的にノズル形状を変える真空脱ガス槽内の上吹きランスの技術が開示されている。
また、特許文献2には、ラバールノズルの末拡がり部の内面にガスの吹き出し孔を設け、主流の酸素ガス流量に応じて、この吹き出し孔からガスを吹き込む、ラバールノズルを使った操業方法が開示されている。転炉精錬では、ランス高さを高くしても溶鉄浴面で十分なガス流速が得られるよう、ガスの圧力を効率よく運動エネルギーに転換することができるラバールノズルが広く用いられている。ラバールノズルでは、ノズル出口とスロート部との横断面積(ノズル内の中心軸に垂直な断面の面積)の比(開口比)に応じて、ノズルの末拡がり部で適正膨張となってエネルギー損失が少なくなる、ノズルの入口と出口との圧力比が決まる。ノズル出口の炉内圧力は概ね大気圧なので、ノズルの形状に対して適正膨張となるノズル入口でのガス圧力(適正膨張圧力)と、それに応じたガス流量(適正膨張流量)とが一義的に決まる。しかし、ガス流量を適正膨張流量よりも低下させると、ノズル入口のガス圧力は適正膨張圧よりも低くなって、ノズル内で衝撃波が生じる過膨張の状態となり、逆に、ガス流量を適正膨張流量よりも増大させると、ノズル出口以降で衝撃波が生じる不足膨張の状態となって、エネルギー損失が生じ、それぞれのガス圧力において適正膨張となるノズル形状の場合よりもガス流速が低下する。
特許文献2の方法では、適正膨張流量よりも低いガス流量において、ラバールノズルの末拡がり部の内面に設けたガスの吹き出し孔から少量のガスを吹き込むことによって、末拡がり部のノズル側面に沿って形成された境界層のガス流れが内側に押し出されて剥離するとされている。そして、このことにより、主流ガスの膨張が抑制されて、過膨張の状態が緩和され、ガス流量を低下させた場合におけるガス流速の低下が抑制されるとされている。
また、ノズル内に主流とは別にガスを吹き込んでガス噴流を制御する方法としては、特許文献3に、RH脱ガス設備の上吹きランスにおいて、ラバールノズルのスロート部に作動ガスを噴出させて主流のガスジェットの噴出方向を制御する方法が開示されている。
特開平8−260029号公報 特開2000−234116号公報 特開2004−156083号公報
機械的にノズル形状を変える方法である特許文献1の方法は、高温かつダストが発生する雰囲気下で機械的可動部を持つなどの点で実用的でない上、噴出孔が多数あるランスへの応用が困難という問題があった。また、ノズル内面の可動部によって断面積を縮小する場合、この段差部分において段差が生じるが、この段差の形状がガス流速に及ぼす影響も必ずしも明らかではなかった。
また、特許文献2の方法では、ラバールノズルの末拡がり部においてガス流れの境界層をノズル壁面から剥離させ、低ガス流量時の過膨張の状態を緩和することを意図しているが、ガス供給圧力がノズルの開口比によって決まる適正膨張圧よりも高い不足膨張条件では、効果的に流速を増加させることができないという問題があった。
特に、転炉などの送酸精錬における生産性を向上するため、酸素ガス流量の増大が求められており、高ガス流量条件におけるガス流速を抑制するためにスロート部のノズル断面積を拡大することがある。しかし、ランス先端を冷却するために適正な冷却水の流路断面積を確保する必要から、ノズルの出口断面積は制約を受けるため、ノズルの開口比は必ずしも自由には設定できない。この場合、ノズルの開口比及びそれによって決まる適正膨張圧は低下する傾向となるため、低ガス流量条件においても不足膨張条件となることがある。しかし、特許文献2の方法では、このような場合にガス流速を効果的に増加させることができなかった。
さらに、特許文献3の方法では、ガスジェットの噴出方向を制御することはできても、ガス流速を効果的に制御することはできないという問題があった。
本発明は、ランスノズルに機械的可動部を用いることなく、不足膨張条件においても低ガス流量時のガス流速を効果的に増加させることができる、ガス流量の可変範囲の大きい上吹き送酸方法とそれに用いる上吹きランスを提供することを目的としている。
発明者らは、上記課題を解決するため、上吹きガスの噴射ノズルに機械的可動部を設けることなく、ノズル内へのガス導入方法を変更することで、ガス流量に拠らず、ガス流速を制御する方法について鋭意検討を重ね、本発明の送酸精錬方法及びその送酸精錬に用いるための上吹きランスを完成するに至った。
即ち、本発明は、反応容器に装入した溶鉄に上吹きランスから酸素含有ガスを吹き付けて前記溶鉄に送酸精錬を施す溶鉄の送酸精錬方法であって、前記送酸精錬の少なくとも一部の期間、前記上吹きランスの外殻を貫通する前記酸素含有ガスの噴射ノズルにおいて、ノズルの横断面積がノズル軸方向で最小の横断面積となる部位またはその近傍の部位のノズル側面に、ノズルの中心軸を通る任意の平面で二分した場合に両空間に少なくとも噴出口の一部が存在するように配置して設けた噴出口から前記噴射ノズル内に向けて制御用ガスを噴出させながら、前記噴射ノズルの入口側から主供給ガスとして酸素含有ガスを供給して前記噴射ノズルから噴射することを特徴とする溶鉄の送酸精錬方法である。また、好適例として、前記ノズルの横断面積がノズル軸方向で最小の横断面となる部位の近傍が、ノズルの横断面積がノズル軸方向で最小の横断面積の1.1倍以下となる部位であることがある。
なお、本発明では、明細書全体を通して、ノズルの「横断面積」とは、ノズル内部の中心軸に垂直な面積のことをいう。そのため、本発明において「最小の横断面積の1.1倍以下である部位」とは、その部位の横断面積が最小の横断面積の1.0倍を超え1.1倍以下となる部位のことを指す。
なお、前記のように構成される本発明に係る溶銑の送酸精錬方法では、
(1)噴射ノズルとして、ノズル出口に続いて横断面積がノズル軸方向で最小で一定となるストレート部を有するストレートノズル、または、横断面積がノズル軸方向で最小となるスロート部に続いて末拡がり部を有するラバールノズルを使用すること、
(2)前記噴射ノズルの入口側における前記主供給ガスの圧力を、下記(1)式を満たす適正膨張圧Poより大きくすること:
Ae/At=(55/2/6)×(Pe/Po)−5/7×[1−(Pe/Po)2/7−1/2・・・(1)
ここで、At:噴射ノズルの最小横断面積(mm)、Ae:噴射ノズルの出口断面積(mm)、Pe:ノズル出口部雰囲気圧(kPa)、Po:ノズル適正膨張圧(kPa)、
(3)前記噴出口が前記噴射ノズルの側面の周方向に複数の方向に設けられ、前記噴出口への前記制御用ガスの導入孔の直径と前記噴射ノズル1つあたりの前記噴出口の数nとの積が、前記噴射ノズルの横断面積が最小となる部位のノズル内径の0.4倍以上であること、
(4)前記噴出口が前記噴射ノズルの側面の全周方向にスリット状に設けられ、前記噴出口の前記噴射ノズルの軸方向の長さが、前記噴射ノズルの横断面積が最小となる部位のノズル内径の0.25倍以下であること、
(5)前記送酸精錬の少なくとも一部の期間、前記噴射ノズル内に向けて噴出する前記制御用ガスの流量が、前記制御用ガスの流量と前記噴射ノズルに供給する前記主供給ガスの流量との合計流量の5%以上であること、
(6)前記上吹きランスから前記溶鉄に吹き付ける前記酸素含有ガスの供給速度に応じて、前記制御用ガスの供給速度を調整すること、
(7)前記溶鉄の送酸精錬の進行に伴って、前記制御用ガスの供給速度を変更すること、
(8)前記送酸精錬開始前の溶鉄の珪素濃度に応じて、前記制御用ガスの供給速度を変更すること、
(9)前記送酸精錬において供給する前記酸素含有ガスに含まれる総酸素ガス量の85%を供給した以後の送酸精錬末期に、前記噴射ノズルにおいて、前記制御用ガスを噴出させながら、前記主供給ガスとして酸素含有ガスを供給すること、
(10)前記送酸精錬開始前の珪素濃度が0.40質量%以上の溶鉄に対して、前記送酸精錬において供給する前記酸素含有ガスに含まれる総酸素ガス量の20%を供給する以前の送酸精錬初期に、前記噴射ノズルにおいて、前記制御用ガスを噴出させながら、前記主供給ガスとして酸素含有ガスを供給すること、
がより好ましい解決手段となるものと考えられる。
また、本発明は、反応容器に収容された溶鉄に酸素含有ガスを吹き付けるための上吹きランスであって、前記上吹きランスの外殻を貫通する前記酸素含有ガスの噴射ノズルにおいて、ノズルの横断面積がノズル軸方向で最小の横断面積となる部位またはその近傍の部位のノズル側面に、ノズルの中心軸を通る任意の平面で二分した場合に両空間に少なくとも噴出口の一部が存在するように配置された、前記噴射ノズル内に向けて制御用ガスを噴出させるための噴出口を備え、前記ノズル側面の周方向に複数の方向に備えられた前記制御用ガスの複数の噴出口への前記制御用ガスの導入路が、前記上吹きランス内において互いに連通していることを特徴とする上吹きランスである。また、好適例として、前記ノズルの横断面積がノズル軸方向で最小の横断面となる部位の近傍が、ノズルの横断面積がノズル軸方向で最小の横断面積の1.1倍以下となる部位であることがある。
なお、前記のように構成される本発明に係る上吹きランスにおいては、
(1)前記噴出口が前記噴射ノズルの側面の周方向に複数の方向に設けられ、前記噴出口に連通する前記制御用ガスの噴出ノズルの内径と前記噴射ノズル1つあたりの前記噴出口の数nとの積が、前記噴射ノズルの最小横断面積に対応するノズル内径の0.4倍以上であること、
(2)噴射ノズルとして、ノズル出口に続いて断面積がノズル軸方向で最小で一定となるストレート部を有するストレートノズル、または断面積がノズル軸方向で最小となるスロート部に続いて末拡がり部を有するラバールノズルを使用すること、
がより好ましい解決手段となるものと考えられる。
さらに、本発明は、反応容器に収容された溶鉄に酸素含有ガスを吹き付けるための上吹きランスであって、前記上吹きランスの外殻を貫通する前記酸素含有ガスの噴射ノズルにおいて、横断面積がノズル軸方向で最小の横断面積となる部位またはその近傍の部位のノズル側面の周方向に全周方向にスリット状に設置された、前記噴射ノズル内に向けて制御用ガスを噴出させるための噴出口を備えることを特徴とする上吹きランスである。また、好適例として、前記ノズルの横断面積がノズル軸方向で最小の横断面となる部位の近傍が、ノズルの横断面積がノズル軸方向で最小の横断面積の1.1倍以下となる部位であることがある。
なお、前記のように構成される本発明に係る上吹きランスにおいては、
(1)前記噴出口の前記噴射ノズルの軸方向の長さが、前記噴射ノズルの最小横断面積に対応するノズル内径の0.25倍以下であること、
(2)噴射ノズルとして、ノズル出口に続いて断面積がノズル軸方向で最小で一定となるストレート部を有するストレートノズル、または断面積がノズル軸方向で最小となるスロート部に続いて末拡がり部を有するラバールノズルを使用すること、
がより好ましい解決手段となるものと考えられる。
本発明によれば、上吹きランスの酸素含有ガスの噴射ノズルに、機械的可動部を用いることなく、ノズル内の断面積が長さ方向で最小の横断面となる部位の近傍のノズル側面において周方向に複数の方向または全周方向から噴射ノズル内に向けて噴出させる制御用ガスを制御することで、総ガス流量に拠らず、ガス流速を制御することが可能となる。このため、溶鉄等の飛散が激しい送酸精錬の操業条件においても、機械的可動部のトラブルを招くことなく操業に用いることができる。また、不足膨張条件においても低ガス流量時のガス流速を効果的に増加させることができるので、ガス流量の可変範囲の大きい上吹き送酸方法とそれに用いる上吹きランスを実現できる。すなわち、高ガス流量条件においてスピッティング低減に適した最小内径の大きいノズルであっても、低ガス流量条件におけるガス流速の低下を抑制して送酸精錬を実施することが可能となる。
本発明の上吹きランスで用いるガス噴射ノズルの一例の縦断面を示す模式図である。 (a)〜(d)は、それぞれ、図1に示すガス噴射ノズルにおける制御用ガス噴出口を説明するためのスロート部での横断面を示す模式図である。 図2(a)〜(d)に示すガス噴流ノズルにおける、制御用ガス流量による噴流流速の増加挙動を示すグラフである。 本発明の上吹きランスで用いるガス噴射ノズルにおいて、噴流流速が最大となる制御用ガス流量比率での噴流流速を、制御用ガス噴出口の径×制御用ガス噴出口の数/噴射ノズルのスロート部直径を横軸として整理した結果を示すグラフである。 本発明の上吹きランスで用いるガス噴射ノズルにおいて、噴流流速が最大となる制御用ガス流量比率での噴流流速を、スリットの隙間の間隔/噴射ノズルのスロート部直径を横軸として整理した結果を示すグラフである。 本発明の上吹きランスで用いるガス噴射ノズルにおいて、脱炭処理終了時の吹止め炭素濃度とスラグ中T.Fe濃度(質量%)との関係を示すグラフである。 本発明を用いた脱炭吹錬において、吹錬初期の制御用ガス流量比率によるスロッピングの発生有無の結果を示すグラフである。 本発明を用いた脱炭吹錬において、溶銑の珪素濃度が0.4質量%未満の条件での制御用ガス流量比率とダスト発生速度の関係を示すグラフである。 本発明を用いた脱炭吹錬において、炭素濃度約0.05質量%まで脱炭吹錬を行った時点でのスラグ中のT.Fe濃度(質量%)と制御用ガス流量比率との関係を示すグラフである。
以下に、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明で使用する上吹きランス用のガス噴射ノズルの一例を示すノズルの縦断面の模式図である。送酸精錬用の酸素含有ガスは、上吹きランスの貯気槽4から、上吹きランスの外殻を貫通する噴射ノズルを通り、浴面へと噴射される。図1及び図2(a)〜(d)に示す例では、簡略化して説明するため、噴射ノズルを1つのみ有する上吹きランスの先端部を示しており、水冷の上吹きランスの外殻の冷却水流路等については省略して図示している。ここで、酸素含有ガスとしては、工業用の純酸素ガスを用いることが一般的であるが、純酸素ガスと窒素ガスまたはアルゴンガスとの混合ガスなども目的に応じて使用されることがある。
図1に示したラバールノズルは、ノズル内の断面積が噴射ノズルの軸方向で最小となるスロート部1とその下流側に続く末拡がり部2とを備える。また、スロート部1の上流側に続けて図示しない先細部を備え、主供給ガスをスロート部1に導入する先細末拡がりノズルの形状とする場合もある。本発明で用いる上吹きランスは、ノズルの横断面積が噴射ノズル軸方向で最小の横断面積となる部位の近傍のノズル側面に、ノズルの中心軸を通る任意の平面で二分した場合に両空間に少なくとも噴出口の一部が存在するように配置して設けた制御用ガスの噴出口3を備えたガス噴射ノズルを備える。この制御用ガスの噴出口3から、噴射ノズルの入口から供給される主供給ガスとは独立して流量制御の可能な制御用ガスを噴射ノズル内に向けて噴出させながら、噴射ノズルの入口側から主供給ガスとして酸素含有ガスを供給することができる。
ここで、噴出口3を含む部位における噴射ノズルの断面積とは、噴射ノズルの側面において、実際には噴射ノズルの側面が存在しない噴出口3の部分を噴出口3の周囲のノズル側面と連続する滑らかな曲面で補間した曲面を仮想ノズル側面として、噴射ノズルの中心軸に垂直な平面において、この仮想ノズル側面に囲まれた面積を意味する。
この際、複数の噴出口3の部分を除く噴射ノズルの側面が噴射ノズルの中心軸を中心とする回転体の側面として形成される場合は、仮想ノズル曲面はこの回転体の側面と等しくなる。ラバールノズルの場合には、噴出口3の部分を補間する曲面は、円柱または円錐の側面の一部、あるいはこれらの組み合わせからなることが多いが、末拡がり部2の形状が円錐台でない釣鐘状の場合や噴射ノズルの断面形状が円形でない場合も含めると、必ずしも円柱または円錐の側面の一部、あるいはこれらの組み合わせには限られない。
また、後述するように、噴出口3が噴射ノズルの周方向の全周にスリット状に形成される場合には、仮想ノズル曲面は、噴射ノズルの中心軸を含む断面において噴出口3の部位を近傍のノズル側面と連続する滑らかな曲線(直線の場合も含む)で補間することで求められる。
噴出口3の無い、通常の酸素ガスを上吹きするラバールノズルを有する上吹きランスでは、酸素ガスの流量とスロート部入口での圧力との関係は、経験的に下記(2)式のように近似して表わせることが知られている:
Pt=Fo/(0.456×n×dt)・・・(2)
ここで、Ptはスロート部1の入口のガス圧力(絶対圧)(kgf/cm)、Foは上吹きランスから噴射する酸素ガス流量(Nm/hr)、nは上吹きランスの噴射ノズル個数、dtは噴射ノズルのスロート部の内径である。
(2)式から、スロート部1の入口のガス圧力Ptは、ガス流量に比例し、且つ、スロート部1の断面積に反比例する(或いは、Ptはガスの線速度(Nm/s)に比例する)。噴射ノズルから噴射されるガス噴流は、根源的にはこのガス圧力Ptを動力源とするものであり、定性的にはガス噴流の速度あるいは運動エネルギーは、ガス圧力Ptが高いほど高くなる傾向がある。
これに対して、噴射ノズルから噴射する総ガス流量を一定とする条件で噴出口3から制御用ガスを噴出させると、スロート部1の噴出口3の近傍では、軸方向の質量流速が小さい領域が生じ、スロート部1の横断面(噴射ノズルの中心軸に垂直な断面)のその他の領域では、制御用ガスを噴出させない場合よりも質量流速(単位面積当たりの質量流量)が増大する。このため、スロート部1の入口で主供給ガスのガス圧力が上昇して、噴射ノズルから噴射されるガス噴流の速度が増大する現象が見いだされた。この現象は、見掛け上スロート部1の横断面積を減少させる効果とも言えるが、主供給ガスに対する制御用ガスの割合が比較的小さくても顕著であり、スロート部1に制御用ガスの噴出口3を備えたラバールノズルの場合だけでなく、ノズルの軸方向に横断面積が一定なストレートノズルにおいて、ある軸方向位置に制御用ガスの噴出口を設けた場合にも同様に観察された。末拡がり部2のないストレートノズルでは、複数の噴出口3を設けるノズル軸方向位置をどの噴出口3に対しても一様とすれば、任意のノズル軸方向位置に設けても良い。すなわち、ストレートノズルにおいて、噴出口3を設ける位置は、ノズルの横断面積がノズル軸方向で最小の横断面積となる部位のノズル側面となる。
噴出口3からの制御用ガスの導入によるスロート部入口での主供給ガスのガス圧力の上昇を、効率よく運動エネルギーに転換して噴流の流速を増大させるためには、通常のラバールノズルの場合と同様にノズル形状の影響を考慮する必要があり、発明者らは、特定のノズル形状の条件では特に良好な噴流流速を増大させる効果が得られることを見いだした。すなわち、噴射ノズルの開口比(Ae/At)に対して下記(1)式によって決まる適正膨張圧Poよりも主供給ガスのスロート部入口でのガス圧力が高くなる、見掛け上不足膨張の条件では、この条件を満たさない場合よりも効果的に噴流流速を増大させることができる:
Ae/At=(55/2/6)×(Pe/Po)−5/7×[1−(Pe/Po)2/7−1/2・・・(1)
ここで、At:噴射ノズルの最小横断面積(mm)、Ae:噴射ノズルの出口断面積(mm)、Pe:ノズル出口部雰囲気圧(kPa)、Po:ノズル適正膨張圧(kPa)である。この噴流流速の増大効果に対するノズル形状の影響については、以下のように説明できると考えられる。
すなわち、通常のラバールノズルでは、スロート部1の入口でのガス圧力が適正膨張圧より高い場合、ラバールノズルの末拡がり部2では不足膨張となって、ガスは圧力が高いままノズル出口から噴射され、ノズルの外で衝撃波を伴って膨張するため、エネルギー損失が生じ、同じスロート部1の入口でのガス圧力で適正膨張となる、より開口比の大きなノズルの場合よりも噴流流速は低下する。
これに対して、スロート部1(あるいはノズルの横断面積がノズル軸方向で最小となるストレート部)のノズル側面に備えた複数の噴出口3から制御用ガスを噴出させた場合には、スロート部1のノズル側面(壁面)に沿って形成される主供給ガスのガス境界層がノズル側面から剥離し、見掛け上スロート部1のノズル断面積を減少させる効果が生じる。一方、このノズル断面積を減少させる効果は、ノズル出口においては、制御用ガスが噴射ノズルのガス噴射方向に加速されることで相対的に小さくなると考えられる。このため、制御用ガスを導入することによって、実際のノズルの形状よりも実質的に開口比を増大させる効果が生じることになり、ノズル形状(開口比)から上記(1)式によって決まる適正膨張圧よりも高いスロート部1の入口でのガス圧力において実質的に適正膨張となって噴流流速が増大する。また、スロート部1の入口でのガス圧力に対して上記(1)式によって決まる開口比のノズルを用いた場合には、実質的には過膨張となってエネルギー損失が生じる。このように、スロート部1(あるいはノズルの横断面積がノズル軸方向で最小となる部位)のノズル側面に備えた複数の噴出口から制御用ガスを噴出させた場合には、噴射ノズルの形状(開口比)から下記(1)式によって決まる適正膨張圧Poよりもスロート部1の入口での主供給ガスのガス圧力が高い、見掛け上不足膨張の条件で、この条件を満たさない場合よりも効果的に噴流流速を増大させることができる。
以上のような制御用ガスによる噴流流速の増大機能について確認するため、図1に示したような概形のノズルなどを用いてモデル実験を行い、噴流流速に及ぼす制御用ガスの影響を調査した。用いたノズルの形状条件を表1に示すが、ノズルA1〜A3およびBは、スロート部1を有するラバールノズルであり、ノズルC1〜C6は、ノズル出口から所定の距離の位置に制御用ガスの噴出口を有するストレートノズルである。制御用ガスの噴出口は、何れの条件においても、図2(c)に示した噴射ノズルのスロートでの横断面図のように、8個を周方向に等分に配置しており、内径1mmの導入孔(制御用ガス導入孔)の開放端として形成している。C5、C6はその8個の噴出口の内4個を封鎖しており、C5については噴出口が4個隣接するように、C6については噴出口が一つ置きとなるようにしている。表1中の制御用ガス噴出口の面積率とは、各ノズルの最小横断面積に対する制御用ガス導入孔の総断面積の比率である。
Figure 0006660044
主供給ガス及び制御用ガスとして高圧空気を表2に示す流量条件で供給し、ノズル先端から200mm離れた中心軸上での噴流流速を測定した結果及び主供給ガスと制御用ガスの供給圧力を表2に示した。この試験では、各ノズルについて総ガス流量(制御用ガス流量と主供給ガス流量との合計)を3条件以内で変更し、制御用ガスを供給しない場合と、総ガス流量に対する制御用ガス流量の比率が20%の場合とを対比させるように調査を行った。なお、表1に示したモデル試験用のノズルの最小径や開口比等の主要な形状は、後述する300t規模の実機用の上吹きランスのガス噴射ノズルのおよそ1/10の縮尺の相似形とするように決めたものである。また、表2に示したモデル試験でのガス流量は、ガスの圧力あるいは線速度を実機の操業条件と同程度とするように、実機のガス噴射ノズルにおける操業条件範囲のおよそ1/100となるように設定した。
Figure 0006660044
表2中の噴流ガス速度差は、ノズル形状と総ガス流量が同じ条件のデータ間での制御用ガスの有無による噴流ガス速度の差である。表2の結果により、総ガス流量が一定であっても、制御用ガスを噴出させることにより、主供給ガスの圧力が上昇し、噴流流速を増大させることが可能なことがわかる。特に、主供給ガスの圧力が各ノズルの適正膨張圧を超える条件では、噴流流速の増大効果が大きいことがわかる。これは、上述したように、制御用ガスを噴出させることによって見掛け上開口比を増大させる効果が生じ、適正膨張に相対的に近い条件になることによると考えられる。
また、ラバールノズルおよびストレートノズルの種類を問わず、ノズル横断面積が最小の横断面となる部位(A1、BおよびC1〜C6の例)またはその近傍の部位(A2およびA3の例)のノズル側面に噴出口が存在すれば増大効果が得られることがわかる。さらに、制御ガスをノズルに対して一方向から噴出させると効果が得られず、制御ガス噴出口をノズルの中心軸を通る任意の平面で二分した場合に両空間に少なくとも噴出口の一部が存在するように配置する必要があると考えられる。
ここで、表1および表2のラバールノズルを用いるA1〜A3を参照して、「ノズル横断面積が最小の横断面積となる部位」について検討した。まず、A1における噴出口を設けた位置は、拡大部長さが4mmで制御用ガス噴出口のノズル出口からの距離が4mmであるため、ノズル横断面積がノズル軸方向で最小の横断面積となるスロート部1であることがわかる。また、A2における噴出口を設けた位置は、拡大部長さが4mmで制御用ガス噴出口のノズル出口からの距離が2.7mmであるため、ノズル横断面積がノズル軸方向で最小の横断面積の1.06倍となる部位であることがわかる。さらに、A3における噴出口を設けた位置は、拡大部長さが4mmで制御用ガス噴出口のノズル出口からの距離が2mmであるため、ノズル横断面積がノズル軸方向で最小の横断面積の1.14倍となる部位であることがわかる。以上の前提で、A1〜A3の表2における「噴流ガス速度差m/s」を、制御用ガス有りの場合で総ガス流量1.1Nm/min場合で比較すると、最小横断面積に対する倍率が「1」のノズルA1は+20m/sで、最小横断面積に対する倍率が「1.06」のノズルA2は+10m/sで、最小横断面積に対する倍率が「1.14」のノズルA3は+0である。このことから、本発明では、ラバールノズルを用いた場合、ノズル横断面積が最小の横断面となる部位の近傍の部位とは、好ましくは、ノズルの横断面積がノズル軸方向で最小の横断面積の1.1倍以下となる部位であることがわかる。
次に、制御用ガスの供給条件について説明する。
表1中のノズルBと同形状のラバールノズル形状を有する噴射ノズルで、制御用ガス噴出口を種々変更した条件において、制御用ガス流量比率(制御用ガス流量の総ガス流量に対する比率)が噴流流速に及ぼす影響を調査した。ここで、制御用ガス噴出口は図2(a)〜(d)に示したように、2個、4個または8個を周方向に等分に配置するか、または全周にわたってスリット状に形成するかして、噴射ノズルの中心軸に対して回転対称になるように配置したものを用いた。複数個の噴出口を配置した場合では、各噴射ノズルの噴出口は、内径1mmの円形断面の制御用ガス導入孔の開放端として形成した。また、スリット状の噴出口の場合はスリット状の隙間の幅を1mmとした。各噴射ノズルにおいて、総ガス流量を1.1Nm/minで一定とし、制御用ガス流量比率を0〜30%の範囲で変化させて、ノズル先端から200mm離れた中心軸上での噴流流速を測定した。噴流流速の測定結果を図3に示す。図3に示すように、制御用ガス噴出口が全周に渡るスリット状であっても、複数個の噴出口を配置した場合であっても、噴流流速の効果があることがわかる。制御用ガス流量比率は、上述したスロート部のノズル断面積を見掛け上減少させる効果をある程度得るためには、5%以上であることが好ましいといえる。また、制御用ガス流量比率の上限については特に制限は無いが、制御用ガス流路や制御用ガス供給系の大型化を避けるためには50%以下より望ましくは30%以下とすることが好ましい。
また、図3に示したすべてのノズルにおいて、噴流流速を最大化できる制御用ガス流量比率が存在し、その比率以上に制御用ガス流量比率を大きくすると、噴流流速が減少していく傾向が見られる場合もあることが分かった。これは、制御用ガスを導入することによって生じた、実際のノズルの形状よりも実質的に開口比を増大させる効果とスロート部入口での主供給ガスの圧力を上昇させる効果との関係から、実質的に適正膨張となる制御用ガス流量比率があるためと考えられる。
次に、表1中のノズルBと同形状のラバールノズル形状を有する噴射ノズルで、制御用ガス噴出口を2〜8個の周方向に等分に配置した円形断面の制御用ガス導入孔の開放端として形成した条件において、制御用ガス導入孔の内径も0.8〜1.2mmの範囲で変化させて、同様に噴流流速の測定を行い、スロート部の周方向において制御用ガス噴出口の存在する領域の割合がどのように影響するかを調査した。それぞれのノズルにおいて、総ガス流量が1.1Nm/minで一定の条件下で、噴流流速が最大となる制御用ガス流量比率での噴流流速を、制御用ガス噴出口の径×制御用ガス噴出口の数/噴射ノズルのスロート部直径を横軸として整理した結果を図4に示す。
図4から分かるように、スロート部(あるいはノズルの横断面積がノズル軸方向で最小となるストレート部)の周方向において、噴出口の存在する領域の割合は、上記した見掛け上スロート部のノズル断面積を減少させる効果の観点から、ある程度大きいことが望ましい。このため、噴射ノズルの側面の周方向に複数の方向に設けた噴出口は、噴出口の径(噴射ノズルの中心軸及び制御用ガス導入孔の中心軸に垂直な方向の径、あるいは噴出口への制御用ガスの導入孔の直径)の噴射ノズルの側面の周方向の総延長、即ち、噴出口の径と噴射ノズル1つあたりの噴出口の数nとの積を、噴射ノズルのスロート部直径、あるいは横断面積が最小となる部位のノズル内径の0.4倍以上とすることが好ましい。
また、表1中のノズルBと同形状のラバールノズル形状を有する噴射ノズルで、制御用ガス噴出口を噴射ノズルの周方向の全周にわたるスリット状とした条件で、そのスリットの隙間の間隔を0.6mm〜2.0mmの範囲で変化させて上記と同様に噴流流速測定を行った。それぞれのノズルにおいて、噴流流速が最大となる制御用ガス流量比率での噴流流速を、スリットの隙間の間隔/噴射ノズルのスロート部直径を横軸として整理した結果を図5に示す。
図5から分かるように、噴出口が噴射ノズルの側面の全周方向にスリット状に設けられている場合、スリット状の隙間として形成される噴出口の噴射ノズルの軸方向の長さが大きくなり過ぎると、噴流流速の増大効果が減少する傾向があるため、スリット状に形成される噴出口の噴射ノズルの軸方向の長さは、噴射ノズルの横断面積が最小となる部位の噴射ノズル内径の0.25倍以下とすることが好ましい。また、スリット状の隙間が噴射ノズル内径の0.25倍より大きくなり過ぎると、上記した見掛け上スロート部のノズル断面積を減少させる効果を得るために必要となる制御用ガスの流量が増大し、制御用ガス流路や制御用ガス供給系の大型化が必要となる点からも好ましくない。
さらに、噴出口の特徴について説明すると、図2(a)〜(d)に示したスロート部での横断面図のように、噴出口は、2つ以上であればよく、もしくはノズルの周方向全周にわたるスリット状であってもよいが、噴出口を噴射ノズル中心軸に対して非対称に配置すると、特許文献3に記載されているように、噴射ノズルから噴射される気体噴流が中心軸から偏向する傾向にあるため、噴出口はノズルの中心軸を通る任意の平面で二分した場合に両空間に少なくとも噴出口の一部が存在するように配置することが望ましい。この際、複数の噴出口は、噴射ノズル軸方向には全て同一の位置とすることが、上記した見掛け上スロート部のノズル断面積を減少させる効果の観点から望ましいが、必ずしも厳密にノズル軸方向の位置を一致させることが必要とされる訳ではない。噴出口を噴射ノズル軸方向に互いに近接させるとともに、噴射ノズル中心軸を通る任意の平面で二分した場合に両空間に少なくとも噴出口の一部が存在するように配置されていれば、全ての噴出口が噴射ノズル軸方向に同一の位置に配置された場合よりは効率に劣るが、類似した噴流流速の増大効果は得られる。
このように制御用ガスの噴出口をノズル側面の周方向に複数の方向に設けた場合には、制御用ガスの複数の噴出口への制御用ガスの導入路は、上吹きランス内において互いに連通させるようにすることで、制御用ガスの流量制御系や供給経路を単純化しつつ、各噴出口から噴出させる制御用ガスをバランスよく供給することが可能となる。より望ましくは、噴射ノズルの周囲に設けた環状のガス流路を介して複数の噴出口への制御用ガスの導入路を設けることが好適である。
また、噴出口は、全体がスロート部に含まれることが望ましいが、スロート部の長さが短くて噴出口の噴射ノズル軸方向の径よりも小さくなることもあり、噴出口の一部が下流側の末拡がり部や、上流側の図示しない先細部に含まれたとしても、噴出口の中心位置がスロート部に含まれているか、または、スロート部の全体が噴射ノズル軸方向で噴出口の存在範囲に含まれていれば、後述する噴流流速を制御する機能には大きな違いはなく、同様の効果が得られる。
また、ノズル側面からの制御用ガスの噴出によって見掛け上ノズル断面積を減少させる効果は、必ずしも噴出口が噴射ノズルの横断面積が噴射ノズル軸方向で厳密に最小となる部位に設置された場合に限定される訳ではなく、この部位に設置された場合に噴流流速を増大させる効果が最も効率的に得られるだけで、噴射ノズル軸方向で最小の横断面積に近い部位であっても、類似の噴流流速の増大効果は得られる場合がある。ただし、噴出口が設置される噴射ノズル軸方向位置の噴射ノズルの横断面積が大きくなると、大量の制御用ガスが必要となって噴流流速の増大効率も低下する場合があるので、最小横断面積の1.1倍以下の横断面積の部位に設置することが望ましい。
また、上記したスロート部のノズル断面積を見掛け上減少させる効果をより効果的に得るためには、噴射ノズル内に向けて噴出される制御用ガスの噴出口における線速度(Nm/s)はある程度大きいことが望ましく、スロート部における主供給ガス線速度(スロート部の横断面全体での平均値)に対して1/2倍〜2倍程度の範囲内であれば、制御用ガスの圧力が高くなり過ぎることなく、スロート部のノズル断面積を見掛け上減少させる効果が効果的に得られるので好ましい。以上に示したモデル試験結果に基づいて得られた、制御用ガスによって噴流流速の増大効果が得られる好適条件に関する知見のうち、流量比、長さの比、面積比及び線速度比等の無次元の指標に関するものは、実機の場合も含めて縮尺あるいはサイズが大きく異なる場合であっても、ガス圧力あるいはノズルでの線速度の範囲が同程度であれば十分有効であり、対応する無次元の指標の好適範囲がそのまま適用可能である。
次に、発明者らは、本発明に係る上吹きランスを用いて噴流の流速あるいは動圧を制御することで、転炉での脱炭吹錬などの送酸精錬において安定的に操業しつつ、ダスト発生量や鉄の酸化ロスを低減する方法について鋭意研究した。
一般的に鉄鋼の送酸精錬は、脱珪、脱炭、脱燐などを目的として実施されるが、精錬の初期の段階においては酸素の供給速度を大きくして不純物元素を効率的に除去することが指向され、精錬の末期の段階では不純物元素の濃度が低下して酸化鉄の生成などの目的外の反応が優勢となることから酸素の供給速度を小さくするような送酸パターンが選択されることが多い。上吹きランスから酸素ガスを供給する場合、このような送酸速度の変更に伴って上吹き酸素ジェットの運動エネルギーが変化するため、上吹き酸素ジェットの溶融スラグや溶鉄面への衝突状態が変化して反応速度が影響を受けるおそれがある。
例えば、溶鉄の脱炭精錬において、酸化鉄の生成を抑制するために送酸精錬末期に上吹き酸素ガスの供給速度を低下させると、上吹き酸素ジェットの運動エネルギーが低下して、上吹き酸素ジェットの衝突位置(火点)における撹拌・混合状態が変化して脱炭酸素効率が低下する傾向がある。このため、このような場合にはランス高さを低くして、上吹き酸素ジェットの運動エネルギーの低下を抑制する方法も用いられるが、安全上可能なランス高さには限度があって十分な対応は困難であった。
本発明の溶鉄の送酸精錬方法では、このような場合、上吹きランスから溶鉄に吹き付ける酸素含有ガスの供給速度に応じて、制御用ガスの供給速度を調整することでも上吹き酸素ジェットの運動エネルギーを増大させることができるので、効率的な反応速度が得られる精錬条件の自由度が増大する。例えば、溶鉄の脱炭精錬において、総酸素ガス量の85%を供給した以後といった送酸精錬末期に上吹き酸素ガス供給速度を低下させる場合において、制御用ガスを噴出させながら主供給ガスとして酸素ガスを供給することによって、脱炭酸素効率の低下を抑制してより効果的に酸化鉄の生成を抑制することができる。この際、末期を除く精錬段階においては制御用ガスの供給を行わないことにより、酸素ガス供給速度の大きい前段の精錬段階においても過剰な溶鉄の飛散やダストの生成を抑制することができ、送酸精錬の進行に伴って制御用ガスの供給速度を変更することで全体として効率的な精錬条件に維持することができる。
制御用ガスを供給することによって、同じ総ガス流量及びランス高さの条件であっても溶鉄浴面での噴流流速を増大させ、酸化鉄の生成を抑制する効果について検証するため、2t規模の上底吹き精錬炉設備を用いて溶銑の脱炭処理を行い、スラグ中酸化鉄濃度に及ぼす制御用ガスの影響を調査した。小型炉を用いる溶鉄の精錬試験では、溶鉄の単位質量当たりの酸素ガスや精錬剤の供給量や供給速度、及び底吹きガスによる撹拌動力密度(W/t)などの条件を実機と同程度にすることによって、実機での精錬反応を模した試験を実施できると考えられる。これに従って決定した酸素ガス流量の条件において、実機の上吹きランスあるいは上述した噴射ノズルのモデル試験と同程度のガス圧力あるいはノズルでの線速度の範囲となるように上吹きランスの設計を行った。また、ランス高さの条件については、溶鉄の凹み深さを求める経験式を用いて、鉄浴深さに対する凹み深さの比率が実機の操業範囲と同程度になるように決定した。
表3に試験に用いた上吹きランスの条件を示したように、それぞれストレート型の噴射ノズルを有する単孔のランスD及び5孔のランスEの2種類の上吹きランスを用い、それぞれのランスに設けた各噴射ノズルに、各噴射ノズルの中心軸に対して4回回転対称となるように各4個の制御用ガス噴出口を設けた。表4に示した主な試験条件のように、少量のアルゴンガスを底吹きして溶鉄を撹拌しながら、一定の総酸素ガス流量の条件で低炭素濃度域まで脱炭処理を行った。各上吹きランスについて、制御用ガスを供給しなかった場合と、総酸素ガス流量の約23%を制御用ガスとして供給した場合とを比較して、脱炭処理終了時の吹止め炭素濃度(質量%)とスラグ中T.Fe濃度(質量%)との関係を測定した結果を表5及び図6に示した。
Figure 0006660044
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表5及び図6に示した結果より、制御用ガス噴出口から制御用ガスを噴出させることにより、制御用ガスを用いない従来の技術の場合と比べて、同じ総ガス流量及びランス高さの条件であってもスラグ中のT.Feが相対的に減少し、鉄の酸化ロスが抑えられたことがわかる。これは、制御用ガスの効果により酸素ガス噴流が鉄浴に衝突する際の流速が増大し、火点での攪拌力が強化されたことによると考えられる。この試験では全吹錬期間を通じて制御用ガスを供給して行ったが、脱炭精錬におけるスラグ中酸化鉄濃度の上昇は精錬の末期において顕著であることが知られており、例えば、総酸素ガス量の85%を供給した以後といった送酸精錬末期にだけ制御用ガスを供給するようにしても、同様に鉄の酸化ロスを抑制する効果が得られることは明らかであり、送酸精錬の進行に伴って制御用ガスの供給速度を変更することが効果的である。
また、送酸精錬中に精錬状態を検知した結果に基づいて制御用ガスの供給速度を変更する方法も効果的であり、例えば、スラグのフォーミング高さを検知したり、排ガスの分析情報に基づいて脱炭酸素効率を経時的に測定したりした結果に基づいて、酸化鉄の生成速度を調整するために制御用ガスの供給速度を変更する方法(例えば、スラグ中酸化鉄濃度が過大な場合に、酸化鉄生成速度を減少させるために、制御用ガスの供給を開始して上吹き酸素ガスジェットの動圧を上昇させる方法)などが有効である。
また、送酸精錬開始前に判明している溶鉄の温度、珪素濃度、炭素濃度、スクラップ使用量等の精錬条件に応じて、制御用ガスの供給速度の変更パターンを調整することも有効である。例えば、送酸精錬開始前の珪素濃度が0.40質量%以上の溶鉄の脱炭精錬においては、供給する酸素含有ガスに含まれる総酸素ガス量の20%を供給する以前の送酸精錬初期に、高送酸速度かつ高ランス高さの精錬条件において、スロッピングが発生し易い傾向がある。この場合、制御用ガスを噴出させながら主供給ガスとして酸素含有ガスを供給することによって、上吹き酸素ジェットの動圧を増大させて過剰な酸化鉄の生成を抑制することによりスロッピングの発生を防止するとともに、送酸精錬開始前の珪素濃度が0.40質量%未満の溶鉄の脱炭精錬においては、送酸精錬初期には制御用ガスの供給を行うことなく、上吹き酸素ジェットの動圧を低位に推移させて溶鉄の飛散やダストの生成を抑制する方法が挙げられる。
転炉の脱炭吹錬では吹錬前の溶銑中の珪素濃度が高い場合では、スロッピングと呼ばれるスラグの噴出が発生する場合があることが知られている。これは、吹錬初期に生石灰等のCaO系媒溶剤の液相スラグへの溶解(滓化)があまり進行していない段階で二酸化珪素が大量に生成すると、大量に生成した高粘度の溶融スラグ中に脱炭反応で生成したCO気泡が滞留して見掛けの体積が10倍程度にも増大する現象(スラグフォーミング)が急激に進行することに起因する。特に、スラグがフォーミングして厚みが増大すると、上吹き酸素ジェットが減衰して溶銑やスラグへの衝突状況が変化し、鉄の酸化に消費される酸素の割合が増大してスラグ中酸化鉄濃度の上昇を招く傾向がある。スラグ中酸化鉄濃度が上昇すると、溶鉄浴やスラグ中の溶鉄液滴中の炭素との反応によって、スラグ中に形成される微小なCO気泡が増大してフォーミングを助長することから、加速度的にフォーミングが進行してスロッピングに到ることがある。
このようなスロッピングを防止する方法として、スラグのフォーミング高さに応じてランス高さを低くし、溶鉄浴に衝突する上吹きジェットの動圧を確保して過剰な酸化鉄の生成を抑制する方法も考えられるが、吹錬初期のような高送酸速度の吹錬条件においてランス高さを低くすることは、飛散した溶鉄によって上吹きランスが溶損して修理頻度が増大したり、水漏れによる操業阻害を招いたりするリスクが高く得策ではない。スロッピングは操業を大きく阻害する要因となるため、通常、吹錬前の溶銑中の珪素濃度が高い場合は、吹錬初期の送酸速度を低位にすることでスロッピングを抑制している。しかしながら、送酸速度を低下することは、吹錬時間延長の原因となっている。そこで、発明者らは、吹錬初期の送酸速度を低下させない条件で、吹錬前の溶銑珪素濃度とノズルに供給する制御用ガス流量比率がスロッピングに及ぼす影響について調査した。
2t規模の上底吹き精錬炉設備において、種々の珪素濃度の溶銑に対して脱炭処理を行い、スロッピングの発生状況、ダストの発生状況及びスラグ中T.Fe濃度に及ぼす制御用ガスの影響を調査した。制御用ガス流量以外の基本的な試験条件は表4に示したものと同様であり、脱炭処理前の溶銑の珪素濃度は0.1〜0.5質量%の範囲で変化させた。上吹きランスは表3中のランスEと同じものを用い、総酸素ガス流量を一定とする条件で、制御用ガス流量比率を種々変更して、約0.05質量%の低炭素濃度まで脱炭処理を行った。
吹錬前の珪素濃度が0.4質量%以上の溶銑の脱炭吹錬において、吹錬初期の制御用ガス流量比率によるスロッピングの発生有無の結果を図7に示す。なお、吹錬前の珪素濃度が0.4質量%未満の溶銑の脱炭吹錬においては、スロッピングの発生は見られなかった。これらの結果より、吹錬前の溶銑珪素濃度が0.4質量%以上の溶銑の脱炭吹錬の場合、吹錬初期に、上吹きランスの酸素ガス噴射ノズルに設けた制御用ガス噴出口から適当な条件で制御用ガスを供給することで、吹錬初期のスロッピングの抑制が可能なことがわかる。
また、溶銑の珪素濃度が0.4質量%未満の条件での制御用ガス流量比率とダスト発生速度の関係を図8に示す。制御用ガス流量比率を増大するとダスト発生速度が増加する傾向があることが分かる。脱炭精錬におけるダストは、CO気泡の破泡に伴って生成する微小な液滴(バブルバースト)に起因するものが主体であって、脱炭処理の初期から中盤にかけての脱炭最盛期において特に発生速度が大きいことが知られている。制御用ガスを供給して酸素ガス噴流の流速が増大すると、物理的に飛散する溶鉄液滴が増大し、これから二次的にバブルバーストによって生成するダストの発生速度が増大したり、ガス流速が増大することで炉外に同伴して持ち去られるダストの比率が増大したりするため、ダスト発生速度が増加したと考えられる。また、予め予備処理を行って珪素濃度が低い溶銑の脱炭処理では、カバースラグの生成量が少ないためにダスト発生速度が大きくなり易い。したがって、珪素濃度が0.4質量%未満の溶銑の脱炭処理においては、脱炭最盛期には、制御用ガスを供給せずに吹錬することで、ダスト発生速度の増大を回避することが望ましいといえる。
珪素濃度が0.4質量%未満の溶銑の脱炭処理において、炭素濃度約0.05質量%まで脱炭吹錬を行った時点でのスラグ中のT.Fe濃度(質量%)と制御用ガス流量比率との関係を図9に示す。適当な条件で制御用ガスを供給することで、スラグ中のT.Feが減少し、鉄の酸化ロスを抑制できることがわかる。これは、珪素濃度が0.4質量%以上の溶銑の脱炭処理においても同様の傾向であり、制御用ガスの効果により酸素ガス噴流の流速が増大し、火点における攪拌力が強化されることによると考えられる。
以上の知見から、珪素濃度が0.4質量%以上の溶銑の脱炭処理では、総酸素ガス量の20%を供給する以前といった送酸精錬初期及び総酸素ガス量の85%を供給した以後といった送酸精錬末期において、上吹きランスの酸素ガス噴射ノズルに設けた制御用ガス噴出口から適当な条件で制御用ガスを供給することで、酸素ガス噴流の流速を相対的に増大させ、他の期間には制御用ガスを供給しないような精錬方法が好ましいといえる。
また、珪素濃度が0.4質量%未満の溶銑の脱炭処理では、総酸素ガス量の85%を供給した以後といった送酸精錬末期において、上吹きランスの酸素ガス噴射ノズルに設けた制御用ガス噴出口から適当な条件で制御用ガスを供給することで、酸素ガス噴流の流速を相対的に増大させ、他の期間には制御用ガスを供給しないような精錬方法が好ましいといえる。
以下、本発明に係る溶鉄の送酸精錬方法を工業的な規模の転炉脱炭処理に適用した実際の例について説明する。
300t規模の上底吹き転炉設備において、上吹きランスの噴射ノズルの仕様を種々変更して溶銑の脱炭処理を行い、ダスト発生量、鉄歩留り及びスロッピングの発生状況に及ぼす影響を調査した。予め重量屑を含む鉄スクラップを装入した混銑車に高炉で溶銑を受銑して製鋼工場に搬送した後、所定量の溶銑を溶銑鍋に払い出して、溶銑鍋において機械撹拌式の溶銑脱硫装置を用いて脱硫処理を行った。脱硫処理後のスラグを溶銑鍋から排出してから、予め鉄スクラップ約30トンを装入した転炉に溶銑を装入して脱炭処理を行った。一回の吹錬での溶銑と鉄スクラップの合計装入量は約300トン、溶銑の転炉装入時の温度は1280〜1320℃、珪素濃度は0.20〜0.60質量%、炭素濃度は4.0〜4.4質量%の範囲であった。
装入した溶銑の量、温度、珪素濃度及び炭素濃度、装入した鉄スクラップの量、目標とする溶鋼の温度、炭素濃度等の情報から、スタティック制御に基づいて、吹錬で供給する総酸素量、発熱材や冷却材の添加量を決定した。また、生石灰等の副原料は、脱炭処理後のスラグの計算塩基度(CaO質量%/SiO質量%)を3.5とするように添加量を決定して、吹錬初期に全量を添加した。この際、目標とする溶鋼の燐濃度に応じて、必要に応じてスラグ生成量を調整した。
脱炭吹錬における総酸素供給速度及びランス高さ(溶鉄の静止浴面からランス先端までの距離)は、吹錬末期を除く吹錬初期から中盤においてはそれぞれ750Nm/min(2.5Nm/(min・t))及び4.0mとし、スタティック制御に基づいて決定した総酸素量の85%を供給した以後の吹錬末期においてはそれぞれ450Nm/min(1.5Nm/(min・t))及び2.5mとした。なお、これらのランス高さは、ランスFを用いた過去の操業実績から、対応する総酸素供給速度において、上吹きランスの損傷状況に大きな違いがなく安定して操業が可能なランス高さの下限として設定した値である。また、転炉の炉底に設けた複数のガス吹きプラグから、全吹錬期間を通じて30Nm/min(0.10Nm/(min・t))のアルゴンガスを底吹きした。
吹錬末期において、サブランスを使用して測定した溶鋼の温度と炭素濃度に基づいて、測定後に供給する酸素量及び冷却材の添加量を決定した。決定した酸素量を供給し終わった時点で吹錬を終了して、溶鋼を取鍋に出鋼した。その後、RH脱ガス装置またはバブリング装置による取鍋精錬を経て成分及び温度を調整した溶鋼を連続鋳造装置に供給して、スラブ等の連続鋳造を行った。
試験に使用した8種の上吹きランスの条件を以下の表6に示した。
Figure 0006660044
ランスFは、従来から操業に用いていたラバールノズルを有する上吹きランスである。ランスG及びランスHは、大酸素流量時の噴流流速を低下させて鉄の飛散ロスやダストの生成を抑制することを意図してランスFの噴射ノズル形状を変更したものであり、ランスGではスロート径を66mmに拡大し、ランスHでは内径70mmのストレート型の噴射ノズルを用いた。なお、上吹きランスに必要な水冷構造を確保する観点から、噴射ノズルの出口径を70mmよりも拡大することは困難であった。
ランスIはランスGの各噴射ノズルのスロート部に、また、ランスJはランスHの各噴射ノズルの出口から70mmの位置に、それぞれ内径10mmの円形断面の制御用ガス導入孔の開放端として形成した制御用ガス噴出口8個を、噴射ノズルの内面に周方向に等分に配置させた本発明例の上吹きランスである。また、ランスK〜Mは、ランスHに対して各噴射ノズルの出口から70mmの位置に異なる形態の制御用ガス噴出口を設けた本発明例の上吹きランスである。ランスK及びランスMでは、それぞれ3mm幅及び10mm幅の隙間のスリット状の制御用ガス噴出口を各噴射ノズル内面の全周にわたって設けた。ランスNでは、各噴射ノズル内面にそれぞれ内径6mmの円形断面の制御用ガス導入孔の開放端として形成させた制御用ガス噴出口4個を、噴射ノズルの内面の周方向に等分に配置させた。
各ランスの各噴射ノズルの各制御用ガス噴出口への制御用ガスの導入路はランス内で互いに連通しており、制御用ガス供給装置から所定の流量に制御した工業用純酸素ガスを制御用ガスとして供給した。何れの上吹きランスを使用した場合においても、制御用ガスを使用する場合には、表6に示した制御用ガス流量比率(総ガス流量に対する制御用ガス量量の比率)とした。
次に、各上吹きランスを使用した場合の、スロッピングの発生状況と、これに伴って決定した操業方法について説明する。
ランスFの場合には操業を阻害するようなスロッピングは発生しなかったが、ランスGの場合には溶銑の珪素濃度が0.50質量%以上になると、また、ランスHの場合には溶銑の珪素濃度が0.40質量%以上になると、比較的大きなスロッピングが発生することがあり、安定して操業を継続することが困難であった。このため、ランスGを用いた操業では、混銑車での溶銑の予備脱珪処理や低珪素濃度溶銑との合わせ湯によって、転炉に装入する溶銑の珪素濃度を0.50質量%未満に制限して操業を継続した。また、ランスGと同じ噴射ノズル形状を有するランスIを用いた操業では、スタティック制御に基づいて決定した総酸素量の20%を供給するまでの吹錬初期において、転炉に装入する溶銑の珪素濃度が0.50質量%以上の場合には制御用ガスを供給し、転炉に装入する溶銑の珪素濃度が0.50質量%未満の場合には制御用ガスを供給しないで操業を行った。更に、ランスHを用いた操業では、同様にして転炉に装入する溶銑の珪素濃度を0.40質量%未満に制限して操業を継続した。また、ランスHと同じ噴射ノズル形状を有するランスJ〜Mを用いた操業では、スタティック制御に基づいて決定した総酸素量の20%を供給するまでの吹錬初期において、転炉に装入する溶銑の珪素濃度が0.40質量%以上の場合には制御用ガスを供給し、転炉に装入する溶銑の珪素濃度が0.40質量%未満の場合には制御用ガスを供給しないで操業を行った。この際、ランスGを用いた操業で予備脱珪処理を実施した溶銑の比率、及びランスIを用いた操業で転炉装入時の溶銑の珪素濃度が0.50質量%以上であったチャージの比率は、何れも約1割であった。
更に、ランスHを用いた操業では、同様にして転炉に装入する溶銑の珪素濃度を0.40質量%未満に制限して操業を継続した。また、ランスHと同じ噴射ノズル形状を有するランスJ〜Mを用いた操業では、スタティック制御に基づいて決定した総酸素量の20%を供給するまでの吹錬初期において、転炉に装入する溶銑の珪素濃度が0.40質量%以上の場合には制御用ガスを供給し、転炉に装入する溶銑の珪素濃度が0.40質量%未満の場合には制御用ガスを供給しないで操業を行った。この際、ランスHを用いた操業で予備脱珪処理を実施した溶銑の比率、及びランスJ〜Mを用いた操業で転炉装入時の溶銑の珪素濃度が0.40質量%以上であったチャージの比率は、何れも約4割であった。
更に、何れの制御用ガス噴出口を有するランスを用いた場合においても、スタティック制御に基づいて決定した総酸素量の85%を供給した以後の吹錬末期においては、総酸素供給速度を低下させるとともに制御用ガスを供給して吹錬を行った。また、上記の吹錬初期及び吹錬末期を除く期間については、何れの制御用ガス噴出口を有するランスを用いた場合においても制御用ガスを供給しないで操業を行った。
各上吹きランス毎に200回程度の吹錬を継続して実施し、1回の吹錬あたりのダスト発生量(原単位)と鉄歩留りの平均値を評価した結果を以下の表7に示す。ダスト発生量は、各上吹きランスを使用した期間における集塵ダストの発生量から求めた平均原単位とした。鉄歩留りは、連続鋳造までの工程で発生した、製品量、排片量及び再利用のために回収した地金量の合計から求めた。また、吹錬の初期及び末期の送酸条件における各ランスの噴射ノズルの背圧(主供給ガスのランスへの供給圧)及び吹錬終了時の溶鋼中炭素濃度が0.04〜0.05質量%の場合のスラグ中(T.Fe)の平均値も合わせて表7に示した。表7中主供給ガス背圧(初期)の欄の括弧内の数値は、制御用ガスを供給しない場合の値である。
Figure 0006660044
表7の結果から、ランスG及びランスHの場合には、ランスFの場合よりもダスト発生量は低減するが、スラグ中酸化鉄濃度の上昇によって鉄歩留りの向上効果が減殺されていることが分かる。また、ランスG及びランスHを用いた操業では、溶銑の予備脱珪処理が必要な場合があり、脱珪剤に含有される酸化鉄の分解による吸熱が生じるため好ましくない。
これに対して本発明例では、溶銑の予備処理を行わなくても、必要な場合に制御用ガスを供給して上吹き酸素噴流の速度を増大させることによりスロッピングを防止することが可能である。これにより、上吹き酸素噴流の速度の増大が必要でない場合には、噴流速度を低減してダストを抑制するとともに、精錬末期においては制御用ガスを供給してスラグ中酸化鉄濃度の上昇を抑制できるので、鉄歩留りを向上する操業を安定して継続することが可能となる。また、上記の操業において、スラグ中酸化鉄濃度を低減することが可能となるので、脱酸用などの合金鉄を節約できる利点もある。ランスL及びランスMの場合には、他の本発明例に対してスラグ中酸化鉄濃度が僅かに上昇する傾向であったため、鉄歩留りの向上効果は減少したが、ランスFを用いる従来の操業に比べて、ダスト発生量の低減効果及び鉄歩留りの向上効果は明らかである。
なお、前記実施例では脱炭吹錬の場合について説明したが、本発明はこれに限るものでなく、脱燐吹錬や脱珪吹錬でこのランスを用いてもよい。また、送酸ランスによる精錬工程であれば、たとえば電気炉での精錬においてもこの技術を応用可能である。特に、他のガス供給条件の変更に拠らずに噴流速度あるいは動圧を増大させたい場合には効果的であり、例えば、転炉型精錬炉を用いた溶銑の予備脱燐処理において、精錬末期の脱燐酸素効率の低下に応じて上吹き酸素ガス供給速度を低下させる際に、制御用ガスを用いて上吹き噴流速度の低下を抑制する本発明の送酸精錬方法を適用することにより脱燐反応効率の低下を抑制する精錬方法が例示できる。
1 スロート部
2 末拡がり部
3 噴出口
4 貯気槽

Claims (13)

  1. 反応容器に装入した溶鉄に上吹きランスから酸素含有ガスを吹き付けて前記溶鉄に送酸精錬を施す溶鉄の送酸精錬方法であって、
    前記送酸精錬の少なくとも一部の期間、前記上吹きランスの外殻を貫通する前記酸素含有ガスの噴射ノズルにおいて、ノズルの横断面積がノズル軸方向で最小の横断面積となる部位またはノズルの横断面積がノズル軸方向で最小の横断面積の1.1倍以下となる部位のノズル側面に、ノズルの中心軸を通る任意の平面で二分した場合に両空間に少なくとも噴出口の一部が存在するように配置して設けた噴出口から前記噴射ノズル内に向けて制御用ガスを噴出させながら、前記噴射ノズルの入口側から主供給ガスとして酸素含有ガスを供給して前記噴射ノズルから噴射し、前記噴射ノズルの入口側における前記主供給ガスの圧力を、下記(1)式を満たす適正膨張圧Poより大きくすることを特徴とする溶鉄の送酸精錬方法
    Ae/At=(5 5/2 /6 )×(Pe/Po) −5/7 ×[1−(Pe/Po) 2/7 −1/2・・・ (1)
    ここで、At:噴射ノズルの最小横断面積(mm )、Ae:噴射ノズルの出口断面積(mm )、Pe:ノズル出口部雰囲気圧(kPa)、Po:ノズル適正膨張圧(kPa)。
  2. 噴射ノズルとして、ノズル出口に続いて横断面積がノズル軸方向で最小で一定となるストレート部を有するストレートノズル、または、横断面積がノズル軸方向で最小となるスロート部に続いて末拡がり部を有するラバールノズルを使用することを特徴とする請求項1に記載の溶鉄の送酸精錬方法。
  3. 前記噴出口が前記噴射ノズルの側面の周方向に複数の方向に設けられ、前記噴出口への前記制御用ガスの導入孔の直径と前記噴射ノズル1つあたりの前記噴出口の数nとの積が、前記噴射ノズルの横断面積が最小となる部位のノズル内径の0.4倍以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の溶鉄の送酸精錬方法。
  4. 前記噴出口が前記噴射ノズルの側面の全周方向にスリット状に設けられ、前記噴出口の前記噴射ノズルの軸方向の長さが、前記噴射ノズルの横断面積が最小となる部位のノズル内径の0.25倍以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の溶鉄の送酸精錬方法。
  5. 前記送酸精錬の少なくとも一部の期間、前記噴射ノズル内に向けて噴出する前記制御用ガスの流量が、前記制御用ガスの流量と前記噴射ノズルに供給する前記主供給ガスの流量との合計流量の5%以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の溶鉄の送酸精錬方法。
  6. 前記上吹きランスから前記溶鉄に吹き付ける前記酸素含有ガスの供給速度に応じて、前記制御用ガスの供給速度を調整することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の溶鉄の送酸精錬方法。
  7. 前記溶鉄の送酸精錬の進行に伴って、前記制御用ガスの供給速度を変更することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の溶鉄の送酸精錬方法。
  8. 前記送酸精錬開始前の溶鉄の珪素濃度に応じて、前記制御用ガスの供給速度を変更することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の溶鉄の送酸精錬方法。
  9. 前記送酸精錬において供給する前記酸素含有ガスに含まれる総酸素ガス量の85%を供給した以後の送酸精錬末期に、前記噴射ノズルにおいて、前記制御用ガスを噴出させながら、前記主供給ガスとして酸素含有ガスを供給することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の溶鉄の送酸精錬方法。
  10. 前記送酸精錬開始前の珪素濃度が0.40質量%以上の溶鉄に対して、前記送酸精錬において供給する前記酸素含有ガスに含まれる総酸素ガス量の20%を供給する以前の送酸精錬初期に、前記噴射ノズルにおいて、前記制御用ガスを噴出させながら、前記主供給ガスとして酸素含有ガスを供給することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の溶鉄の送酸精錬方法。
  11. 反応容器に収容された溶鉄に酸素含有ガスを吹き付けるための上吹きランスであって、
    前記上吹きランスの外殻を貫通する前記酸素含有ガスの噴射ノズルにおいて、ノズルの横断面積がノズル軸方向で最小の横断面積となる部位またはノズルの横断面積がノズル軸方向で最小の横断面積の1.1倍以下となる部位のノズル側面に、ノズルの中心軸を通る任意の平面で二分した場合に両空間に少なくとも噴出口の一部が存在するように配置された、前記噴射ノズル内に向けて制御用ガスを噴出させるための噴出口を備え、
    前記ノズル側面の周方向に複数の方向に備えられた前記制御用ガスの複数の噴出口への前記制御用ガスの導入路が、前記上吹きランス内において互いに連通し
    前記噴出口が前記噴射ノズルの側面の周方向に複数の方向に設けられ、前記噴出口に連通する前記制御用ガスの噴出ノズルの内径と前記噴射ノズル1つあたりの前記噴出口の数nとの積が、前記噴射ノズルの最小横断面積に対応するノズル内径の0.4倍以上であることを特徴とする上吹きランス。
  12. 反応容器に収容された溶鉄に酸素含有ガスを吹き付けるための上吹きランスであって、
    前記上吹きランスの外殻を貫通する前記酸素含有ガスの噴射ノズルにおいて、横断面積がノズル軸方向で最小の横断面積となる部位またはノズルの横断面積がノズル軸方向で最小の横断面積の1.1倍以下となる部位のノズル側面の周方向に全周方向にスリット状に設置された、前記噴射ノズル内に向けて制御用ガスを噴出させるための噴出口を備え、前記噴出口の前記噴射ノズルの軸方向の長さが、前記噴射ノズルの最小横断面積に対応するノズル内径の0.25倍以下であることを特徴とする上吹きランス。
  13. 噴射ノズルとして、ノズル出口に続いて断面積がノズル軸方向で最小で一定となるストレート部を有するストレートノズル、または断面積がノズル軸方向で最小となるスロート部に続いて末拡がり部を有するラバールノズルを使用することを特徴とする請求項11または12に記載の上吹きランス。
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