JP2003041316A - 減圧精錬方法 - Google Patents

減圧精錬方法

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JP2003041316A JP2001232294A JP2001232294A JP2003041316A JP 2003041316 A JP2003041316 A JP 2003041316A JP 2001232294 A JP2001232294 A JP 2001232294A JP 2001232294 A JP2001232294 A JP 2001232294A JP 2003041316 A JP2003041316 A JP 2003041316A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い精錬効率が得られる減圧精錬方法を提供
する。 【解決手段】 ノズル部が、直径dのスロート部3と、
スロート部に続く直径Dおよび長さLの拡大部4とから
なる2段ノズルを設けた上吹きランスを用い、スロート
部を通過するキャリアガスの標準状態換算流速V(m/
s)とd、DおよびLが下記(1) 〜(3) で表される関係
を満足するように減圧精錬を行う。 0.0012V+0.63≦L/d≦0.002V+2.6 (1) 0.00015V+0.05≦d/D≦0.00018V+0.32 (2) 100≦V≦1000 (3)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、減圧下の溶鋼に対
して脱炭、脱硫等の目的でキャリアガスとともに精錬用
粉体を吹き付ける減圧精錬方法に関する。 【0002】 【従来の技術】溶鋼中のC、S、N等の濃度を低減する
と、鋼材の各種特性が向上するため、これら成分の濃度
低減を効率化する技術が開発されている。例えば、RH
方式真空脱ガス装置を用いて溶鋼表面に精錬用のCaO
粉体やFe23粉体を上方から吹き付ける技術が開発さ
れ、簡便に不純物元素濃度の低減が図られている。 【0003】精錬効率は、これらの粉体(フラックス粉
体ともいう)の冶金学的精錬能に依存するが、吹き付け
方法自体にも依存する。フラックス粉体の上吹きは、真
空槽内に設けた上吹きランス先端のノズルからキャリア
ガスとともに粉体を吹き付ける方法で行われるが、この
ノズル形状を適正にすることで精錬効率を向上できる。
上吹きランスのノズルに関する技術としては、一般的に
用いられているストレートノズル、ラバールノズルを用
いる方法や、特開平8−3618号公報に開示された技
術等に見られるように、独自のノズル構造を持たせる方
法が提案されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のフラッ
クス粉体上吹きノズルでは、溶鋼への粉体到達率(補足
率、着地効率ともいう)を向上させることで精錬効率を
ある程度向上させられるものの、さらに高い精錬効率を
得ることが望まれている。精錬効率が不十分であるの
は、従来のノズルがフラックス粉体を高速で溶鋼中に深
く進入させることを主目的に設計されており、精錬効率
全体としての検討が十分でなかったためと考えられる。
例えば、前記特開平8−3618号公報に開示されたノ
ズルは、精錬ガスのみを吹き込む場合と、フラックス粉
体を上吹きする場合の双方に適用できるとしているが、
同公報に開示されたノズル形状は、粉体噴射速度を高速
化して粉体の溶鋼への進入を促進させることを目的とし
ており、同一量のフラックス粉体を吹き込むときの時間
を短縮することができるが、精錬効率、すなわち同一量
のフラックス粉体量に対する脱硫量(または脱炭量、脱
窒素量等)を向上させるものではない。後述するよう
に、従来のノズルでの脱硫率(={(処理前S濃度−処
理後S濃度)/処理前S濃度}×100)は最大70%
程度であり、十分に高いとは言えない。 【0005】本発明の課題は、高い精錬効率が得られる
減圧精錬方法を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々の形
状のフラックス粉体吹き込み用ノズルを用意し、精錬効
率に関する試験を行った結果、下記の知見を得た。 【0007】(a) キャリアガス量、粉体吹き込み量およ
びノズルの湯面からの高さ等の条件をそろえた場合、ノ
ズル形状によって、ジェットの広がりと中心動圧のパタ
ーンが異なる。例えば、ラバールノズルは中心動圧が高
い反面、ジェットの広がりが小さい。反対に、ストレー
トノズルは中心動圧が低く、ジェットの広がりが大き
い。 【0008】(b) スロート部と拡大部を持つノズル(以
下、2段ノズルという)は前記ラバール型とストレート
型の中間の中心動圧またはジェットの広がり特性を有す
る。 (c) 各種形状のノズルについて、ジェットの広がり面積
と中心動圧との積に対し、脱硫率を整理すると、両者は
比例関係にある。この積が大きいほど、脱硫率が高い。 【0009】(d) この中で、最も高い脱硫率が得られる
のは、2段ノズルの1種である。 (e) 2段ノズルの形状をスロート部径、拡大部径および
拡大部長さの比で表すと、前記広がり面積と中心動圧の
積が最大となる形状を規定することができる。一方、こ
の積はノズル形状のほか、スロート部の流速にも影響を
受ける。 【0010】(f) したがって、ノズル形状とスロート部
流速を規定すれば、(中心動圧×ジェット広がり面積)
の積を高くし、高い脱硫率を得ることができる。 本発明は、これらの知見に基づきなされたもので、その
要旨は以下の精錬方法にある。 【0011】溶鋼表面にキャリアガスとともに精錬用粉
体を吹き付ける減圧精錬方法であって、前記精錬用粉体
を吹き付けるランス先端のノズル部が、直径dのスロー
ト部と、スロート部に続く直径Dおよび長さLの拡大部
とからなり、前記d、D、Lおよびスロート部を通過す
るキャリアガスの流速V(m/s)とが、下記(1) 〜
(3) 式で表される関係を満足することを特徴とする減圧
精錬方法。 【0012】 0.0012V+0.63≦L/d≦0.002V+2.6 (1) 0.00015V+0.05≦d/D≦0.00018V+0.32 (2) 100≦V≦1000 (3) ここで、キャリアガスの流速V(m/s)は、標準状態
換算のガス流量(m3/s)をスロート部の断面積
(m2)で除した値である。 【0013】 【発明の実施の形態】1.ノズル形状とジェット形状と
の関係 図1は本発明に用いた2段ノズルの形状を概念的に示す
縦断面図である。同図において、ランス1の先端に設け
られたノズル2には、内径がdのスロート部3が設けら
れ、これに続いて内径D、長さLの拡大部4が設けられ
ている。表1には、以下に述べる試験に用いた各種ノズ
ルの寸法を示す。 【0014】ジェット形状の調査に用いたのはラバール
ノズルA(スロート部径3mm、出口径7mm、ノズル
長18mm)、ストレートノズルB(出口径7mm)、
2段ノズルC(d=3mm、D=7mm、L=18m
m)、および2段ノズルD(d=3mm、D=5mm、
L=7mm)の4種類である。 【0015】 【表1】 【0016】この4種類のノズルを用いて、キャリアガ
スのジェット形状を調査した。この試験では、雰囲気圧
力4000Pa、ガス流量400l(標準状態)/mi
nでノズル先端から400mmの位置でのジェット動圧
を測定した。ここで、ラバールノズルA以外のノズルで
は前記ガス流量を得るために、ラバールノズルに比べて
3〜10%ノズル前の圧力を高くした。 【0017】図2は、ジェットのノズル軸中心からの距
離と、動圧との関係を示すグラフである。同図に示すよ
うに、ラバールノズルAでは、ジェットが細く、中心部
での動圧が高く、外周では動圧が急激に低下しているこ
とがわかる。ストレートノズルBでは、ジェットが太
く、中心部の動圧はラバールノズルのそれに比べてはる
かに低く、外周では動圧が緩やかに低下している。2段
ノズルCおよびDでは、ジェットの太さはラバールノズ
ルとストレートノズルの中間であり、中心部の動圧も同
様に両者の中間である。これは、ノズル出口でのジェッ
ト挙動の差による。圧縮性流体力学でよく知られている
ように、ラバールノズルではスロートから出口にかけて
ガスの適正膨張が行われるため、ジェットの圧力損失を
生じることがない。このため、直進性が高く中心部で得
られる最大動圧の高いジェットが得られる。一方、スト
レートノズル、2段ノズルでは適正膨張とならず不足膨
張となるため、圧力損失により中心部の最大動圧が低下
し、ジェットも広がる。前述したように、同一ガス流量
を確保するためにノズル前圧を上昇させたのもこのため
である。以上のように、圧力損失が少なく、動圧の高い
ジェットを得るにはラバールノズルが最も優れている。 【0018】しかし、フラックス粉体上吹き精錬の場
合、フラックスと溶鋼との反応を促進させるには、フラ
ックス粉体の進入促進のほか、フラックスと溶鋼との反
応面積を増大することが重要である。そのため、キャリ
アガスのジェットはフラックス粉体を溶鋼に進入させる
に十分な動圧を有するとともに、フラックス粉体を広範
囲の溶鋼表面に展開させることが必要である。 【0019】図2に示すように、ラバールノズルでは中
心動圧が高く、フラックス粉体はジェット中心部で溶鋼
中に深く進入するが、ジェットが細いため、フラックス
と溶鋼との反応面積は小さいと推定される。一方、スト
レートノズル、2段ノズルCおよびDでは中心動圧は低
いため、フラックスは溶鋼中に深く進入できないが、フ
ラックスと溶鋼との接触面積は大きくなると推定され
る。 【0020】以上の検討のもと、発明者らは精錬効率の
試験を行った。 2.精錬効率への影響 Al脱酸した溶鋼2t([C]=0.03%,[Al]
=0.05%)にCaO粉体を吹き付けて脱硫を行い、
溶鋼中S濃度の変化を測定した。雰囲気ガスはAr、雰
囲気圧力は4000Paまたは670Paとし、溶鋼温
度は1873Kとした。ノズル下端と湯面間の距離は2
00mm〜500mmとした。前記ラバールノズルA、
ストレートノズルB(出口径7mm)、および表1に示
すC〜Gまでの2段ノズルを用いた。粉体供給速度は6
60g/minとし、吹き付け時間は30分とした。キ
ャリアガスとしてArを流量400l(標準状態)/m
in使用した。キャリアガス流量を一定とするため、ノ
ズル前圧力はノズルの種類によって変化させた。 【0021】図3は各種ノズルの、(中心動圧×ジェッ
トの広がり面積)の積と、脱硫率との関係を示すグラフ
である。ここで、ジェットの広がり面積とは、動圧が
0.1kPa以上の領域の面積とした。同図に示すよう
に、ノズルの種類にかかわらず、(中心動圧×広がり面
積)の積と、脱硫率とは直線関係にあることがわかる。
また、中心動圧の高いラバールノズルや、ジェットの広
がりの大きいストレートノズルの脱硫効率は必ずしも高
くなく、2段ノズルFがもっとも高い脱硫率を示すこと
がわかる。 【0022】中心動圧の高いラバールノズルの脱硫率が
必ずしも高くない理由は、以下のように考えられる。す
なわち、ジェットの広がりの中心付近ではフラックスが
溶鋼中に深く進入して溶鋼との反応効率が高くなるもの
の、その効率は飽和する(反応の平衡状態となる)。一
方、中心から少し離れたところでは、フラックスを溶鋼
中に進入させるだけのジェットの運動量がなく、フラッ
クスと溶鋼とが十分には反応せず、ジェットの広がりの
範囲全体としては反応効率が低下する。 【0023】同様に、ストレートノズルの脱硫率が高く
ならない理由は、以下のように考えられる。すなわち、
ジェットの広がりのそれぞれの位置で、ジェットの運動
量が小さく、フラックスが溶鋼中に十分な深さまで進入
できないため反応効率が低下し、ジェットの広がりは大
きいものの、全体としては反応効率が低下する。 【0024】ラバールノズルでも、キャリアガス流量条
件や、形状寸法の条件を変えれば脱硫率が向上すること
が考えられるが、ラバールノズルは元来フラックス粉体
を溶鋼に深く進入させることを狙ったものであるため、
最適ノズル形状は2段ノズルの中から選択することが望
ましいと考えられる。 【0025】また、図3に示すように、(中心動圧×広
がり面積)の積を大きくすれば、脱硫効率が高くなるか
らといって、ノズル供給圧を大きくしてキャリアガス流
量を増加させたり、ノズル−湯面間の距離を大きくする
ことは、設備費の増大または設備の大幅な改造を要する
のみならず、ガスコスト上昇、ランス寿命低下など、通
常操業でのコストを悪化させるため、おのずと制限があ
る。したがって、本発明は、2段ノズルの形状および吹
き込み条件を規定することによって、脱硫効率の向上を
図るものである。 【0026】3.ノズル形状およびガス流速による整理 図3より、2段ノズルの一種が精錬効率に優れており、
その中でもジェットの形状すなわち、(中心動圧×広が
り面積)の積が脱硫効率に影響する事がわかったが、こ
れら中心動圧や広がりを実際のプロセスで規定するのは
実用的でないため、ノズル形状およびキャリアガス条件
で整理することを検討した。キャリアガス条件として
は、ガス種類、圧力(ノズル前圧力)、雰囲気圧力、流
量、流速、ノズル−湯面間距離等があるが、ガス種類は
Ar(またはN2)にほぼ限定され、スロート部の径が決
まれば圧力、流量、流速はそれらのいずれかで決まるた
め、ガス流速で整理し、さらに雰囲気圧力およびノズル
−湯面間距離の影響を検討した。 【0027】まず、各種のスロート部径d、拡大部径
D、および拡大部長さLの2段ノズルを用意し、d/
D、L/d、およびキャリアガス流速(スロート部にお
ける標準状態換算流速)について脱硫率を調査した。こ
れらノズルのスロート部径はすべて3mmとした。 【0028】図4はガス流速とL/dとが脱硫率に及ぼ
す影響を示すグラフである。同図において、●印は脱硫
率が90%未満、○印は脱硫率が90%以上を示してい
る。同図から、同一流速では、L/dの適正な範囲があ
ることがわかる。この関係は、 0.0012V+0.63≦L/d≦0.002V+2.6 (1) と表すことができる。ただし、流速の小さいところで
は、適正なジェットが形成されないため、あるいは流速
が超音速となるとガス挙動が一変するため、 100≦V≦1000 (3) の制約を設けた。 【0029】図5はガス流速とd/Dとが脱硫率に及ぼ
す影響を示すグラフである。同図において図4と同様に
●印は脱硫率が90%未満、○印は脱硫率が90%以上
を示している。 【0030】図4と同様に、図5からは、同一流速で
は、d/Dの適正な範囲があることがわかる。この関係
は、 0.00015V+0.05≦d/D≦0.00018V+0.32 (2) と表すことができる。 【0031】4.脱炭反応における挙動 次に、C濃度0.1%の溶鋼2t([Al]<0.00
1%)にFe23粉体を吹き付け、脱炭速度を調査し
た。溶鋼温度は1873K、真空度は1330Pa、粉
体供給速度は200g/minで、吹き付け時間は30
分とした。物質収支から、本試験条件では全てのFe2
3中酸素が溶鋼中Cと反応すると脱炭率(={(処理
前C濃度−処理後C濃度)/処理前C濃度}×100)
は67.5%となる。試験結果を表2に示す。同表のガ
ス流速はラバールのスロート部、本発明の2段ノズルの
スロート部で943m/sである。ラバールノズル(ス
ロート径3mm、出口径7mm、ノズル長18mm)で
の脱炭率43%であったのに対し、太枠内に示す本発明
の方法に係るノズル(d=3mm)は61〜65%と高
い脱炭率が得られた。 【0032】 【表2】【0033】5.雰囲気圧力およびノズル−湯面間距離
の影響 図6は、雰囲気圧力(背圧)と脱硫率との関係を示すグ
ラフである。同図の試験に用いたノズルは、表1のラバ
ールノズルA、ストレートノズルB、2段ノズルFであ
る。キャリアガス流量は400l(標準状態)/mi
n、ノズルと湯面間距離は300mmとした。同図に示
すように、雰囲気圧力が133〜5320Pa(1〜4
0Torr)の範囲では、各ノズルとも脱硫率に大きな
変化は生じない。 【0034】図7は、ノズル−湯面間距離と脱硫率との
関係を示すグラフである。同図の試験に用いたノズル
は、雰囲気圧力(背圧)と脱硫率との関係を試験した場
合と同様のノズルである。キャリアガス流量は400l
(標準状態)/min、雰囲気圧力は1330Paであ
る。同図に示すように、各ノズルともにノズル−湯面間
距離が大きくなると、脱硫率は若干変化するが、ノズル
相互の優劣関係は変わらない。 【0035】本実験は縮尺スケールの実験であり、本実
験の、d=3mm、ガス流量400l(標準状態)/m
in等の条件は、d=30mm、ガス流量40m3/m
inで操業する大型生産設備の1/10スケールモデル
となる。したがって、図7に示すノズル−湯面間距離1
00〜600mmは実際の生産設備の1.0〜6.0m
に相当する。 6.プロセスへの適用形態 本発明によるノズルを有したランスをRH式真空脱ガス
装置で用いる場合を例に説明する。 【0036】脱炭等の処理を施した溶鋼を取鍋内へ出鋼
し、RH装置にて真空槽内を減圧し、溶鋼を吸い上げる
と同時に浸漬管内からガスを吹き込み溶鋼を環流させ
る。RH真空槽内に垂直に設置したランスに本発明に係
るノズルを用い、真空槽内溶鋼表面にキャリアガスとと
もに精錬用フラックス粉を吹き付ける。ノズル形状は設
備のガス供給能力によるガス流量に応じて、d、Dおよ
びLを本発明の規定する条件に従い決定する。 【0037】キャリアガス流量(標準状態換算)は、
0.02〜0.16m3/(min・溶鋼t)が望まし
い。0.02m3/(min・溶鋼t)未満では粉体供
給速度が遅くなり、処理時間が長くなる。一方、0.1
6m3/(min・溶鋼t)を超えるとスプラッシュが
激しくなり、地金付着などの操業上の問題が生じる。 【0038】ノズル下端と真空槽内溶鋼湯面の距離H
は、H/d(−)を30〜150とするよう、決定する
のが望ましい。H/dが30未満ではノズルが溶鋼に近
すぎてスプラッシュが激しくなる。H/dが150を超
えると、真空槽が小さい場合には粉体が真空槽内側壁に
直接衝突する場合がある。 【0039】粉体の供給速度は0.5〜3kg/(mi
n・溶鋼t)が望ましい。0.5kg/(min・溶鋼
t)未満では処理時間が長くなり、3kg/(min・
溶鋼t)を超えるとスプラッシュが激しくなる。 【0040】フラックス粉体はCaO、CaO−Al2
3、CaO−CaF2、CaO−MgO、CaO−Ca
合金、CaO−Al合金、Fe23など精錬目的に応じ
た酸化物、酸化物の混合物、酸化物とフッ化物との混合
物、酸化物と金属の混合物などいかなる種類でもよい。 【0041】 【実施例】転炉で脱炭した溶鋼250tを取鍋内に出鋼
し、RH式真空脱ガス装置で減圧下、溶鋼を環流させ、
合金等を添加し、表3に示す成分に調整した。 【0042】 【表3】 【0043】成分調整後、各種のノズルを装着したラン
スを用い、減圧下、溶鋼表面にCaO粉体(100メッ
シュアンダー)をArガスとともに吹き付けた。表4に
本実施例に用いたノズルの寸法を示す。同表のノズル種
類が2段−1〜17が2段ノズルである。これら2段ノ
ズルのスロート部径dはすべて0.03mとした。また
ストレートノズル、ラバールノズルを用いた比較試験を
行った。ラバールノズルはスロート径0.03m、出口
径0.06m、ノズル長さ0.18mであり、ストレー
トノズルは出口径0.07mである。 【0044】CaO粉体供給速度は1kg/(min・
溶鋼t)とし10分間吹き付けた。Ar流量は420m
3(標準状態)/hr、雰囲気圧力は1330Pa、処
理前S濃度は25〜40ppm、ノズル−湯面間距離は
2.5mであった。2段−1〜2段−17のノズルでは
スロート部径dを一定としているため、ガス流速は16
5m/sである。本発明の範囲のL/dは0.83〜
2.9(−)、d/Dは0.07〜0.35(−)とな
る。吹き付けによる脱硫率を表4にあわせて示す。 【0045】 【表4】 【0046】本発明方法に従った場合は、90%程度の
脱硫率が得られているが、本発明方法に従わない場合は
50〜60%の脱硫率となった。またストレートノズ
ル、ラバールノズルを用いた場合も50〜65%の脱硫
率となった。 【0047】 【発明の効果】本発明の減圧精錬方法により、減圧下粉
体上吹き精錬の反応効率を著しく高めることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に用いた2段ノズルの形状を模式的に示
す縦断面図である。 【図2】ジェットのノズル軸中心からの距離と、動圧と
の関係を示すグラフである。 【図3】各種ノズルの(中心動圧×ジェットの広がり面
積)の積と、脱硫率との関係を示すグラフである。 【図4】ガス流速とL/dとが脱硫率に及ぼす影響を示
すグラフである。 【図5】ガス流速とd/Dとが脱硫率に及ぼす影響を示
すグラフである。 【図6】雰囲気圧力(背圧)と脱硫率との関係を示すグ
ラフである。 【図7】ノズル−湯面間距離と脱硫率との関係を示すグ
ラフである。 【符号の説明】 1:ランス 2:ノズル 3:スロート部 4:拡大部
フロントページの続き (72)発明者 樋口 善彦 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 Fターム(参考) 4K013 BA02 BA05 CA01 CA02 CA12 CA21 CE01 EA02 EA03 EA05 FA00

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】溶鋼表面にキャリアガスとともに精錬用粉
    体を吹き付ける減圧精錬方法であって、前記精錬用粉体
    を吹き付けるランス先端のノズル部が、直径dのスロー
    ト部と、スロート部に続く直径Dおよび長さLの拡大部
    とからなり、前記d、D、Lおよびスロート部を通過す
    るキャリアガスの流速V(m/s)とが、下記(1) 〜
    (3) 式で表される関係を満足することを特徴とする減圧
    精錬方法。 0.0012V+0.63≦L/d≦0.002V+2.6 (1) 0.00015V+0.05≦d/D≦0.00018V+0.32 (2) 100≦V≦1000 (3) ここで、キャリアガスの流速V(m/s)は、標準状態
    換算のガス流量(m3/s)をスロート部の断面積
    (m2)で除した値である。
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