JP7026180B2 - 車両装飾パネルおよびその成形方法 - Google Patents

Description

本発明は、車両装飾パネルおよびその成形方法に関し、特にレーザー彫刻で車両曲面に装飾パネルのデザイン表示層を加工する発明に関する。

図５から図７に示すのは、車両ブランド・ロゴ（ｌｏｇｏ）（Ａ）を例とする従来の自動車装飾パネルである。その構造は主に基板Ａ１、キズ防止層Ａ２、表示層Ａ３、金属メッキ層Ａ４、保護塗り層Ａ５、保護カバーＡ６を含む。

そのうち、まず、基板Ａ１外層上にキズ防止層Ａ２をコーティングする。その後、基板Ａ１内層にインクで表示層Ａ３の図柄をスクリーン印刷、パッド印刷、サーモ印刷等印刷方式で印刷する。
次に表示層Ａ３上で金属メッキ層Ａ４を蒸着またはスパッタリングする。
更に、保護塗り層Ａ５をコーティングした後、保護カバーＡ６を被覆する。そのうち、表示層Ａ３が示すのは、基板Ａ１をインクで遮蔽した部分であり、表示層Ａ３のインクによって図柄、模様または文字を直接表示する。
または表示層Ａ３はインクが基板Ａ１上で遮蔽部を形成してもよく、基板Ａ１上の非遮蔽部は金属メッキ層Ａ４の金属質感を表示し、金属メッキ層Ａ４によって図柄、模様または文字が形成される。

しかし、表示層Ａ３が採用するインク印刷方式は平面または微曲面にだけ適用する装飾パネルであり、装飾パネルが比較的大きい形態の場合、表示層Ａ３はインク印刷方式を採用するが、以下の問題が発生する。

一に、スクリーン印刷を採用した時、曲面の印刷、例として凹み面の印刷は完璧に図柄を転写できず、欠損部位の問題が起こる。そのため、凹み面の曲率半径が非常に大きい、または特殊造形の場合、スクリーン印刷を採用できない。

二に、パッド印刷を採用した時、曲面印刷は時に図柄の境目にバリまたは印刷欠け等問題が発生して図柄外観が悪くなる。

三に、サーモ印刷を採用した時、曲面印刷時に、図柄の境目にバリまたは印刷欠け等外観不良問題が発生しやすい。同時にサーモ印刷は基材に高温高圧過程を施すため、曲面基材に応力、亀裂現象が起こりやすくなる。

先行技術として、自動車平面装飾パネル上にレーザー彫刻で不透明なインク部分を除去して透光図柄を表出するものがある。（例として特許文献１「自動車の内装飾発光パネル」参照）但し、当案は、自動車平面の装飾パネルに使用する。

先行技術として、バックミラーの鏡枠上に着色塗料を吹き付け、その後レーザー彫刻で一部の着色塗料を除去し、透光図柄を表出させるものがある。（例として特許文献２「表示ランプ機能を有する車両バックミラーの製造方法および方法で製造する車両バックミラー」参照）

台湾特許第Ｍ５４４４３６号 台湾特許第４７９１２０号

解決しようとする問題点として、上述の公知技術はすべてレーザー彫刻で不透光インクまたは着色塗料の除去を採用しているが、高温のレーザーの加工過程ではインクまたは着色塗料の品質変化が色の変化をもたらし、デザインの色を表現できず、且つ製品の品質が一定しないという問題点がある。

本発明はインクを使用せずに表示層を表出する車両装飾パネルを提供する。

この車両装飾パネルは、
曲面基板（１）と、
曲面基板上に被覆されたメッキ層（３０）から不要な部分が除去された状態をなしている表示層（３）と、
曲面基板上で結合して表示層を被覆する曲面保護カバー（５）と、
を含む。曲面基板と曲面保護カバーのうち少なくとも一つが透明または半透明である。

本発明は更に車両装飾パネルの成形方法を提供する。

この車両装飾パネルの成形方法は、
曲面基板上でメッキ層を被覆するステップと、
レーザー彫刻でメッキ層の不要な部分を除去し、メッキ層を表示層に加工するステップと、
曲面基板上で曲面保護カバーを結合して表示層を被覆するステップと、
を含む。曲面基板および曲面保護カバーは少なくとも一つが透明または半透明である。

更に、曲面基板は透明または半透明で外カーブ表示面（１１）および内カーブ裏面（１２）を有する。表示層は内カーブ裏面に位置する。更に、車両装飾パネルは、曲面基板上に、表示層の相対側に位置するキズ防止層（２）を有する。

更に、基板外カーブ表示面（１１）および内カーブ裏面（１２）を有する。表示層は外カーブ表示面に位置し、また曲面保護カバーは透明または半透明である。更に、車両装飾パネルは、曲面保護カバー上に、表示層の相対側に位置するキズ防止層（２）を有する。

更に、表示層に保護塗り層をコーティングした後、次に曲面保護カバーを被覆する。一般的な手法は射出または粘着方式である。

更に、車両装飾パネルはブランド・ロゴ（ｌｏｇｏ）、車両フロントグリル、車両前端装飾パネル／スリップ、車両ドア辺装飾パネル／スリップまたは車両リアエンド装飾パネル／スリップのうちの任意の一つとして用いられる。

更に、メッキ層は主金属層および主金属層外の金属または半金属酸化膜層を含む。主金属層の材質はＩｎ、Ｃｒ、Ａｌ、Ｓｎのうちの任意の一つまたはその合金であり、金属または半金属酸化膜層はＳｉ_xＯ_y、Ｔｉ_xＯ_y、Ａｌ_xＯ_yまたはＳｉ_xＮ_y（ｘ、ｙは自然数）のうちの任意の一つである。

更に、メッキ層の厚みは１０ナノメートルから１５０ナノメートルの間である。また保護塗り層の厚みは１５マイクロメートルから１００マイクロメートルの間である。

本発明の車両装飾パネルおよびその成形方法は、以下の利点がある。

一に、従来の自動車装飾パネルはインク印刷方式印刷図柄を採用し、インク図柄上に、金属メッキ層を蒸着またはスパッタリングする。またはレーザー彫刻で不透光インクを除去して図柄を表出させる。本発明の車両装飾パネルは完全にインクを使用せず、金属メッキ層上に直接表示層の図柄を彫刻し、インクで図柄を遮蔽または表出させる必要がなく、インクの高温変質による色差の問題を解決するという効果がある。

二に、本発明の表示層の厚みはおよそ１０ナノメートルから１５０ナノメートルの間である。更にすべて透光で、車両装飾パネルが明るい視覚体験が得られるという効果がある。

三に、レーザーで曲面基板に彫刻することで、特に内カーブ裏面は表示層の完全な図柄を彫刻でき、解決スクリーン印刷で曲面に図柄を完全に転写できない問題を解決するという効果がある。

四に、曲面基板上にレーザー彫刻で表示層の図柄を加工し、表示層の図柄を境目も完全にでき、パッド印刷、サーモ印刷、スクリーン印刷の曲面印刷に依る図柄の境目にバリまたは印刷欠け（即ち印刷図柄が不完全）等が発生する問題を解決するという効果がある。

五に、曲面基板上にレーザー彫刻で表示層の図柄を加工することで、表示層の図柄に亀裂が入らず、サーモ印刷の曲面印刷に依る表出図柄に発生する応力または亀裂の問題を解決するという効果がある。

本発明の実施例であり、車両装飾パネルをブランド・ロゴ（ｌｏｇｏ）として用いた図である。 本発明の実施例の一形態による車両装飾パネルの工程図である。 本発明の実施例であり、車両装飾パネルの製作フローチャートである。 本発明の実施例であり、別の形態の車両装飾パネルの構造図である。 従来の、ブランド・ロゴ（ｌｏｇｏ）として用いた車両装飾パネルの図である。 従来の車両装飾パネルの工程図である。 従来の車両装飾パネルの製作フローチャートである。

（一実施形態）
上述技術の特徴として、本発明の車両装飾パネルおよびその成形方法の主な効果について実施例を挙げて以下に説明する。

図１から図３に示すとおり、本実施例の車両装飾パネルは、ブランド・ロゴ（ｌｏｇｏ）１０の制作を例とする。但し、ブランド・ロゴ（ｌｏｇｏ）１０に制限されず、車両装飾パネルの制作は、例として車両フロントグリル、車両前端装飾パネル／スリップ、車両ドア辺装飾パネル／スリップ、車両リアエンド装飾パネル／スリップ等部材でもよい。ブランド・ロゴ（ｌｏｇｏ）１０は曲面基板１、キズ防止層２、表示層３、保護塗り層４および曲面保護カバー５を含む。

曲面基板１は透明または半透明で外カーブ表示面１１および内カーブ裏面１２を有する。曲面基板１の外カーブ表示面１１上にはキズ防止層２を塗布し、製作完成後の外カーブ表示面１１は環境下において表示層３が表示される。外カーブ表示面１１にキズ防止層２を塗布することで外カーブ表示面１１の表面の磨損を減らすことができる。その後、内カーブ裏面１２において蒸着またはスパッタリング方式でメッキ層３０を被覆する。更にレーザー彫刻で不要なメッキ層を除去し、メッキ層を加工して表示層３とする。表示層３は即ち、前述のブランド・ロゴ（ｌｏｇｏ）１０の図柄、模様または文字を表示し、そのうちレーザー彫刻のパラメータは異なる金属メッキ層にもとづいて修正するが、レーザー彫刻は公知技術であるため、ここでは詳述しない。更に表示層３に保護塗り層４を塗布し、表示層３の脱落防止またはその酸化を減少させる。その後曲面基板１上に曲面保護カバー５を結合して表示層３を被覆する。一般的な手法は射出または粘着方式である。曲面基板１は透明または半透明の形態であるため、表示層３の図柄、模様、または文字を表出させることができる。

図４に示すとおり、曲面基板１の内カーブ裏面１２上に上述の表示層３を製作する他に、表示層３を曲面基板１の外カーブ表示面１１上で製作しても良い。例として図４に示すとおり、外カーブ表示面１１に蒸着またはスパッタリング方式でメッキ層を被覆し、次にレーザー彫刻で不要なメッキ層を除去し、メッキ層を加工して表示層３とする。そして表示層３に保護塗り層４を塗布し、表示層３の脱落防止またはその酸化を減少させる。その後、曲面基板１上に曲面保護カバー５を結合して表示層３を被覆する。この時、曲面保護カバー５は環境中に露出させることで表示層３を表出させる。そしてキズ防止層２を曲面保護カバー５上に塗布する。この時、曲面保護カバー５は透明または半透明の形態で露出し、表示層３の図柄、模様、または文字を表出させることができる。

その他、メッキ層３０の厚みは、およそ１０ナノメートルから１５０ナノメートルの間で、比較的良好なメッキ層３０の厚みは４０ナノメートルから１００ナノメートルの間で採用される。表示層３を保護するのに用いる保護塗り層４の厚みは１５マイクロメートルから１００マイクロメートルの間である。比較的良好なのは、４０マイクロメートルから６０マイクロメートルの間であり、且つ透光でも、または不透光でも良く、更に多様な視覚変化をもたらす。比較的良好なメッキ層３０は更に例としてＳｉ_xＯ_y、Ｔｉ_xＯ_y、Ａｌ_xＯ_y、Ｓｉ_xＮ_y（ｘ、ｙは自然数）等のような金属または半金属の酸化膜層を含み、蒸着またはスパッタリングにおいて、主金属層を保護する保護層を形成する。主金属層の材質はＩｎ、Ｃｒ、Ａｌ、Ｓｎのうちの任意の一つまたはその合金とする。

本発明の車両装飾パネルは完全にインクを使用せず、金属メッキ層上に直接表示層３の図柄を彫刻し、インクで発生表示する図柄を必要としないため、レーザー彫刻がインクの高温で変質し色差が発生する問題を改善する。更にスクリーン印刷、パッド印刷、サーモ印刷等の印刷方式に依る表示層３の図柄を転写する必要がないので、図柄の境目バリ、図柄の亀裂または転写不完全の問題が発生しない。また本発明の曲面基板は単一曲率の規則曲面、または任意の不規則曲率変化の不規則曲面でも良い。

上述の実施例を総合すると、本発明の操作、使用および本発明に依る効果がはっきりと明らかになる。しかしながら、以上の実施例は本発明の良好な実施例に過ぎず、本発明の請求範囲を制限しない。即ち、本発明の特許請求の範囲および発明の説明内容に基づく簡単な同効果の変化および修飾は、すべて本発明の特許請求の範囲に含まれるものとする。

１０ ブランド・ロゴ（ｌｏｇｏ）
１ 曲面基板
１１ 外カーブ表示面
１２ 内カーブ裏面
２ キズ防止層
３０ メッキ層
３ 表示層
４ 保護塗り層
５ 曲面保護カバー
Ａ ブランド・ロゴ（ｌｏｇｏ）
Ａ１ 基板
Ａ２ キズ防止層
Ａ３ 表示層
Ａ４ 金属メッキ層
Ａ５ 保護塗り層
Ａ６ 保護カバー

Claims (8)

1. 外カーブ表示面（１１）および内カーブ裏面（１２）を有する曲面基板（１）と、
   前記曲面基板の内カーブ裏面に被覆されるメッキ層（３０）、及び前記メッキ層から不要部分が除去された状態をなしている除去部からなり、前記不要部分が除去された残存メッキ層と前記除去部とでインクを使用せずに図柄、模様または文字を表出する表示層（３）と、
   前記曲面基板上で結合して前記表示層を被覆する曲面保護カバー（５）と、
   前記曲面基板上で前記表示層の相対側に位置するキズ防止層（２）とを含み、
   前記曲面基板と前記曲面保護カバーのうち少なくとも一つが透明または半透明であることを特徴とする車両装飾パネル。
2. 前記表示層は、前記曲面基板の内カーブ裏面に被覆され、前記曲面基板の外カーブ表面に被覆されることを特徴とする請求項１記載の車両装飾パネル。
3. 前記表示層は保護塗り層（３）がコーティングされており、前記保護塗り層上に前記曲面保護カバーを被覆することを特徴とする請求項１記載の車両装飾パネル。
4. ブランド・ロゴ、車両フロントグリル、車両前端装飾パネル／スリップ、車両ドア辺装飾パネル／スリップまたは車両リアエンド装飾パネル／スリップのうちの任意の一つとして用いられることを特徴とする請求項１記載の車両装飾パネル。
5. 前記メッキ層は、主金属層およびＳｉｘＯｙ、ＴｉｘＯｙ、ＡｌｘＯｙまたはＳｉｘＮｙ（ｘ、ｙは自然数）のうちの任意の一つを含むことを特徴とする請求項１記載の車両装飾パネル。
6. 図柄、模様または文字を表出する車両装飾パネルの成形方法であって、
   曲面基板の外カーブ面にキズ防止層を塗布するステップと、
   前記曲面基板の内カーブ面にメッキ層を被覆するステップと、
   レーザー彫刻により前記メッキ層の不要な部分を除去し、この除去部と残存メッキ層とで、図柄、模様又は文字を有する表示層に加工するステップと、
   前記曲面基板の内カーブ面で前記表示層に保護塗り層を塗布するステップと、
   前記曲面基板上で曲面保護カバーを結合して前記表示層を被覆するステップと、
   を含み、
   前記曲面基板および前記曲面保護カバーは少なくとも一つが透明または半透明であることを特徴とする車両装飾パネルの成形方法。
7. 前記メッキ層の厚みは１０ナノメートルから１５０ナノメートルの間であることを特徴とする請求項６記載の車両装飾パネルの成形方法。
8. 前記表示層に保護塗り層をコーティングした後、前記表示層は前記曲面保護カバーを被覆し、
   前記保護塗り層の厚みは１５マイクロメートルから１００マイクロメートルの間であることを特徴とする請求項６記載の車両装飾パネルの成形方法。
   

Images