JP6932155B2 - レーダカバー及びレーダカバーの製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、レーダカバー及びレーダカバーの製造方法に関するものである。
近年、ミリ波等の電波を用いて車両の周囲の障害物等を検知するレーダユニットが車両に搭載されている。このようなレーダユニットは、エンブレム等の識別マークが形成されたレーダカバーに前方から覆われた状態で車両の内部に配置されている。
レーダカバーは、レーダユニットにおいて送受信される電波を極力減衰させずに透過可能である必要がある。一方で、レーダカバーに形成されたエンブレム等の識別マークの質感を高めるためには、レーダカバーの一部に対して金属光沢を付与する必要がある。このため、レーダカバーでは、例えば特許文献1に開示されているように、レーダカバーの表面側に配置される透光部材の裏面に凹部を形成し、この凹部に沿って電波を透過可能なインジウムの蒸着層やスパッタリング層を配置することで金属光沢を得つつ電波を透過可能としている。
ところで、近年、上述のようなレーダカバーにおいて、エンブレム等の識別マークの縁に沿って加飾を行う場合がある。このような場合には、例えば透明部材の背面に印刷を施し、識別マークの周囲に縁取り等の加飾を行うことが考えられる。しかしながら、印刷によって加飾を行うと、加飾した領域が平面的となり、外部の視認者に与える印象が悪化する恐れがある。このため、識別マーク等の周囲に施す加飾を立体的とする技術が望まれている。
例えば、透明部材の背面に加飾層を形成するための凹部を設け、この凹部の内部に加飾層を形成することによって、加飾層を立体的に視認させることが考えられる。しかしながら、透明部材の背面には、透明部材を支持するための支持部材が通常形成され、この支持部材は一般的に射出成形によって形成される。このような支持部材の形成時に、熱や圧力等によって凹部の内部に形成された加飾層や加飾層が形成される凹部が損傷する可能性がある。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、透明部材と支持部材との間に、光輝性膜と異なる加飾層が設けられたレーダカバーにおいて、支持部材の形成により加飾層や加飾層が形成される凹部が損傷することを抑止することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
第1の発明は、透明部材と、透明部材の背面に配置される支持部材と、上記透明部材と上記支持部材との間に配置された光輝性膜とを有するレーダカバーであって、上記透明部材の背面の一部に上記光輝性膜の配置領域を避けて加飾層形成凹部が設けられ、上記加飾層形成凹部の内壁面に形成された加飾層を備え、上記加飾層が内壁面に形成された上記加飾層形成凹部の内部に少なくとも一部が収容された保護ピースを備えるという構成を採用する。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記加飾層が、塗料によって形成された塗膜であるという構成を採用する。
第3の発明は、上記第1または第2の発明において、上記支持部材と上記透明部材との間に配置されると共に、上記支持部材側から上記光輝性膜、上記加飾層及び上記保護ピースの少なくともいずれかを覆う保護膜を備えるという構成を採用する。
第4の発明は、上記第1〜第3いずれかの発明において、上記加飾層形成凹部の内壁面の一部が屈曲されているという構成を採用する。
第5の発明は、透明部材と、透明部材の背面に配置される支持部材と、上記透明部材と上記支持部材との間に配置された光輝性膜とを有するレーダカバーの製造方法であって、背面の一部に上記光輝性膜の配置領域を避けて加飾層形成凹部が設けられた上記透明部材を形成する透明部材形成工程と、上記加飾層形成凹部の内壁面に加飾層を形成する加飾層形成工程と、上記加飾層が内壁面に形成された上記加飾層形成凹部の内部に少なくとも一部が収容された保護ピースを配置した状態で上記透明部材の背面に支持部材を形成する支持部材形成工程とを有するという構成を採用する。
第6の発明は、上記第5の発明において、上記加飾層形成工程にて、塗料を塗布とすると共に塗布された塗料を乾燥させることによって塗膜からなる上記加飾層を形成するという構成を採用する。
第7の発明は、上記第5または第6の発明において、上記支持部材形成工程の前に、上記光輝性膜、上記加飾層及び上記保護ピースの少なくともいずれかを覆う保護膜を形成する保護膜形成工程を有するという構成を採用する。
第8の発明は、上記第5〜第7いずれかの発明において、上記透明部材形成工程にて、内壁面の一部を屈曲させた状態で上記加飾層形成凹部を形成するという構成を採用する。
本発明によれば、透明部材の背面に設けられた加飾層形成凹部の内壁面に加飾層が形成され、この加飾層が形成された加飾層形成凹部の内部に保護ピースの少なくとも一部が収容されている。このため、支持部材を形成する場合の熱や圧力が保護ピースによって加飾層や加飾層形成凹部に伝わることを抑止し、加飾層や加飾層形成凹部が損傷することを抑止することができる。したがって、本発明によれば、透明部材と支持部材との間に、光輝性膜と異なる加飾層が設けられたレーダカバーにおいて、支持部材の形成により加飾層や加飾層が形成される凹部が損傷することを抑止することが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明に係るレーダカバー及びレーダカバーの製造方法の一実施形態について説明する。
図1(a)は、本実施形態のレーダカバー10を備えるラジエータグリル1の正面図である。また、図1(b)は、本実施形態のレーダカバー10の拡大正面図である。また、図2は、本実施形態のレーダカバー10の断面図である。
ラジエータグリル1は、車両のエンジンルームに通じる開口を塞ぐように車両の前面に設けられており、エンジンルームへの通気を確保しかつエンジンルームへの異物の進入を防止している。ラジエータグリル1の中央には、エンジンルーム内に配置されるレーダユニットR(図2参照)に対向するようにしてレーダカバー10が設けられている。レーダユニットRは、例えばミリ波を発信する発信部、反射波を受信する受信部、及び、演算処理を行う演算部等を有している。このレーダユニットRは、レーダカバー10を透過する電波の送受信を行い、受信した電波に基づいて車両の周囲状況を検知する。例えば、レーダユニットRは、障害物までの距離や障害物の相対速度等を算出して出力する。
レーダカバー10は、レーダユニットRを車両の正面側から見て覆うように配置されている。このレーダカバー10は、図2に示すように、車両の正面側から見て、車両メーカのエンブレム等の認識マークを示す図形や文字等を表す光輝領域10Aと、この光輝領域10Aの視認性を向上させる黒色領域10Bと、光輝領域10Aを縁取る加飾領域10Cとを有する部品である。例えば、加飾領域10Cは、黒色領域10Bと異なる青等の色が付与された領域である。
このようなレーダカバー10は、図2に示すように、透明部材11と、マスク層12と、加飾層13と、保護ピース14と、光輝性膜15と、保護膜16と、ベース部材17(支持部材)とを備えている。透明部材11は、最も車両の外側に配置される略矩形状の透明樹脂材料により形成される部位である。この透明部材11は、車両の外部からの光輝性膜15の視認性を高めるため、表側の面が円滑面とされている。また、透明部材11の背面には、光輝性膜15が内壁面に形成される光輝性膜形成凹部11aと、加飾層13が内壁面に形成される加飾層形成凹部11bが形成されている。
光輝性膜形成凹部11aは、内壁面に光輝性膜15が形成されており、光輝性膜15を車両の前方側から立体的に視認可能とする。この光輝性膜形成凹部11aは、車両メーカのエンブレム等の認識マークの図形や文字等の形状に沿って設けられている。図2に示すように、このような光輝性膜形成凹部11aの内壁面に光輝性膜15が成膜されることによって、上述の光輝領域10Aが形成される。
また、透明部材11の背面には、複数の加飾層形成凹部11bが形成されている。これらの加飾層形成凹部11bは、光輝性膜形成凹部11aよりも浅い凹部であり、透明部材11の表面側の奥部が尖った形状とされている。つまり、本実施形態においては、加飾層形成凹部11bは、内壁面の一部が屈曲されている。これらの加飾層形成凹部11bは、内壁面に形成された加飾層13を車両の前方側から立体的に視認可能とする。本実施形態においては、光輝領域10Aの外側に分散して配置された多数のディンプル状の加飾層形成凹部11bが設けられている。このような加飾層形成凹部11bの内壁面に加飾層13が形成されることによって、上述の加飾領域10Cが形成される。
このような透明部材11は、例えば、無色のPC(ポリカーボネート)やPMMA(ポリメタクリル酸メチル樹脂)等の透明合成樹脂によって形成されており、1.5mm〜10mm程度の厚さとされている。また、透明部材11の表側の面には、必要に応じて、傷付き防止のためのハードコート処理、又はウレタン系塗料のクリヤコート処理が施される。なお、耐傷性を備える透明合成樹脂であれば、これらの傷付き防止処理は不要である。
マスク層12は、透明部材11の背面の光輝性膜形成凹部11aあるいは加飾層形成凹部11bが設けられていない領域に形成されている。つまり、マスク層12は、光輝性膜形成凹部11a及び加飾層形成凹部11bを避けた領域にて透明部材11の背面に設けられている。このマスク層12は、黒色の印刷層であり、透明部材11の外側から視認可能とされている。このようなマスク層12は、上述の黒色領域10Bを形成している。このマスク層12は、光輝領域10A及び加飾領域10C以外の領域を黒色に視認させ、相対的に光輝領域10Aの視認性を向上させる。
加飾層13は、透明部材11の背面に設けられた加飾層形成凹部11bの内壁面の全面に形成されている。このような加飾層13は、塗料を乾燥させることで形成された塗膜によって形成されている。つまり、本実施形態において加飾層13は、塗料によって形成された塗膜である。このような加飾層13は、ベース部材17と異なる色(例えば青色)とされている。
保護ピース14は、加飾層13が内壁面に形成された加飾層形成凹部11bの内部に収容されている。ベース部材17よりも耐熱性の高い樹脂材料によって形成されており、例えばPC(ポリカーボネート)によって形成されている。この保護ピース14は、複数の加飾層形成凹部11bの各々の内部に対して配置されている。このような保護ピース14の形状は特に限定されるものではないが、例えば、加飾層形成凹部11bを埋設する形状とすることができる。このような場合には、保護ピース14の背面(加飾層形成凹部11bの開口から露出する面)が透明部材11の凹部(光輝性膜形成凹部11a及び加飾層形成凹部11b)が設けられていない領域と面一とすることができ、保護膜16の形成が容易となる。
光輝性膜15は、透明部材11の光輝性膜形成凹部11aの内壁面に対して設けられた金属光沢(金属色)を有しかつ電波透過性を有する薄膜である。この光輝性膜15は、例えば真空蒸着やスパッタリングによって形成されるインジウム(In)からなる金属製の薄膜であり、多数の微細な隙間を有する不連続膜とされている。また、光輝性膜15は、半導体と金属とを含む合金によって形成された薄膜とすることもできる。具体的には、シリコン(Si)やゲルマニウム(Ge)等の半導体と、アルミニウム(Al)やクロム(Cr)等の金属との合金によって光輝性膜15を形成することができる。このような合金によって形成された光輝性膜15は、金属と比較して自由電子の少ない半導体を含んでおり、電磁波を透過する性質を有している。
保護膜16は、ベース部材17と透明部材11との間に配置されると共に、ベース部材17側から光輝性膜15、加飾層13及び保護ピース14を覆っている。この保護膜16は、光輝性膜15、加飾層13及び保護ピース14にベース部材17の形成材料が直接接触することを防止する膜であり、例えば黒色の塗膜によって形成されている。
ベース部材17は、透明部材11の側面に固着(接合)される部位であり、透明部材11を背面側から支持する。このベース部材17は、エンジンルーム側に突出する係合部17aを有している。この係合部17aは、先端部が爪状に成形されており、当該先端部が例えばラジエータグリル本体に係止される。また、ベース部材17は、透明部材11側の面に、透明部材11の光輝性膜形成凹部11aに埋設される凸部17bを有している。
このようなベース部材17は、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合合成樹脂)、AES(アクリロニトリル・エチレン・スチレン共重合合成樹脂)、ASA(アクリロニトリル・スチレン・アクリレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、有色のPC、PET等の合成樹脂、又はこれらの複合樹脂からなり、0.5mm〜10mm程度の厚さとされている。
続いて、本実施形態のレーダカバー10の製造方法について、図3を参照して説明する。図3は、本実施形態のレーダカバー10の製造方法について説明するための概略図である。まず、図3(a)に示すように、透明部材11を形成する。例えば、透明部材11は、射出成形により形成される。この射出成形により、光輝性膜形成凹部11a及び加飾層形成凹部11bを有する透明部材11を形成することができるため、後工程により光輝性膜形成凹部11a及び加飾層形成凹部11bを形成する必要はない。なお、必要に応じて、透明部材11の表面側(車両外側に向く面)あるいは全面には、耐久性等を向上させるためのハードコート処理を施しても良い。このような図3(a)に示す工程は、背面の一部に光輝性膜15の配置領域(光輝性膜形成凹部11a)を避けて加飾層形成凹部11bが設けられた透明部材11を形成する透明部材形成工程である。このような透明部材形成工程では、本実施形態においては、加飾層形成凹部11bの内壁面の一部が屈曲された透明部材11が形成される。
次に、図3(b)に示すように、マスク層12を形成する。例えば、マスク層12は、シルク印刷によってインクをマスク層12の形成領域に塗布し、その後インクを乾燥させることによってマスク層12とする。本実施形態においては、光輝性膜形成凹部11a及び加飾層形成凹部11bを避けてマスク層12となるインクを塗布する。このようなインクを乾燥させることによって、透明部材11の背面に配置されるマスク層12を形成することができる。なお、マスク層12の形成時における印刷方法は、シルク印刷に限られるものではない。パッド印刷やインクジェット印刷によってインクを塗布するようにしても良い。このような図3(b)に示す工程は、マスク層12を形成するマスク層形成工程である。
次に、図3(c)に示すように、光輝性膜15を形成する。ここでは、例えば光輝性膜形成凹部11aを除く透明部材11の背面領域をマスクし、真空蒸着やスパッタリングによって光輝性膜15を透明部材11の光輝性膜形成凹部11aの内壁面に形成する。このように光輝性膜15を形成することによって、光輝性膜15が光輝性膜形成凹部11aの内壁面のみに対して直接接触して形成される。このような図3(c)に示す工程は、光輝性膜15を形成する光輝性膜形成工程である。
なお、透明部材11の背面のうち加飾層形成凹部11bの形成領域のみをマスクして光輝性膜15を形成することも可能である。このような場合には、光輝性膜15がマスク層12の表面にも形成されることになるが、このようなマスク層12に重ねて形成された光輝性膜15の領域は透明部材11の外部から視認されない。
次に、図3(d)に示すように、加飾層13を形成する。ここでは、例えば透明部材11の背面における光輝性膜形成凹部11aの形成領域をマスクし、加飾層13の形成材料である塗料を透明部材11の背面に対して塗布する。その後、塗布した塗料を乾燥させることによって、塗膜からなる加飾層13が形成される。このような加飾層13は、マスク層12を介して透明部材11の背面に付着することから、加飾層形成凹部11bのみにおいて、透明部材11と直接接触する。このため、透明部材11の正面側からは、加飾層形成凹部11bのみにおいて視認可能とされている。このような図3(d)に示す工程は、加飾層形成凹部11bの内壁面に加飾層13を形成する加飾層形成工程である。
このような加飾層形成工程は、なお、加飾層形成工程は、光輝性膜形成工程よりも前に行うことも可能である。ただし、光輝性膜形成工程を加飾層形成工程よりも先に行うことによって、加飾層13の形成材料が光輝性膜形成凹部11aの内壁面に付着する不良を防止することができる。
次に、図3(e)に示すように、保護ピース14を配置する。この保護ピース14は、透明部材11と別体とされており、透明部材形成工程や光輝性膜形成工程と並行して、あるいは、透明部材形成工程及び光輝性膜形成工程よりも前に形成されている。このような保護ピース14は、ベース部材17よりも耐熱性の高い樹脂を用いて、例えば射出成形によって形成される。ここでは、保護ピース14は、加飾層13が内壁面に固着形成された透明部材11の加飾層形成凹部11bの内部に収容されるように配置される。このとき、保護ピース14の表面は加飾層13に固着されずに当接された状態となる。このような図3(e)に示す工程は、加飾層13が内壁面に形成された加飾層形成凹部11bに保護ピース14を配置する保護ピース配置工程である。
次に、図3(f)に示すように、保護膜16を形成する。ここでは、光輝性膜15及び加飾層13が形成され、さらに保護ピース14が配置された透明部材11の背面の全域に保護膜16を形成する。保護膜16は、例えば、保護膜16の形成材料を塗布し、その後、塗布した材料を乾燥させることによって形成される。このような保護膜16は、光輝性膜15、加飾層13及び保護ピース14を覆うように形成される。このような図3(f)に示す工程は、ベース部材形成工程の前に、光輝性膜15、加飾層13及び保護ピース14を覆う保護膜16を形成する保護膜形成工程である。
次に、図3(g)に示すように、ベース部材17を形成する。ここでは、保護ピース14が加飾層形成凹部11bに配置され、光輝性膜15、加飾層13及び保護膜16が形成された透明部材11を金型の内部に配置し、透明部材11の背面側に溶融した樹脂を射出するインサート成形(射出成形)を行うことでベース部材17を形成する。このようなベース部材17は、透明部材11の側面の一部に溶着され、光輝性膜15、加飾層13及び保護膜16を覆うように形成される。このとき、加飾層形成凹部11bの内壁面に形成された加飾層13は、保護ピース14によって覆われているため、インサート成形時の熱や圧力によって変質することが防止される。
このような図3(g)に示す工程は、加飾層13が形成された加飾層形成凹部11bの内部に保護ピース14を収容させて配置した状態で透明部材11の背面にベース部材17を形成するベース部材形成工程(支持部材形成工程)である。
以上のような工程で本実施形態のレーダカバー10が製造される。このような本実施形態のレーダカバー10では、透明部材11の背面の一部に光輝性膜15の配置領域を避けて加飾層形成凹部11bが設けられている。また、本実施形態のレーダカバー10では、加飾層形成凹部11bの内壁面に形成された加飾層13を備え、加飾層13が内壁面に形成された加飾層形成凹部11bの内部に収容された保護ピース14を備えている。
また、本実施形態のレーダカバー10の製造方法においては、背面の一部に光輝性膜15の配置領域を避けて加飾層形成凹部11bが設けられた透明部材11を形成する透明部材形成工程と、加飾層形成凹部11bの内壁面に加飾層13を形成する加飾層13形成工程と、加飾層13が内壁面に形成された加飾層形成凹部11bの内部に収容された保護ピース14を配置した状態で透明部材11の背面にベース部材17を形成するベース部材形成工程とを有している。
このような本実施形態のレーダカバー10及びレーダカバー10の製造方法によれば、透明部材11の背面に設けられた加飾層形成凹部11bの内壁面に加飾層13が形成され、この加飾層13が形成された加飾層形成凹部11bの内部に保護ピース14が収容されている。このため、ベース部材17を形成する場合の熱や圧力が保護ピース14によって加飾層13や加飾層形成凹部11bに伝わることを抑止し、加飾層13や加飾層形成凹部11bが損傷することを抑止することができる。
また、本実施形態のレーダカバー10及びレーダカバー10の製造方法においては、加飾層13が、塗料によって形成された塗膜とされている。このため、塗料を塗布して乾燥させることで容易に薄い加飾層13を形成することが可能となる。また、本実施形態のレーダカバー10及びレーダカバー10の製造方法によれば、このように簡易に形成可能な薄い加飾層13であっても、ベース部材17を形成する際の熱や圧力によって加飾層13が損傷することを防止できる。
また、本実施形態のレーダカバー10及びレーダカバー10の製造方法においては、ベース部材17と透明部材11との間に配置されると共に、ベース部材17側から光輝性膜15、加飾層13及び保護ピース14を保護膜16で覆う。このような本実施形態のレーダカバー10及びレーダカバー10の製造方法によれば、光輝性膜15、加飾層13及び保護ピース14が保護膜16で覆われることから、ベース部材17を形成する際の熱や圧力から光輝性膜15、加飾層13及び保護ピース14をさらに保護可能となる。さらに、保護膜16は、保護ピース14がベース部材17を形成する際の溶融樹脂の流れ等によって意図せず移動することを抑止し、ベース部材17の形成面の平面度を高める。
また、本実施形態のレーダカバー10及びレーダカバー10の製造方法においては、加飾層形成凹部11bの内壁面の一部が屈曲されている。このような屈曲された内壁面を有する加飾層形成凹部11bは、ベース部材17の形成時に、屈曲箇所に局所的に大きな応力が作用する可能性がある。これに対して、本実施形態のレーダカバー10及びレーダカバー10によれば、保護ピース14によって、加飾層形成凹部11bの内壁面の屈曲箇所に作用する応力を低減し、屈曲箇所にて損傷が発生することを防止できる。したがって、本実施形態のレーダカバー10及びレーダカバー10によれば、加飾層形成凹部11bの内壁面の一部が屈曲されていても、加飾層13や加飾層形成凹部11bが損傷することを抑止することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態においては、透明部材11の光輝性膜形成凹部11aの内壁面に対して光輝性膜15を固着形成し、ベース部材17の一部(凸部17b)が光輝性膜形成凹部11aの内部に収容された構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、透明部材11及びベース部材17と別体のコア部材を形成し、このコア部材の表層に光輝性膜15を形成し、光輝性膜15が形成されたコア部材を光輝性膜形成凹部11aに収容する構成を採用することも可能である。
また、上記実施形態においては、保護ピース14の全体が加飾層形成凹部11bに収容された構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、保護ピース14の一部に凸部を設け、この凸部のみを加飾層形成凹部11bに収容する構成を採用することも可能である。
また、上記実施形態においては、保護ピース14によって加飾層形成凹部11bの全体が埋設される構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、保護ピース14が加飾層形成凹部11bの一部のみを埋設する構成を採用することも可能である。
また、上記実施形態においては、保護膜16が光輝性膜15、加飾層13及び保護ピース14を覆う構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものでない。保護膜16を形成しない構成や、保護膜16が光輝性膜15、加飾層13及び保護ピース14のいずれかあるいは2つのみを覆う構成を採用することも可能である。
また、図2及び図3においては透明部材11の側面をベース部材17が覆っているが、透明部材11とベース部材17の接合箇所はこれに限られず、透明部材11の背面の一部をベース部材17に対して露出し、溶着する構成を採用することも可能である。この場合、透明部材11の背面の一部がベース部材17と溶着されることにより、透明部材11とベース部材17とを強固に接合することが可能である。例えば、透明部材11の背面の端部や光輝性膜形成凹部11aの周辺に、マスク層12、加飾層13、保護膜16を設けずに上述のように透明部材11とベース部材17とが溶着される領域を設けても良い。
また、加飾層13を積層された複数の層で構成することも可能である。例えば、加飾層13の透明部材11側の第1層を例えばシルバー塗装による塗装層とし、加飾層13のベース部材17側の第2層を黒色の塗装層等とすることも可能である。この場合、第1層の色味が向上し、意匠性が高まる。
1……ラジエータグリル、10……レーダカバー、10A……光輝領域、10B……黒色領域、10C……加飾領域、11……透明部材、11a……光輝性膜形成凹部、11b……加飾層形成凹部、12……マスク層、13……加飾層、14……保護ピース、15……光輝性膜、16……保護膜、17……ベース部材(支持部材)
Claims (8)
- 透明部材と、透明部材の背面に配置される支持部材と、前記透明部材と前記支持部材との間に配置された光輝性膜とを有するレーダカバーであって、
前記透明部材の背面の一部に前記光輝性膜の配置領域を避けて加飾層形成凹部が設けられ、
前記加飾層形成凹部の内壁面に形成された加飾層を備え、
前記加飾層が内壁面に形成された前記加飾層形成凹部の内部に少なくとも一部が収容された保護ピースを備える
ことを特徴とするレーダカバー。 - 前記加飾層は、塗料によって形成された塗膜であることを特徴とする請求項1記載のレーダカバー。
- 前記支持部材と前記透明部材との間に配置されると共に、前記支持部材側から前記光輝性膜、前記加飾層及び前記保護ピースの少なくともいずれかを覆う保護膜を備えることを特徴とする請求項1または2記載のレーダカバー。
- 前記加飾層形成凹部の内壁面の一部が屈曲されていることを特徴とする請求項1〜3いずれか一項に記載のレーダカバー。
- 透明部材と、透明部材の背面に配置される支持部材と、前記透明部材と前記支持部材との間に配置された光輝性膜とを有するレーダカバーの製造方法であって、
背面の一部に前記光輝性膜の配置領域を避けて加飾層形成凹部が設けられた前記透明部材を形成する透明部材形成工程と、
前記加飾層形成凹部の内壁面に加飾層を形成する加飾層形成工程と、
前記加飾層が内壁面に形成された前記加飾層形成凹部の内部に少なくとも一部が収容された保護ピースを配置した状態で前記透明部材の背面に支持部材を形成する支持部材形成工程と
を有することを特徴とするレーダカバーの製造方法。 - 前記加飾層形成工程にて、塗料を塗布とすると共に塗布された塗料を乾燥させることによって塗膜からなる前記加飾層を形成することを特徴とする請求項5記載のレーダカバーの製造方法。
- 前記支持部材形成工程の前に、前記光輝性膜、前記加飾層及び前記保護ピースの少なくともいずれかを覆う保護膜を形成する保護膜形成工程を有することを特徴とする請求項5または6記載のレーダカバーの製造方法。
- 前記透明部材形成工程にて、内壁面の一部を屈曲させた状態で前記加飾層形成凹部を形成することを特徴とする請求項5〜7いずれか一項に記載のレーダカバーの製造方法。
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