JP7025857B2 - コンクリート部材 - Google Patents

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本発明は、コンクリート部材に関するものである。
近年、家庭用自動車などの車両の誤操作により、車両が建物に衝突することなどを防止するために、図8に示すように、駐車場101における車輪止部102と建物(図示せず)との間に、車両の建物側への進行を防止するための防護柵103が設置されている。
しかし、上記防護柵103を設置するためには、駐車場101の路面を舗装した後に、防護柵103を固設するための基礎104を埋設し、この基礎104に防護柵103を立設する必要がある。また、防護柵103とは別に、車輪止部102を設置する必要があり、車輪止部102と防護柵103を設置する施工に手間と時間がかかる問題がある。
そこで、本発明は、上記従来の車輪止部102と防護柵103より容易に設置できるとともに、車輪止部と車両の進行を抑制する侵入抑制部を有するコンクリート部材を提供することを目的とするものである。
前記の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、地中に埋設される埋設部を有し、該埋設部の一端部には、該埋設部から上方に立設する車輪止部が設けられ、前記埋設部の他端部には、前記埋設部から上方に立設する立ち上がり部が設けられ、立ち上がり部の上部には、埋設部側からの車両の進行を抑制する侵入抑制部が設けられ、
前記埋設部と、前記車輪止部と、前記立ち上がり部、プレキャストコンクリートにより一体に成形
前記埋設部の一端部側に、プレキャストコンクリート部材で構成された板状の板状部を設け、該板状部に上面が開口する凹部を形成し、該凹部内に着色材を塗布し、
前記板状部は、上面が露出するように埋設又は敷設される高さ位置に設けられ、前記板状部の上面は、駐車場における駐車面の一部を構成し、前記着色材は、前記駐車面の一部に付された図形の少なくとも一部を構成することを特徴とするものである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記埋設部と、前記車輪止部と、前記立ち上がり部と、前記侵入抑制部が、プレキャストコンクリートにより一体に成形されていることを特徴とするものである。
請求項記載の発明は、請求項1又は記載の発明において、前記車輪止を、複数形成するとともに、その隣接する車輪止間に欠如部を形成したことを特徴とするものである。
請求項記載の発明は、請求項1乃至の何れか1項に記載の発明において、前記侵入抑制部の前記埋設部側面に、反射板を設けたことを特徴とするものである。
本発明は、埋設部を有し、埋設部の一端部に、埋設部から上方に立設する車輪止部を設け、埋設部の他端部に、埋設部から上方に立設する立ち上がり部を設け、立ち上がり部の上部に、埋設部側からの車両の進行を抑制する侵入抑制部を設け、埋設部と、車輪止部と、立ち上がり部を、プレキャストコンクリートにより一体に成形したことにより、本発明のコンクリート部材を、所定の場所に埋設して設置するのみで、車輪止部と侵入抑制部を一度に設置でき、上記従来のものよりも、施工に係る手間と時間を削減できる。
本発明の実施例1に係るコンクリート部材の斜視図。 図1のコンクリート部材を埋設した状態の縦断面図。 本発明の実施例1に係る他例のコンクリート部材を埋設した状態の斜視図。 本発明の実施例1に係る変形例の他例を示すコンクリート部材の斜視図。 本発明の実施例2に係るコンクリート部材の一例の斜視図。 本発明の実施例3に係るコンクリート部材の斜視図。 図6のコンクリート部材を埋設した状態の縦断面図。 従来技術を説明するための斜視図。
本発明を実施するための形態を図に基づいて説明する。
[実施例1]
図1は、本発明の実施例1に係るコンクリート部材1の斜視図である。
このコンクリート部材1は、図1,図2に示すように、全体を地中に埋設する埋設部2を有し、埋設部2の上面形状は、長方形状に形成され、その短手X-X方向と長手Y-Y方向の長さは任意に形成する。なお、図2に示す断面図において鉄筋は省略してある。
埋設部2における短手X-X方向の一端部2aには、埋設部2から上方に立設する車輪止部3が、埋設部2における長手Y-Y方向全体に亘って形成されている。車輪止部3は、図2に示すように、埋設部2とは反対側の面が、上方から下方に向かうほど、外側方向に向かうテーパ面3aに形成され、そのテーパ―面3aの高さは、図2に示すように、コンクリート部材2が設置された状態において、車両の車輪が、テーパ面3aに当接した際に、車両が埋設部2方向へ移動することを抑制できる高さに設定されているとともに、車両の車輪以外のバンパーなどの車体部分と当接しにくい高さに設定されている。
車輪止部3の断面形状は、図2に示す形状に限定されず、車両の車輪が当接して駐車した際に、車両が埋設部2側へ移動することを抑制できれば任意の形状とすることができる。
埋設部2における短手X-X方向の他端部2bには、埋設部2から上方に立設するとともに、埋設部2の長手Y-Y方向全体に亘って立ち上がり部4が形成され、立ち上がり部4の上部には長手Y-Y方向全体わたって、埋設部2側からの車両の進行を抑制する侵入抑制部6が設けられている。本実施例では、立ち上がり部4と侵入抑制部6を、コンクリート部材で一体に形成し、その正面形状が方形状のたて壁で構成した。
本実施例では、侵入抑制部6の高さは、車輪止部3の高さより高く形成するとともに、車両、特に自動車が、埋設部2側から車輪止部3を乗り越えて、立ち上がり部4方向に侵入した場合、その車体等が、侵入抑制部6に当接することにより、侵入抑制部6を乗り越えて進行することを防止できる高さに設定する。
本実施例においては、図1に示すように、侵入抑制部6の正面形状を、長方形に形成したが、埋設部2側から車輪止めを乗り越えて、立ち上がり部4方向に侵入した車両が、侵入抑制部6を更に、乗り越えて進行することを防止できれば任意の形状とすることができ、例えば、図3に示すように、侵入抑制部6において、地上から上方に突出する部分の下部に、方形状の貫通穴7を横方向に複数形成してもよい。また、侵入抑制部6における埋設部2側面に反射板を設け、夜間などに車両を駐車するなどする際に、侵入抑制部6が設けられていることを注意喚起するようにしてもよい。
埋設部2、車輪止部3、立ち上がり部4、侵入抑制部6は、プレキャスト製コンクリートにより一体に形成されている。
なお、上記実施例1においては、車輪止部3を、長手方向全体に亘って形成したが、車輪止部3は、使用時において、車両の車輪が当接する可能性のある部分のみに形成すればよく、例えば、図4に示すように、車輪止部3を埋設部2の長手Y-Y方向に2個、その間に欠如部8を有するように設け、欠如部8における上面の高さは埋設部2の上面の高さと同じに設定することが好ましい。なお、車輪止部3の数は、2個以外にも任意の数設けることができる。
また、コンクリート部材1を埋設する際に、少なくとも、埋設部2の上部に、ポーラスアスファルト混合物を使用した保水性アスファルトを使用した場合には、この部分に保水された水分により路面温度の上昇を抑制することができる。埋設部2の上部に保水性アスファルトを設ける場合には、欠如部8や、埋設部2の両側部をテーパ状に形成(図示しない)するなどして、埋設部2の上部に保水した水をその外側に排出できるようにすることが好ましい。
本発明のコンクリート部材1は、埋設部2、車輪止部3、立ち上がり部4、侵入抑制部6を、プレキャストコンクリートにより一体に成形したことにより、コンクリート部材1を、駐車場における所定の場所に埋設して設置するのみで、車輪止め3と侵入抑制部6を一度に設置でき、上記従来のものよりも、施工に係る手間と時間を削減できる。
また、侵入抑制部6を、コンクリート部材で構成したことにより、その表面に様々な意匠を施したり、その形状を容易に任意の形状に形成することができ、デザイン性の向上を図ることができる。
また、立ち上がり部4と侵入抑制部6を、コンクリート部材で一体に成形したことにより、侵入抑制部6の剛性を高め、安全性の向上を図ることができる。
[実施例2]
上記実施例1においては、立ち上がり部4と侵入抑制部6を、正面形状が方形状のコンクリート部材で一体に形成したが、例えば、図5に示すように、立ち上がり部のみを、埋設部2と車輪止部3とともにコンクリート部材で一体に形成し、この立ち上がり部14の上部に、埋設部2側からの車両の進行を抑制する侵入抑制部16を固設してもよい。
この侵入抑制部16は、例えば図5に示すように、逆U字状に曲折したポールや、円筒柱状のポールなどで構成してもよく、また、その数は、1個でも複数個でも任意に設定する。また、侵入抑制部16は、車両の進行を抑制できれば、その形状は任意形成することができるとともに、金属や、コンクリートなど任意の素材で構成することができる。
その他の構造は、上記実施例1と同様であるため説明を省略する。
本実施例2においても、上記実施例1と同様の作用効果を発揮することができる。
[実施例3]
本実施例3のコンクリート部材21は、上記実施例1,2の埋設部2における短手X-X方向の一端部2側に、板状に形成された板状部22を形成したものである。
板状部22は、その上面22aが、埋設部2の上面よりも高い位置に形成される。また、板状部22は、その上面形状を任意の形状に形成することができるが、本実施例においては図6に示すように、方形状に形成するとともに、埋設部2の厚みよりも厚ければ、その厚み、横幅、縦幅は、設置する場所等に応じて任意に形成する。
図7に示すように、板状部22を、その上面22aが露出するように埋設又は敷設して、平面駐車場、立体駐車場、地下駐車場などにおける駐車面の一部として用いられる。
板状部22の上面22a側には、図6に示すように、少なくとも上方が開口するとともに、有底状の溝からなる凹部23が形成されている。
凹部23の上面形状を、本実施例においては、図6に示すように、板状部22の両側部において、一方の端部から他方の端部にかけて直線状に設けるとともに、その他方の端部において外側方向に湾曲する内角が90°の円弧状に形成したが、その形状は任意に設定することができる。
凹部23内には、塗料などの着色材24が、流しこみなどにより塗布されている。着色材24の色は、白や黄色など任意の色を用いることができ、複数の色を組み合わせて用いてもよい。また、着色材24の表面は、板状部22の上面22aとの高さの差が3mm以下となるようにすることが好ましく、本実施例では、略同一となるようにした。
この着色材24は、コンクリート部材1を駐車面の一部として用いた際には、車両の駐車位置を示す駐車ラインを表す図形26の役割を果たす。なお、凹部23を、駐車ライン以外にも案内表示などの図形の少なくとも一部を構成するように、任意の位置に設けるとともに、その凹部23内に着色材24を塗布してもよい。
埋設部2、車輪止部3、立ち上がり部4、侵入抑制部6、板状部22は、プレキャストコンクリートにより一体に成形されている。
その他の構造は、上記実施例1,2と同様であるため説明を省略する。
本実施例3においても、上記実施例1,2と同様の作用効果を発揮することができる。
1,21 コンクリート部材
2 埋設部
3 車輪止部
4,14 立ち上がり部
6,16 侵入抑制部
8 欠如部
22 板状部
22a 板状部の上面
23 凹部
24 着色材

Claims (4)

  1. 地中に埋設される埋設部を有し、該埋設部の一端部には、該埋設部から上方に立設する車輪止部が設けられ、前記埋設部の他端部には、前記埋設部から上方に立設する立ち上がり部が設けられ、立ち上がり部の上部には、埋設部側からの車両の進行を抑制する侵入抑制部が設けられ、
    前記埋設部と、前記車輪止部と、前記立ち上がり部、プレキャストコンクリートにより一体に成形
    前記埋設部の一端部側に、プレキャストコンクリート部材で構成された板状の板状部を設け、該板状部に上面が開口する凹部を形成し、該凹部内に着色材を塗布し、
    前記板状部は、上面が露出するように埋設又は敷設される高さ位置に設けられ、前記板状部の上面は、駐車場における駐車面の一部を構成し、前記着色材は、前記駐車面の一部に付された図形の少なくとも一部を構成することを特徴とするコンクリート部材。
  2. 前記埋設部と、前記車輪止部と、前記立ち上がり部と、前記侵入抑制部が、プレキャストコンクリートにより一体に成形されていることを特徴とする請求項1記載のコンクリート部材。
  3. 前記車輪止を、複数形成するとともに、その隣接する車輪止間に欠如部を形成したことを特徴とする請求項1又は記載のコンクリート部材。
  4. 前記侵入抑制部の前記埋設部側面に、反射板を設けたことを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載のコンクリート部材。
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