以下、図面を参照しつつ、第1~第3の実施形態に係る画像形成システムについて説明する。各図に適宜付される矢印L、R、U、Loは、それぞれ、画像形成システムの左側、右側、上側、下側を示している。以下、「上流(側)」又は「下流(側)」と記載する場合には、画像形成システム内におけるシートの搬送方向における「上流(側)」又は「下流(側)」を示す。
<第1の実施形態>
まず、図1~図3を参照しつつ、第1の実施形態に係る画像形成システム1について説明する。以下、説明の便宜上、図1における紙面手前側を画像形成システム1の前側と定義する。
図1を参照して、画像形成システム1は、シートSに画像を形成する画像形成装置2と、画像形成装置2によって画像を形成されたシートSが排出される後処理装置3(排出装置の一例)と、画像形成装置2と後処理装置3を中継する中継搬送装置4と、を備えている。
まず、画像形成装置2の構成について説明する。
図1を参照して、画像形成装置2は、箱型の装置本体20と、装置本体20の下部に収容された複数の給紙部21と、装置本体20の上部に収容された画像形成部22と、を備えている。
画像形成装置2の装置本体20の内部には、シートSを搬送するための上流側搬送路Xが設けられている。上流側搬送路Xの下流端部には、上流側排出口24が設けられている。上流側排出口24は、装置本体20の左側面(中継搬送装置4側の面)の上部に開口されている。
画像形成装置2の複数の給紙部21は、上流側搬送路Xの上流端部に配置されている。複数の給紙部21は、上下方向に並んでいる。各給紙部21は、シートSを収容する給紙カセット25と、給紙カセット25の右上側に配置された給紙機構26と、を備えている。シートSは、例えば、紙製、合成樹脂製又は布製である。
画像形成装置2の画像形成部22は、上流側搬送路Xの下流部に配置されている。画像形成部22は、インクジェット方式を採用している。画像形成部22は、搬送ベルト27と、搬送ベルト27の上方に配置された4個の記録ヘッド28と、を備えている。搬送ベルト27は、複数のローラー29に巻き掛けられることで、複数のローラー29に回転可能に支持されている。各記録ヘッド28は、それぞれ異なる色のインクを吐出可能に設けられている。
次に、画像形成装置2の動作について説明する。
まず、各給紙部21において給紙機構26が給紙カセット25からシートSを取り出し、上流側搬送路Xへと送り出す。上流側搬送路Xへと送り出されたシートSは、上流側搬送路Xを下流側へと搬送され、画像形成部22に進入する。画像形成部22に進入したシートSは、搬送ベルト27の上面に吸着され、搬送ベルト27の回転に伴って下流側へと搬送される。各記録ヘッド28は、搬送ベルト27の上面に吸着されたシートSに対して、上方からインクを吐出する。これにより、シートSに画像が形成される。画像を形成されたシートSは、上流側搬送路Xを更に下流側へと搬送され、上流側排出口24を介して上流側搬送路Xから排出される。
次に、後処理装置3の構成について説明する。
図1を参照して、後処理装置3は、ケーシング30と、ケーシング30の左側面から突出している複数の排出トレイ31~33と、ケーシング30に収容された複数の後処理機構34~36と、を備えている。
後処理装置3のケーシング30の内部には、シートSを搬送するための下流側搬送路Yが設けられている。下流側搬送路Yは、第1経路Y1と、第1経路Y1の上流部から分岐する第2経路Y2と、第1経路Y1の中流部から分岐する第3経路Y3と、を含んでいる。第1経路Y1の上流端部には、下流側導入口38が設けられている。下流側導入口38は、ケーシング30の右側面(中継搬送装置4側の面)の上部に開口されている。
後処理装置3の複数の排出トレイ31~33は、第1経路Y1の下流端部に配置された第1排出トレイ31と、第2経路Y2の下流端部に配置された第2排出トレイ32と、第3経路Y3の下流端部に配置された第3排出トレイ33と、を含んでいる。
後処理装置3の複数の後処理機構34~36は、第1経路Y1の上流部に配置されたパンチング機構34と、第1経路Y1と第3経路Y3の分岐部に配置されたステイプル機構35と、第1経路Y1の下流部に配置されたシート折り機構36と、を含んでいる。
次に、後処理装置3の動作について説明する。
画像形成装置2によって画像を形成されたシートSが中継搬送装置4(詳細は後述)から後処理装置3に排出されると、シートSが下流側導入口38を介して第1経路Y1に導入される。第1経路Y1に導入されたシートSは、パンチング機構34に進入する。パンチング機構34は、必要に応じて、シートSに穿孔処理を施す。パンチング機構34を通過したシートSの1枚目は、第2経路Y2に進入し、第2経路Y2の下流端部から第2排出トレイ32に排出される。パンチング機構34を通過したシートSの2枚目は、第1経路Y1を更に下流側へと搬送されて、ステイプル機構35に進入する。ステイプル機構35は、必要に応じて、シートSにステイプル処理を施す。ステイプル機構35を通過したシートSの1枚目は、第3経路Y3に進入し、第3経路Y3の下流端部から第3排出トレイ33に排出される。ステイプル機構35を通過したシートSの2枚目は、第1経路Y1を更に下流側へと搬送されて、シート折り機構36に進入する。シート折り機構36は、必要に応じて、シートSに折り処理を施す。シート折り機構36を通過したシートSは、第1経路Y1の下流端部から第1排出トレイ31に排出される。
次に、中継搬送装置4の構成について説明する。
図1を参照して、中継搬送装置4は、画像形成装置2及び後処理装置3とは別体に設けられている。中継搬送装置4は、画像形成装置2及び後処理装置3に対して着脱可能に連結されている。
中継搬送装置4は、筐体40と、筐体40の上部と右側部にそれぞれ収容された第1、第2反転ユニット41、42と、筐体40の右下部に収容されたカール矯正ユニット43と、筐体40の下部に収容された第1、第2補正ユニット44、45と、筐体40の左側部に収容された加速ユニット46と、筐体40の底壁の4隅に取り付けられた高さ調整ユニット47と、を備えている。各ユニット41~45は、上流側から順番に、各反転ユニット41、42→カール矯正ユニット43→各補正ユニット44、45の順序で配置されている。
図1、図2を参照して、中継搬送装置4の筐体40の内部には、シートSを搬送するための中継搬送路Zが設けられている。中継搬送路Zは、メイン経路Z1と、第1サブ経路Z2と、第2サブ経路Z3と、エスケープ経路Z4と、を含んでいる。なお、図1では、メイン経路Z1を太線で表示し、第1サブ経路Z2、第2サブ経路Z3及びエスケープ経路Z4を点線で表示している。
図1を参照して、中継搬送路Zのメイン経路Z1は、画像形成装置2の上流側搬送路Xと後処理装置3の下流側搬送路Yの間に配置されており、上流側搬送路Xから下流側搬送路Yへとシートを搬送する。
メイン経路Z1の上流端部には、中継導入口50が設けられている。中継導入口50は、筐体40の右側面(画像形成装置2側の面)の上部に開口されており、画像形成装置2の上流側排出口24と対向している。メイン経路Z1の下流端部には、中継排出口51が設けられている。中継排出口51は、筐体40の左側面(後処理装置3側の面)の上部に開口されており、後処理装置3の下流側導入口38と対向している。
図1、図2を参照して、中継搬送路Zのメイン経路Z1は、上流側分岐点UBにおいて、第1反転経路I1と第2反転経路I2に分岐している。第1反転経路I1と第2反転経路I2は、上流側分岐点UBの下流側に設けられた上流側合流点UJにおいて、合流している。メイン経路Z1は、上流側合流点UJの下流側に設けられた下流側分岐点DBにおいて、第1補正経路C1と第2補正経路C2に分岐している。第1補正経路C1と第2補正経路C2は、下流側分岐点DBの下流側に設けられた下流側合流点DJにおいて、合流している。
中継搬送路Zの第1サブ経路Z2は、メイン経路Z1の第1反転経路I1から分岐し、メイン経路Z1の下流端部に合流している。第1サブ経路Z2は、筐体40の内部空間の上部に設けられている。
中継搬送路Zの第2サブ経路Z3は、メイン経路Z1の第1反転経路I1から分岐している。第2サブ経路Z3の下流端部には、補助トレイ52が配置されている。補助トレイ52は、筐体40の上面に設けられている。
中継搬送路Zのエスケープ経路Z4は、下流側合流点DJの下流側において、メイン経路Z1から分岐している。エスケープ経路Z4の下流端部には、エスケープトレイ53が配置されている。エスケープトレイ53は、筐体40の胴内に設けられている。
図1、図2を参照して、中継搬送装置4の第1反転ユニット41は、メイン経路Z1の第1反転経路I1上に配置され、中継搬送装置4の第2反転ユニット42は、メイン経路Z1の第2反転経路I2上に配置されている。つまり、第1、第2反転ユニット41、42は、メイン経路Z1上に並列に配置されている。
図1を参照して、第1、第2反転ユニット41、42は、それぞれ、反転領域55と、反転領域55の上流部に配置される2組の反転ローラー対56と、を備えている。第1反転ユニット41の反転領域55の上流部は、第1サブ経路Z2の上流部と重なっている。つまり、第1反転ユニット41の反転領域55は、第1サブ経路Z2と一部を共用している。なお、図1の符号Wは、第1反転ユニット41の反転領域55と第1サブ経路Z2の共用部分(以下、「共用部分W」と称する。)を示している。共用部分Wの下流側(左側)には第1分岐爪58が設けられ、共用部分Wの上流側(右側)には、第2分岐爪59が設けられている。
図1、図2を参照して、中継搬送装置4のカール矯正ユニット43は、メイン経路Z1の上流側合流点UJと下流側分岐点DBの間に配置されている。カール矯正ユニット43は、第1、第2反転ユニット41、42の下流側に配置されている。
図3を参照して、カール矯正ユニット43は、第1カール矯正機構61と、第1カール矯正機構61の下流側に設けられる第2カール矯正機構62と、第2カール矯正機構62の下流側に設けられる第3カール矯正機構63と、を備えている。
カール矯正ユニット43の第1カール矯正機構61は、第1カール矯正ベルト61Aと、第1カール矯正ベルト61Aに圧接する第1カール矯正ローラー61Bと、を備えている。第1カール矯正ベルト61Aは、一対の第1支持ローラー61Cに巻き掛けられることで、一対の第1支持ローラー61Cに回転可能に支持されている。第1カール矯正ベルト61Aと第1カール矯正ローラー61Bの圧接部分には、左下方に向かって円弧状に湾曲する第1カール矯正面F1が形成されている。
カール矯正ユニット43の第2カール矯正機構62は、第2カール矯正ベルト62Aと、第2カール矯正ベルト62Aに圧接する第2カール矯正ローラー62Bと、を備えている。第2カール矯正ベルト62Aは、一対の第2支持ローラー62Cに巻き掛けられることで、一対の第2支持ローラー62Cに回転可能に支持されている。第2カール矯正ベルト62Aと第2カール矯正ローラー62Bの圧接部分には、右上方に向かって円弧状に湾曲する第2カール矯正面F2が形成されている。第2カール矯正面F2は、第1カール矯正面F1とは逆方向に向かって湾曲している。
カール矯正ユニット43の第3カール矯正機構63は、互いに圧接する一対の第3カール矯正ベルト63A、63Bを備えている。各第3カール矯正ベルト63A、63Bは、それぞれ、複数の第3支持ローラー63Cに巻き掛けられることで、複数の第3支持ローラー63Cに回転可能に支持されている。一対の第3カール矯正ベルト63A、63Bの圧接部分には、ジグザグに屈曲された第3カール矯正面F3が形成されている。
図1、図2を参照して、中継搬送装置4の第1補正ユニット44は、メイン経路Z1の第1補正経路C1上に配置され、第2補正ユニット45は、メイン経路Z1の第2補正経路C2上に配置されている。つまり、第1、第2補正ユニット44、45は、メイン経路Z1上に並列に配置されている。第1、第2補正ユニット44、45は、上下方向に並んでいる。第1、第2補正ユニット44、45は、第1、第2反転ユニット41、42及びカール矯正ユニット43の下流側に配置されている。
図1を参照して、第1、第2補正ユニット44、45は、それぞれ、3組の切換ローラー対65と、3組の切換ローラー対65の下流側に配置された補正ローラー対66と、を備えている。3組の切換ローラー対65と補正ローラー対66は、左右方向(水平方向)に間隔をおいて配置されている。各切換ローラー対65の上側のローラーは、各切換ローラー対65の下側のローラーと共に各補正経路C1、C2に進入したシートSを挟み込むニップ位置(図1の実線参照)と、各補正経路C1、C2に進入したシートSに対する挟み込みを解除するニップ解除位置(図1の点線参照)と、の間で上下方向に移動可能に設けられている。補正ローラー対66は、前後方向(シートSの搬送方向と直交する方向)に移動可能に設けられている。
図1、図2を参照して、中継搬送装置4の加速ユニット46は、メイン経路Z1の下流端部に配置されている。加速ユニット46は、第1、第2反転ユニット41、42、カール矯正ユニット43及び第1、第2補正ユニット44、45の下流側に配置されている。
図1を参照して、加速ユニット46は、2組の加速ローラー対68と、2組の加速ローラー対68の下流側に配置された排出ローラー対69と、を備えている。2組の加速ローラー対68は、メイン経路Z1と第1サブ経路Z2の合流点の上流側に配置されている。排出ローラー対69は、メイン経路Z1と第1サブ経路Z2の合流点の下流側に配置されている。上流側(下側)の加速ローラー対68の上流側には、下流側合流点DJの近傍且つ下流側に、搬送ローラー対70が設けられている。
図1を参照して、中継搬送装置4の各高さ調整ユニット47は、画像形成システム1の設置面Qに載置されるキャスター71と、キャスター71を回転可能に支持する支持部材72と、支持部材72に固定されたボルト73と、ボルト73に螺合するナット74と、を備えている。ボルト73は、筐体40の底壁を貫通している。ナット74は、筐体40の底壁の下面に当接している。
次に、中継搬送装置4の動作について説明する。
図1を参照して、画像を形成されたシートSが画像形成装置2の上流側搬送路Xから上流側排出口24を介して排出されると、シートSが中継導入口50を介してメイン経路Z1に導入される。なお、シートSは、所定の間隔を空けてメイン経路Z1へと連続的に導入されるものとする。
メイン経路Z1へと連続的に導入されるシートSの1枚目は、第1反転経路I1に進入する。第1反転ユニット41は、以下のようにして、第1反転経路I1に進入したシートSの表裏を反転させる。
まず、第1反転ユニット41の各反転ローラー対56が一方向に回転し、第1反転ユニット41の反転領域55にシートSを導入する。その際に、第1分岐爪58が第1反転ユニット41の反転領域55の下流部(共用部分Wよりも下流側の部分)へとシートSの先端部を分岐させる。次に、第1反転ユニット41の各反転ローラー対56が上記一方向とは逆方向に回転し、シートSをスイッチバックさせる。これにより、シートSの表裏が反転する。上記のようにスイッチバックされたシートSの先端部は、第2分岐爪59によって第1反転経路I1の下流側へと分岐され、上流側合流点UJへと案内される。
メイン経路Z1へと連続的に導入されるシートSの2枚目は、第2反転経路I2に進入する。第2反転ユニット42は、第2反転経路I2に進入したシートSの表裏を反転させる。第2反転ユニット42がシートSの表裏を反転させる動作は、第1反転ユニット41がシートSの表裏を反転させる動作と同様であるため、説明を省略する。
なお、メイン経路Z1の上流側分岐点UBには、上流側分岐ガイド(図示せず)が設けられており、この上流側分岐ガイドによって、所定の間隔を空けてメイン経路Z1へと連続的に導入されるシートSが第1反転経路I1と第2反転経路I2に交互に導入される。これにより、第1反転ユニット41と第2反転ユニット42にシートSが交互に供給される。
上記のように第1反転ユニット41又は第2反転ユニット42によって表裏を反転させられたシートSは、上流側合流点UJを通過し、カール矯正ユニット43に進入する。カール矯正ユニット43は、以下のようにして、シートSのカールを矯正する。
図3を参照して、まず、シートSは、第1カール矯正ベルト61A及び第1カール矯正ローラー61Bによって下流側へと搬送されつつ、第1カール矯正面F1を通過する。これに伴って、シートSが一方向に大きく屈曲される。次に、シートSは、第2カール矯正ベルト62A及び第2カール矯正ローラー62Bによって下流側へと搬送されつつ、第2カール矯正面F2を通過する。これに伴って、シートSが上記一方向とは逆方向に大きく屈曲される。更に、シートSは、一対の第3カール矯正ベルト63A、63Bによって下流側へと搬送されつつ、第3カール矯正面F3を通過する。これに伴って、シートSは、上記一方向及び上記逆方向に交互に小さく屈曲される。以上のように、第1~第3カール矯正面F1~F3をシートSが順次通過することで、シートSのカールが矯正される。
図1を参照して、上記のようにカール矯正ユニット43によってカールを矯正されたシートSの1枚目は、第1補正経路C1に進入する。第1補正ユニット44は、以下のようにして、第1補正経路C1に進入したシートSの前後方向の位置を補正する。
まず、シート位置センサー(図示せず)がシートSの前後方向の位置を検知する。次に、第1補正ユニット44の各ローラー対65、66がシートSを挟み込んだ状態で、第1補正ユニット44の各ローラー対65、66の回転が一旦停止する。次に、第1補正ユニット44の各切換ローラー対65の上側のローラーがニップ位置(図1の実線参照)からニップ解除位置(図1の点線参照)まで移動する。
次に、第1補正ユニット44の補正ローラー対66が、シートSを挟み込んだまま、上記シート位置センサーの検知結果に基づいて前後方向に移動する。例えば、シートSが基準位置から前側に1mmずれていることを上記シート位置センサーが検知した場合には、第1補正ユニット44の補正ローラー対66が後側に1mm移動する。逆に、シートSが基準位置から後側に1mmずれていることを上記シート位置センサーが検知した場合には、第1補正ユニット44の補正ローラー対66が前側に1mm移動する。これに伴って、シートSの前後方向の位置が補正される。
なお、シートSの前後方向の位置が補正されると、第1補正ユニット44の各切換ローラー対65の上側のローラーがニップ解除位置(図1の点線参照)からニップ位置(図1の実線参照)まで移動する。次に、第1補正ユニット44の各ローラー対65、66の回転が再開される。
上記のようにカール矯正ユニット43によってカールを矯正されたシートSの2枚目は、第2補正経路C2に進入する。第2補正ユニット45は、第2補正経路C2に進入したシートSの前後方向の位置を補正する。第2補正ユニット45がシートSの前後方向の位置を補正する動作は、第1補正ユニット44がシートSの前後方向の位置を補正する動作と同様であるため、説明を省略する。
なお、メイン経路Z1の下流側分岐点DBには、下流側分岐ガイド(図示せず)が設けられており、この下流側分岐ガイドによって、所定の間隔を空けてメイン経路Z1へと連続的に導入されるシートSが第1補正経路C1と第2補正経路C2に交互に導入される。これにより、第1補正ユニット44と第2補正ユニット45にシートSが交互に供給される。
なお、メイン経路Z1へと連続的に導入されるシートSの間隔は、第1補正経路C1と第2補正経路C2の上下方向の距離(図1の矢印D参照)と一致している。そのため、1枚目のシートSの先端部が第1補正ユニット44の補正ローラー対66に到達する時刻は、2枚目のシートSの先端部が第2補正ユニット45の補正ローラー対66に到達する時刻と同じになる。これにより、第1補正ユニット44による1枚目のシートSに対する前後方向の位置の補正と、第2補正ユニット45による2枚目のシートSに対する前後方向の位置の補正とが、同時に実行される。その後、1枚目のシートSが下流側合流点DJに到達し、所定の間隔を空けて、2枚目のシートSが下流側合流点DJに到達する。
上記のように第1補正ユニット44又は第2補正ユニット45によって前後方向の位置を補正されたシートSは、加速ユニット46に進入する。シートSの下流端部が搬送ローラー対70を通過したことをシートセンサー(図示せず)が検知すると、加速ユニット46の各ローラー対68、69の回転速度が上昇し、各ローラー対68、69がシートSを加速させる。各ローラー対68、69によって加速されたシートSは、中継排出口51を介してメイン経路Z1から排出され、後処理装置3の下流側搬送路Yに下流側導入口38を介して導入される。
なお、メイン経路Z1に導入されたシートSの中には、表裏の反転、カールの矯正及び前後方向の位置の補正が不要なシートS(以下、「処理不要シートS」と称する)が存在する。処理不要シートSは、例えば、比較的カール量の少ない普通紙である。
メイン経路Z1に導入された処理不要シートSは、第1反転経路I1に進入し、第1反転経路I1から第1サブ経路Z2に導入される。その際に、第1分岐爪58が第1サブ経路Z2の下流部(共用部分Wよりも下流側の部分)へと処理不要シートSの先端部を分岐させる。第1サブ経路Z2に導入された処理不要シートSは、第1サブ経路Z2からメイン経路Z1の下流端部に導入される。メイン経路Z1の下流端部に導入されたシートSは、中継排出口51を介してメイン経路Z1から排出され、後処理装置3の下流側搬送路Yに下流側導入口38を介して導入される。
また、メイン経路Z1に導入されたシートSの中には、表裏の反転、カールの矯正及び前後方向の位置の補正が不可能で、且つ、後処理装置3による後処理も不可能なシートS(以下、「処理不可能シートS」と称する)が存在する。処理不可能シートSは、例えば、封筒やはがきである。
メイン経路Z1に導入された処理不可能シートSは、第1反転経路I1に進入し、第1反転経路I1から第2サブ経路Z3に導入される。第2サブ経路Z3に導入された処理不可能シートSは、第2サブ経路Z3の下流端部から補助トレイ52に排出される。
次に、画像形成システム1の作用効果について説明する。
本実施形態の画像形成装置2では、各記録ヘッド28がシートSに対して上方からインクを吐出することで、シートSに画像が形成されている。その関係で、画像を形成されたシートSは、フェイスアップ状態(画像形成面が上を向いた状態)で画像形成装置2の上流側搬送路Xから排出されることになる。このフェイスアップ状態のシートSが後処理装置3の下流側搬送路Yにそのまま排出され、後処理装置3の各排出トレイ31~33に積載されると、各排出トレイ31~33に積載されたシートSのページ順序が本来のページ順序とは逆になってしまう。このような不都合を回避するためには、シートSがフェイスダウン状態(画像形成面が下を向いた状態)で後処理装置3の下流側搬送路Yに排出されることが求められる。
そこで、本実施形態では、中継搬送路Zのメイン経路Z1上に配置された各反転ユニット41、42によってシートSの表裏を反転させている。そのため、画像形成装置2の上流側搬送路Xから中継搬送路Zのメイン経路Z1にフェイスアップ状態で導入されたシートSを、中継搬送路Zのメイン経路Z1から後処理装置3の下流側搬送路Yにフェイスダウン状態で排出することが可能となる。これに伴って、後処理装置3の各排出トレイ31~33に積載されたシートSのページ順序を本来のページ順序と一致させることが可能となる。
また、シートSに対する画像形成動作によってシートSにインクが吸収されると、シートSにカールが発生する。このカールが発生したシートSがそのまま後処理装置3の下流側搬送路Yに排出されると、後処理装置3の各後処理機構34~36による後処理の位置精度が低下したり、後処理装置3の各排出トレイ31~33に積載されたシートSの整合性が乱れたりする恐れがある。
そこで、本実施形態では、中継搬送路Zのメイン経路Z1上に配置されたカール矯正ユニット43によって、シートSのカールを矯正している。そのため、後処理装置3の各後処理機構34~36による後処理の位置精度を向上させることができると共に、後処理装置3の各排出トレイ31~33に積載されたシートSの整合性を向上させることができる。
また、後処理装置3の下流側搬送路Yに排出されるシートSの位置にばらつきが発生すると、後処理装置3の各排出トレイ31~33に積載されるシートSの位置の整合性が低下する恐れがある。
そこで、本実施形態では、中継搬送路Zのメイン経路Z1上に配置された各補正ユニット44、45によって、シートSの前後方向の位置を補正している。そのため、後処理装置3の各排出トレイ31~33に積載されるシートSの位置の整合性を向上させることができる。
以上のように、本実施形態では、シートSの表裏を反転させる機能と、シートSのカールを矯正する機能と、シートSの前後方向の位置を補正する機能と、を全て備えた中継搬送装置4を提供することが可能となっている。
ところで、本実施形態の画像形成装置2は、インクジェット方式の画像形成部22を備えている。このインクジェット方式の画像形成部22によってシートSに画像を形成すると、シートSの画像形成面がインクを吸収して膨張し、画像形成面側が凸となるようなカール(以下、「1次カール」と称する)がシートSに発生する。この1次カールがシートSに発生してから一定の時間が経過すると、シートSの画像形成面が乾燥して収縮し、1次カールとは逆方向のカール(以下、「2次カール」と称する)がシートSに発生する。この2次カールがシートSに発生する前にシートSのカールを矯正しようとしても、シートSのカールを十分に矯正できない場合がある。
そこで、本実施形態では、各反転ユニット41、42の下流側にカール矯正ユニット43が配置されている。このような配置を採用することで、各反転ユニット41、42の上流側にカール矯正ユニット43が配置される場合と比較して、シートSに画像が形成される時刻からシートSがカール矯正ユニット43に進入する時刻までの時間を長くすることが可能となる。これに伴って、シートSに2次カールが発生した後にシートSがカール矯正ユニット43に進入する可能性が高くなり、カール矯正ユニット43によってシートSのカールを矯正する効果を高めることが可能となる。
また、各補正ユニット44、45から中継排出口51までのシート搬送距離が長くなると、各補正ユニット44、45によってシートSの前後方向の位置を補正しても、各補正ユニット44、45から中継排出口51までシートSが搬送される間に、シートSの前後方向の位置がずれてしまう。これに伴って、各補正ユニット44、45によってシートSの前後方向の位置を補正する効果が低減されてしまう。
そこで、本実施形態では、各反転ユニット41、42及びカール矯正ユニット43の下流側に各補正ユニット44、45が配置されている。このような配置を採用することで、各反転ユニット41、42又はカール矯正ユニット43の上流側に各補正ユニット44、45が配置される場合と比較して、各補正ユニット44、45から中継排出口51までのシート搬送距離を短くすることが可能となる。これに伴って、各補正ユニット44、45から中継排出口51までシートSが搬送される間にシートSの前後方向の位置がずれるのを抑制することが可能となり、各補正ユニット44、45によってシートSの前後方向の位置を補正する効果を高めることが可能となる。
以上のように、本実施形態では、中継搬送装置4の各ユニット41~45が、上流側から順番に、各反転ユニット41、42→カール矯正ユニット43→各補正ユニット44、45の順序で配置されることで、シートSのカールを矯正する効果とシートSの前後方向の位置を補正する効果を両方とも高めることが可能となっている。
また、本実施形態では、所定の間隔を空けてメイン経路Z1へと連続的に導入されるシートSが、メイン経路Z1上に並列に配置された第1、第2反転ユニット41、42に交互に供給されている。そのため、例えば、第1反転ユニット41によって1枚目のシートSの表裏を反転させ、第2反転ユニット42によって2枚目のシートSの表裏を反転させることで、シートSの表裏の反転動作を連続的に実行することが可能となる。言い換えると、第1、第2反転ユニット41、42のいずれか一方がシートSの表裏の反転動作を完了する前に、第1、第2反転ユニット41、42のいずれか他方がシートSの表裏の反転動作を開始することができる。これに伴って、シートSの表裏の反転動作のための待ち時間を短縮することが可能になると共に、中継搬送装置4の生産性(所定時間ごとのシートSの処理枚数)を高めることが可能となる。
また、本実施形態では、所定の間隔を空けてメイン経路Z1へと連続的に導入されるシートSが、メイン経路Z1上に並列に配置された第1、第2補正ユニット44、45に交互に供給されている。そのため、第1、第2補正ユニット44、45のいずれか一方がシートSの前後方向の位置の補正動作を完了する前に、第1、第2補正ユニット44、45のいずれか他方がシートSの前後方向の位置の補正動作を開始することができる。これに伴って、シートSの前後方向の位置の補正動作のための待ち時間を短縮することが可能になると共に、中継搬送装置4の生産性を高めることが可能となる。
また、中継搬送路Zの第1サブ経路Z2は、カール矯正ユニット43及び各補正ユニット44、45の上流側においてメイン経路Z1から分岐し、カール矯正ユニット43及び各補正ユニット44、45の下流側においてメイン経路Z1に合流している。つまり、第1サブ経路Z2は、カール矯正ユニット43及び各補正ユニット44、45を経由しないシート搬送路を構成している。このような構成を採用することで、第1サブ経路Z2を介して処理不要シートSを迅速に後処理装置3の下流側搬送路Yへと排出することが可能となる。
また、第1反転ユニット41の反転領域55は、第1サブ経路Z2と一部を共用している。このような構成を採用することで、第1反転ユニット41の反転領域55と第1サブ経路Z2がそれぞれ別個に設けられる場合と比較して、第1反転ユニット41の反転領域55と第1サブ経路Z2のレイアウトに必要なスペースを小さくすることが可能となる。これに伴って、中継搬送装置4のコンパクト化を図ることが可能となる。
また、中継搬送路Zの第2サブ経路Z3は、カール矯正ユニット43及び各補正ユニット44、45の上流側においてメイン経路Z1から分岐しており、第2サブ経路Z3の下流端部には補助トレイ52が配置されている。このような構成を採用することで、第2サブ経路Z3を介して処理不可能シートSを迅速に補助トレイ52へと排出することが可能となる。
また、中継搬送路Zのエスケープ経路Z4は、各反転ユニット41、42、カール矯正ユニット43及び各補正ユニット44、45の下流側においてメイン経路Z1から分岐しており、エスケープ経路Z4の下流端部にはエスケープトレイ53が配置されている。このような構成を採用することで、後処理装置3の下流側搬送路YにおいてシートSのJAMが発生した場合に、メイン経路Z1とエスケープ経路Z4の分岐点の上流側にあるシートSをエスケープトレイ53へと逃がして、中継搬送装置4の筐体40から容易に取り出すことが可能となる。
また、本実施形態では、メイン経路Z1の下流端部に配置された加速ユニット46によって、シートSを加速させている。そのため、後処理装置3の下流側搬送路YにおけるシートSの予定搬送速度にシートSの搬送速度を一致させた状態で、シートSを後処理装置3の下流側搬送路Yへと排出することが可能となる。
また、本実施形態では、中継搬送装置4の4個の高さ調整ユニット47によって、中継搬送装置4の中継導入口50及び中継排出口51の高さを調整可能となっている。
例えば、画像形成装置2の上流側排出口24の高さと中継搬送装置4の中継導入口50の高さが一致していない場合には、ユーザーやサービスマン等の作業者が右側の2個の高さ調整ユニット47のナット74を回転させ、ナット74の高さを変化させる。ナット74は筐体40の底壁の下面に当接しているため、ナット74の高さが変化すると、筐体40の右側部の高さも変化し、筐体40の右側面に開口された中継導入口50の高さが調整される。これに伴って、画像形成装置2の上流側排出口24の高さと中継搬送装置4の中継導入口50の高さを一致させることが可能となり、画像形成装置2の上流側搬送路Xから中継搬送装置4の中継搬送路ZへとシートSをスムーズに排出することが可能となる。
また、中継搬送装置4の中継排出口51の高さと後処理装置3の下流側導入口38の高さが一致していない場合には、作業者が左側の2個の高さ調整ユニット47のナット74を回転させ、ナット74の高さを変化させる。このようにナット74の高さが変化すると、筐体40の左側部の高さも変化し、筐体40の左側面に開口された中継排出口51の高さが調整される。これに伴って、中継搬送装置4の中継排出口51の高さと後処理装置3の下流側導入口38の高さを一致させることが可能となり、中継搬送装置4の中継搬送路Zから後処理装置3の下流側搬送路YへとシートSをスムーズに排出することが可能となる。
<第2の実施形態>
次に、図4、図5を参照しつつ、第2の実施形態に係る画像形成システム81について説明する。以下、説明の便宜上、図4における紙面手前側を画像形成システム81の前側と定義する。
なお、第1の実施形態に係る画像形成システム1と同様の部分については、適宜説明を省略する。図4、図5において、第1の実施形態に係る画像形成システム1の構成要素と同様の構成要素には、第1の実施形態に係る画像形成システム1の構成要素と同一の参照符号が付されている。
図4を参照して、画像形成システム81は、シートSに画像を形成する画像形成装置82と、画像形成装置82によって画像を形成されたシートSが排出される後処理装置83(排出装置の一例)と、画像形成装置82と後処理装置83を中継する中継搬送装置84と、を備えている。
まず、画像形成装置82の構成について説明する。
図4を参照して、画像形成装置82は、箱型の装置本体90と、装置本体90の下部に収容された複数の給紙部91と、装置本体90の上部に収容された画像形成部92及び定着部93と、を備えている。
画像形成装置82の画像形成部92は、電子写真方式を採用している。画像形成部92は、感光体ドラム94と、感光体ドラム94の周りに配置される帯電装置95、露光装置96、現像装置97及び転写装置98と、を備えている。
次に、画像形成装置82の動作について説明する。
まず、各給紙部91において給紙機構26が給紙カセット25からシートSを取り出し、上流側搬送路Xへと送り出す。上流側搬送路Xへと送り出されたシートSは、上流側搬送路Xを下流側へと搬送され、画像形成部92に進入する。
一方で、画像形成部92では、帯電装置95が感光体ドラム94を帯電させる。次に、露光装置96が感光体ドラム94を露光し、静電潜像を形成する。次に、現像装置97が静電潜像をトナー像に現像する。次に、転写装置98が感光体ドラム94からシートSにトナー像を転写する。これにより、シートSに画像が形成される。
画像を形成されたシートSは定着部93に進入する。定着部93は、熱と圧力によってシートSに画像を定着させる。画像を定着されたシートSは、上流側搬送路Xを更に下流側へと搬送され、上流側排出口24を介して上流側搬送路Xから排出される。
次に、中継搬送装置84の構成について説明する。
図4を参照して、中継搬送装置84は、筐体100と、筐体100の上部に収容されたカール矯正ユニット101と、筐体100の中央部と下部に収容された第1~第3反転ユニット102~104及び第1~第3補正ユニット105~107と、筐体100の左側部に収容された加速ユニット108と、筐体100の底壁の4隅に取り付けられた高さ調整ユニット109と、を備えている。各ユニット101~107は、上流側から順番に、カール矯正ユニット101→各反転ユニット102~104→各補正ユニット105~107の順序で配置されている。
図4、図5を参照して、中継搬送装置84の筐体100の内部には、シートSを搬送するための中継搬送路Zが設けられている。中継搬送路Zは、メイン経路Z1と、第1サブ経路Z2と、第2サブ経路Z3と、エスケープ経路Z4と、を含んでいる。なお、図4では、メイン経路Z1を太線で表示し、第1サブ経路Z2、第2サブ経路Z3及びエスケープ経路Z4を点線で表示している。
中継搬送路Zのメイン経路Z1は、第1分岐点B1において、第1反転補正経路IC1と分岐経路Mに分岐している。分岐経路Mは、第1分岐点B1の下流側に設けられた第2分岐点B2において、第2反転補正経路IC2と第3反転補正経路IC3に分岐している。第1反転補正経路IC1と第2反転補正経路IC2は、第1合流点J1において合流し、合流経路Nを形成している。合流経路Nと第3反転補正経路IC3は、第1合流点J1の下流側に設けられた第2合流点J2において、合流している。
中継搬送路Zの第1サブ経路Z2は、カール矯正ユニット101の上流側においてメイン経路Z1から分岐している。第1サブ経路Z2は、各補正ユニット105~107の下流側においてメイン経路Z1に合流している。
中継搬送装置84のカール矯正ユニット101は、メイン経路Z1の上流部に配置されている。カール矯正ユニット101は、各反転ユニット102~104及び各補正ユニット105~107の上流側に配置されている。
中継搬送装置84の第1反転ユニット102は、メイン経路Z1の第1反転補正経路IC1上に配置されている。中継搬送装置84の第2反転ユニット103は、メイン経路Z1の第2反転補正経路IC2上に配置されている。中継搬送装置84の第3反転ユニット104は、メイン経路Z1の第3反転補正経路IC3上に配置されている。つまり、第1~第3反転ユニット102~104は、メイン経路Z1上に並列に配置されている。
中継搬送装置84の第1補正ユニット105は、メイン経路Z1の第1反転補正経路IC1上に配置されている。第1補正ユニット105は、第1反転ユニット102の下流側に設けられており、第1反転ユニット102と直列に配置されている。中継搬送装置84の第2補正ユニット106は、メイン経路Z1の第2反転補正経路IC2上に配置されている。第2補正ユニット106は、第2反転ユニット103の下流側に設けられており、第2反転ユニット103と直列に配置されている。中継搬送装置84の第3補正ユニット107は、メイン経路Z1の第3反転補正経路IC3上に配置されている。第3補正ユニット107は、第3反転ユニット104の下流側に設けられており、第3反転ユニット104と直列に配置されている。以上の通り、第1~第3補正ユニット105~107は、メイン経路Z1上に並列に配置されている。
次に、中継搬送装置84の動作について説明する。
図4を参照して、画像を形成されたシートSが画像形成装置82の上流側搬送路Xから上流側排出口24を介して排出されると、シートSが中継導入口50を介してメイン経路Z1に所定の間隔を空けて連続的に導入される。メイン経路Z1に導入されたシートSは、カール矯正ユニット101に進入し、カール矯正ユニット101によってカールを矯正される。
カール矯正ユニット101によってカールを矯正されたシートSの1枚目は、第1反転補正経路IC1に進入し、第1反転ユニット102によって表裏を反転させられた後、第1補正ユニット105によって前後方向の位置を補正される。カール矯正ユニット101によってカールを矯正されたシートSの2枚目は、分岐経路Mを通って第2反転補正経路IC2に進入し、第2反転ユニット103によって表裏を反転させられた後、第2補正ユニット106によって前後方向の位置を補正される。カール矯正ユニット101によってカールを矯正されたシートSの3枚目は、分岐経路Mを通って第3反転補正経路IC3に進入し、第3反転ユニット104によって表裏を反転させられた後、第3補正ユニット107によって前後方向の位置を補正される。
上記のように第1~第3反転補正経路IC1~IC3のいずれかを通過したシートSは、加速ユニット108によって加速された後、中継排出口51を介してメイン経路Z1から排出される。
ところで、本実施形態の画像形成装置82は、電子写真方式の画像形成部92を備えており、画像形成部92がシートSに画像を形成した後、定着部93が熱と圧力によってシートSに画像を定着させている。このように定着部93がシートSに画像を定着させると、シートSにカールが発生する。このシートSのカールを効果的に矯正するためには、定着部93によって加熱されたシートSの温度が冷めないうちに、シートSのカールを矯正するのが好ましい。
そこで、本実施形態では、各反転ユニット102~104及び各補正ユニット105~107の上流側にカール矯正ユニット101が配置されている。このような配置を採用することで、各反転ユニット102~104又は各補正ユニット105~107の下流側にカール矯正ユニット101が配置される場合と比較して、シートSが定着部93を通過する時刻からシートSがカール矯正ユニット101に進入する時刻までの時間を短くすることが可能となる。これに伴って、定着部93によって加熱されたシートSの温度が冷めないうちにシートSがカール矯正ユニット101に進入する可能性が高くなり、カール矯正ユニット101によってシートSのカールを矯正する効果を高めることが可能となる。
また、本実施形態では、カール矯正ユニット101及び各反転ユニット102~104の下流側に各補正ユニット105~107が配置されている。このような配置を採用することで、カール矯正ユニット101又は各反転ユニット102~104の上流側に各補正ユニット105~107が配置される場合と比較して、各補正ユニット105~107から中継排出口51までのシート搬送距離を短くすることが可能となる。これに伴って、各補正ユニット105~107から中継排出口51までシートSが搬送される間にシートSの前後方向の位置がずれるのを抑制することが可能となり、各補正ユニット105~107によってシートSの前後方向の位置を補正する効果を高めることが可能となる。
以上のように、本実施形態では、中継搬送装置84の各ユニット101~107が、上流側から順番に、カール矯正ユニット101→各反転ユニット102~104→各補正ユニット105~107の順序で配置されることで、シートSのカールを矯正する効果とシートSの前後方向の位置を補正する効果を両方とも高めることが可能となっている。
また、中継搬送路Zの第1サブ経路Z2は、カール矯正ユニット101、各反転ユニット102~104及び各補正ユニット105~107の上流側においてメイン経路Z1から分岐し、カール矯正ユニット101、各反転ユニット102~104及び各補正ユニット105~107の下流側においてメイン経路Z1に合流している。つまり、第1サブ経路Z2は、カール矯正ユニット101、各反転ユニット102~104及び各補正ユニット105~107を経由しないシート搬送路を構成している。このような構成を採用することで、第1サブ経路Z2を介して処理不要シートSを迅速に後処理装置83の下流側搬送路Yへと排出することが可能となる。
<第3の実施形態>
次に、図6、図7を参照しつつ、第3の実施形態に係る画像形成システム121について説明する。以下、説明の便宜上、図6における紙面手前側を画像形成システム121の前側と定義する。
なお、第1の実施形態に係る画像形成システム1と同様の部分については、適宜説明を省略する。図6、図7において、第1の実施形態に係る画像形成システム1の構成要素と同様の構成要素には、第1の実施形態に係る画像形成システム1の構成要素と同一の参照符号が付されている。
図6を参照して、画像形成システム121は、シートSに画像を形成する画像形成装置122と、画像形成装置122によって画像を形成されたシートSが排出される後処理装置123(排出装置の一例)と、画像形成装置122と後処理装置123を中継する中継搬送装置124と、を備えている。
まず、中継搬送装置124の構成について説明する。
図6を参照して、中継搬送装置124は、筐体130と、筐体130の中央部と右側部に収容された第1、第2反転ユニット131、132及び第1、第2補正ユニット133、134と、筐体130の左下部に収容されたカール矯正ユニット135と、筐体130の左側部に収容された加速ユニット136と、筐体130の底壁の4隅に取り付けられた高さ調整ユニット137と、を備えている。各ユニット131~135は、上流側から順番に、各反転ユニット131、132→各補正ユニット133、134→カール矯正ユニット135の順序で配置されている。
図6、図7を参照して、中継搬送装置124の筐体130の内部には、シートSを搬送するための中継搬送路Zが設けられている。中継搬送路Zは、メイン経路Z1と、第1サブ経路Z2と、第2サブ経路Z3と、エスケープ経路Z4と、を含んでいる。なお、図6では、メイン経路Z1を太線で表示し、第1サブ経路Z2、第2サブ経路Z3及びエスケープ経路Z4を点線で表示している。
中継搬送路Zのメイン経路Z1は、分岐点Bにおいて、第1反転補正経路IC1と第2反転補正経路IC2に分岐している。第1反転補正経路IC1と第2反転補正経路IC2は、合流点Jにおいて合流している。
中継搬送装置124の第1反転ユニット131は、メイン経路Z1の第1反転補正経路IC1上に配置されている。中継搬送装置124の第2反転ユニット132は、メイン経路Z1の第2反転補正経路IC2上に配置されている。つまり、第1、第2反転ユニット131、132は、メイン経路Z1上に並列に配置されている。
中継搬送装置124の第1補正ユニット133は、メイン経路Z1の第1反転補正経路IC1上に配置されている。第1補正ユニット133は、第1反転ユニット131の下流側に設けられており、第1反転ユニット131と直列に配置されている。中継搬送装置124の第2補正ユニット134は、メイン経路Z1の第2反転補正経路IC2上に配置されている。第2補正ユニット134は、第2反転ユニット132の下流側に設けられており、第2反転ユニット132と直列に配置されている。以上の通り、第1、第2補正ユニット133、134は、メイン経路Z1上に並列に配置されている。
図6を参照して、第1、第2補正ユニット133、134は、左右方向に並んでいる。各補正ユニット133、134の3組の切換ローラー対65と補正ローラー対66は、上下方向に間隔をおいて配置されている。
図6、図7を参照して、中継搬送装置124のカール矯正ユニット135は、合流点Jの下流側において、メイン経路Z1上に配置されている。カール矯正ユニット135は、各反転ユニット131、132及び各補正ユニット133、134の下流側に配置されている。
次に、中継搬送装置124の動作について説明する。
図6を参照して、画像を形成されたシートSが画像形成装置122の上流側搬送路Xから上流側排出口24を介して排出されると、シートSが中継導入口50を介してメイン経路Z1に所定の間隔を空けて連続的に導入される。
メイン経路Z1に導入されるシートSの1枚目は、第1反転補正経路IC1に進入し、第1反転ユニット131によって表裏を反転させられた後、第1補正ユニット133によって前後方向の位置を補正される。メイン経路Z1に導入されるシートSの2枚目は、第2反転補正経路IC2に進入し、第2反転ユニット132によって表裏を反転させられた後、第2補正ユニット134によって前後方向の位置を補正される。
上記のように第1、第2反転補正経路IC1、IC2のどちらか一方を通過したシートSは、カール矯正ユニット135に進入し、カール矯正ユニット135によってカールを矯正される。カール矯正ユニット135によってカールを矯正されたシートSは、加速ユニット136によって加速された後、中継排出口51を介してメイン経路Z1から排出される。
ところで、本実施形態の画像形成装置122は、第1の実施形態に係る画像形成装置2と同様に、インクジェット方式の画像形成部22を備えている。そのため、2次カールがシートSに発生する前にシートSのカールを矯正しようとしても、シートSのカールを十分に矯正できない場合がある。
そこで、本実施形態では、各反転ユニット131、132及び各補正ユニット133、134の下流側にカール矯正ユニット135が配置されている。このような配置を採用することで、各反転ユニット131、132又は各補正ユニット133、134の上流側にカール矯正ユニット135が配置される場合と比較して、シートSに画像が形成される時刻からシートSがカール矯正ユニット135に進入する時刻までの時間を長くすることが可能となる。これに伴って、シートSに2次カールが発生した後にシートSがカール矯正ユニット135に進入する可能性が高くなり、カール矯正ユニット135によってシートSのカールを矯正する効果を高めることが可能となる。
なお、第1の実施形態では、カール矯正ユニット43が各反転ユニット41、42の下流側且つ各補正ユニット44、45の上流側に配置されていた。これに対して、本実施形態では、カール矯正ユニット135が各反転ユニット131、132及び各補正ユニット133、134の両方の下流側に配置されている。そのため、本実施形態の配置を採用することで、第1の実施形態の配置を採用する場合と比較して、シートSに画像が形成される時刻からシートSがカール矯正ユニット135に進入する時刻までの時間をより長くすることが可能となる。これに伴って、シートSに2次カールが発生した後にシートSがカール矯正ユニット135に進入する可能性が一層高くなり、カール矯正ユニット135によってシートSのカールを矯正する効果を一層高めることが可能となる。
また、本実施形態では、各反転ユニット131、132の下流側に各補正ユニット133、134が配置されている。このような配置を採用することで、各反転ユニット131、132の上流側に各補正ユニット133、134が配置される場合と比較して、各補正ユニット133、134から中継排出口51までのシート搬送距離を短くすることが可能となる。これに伴って、各補正ユニット133、134から中継排出口51までシートSが搬送される間にシートSの前後方向の位置がずれるのを抑制することが可能となり、各補正ユニット133、134によってシートSの前後方向の位置を補正する効果を高めることが可能となる。
以上のように、本実施形態では、中継搬送装置124の各ユニット131~135が、上流側から順番に、各反転ユニット131、132→各補正ユニット133、134→カール矯正ユニット135の順序で配置されることで、シートSのカールを矯正する効果とシートSの前後方向の位置を補正する効果を両方とも高めることが可能となっている。
<変形例>
第1~第3の実施形態に係るカール矯正ユニットは、カール矯正ベルトとカール矯正ローラーの圧接部分又は一対のカール矯正ベルトの圧接部分に形成されるカール矯正面によって、シートのカールを矯正している。一方で、他の異なる実施形態に係るカール矯正ユニットは、一対のカール矯正ローラー(例えば、スポンジローラーと金属ローラー)の間に形成されるカール矯正面によって、シートのカールを矯正しても良い。また、更に他の異なる実施形態に係るカール矯正ユニットは、シートを加熱又は加湿することによって、シートのカールを矯正しても良い。このように、カール矯正ユニットは、シートのカールを矯正できるものであれば、どのような構成を採用しても良い。
第1~第3の実施形態に係る反転ユニットは、反転領域に導入されたシートをスイッチバックさせることで、シートの表裏を反転させている。一方で、他の異なる実施形態に係る反転ユニットは、ループ状の反転経路に沿ってシートを周回させることで、シートの表裏を反転させても良い。このように、反転ユニットは、シートの表裏を反転させることができるものであれば、どのような構成を採用しても良い。
第1~第3の実施形態に係る補正ユニットは、シートを挟み込んだ補正ローラー対を移動させることで、シートの搬送方向と直交する方向におけるシートの位置を補正している。一方で、他の異なる実施形態に係る補正ユニットは、シートの両側部に一対のカーソルを当接させることで、シートの搬送方向と直交する方向におけるシートの位置を補正しても良い。このように、補正ユニットは、シートの搬送方向と直交する方向におけるシートの位置を補正できるものであれば、どのような構成を採用しても良い。
第1~第3の実施形態に係る高さ調整ユニットは、筐体の底壁の下面に当接するナットを作業者が回転させることで、中継導入口及び中継排出口の高さを調整している。一方で、他の異なる実施形態に係る高さ調整ユニットは、画像形成ユニットの設置面に当接するボルトが筐体に固定された固定部材のネジ穴に螺合した状態で、上記のボルトを作業者が回転させることで、中継導入口及び中継排出口の高さを調整しても良い。更に、他の異なる実施形態に係る高さ調整ユニットは、モーターやカムを用いて筐体を昇降させることで、中継導入口及び中継排出口の高さを自動的に調整しても良い。このように、高さ調整ユニットは、中継導入口及び中継排出口の高さを調整できるものであれば、どのような構成を採用しても良い。
第1~第3の実施形態では、後処理機構を備えた後処理装置(いわゆるフィニッシャー)を排出装置として用いている。一方で、他の異なる実施形態では、後処理機構を備えていないシート積載装置(いわゆるスタッカー)を排出装置として用いても良い。