JP2020169093A - シート搬送装置およびそれを備えた画像形成システム - Google Patents

Abstract

【課題】並列する２つの搬送路のシートに対する搬送負荷が異なる場合に、搬送されるシートの詰まりを抑制可能なシート搬送装置を提供する。【解決手段】シート搬送装置は、シート搬送路と、搬送部材と、切換部と、制御部と、受信部と、を備える。シート搬送路は、第１搬送路と、シートに対する搬送負荷が第１搬送路よりも大きい第２搬送路と、を含む。切換部は、シート搬送経路を第１搬送路を経由する第１搬送経路と第２搬送路を経由する第２搬送経路とに切り換える。制御部は、受信部により受信したシートの厚み情報に基づいてシートが第１シートであるか、第１シートよりも厚い第２シートであるかを判定する。シートが第１シートであるときは切換部によってシート搬送経路を第１搬送経路と第２搬送経路とに交互に切り換える。シートが第２シートであるときは切換部によってシート搬送経路を第１搬送経路に固定する。【選択図】図２

Description

本発明は、シートを搬送するシート搬送装置およびそれを備えた画像形成システムに関する。

従来、複写機、プリンター等の画像形成装置によって画像が形成された用紙を複数枚スタックして、スタックされた用紙束をまとめてステープルで綴じる綴じ処理およびパンチ穴形成装置で穴を空けるパンチ穴形成処理等を実行可能な用紙後処理装置が知られており、比較的多量の用紙について綴じ処理等の後処理等を行う際には、上述のような用紙後処理装置が利用されている。

画像形成装置と用紙後処理装置を接続する方法として、画像形成装置と用紙後処理装置の間に中間搬送装置を配置する方法が提案されている。例えば特許文献１には、搬送路に沿って媒体を搬送方向の上流側から下流側へ搬送する搬送部と、搬送部により搬送される媒体に液体を付着させて印刷する印刷部と、印刷部よりも搬送方向の下流側に位置して搬送部により搬送される媒体を反転する第１反転部および第２反転部と、第１反転部および第２反転部よりも搬送方向の上流側に位置する反転前経路と、第１反転部および第２反転部よりも搬送方向の下流側に位置する反転後経路とを備える中間搬送装置が開示されている。

特開２０１７−１３２６３６号公報

特許文献１のように複数の反転ユニットを有する構成では、反転ユニットの構造上の差異によってシートに対する搬送負荷に差が生じることがある。このような場合、搬送負荷が大きい反転ユニットの搬送路を改善する必要があるが、設計上の制約により搬送負荷を低減できないことがある。そのため、搬送負荷の大きい反転ユニットによって厚紙のようなコシの強いシートを搬送すると、紙詰まりの発生リスクが高くなるという問題点があった。

本発明は、上記問題点に鑑み、並列する２つの搬送路のシートに対する搬送負荷が異なる場合に、搬送されるシートの詰まりを抑制可能なシート搬送装置を提供することを目的とする。

上記目的を達成するために本発明の第１の構成は、シート搬送路と、搬送部材と、切換部と、制御部と、受信部と、を備えたシート搬送装置である。シート搬送路は、第１搬送路と、第１搬送路と並列して配置され、シートに対する搬送負荷が第１搬送路よりも大きい第２搬送路と、を含む。搬送部材は、シート搬送路に沿ってシートを搬送する。切換部は、第１搬送路と第２搬送路の分岐部に設けられ、シートの通過順路であるシート搬送経路を第１搬送路を経由する第１搬送経路と第２搬送路を経由する第２搬送経路とに切り換える。受信部は、シートの厚み情報を受信する。制御部は、搬送部材および切換部を制御する。制御部は、受信部により受信したシートの厚み情報に基づいてシートが第１シートであるか、第１シートよりも厚い第２シートであるかを判定する。シートが第１シートであるときは切換部によってシート搬送経路を第１搬送経路と第２搬送経路とに交互に切り換える。シートが第２シートであるときは切換部によってシート搬送経路を第１搬送経路に固定する。

本発明の第１の構成によれば、搬送されるシートが第１シートである場合は、シート搬送経路を第１搬送経路と第２搬送経路とに交互に切り換えることによってシート搬送装置によるシートの処理効率を高めることができる。また、搬送されるシートが第２シートである場合は、搬送路を第１搬送路に固定することにより、第２シートを搬送する際にシートに対する搬送負荷の大きい第２搬送経路の通過を回避することができる。従って、第２シートを搬送する際のシートの詰まりの発生を未然に防止することができる。また、シートの種類によって搬送経路を切り換えるだけで、搬送路のレイアウトや部品形状を変更することなく、且つ処理効率を極力低下させずに第１シートおよび第２シートの搬送を円滑に行うことができる。

画像形成システムを構成する画像形成装置１、中継搬送装置１０、および用紙後処理装置２０の内部構成を示す概略図 画像形成装置１、中継搬送装置１０、および用紙後処理装置２０における用紙搬送路を示すブロック図 中継搬送装置１０に搭載される第１補正ユニット３１を模式的に示す側面断面図 中継搬送装置１０の第１スイッチバック分岐部ＳＢ１周辺の拡大図 中継搬送装置１０の上流側合流部ＵＪ周辺の拡大図 中継搬送装置１０の下流側合流部ＤＪ周辺の拡大図 画像形成装置１と中継搬送装置１０とを含む画像形成システムの制御経路を示すブロック図 中継搬送装置１０における用紙搬送制御の一例を示すフローチャート

以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図１は、画像形成システムを構成する画像形成装置１、中継搬送装置１０、および用紙後処理装置２０の内部構成を示す概略図である。図２は、画像形成装置１、中継搬送装置１０、および用紙後処理装置２０における用紙搬送路を示すブロック図である。図１および図２を参照して画像形成装置１、本発明のシート搬送ユニットの一例である中継搬送装置１０、および用紙後処理装置２０から構成される画像形成システムについて説明する。

画像形成装置１は、インクジェット記録式のプリンターであり、画像形成装置１の下部に配設された用紙収容部４と、用紙収容部４の側方および上方に配設された用紙給送部５と、用紙収容部４の上方に配設された画像記録部６と、画像記録部６の上方に設けられた反転搬送部８とを備える。

用紙収容部４には、用紙Ｐの束が載置される複数（ここでは３つ）の給紙カセット４ａが着脱可能に備えられる。用紙給送部５は、用紙収容部４に収容された用紙Ｐを、各給紙カセット４ａの給紙方向下流側に設けられた給紙ローラー対５ａによって画像記録部６へ給送する。

画像記録部６は、印字ヘッド６ａと、印字ヘッド６ａに対向配置される搬送部６ｂで構成される。搬送部６ｂは、駆動ローラーを含む複数のローラーに巻き掛けられた無端状の搬送ベルト７ａを備えている。搬送ベルト７ａには多数の空気吸引用の通気孔（図示せず）が設けられている。用紙給送部５から送り出された用紙Ｐは、搬送ベルト７ａの内側に設けられた用紙吸引部７ｂによって搬送ベルト７ａに吸着保持された状態で印字ヘッド６ａの下方を通過する。

印字ヘッド６ａは、搬送ベルト７ａに吸着保持されて搬送される用紙Ｐに向かってインクを吐出する複数のインクジェットヘッドを備えている。各インクジェットヘッドには、それぞれインクタンク（図示せず）に貯留されている４色（シアン、マゼンタ、イエローおよびブラック）のインクがインクジェットヘッドの色毎に供給される。

反転搬送部８は、用紙Ｐの両面に記録を行う場合に、片面への記録が終了した用紙Ｐの搬送方向を切り替える（スイッチバックさせる）ことにより用紙Ｐの表裏を反転させた後、画像の記録されていない面を上向きにした状態で再度画像記録部６に搬送する。画像記録部６により所定の画像が記録された用紙Ｐは、排出ローラー対９から排出されて中継搬送装置１０に搬入される。

中継搬送装置１０は、画像形成装置１と用紙後処理装置２０の間に配置され、画像形成装置１から排出された用紙を用紙後処理装置２０へ搬送する。中継搬送装置１０は、画像形成装置１により画像が記録された用紙Ｐの表裏を反転させる反転処理や、用紙Ｐ上のインクを乾燥させる乾燥処理を行う。図１に示すように、中継搬送装置１０の中継搬入口１１から搬入された用紙Ｐは、第１搬送路１２ａを通過して第１反転搬送路１３ａ（反転ユニット）に搬送される。第１反転搬送路１３ａは、第１搬送路１２ａから搬送された用紙Ｐを受け入れた後、第１スイッチバック分岐部ＳＢ１において搬送方向を切り替える（スイッチバックさせる）ことにより用紙Ｐの表裏面を反転させる。

また、第１搬送路１２ａから上流側分岐部ＵＢにおいて分岐する第２搬送路１２ｂが設けられており、第２搬送路１２ｂを通過した用紙Ｐは第２反転搬送路１３ｂ（反転ユニット）に搬送される。第２反転搬送路１３ｂは、第２搬送路１２ｂから搬送された用紙Ｐを受け入れた後、第２スイッチバック分岐部ＳＢ２において搬送方向を切り替える（スイッチバックさせる）ことにより用紙Ｐの表裏面を反転させる。

第１反転搬送路１３ａまたは第２反転搬送路１３ｂによって表裏面が反転された用紙Ｐは、上流側合流部ＵＪにおいて第３搬送路１２ｃに合流する。用紙Ｐは第３搬送路１２ｃから下流側分岐部ＤＢにおいて分岐する第１バイパス搬送路１４ａ、第２バイパス搬送路１４ｂに搬送される。第１バイパス搬送路１４ａおよび第２バイパス搬送路１４ｂは、それぞれ第１補正ユニット３１、第２補正ユニット３２を備える。第１補正ユニット３１、第２補正ユニット３２は、用紙Ｐの幅方向（図１の紙面と垂直な方向）の位置を補正する。

第１バイパス搬送路１４ａ、第２バイパス搬送路１４ｂは、下流側分岐部ＤＢから用紙停止位置（図１の水平部分）までの距離が用紙Ｐの搬送間隔（紙間）と一致している。そのため、例えば、第１反転搬送路１３ａで反転された１枚目の用紙Ｐを第２バイパス搬送路１４ｂ内に停止させ、第２反転搬送路１３ｂで反転された２枚目の用紙Ｐを第１バイパス搬送路１４ａ内に停止させることによって、紙間を維持したまま停止した用紙Ｐの再搬送を行うことができる。

第１バイパス搬送路１４ａ、第２バイパス搬送路１４ｂを通過した用紙Ｐは、下流側合流部ＤＪにおいて第４搬送路１２ｄに合流する。用紙Ｐは第４搬送路１２ｄを通過して中継搬出口１６から排出されて用紙後処理装置２０に搬入される。また、反転処理、および幅方向の位置補正を行わずに用紙Ｐを用紙後処理装置２０に搬送する場合は、第１反転搬送路１３ａの上流側において第１搬送路１２ａから分岐する第５搬送路１２ｅを通過して中継搬出口１６から排出される。さらに、用紙後処理装置２０に搬入されない用紙Ｐは、第１搬送路１２ａから分岐する第６搬送路１２ｆを通過して中継排出トレイ１７に排出される。

第１搬送路１２ａ、第２搬送路１２ｂ、第１バイパス搬送路１４ａ、第２バイパス搬送路１４ｂには、用紙Ｐに送風してインクを乾燥させるためのファン１８が配置されている。また、第１搬送路１２ａ〜第６搬送路１２ｆ、第１バイパス搬送路１４ａ、第２バイパス搬送路１４ｂには、用紙Ｐを搬送する搬送ローラー対１９（搬送部材）が適所に配置されている。なお、第１反転搬送路１３ａ、第１補正ユニット３１を経由する用紙Ｐの通過順路（図２の破線で表示）を第１搬送経路Ｒ１とする。また、第２反転搬送路１３ｂ、第２補正ユニット３２を経由する用紙Ｐの通過順路（図２の一点鎖線で表示）を第２搬送経路Ｒ２とする。

用紙後処理装置２０は、中継搬送装置１０の搬送方向下流側に連結され、画像形成装置１で画像が記録され、中継搬送装置１０を通過した用紙Ｐに対してパンチ穴形成処理や綴じ処理等の後処理を行う。

図１に示すように、用紙後処理装置２０内部には、用紙搬入口２１から搬入された用紙Ｐに対してパンチ処穴形成を行うパンチ穴形成装置２２、および搬入された用紙Ｐを複数枚スタックして、用紙Ｐの束の端部を揃えてステープルで綴じる端綴じユニット２３、用紙Ｐの束の中央をステープル処理した後、ステープル部を中心に折り曲げて冊子状にする中綴じ・中折りユニット２５を備えている。用紙後処理装置２０の側面には用紙Ｐの排出に適した位置に昇降可能なメイントレイ２４ａおよび用紙後処理装置２０の上部に固定されたサブトレイ２４ｂが設けられている。

パンチ穴形成装置２２は、用紙後処理装置２０の上部に配置されている。画像形成装置１において画像形成された用紙Ｐは、用紙後処理装置２０の右上方に設けられた用紙搬入口２１を介して給紙され、パンチ穴形成装置２２を通過した後、ステープル処理を行わない場合はそのままサブトレイ２４ｂに排出される。ステープル処理を行う場合はパンチ穴形成装置２２の下方に配置された端綴じユニット２３或いは中綴じ・中折りユニット２５に搬送される。

端綴じユニット２３は、ステープラーおよび処理トレイ（いずれも図示せず）等から構成されている。処理トレイ上に積載された用紙Ｐの束は、束の先端を整合された状態で処理トレイの端部に設けられたステープラーに移より端部を綴じられた後、処理トレイに沿ってメイントレイ２４ａに排出される。

端綴じユニット２３の下方に配置される中綴じ・中折り用ユニット２５は、中綴じ用ステープラー、中折り装置および用紙ガイド（いずれも図示せず）等から構成されている。中綴じ用ステープラーは、用紙ガイド内に積載された用紙Ｐの束の中央部をステープル処理する。中綴じ用ステープラーによりステープル処理された用紙Ｐの束は、中折り装置によりステープル部を中心に冊子状に折り曲げられた後、冊子トレイ２６に排出される。

図３は、中継搬送装置１０の第１補正ユニット３１を模式的に示す側面断面図である。なお、第２補正ユニット３２も第１補正ユニット３１と同様の構成であるため、ここでは第１補正ユニット３１のみについて説明する。第１補正ユニット３１は、３対の切換ローラー対３３と、切換ローラー対３３の下流側に配置された補正ローラー対３５と、エッジ検知センサー４０と、を備える。

切換ローラー対３３の上側ローラーは、第１バイパス搬送路１４ａに進入した用紙Ｐをニップするニップ位置（図３の実線位置）と、用紙Ｐのニップを解除する解除位置（図３の破線位置）とに切り換え可能である。補正ローラー対３５は、用紙Ｐの幅方向（図３の紙面と垂直な方向）に移動可能である。

エッジ検知センサー４０は、発光部及び受光部から成る検知部が設けられたＰＩ（フォトインタラプター）センサーである。エッジ検知センサー４０は、用紙Ｐの搬送方向に対し補正ローラー対３５の上流側に配置されており、発光部からの光が入射する部分と用紙Ｐによって遮光される部分との光強度差に基づいて、用紙Ｐの幅方向のエッジ位置を検出する。これにより、用紙Ｐの幅方向位置を検知する。

第１補正ユニット３１により用紙Ｐの幅方向の位置を補正する方法について説明する。用紙Ｐが第１バイパス搬送路１４ａに搬送されると、先ず、エッジ検知センサー４０により用紙Ｐの幅方向位置を検知する。検知結果は制御部７０（図７参照）に送信される。

次に、用紙Ｐをニップした状態で切換ローラー対３３、補正ローラー対３５を停止させる。そして、各切換ローラー３３の上側ローラーを解除位置に移動させる。

次に、エッジ検知センサー４０の検知結果に基づいて補正ローラー対３５を幅方向に移動させる。例えば、用紙Ｐの幅方向位置が基準位置から中継搬送装置１０の前側（図３の紙面手前側）に１ｍｍずれている場合は、補正ローラー対３５を中継搬送装置１０の後側（図３の紙面奥側）に１ｍｍ移動させる。その後、各切換ローラー３３の上側ローラーをニップ位置に移動させて切換ローラー対３３、補正ローラー対３５の回転を再開する。

以上説明したように、中継搬送装置１０は、用紙搬送路上に並列に配置された第１反転搬送路１３ａ、第２反転搬送路１３ｂ、および第１補正ユニット３１、第２補正ユニット３２を備える。そして、第１反転搬送路１３ａ、第２反転搬送路１３ｂに交互に用紙Ｐを搬入することで、第１反転搬送路１３ａ、第２反転搬送路１３ｂのいずれか一方が１枚目の用紙Ｐの反転動作を完了する前に、第１反転搬送路１３ａ、第２反転搬送路１３ｂの他方において２枚目の用紙Ｐの反転動作を開始することができる。

同様に、用紙搬送路上に並列に配置された第１補正ユニット３１、第２補正ユニット３２に交互に用紙Ｐを搬入することで、第１補正ユニット３１、第２補正ユニット３２のいずれか一方が１枚目の用紙Ｐの位置補正を完了する前に、第１補正ユニット３１、第２補正ユニット３２の他方において２枚目の用紙Ｐの位置補正を開始することができる。

これにより、用紙Ｐの反転および位置補正の待ち時間を短縮することができ、中継搬送装置１０による用紙Ｐの処理効率（単位時間当たりの処理枚数）を高めることができる。

図４は、中継搬送装置１０の第１スイッチバック分岐部ＳＢ１周辺の拡大図である。図４に示すように、第１反転搬送路１３ａを経由する第１搬送路１２ａは、第１スイッチバック分岐部ＳＢ１において下方に向かって９０°よりも大きい角度で湾曲し、上流側合流部ＵＪ（図５参照）において第２搬送路１２ｂに合流する。第１反転搬送路１３ａにより反転された用紙Ｐは、第１スイッチバック分岐部ＳＢ１に沿って湾曲しながら搬送される。従って、第１反転搬送路１３ａを経由する用紙Ｐの搬送負荷は第１スイッチバック分岐部ＳＢ１において最大となる。

図５は、中継搬送装置１０の上流側合流部ＵＪ周辺の拡大図である。図５に示すように、第２反転搬送路１３ｂを経由する第２搬送路１２ｂは、下方に向かって９０よりも小さい角度で湾曲し、上流側合流部ＵＪにおいて第１搬送路１２ａに合流する。第２反転搬送路１３ｂにより反転された用紙Ｐは、上流側合流部ＵＪに沿って湾曲しながら搬送される。従って、第２反転搬送路１３ｂを経由する用紙Ｐの搬送負荷は上位側合流部ＵＪにおいて最大となる。

即ち、第２反転搬送路１３ｂを経由して搬送される用紙Ｐは、第１反転搬送路１３ａを経由して搬送される用紙Ｐに比べて大きく湾曲される。このため、用紙Ｐに対する搬送負荷は、第１反転搬送路１３ａにより反転されて搬送される用紙Ｐに比べて、第２反転搬送路１３ｂにより反転されて搬送される用紙Ｐのほうが大きくなる。

図６は、中継搬送装置１０の下流側合流部ＤＪ周辺の拡大図である。図６に示すように、第１補正ユニット３１が設けられる第１バイパス搬送路１４ａは、上方に向かって略９０°湾曲して第４搬送路１２ｄに接続される。一方、第２補正ユニット３２が設けられる第２バイパス搬送路１４ｂは、上方に向かって湾曲しながら、下流側合流部ＤＪにおいて第１バイパス搬送路１４ａに合流する。

第２バイパス搬送路１４ｂの用紙Ｐの厚み方向の幅ｄが広い場合、第２バイパス搬送路１４ｂ内の用紙Ｐの通過位置が安定せず、下流側合流部ＤＪにおいて用紙Ｐの先端が第４搬送路１２ｄの内側面に突き当たり、先端の紙折れが発生するおそれがある。そこで、図６に示すように、第２バイパス搬送路１４ｂの幅ｄを第１バイパス搬送路１４ａよりも狭くしている。このため、用紙Ｐに対する搬送負荷は、第１バイパス搬送路１４ａを経由して搬送される場合に比べて、第２バイパス搬送路１４ｂを経由して搬送される場合のほうが大きくなる。

特に、用紙Ｐがコシの強い厚紙であるときは、第２反転搬送路１３ｂ、若しくは第２バイパス搬送路１４ｂを経由する第２搬送経路Ｒ２で搬送された場合の搬送負荷が大きくなり、上流側合流部ＵＪ、下流側合流部ＤＪにおいて紙詰まり（ジャム）が発生するおそれがある。

そこで、本実施形態の中継搬送装置１０では、中継搬入口１１から搬入された用紙Ｐが厚紙である場合、第１反転搬送路１３ａおよび第１バイパス搬送路１４ａを経由する第１搬送経路Ｒ１のみを用いて搬送する厚紙搬送モードを実行可能である。

図７は、画像形成装置１と中継搬送装置１０とを含む画像形成システムの制御経路を示すブロック図である。なお、図７では制御部７０や中継搬送装置１０のうち、本発明の実施に必要となる部分について重点的に説明している。また、ここでは画像形成装置１内に設けられた制御部７０を用いて画像形成システム全体を制御することとしたが、中継搬送装置１０内に制御部７０を設けることも可能である。

上流側切換部４１は、上流側分岐部ＵＢに配置された分岐ガイド等から構成される。上流側切換部４１は、制御部７０からの制御信号に基づいて中継搬入口１１から搬入される用紙Ｐの搬送路を第１搬送路１２ａまたは第２搬送路１２ｂに切り換える。

下流側切換部４２は、下流側分岐部ＤＢに配置された分岐ガイド等から構成される。下流側切換部４２は、制御部７０からの制御信号に基づいて第３搬送路１２ｃを通過して搬送される用紙Ｐの搬送路を第１バイパス搬送路１４ａまたは第２バイパス搬送路１４ｂに切り換える。

制御部７０は、中央演算処理装置としてのＣＰＵ（Central Processing Unit）７１、読み出し専用の記憶部であるＲＯＭ（Read Only Memory）７２、読み書き可能な記憶部であるＲＡＭ（Random Access Memory）７３、一時的に画像データ等を記憶する一時記憶部７４、カウンター７５、複数（ここでは２個）のＩ／Ｆ（インターフェイス）７６を少なくとも備えている。

ＲＯＭ７２には、システムの制御用プログラムや制御上の必要な数値等、変更されることがないようなデータ等が収められている。ＲＡＭ７３には、システムの制御途中で発生した必要なデータや、制御に一時的に必要となるデータ等が記憶される。また、ＲＯＭ７２（或いはＲＡＭ７３）には、用紙Ｐが普通紙（第１シート）である場合、および厚紙（第２シート）である場合の用紙Ｐの搬送間隔（インターバル）も記憶されている。

カウンター７５は、画像形成装置１での印字枚数をカウントする他、画像形成装置１から中継搬送装置１０に搬入される用紙Ｐの枚数をカウントする。なお、カウンター７５を別途設けなくても、例えばＲＡＭ７３でその回数を記憶するようにしてもよい。

また、制御部７０は、画像形成装置１、中継搬送装置１０を含むシステム内の各部分、装置に対し、ＣＰＵ７１からＩ／Ｆ７６を通じて制御信号を送信する。また、各部分、装置からその状態を示す信号や、入力信号がＩ／Ｆ７６を通じてＣＰＵ７１に送信される。制御部７０が制御する各部分、装置としては、例えば、画像形成装置１の用紙給送部５、画像記録部６、反転搬送部８、中継搬送装置１０の第１反転搬送路１３ａ、第２反転搬送路１３ｂ、第１補正ユニット３１、第２補正ユニット３２、上流側切換部４１、下流側切換部４２等が挙げられる。なお、制御部７０は、中継搬送装置１０と共に本発明のシート搬送装置を構成する。

操作部８０には、液晶表示部８１、各種の状態を示すＬＥＤ８２が設けられており、ユーザーは操作部８０を操作して指示を入力することで、画像形成装置１、用紙後処理装置２０の各種の設定を行い、画像形成機能や後処理機能等の各種機能を実行させる。液晶表示部８１は、システムの状態を示したり、画像形成状況や印字枚数を表示したり、タッチパネルとして両面印字や白黒反転等の機能や倍率設定、濃度設定など各種設定を行えるようになっている。

受信部９０は、パソコン等の上位機器から印字命令や印字画像、用紙Ｐに関する情報等を受信する。受信した情報は制御部７０に送信される。

図８は、本発明の中継搬送装置１０における用紙搬送制御の一例を示すフローチャートである。図１〜図７を参照しながら、図８のステップに沿って中継搬送装置１０における用紙搬送手順について説明する。

制御部７０は、受信部９０によりパソコン（操作端末）から印字命令を受信したか否かを判定する（ステップＳ１）。印字命令を受信した場合は（ステップＳ１でＹｅｓ）画像形成装置１により印字を実行する（ステップＳ２）。印字が終了した用紙Ｐは中継搬送装置１０に搬入される。

次に、制御部７０は、印字命令に含まれる用紙Ｐに関する情報に基づいて用紙Ｐが厚紙であるか否かを判定する（ステップＳ３）。用紙Ｐが普通紙である場合は（ステップＳ３でＮｏ）、用紙Ｐの搬送間隔を第１間隔ｔ１に設定する（ステップＳ４）。そして、用紙Ｐが上流側分岐部ＵＢを通過する毎に上流側切換部４１を切り換えて、第１反転搬送路１３ａ、第２反転搬送路１３ｂに交互に用紙Ｐを搬入する（ステップＳ５）。また、用紙Ｐが下流側分岐部ＤＢを通過する毎に下流側切換部４２を切り換えて、第１バイパス搬送路１４ａ、第２バイパス搬送路１４ｂに交互に用紙Ｐを搬入する（ステップＳ６）。

一方、用紙Ｐが厚紙である場合は（ステップＳ３でＹｅｓ）、用紙Ｐの搬送間隔を第２間隔ｔ２（ｔ２＞ｔ１）に設定する（ステップＳ７）。そして、上流側切換部４１の切り換えを行わずに第１反転搬送路１３ａのみに用紙Ｐを搬入する（ステップＳ８）。また、下流側切換部４２の切り換えを行わずに第１バイパス搬送路１４ａのみに用紙Ｐを搬入する（ステップＳ９）。

次に、用紙Ｐの幅方向位置が第１補正ユニット３１、第２補正ユニット３２内のエッジ検知センサー４０（図３参照）により検知され、検知結果に基づいて用紙Ｐの幅方向位置を補正する（ステップＳ１０）。位置補正された用紙Ｐは用紙後処理装置２０へと搬出される（ステップＳ１１）。その後、制御部７０は画像形成装置１において印字が終了したか否かを判定し（ステップＳ１２）、印字が継続している場合は（ステップＳ１２でＮｏ）ステップＳ３に戻り、用紙Ｐの搬送制御を繰り返す（ステップＳ３〜Ｓ１２）。印字が終了している場合は（ステップＳ１２でＹｅｓ）処理を終了する。

上述したような制御を行うことにより、画像形成装置１から中継搬送装置１０に搬入される用紙Ｐが厚紙である場合は、第１反転搬送路１３ａおよび第１バイパス搬送路１４ａを経由する第１搬送経路Ｒ１に固定して搬送する厚紙搬送モードが実行される。これにより、用紙Ｐが厚紙である場合に、上流側合流部ＵＪ（図５参照）で紙詰まりが発生するおそれのある第２反転搬送路１３ｂ、下流側合流部ＤＪ（図６参照）で紙詰まりが発生するおそれのある第２バイパス搬送路１４ｂの通過を回避することができる。

従って、中継搬送装置１０を用いて厚紙を搬送する際の紙詰まりの発生を未然に防止することができる。また、用紙Ｐの種類によって搬送経路を切り換えるだけの簡単な制御であるため、搬送路のレイアウトや部品形状を変更することなく用紙Ｐの表裏の反転、および幅方向の位置補正を円滑に行うことができる。

但し、用紙Ｐが厚紙である場合は第１反転搬送路１３ａ、第１バイパス搬送路１４ａを経由する第１搬送経路Ｒ１のみを用いて搬送するため、第１搬送経路Ｒ１および第２搬送経路Ｒ２に交互に用紙Ｐを搬入する普通紙の場合に比べて搬送間隔を広げる必要がある。そのため、中継搬送装置１０による用紙Ｐの処理効率は普通紙の場合に比べて低下する。

その他本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態においては、画像形成装置１に連結される中継搬送装置１０に本発明を適用した例について説明したが、例えば画像形成装置１や用紙後処理装置２０が反転トレイや補正ユニットを含む並列する２つの搬送路を備え、各搬送路の搬送負荷が異なる場合は同様に本発明を適用することができる。

また、上記実施形態では受信部９０によりパソコン等から受信された用紙に関する情報に基づいて用紙Ｐが厚紙であるか否かを判定したが、操作部８０から用紙Ｐの厚み情報を入力するようにしてもよい。或いは、用紙Ｐの厚みを検知する厚み検知センサー（図示せず）を設け、制御部７０は、厚み検知センサーの検知結果（用紙Ｐの厚み情報）に基づいて用紙Ｐが厚紙であるか否かを判定してもよい。厚み検知センサーとしては、周知のメディアセンサーを用いることができる。上記の場合、操作部８０、厚み検知センサーが用紙Ｐの厚み情報を受信する受信部となる。

また、上記実施形態では画像形成装置１の一例としてインクジェットプリンターを例示しているが、画像形成装置１としてインクジェットプリンター以外の、例えば複写機やレーザープリンター、ファクシミリ装置等であっても適用できることは言うまでもない。

本発明は、シートを搬送するシート搬送ユニットに利用可能である。本発明の利用により、並列する２つの搬送路を備える構成において、搬送路のレイアウトや部品形状を変更することなくシートが厚紙である場合の搬送動作を円滑に行うことのできるシート搬送ユニットを提供することができる。

１ 画像形成装置
１０ 中継搬送装置（シート搬送装置）
１１ 中継搬入口
１２ａ 第１搬送路
１２ｂ 第２搬送路
１３ａ 第１反転搬送路（反転ユニット）
１３ｂ 第２反転搬送路（反転ユニット）
１４ａ 第１バイパス搬送路（第１搬送路）
１４ｂ 第２バイパス搬送路（第２搬送路）
１９ 搬送ローラー対（搬送部材）
２０ 用紙後処理装置（シート後処理装置）
３１ 第１補正ユニット
３２ 第２補正ユニット
４０ エッジ検知センサー
４１ 上流側切換部
４２ 下流側切換部
７０ 制御部
８０ 操作部
９０ 受信部
Ｐ 用紙（シート）
ＵＢ 上流側分岐部
ＵＪ 上流側合流部
ＤＢ 下流側分岐部
ＤＪ 下流側合流部
Ｒ１ 第１搬送経路
Ｒ２ 第２搬送経路

Claims (6)

1. 第１搬送路と、前記第１搬送路と並列して配置され、シートに対する搬送負荷が前記第１搬送路よりも大きい第２搬送路と、を含むシート搬送路と、
   前記シート搬送路に沿って前記シートを搬送する搬送部材と、
   前記第１搬送路と前記第２搬送路の分岐部に設けられ、前記シートの通過順路であるシート搬送経路を前記第１搬送路を経由する第１搬送経路と前記第２搬送路を経由する第２搬送経路とに切り換える切換部と、
   前記搬送部材および前記切換部を制御する制御部と、
   前記シートの厚み情報を受信する受信部と、
   を備え、
   前記制御部は、前記受信部により受信した前記シートの厚み情報に基づいて前記シートが第１シートであるか、前記第１シートよりも厚い第２シートであるかを判定し、
   前記第１シートであるときは前記切換部によって前記シート搬送経路を前記第１搬送経路と前記第２搬送経路とに交互に切り換えるとともに、
   前記第２シートであるときは前記切換部によって前記シート搬送経路を前記第１搬送路に固定することを特徴とするシート搬送装置。
2. 前記制御部は、前記シートが前記第２シートであるときは、前記シートの搬送間隔を前記第１シートに比べて大きくすることを特徴とする請求項１に記載のシート搬送装置。
3. 前記第１搬送路および前記第２搬送路は、前記シートを表裏方向に反転する反転ユニットを備えることを特徴とする請求項１又は請求項２に記載のシート搬送装置。
4. 前記第１搬送路および前記第２搬送路は、前記シートの搬送方向と直交する幅方向の位置を補正する補正ユニットを備えることを特徴とする請求項１又は請求項２に記載のシート搬送装置。
5. 請求項１乃至請求項４のいずれかに記載のシート搬送装置と、
   前記シート搬送方向に対し前記シート搬送装置の上流側に連結され、前記シートに画像を形成する画像形成装置と、
   を備えた画像形成システム。
6. 前記シート搬送方向に対し前記シート搬送装置の下流側に連結され、前記シートに所定の後処理を行うシート後処理装置を備える請求項５に記載の画像形成システム。

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