JP6982796B2 - 粉末原料の投入方法およびそれを用いたポリエステル樹脂の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、芳香族ヒドロキシカルボン酸類、芳香族ジオール類などの粉末状の原料を用いるポリエステル樹脂の製造に使用可能であり、そのようなポリエステル樹脂としては、芳香族ヒドロキシカルボン酸類を必須成分とする液晶性ポリエステル樹脂が好ましい。液晶性ポリエステル樹脂としては、p−アミノ安息香酸、アミノフェノールなどのアミノ基含有モノマーを用いる液晶性ポリエステルアミド樹脂も含まれ、本発明は液晶性ポリエステルアミド樹脂の製造にも使用可能である。
上記構造単位(I)、(II)、(III)、(IV)および(V)の共重合量は任意である。しかし、液晶性ポリエステル樹脂の特性を発揮させるためには次の共重合量であることが好ましい。構造単位(I)は構造単位(I)、(II)および(III)の合計に対して65〜80モル%であることが好ましい。より好ましくは68〜78モル%である。構造単位(II)は構造単位(II)および(III)の合計に対して55〜85モル%であることが好ましい。より好ましくは55〜78モル%であり、最も好ましくは58〜73モル%である。構造単位(IV)は構造単位(IV)および(V)の合計に対して50〜95モル%であることが好ましい。より好ましくは55〜90モル%であり、最も好ましくは60〜85モル%である。
中でも、構造単位(I)が、全5構造単位の合計の、30モル%以上である液晶性ポリエステル樹脂であることが好ましい。30モル%以上であると、液晶性ポリエステル樹脂が目標とする耐熱性を得られるため好ましい。
本発明の液晶性ポリエステル樹脂の製造においては、まず、所定量のモノマー混合物と無水酢酸をスラリー状に混合し、反応容器を窒素雰囲気下で攪拌しながら加熱し、還流しながら水酸基をアセチル化させる。次いでオリゴマー化反応では、留出管へと切り替えて酢酸を留出させながら所定の温度まで昇温を行い、規定量まで酢酸を留出させる。更に反応容器を減圧しながら脱酢酸重縮合反応を行い、規定の攪拌トルクに到達すれば、脱酢酸重縮合反応を終了させる。脱酢酸重縮合反応が終了すれば、攪拌を停止し、反応容器を窒素などの不活性ガスで加圧し、反応容器底部から口金を経由してストランド状にし、カッティング装置にてペレット化する。
液体原料吹き付け割合(%)=液体原料吹き付け量(kg)/粉末原料第1ホッパー1への粉末原料投入量(kg)×100
試験1バッチ目の粉末原料第1ホッパー1からスラリー混合槽への投入時間を基準に、その所要時間が3倍を超過した時点のバッチ数を測定した。
粉末原料第1ホッパー1の投入口のバルブおよび投入ラインが閉塞し、粉末原料が落下しなくなった時点のバッチ数を測定した。
図1に装置の概略構成を示すように、攪拌機9を備えた内容積3.0m3のスラリー混合槽10に、無水酢酸718質量部を仕込んでおき、粉末原料第1ホッパー1に粉末原料としてp−ヒドロキシ安息香酸(表1においてはHBAと略記)562質量部を計量し、スラリー混合槽10内を30rpmで混合しながら、粉末原料の投入口バルブ3を開として投入ライン4からスラリー混合槽10に粉末原料の全量を仕込み、粉末原料第1ホッパー1が空になってから粉末原料の投入口バルブ3を閉止した。次に、投入口バルブ3を閉止してから5分後に液体吹き付けバルブ7を開として、液体吹き付けライン8より、粉末原料投入口バルブ3の底部と投入ライン4に、前記粉末原料の仕込み量に対して13.0%の無水酢酸を吹き付けた。また、その他の粉末原料として、4,4−ジヒドロキシビフェニル(表1においてはDHBと略記)227質量部、テレフタル酸(表1においてはTPAと略記)188質量部、イソフタル酸(表1においてはIPAと略記)101質量部、ハイドロキノン(表1においてはHQと略記)61質量部(過剰添加分として3質量部を含む)をそれぞれ計量し、粉末原料第2ホッパー2から投入口バルブ5と投入ライン6を経由してスラリー混合槽10に全量を仕込んだ。なお、粉末原料第2ホッパー2からスラリー混合槽10への粉末原料の投入は、粉末原料第1ホッパー1の投入前に実施した。次にスラリー混合槽10内の温度を25℃〜35℃に保ちながら30分間攪拌を続けた。
スラリー混合槽10に無水酢酸762質量部を仕込んでおき、粉末原料第1ホッパー1に、粉末原料として4,4−ジヒドロキシビフェニルを計量し、残りの粉末原料を粉末原料第2ホッパー2に計量した以外は、実施例1と同様な方法で繰り返し30バッチの重合を実施した。粉末原料第1ホッパー1は29バッチ目で詰まり傾向バッチとなったが、30バッチの連続運転は可能であった。
スラリー混合槽10に無水酢酸783質量部を仕込んでおき、粉末原料第1ホッパー1に、粉末原料としてハイドロキノンを計量し、残りの粉末原料を粉末原料第2ホッパー2に計量した以外は、実施例1と同様な方法で繰り返し30バッチの重合を実施した。粉末原料第1ホッパー1は20バッチ目で詰まり傾向バッチとなったが、30バッチの連続運転は可能であった。
スラリー混合槽10に無水酢酸689質量部を仕込んでおき、粉末原料第1ホッパー1に、粉末原料としてp−ヒドロキシ安息香酸と4,4−ジヒドロキシビフェニルを計量し、残りの粉末原料を粉末原料第2ホッパー2に計量した以外は、実施例1と同様な方法で繰り返し30バッチの重合を実施した。粉末原料第1ホッパー1は27バッチ目で詰まり傾向バッチとなったが、30バッチの連続運転は可能であった。
スラリー混合槽10に無水酢酸754質量部を仕込んでおき、粉末原料第1ホッパー1に、粉末原料として4,4−ジヒドロキシビフェニルとハイドロキノンを計量し、残りの粉末原料を粉末原料第2ホッパー2に計量した以外は、実施例1と同様な方法で繰り返し30バッチの重合を実施した。粉末原料第1ホッパー1は24バッチ目で詰まり傾向バッチとなったが、30バッチの連続運転は可能であった。
スラリー混合槽10に無水酢酸680質量部を仕込んでおき、粉末原料第1ホッパー1に、粉末原料としてp−ヒドロキシ安息香酸とテレフタル酸とイソフタル酸を計量し、残りの粉末原料を粉末原料第2ホッパー2に計量した以外は、実施例1と同様な方法で繰り返し30バッチの重合を実施した。粉末原料ホッパー1は25バッチ目で詰まり傾向バッチとなったが、30バッチの連続運転は可能であった。
スラリー混合槽10に無水酢酸724質量部を仕込んでおき、粉末原料第1ホッパー1に、粉末原料として4,4−ジヒドロキシビフェニルとテレフタル酸とイソフタル酸を計量し、残りの粉末原料を粉末原料第2ホッパー2に計量した以外は、実施例1と同様な方法で繰り返し30バッチの重合を実施した。粉末原料第1ホッパー1は30バッチ目まで詰まり傾向バッチは発生せず、30バッチの連続運転は可能であった。
スラリー混合槽10に無水酢酸527質量部を仕込んでおき、粉末原料第1ホッパー1に投入した粉末原料の仕込み量に対して47.0%の無水酢酸を吹き付けた以外は、実施例1と同様な方法で繰り返し30バッチの重合を実施した。粉末原料の投入完了後から無水酢酸の吹き付けが完了するまでの間に、スラリー混合槽10の攪拌機9の電流値が上昇傾向となった。粉末原料第1ホッパー1は29バッチ目で詰まり傾向バッチとなったが、30バッチの連続運転は可能であった。
スラリー混合槽10に無水酢酸785質量部を仕込んでおき、粉末原料第1ホッパー1に投入した粉末原料の仕込み量に対して1.0%の無水酢酸を吹き付けた以外は、実施例1と同様な方法で繰り返し30バッチの重合を実施した。粉末原料第1ホッパー1は21バッチ目で詰まり傾向バッチとなったが、30バッチの連続運転は可能であった。
スラリー混合槽10に無水酢酸482質量部を仕込んでおき、粉末原料第1ホッパー1に投入した粉末原料の仕込み量に対して55.0%の無水酢酸を吹き付けた以外は、実施例1と同様な方法で繰り返し30バッチの重合を実施した。粉末原料の投入完了後から無水酢酸の吹き付けが完了するまでの間に、スラリー混合槽10の攪拌機9の電流値が上昇傾向となり、更に電流値のハンチングが見られた。粉末原料第1ホッパー1は30バッチ目まで詰まり傾向バッチは発生せず、30バッチの連続運転は可能であった。
スラリー混合槽10に無水酢酸787質量部を仕込んでおき、粉末原料ホッパー1に投入した粉末原料の仕込み量に対して0.8%の無水酢酸を吹き付けた以外は、実施例1と同様な方法で繰り返し30バッチの重合を実施した。粉末原料第1ホッパー1は19バッチ目で詰まり傾向バッチとなったが、30バッチの連続運転は可能であった。
粉末原料投入口のバルブ3を閉止してから4時間45分後に無水酢酸の吹き付けを開始した以外は、実施例1と同様な方法で繰り返し30バッチの重合を実施した。粉末原料第1ホッパー1は22バッチ目で詰まり傾向バッチとなったが、30バッチの連続運転は可能であった。
粉末原料投入口のバルブ3を開として投入ライン4からスラリー混合槽10に粉末原料の全量を仕込み、粉末原料第1ホッパー1が空になってから1分後に、粉末原料投入口のバルブ3を開けた状態で無水酢酸の吹き付けを行った以外は、実施例1と同様な方法で繰り返しの重合を実施したところ、粉末原料第1ホッパー1は2バッチ目で詰まりが発生し粉末原料が落下しなくなったため、2バッチ目で試験を中止した。
粉末原料投入口バルブ3の底部に無水酢酸の吹き付けを行わなかった以外は、実施例1と同じ方法で繰り返し重合を実施したところ、粉末原料第1ホッパー1は15バッチ目で詰まり傾向バッチとなり、25バッチ目で詰まりが発生し粉末原料が落下しなくなったため、25バッチ目で試験を中止した。
スラリー混合槽10に無水酢酸791質量部を仕込んでおき、粉末原料投入口バルブ3の底部と投入ライン4に無水酢酸の吹き付けを行わなかった以外は、実施例1と同じ方法で繰り返し重合を実施したところ、粉末原料第1ホッパー1は10バッチ目で詰まり傾向バッチとなり、18バッチ目で詰まりが発生し粉末原料が落下しなくなったため、18バッチ目で試験を中止した。
スラリー混合槽10を用いないで、無水酢酸854質量部を直接アセチル化反応槽(図示略)に仕込み、粉末原料第1ホッパー1および粉末原料第2ホッパー2から直接アセチル化反応槽(図示略)に粉末原料を仕込み、粉末原料投入口バルブ3の底部と投入ライン4に無水酢酸の吹き付けを行わなかった以外は、実施例1と同じ方法で繰り返し重合を実施した。
2 粉末原料第2ホッパー
3 投入口バルブ
4 投入ライン
5 投入口バルブ
6 投入ライン
7 液体吹き付けバルブ
8 液体吹き付けライン
9 攪拌機
10 スラリー混合槽
Claims (6)
- 芳香族ヒドロキシカルボン酸類、芳香族ジオール類から選ばれる少なくとも1種類以上の粉末原料を、原料投入口のバルブを介して投入ラインから容器内に投入する際に、前記粉末原料の投入後に、投入口のバルブを閉止した状態で前記バルブの底部と投入ラインに液体として無水酢酸を吹き付けて洗浄を行う工程を含む、粉末原料の投入方法。
- 前記液体の吹き付け量が、前記粉末原料の投入重量の1〜50%に相当する量である、請求項1に記載の粉末原料の投入方法。
- 前記液体の吹き付けを開始するタイミングが、前記原料投入口のバルブを閉止してから5時間以内である、請求項1または2に記載の粉末原料の投入方法。
- 請求項1〜3のいずれか記載の粉末原料の投入方法により粉末原料を投入する工程を含むポリエステル樹脂の製造方法。
- 前記粉末原料と、前記吹き付けに用いた液体と、前記粉末原料をスラリー状に調整するための液体原料とを、容器内でスラリー状態に調整した後、更に別の容器に投入する工程を含む、請求項4に記載のポリエステル樹脂の製造方法。
- 前記ポリエステル樹脂が、液晶性ポリエステル樹脂である、請求項4または5に記載のポリエステル樹脂の製造方法。
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JP2017218929A JP6982796B2 (ja) | 2017-11-14 | 2017-11-14 | 粉末原料の投入方法およびそれを用いたポリエステル樹脂の製造方法 |
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