JP6979137B2 - 歯車の支持構造 - Google Patents
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Description
本発明は、歯車の支持構造に関する。
特許文献1には、リングギア(歯車)の支持構造として、リングギアをドラムと嵌合可能な形状とし、2つのスナップリングでリングギアを支持する構造が開示されている。
この構造では、2つのスナップリングを用いることでガタが形成されるので、サンギアやキャリアの倒れに対して自動調心することが可能となる。
この構造では、2つのスナップリングを用いることでガタが形成されるので、サンギアやキャリアの倒れに対して自動調心することが可能となる。
特許文献1の構造においてはリングギアに2つの切欠きを設け、当該切欠きと径方向にオーバーラップする位置にスナップリングを配置しており、スナップリングの径方向における長さが短くなっている。
しかしながら、リングギアの脱落を防止するという意味においてはスナップリングの径方向における長さは極力長い方が好ましい。
そこで、遊星歯車組の回転軸方向の軸長を抑えつつリングギアを適切に支持することが求められている。
本発明は、リングギアをはじめとする歯車の軸長を抑えつつ適切に支持することを目的とするものである。
しかしながら、リングギアの脱落を防止するという意味においてはスナップリングの径方向における長さは極力長い方が好ましい。
そこで、遊星歯車組の回転軸方向の軸長を抑えつつリングギアを適切に支持することが求められている。
本発明は、リングギアをはじめとする歯車の軸長を抑えつつ適切に支持することを目的とするものである。
本発明は、
歯車と嵌合する支持部材と、
前記支持部材に取り付けられ、且つ、前記歯車を支持する第1スナップリング及び第2スナップリングと、を有し、
前記第1スナップリングは、前記歯車と径方向においてオーバーラップせず、
前記第2スナップリングは、前記歯車と径方向においてオーバーラップし、
前記第1スナップリングの径方向の長さは、前記第2スナップリングの径方向の長さよりも大きい構成の歯車の支持構造とした。
歯車と嵌合する支持部材と、
前記支持部材に取り付けられ、且つ、前記歯車を支持する第1スナップリング及び第2スナップリングと、を有し、
前記第1スナップリングは、前記歯車と径方向においてオーバーラップせず、
前記第2スナップリングは、前記歯車と径方向においてオーバーラップし、
前記第1スナップリングの径方向の長さは、前記第2スナップリングの径方向の長さよりも大きい構成の歯車の支持構造とした。
本発明によれば、
第2スナップリングは従来相当の支持能力を有する一方、第1スナップリングは従来よりも高い支持能力を有するのでトータルとしての支持能力を向上することができる。
両方のスナップリングを歯車と径方向においてオーバーラップしないようにする場合と比較すると、本支持構造は軸長方向を短縮できる点でメリットがある。
これにより、第1スナップリングと第2スナップリングにより、歯車の回転軸方向の軸長を抑えつつ歯車を適切に支持できる。
第2スナップリングは従来相当の支持能力を有する一方、第1スナップリングは従来よりも高い支持能力を有するのでトータルとしての支持能力を向上することができる。
両方のスナップリングを歯車と径方向においてオーバーラップしないようにする場合と比較すると、本支持構造は軸長方向を短縮できる点でメリットがある。
これにより、第1スナップリングと第2スナップリングにより、歯車の回転軸方向の軸長を抑えつつ歯車を適切に支持できる。
以下、本発明の実施形態を、車両用のベルト式の無段変速機1の前後進切替機構2が備える遊星歯車機構のリングギアの場合を例に挙げて説明する。
図1は、ベルト式の無段変速機1が備える前後進切替機構2周りを説明する図である。
図2は、前後進切替機構2の主要部を説明する図である。図2の(a)は、遊星歯車組3の構成を説明する図である。図2の(b)は、前進クラッチ4周りを説明する図である。なお、図2の(a)では、説明の便宜上、後進ブレーキ5周りの図示を省略している。
図3は、前後進切替機構2の主要部を説明する図である。図3の(a)は、クラッチドラム6における遊星歯車組3のリングギア32の配置を説明する要部拡大図である。図3の(b)は、(a)におけるA−A断面図である。
図2は、前後進切替機構2の主要部を説明する図である。図2の(a)は、遊星歯車組3の構成を説明する図である。図2の(b)は、前進クラッチ4周りを説明する図である。なお、図2の(a)では、説明の便宜上、後進ブレーキ5周りの図示を省略している。
図3は、前後進切替機構2の主要部を説明する図である。図3の(a)は、クラッチドラム6における遊星歯車組3のリングギア32の配置を説明する要部拡大図である。図3の(b)は、(a)におけるA−A断面図である。
図1に示すように、ベルト式の無段変速機1では、エンジン(図示せず)の回転駆動力が、トルクコンバータ(図示せず)の出力軸(回転伝達軸9)を介して、前後進切替機構2に入力される。
前後進切替機構2は、遊星歯車組3と、前進クラッチ4と、後進ブレーキ5と、を有している。
前後進切替機構2では、前進クラッチ4が締結されると、トルクコンバータ側から入力された回転が、順回転で変速機構部(図示せず)側に出力される。後進ブレーキ5が締結されると、トルクコンバータ側から入力された回転が、逆回転で変速機構部側に出力される。
前後進切替機構2は、遊星歯車組3と、前進クラッチ4と、後進ブレーキ5と、を有している。
前後進切替機構2では、前進クラッチ4が締結されると、トルクコンバータ側から入力された回転が、順回転で変速機構部(図示せず)側に出力される。後進ブレーキ5が締結されると、トルクコンバータ側から入力された回転が、逆回転で変速機構部側に出力される。
[後進ブレーキ]
後進ブレーキ5は、変速機ケース10側の支持壁部101の内周にスプライン嵌合したドリブンプレート51と、クラッチドラム6の周壁部62の外周にスプライン嵌合したドライブプレート52と、回転軸X方向にストロークするピストン53と、を有している。
後進ブレーキ5は、変速機ケース10側の支持壁部101の内周にスプライン嵌合したドリブンプレート51と、クラッチドラム6の周壁部62の外周にスプライン嵌合したドライブプレート52と、回転軸X方向にストロークするピストン53と、を有している。
固定側の部材である支持壁部101においてドリブンプレート51は、回転軸X回りの回転が規制された状態で、回転軸X方向に移動可能に設けられている。
周壁部62においてドライブプレート52は、回転軸X周りの周方向におけるクラッチドラム6との相対回転が規制された状態で、回転軸X方向に移動可能に設けられている。
周壁部62においてドライブプレート52は、回転軸X周りの周方向におけるクラッチドラム6との相対回転が規制された状態で、回転軸X方向に移動可能に設けられている。
ドリブンプレート51とドライブプレート52は、回転軸X方向で交互に配置されている。ドリブンプレート51とドライブプレート52は、ドリブンプレート51の内径側とドライブプレート52の外径側とが重なるように配置されている。
ドリブンプレート51とドライブプレート52とから見て、ピストン53とは反対側(図中、右側)には、スナップリング59で位置決めされたリテーニングプレート58が設けられている。
ピストン53の押圧部53aは、ドリブンプレート51とドライブプレート52の重なる領域に、ウェーブスプリング57を間に挟んで対向している。
ピストン53の押圧部53aは、ドリブンプレート51とドライブプレート52の重なる領域に、ウェーブスプリング57を間に挟んで対向している。
変速機ケース10は、前後進切替機構2を収容する空間と、変速機構部を収容する空間とを仕切る仕切壁部102を有している。この仕切壁部102におけるピストン53のリング状の基部530との対向部には、ピストン53の作動油圧が供給される油室R1が形成されている。
この油室R1に作動油圧が供給されると、ピストン53が、スプリングリテーナ55で支持されたスプリングSp1を圧縮しながら、仕切壁部102から離れる方向(図中、右方向)に変位する。
そうすると、ドリブンプレート51とドライブプレート52とが、ピストン53の押圧部53aにより押されて、リテーニングプレート58側に変位する。
これにより、ドリブンプレート51とドライブプレート52とが、作動油圧に応じた圧力で、押圧部53aとリテーニングプレート58との間で把持される。
そして、ドリブンプレート51とドライブプレート52が相対回転不能に締結されると、後進ブレーキ5が締結状態になって、クラッチドラム6の回転が規制される。さらに、クラッチドラム6の周壁部62の内周にスプライン嵌合したリングギア32もまた、間接的に回転が規制される。
そうすると、ドリブンプレート51とドライブプレート52とが、ピストン53の押圧部53aにより押されて、リテーニングプレート58側に変位する。
これにより、ドリブンプレート51とドライブプレート52とが、作動油圧に応じた圧力で、押圧部53aとリテーニングプレート58との間で把持される。
そして、ドリブンプレート51とドライブプレート52が相対回転不能に締結されると、後進ブレーキ5が締結状態になって、クラッチドラム6の回転が規制される。さらに、クラッチドラム6の周壁部62の内周にスプライン嵌合したリングギア32もまた、間接的に回転が規制される。
[前進クラッチ]
前進クラッチ4は、クラッチドラム6の周壁部62の内周にスプライン嵌合したドリブンプレート41と、筒状の支持筒342の外周にスプライン嵌合したドライブプレート42と、油圧により回転軸X方向にストロークするピストン43と、を有している。
支持筒342は、いわゆるクラッチハブとしての機能を有する。
前進クラッチ4は、クラッチドラム6の周壁部62の内周にスプライン嵌合したドリブンプレート41と、筒状の支持筒342の外周にスプライン嵌合したドライブプレート42と、油圧により回転軸X方向にストロークするピストン43と、を有している。
支持筒342は、いわゆるクラッチハブとしての機能を有する。
図2の(b)に示すように、周壁部62においてドリブンプレート41は、回転軸X回りの回転が規制された状態で、回転軸X方向に移動可能に設けられている。
支持筒342においてドライブプレート42は、回転軸X周りの周方向における支持筒342との相対回転が規制された状態で、回転軸X方向に移動可能に設けられている。
支持筒342においてドライブプレート42は、回転軸X周りの周方向における支持筒342との相対回転が規制された状態で、回転軸X方向に移動可能に設けられている。
支持筒342は、外径側に位置するスプライン山部342aとスプライン谷部342bとが、回転軸X周りの周方向に交互に連なって形成されており、後記するキャリア34の側板部341と一体に形成されている(図3の(a)参照)。
支持筒342では、スプライン山部342aの外周に、ドライブプレート42がスプライン嵌合している。
支持筒342では、スプライン山部342aの外周に、ドライブプレート42がスプライン嵌合している。
図2に示すように、ドリブンプレート41とドライブプレート42は、回転軸X方向で交互に配置されている。ドリブンプレート41とドライブプレート42は、ドリブンプレート41の内径側とドライブプレート42の外径側とが重なるように配置されている。
ドリブンプレート41とドライブプレート42とから見て、ピストン43とは反対側(図中、左側)には、スナップリング49で位置決めされたリテーニングプレート48が設けられている。
ピストン43の押圧部43aは、ドリブンプレート51とドライブプレート52の重なる領域に、ウェーブスプリング47を間に挟んで対向している。
ピストン43の押圧部43aは、ドリブンプレート51とドライブプレート52の重なる領域に、ウェーブスプリング47を間に挟んで対向している。
ピストン43は、クラッチドラム6の底壁部61に設けたリング状の凹部610内で、回転軸X方向に進退移動可能に設けられている。
底壁部61におけるピストン43のリング状の基部430との対向部には、ピストン43の作動油圧が供給される油室R2が形成されている。
底壁部61におけるピストン43のリング状の基部430との対向部には、ピストン43の作動油圧が供給される油室R2が形成されている。
この油室R2に作動油圧が供給されると、ピストン43が、スプリングリテーナ45で支持されたスプリングSp2を圧縮しながら、底壁部61から離れる方向(図中、右方向)に変位する。
そうすると、ドリブンプレート41とドライブプレート42とが、ピストン43の押圧部43aにより押されて、リテーニングプレート48側に変位する。
これにより、ドリブンプレート41とドライブプレート42とが、作動油圧に応じた圧力で、押圧部43aとリテーニングプレート48との間で把持される。
そして、ドリブンプレート41とドライブプレート42が相対回転不能に締結されると、前進クラッチ4が締結状態になる。
ここで、ドライブプレート42がスプライン嵌合する支持筒342は、遊星歯車組3のキャリア34の側板部341と一体に形成されている。
そのため、前進クラッチ4が締結状態になると、クラッチドラム6と、遊星歯車組3のキャリア34との相対回転が規制される。
そうすると、ドリブンプレート41とドライブプレート42とが、ピストン43の押圧部43aにより押されて、リテーニングプレート48側に変位する。
これにより、ドリブンプレート41とドライブプレート42とが、作動油圧に応じた圧力で、押圧部43aとリテーニングプレート48との間で把持される。
そして、ドリブンプレート41とドライブプレート42が相対回転不能に締結されると、前進クラッチ4が締結状態になる。
ここで、ドライブプレート42がスプライン嵌合する支持筒342は、遊星歯車組3のキャリア34の側板部341と一体に形成されている。
そのため、前進クラッチ4が締結状態になると、クラッチドラム6と、遊星歯車組3のキャリア34との相対回転が規制される。
[遊星歯車組]
図2の(a)に示すように、遊星歯車組3は、回転伝達軸9と一体に回転するサンギア31と、クラッチドラム6と一体に回転するリングギア32と、を有しており、サンギア31とリングギア32との間には、一対のピニオンギア33A、33Bが位置している。
図2の(a)に示すように、遊星歯車組3は、回転伝達軸9と一体に回転するサンギア31と、クラッチドラム6と一体に回転するリングギア32と、を有しており、サンギア31とリングギア32との間には、一対のピニオンギア33A、33Bが位置している。
ピニオンギア33Aとピニオンギア33Bは、外周に設けた歯部同士を互い噛合させて設けられている。ピニオンギア33Aは、サンギア31の外周に噛合していると共に、ピニオンギア33Bは、リングギア32の内周に噛合している。遊星歯車組3は、ダブルピニオン式の遊星歯車機構である。なお、シングルピニオン式の遊星歯車機構であっても良い。
ピニオンギア33Aは、ニードルベアリングNBを介して、ピニオン軸331で支持されている。ピニオン軸331の両端は、キャリア34の側板部340、341で支持されている。
遊星歯車組3では、サンギア31および/またはリングギア32が回転軸X回りに回転すると、ピニオン軸331で支持されたピニオンギア33Aと、このピニオンギア33Aに噛合するピニオンギア33Bとが、自転しながら回転軸X周りに公転する。
遊星歯車組3では、サンギア31および/またはリングギア32が回転軸X回りに回転すると、ピニオン軸331で支持されたピニオンギア33Aと、このピニオンギア33Aに噛合するピニオンギア33Bとが、自転しながら回転軸X周りに公転する。
図1に示すように、変速機ケース10の内部において遊星歯車組3は、前記した前進クラッチ4と共に、クラッチドラム6の内部に収容されている。
図2の(a)に示すように、クラッチドラム6は、回転軸X方向から見てリング状を成す底壁部61と、底壁部61の外周を全周に亘って囲む外側の周壁部62と、底壁部61の内周を全周に亘って囲む内側の周壁部63と、を有している。
周壁部62は、回転軸X方向における底壁部61とは反対側(図中、左側)が、開口部60となっている。
周壁部62は、回転軸X方向における底壁部61とは反対側(図中、左側)が、開口部60となっている。
内側の周壁部63は、回転軸Xに沿う円筒状を成しており、この周壁部63は、カバー部11の内径側に設けられた筒状の支持壁部12に、図示しない変速機構部側(図2における左側)から外挿されている。
この状態においてクラッチドラム6は、変速機ケース10側の固定部材である支持壁部12で、回転軸X回りの回転が許容された状態で支持されている。
この状態においてクラッチドラム6は、変速機ケース10側の固定部材である支持壁部12で、回転軸X回りの回転が許容された状態で支持されている。
内側の周壁部63の先端には、支持壁部12を迂回して内径側(回転軸X側)に延びる連絡部64が設けられており、この連絡部64の内径側には、円筒状の支持筒65が設けられている。
支持筒65は、連絡部64の内周端から、サンギア31から離れる方向(図中、右方向)に直線状に延びている。支持筒65の先端65aは、支持壁部12の内径側に及んでいると共に、支持壁部12の内周に圧入された円筒状のシャフト15の先端15aとの間に隙間を空けて対向している。
支持筒65の外周と周壁部63の内周との間には、ニードルベアリングNB1が設けられている。回転軸X方向においてニードルベアリングNB1は、連絡部64と、支持壁部12の先端12aとの間に介在しており、連絡部64と支持壁部12との直接の接触を阻止している。
支持筒65は、回転軸X方向に所定長さL1を持って形成されており、支持筒65の内周は、回転伝達軸9の外周にブッシュBS(摩擦抵抗が少ない金属リング)を介して支持されている。ブッシュBSは、クラッチドラム6の支持筒65の内周に圧入されている。この状態において支持筒65を持つクラッチドラム6は、回転軸Xに対する傾きが支持筒65により規制された状態で、支持壁部12で回転軸X回りに回転可能に支持されている。
さらに、クラッチドラム6の径方向の位置決めが、回転伝達軸9で支持されたブッシュBSでされている。
さらに、クラッチドラム6の径方向の位置決めが、回転伝達軸9で支持されたブッシュBSでされている。
前記したように回転伝達軸9は、図示しないトルクコンバータ側の出力軸である。回転伝達軸9は、支持壁部12の内周に圧入された円筒状のシャフト15で、回転可能に支持されている。
回転伝達軸9の先端9a側は、支持筒65の内径側を回転軸X方向に貫通しており、回転伝達軸9の先端9a側では、支持筒65との干渉を避けた位置の外周に、サンギア31が一体に形成されている。
回転伝達軸9の先端9a側は、支持筒65の内径側を回転軸X方向に貫通しており、回転伝達軸9の先端9a側では、支持筒65との干渉を避けた位置の外周に、サンギア31が一体に形成されている。
回転伝達軸9においてサンギア31は、先端9aからトルクコンバータ側(図中、右側)に離れた位置の外周から、回転軸Xの径方向外側に突出している。
回転軸X方向におけるサンギア31の一方の側面31aと、クラッチドラム6側の連絡部64との間には、ニードルベアリングNB2が介在している。
回転伝達軸9の先端9a側は、キャリア34の内径側に設けた筒状の連結部343の内側に挿入されている。
回転軸X方向におけるサンギア31の一方の側面31aと、クラッチドラム6側の連絡部64との間には、ニードルベアリングNB2が介在している。
回転伝達軸9の先端9a側は、キャリア34の内径側に設けた筒状の連結部343の内側に挿入されている。
回転伝達軸9の外周と、連結部343の内周との間には、ブッシュBSが設けられており、キャリア34の連結部343は、ブッシュBSを介して回転伝達軸9で支持されている。キャリア34の連結部343と回転伝達軸9は、回転軸X回りに相対回転可能である。
キャリア34の側板部340は、連結部343のトルクコンバータ側の端部から径方向外側に延びており、側板部340には、変速機構部側の入力軸81の先端81aが、回転軸X方向から突き当てられている。
この状態において、入力軸81の内周と、連結部343の外周とがスプライン嵌合しており、キャリア34の連結部343と、変速機構部側の入力軸81とが、相対回転不能に連結されている。
この状態において、入力軸81の内周と、連結部343の外周とがスプライン嵌合しており、キャリア34の連結部343と、変速機構部側の入力軸81とが、相対回転不能に連結されている。
遊星歯車組3では、サンギア31が、トルクコンバータ側から回転が入力される入力部であり、キャリア34が、変速機構部側に回転を出力する出力部である。なお、無段変速機1を搭載した車両の被牽引走行時には、入力部と出力部とが逆になる。
なお、本明細書では、遊星歯車組3における入力部でも出力部でもない箇所を、「浮遊部材」と呼ぶ。本実施形態では、リングギア32が「浮遊部材」に相当する。
なお、本明細書では、遊星歯車組3における入力部でも出力部でもない箇所を、「浮遊部材」と呼ぶ。本実施形態では、リングギア32が「浮遊部材」に相当する。
遊星歯車組3のリングギア32は、クラッチドラム6の外径側の周壁部62の内周にスプライン嵌合している。
図3の(a)に示すように、クラッチドラム6の外径側の周壁部62は、底壁部61側の小径部621と、小径部621よりも大径の大径部622と、を有している。
周壁部62では、大径部622の領域が、スプライン山部622aとスプライン谷部622bとが、回転軸X周りの周方向に交互に連なって形成されている。
図3の(a)に示すように、クラッチドラム6の外径側の周壁部62は、底壁部61側の小径部621と、小径部621よりも大径の大径部622と、を有している。
周壁部62では、大径部622の領域が、スプライン山部622aとスプライン谷部622bとが、回転軸X周りの周方向に交互に連なって形成されている。
これらスプライン山部622aとスプライン谷部622bは、周壁部62の先端62aから、小径部621との接続部までの範囲に形成されている。
大径部622においてスプライン山部622aとスプライン谷部622bは、回転軸X方向の全長に亘って設けられている(延在している)。
大径部622においてスプライン山部622aとスプライン谷部622bは、回転軸X方向の全長に亘って設けられている(延在している)。
クラッチドラム6の周壁部62では、スプライン山部622aとスプライン谷部622bが、大径部622の長手方向(回転軸X方向)の全長に亘って設けられている。
ここで、大径部622における小径部621側の領域の外周には、後進ブレーキ5側の部品が位置していない。そして、大径部622では、スプライン山部622aとスプライン谷部622bとが、回転軸周りの周方向に交互に配置されている。そのため、大径部622における小径部621側の領域の外周を、回転速度センサ120のセンサ領域(被検出部)として用いることができる。
ここで、大径部622における小径部621側の領域の外周には、後進ブレーキ5側の部品が位置していない。そして、大径部622では、スプライン山部622aとスプライン谷部622bとが、回転軸周りの周方向に交互に配置されている。そのため、大径部622における小径部621側の領域の外周を、回転速度センサ120のセンサ領域(被検出部)として用いることができる。
図3の(a)において仮想線で示す位置に回転速度センサ120を配置すると、図3の(b)に示すように、回転速度センサ120のセンサ面120aの延長上に、スプライン山部622aとスプライン谷部622bとが位置することになる。
そうすると、回転速度センサ120は、スプライン山部622aとスプライン谷部622bに対応するオン信号とオフ信号とから成るパルス信号を、図示しない制御装置に、出力することができる。
そうすると、回転速度センサ120は、スプライン山部622aとスプライン谷部622bに対応するオン信号とオフ信号とから成るパルス信号を、図示しない制御装置に、出力することができる。
図3の(a)において回転速度センサ120が設けられた領域は、変速機ケース10内の前後進切替機構2が設けられる領域と、オイルポンプが設けられる領域とを区画する支持壁部101(図1参照)の近傍領域である。そのため、回転速度センサ120を設けることができる開口が存在しており、変速機ケース10の形状変更や、変速機ケース10内でのレイアウト変更を必要とせずに、回転速度センサ120を設置できるようになっている。
周壁部62の大径部622は、前進クラッチ4と遊星歯車組3のリングギア32の径方向外側を、回転軸X方向に横切って設けられている。
周壁部62の先端62a側の外周には、前記した後進ブレーキ5(図1参照)のドライブプレート52がスプライン嵌合している。リングギア32は、後進ブレーキ5のドリブンプレート51とドライブプレート52とが交互に配置された領域の内径側に設けられている。
周壁部62の先端62a側の外周には、前記した後進ブレーキ5(図1参照)のドライブプレート52がスプライン嵌合している。リングギア32は、後進ブレーキ5のドリブンプレート51とドライブプレート52とが交互に配置された領域の内径側に設けられている。
図3の(a)に示すように、リングギア32は、内周に歯部32aを有するリング状の基部320と、基部320の外周から径方向外側に突出するスプライン嵌合部321とを有している。
リングギア32は、内歯歯車であり、内歯歯車の外周面(歯面の裏側の面)が形成された部位が2つのスナップリング(第1スナップリング38、第2スナップリング39)により支持されている。
基部320の外周においてスプライン嵌合部321は、回転軸X方向の一端側(開口部60側)の外周から径方向外側に突出している。スプライン嵌合部321は、リングギア32を、クラッチドラム6側の大径部622の内周にスプライン嵌合させるために設けられている。
リングギア32は、内歯歯車であり、内歯歯車の外周面(歯面の裏側の面)が形成された部位が2つのスナップリング(第1スナップリング38、第2スナップリング39)により支持されている。
基部320の外周においてスプライン嵌合部321は、回転軸X方向の一端側(開口部60側)の外周から径方向外側に突出している。スプライン嵌合部321は、リングギア32を、クラッチドラム6側の大径部622の内周にスプライン嵌合させるために設けられている。
スプライン嵌合部321の回転軸方向の幅W1は、基部320の回転軸X方向の幅W2よりも短い幅で形成されており、これらの幅W1、W2は、キャリア34の側板部340、341の幅W3よりも狭い幅である。
リングギア32を大径部622の内周にスプライン嵌合させると、スプライン嵌合部321よりも前進クラッチ4側(図中右側)に、径方向の隙間CL1が形成される。
リングギア32を大径部622の内周にスプライン嵌合させると、スプライン嵌合部321よりも前進クラッチ4側(図中右側)に、径方向の隙間CL1が形成される。
大径部622の内周では、リングギア32のスプライン嵌合部321の両側に、第1スナップリング38と第2スナップリング39が内嵌して固定されている。
これら第1スナップリング38と第2スナップリング39は、リングギア32の回転軸X方向の位置決めのために設けられている。第1スナップリング38と第2スナップリング39は、周壁部62に設けた溝M1、M2にそれぞれ係合しており、第1スナップリング38と第2スナップリング39の回転軸X方向の厚さb1、b2は、溝M1、M2の回転軸方向の厚さと整合する厚さを有している。
これら第1スナップリング38と第2スナップリング39は、リングギア32の回転軸X方向の位置決めのために設けられている。第1スナップリング38と第2スナップリング39は、周壁部62に設けた溝M1、M2にそれぞれ係合しており、第1スナップリング38と第2スナップリング39の回転軸X方向の厚さb1、b2は、溝M1、M2の回転軸方向の厚さと整合する厚さを有している。
本実施形態では、第1スナップリング38は、リングギア32の径方向外側の領域から回転軸X方向に位置をずらして設けられており、第1スナップリング38は、リングギア32と径方向でオーバーラップしていない。
第1スナップリング38は、有底筒状のクラッチドラム6の開口からのリングギア32の脱落を阻止するために設けられている。
第1スナップリング38は、有底筒状のクラッチドラム6の開口からのリングギア32の脱落を阻止するために設けられている。
第2スナップリング39は、リングギア32の径方向外側の領域内に位置しており、第2スナップリング39は、リングギア32と径方向でオーバーラップしている。
第2スナップリング39は、クラッチドラム6の底壁部61側へのリングギア32の移動を阻止するために設けられている。
リングギア32は、第2スナップリング39により位置決めされた状態で、前記した前進クラッチ4のスナップリング49(第3スナップリング)との干渉を避けて設けられている。そのため、リングギア32とスナップリング49との間に回転軸方向の隙間が残されている。
リングギア32とスナップリング49とが常に接していると、ピストン43(クラッチピストン)の押し力をリングギア32が受けた際に、リングギア32のサンギア31およびピニオンギア33A、33Bに対する相対的な偏心量が大きくなる。そうすると、ギアノイズを生じる可能性があるが、隙間が残されていることで、ギアノイズの発生を好適に防止できる。
第2スナップリング39は、クラッチドラム6の底壁部61側へのリングギア32の移動を阻止するために設けられている。
リングギア32は、第2スナップリング39により位置決めされた状態で、前記した前進クラッチ4のスナップリング49(第3スナップリング)との干渉を避けて設けられている。そのため、リングギア32とスナップリング49との間に回転軸方向の隙間が残されている。
リングギア32とスナップリング49とが常に接していると、ピストン43(クラッチピストン)の押し力をリングギア32が受けた際に、リングギア32のサンギア31およびピニオンギア33A、33Bに対する相対的な偏心量が大きくなる。そうすると、ギアノイズを生じる可能性があるが、隙間が残されていることで、ギアノイズの発生を好適に防止できる。
第1スナップリング38の径方向の長さa1は、第2スナップリング39の径方向の長さa2よりも大きい。
これは、第2スナップリング39を、リングギア32と径方向でオーバーラップして配置するため、リングギア32の基部320の外周と、周壁部62(スプライン谷部622b)の内周との隙間CL1に収容可能な長さである必要があるからである。
これにより、第2スナップリング39は、リングギア32の径方向外側の領域から回転軸X方向に位置をずらして設ける必要が無いので、クラッチドラム6の周壁部62の回転軸X方向への大型化を防止できる。
これは、第2スナップリング39を、リングギア32と径方向でオーバーラップして配置するため、リングギア32の基部320の外周と、周壁部62(スプライン谷部622b)の内周との隙間CL1に収容可能な長さである必要があるからである。
これにより、第2スナップリング39は、リングギア32の径方向外側の領域から回転軸X方向に位置をずらして設ける必要が無いので、クラッチドラム6の周壁部62の回転軸X方向への大型化を防止できる。
第1スナップリング38の回転軸X方向の厚さb1は、第2スナップリング39の回転軸X方向の厚さb2と異なっている。これは、第1スナップリング38と第2スナップリング39とを区別できるようにするためである。
また、第1スナップリング38の回転軸X方向の厚さb1は、第2スナップリング39の軸方向の厚さb2よりも薄くなっている。第1スナップリング38の回転軸X方向の厚さb1が厚いと、周壁部62の開口部60側に、遊星歯車組3などの部品の配置に寄与しない空間が残されてしまう。かかる空間が残されていると、クラッチドラム6の周壁部62の回転軸X方向の大きさが大きくなってしまい、好ましくない。
クラッチドラム6において、第2スナップリング39は、第1スナップリング38よりも底壁部61側(奥側)に位置している。有底円筒形状のクラッチドラム6では、第1スナップリング38のほうが、第2スナップリング39よりも開口部60側に配置されている。
回転軸X方向の厚さが薄いスナップリング(第1スナップリング38)を開口部60側に設けることで、クラッチドラム6の周壁部62の内側の開口部60側の空間を有効に利用できる。
回転軸X方向の厚さが薄いスナップリング(第1スナップリング38)を開口部60側に設けることで、クラッチドラム6の周壁部62の内側の開口部60側の空間を有効に利用できる。
第2スナップリング39から見て、クラッチドラム6の底壁部61側(奥側)には、前進クラッチ4のスナップリング49(第3スナップリング)が設けられている。スナップリング49は、第2スナップリング39およびリングギア32との間に間隔をあけて設けられている。
回転軸X方向において第2スナップリング39は、第1スナップリング38とスナップリング49との間に位置している。
回転軸X方向において第2スナップリング39は、第1スナップリング38とスナップリング49との間に位置している。
第2スナップリング39は、第1スナップリング38よりも断面が偏平な形状を有しており、径方向の長さa2が小さいので、リングギア32が前進クラッチ4側に傾く可能性がある。かかる場合には、第2スナップリング39に近接するスナップリング49で、リングギア32の傾きを阻止することができる。
また、第1スナップリング38と第2スナップリング39との間に、リングギア32のスプライン嵌合部321が位置しており、リングギア32が僅かなガタを持って配置されている。そのため、サンギア31やキャリア34が回転軸Xに対して傾いた際に、リングギア32が自立的に調心できるようになっている。
また、第1スナップリング38と第2スナップリング39との間に、リングギア32のスプライン嵌合部321が位置しており、リングギア32が僅かなガタを持って配置されている。そのため、サンギア31やキャリア34が回転軸Xに対して傾いた際に、リングギア32が自立的に調心できるようになっている。
さらに、遊星歯車組3では、リングギア32が浮遊部材として設定されており、このリングギア32が、クラッチドラム6(ドラム部材)の周壁部62に固定されている。これにより、浮遊部材であるリングギア32の支持部材を新たに設ける必要がない。
さらに、後進ブレーキ5のドライブプレート52を、リングギア32を支持する周壁部62に支持させたので、周壁部62を二つの部品の固定および支持に共用している。これにより、専用の部品を設けて、固定/支持させる場合よりも部品点数を削減することが可能となる。これにより、無段変速機1の作製コストの低減が期待できる。
また、周壁部62では、スプライン山部622aとスプライン谷部622bを持つ大径部622が、後進ブレーキ5と前進クラッチ4に跨がる回転軸X方向の範囲に設けられている。
これにより、大径部622では、前進クラッチ4が設けられた領域の外径側の領域のスプライン山部622aとスプライン谷部622bを、回転速度センサ120の検知面として利用できる。よって、専用の検知面を用意する場合に比べて、無段変速機1の作製コストの低減が可能になる。
これにより、大径部622では、前進クラッチ4が設けられた領域の外径側の領域のスプライン山部622aとスプライン谷部622bを、回転速度センサ120の検知面として利用できる。よって、専用の検知面を用意する場合に比べて、無段変速機1の作製コストの低減が可能になる。
以上の通り、実施形態にかかるリングギア32(歯車)の支持構造は、以下の構成を有している。
(1)支持構造は、
遊星歯車組3のリングギア32(歯車)と嵌合するクラッチドラム6(支持部材)と、
クラッチドラム6の周壁部62に取り付けられ、且つ、リングギア32を支持する第1スナップリング38及び第2スナップリング39と、を有する。
第1スナップリング38は、リングギア32と径方向においてオーバーラップしない。
第2スナップリング39は、リングギア32と径方向においてオーバーラップする。
第1スナップリング38の径方向の長さa1は、第2スナップリング39の径方向の長さa2よりも大きい。
(1)支持構造は、
遊星歯車組3のリングギア32(歯車)と嵌合するクラッチドラム6(支持部材)と、
クラッチドラム6の周壁部62に取り付けられ、且つ、リングギア32を支持する第1スナップリング38及び第2スナップリング39と、を有する。
第1スナップリング38は、リングギア32と径方向においてオーバーラップしない。
第2スナップリング39は、リングギア32と径方向においてオーバーラップする。
第1スナップリング38の径方向の長さa1は、第2スナップリング39の径方向の長さa2よりも大きい。
このように構成すると、第2スナップリング39は、従来相当の支持能力を有する一方、第1スナップリング38は、第2スナップリング39よりも径方向に長いので、従来よりも高い支持能力を有する。これによりトータルとしての支持能力を向上することができる。
両方のスナップリング(第1スナップリング38、第2スナップリング39)を、リングギア32と径方向においてオーバーラップしないようにする場合と比較すると、本支持構造は軸長方向(回転軸X方向)を短縮できる点でメリットがある。
これにより、第1スナップリング38と第2スナップリング39により、リングギア32(歯車)の回転軸X方向の軸長を抑えつつリングギア32(歯車)を適切に支持できる。
両方のスナップリング(第1スナップリング38、第2スナップリング39)を、リングギア32と径方向においてオーバーラップしないようにする場合と比較すると、本支持構造は軸長方向(回転軸X方向)を短縮できる点でメリットがある。
これにより、第1スナップリング38と第2スナップリング39により、リングギア32(歯車)の回転軸X方向の軸長を抑えつつリングギア32(歯車)を適切に支持できる。
実施形態にかかるリングギア32(歯車)の支持構造は、以下の構成を有している。
(2)第1スナップリング38の回転軸X方向の厚さb1は、第2スナップリング39の回転軸方向の厚さb2と異なる。
(2)第1スナップリング38の回転軸X方向の厚さb1は、第2スナップリング39の回転軸方向の厚さb2と異なる。
第1スナップリング38と第2スナップリング39は、回転軸X方向の側面を指で挟んだ状態で、周壁部62の内周に取り付けられる。
第1スナップリング38と第2スナップリング39の回転軸X方向の厚さb1、b2を代えることで、取付時のスナップリングの選択ミス(誤組付け)を防止できる。
これにより、第1スナップリング38を取り付けるべき場所に第2スナップリング39を誤って取り付けてしまうことや、第2スナップリング39を取り付けるべき場所に第1スナップリング38を誤って取り付けてしまうことを、好適に防止できる。
なお、当該支持構造を有する動力伝達装置(変速機、減速機等)の製造方法においては、第2スナップリング39を取り付けた後に第1スナップリング38を取り付けることになる。
第1スナップリング38と第2スナップリング39の回転軸X方向の厚さb1、b2を代えることで、取付時のスナップリングの選択ミス(誤組付け)を防止できる。
これにより、第1スナップリング38を取り付けるべき場所に第2スナップリング39を誤って取り付けてしまうことや、第2スナップリング39を取り付けるべき場所に第1スナップリング38を誤って取り付けてしまうことを、好適に防止できる。
なお、当該支持構造を有する動力伝達装置(変速機、減速機等)の製造方法においては、第2スナップリング39を取り付けた後に第1スナップリング38を取り付けることになる。
実施形態にかかるリングギア32(歯車)の支持構造は、以下の構成を有している。
(3)クラッチドラム6(支持部材)は、回転軸X方向に開口した開口部60と、開口部60から視た奥側に底壁部61(底部)と、を有する。
第1スナップリング38は、第2スナップリング39よりも開口部60側に配置されている。
(3)クラッチドラム6(支持部材)は、回転軸X方向に開口した開口部60と、開口部60から視た奥側に底壁部61(底部)と、を有する。
第1スナップリング38は、第2スナップリング39よりも開口部60側に配置されている。
クラッチドラム6の開口部60側には空きスペースが多い。そのため、空きスペース側に軸長増加の要因となりうる第1スナップリング38を配置することにより、空きスペースを有効活用でき、トータルとしての軸長増加を抑制することができる。
実施形態にかかるリングギア32(歯車)の支持構造は、以下の構成を有している。
(4)クラッチドラム6(支持部材)は、回転軸X方向に開口した開口部60と、開口部60から視た奥側に底壁部61(底部)と、を有する。
第1スナップリング38は、第2スナップリング39よりも開口部60側に配置されている。
第2スナップリング39の回転軸X方向の厚さb2は、第1スナップリング38の回転軸X方向の厚さb1よりも大きい。
(4)クラッチドラム6(支持部材)は、回転軸X方向に開口した開口部60と、開口部60から視た奥側に底壁部61(底部)と、を有する。
第1スナップリング38は、第2スナップリング39よりも開口部60側に配置されている。
第2スナップリング39の回転軸X方向の厚さb2は、第1スナップリング38の回転軸X方向の厚さb1よりも大きい。
クラッチドラム6が、底壁部61と開口部60を有する場合、底壁部61側から順番に部品が取り付けられる。よって、先に取り付けられる第2スナップリング39の厚さb2を、後に取り付けられる第1スナップリング38の厚さb1よりも厚くすることで、誤組みを確実に防止することができる。
さらに、トータルとしての軸長増加を抑制することができる。
さらに、トータルとしての軸長増加を抑制することができる。
即ち、第2スナップリング39を取り付けるべき時に、第2スナップリング39よりも径方向に長い第1スナップリング38を取り付けてしまうと、第1スナップリング38がリングギア32と干渉してしまうので、リングギア32の組み付けが行えなくなる。
よって、リングギア32の組み付けが行えないことをもって、第2スナップリング39を取り付けるべき場所に、第1スプリングを誤って組み付けたことを理解できる。
よって、リングギア32の組み付けが行えないことをもって、第2スナップリング39を取り付けるべき場所に、第1スプリングを誤って組み付けたことを理解できる。
また、第2スナップリング39の軸方向の長さb2は、第1スナップリング38の軸方向の長さb1よりも長く、第1スナップリング38が取り付けられる溝M1の軸方向の長さよりも長い。
そのため、第2スナップリング39とリングギア32の取り付けを適切に完了した後に、第1スナップリング38を取り付けるべき溝M1に、第2スナップリング39を取り付けようとしても、第2スナップリング39を取り付けることができない。
よって、溝M1への第2スナップリング39の取り付けを行えないことをもって、第1スナップリング38を取り付けるべき場所に、第2スナップリング39を誤って取り付けようとしていることを理解できる。
これにより、誤組みを確実に防止することができる。
そのため、第2スナップリング39とリングギア32の取り付けを適切に完了した後に、第1スナップリング38を取り付けるべき溝M1に、第2スナップリング39を取り付けようとしても、第2スナップリング39を取り付けることができない。
よって、溝M1への第2スナップリング39の取り付けを行えないことをもって、第1スナップリング38を取り付けるべき場所に、第2スナップリング39を誤って取り付けようとしていることを理解できる。
これにより、誤組みを確実に防止することができる。
実施形態にかかるリングギア32(歯車)の支持構造は、以下の構成を有している。
(5)クラッチドラム6(支持部材)に嵌合するリテーニングプレート48(プレート)を支持するスナップリング49(第3スナップリング)を有する。
第2スナップリング39は、第1スナップリング38とスナップリング49(第3スナップリング)との間に位置する。
スナップリング49(第3スナップリング)は、リングギア32(歯車)と離間して配置されている。
(5)クラッチドラム6(支持部材)に嵌合するリテーニングプレート48(プレート)を支持するスナップリング49(第3スナップリング)を有する。
第2スナップリング39は、第1スナップリング38とスナップリング49(第3スナップリング)との間に位置する。
スナップリング49(第3スナップリング)は、リングギア32(歯車)と離間して配置されている。
第2スナップリング39を廃止してリテーニングプレート48を支持するスナップリング49(第3スナップリング)でリングギア32を支持することも考えられる。
しかし、プレート押付け力がリングギア32に伝わり遊星歯車組3が傾くことを防止するため、スナップリング49(第3スナップリング)とリングギア32は離間して配置することが好ましい。
しかし、プレート押付け力がリングギア32に伝わり遊星歯車組3が傾くことを防止するため、スナップリング49(第3スナップリング)とリングギア32は離間して配置することが好ましい。
実施形態にかかるリングギア32(歯車)の支持構造は、以下の構成を有している。
(6)スナップリング49(第3スナップリング)の径方向の長さa3は、第2スナップリング39の径方向の長さa2よりも大きい。
スナップリング49(第3スナップリング)は、リングギア32(歯車)と隣り合う位置に配置されている。
(6)スナップリング49(第3スナップリング)の径方向の長さa3は、第2スナップリング39の径方向の長さa2よりも大きい。
スナップリング49(第3スナップリング)は、リングギア32(歯車)と隣り合う位置に配置されている。
スナップリング49(第3スナップリング)は、通常時はリングギア32に悪影響を与えないように離間して配置するものの、近くの位置、即ち、隣合う位置に配置する。
リングギア32とスナップリング49とが常に接していると、ピストン43(クラッチピストン)の押し力をリングギア32が受けた際に、リングギア32のサンギア31およびピニオンギア33A、33Bに対する相対的な偏心量が大きくなる。そうすると、ギアノイズを生じる可能性があるが、スナップリング49が、リングギア32から離間していることで、ギアノイズの発生を好適に防止できる。
リングギア32とスナップリング49とが常に接していると、ピストン43(クラッチピストン)の押し力をリングギア32が受けた際に、リングギア32のサンギア31およびピニオンギア33A、33Bに対する相対的な偏心量が大きくなる。そうすると、ギアノイズを生じる可能性があるが、スナップリング49が、リングギア32から離間していることで、ギアノイズの発生を好適に防止できる。
本実施形態では、支持部材がクラッチドラム6である場合を例示したが、変速機ケースのような他の支持部材(固定部材)であっても良い。
さらに、本実施形態では、歯車が、遊星歯車組3のリングギア32の場合を例に挙げて説明したが、歯車であればどのようなものでも本発明を適用することができる。
さらに、本実施形態では、歯車が、遊星歯車組3のリングギア32の場合を例に挙げて説明したが、歯車であればどのようなものでも本発明を適用することができる。
以上、本願発明の実施形態を説明したが、本願発明は、これら実施形態に示した態様のみに限定されるものではない。発明の技術的な思想の範囲内で、適宜変更可能である。
Claims (6)
- 歯車と嵌合する支持部材と、
前記支持部材に取り付けられ、且つ、前記歯車を支持する第1スナップリング及び第2スナップリングと、
を有し、
前記第1スナップリングは、前記歯車と径方向においてオーバーラップせず、
前記第2スナップリングは、前記歯車と径方向においてオーバーラップし、
前記第1スナップリングの径方向の長さは、前記第2スナップリングの径方向の長さよりも大きい、歯車の支持構造。 - 請求項1において、
前記第1スナップリングの軸方向の厚さは、前記第2スナップリングの軸方向の厚さと異なる、歯車の支持構造。 - 請求項1又は請求項2において、
前記支持部材は、軸方向に開口した開口部と、前記開口部から視て奥側の底部と、を有し、
前記第1スナップリングは、前記第2スナップリングよりも開口部側に配置されている、歯車の支持構造。 - 請求項3において、
前記第2スナップリングの軸方向の厚さは、前記第1スナップリングの軸方向の厚さよりも大きい、歯車の支持構造。 - 請求項1〜4のいずれか一項において、
前記支持部材に嵌合するプレートを支持する第3スナップリングを有し、
前記第2スナップリングは、前記第1スナップリングと前記第3スナップリングとの間に位置し、
前記第3スナップリングは、前記歯車と離間して配置されている、歯車の支持構造。 - 請求項5において、
前記第3スナップリングの径方向の長さは、前記第2スナップリングの径方向の長さよりも大きく、
前記第3スナップリングは、前記歯車と隣り合う位置に配置されている、歯車の支持構造。
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