JP2011075077A - 変速機の制御装置および制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】変速機内の同一軸上に複数の回転速度センサを設けることなく、変速機に入力されるトルクを精度よく算出する。
【解決手段】ECUは、変速機の入力軸と出力軸とが直結状態(変速比=1)であるという条件を含む初期処理の実行条件が成立すると(S100にてYES)、初期条件成立時の入力軸回転速度センサからのパルス信号および出力軸回転速度センサからのパルス信号に基づいて、直結状態かつ入力トルクが0である時の両パルス信号の位相差を表わす初期位相差Δtを算出し(S102)、その後に直結状態が保持されていると(S104にてYES)、両パルス信号の実際の位相差tから初期位相差Δtを減じた値を捩れ位相差taとして算出し(S106)、捩れ位相差taに対応する入力トルクTを、捩れ位相差と入力トルクとの関係を予め記憶した捩れマップを用いて算出する(S108)。
【選択図】図11

Description

本発明は、変速機を制御する技術に関し、特に、変速機に入力されるトルクの算出する技術に関する。
一般に、車両に搭載される油圧式の自動変速機は、ライン圧を元圧として制御される。このライン圧は、通常、エンジンの動力で駆動するオイルポンプが出力する油圧を減圧して得られる。そのため、燃費向上を図るためには、ライン圧を可能な限り低くすることが望ましい。その一方で、ライン圧を低下させると各クラッチや各ブレーキの係合力が低下し、自動変速機に入力されるトルクによっては各クラッチや各ブレーキを係合状態に維持できなくなる可能性も生じる。
そのため、近年では、さまざまなパラメータを用いて自動変速機の入力トルクを算出(推定)し、算出した入力トルクに基づいてライン圧を制御している。したがって、適切なライン圧に設定するためには、自動変速機の入力トルクを精度よく算出することが重要となる。
このような自動変速機の入力トルクの算出に関する技術が、たとえば特開平3−14961号公報(特許文献1)に開示されている。特許文献1に開示された技術は、変速機における同一駆動軸上の異なる二箇所に回転速度センサをぞれぞれ備え、それら2つの回転速度センサで検出された回転信号の間の位相差に基づいて、変速機の駆動トルクを算出するものである。
特開平3−14961号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、同一駆動軸上に回転速度センサを2つ設ける必要があるため、少なくとも1つの回転速度センサはトルク算出のためだけに設置することになり、コストアップに繋がる。また、同一駆動軸上に回転速度センサを2つ設けることは、小型化が求められる変速機では実現が難しい。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、変速機内の同一軸上に複数の回転速度センサを設けることなく、変速機に入力されるトルクを精度よく算出することができる変速機の制御装置および制御方法を提供することである。
この発明に係る制御装置は、動力源に連結される第1軸と第1軸とは異なる第2軸とを有し、第1および第2軸が一体的に回転する直結状態と第1および第2軸が一体的には回転しない非直結状態との切換が可能な変速機を制御する。この制御装置は、第1軸の回転速度に応じた第1周期で第1パルス信号を出力する第1センサと、第2軸の回転速度に応じた第2周期で第2パルス信号を出力する第2センサと、第1および第2センサに接続された制御ユニットとを含む。制御ユニットは、直結状態かつ第1および第2軸間の捩れ量が零であるときの第1および第2パルス信号間の初期位相差と、直結状態であるときの第1および第2パルス信号間の実位相差とに基づいて、変速機の入力トルクを算出する。
好ましくは、制御ユニットは、第1軸の回転速度と変速機の入力トルクとの対応関係を示す第1マップと、変速機の入力トルクと直結状態のときの捩れ量に相当する値との対応関係を示す第2マップと、を予め記憶する記憶部と、直結状態であるという第1条件を含む。初期条件が成立した場合に、第1および第2マップを用いて初期位相差を算出する第1算出部と、初期位相差が算出された後に第1条件が継続して成立している場合に、実位相差と初期位相差とに基づいて捩れ量に相当する値を算出し、算出された捩れ量に相当する値に対応する入力トルクを第2マップを用いて算出する第2算出部とを含む。
より好ましくは、捩れ量に相当する値は、直結状態のときの第1および第2軸間の捩れによって生じる第1および第2パルス信号間の捩れ位相差である。
より好ましくは、第1算出部は、初期条件成立時の第1軸の回転速度に対応する入力トルクを第1マップを用いて算出し、第1マップを用いて算出した入力トルクに対応する捩れ位相差を第2マップを用いて算出し、第2マップを用いて算出した捩れ位相差と初期条件成立時の実位相差との差分を初期位相差として算出する。
好ましくは、動力源は、スロットル開度によって出力トルクが調整される内燃機関である。第1マップは、第1軸の回転速度およびスロットル開度に対する変速機の入力トルクを予め設定したマップである。初期条件は、第1条件に加えて、スロットル開度が予め定められた開度より小さくかつ第1軸の回転速度の単位時間あたりの変動量が予め定められた量よりも小さいという第2条件をさらに含む。
好ましくは、変速機は、動力源の動力で発生する油圧を調圧して得られるライン圧を元圧として制御される。制御ユニットは、第2算出部が算出した入力トルクに基づいてライン圧を制御するライン圧制御部をさらに含む。
好ましくは、変速機は、動力源の動力で発生する油圧を調圧して得られるライン圧を元圧として制御される。制御ユニットは、第2算出部が算出した入力トルクに基づいて、第1マップが示す第1軸の回転速度と変速機の入力トルクとの対応関係を補正する補正部と、第1センサの出力結果で得られた第1軸の回転速度に対応する入力トルクを第1マップを用いて算出し、第1マップを用いて算出した入力トルクに基づいてライン圧を制御するライン圧制御部とをさらに含む。
好ましくは、第1センサの検出対象および第2センサの検出対象は、直結状態であるときの第1周期および第2周期のいずれか一方が他方の自然数倍となる態様で設けられる。
この発明の別の局面に係る制御方法は、動力源に連結される第1軸と第1軸とは異なる第2軸とを有し、第1および第2軸が一体的に回転する直結状態と第1および第2軸が一体的には回転しない非直結状態との切換が可能な変速機の制御装置が行なう制御方法である。制御装置には、第1軸の回転速度に応じた第1周期で第1パルス信号を出力する第1センサと、第2軸の回転速度に応じた第2周期で第2パルス信号を出力する第2センサとが接続される。制御装置は、第1軸の回転速度と変速機の入力トルクとの対応関係を示す第1マップと、変速機の入力トルクと直結状態のときの第1および第2軸間の捩れ量に相当する値との対応関係を示す第2マップと、を予め記憶する。制御方法は、直結状態であるという第1条件を含む。初期条件が成立した場合に、第1および第2マップを用いて、直結状態かつ捩れ量が零であるときの第1および第2パルス信号間の初期位相差を算出するステップと、初期位相差が算出された後に第1条件が継続して成立している場合に、第1および第2パルス信号間の実位相差と初期位相差とに基づいて捩れ量に相当する値を算出し、算出された捩れ量に相当する値に対応する入力トルクを第2マップを用いて算出するステップとを含む。
本発明によれば、変速機内の同一軸上に複数の回転速度センサを設けることなく、変速機に入力されるトルクを精度よく算出することができる。
ECUが搭載される車両構造を示す図である。 自動変速機におけるギヤユニットのスケルトン図である。 自動変速機の作動表を示す図である。 入力軸回転速度センサの出力信号および出力軸回転速度センサの出力信号の波形図である。 捩れ位相差と入力トルクとの関係を示すマップである。 ECUの制御構造を示すフローチャート(その1)である。 タービン回転速度およびスロットル開度をパラメータとしてタービントルクを予め設定したマップである。 ECUの機能ブロック図である。 初期位相差の算出手法を説明するための図である。 入力トルクの算出手法を説明するための図である。 ECUの制御構造を示すフローチャート(その2)である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1を参照して、本発明の実施の形態に係る制御装置を搭載した車両について説明する。この車両は、有段自動変速機を搭載したFF(Front engine Front drive)車両である。
車両は、エンジン1000と、自動変速機2000と、自動変速機2000の一部を構成するプラネタリギヤユニット3000と、自動変速機2000の一部を構成する油圧回路4000と、ディファレンシャルギヤ5000と、ドライブシャフト6000と、前輪7000と、ECU(Electronic Control Unit)8000とを含む。
エンジン1000は、インジェクタ(図示せず)から噴射された燃料と空気との混合気を、シリンダの燃焼室内で燃焼させる内燃機関である。燃焼によりシリンダ内のピストンが押し下げられて、クランクシャフトが回転させられる。
自動変速機2000は、トルクコンバータ3200を介してエンジン1000に連結される。自動変速機2000は、所望のギヤ段を形成することにより、クランクシャフトの回転速度を所望の回転速度に変速する。
自動変速機2000の出力ギヤは、ディファレンシャルギヤ5000と噛合っている。ディファレンシャルギヤ5000にはドライブシャフト6000がスプライン嵌合などによって連結される。ドライブシャフト6000を介して、左右の前輪7000に動力が伝達される。
ECU8000には、車速センサ8002、ポジションスイッチ8006、アクセルペダルポジションセンサ8010、ストロークセンサ8014、スロットル開度センサ8018、エンジン回転速度センサ8020、入力軸回転速度センサ8022、出力軸回転速度センサ8024、水温センサ8026とがハーネスなどを介して接続されている。
車速センサ8002は、ドライブシャフト6000の回転速度から車速Vを検出する。ポジションスイッチ8006は、シフトレバー8004の位置(シフトポジション)SPを検出する。アクセルペダルポジションセンサ8010は、アクセルペダル8008の操作量(アクセル開度)ACCを検出する。ストロークセンサ8014は、ブレーキペダル8012のストローク量を検出する。スロットル開度センサ8018は、電子スロットルバルブ8016の開度(スロットル開度)θthを検出する。エンジン回転速度センサ8020は、エンジン回転速度Neを検出する。入力軸回転速度センサ8022は、自動変速機2000の入力軸回転速度として、トルクコンバータ3200のタービン回転速度Ntを検出する。出力軸回転速度センサ8024は、自動変速機2000の出力軸回転速度として、自動変速機2000のカウンタドライブギヤ回転速度Ncを検出する。水温センサ8026は、エンジン1000の冷却水の温度(水温)THwを検出する。これらの各センサは、検出結果をECU8000に送信する。
ECU8000は、各センサから送られてきた信号、ROM(Read Only Memory)に記憶されたマップおよびプログラムに基づいて、車両が所望の状態となるように、エンジン1000や自動変速機2000などの機器類を制御する。
ECU8000は、シフトレバー8004がD(ドライブ)ポジションである場合、1〜6速のギヤ段(変速比)のうちのいずれかのギヤ段が形成されるように、自動変速機2000を制御する。1〜6速ギヤ段のうちのいずれかのギヤ段が形成されることによって、自動変速機2000は前輪7000に駆動力を伝達し得る。なお、ギヤ段は1〜6速であることに限定されない。
図2を参照して、プラネタリギヤユニット3000について説明する。プラネタリギヤユニット3000は、トルクコンバータ3200を介してエンジン1000に接続されている。
トルクコンバータ3200は、エンジン1000のクランクシャフトに連結された入力軸3100と、入力軸3100に連結されたポンプ羽根車3201と、ポンプ羽根車3201のトルクが流体を媒体として伝達されるタービン羽根車3202と、タービン羽根車3202に連結された出力軸3210と、入力軸3100と出力軸3210とを直結状態にするロックアップクラッチ3203と、ワンウェイクラッチ3204を有しトルク増幅機能を発現するステータ3205とから構成される。
プラネタリギヤユニット3000は、ギヤケース3600に覆われている。プラネタリギヤユニット3000は、第1ギヤセット3300、第2ギヤセット3400、カウンタドライブギヤ3500、B1〜B3ブレーキ3610,3620,3630、C1クラッチ3640、C2クラッチ3650、ワンウェイクラッチF3660を含む。
プラネタリギヤユニット3000は、各クラッチおよび各ブレーキの少なくともいずれかを係合させることによって、トルクコンバータ3200から入力されるトルクをカウンタドライブギヤ3500に出力する。
第1ギヤセット3300は、シングルピニオン型の遊星歯車機構である。第1ギヤセット3300は、サンギヤS(UD)3310、ピニオンギヤ3320、リングギヤR(UD)3330、キャリアC(UD)3340を含む。
サンギヤS(UD)3310は、トルクコンバータ3200の出力軸3210に連結されている。ピニオンギヤ3320は、キャリアC(UD)3340に回転自在に支持されている。ピニオンギヤ3320は、サンギヤS(UD)3310およびリングギヤR(UD)3330と噛合している。
B1ブレーキ3610およびB3ブレーキ3630は、ギヤケース3600に固定されている。B1ブレーキ3610を係合させることによって、キャリアC(UD)3340がギヤケース3600に固定される。B3ブレーキ3630を係合させることによって、リングギヤR(UD)3330がギヤケース3600に固定される。
第2ギヤセット3400は、ラビニヨ型の遊星歯車機構である。第2ギヤセット3400は、サンギヤS(D)3410、ショートピニオンギヤ3420、キャリアC(1)3422、ロングピニオンギヤ3430、キャリアC(2)3432、サンギヤS(S)3440、リングギヤR(1)(R(2))3450を含む。
サンギヤS(D)3410は、キャリアC(UD)3340に連結されている。ショートピニオンギヤ3420は、キャリアC(1)3422に回転自在に支持されている。ショートピニオンギヤ3420は、サンギヤS(D)3410およびロングピニオンギヤ3430と噛合している。
キャリアC(1)3422は、カウンタドライブギヤ3500に連結されている。カウンタドライブギヤ3500は、図示しないカウンタドリブンギヤを介して、ディファレンシャルギヤ5000に連結される。したがって、キャリアC(1)3422がプラネタリギヤユニット3000(すなわち自動変速機2000)の出力軸となる。
ロングピニオンギヤ3430は、キャリアC(2)3432に回転自在に支持されている。ロングピニオンギヤ3430は、ショートピニオンギヤ3420、サンギヤS(S)3440およびリングギヤR(1)(R(2))3450と噛合している。キャリアC(2)3432は、キャリアC(1)3422(カウンタドライブギヤ3500)に連結されている。
C1クラッチ3640およびC2クラッチ3650は、C1ドラム3642に固定されている。C1ドラム3642の外周面には、C1ドラム3642の回転方向に対して所定間隔で並ぶように配置された複数のスリット3644が形成されている。C1ドラム3642は、トルクコンバータ3200の出力軸3210に連結される。したがって、C1クラッチ3640を係合させることによって、サンギヤS(S)3440がトルクコンバータ3200の出力軸3210に連結される。また、C2クラッチ3650を係合させることによって、リングギヤR(1)(R(2))3450がトルクコンバータ3200の出力軸3210に連結される。
B2ブレーキ3620は、ギヤケース3600に固定されている。B2ブレーキ3620を係合させることによって、リングギヤR(1)(R(2))3450がトルクコンバータ3200の出力軸3210に連結される。
ワンウェイクラッチF3660は、B2ブレーキ3620と並列に設けられる。すなわち、ワンウェイクラッチF3660のアウターレースはギヤケース3600に固定され、インナーレースはリングギヤR(1)(R(2))3450に回転軸を介して連結される。ワンウェイクラッチF3660が機能することによって、リングギヤR(1)(R(2))3450は、1速ギヤ段の駆動時に回転不能となる。
図3は、各ギヤ段と、各クラッチおよび各ブレーキの作動状態との関係を表した作動表である。○は係合を表し、×は解放を表し、◎はエンジンブレーキ時のみの係合を表し、△は駆動時のみの係合を表している。この作動表に示された組み合わせで各ブレーキおよび各クラッチを作動させることにより1速〜6速の前進ギヤ段と、後進ギヤ段が形成される。各クラッチおよび各ブレーキは、油圧回路4000が各クラッチおよび各ブレーキの係合油圧を制御することにより作動する。
ECU8000は、車速V、アクセル開度ACCなどに基づいて目標ギヤ段を決定し、目標ギヤ段および図3の作動表に基づいて、各クラッチおよび各ブレーキを作動させる変速指令を油圧回路4000に出力する。
たとえば4速の前進ギヤ段を形成する場合、C1クラッチ3640が係合状態とされ、C2クラッチ3650が係合状態とされ、その他のB1〜B3ブレーキ3610〜3630がそれぞれ解放状態とされる。4速の前進ギヤ段では、タービン羽根車3202とカウンタドライブギヤ3500とが直結状態となって一体的に回転する。つまり、4速の前進ギヤ段の変速比(タービン回転速度Nt/カウンタドライブギヤ回転速度Nc)は「1」となる。
次に、入力軸回転速度センサ8022および出力軸回転速度センサ8024について説明する。これらのセンサは、ともに検出対象が接近したことを非接触で検出できる近接センサである。
入力軸回転速度センサ8022の検出対象は、トルクコンバータ3200の出力軸3210と一体的に回転するC1ドラム3642の外周面に形成された複数のスリット3644である。なお、C1ドラム3642の外周面から外周方向に突出する複数の歯をC1ドラム3642の回転方向に対して所定間隔で並ぶように形成し、これらの歯を入力軸回転速度センサ8022の検出対象としてもよい。入力軸回転速度センサ8022は、各スリット3644が接近した場合にパルス信号Stを出力する。このパルス信号Stの単位時間あたりの検出回数をカウントすることによってタービン回転速度Ntが検出される。
一方、出力軸回転速度センサ8024の検出対象は、カウンタドライブギヤ3500の各歯である。出力軸回転速度センサ8024は、カウンタドライブギヤ3500の歯が接近した場合にパルス信号Scを出力する。このパルス信号Scの単位時間あたりの検出回数をカウントすることによってカウンタドライブギヤ回転速度Ncが検出される。
図4は、タービン羽根車3202とカウンタドライブギヤ3500とが一体的に回転する直結状態である場合(4速の前進ギヤ段が形成されて変速比=1である場合)のパルス信号Stおよびパルス信号Scの波形図である。
タービン羽根車3202とカウンタドライブギヤ3500とが直結状態である場合、図4にも示すように、パルス信号Stの周期Ptとパルス信号Scの周期Pcとは一致する。すなわち、本実施の形態においては、変速比=1の時にパルス信号Stの周期Ptがパルス信号Scの周期Pcと一致するように、C1ドラム3642の各スリット3644同士の間隔と、カウンタドライブギヤ3500の各歯同士のピッチとの調整が図られている。
また、パルス信号Stとパルス信号Scとの間にはパルス位相差tが存在している。本実施の形態においては、スリット3644の数とカウンタドライブギヤ3500の歯数とを一致させている。これにより、任意のタイミングでパルス位相差tを算出することができるというメリットがある。なお、必ずしもスリット3644の数とカウンタドライブギヤ3500の歯数とを一致させる必要はないが、パルス位相差tを算出し易くするためには、少なくとも両パルス信号のいずれか一方の周期が他方の周期の自然数倍となるように、スリット3644の数とカウンタドライブギヤ3500の歯数とを調整することが望ましい。
図4に示すパルス位相差tには、初期位相差Δtと、捩れ位相差とが含まれる。つまり、パルス位相差t、初期位相差Δt、捩れ位相差の間には、パルス位相差t=初期位相差Δt+捩れ位相差という関係がある。
ここで、初期位相差Δtとは、直結状態でかつ自動変速機2000に入力されるトルク(以下、単に「入力トルク」という)が「0」である時(すなわち直結状態でかつC1ドラム3642からカウンタドライブギヤ3500までの動力伝達部材の捩れ量が零である時)の両パルス信号の位相差である。
一方、捩れ位相差とは、直結状態で入力トルクが「0」以外の値となりC1ドラム3642からカウンタドライブギヤ3500までの動力伝達部材が捩れることによって生じる両パルス信号の位相差である。したがって、捩れ位相差は、C1ドラム3642からカウンタドライブギヤ3500までの動力伝達部材の捩れ量(捩れ角)に相当する。
図5に、捩れ位相差と入力トルクとの関係を示す。図5に示すように、捩れ位相差は、入力トルクが0の時に「0」となり、入力トルクにほぼ比例して大きくなる。
次に、図6を参照して、ECU8000が行なうライン圧制御について説明する。なお、ライン圧とは、各クラッチおよび各ブレーキに供給される作動油圧の元圧であって、エンジン1000の動力で駆動するオイルポンプ(図示せず)の出力油圧を減圧して得られる油圧である。ECU8000は、そのライン圧を以下のように制御する。
図6に示すように、まず、ECU8000は、タービントルク曲線を用いて、タービン回転速度Nt(パルス信号Stの単位時間あたりの検出回数)およびスロットル開度θthに対応するタービントルクを算出する(S10)。なお、タービントルクとは、エンジン1000からトルクコンバータ2100のタービン羽根車3202に伝達されるトルクである。したがって、タービントルクと入力トルクとは技術的に同じ意味である。
図7に、タービントルク曲線の一例を示す。タービントルク曲線は、タービン回転速度Ntおよびスロットル開度θthをパラメータとしてタービントルクを予め設定したマップである。なお、図7では、スロットル開度θthを、全開時に対する割合(パーセント)で示している。図7に示すように、スロットル開度θthが高い領域ではタービントルクは高く設定され、スロットル開度θthが低い領域ではタービントルクは低く設定されている。また、タービントルクは、タービン回転速度Ntが低いほど大きい値に設定される傾向にある。特に、スロットル開度θthが低い領域(たとえば25パーセント以下の領域)では、タービン回転速度Ntの全域に渡って、タービン回転速度Ntの変化量に対するタービントルクの変化量が大きくなる。
図6に戻って、ECU8000は、タービントルク曲線を用いて算出したタービントルクに基づいて、目標ライン圧を算出する(S20)。本実施の形態では、目標ライン圧=(タービントルク)×(トルク分担率の最大値)×(安全率)に算出される。ここで、トルク分担率の最大値とは、タービントルクが各クラッチおよび各ブレーキに分担される割合のうちの最大値である。トルク分担率の最大値は、変速段(各クラッチおよび各ブレーキの係合状態の組み合わせ)に応じて予め設定されている。安全率は、タービントルク曲線を用いて算出したタービントルクと実際の入力トルクとのずれを考慮し、目標ライン圧を高めに設定するための係数である。したがって、安全率は「1」よりも大きい値に設定される。
そして、ECU8000は、実際のライン圧を目標ライン圧とする制御信号を油圧回路4000に送信する(S30)。これにより、油圧回路4000が作動し、実際のライン圧が目標ライン圧に制御される。
ところで、従来においては、タービントルク曲線を用いたタービントルクの算出精度が低く、タービントルクと実際の入力トルクとのずれが大きいため、目標ライン圧を設定する際に用いる安全率を比較的大きい値(たとえば1.5程度の値)に設定していた。そのため、必要以上に高いライン圧が設定されており、燃費が悪化する要因となっていた。
このような問題を解決すべく、本実施の形態においては、同一軸上に複数の回転速度センサを設けることなく入力トルクを精度よく算出する。具体的には、タービン羽根車3202とカウンタドライブギヤ3500とが直結状態である場合に、既存の入力軸回転速度センサ8022および出力軸回転速度センサ8024の出力と、図5、図7に示したマップとを用いて初期位相差Δtを求める初期処理を実行する。その後、直結状態が保持されている場合、実際のパルス位相差tから初期位相差Δtを減じた値を捩れ位相差として算出し、算出した捩れ位相差に対応する入力トルクを上述の図5に示したマップを用いて精度よく推定する。
さらに、本実施の形態においては、精度よく推定した入力トルクとタービントルク曲線を用いて算出したタービントルクとを比較することにより、タービントルク曲線の精度を検証し、その精度が低い場合には、その入力トルクを用いてタービントルク曲線を補正する。
これらの点が、本実施の形態に係る発明の最も特徴的な点である。以下、これらの点について説明する。
図8に、ECU8000の機能ブロック図を示す。
ECU8000は、入力インターフェイス8100と、記憶部8300と、演算処理部8200と、出力インターフェイス8400とを含む。
入力インターフェイス8100は、入力軸回転速度センサ8022からのパルス信号St、出力軸回転速度センサ8024からのパルス信号Sc、スロットル開度センサ8018からのスロットル開度θthなどの各センサなどからの情報を受信し、受信した情報を演算処理部8200に送信する。
記憶部8300は、各種情報、プログラム、しきい値、マップ等が記憶され、必要に応じて演算処理部8200からデータが読み出されたり格納されたりする。記憶部8300には、図5に示した捩れ位相差と入力トルクとの関係を示すマップ(以下、「捩れマップ」ともいう)、および図7に示したタービントルク曲線が予め記憶されている。
演算処理部8200は、入力インターフェイス8100および記憶部8300からの情報に基づいて演算処理を行ない、処理結果を出力インターフェイス8400を経由して各機器に出力する。
演算処理部8200は、ライン圧制御部8210、推定部8220、第1補正部8230、第2補正部8240を含む。
ライン圧制御部8210は、上述の図6のフローチャートで説明したライン圧制御を実行する。すなわち、ライン圧制御部8210は、タービン回転速度Ntおよびスロットル開度θthに対応するタービントルクを、記憶部8300に記憶されたタービントルク曲線(図7参照)を用いて算出する。そして、目標ライン圧=(タービントルク)×(トルク分担率の最大値)×(安全率)に設定し、実際のライン圧を目標ライン圧とする制御信号を油圧回路4000に送信する。
推定部8220は、記憶部8300に記憶されている捩れマップおよびタービントルク曲線を用いて、入力トルクを推定(算出)する。推定部8220は、初期処理部8221と、トルク算出部8222とを含む。
初期処理部8221は、トルク算出部8222が入力トルクを算出するための初期処理として、初期位相差Δtの算出する。
初期処理部8221は、まず、初期処理の実行条件が成立したか否かを判断する。初期処理の実行条件は、第1条件と第2条件とを含んでいる。
第1条件は、タービン羽根車3202とカウンタドライブギヤ3500とが直結状態である(すなわち現在のギヤ段が変速比=1である4速の前進ギヤ段である)という条件である。この第1条件は、捩れ位相差と実際の入力トルクとの間に図5の捩れマップに示す関係が成立している状態であるか否かを判断することを目的として設定されている。
第2条件は、スロットル開度θthが予め定められた開度よりも小さくかつタービン回転速度Ntの単位時間あたりの変動量が予め定められた量よりも小さいという条件である。この第2条件は、仮に図7のタービントルク曲線を用いて算出したタービントルクと実際の入力トルクとの間に誤差があったとしても、実際の入力トルクが低く、その誤差が許容可能な程度に小さい状態であるか否かを判断することを目的として設定されている。
初期処理部8221は、初期処理の実行条件が成立した場合(第1条件、第2条件の双方の条件が成立した場合)、その時のパルス信号St、Sc間の実際の位相差を求めて「パルス位相差t1」とするとともに、その時のスロットル開度θth、タービン回転速度Ntに対応するタービントルクをタービントルク曲線を用いて求めて「タービントルクTt0」とする。
そして、初期処理部8221は、図9に示すように、タービントルク曲線で求めたタービントルクTt0を正しいものとしてタービントルクTt0に対応する捩れ位相差を図5の捩れマップを用いて算出して「捩れ位相差t0」とし、この捩れ位相差t0とパルス位相差t1との差を、初期位相差Δtとして算出し、初期処理を終了する。
この初期処理で算出された初期位相差Δtは、図4で説明したように、タービン羽根車3202とカウンタドライブギヤ3500とが直結状態で、かつ入力トルクが「0」である時(捩れが生じていない時)の両パルス信号St、Scの位相差を表わす値である。なお、初期位相差Δtは、タービン羽根車3202とカウンタドライブギヤ3500とが新たに直結状態となるたび(4速段が形成されるたび)に変化し得る。そのため、初期処理部8221は、初期処理の実行条件が成立するたびに、初期位相差Δtを改めて算出する。
トルク算出部8222は、初期処理部8221での初期処理の終了後、タービン羽根車3202とカウンタドライブギヤ3500とが直結状態に保持されている間、パルス信号St、Scからパルス位相差tを求め、さらに、パルス位相差tから初期処理で求めた初期位相差Δtを減じた値を「捩れ位相差ta」として算出する。
そして、トルク算出部8222は、図10に示すように、捩れ位相差taに対応する入力トルクを図5の捩れマップを用いて算出して「入力トルクT」とする。このとき算出される入力トルクTは、図5の捩れマップで算出されているため、タービントルク曲線で算出したタービントルクよりも、実際の入力トルクに近い精度のよい値となる。
このように、推定部8220は、同一軸上に複数の回転速度センサを設けることなく、既存の入力軸回転速度センサ8022および出力軸回転速度センサ8024の出力から入力トルクを精度よく推定することができる。
第1補正部8230は、初期処理部8221での初期処理の終了後、タービン羽根車3202とカウンタドライブギヤ3500とが直結状態に保持されている間、タービントルク曲線を用いてタービン回転速度Ntおよびスロットル開度θthに対応するタービントルクを算出して「タービントルクTt」とする。そして、第1補正部8230は、タービントルク曲線を用いて算出したタービントルクTtと、トルク算出部8222が捩れマップを用いて算出した入力トルクTとを比較して、タービントルク曲線の精度を検証する。
第1補正部8230は、タービントルクTtと入力トルクTとの差の絶対値が予め定められたしきい値よりも大きい場合、タービントルク曲線の精度が低いと判断し、入力トルクTの値を用いて図7のタービントルク曲線を補正する。なお、タービントルク曲線を補正する手法については、さまざまな学習アルゴリズムを適用することが考えられる。たとえば、タービントルクTtと入力トルクTとの差の絶対値の大きさに応じてタービントルク曲線の補正量や補正範囲を設定すればよい。また、精度が低いと判断された頻度が予め定められた頻度を越えた場合に、タービントルク曲線を補正するようにしてもよい。
第1補正部8230がタービントルク曲線の補正を繰返すことによってタービントルク曲線の精度が徐々に向上し、タービントルク曲線を用いて算出されるタービントルクの値が実際の入力トルクに徐々に近づく。そのため、ライン圧制御部8210が設定する目標ライン圧の値を、実際の入力トルクに適切に対応した値に近づけることができる。
第2補正部8240は、第1補正部8230によるタービントルク曲線の精度の向上の度合いに応じて、ライン圧制御部8210が目標ライン圧の算出に用いる安全率を1に近づけるように補正する。これにより、各クラッチや各ブレーキの係合状態を維持可能な範囲でライン圧を低減することができ、燃費の向上が図られる。なお、安全率の補正手法についても、さまざまな学習アルゴリズムを適用することが考えられる。たとえば、タービントルク曲線のほぼ全域において精度が高いと判断される頻度が予め定められた頻度を越えるようになった時点から、精度が高いと判断される頻度が高くなるにしたがって、安全率を徐々に低下させるようにしてもよい。
上述した機能は、ソフトウェアによって実現されるようにしてもよく、ハードウェアにより実現されるようにしてもよい。
図11に、上述した推定部8220、第1補正部8230、第2補正部8240の機能を実現するためのECU8000の制御処理手順の一例を示す。なお、図9に示す処理は、予め定められたサイクルタイムで繰り返し行なわれる。
S100にて、ECU8000は、初期処理の実行条件が成立したか否かを判断する。ECU8000は、上述したタービン羽根車3202とカウンタドライブギヤ3500とが直結状態である(すなわち現在のギヤ段が変速比=1である4速の前進ギヤ段である)という第1条件およびスロットル開度θthが予め定められた開度よりも小さくかつタービン回転速度Ntの単位時間あたりの変動量が予め定められた量よりも小さいという第2条件の双方が成立した場合に、初期処理の実行条件が成立したと判断する。初期処理の実行条件が成立すると(S100にてYES)、処理はS102に移される。そうでないと(S100にてNO)、この処理は終了する。
S102にて、ECU8000は、初期位相差Δtを算出する。上述したように、ECU8000は、初期条件成立時のパルス信号Stとパルス信号Scと間のパルス位相差t1を求めるとともに、初期条件成立時のスロットル開度θth、タービン回転速度Ntに対応するタービントルクTt0をタービントルク曲線を用いて求め、タービントルクTt0に対応する捩れ位相差t0を捩れマップから算出し、捩れ位相差t0とパルス位相差t1との差を初期位相差Δtとして算出する(図9参照)。
S104にて、ECU8000は、タービン羽根車3202とカウンタドライブギヤ3500との直結状態が保持されているか否か(すなわち現在のギヤ段が4速の前進ギヤ段に保持されているか否か)を判断する。直結状態が保持されていると(S104にてYES)、処理はS106に移される。そうでないと(S104にてNO)、この処理は終了する。
S106にて、ECU8000は、現在のパルス信号St、Scからパルス位相差tを求め、さらに、パルス位相差tから初期処理で求めた初期位相差Δtを減じた値を「捩れ位相差ta」として算出する。
S108にて、ECU8000は、捩れ位相差taに対応する入力トルクTを捩れマップを用いて算出する(図10参照)。
なお、S100〜S108の処理は、図8の推定部8220に相当する。
続くS110にて、ECU8000は、現在のタービン回転速度Ntおよびスロットル開度θthに対応するタービントルクTtをタービントルク曲線を用いて算出する。
S112にて、ECU8000は、S108の処理で求めた入力トルクTとS110の処理で求めたタービントルクTtとの差の絶対値が予め定められたしきい値よりも大きいか否かを判断する。差の絶対値が予め定められたしきい値よりも大きいと(S112にてYES)、処理はS114に移される。そうでないと(S112にてNO)、処理はS116に移される。
S114にて、ECU8000は、タービントルク曲線を用いて求めたタービントルクTtの精度が低いと判断する。
S116にて、ECU8000は、タービントルク曲線を用いて求めたタービントルクTtの精度が高いと判断する。
S118にて、ECU8000は、タービントルク曲線を補正する。なお、タービントルク曲線を補正する手法については、上述したように、さまざまな学習アルゴリズムを適用すればよい。
なお、S110〜S118の処理は、図8の第1補正部8240に相当する。
続くS120にて、ECU8000は、S118のタービントルク曲線の補正に伴なうタービントルク曲線の精度向上の度合いに応じて、目標ライン圧の算出に用いられる安全率を1に近づけるように補正する。なお、安全率の補正手法についても、上述したように、さまざまな学習アルゴリズムを適用すればよい。
以上のように、本実施の形態によれば、自動変速機内の同一軸上に複数の回転速度センサを設けることなく、既存の入力軸回転速度センサおよび出力軸回転速度センサの出力と、図5、図7に示したマップとを用いて、入力トルクを精度よく推定することができる。
なお、異なる2つのセンサで回転速度がそれぞれ検出される2つの回転軸を直結状態(変速比=1)とすることが可能な変速機であれば本発明の適用が可能であるため、本発明が適用できる変速機は、実施の形態で説明した有段の自動変速機に限定されず、無段の自動変速機や手動変速機であってもよい。
たとえば、入力側プーリと出力側プーリとにベルトを巻掛けて変速比(プーリの回転数比)を無段階に調整可能なベルト式の無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)の場合、入力側プーリ回転速度センサと、出力側プーリ回転速度センサとがそれぞれ設けられている。したがって、プーリの回転数比=1のときを直結状態とし、入力側プーリ回転速度センサ、出力側プーリ回転速度センサの出力を用いれば、無段変速機にも本発明が適用できる。
なお、エンジンの出力がトルクコンバータ、前後進切換装置(前進と後進とを切り換えるためのクラッチ装置)の順に経由して入力側プーリに伝達されるタイプの無段変速機では、通常、入力側プーリ回転速度センサ(すなわち前後進切換装置の出力軸回転速度を検出するセンサ)に加えて、タービン回転速度センサ(すなわち前後進切換装置の入力軸回転速度を検出するセンサ)も別途設けられている。したがって、前後進切換装置が係合される前進中あるいは後進中であるときを直結状態とし、タービン回転速度センサ、入力側プーリ回転速度センサの出力を用いることによっても、本発明が適用できる。特に、このタイプでは、前進中は常に入力トルクの推定が可能となるため、推定したトルクでタービントルク曲線を補正するのではなく、推定したトルクに基づいて直接的にライン圧あるいはベルト挟圧力を制御することが可能となる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1000 エンジン、2000 自動変速機、2100 トルクコンバータ、3000 プラネタリギヤユニット、3100 入力軸、3200 トルクコンバータ、3201 ポンプ羽根車、3202 タービン羽根車、3203 ロックアップクラッチ、3204 ワンウェイクラッチ、3205 ステータ、3210 出力軸、3300 ギヤセット、3320 ピニオンギヤ、3400 ギヤセット、3420 ショートピニオンギヤ、3430 ロングピニオンギヤ、3500 カウンタドライブギヤ、3600 ギヤケース、3610 B1ブレーキ、3620 B2ブレーキ、3630 B3ブレーキ、3640 C1クラッチ、3642 C1ドラム、3644 スリット、3650 C2クラッチ、4000 油圧回路、5000 ディファレンシャルギヤ、6000 ドライブシャフト、7000 前輪、8000 ECU、8002 車速センサ、8004 シフトレバー、8006 ポジションスイッチ、8008 アクセルペダル、8010 アクセルペダルポジションセンサ、8012 ブレーキペダル、8014 ストロークセンサ、8016 電子スロットルバルブ、8018 スロットル開度センサ、8020 エンジン回転速度センサ、8022 入力軸回転速度センサ、8024 出力軸回転速度センサ、8026 水温センサ、8100 入力インターフェイス、8200 演算処理部、8210 ライン圧制御部、8220 推定部、8221 初期処理部、8222 トルク算出部、8230 第1補正部、8240 第2補正部、8300 記憶部、8400 出力インターフェイス。

Claims (9)

  1. 動力源に連結される第1軸と前記第1軸とは異なる第2軸とを有し、前記第1および第2軸が一体的に回転する直結状態と前記第1および第2軸が一体的には回転しない非直結状態との切換が可能な変速機の制御装置であって、
    前記第1軸の回転速度に応じた第1周期で第1パルス信号を出力する第1センサと、
    前記第2軸の回転速度に応じた第2周期で第2パルス信号を出力する第2センサと、
    前記第1および第2センサに接続された制御ユニットとを含み、
    前記制御ユニットは、前記直結状態かつ前記第1および第2軸間の捩れ量が零であるときの前記第1および第2パルス信号間の初期位相差と、前記直結状態であるときの前記第1および第2パルス信号間の実位相差とに基づいて、前記変速機の入力トルクを算出する、変速機の制御装置。
  2. 前記制御ユニットは、
    前記第1軸の回転速度と前記変速機の入力トルクとの対応関係を示す第1マップと、前記変速機の入力トルクと前記直結状態のときの前記捩れ量に相当する値との対応関係を示す第2マップと、を予め記憶する記憶部と、
    前記直結状態であるという第1条件を含む初期条件が成立した場合に、前記第1および第2マップを用いて前記初期位相差を算出する第1算出部と、
    前記初期位相差が算出された後に前記第1条件が継続して成立している場合に、前記実位相差と前記初期位相差とに基づいて前記捩れ量に相当する値を算出し、算出された前記捩れ量に相当する値に対応する入力トルクを前記第2マップを用いて算出する第2算出部とを含む、請求項1に記載の変速機の制御装置。
  3. 前記捩れ量に相当する値は、前記直結状態のときの前記第1および第2軸間の捩れによって生じる前記第1および第2パルス信号間の捩れ位相差である、請求項2に記載の変速機の制御装置。
  4. 前記第1算出部は、前記初期条件成立時の前記第1軸の回転速度に対応する入力トルクを前記第1マップを用いて算出し、前記第1マップを用いて算出した入力トルクに対応する前記捩れ位相差を前記第2マップを用いて算出し、前記第2マップを用いて算出した前記捩れ位相差と前記初期条件成立時の前記実位相差との差分を前記初期位相差として算出する、請求項3に記載の変速機の制御装置。
  5. 前記動力源は、スロットル開度によって出力トルクが調整される内燃機関であり、
    前記第1マップは、前記第1軸の回転速度および前記スロットル開度に対する前記変速機の入力トルクを予め設定したマップであり、
    前記初期条件は、前記第1条件に加えて、前記スロットル開度が予め定められた開度より小さくかつ前記第1軸の回転速度の単位時間あたりの変動量が予め定められた量よりも小さいという第2条件をさらに含む、請求項2に記載の変速機の制御装置。
  6. 前記変速機は、前記動力源の動力で発生する油圧を調圧して得られるライン圧を元圧として制御され、
    前記制御ユニットは、前記第2算出部が算出した入力トルクに基づいて前記ライン圧を制御するライン圧制御部をさらに含む、請求項2に記載の変速機の制御装置。
  7. 前記変速機は、前記動力源の動力で発生する油圧を調圧して得られるライン圧を元圧として制御され、
    前記制御ユニットは、
    前記第2算出部が算出した入力トルクに基づいて、前記第1マップが示す前記第1軸の回転速度と前記変速機の入力トルクとの対応関係を補正する補正部と、
    前記第1センサの出力結果で得られた前記第1軸の回転速度に対応する入力トルクを前記第1マップを用いて算出し、前記第1マップを用いて算出した入力トルクに基づいて前記ライン圧を制御するライン圧制御部とをさらに含む、請求項2に記載の変速機の制御装置。
  8. 前記第1センサの検出対象および前記第2センサの検出対象は、前記直結状態であるときの前記第1周期および前記第2周期のいずれか一方が他方の自然数倍となる態様で設けられる、請求項1に記載の変速機の制御装置。
  9. 動力源に連結される第1軸と前記第1軸とは異なる第2軸とを有し、前記第1および第2軸が一体的に回転する直結状態と前記第1および第2軸が一体的には回転しない非直結状態との切換が可能な変速機の制御装置が行なう制御方法であって、
    前記制御装置には、前記第1軸の回転速度に応じた第1周期で第1パルス信号を出力する第1センサと、前記第2軸の回転速度に応じた第2周期で第2パルス信号を出力する第2センサとが接続され、
    前記制御装置は、前記第1軸の回転速度と前記変速機の入力トルクとの対応関係を示す第1マップと、前記変速機の入力トルクと前記直結状態のときの前記第1および第2軸間の捩れ量に相当する値との対応関係を示す第2マップと、を予め記憶し、
    前記制御方法は、
    前記直結状態であるという第1条件を含む初期条件が成立した場合に、前記第1および第2マップを用いて、前記直結状態かつ前記捩れ量が零であるときの前記第1および第2パルス信号間の初期位相差を算出するステップと、
    前記初期位相差が算出された後に前記第1条件が継続して成立している場合に、前記第1および第2パルス信号間の実位相差と前記初期位相差とに基づいて前記捩れ量に相当する値を算出し、算出された前記捩れ量に相当する値に対応する入力トルクを前記第2マップを用いて算出するステップとを含む、変速機の制御方法。
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