JP2019052654A - 動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成で、各部品に必要な強度を確保しながらも、遊星歯車機構のリングギヤの外径側に配置した摩擦係合装置に必要な量のオイルを供給することが可能な動力伝達装置を提供する。【解決手段】遊星歯車機構(10)の外径側に配置した摩擦係合装置(40)を備える変速機(1)であって、リングギヤ(20)におけるピニオンギヤ(17)とは噛合しない位置に形成した貫通穴からなるオイル供給穴(25)と、リングギヤ(20)の外周面に取り付けられてオイル供給穴(25)を覆う板状の覆い部材(31)と、覆い部材(31)に形成した貫通穴からなる油路穴(32a)とを備え、回転軸(2)の軸心から供給されたオイルが、リングギヤ(20)のオイル供給穴(25)から覆い部材(31)の油路穴(32a)を通って摩擦係合装置(40)に供給されるように構成した。【選択図】図2

Description

本発明は、車両に設けられた遊星歯車機構とその外径側に配置した摩擦係合装置とを備える動力伝達装置に関する。
自動車などの車両に設けられた動力伝達装置では、例えば特許文献1に示すように、遊星歯車機構の外径側に回転伝達の有無を切替可能な摩擦係合装置(クラッチ又はブレーキ)を備えたものがある。このような構成では、摩擦係合装置に潤滑及び冷却用のオイル(作動油)を供給する必要がある。そのため、遊星歯車機構の回転中心である回転軸の軸内に設けた油路から外径側の摩擦係合装置に供給するオイルを流通させるためのオイル通路を形成する必要がある。
しかしながら、上記のオイル通路を形成するための構成として、リングギヤの歯の部分に油路穴を形成すると、次のような問題が生じる。すなわち、油路穴を形成することによるリングギヤの強度が低下することを防ぐために、リングギヤの径寸法の大型化を図る必要が生じる。また、油路穴の形成によってリングギヤの歯の強度が低下することで、リングギヤとピニオンギヤの噛合によりリングギヤに破損などが生じるおそれがある。万一このようなギヤ破損が生じると、遊星歯車機構の動作が不安定になる。さらに、リングギヤに油路穴を形成する際の加工工程が複雑であるため、リングギヤ及び動力伝達装置の製造工程の煩雑化や製造コストの増加につながるおそれがある。
上記のような問題があるため、従来は、リングギヤに対して軸方向にオフセットした位置に摩擦係合装置を配置し、当該摩擦係合装置の内径側の回転部材(ハブ)を介してこの摩擦係合装置にオイルを供給するように構成していた。ところがこの構成では、リングギヤから軸方向にオフセットした位置に摩擦係合装置を配置していることで、動力伝達装置の軸方向の長さ寸法(全長)が長くなる。また、動力伝達装置内のスペースの利用効率にも改善の余地がある。
また、特許文献1に記載の従来構造では、リングギヤの外径に別部品のハブを設置し、リングギヤとこのハブとの隙間に冷却用のオイルを流すように構成している。しかしながらこの構成では、リングギヤとは別体のハブを設けていることで、摩擦係合装置(ブレーキ)の外径寸法が大きくなるおそれがある。また、特許文献2に記載の従来構造では、リングギヤの歯のネジレ角に沿って歯底を加工してオイル供給穴を形成している。しかしながらこの構成では、加工技術上の問題からリングギヤに多数の穴を形成することができない。そのため、摩擦係合装置の冷却に必要なオイルを供給するためには、ケース側にもオイル供給穴を形成する必要が生じる。これにより、動力伝達装置の構成が複雑になるおそれがある。
特開平8−277852号公報 特開平10−184860号公報
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単な構成で、各部品に必要な強度を確保しながらも、遊星歯車機構のリングギヤの外径側に配置した摩擦係合装置に必要な量のオイルを供給することが可能な動力伝達装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明にかかる動力伝達装置は、回転軸(2)と、回転軸(2)と同心上に設置したサンギヤ(11)と、サンギヤ(11)の外径側に配置されたキャリア(15)に支持されたピニオンギヤ(17)と、ピニオンギヤ(17)の外径側に配置されて該ピニオンギヤと噛合するリングギヤ(20)と、を有する遊星歯車機構(10)と、遊星歯車機構(10)と回転軸(2)の軸方向における同位置の外径側に配置した摩擦係合装置(40)と、リングギヤ(20)におけるピニオンギヤ(17)とは噛合しない位置に形成した貫通穴からなるオイル供給穴(25)と、リングギヤ(20)の外周面に取り付けられてオイル供給穴(25)を覆う板状の覆い部材(31)と、覆い部材(31)に形成した貫通穴からなる油路穴(32a)と、を備え、回転軸(2)の軸心から供給されたオイルが、リングギヤ(20)のオイル供給穴(25)から覆い部材(31)の油路穴(32a)を通って摩擦係合装置(40)に供給されるように構成したことを特徴とする。
本発明にかかる動力伝達装置によれば、回転軸の軸心から供給されたオイルが、リングギヤのオイル供給穴から覆い部材の油路穴を通って摩擦係合装置に供給されるように構成したことで、リングギヤの外径側に配置した摩擦係合装置に十分なオイルを供給することができる。したがって、摩擦係合装置の効果的な冷却が可能となる。また、摩擦係合装置の全周に渡って均等にオイルを供給することができる。また、覆い部材に油路穴を形成したことで、当該油路穴の位置をリングギヤのピニオンギヤとの噛合位置からオフセットさせずに済むので、動力伝達装置の軸方向の寸法を短く抑えることができる。また、摩擦係合装置へオイルを供給するための構成として、リングギヤの外径側に(摩擦係合装置のハブなどの)別部品を設置する必要が無いので、摩擦係合装置の外径寸法の小型化を図ることができる。また、リングギヤに直接油路穴を形成すると上記背景技術で述べたような問題が生じるところ、本願発明によれば、覆い部材に油路穴を形成したことでリングギヤに直接油路穴を形成せずに済むので、それらの問題を回避できる。これらによって、簡単な構成で、各部品に必要な強度を確保しながらも、遊星歯車機構のリングギヤの外径側に配置した摩擦係合装置に必要な量のオイルを供給することで当該摩擦係合装置の効果的な冷却を行うことが可能となる。
また、上記の動力伝達装置では、リングギヤ(20)の外周面に形成した複数の歯列からなる外歯(22)と、外歯(22)の一部を欠歯してなる欠歯部(24)と、を備え、欠歯部(24)の底部(24a)にオイル供給穴(25)を設けると共に、欠歯部(24)の外径側に覆い部材(31)を設置してもよい。
この構成によれば、オイル供給穴をリングギヤにおける外歯が形成されていない欠歯部の底部(底面)に設けたことで、オイル供給穴を設けたことによるリングギヤの外歯の強度低下を防止できる。また、欠歯部の外径側に覆い部材を設置したことで覆い部材と欠歯部の底面との間にオイル供給穴から出たオイルが導入される空間(いわゆるオイル溜まり部)が形成されるので、当該空間から覆い部材の油路穴を介して摩擦係合装置に供給されるオイルの量の安定化を図ることができる。
また、上記の動力伝達装置では、覆い部材(31)は、弾性を有する部材で構成されており、外径側に配置した外板部(32)と、外板部(32)の一端辺を内径側に折り返してなる曲げ部(34)と、曲げ部(34)に連結されて外板部(32)の内径側に重なる内板部(33)と、を備え、油路穴(32a)は、外板部(32)に形成されていてもよい。
この構成によれば、外板部と内板部を連結してなる曲げ部を備えることで、曲げ部によって内板部が外板部から離れる方へ(内径側へ)付勢される。リングギヤの回転が比較的に低回転の状態では、この曲げ部の付勢力でリングギヤと内板部との隙間が小さくなっている。その一方で、リングギヤの回転が比較的に高回転になると、内板部が回転による遠心力(遠心油圧)で外径側へ付勢されてリングギヤと内板部との隙間が大きくなる。これにより、油路穴に導入されるオイルの流量が増加する。したがって、低回転時には油路穴から摩擦係合装置に供給されるオイルの流量を少なく抑えてオイルの過剰供給によるフリクションの増加を防止でき、高回転時には油路穴から摩擦係合装置に供給されるオイルの流量を多くすることで、十分な量のオイルの供給による摩擦係合装置の効果的な冷却が可能となる。
また、上記の動力伝達装置は、車両に搭載された駆動源からの動力を駆動輪に伝達する動力伝達装置であり、上記の曲げ部は、覆い部材における車両の前進走行時のリングギヤの回転方向の前側に配置されているとよい。
この構成によれば、車両の前進時のリングギヤの回転で曲げ部が押圧されて内板部が外板部に近付くように付勢される。これにより、車両の前進走行時には、後進走行時と比較して、覆い部材の油路穴から摩擦係合装置へ比較的に多量のオイルが供給されるようになる。
また、上記の動力伝達装置では、欠歯部(24)は、リングギヤ(20)の外周面に周方向で等間隔に複数が形成されており、覆い部材(31)は、複数の欠歯部(24)それぞれに取り付けられた複数の覆い部材(31)であり、複数の覆い部材(31)と該複数の覆い部材(31)を互いに連結する連結部(27)とを一体に設けた一体部品(30)と、リングギヤ(20)に取り付けた一体部品(30)を係止するための係止具(38)と、を備えてもよい。
この構成によれば、複数の覆い部材と該複数の覆い部材を連結する連結部とを備えた一体部品(アッセンブリ)を備え、この一体部品をリングギヤに取り付けるように構成したことで、動力伝達装置の部品点数の削減、構成の簡素化、組立工程の容易化を図ることができる。
なお、上記の括弧内の符号は、後述する実施形態の対応する構成要素の符号を本発明の一例として示したものである。
本発明にかかる動力伝達装置によれば、簡単な構成で、各部品に必要な強度を確保しながらも、遊星歯車機構のリングギヤの外径側に配置した摩擦係合装置に必要な量のオイルを供給することが可能となる。
本発明の一実施形態にかかる変速機(動力伝達装置)の一部を示す断面図である。 遊星歯車機構を軸方向から見た断面図である。 オイルプレートアッセンブリを取り外した状態のリングギヤの分解斜視図である。 オイルプレートアッセンブリを取り付けた状態のリングギヤの斜視図である。 リングギヤの欠歯部及びオイルプレートを示す断面図である。 遊星歯車機構及びブレーキへのオイルの流れを説明するための図である。 車両の前進時と後進時のオイルの流れを説明するための図である。 オイルの流量について説明するための図である。 車両の低速走行時と高速走行時のオイルの流れを説明するための図である。 ブレーキの回転数と摩擦材の損失との関係を示すグラフである。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る潤滑構造を備えた変速機(動力伝達装置)1の一部を示す側断面図である。図1に示す変速機1は、車両に搭載されたエンジンやモータ(電気モータ)など駆動源(図示せず)の駆動力の回転を変速して駆動輪(図示せず)に伝達するための機構であり、ケーシング5内に設置された入力軸(回転軸)2と、入力軸2の外径側に配置した遊星歯車機構10と、遊星歯車機構10の外径側に設置したブレーキ(摩擦係合装置)40と、回転軸の軸方向におけるブレーキ40に隣接する位置に設けたクラッチ50とを備える。なお、以下の説明では、軸方向というときは、回転軸2の軸方向を示すものとする。また、左側、右側というときは、各図に示す左側、右側を示すものとする。
図2は、遊星歯車機構10を軸方向(図1の右方)から見た図である。図1及び図2に示すように、遊星歯車機構10は、サンギヤ11とプラネタリキャリア(キャリア)15とリングギヤ20とを備える。サンギヤ11は、入力軸2の外周に軸受12を介して相対回転自在に設置されている。キャリア15には、複数のピニオンシャフト16と該ピニオンシャフト16に軸受19を介して回転自在に支持されたピニオンギヤ17とが設けられている。リングギヤ20は、外周面に複数の外歯22を有するブレーキハブ(ブレーキインナー)41が形成された本体部21を備え、本体部21の軸方向の一方の端部には、クラッチ50のクラッチハブ(クラッチインナー)51が一体に取り付けられている。
ブレーキ40は、ケース(固定部材)5の内周面に形成した円筒状のブレーキドラム42と、ブレーキドラム42の内周に係合する円形環状の平板からなる複数のブレーキプレート(摩擦材)44と、ブレーキドラム42の内径側で同心状に配置されて相対回転可能なブレーキハブ41と、ブレーキハブ41の外周に係合する円形環状の平板からなる複数のブレーキディスク(摩擦材)43とを備える。ブレーキプレート44とブレーキディスク43は、軸方向で交互に重ね合わされて配列されており、それらで摩擦係合部45を構成している。ブレーキプレート44とブレーキディスク43の積層方向における一方の端部(左側の端部)には、エンドプレート46が設置されている。エンドプレート46の左側(摩擦係合部45と反対側)に隣接する位置には、エンドプレート46の移動を規制する規制部材47が設置されている。
ブレーキドラム42の内周面には、軸方向に延びる複数のスプライン溝(詳細は図示せず)が円周方向に所定間隔で形成されており、ブレーキプレート44の外周には、スプライン溝42aと同数の突起状の歯部(図示せず)が形成されている。そして、ブレーキドラム42のスプライン溝にブレーキプレート44の歯部が軸方向へ摺動可能かつ相対回転不能に係合している。また、ブレーキハブ41の外周面には、外歯22の間に形成されて軸方向に延びる複数のスプライン溝41aが円周方向に所定間隔で形成されており、ブレーキディスク43の内周には、スプライン溝41aと同数の突起状の歯部(図示せず)が形成されている。そして、ブレーキハブ41のスプライン溝41aにブレーキディスク43の歯部が軸方向へ摺動可能かつ相対回転不能に係合している。
また、ブレーキドラム42内には、ピストン(押圧部材)48が収容されている。ピストン48は、軸方向に沿って相対移動可能に設置されている。ピストン48とケーシング5との隙間には、シリンダ室49が画成されている。シリンダ室49には、油路(図示せず)を介して作動油が導入されるようになっている。ピストン48はリターンスプリング48aの付勢力で摩擦係合部45から離れる側に付勢されている。
次に、クラッチ50は、有底円筒状のクラッチドラム52と、クラッチドラム52の内周に係合する円形環状の平板からなる複数のクラッチプレート(摩擦材)54と、リングギヤ20と一体に設けられてクラッチドラム52の内径側に同心状に配置されて相対回転可能なクラッチハブ51と、クラッチハブ51の外周に係合する円形環状の平板からなる複数のクラッチディスク(摩擦材)53とを備える。クラッチプレート54とクラッチディスク53は、軸方向で交互に重ね合わされて配列されており、それらで摩擦係合部55を構成している。クラッチプレート54とクラッチディスク53の積層方向における一方の端部(右側の端部)には、エンドプレート56が設置されている。エンドプレート56の右側(摩擦係合部55と反対側)に隣接する位置には、エンドプレート56の移動を規制する規制部材57が設置されている。
また、クラッチドラム52内には、ピストン(押圧部材)58が収容されている。ピストン58とクラッチドラム52との間には、シリンダ室59が画成されている。シリンダ室59には、油路(図示せず)を介して作動油が導入されるようになっている。ピストン58はリターンスプリング58aの付勢力で摩擦係合部55から離れる側に付勢されている。
上記のブレーキ40では、シリンダ室49に供給される作動油の油圧でピストン48を駆動してブレーキプレート44及びブレーキディスク43を相互に係合させることで、ブレーキ40が締結する。これにより、リングギヤ20(ブレーキハブ41)の回転が停止する(リングギヤ20がケーシング5に固定された状態になる)。また、上記のクラッチ50では、シリンダ室59に供給される作動油の油圧でピストン58を駆動してクラッチプレート54及びクラッチディスク53を相互に係合させることで、クラッチ50が締結する。これにより、リングギヤ20及びクラッチハブ51とクラッチドラム52に連結された回転部品(図示せず)とが一体に回転するようになる。
次に、遊星歯車機構10のリングギヤ20及びその周辺の構成を詳細に説明する。図3及び図4はリングギヤ20を示す図で、図3は、後述するオイルプレートアッセンブリ30を取り外した状態の分解斜視図、図4は、オイルプレートアッセンブリ30を取り付けた状態の斜視図である。リングギヤ20は、円筒状の本体部21と、本体部21の外周面に形成した複数の歯列からなる外歯22と、本体部21の内周面に形成した複数の歯列からなる内歯23とを備える。外歯22は、本体部21の外周面に形成された突起状の部分で、それらの間には、ブレーキハブ41として上記のブレーキディスク43を係合させるスプライン溝41aが形成されている。内歯23は、ピニオンギヤ17の外周面に形成した歯18に噛み合っている(図1参照)。また、リングギヤ20(本体部21)の軸方向の一端には、略円筒状のクラッチハブ51が一体に取り付けられている。クラッチハブ51は、その径寸法が本体部21の径寸法よりも若干大きな寸法に形成されており、外周面には、クラッチディスク53を係合させるスプライン溝51aが形成されている。
そして、リングギヤ20の本体部21の外周面には、周方向における等間隔の位置の複数の外歯22を欠歯してなる欠歯部24が形成されている。欠歯部24は、図では周方向の等間隔の五か所に設けられており、外歯22の一本分を省略してその部分のリングギヤ20(本体部21)の外周面を外歯22の突起の無い円周面として形成した部分である。そして、欠歯部24の底面(底部)24aには、リングギヤ20の本体部21を貫通する貫通穴からなるオイル供給穴25が形成されている。オイル供給穴25は、欠歯部24の軸方向におけるクラッチハブ51側の位置(クラッチハブ51の近傍位置)に形成されている。オイル供給穴25は、リングギヤ20の本体部21の内周面における内歯23が形成された部分以外の位置(内歯23に対して軸方向の異なる位置)に貫通している。すなわち、オイル供給穴25は、リングギヤ20の内歯23と噛み合うピニオンギヤ17とは軸方向で互いに重ならない位置に形成されている。
そして、リングギヤ20の欠歯部24には、オイルプレート(単体)31が取り付けられている。オイルプレート31は、欠歯部24の外径側を覆う略長方形の板状に形成されている。リングギヤ20の複数の欠歯部24それぞれにオイルプレート31が取り付けられている。オイルプレート31は、複数(図では5個)が円形環状の連結部37で一体に連結されており、この連結部37と5個のオイルプレート31とで一体部品であるオイルプレートアッセンブリ30が構成されている。オイルプレートアッセンブリ30を構成するオイルプレート31及び連結部37は、弾性を有する金属製の部材からなる。オイルプレート31は、その長手方向の一方の端辺が連結部37の周方向の等間隔の位置に接続されている。オイルプレート31は、その面がリングギヤ20の本体部21の外周面に沿って軸方向に延びるように、連結部37からその長手方向が軸方向に沿って配置されている。
図5は、欠歯部24に取り付けたオイルプレート31を示す図で、図5(a)は、オイルプレート31及び欠歯部24を軸方向から見た断面図(図4のA−A矢視に対応する部分の断面を示す図)、図5(b)は、オイルプレート31及び欠歯部24を周方向から見た断面図(図4のB−B矢視に対応する部分の断面を示す図)である。なお、図5(b)には、オイルプレート31及びリングギヤ20だけでなく、リングギヤ20の内径側に設置したピニオンギヤ17なども示されている。
オイルプレート31は、外径側に配置した外板部32と、外板部32と同一位置の内径側に重なるように配置した内板部33と、これら外板部32の長手方向の一辺と内板部33の長手方向の一辺とを連結してなる曲げ部34とを備えている。曲げ部34によって、外板部32の内径側に内板部33が折り返された状態で互いが重なるように配置されている。内板部33の外形寸法は、外板部32の外形寸法よりも若干(一回り程度)小さな寸法に形成されている。
外板部32には、貫通穴からなる油路穴32aが形成されている。油路穴32aは、外板部32の幅方向の中央に長手方向に沿って複数個が等間隔で直線状に並んで形成されている。一方、内板部33には貫通穴は形成されていない。
図3に示すように、オイルプレートアッセンブリ30は、各オイルプレート31が、リングギヤ20の軸方向の一方の端部(クラッチハブ51とは反対側の端部)から欠歯部24の外径側を覆うように差し込まれて取り付けられている。そして、連結部37がリングギヤ20の本体部21の端部にサークリップ(係止具)38で係止されている。これにより、図4及び図5に示すように、オイルプレート31が欠歯部24の外径側を覆った状態で取り付けられる。
図5(a)に示すように、オイルプレート31の曲げ部34は欠歯部24の周方向の一方の側面24bに当接しており、外板部32における曲げ部34と反対側の端辺(長手方向に延びる一の端辺)32bは、欠歯部24の周方向の他方の側面24cに当接している。これにより、オイルプレート31の曲げ部34と外板部32の端辺32bとにはそれぞれ欠歯部24の内面(側面24b及び側面24c)から荷重(押圧力)が作用した状態となっている。その一方で、オイルプレート31における内板部33の曲げ部34と反対側の端辺(長手方向に延びる一の端辺)33bは、欠歯部24の側面24b,24c及び底面24aには当接しておらず、欠歯部24の底面24aと当該端辺33bとの間には隙間S1が形成された状態になっている。
また、図5(b)に示すように、オイルプレート31の外板部32の連結部37と反対側の端辺(幅方向に延びる一の端辺)32dは、対向するクラッチハブ51に当接している。その一方で、オイルプレート31の内板部33における連結部37と反対側の端辺(幅方向に延びる一の端辺)33dは、対向するクラッチハブ51には当接しておらず、当該端辺33dとクラッチハブ51との間には隙間S2が形成された状態になっている。
また、図5(a)に示すように、変速機1を搭載した車両が前進走行する際のリングギヤ20の回転方向R1(矢印R1)は同図の右向きであり、車両が後進走行する際の回転方向R2(矢印R2)は同図の左向きである。そして、オイルプレート31の曲げ部34は、車両が前進走行する際のリングギヤ20の回転方向R1の前側あるいは先側(車両が後進走行する際のリングギヤ20の回転方向R2の手前側)に配置されている。
図6は、遊星歯車機構10及びブレーキ40へのオイルの流れを説明するための図で、図1の断面図にオイルの流れを追記した図である。図6ではオイルの流れを点線の矢印で示している。同図に示すように、入力軸2の内部(中心)に配置した潤滑パイプ3内を流れるオイル(潤滑油)は、潤滑パイプ3に形成した貫通穴からなる油路穴3aを通って潤滑パイプ3の外部に流出する。この潤滑パイプ3の外部へ流出したオイルは、入力軸2の端部から入力軸2とサンギヤ11との間を流れる。このオイルは、一部が入力軸2とサンギヤ11との間の軸受12を潤滑する。その他は、サンギヤ11に設けた貫通穴からなる油路穴11aを通ってサンギヤ11の外径側に向かう。さらにこのオイルの一部は、油路穴11aの先で部材61に設けた油路穴61aを通って外径側へ進み、部材61とリングギヤハブ20aとの間に設けた軸受73を潤滑し、さらに外径側のクラッチ50へ導かれる。他のオイルは、キャリア15と部材61との間に設けた軸受(スラスト軸受)71やキャリア15とリングギヤハブ20aとの間に設けた他の軸受(スラスト軸受)72を潤滑しながら、キャリア15とリングギヤハブ20aとの隙間を通って遊星歯車機構10の内部を径方向の外側へ進む。このオイルは、リングギヤ20に設けたオイル供給穴25から欠歯部24の底面24aとオイルプレート31との隙間に流入し、そこからオイルプレート31の油路穴32aを通って外径側のブレーキ40の摩擦係合部45に供給される。こうして、オイルプレート31の油路穴32aから供給されたオイルでブレーキ40の摩擦係合部45の冷却及び潤滑が行われる。
一方、入力軸2の外径側で軸受12を潤滑したオイルは、遊星歯車機構10の端部(右端部)を通って外径側へ進みピニオンシャフト16の内部に入る。このオイルは、ピニオンシャフト16の内部から軸受19及びピニオンギヤの17の端部(左端部)を通ってリングギヤ20のオイル供給穴25に達する。なお、ブレーキ40の解放中は、遊星歯車機構10のサンギヤ11とキャリア15とリングギヤ20は一体に回転するため、このピニオンシャフト16の内部を通ってオイル供給穴25に達するオイルは昇温することなくブレーキ40の摩擦係合部45へ到達する。このように、ブレーキ40の冷却用のオイルは、高い回転差が生じた状態の軸受や遊星歯車機構(主要な発熱要素)を回避することで、あまり昇温しない状態でブレーキ40に到達することができる。
図7は、欠歯部24における車両の前進走行時と後進走行時のオイルの流れを説明するための図である。車両の前進走行時には、図7(a)に示すように、リングギヤ20が図の右向き(矢印R1の向き)に回転することで、オイル供給穴25から欠歯部24の底面24aとオイルプレート31との隙間に供給されたオイルが回転方向R1の後側に集まる。そのため、欠歯部24の後側の側面24cの近傍部分、詳細には、欠歯部24の側面24cとオイルプレート31の外板部32と内板部33とで囲まれた部分にオイル溜まりL1ができる。このオイル溜まりL1に溜まったオイルは、リングギヤ20の回転による遠心力(遠心油圧)で外板部32の油路穴32aから外径側へ噴出するので、油路穴32aからブレーキ40の摩擦係合部45へ比較的に多量のオイルが供給される。
その一方で、車両の後進走行時には、図7(b)に示すように、リングギヤ20が図の左向き(矢印R2の向き)に回転することで、オイル供給穴25から欠歯部24の底面24aとオイルプレート31との隙間に供給されたオイルが回転方向R2の後側に集まる。そのため、欠歯部24の底面24aとオイルプレート31の内板部33とで囲まれた部分にオイル溜まりL2ができる。このオイル溜まりL2に溜まったオイルは、図8(a)及び図8(b)に示すように、内板部33の長手方向の両側の端部から外部へ排出される(L3)。したがってこの場合は、外板部32の油路穴32aから外径側へ噴出してブレーキ40の摩擦係合部45へ供給されるオイル(L4)の量が比較的に少量となる。
図9は、欠歯部24における車両の低速走行時と高速走行時のオイルの流れを説明するための図である。車両の低速走行時には、リングギヤ20は比較的に低い回転数で回転している。この状態では、図9(a)に示すように、オイルプレート31の内板部33と欠歯部24の底面24aとの隙間S1は比較的に小さい状態である。そのため、オイル供給穴25から欠歯部24とオイルプレート31との隙間に導入されたオイルは、その多くがオイルプレート31の内板部33と欠歯部24の底面24aとの間の空間K1に留まり、外板部32と内板部33との間の空間K2には流れ込む量は比較的に少量となる。これにより、オイルの多くが、内板部33の長手方向の両側の端部から外部へ排出される(図8(a)のL3)。したがってこの場合は、外板部32の油路穴32aから外径側へ噴出してブレーキ40の摩擦係合部45へ供給されるオイル(図8(a)のL4)の量が比較的に少量となる。
その一方で、車両の高速走行時には、リングギヤ20は比較的に高い回転数で回転している。この状態では、図9(b)に示すように、オイルプレート31の内板部33にかかる遠心力(遠心油圧)によって、オイルプレート31の内板部33と欠歯部24の底面24aとの隙間S1は比較的に大きな状態(低速走行時よりも大きな状態)となる。そのため、オイル供給穴から欠歯部24とオイルプレート31と間の空間K1に導入されたオイルは、その多くがオイルプレート31の内板部33と欠歯部24の底面24aと空間K1から流出して外板部32と内板部33との間の空間K2に入り込む。このオイルは、リングギヤ20の回転による遠心力(遠心油圧)で外板部32の油路穴32aから外径側へ噴出する(図8(a)のL4)ので、オイルプレート31の油路穴32aからブレーキ40の摩擦係合部45へ比較的に多量のオイルが供給される。
また、上記の曲げ部34は、オイルプレート31における車両の前進時のリングギヤ20の回転方向の前側(より詳細には最前部)に配置されている。このように、曲げ部34が車両の前進時におけるリングギヤ20の回転方向の前側に設置されていることで、車両の前進時のリングギヤ20の回転で曲げ部34が押圧されて内板部33が外板部32に近付くように付勢される。これにより、車両の前進走行時にも、上記の高速走行時と同様のオイルの流れの状態となる。したがって車両の前進走行時には、後進走行時と比較して、オイルプレート31の油路穴32aからブレーキ40の摩擦係合部45へ比較的に多量のオイルが供給される。
図10は、ブレーキ40の回転数(差回転量)と摩擦材の損失量との関係を示すグラフで、横軸はブレーキ40の回転数、縦軸は摩擦材の損失量である。一般的にブレーキ40などの摩擦係合装置では、回転数(差回転量)がある値N1よりも小さな領域では、摩擦面(ブレーキディスク43とブレーキプレート44の摺接面)にオイルが介在することで摩擦材の損失が比較的に大きくなる。そして、回転数がある値N1よりも大きくなると、摩擦面に介在しているオイルが排出されて減少することで、摩擦材の損失が低下する。そこからさらに回転数が大きくなっていくと、回転数の増大を要因として再び摩擦材の損失量が大きくなってゆく。
これに対して、本実施形態では、先に図9を用いて説明したように、リングギヤ20が比較的に低い回転数で回転している状態で、オイルプレート31の油路穴32aから外径側へ噴出してブレーキ40の摩擦係合部45へ供給されるオイルの量が比較的に少量となるように構成している。これにより、リングギヤ20が比較的に低い回転数で回転している状態でのオイルの介在に起因する摩擦材の損失を小さく抑えることが可能となる。すなわち、図10のグラフに示すように、回転数N1以下の領域での損失量(M1の領域の損失量)を削減することが可能となる。
また、本実施形態では、リングギヤ20が比較的に高い回転数で回転している状態で、オイルプレート31の油路穴32aからブレーキ40の摩擦係合部45へ比較的に多量のオイルが供給されるように構成している。これにより、リングギヤ20が比較的に低い回転数で回転している状態で、摩擦材に十分な量のオイルを供給することができるので、差回転に起因する摩擦材の損失を小さく抑えることが可能となる。すなわち、図10のグラフに示す領域M2の損失をより小さくすることが可能となる。
以上説明したように、本実施形態の変速機(動力伝達装置)1は、入力軸(回転軸)2と、入力軸2と同心上に設置したサンギヤ11と、サンギヤ11の外径側に配置されたキャリア15に支持されたピニオンギヤ17と、ピニオンギヤ17の外径側に配置されて該ピニオンギヤ17と噛合するリングギヤ20とを有する遊星歯車機構10と、遊星歯車機構10の外径側に配置したブレーキ(摩擦係合装置)40と、リングギヤ20におけるピニオンギヤ17とは噛合しない位置に形成した貫通穴からなるオイル供給穴25と、リングギヤ20の外周面に取り付けられてオイル供給穴25を覆うオイルプレート31と、オイルプレート31に形成した貫通穴からなる油路穴32aとを備える。そして、入力軸2の軸心から供給されたオイルが、リングギヤ20のオイル供給穴25からオイルプレート31の油路穴32aを通ってブレーキ40の摩擦係合部45に供給されるように構成している。
本実施形態の変速機(動力伝達装置)1によれば、入力軸2の軸心から供給されたオイルが、リングギヤ20のオイル供給穴25からオイルプレート31の油路穴32aを通ってブレーキ40の摩擦係合部45に供給されるように構成したことで、リングギヤ20の外径側に配置したブレーキ40の冷却に必要なオイルを供給することができる。したがって、ブレーキ40の効果的な冷却が可能となる。また、ブレーキ40の摩擦係合部45の全周に渡って均等にオイルを供給することができる。また、オイルプレート31に油路穴32aを形成したことで、当該油路穴32aの位置(軸方向の位置)をリングギヤ20のピニオンギヤ17との噛合位置からオフセットさせずに済むので、遊星歯車機構10及び変速機1の軸方向の寸法を短く抑えることができる。また、ブレーキ40へオイルを供給するための構成として、リングギヤ20の外径側(ブレーキ40の内径側)に(ブレーキ40用のハブなどの)別部品を設置する必要が無いので、その分、ブレーキ40の外径寸法の小型化を図ることができる。また、オイルプレート31に油路穴32aを形成したことでリングギヤ20に直接油路穴を形成せずに済むので、リングギヤ20に直接油路穴を形成することで生じる各種の問題を回避できる。これらによって、簡単な構成で、各部品に必要な強度を確保しながらも、遊星歯車機構10のリングギヤ20の外径側に配置したブレーキ40に必要な量のオイルを供給することで当該ブレーキ40の効果的な冷却を行うことが可能となる。
また、本実施形態では、リングギヤ20の外周面に形成した複数の歯列からなる外歯22と、外歯22の一部を欠歯してなる欠歯部24とを備えており、欠歯部24の底面(底部)24aにオイル供給穴25を設けると共に、欠歯部24の外径側にオイルプレート31を設置している。
この構成によれば、オイル供給穴25をリングギヤ20における外歯22が形成されていない欠歯部24の底面24aに設けたことで、オイル供給穴25を設けたことによるリングギヤ20の外歯22の強度低下を防止できる。また、欠歯部24の外径側にオイルプレート31を設置したことでオイルプレート31と欠歯部24の底面24aとの間にオイル供給穴25から出たオイルが導入される空間(いわゆるオイル溜まり部)が形成されるので、当該空間からオイルプレート31の油路穴32aを介してブレーキ40の摩擦係合部45に供給されるオイルの量の安定化を図ることができる。
また、本実施形態では、オイルプレート31は、弾性金属製の部材であり、外径側に配置した外板部32と、外板部32の一端辺を内径側に折り返してなる曲げ部34と、曲げ部34に連結されて外板部32の内径側に重なる内板部33とを備えている。そして、油路穴32aは、外板部32に形成されている。
この構成によれば、外板部32と内板部33を連結してなる曲げ部34を備えることで、曲げ部34によって内板部33が外板部32から離れる方へ(内径側へ)付勢される。車両の車速が比較的に低く、リングギヤ20の回転が比較的に低回転の状態では、この曲げ部34の付勢力でリングギヤ20と内板部33との隙間が小さくなっている。その一方で、車両の車速が比較的に高く、リングギヤ20の回転が比較的に高回転になると、内板部33が回転による遠心力(遠心油圧)で外径側へ付勢されてリングギヤ20(詳細には欠歯部24の底面24a)と内板部33との隙間が大きくなる。これにより、油路穴32aに導入されるオイルの流量が増加する。したがって、低回転時には、油路穴32aからブレーキ40に供給されるオイルの流量を少なく抑えてオイルの過剰供給によるフリクションの増加を防止でき、高回転時には、油路穴からブレーキ40に供給されるオイルの流量を多くすることで、十分な量のオイルの供給によるブレーキ40の効果的な冷却が可能となる。
また、本実施形態では、欠歯部24は、リングギヤ20の外周面に周方向で等間隔に複数が形成されており、オイルプレート31は、複数の欠歯部24それぞれに取り付けられた複数のオイルプレート31である。そして、複数のオイルプレート31と該複数のオイルプレート31を互いに連結する連結部27と一体に設けたオイルプレートアッセンブリ(一体部品)30がサークリップ(係止具)38でリングギヤ20に係止されている。この構成により、変速機1の部品点数の削減、構成の簡素化、組立工程の容易化を図ることができる。
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、オイルが供給される摩擦係合装置はブレーキ40である場合を示したが、これ以外にも、オイルが供給される摩擦係合装置はクラッチなどであってもよい。また、上記実施形態の遊星歯車機構10が備えるピニオンギヤ17の数や配置等は一例であり、本発明の遊星歯車機構は上記実施形態に示す以外の構成であってもよい。
1 変速機(動力伝達装置)
5 ケーシング
2 入力軸(回転軸)
3 潤滑パイプ
3a 油路穴
10 遊星歯車機構
11 サンギヤ
11a 油路穴
12 軸受
15 プラネタリキャリア(キャリア)
16 ピニオンシャフト
17 ピニオンギヤ
18 歯
20 リングギヤ
21 本体部
22 外歯
22a 突起
22b 溝
23 内歯
24 欠歯部
24a 底面(底部)
24b 側面
24c 側面
25 オイル供給穴
30 オイルプレートアッセンブリ(一体部品)
31 オイルプレート(覆い部材)
32 外板部
32a 油路穴
33 内板部
34 曲げ部
37 連結部
40 ブレーキ(摩擦係合装置)
41 ブレーキハブ
41a スプライン溝
42 ブレーキドラム
42a スプライン溝
43 ブレーキディスク
44 ブレーキプレート
45 摩擦係合部
46 エンドプレート
47 規制部材
48 ピストン
49 シリンダ室
50 クラッチ
51 クラッチハブ
52 クラッチドラム
53 クラッチディスク
54 クラッチプレート
55 摩擦係合部
56 エンドプレート
57 規制部材
58 ピストン
R1 回転方向(前進走行時)
R2 回転方向(後進走行時)

Claims (5)

  1. 回転軸と、前記回転軸と同心上に設置したサンギヤと、前記サンギヤの外径側に配置されたキャリアに支持されたピニオンギヤと、前記ピニオンギヤの外径側に配置されて該ピニオンギヤと噛合するリングギヤと、を有する遊星歯車機構と、
    前記遊星歯車機構と前記回転軸の軸方向における同位置の外径側に配置した摩擦係合装置と、
    前記リングギヤにおける前記ピニオンギヤとは噛合しない位置に形成した貫通穴からなるオイル供給穴と、
    前記リングギヤの外周面に取り付けられて前記オイル供給穴を覆う板状の覆い部材と、
    前記覆い部材に形成した貫通穴からなる油路穴と、を備え、
    前記回転軸の軸心から供給されたオイルが、前記リングギヤの前記オイル供給穴から前記覆い部材の前記油路穴を通って前記摩擦係合装置に供給されるように構成した
    ことを特徴とする動力伝達装置。
  2. 前記リングギヤの外周面に形成した複数の歯列からなる外歯と、
    前記外歯の一部を欠歯してなる欠歯部と、を備え、
    前記欠歯部の底部に前記オイル供給穴を設けると共に、前記欠歯部の外径側に前記覆い部材を設置する
    ことを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置。
  3. 前記覆い部材は、弾性を有する部材で構成されており、外径側に配置した外板部と、前記外板部の一端辺を内径側に折り返してなる曲げ部と、前記曲げ部に連結されて前記外板部の内径側に重なる内板部と、を備え、
    前記油路穴は、前記外板部に形成されている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の動力伝達装置。
  4. 前記動力伝達装置は、車両に搭載された駆動源からの動力を駆動輪に伝達する動力伝達装置であり、
    前記曲げ部は、前記覆い部材における前記車両の前進走行時の前記リングギヤの回転方向の前側に配置されている
    ことを特徴とする請求項3に記載の動力伝達装置。
  5. 前記欠歯部は、前記リングギヤの外周面に周方向で等間隔に複数が形成されており、
    前記覆い部材は、前記複数の欠歯部それぞれに取り付けられた複数の覆い部材であり、
    前記複数の覆い部材と該複数の覆い部材を互いに連結する連結部と一体に設けた一体部品と、
    前記リングギヤに取り付けた前記一体部品を係止するための係止具と、を備える
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の動力伝達装置。
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