JP2011052746A - 湿式多板クラッチ - Google Patents
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Abstract
【課題】潤滑油の供給量を抑制させることができる湿式多板クラッチを提供する。
【解決手段】クラッチC1は、油排出孔10cを有するクラッチドラム10、外側プレート11、クラッチハブ12、内側プレート13及びピストン14を備える。ピストン14には油排出孔10cを閉塞自在なシャッター19が設けられている。ピストン14がプレート11,13を開放するときに、シャッター19により油排出孔10cが開口され、径方向外方に配置される他の湿式多板クラッチC2のクラッチハブ22の内周面に潤滑油が供給される。ピストン14がプレート11,13を押圧するときに、シャッター19により油排出孔10cが閉塞され、クラッチドラム10の内周面に溜まる潤滑油が、クラッチドラム10の側壁の貫通孔10dから、他の湿式多板クラッチC2の潤滑油の供給路とは異なる排出口24a及び排出口20dを通って排出される。
【選択図】図2
【解決手段】クラッチC1は、油排出孔10cを有するクラッチドラム10、外側プレート11、クラッチハブ12、内側プレート13及びピストン14を備える。ピストン14には油排出孔10cを閉塞自在なシャッター19が設けられている。ピストン14がプレート11,13を開放するときに、シャッター19により油排出孔10cが開口され、径方向外方に配置される他の湿式多板クラッチC2のクラッチハブ22の内周面に潤滑油が供給される。ピストン14がプレート11,13を押圧するときに、シャッター19により油排出孔10cが閉塞され、クラッチドラム10の内周面に溜まる潤滑油が、クラッチドラム10の側壁の貫通孔10dから、他の湿式多板クラッチC2の潤滑油の供給路とは異なる排出口24a及び排出口20dを通って排出される。
【選択図】図2
Description
本発明は、湿式多板クラッチに関する。
従来、エンジンの駆動力を変速比順位で奇数番目の変速段を確立する変速ギヤが設けられた第1シャフトに解除自在に伝達させる第1クラッチと、エンジンの駆動力を変速比順位で偶数番目の変速段を確立する変速ギヤが設けられた第2シャフトに解除自在に伝達させる第2クラッチとを備えた所謂デュアル・クラッチ・トランスミッション(DCT)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この変速機の両クラッチ(複式クラッチ)は、軸方向に並べて配置することもできるが、径方向内側と径方向外側とに配置させれば、自動変速機の軸長を短くすることができ、FF式の車両への搭載性を向上させることができる。
ところで、上記のように、2つのクラッチが径方向に並んで配置されている場合、径方向内方のクラッチへ供給された潤滑油が径方向外方のクラッチに供給されると、内方のクラッチが係合状態にある場合、高温の潤滑油が外方のクラッチに供給されることとなり、外方のクラッチの寿命が低下するという問題がある。
このため、特許文献1のものでは、両クラッチに潤滑油を供給する流路を異なるものとし、内方のクラッチに供給された潤滑油が外方のクラッチに供給されないようにしている。
従来の湿式多板クラッチの構造では、内方に位置するクラッチと外方に位置するクラッチとに独立の流路を介して潤滑油が供給されるため、何れの流路も単独で各クラッチに適切な量の潤滑油を供給できるように構成する必要がある。
このため、内方のクラッチには、内方のクラッチが開放状態であり潤滑油による冷却が必要でない場合であっても、潤滑油が供給されてそのまま排出されることとなる。従って、無駄な潤滑油の供給が多く、又、両クラッチに適切な量の潤滑油を供給すべくオイルポンプ等の油供給源の容量も要求に合致した大型のものにする必要がある。
本発明は、以上の点に鑑み、潤滑油の供給量を抑制させることができる湿式多板クラッチを提供することを目的とする。
[1]本発明の第1態様は、シャフトに固定されるクラッチドラムと、該クラッチドラムの内周面に前記シャフトの軸方向に摺動自在にスプライン結合された複数の外側プレートと、前記クラッチドラム内に位置する筒状部を有し前記シャフトと同一軸線上に配置されるクラッチハブと、該クラッチハブの筒状部外周面に前記シャフトの軸方向に摺動自在にスプライン結合された複数の内側プレートと、前記外側プレート及び前記内側プレートを押圧自在なピストンとを備える湿式多板クラッチであって、前記クラッチドラムには、径方向に貫通し前記プレート間を通過して当該クラッチドラムの内周面に溜まった潤滑油を排出する複数の油排出孔と、側壁の内面と外面とを連通させるように穿設された貫通孔とが設けられ、前記ピストンには、前記油排出孔を閉塞自在なシャッターが設けられ、前記ピストンが前記プレートを開放するときに、前記シャッターにより前記油排出孔が開口されると共に、前記油排出孔から排出される潤滑油が当該湿式多板クラッチの径方向外方に配置される他の湿式多板クラッチの潤滑油の供給路に供給され、前記ピストンが前記プレートを押圧するときに、前記シャッターにより前記油排出孔が閉塞されると共に、前記クラッチドラムの内周面に溜まる潤滑油が前記貫通孔から前記他の湿式多板クラッチの潤滑油の供給路とは異なる排出口から排出されることを特徴とする。
本発明の第1態様によれば、湿式多板クラッチが係合状態である場合には、ピストンが両プレートを押圧しており、ピストンに連結されたシャッターが油排出孔を閉塞した状態となる。このため、クラッチドラムの内周面に溜まった潤滑油は、クラッチドラムの側壁に穿設された貫通孔を介して排出され、当該湿式多板クラッチの径方向外方に配置された他の湿式多板クラッチには供給されない。
このため、高温の潤滑油が前記他の湿式多板クラッチに供給されることを阻止することができ、前記他の湿式多板クラッチの寿命の低下を防止することができる。
又、湿式多板クラッチが開放状態である場合には、ピストンが両プレートを開放しており、ピストンに連結されたシャッターが油排出孔を開口した状態となる。このため、両プレート間を通過してクラッチドラムの内周面に溜まった潤滑油は、油排出孔を介してクラッチドラムの外周面側に流出し、前記他の湿式多板クラッチの潤滑油の供給路に供給される。
ここで、湿式多板クラッチが開放状態である場合には、両プレート間の摩擦力が弱いため、両プレート間を通過した潤滑油は比較的低温な状態を保っている。従って、前記他の湿式多板クラッチには、比較的低温の潤滑油が供給され、第1態様の湿式多板クラッチに供給される潤滑油をそのまま排出させること無く、前記他の湿式多板クラッチの潤滑油として用いることができ、前記他の湿式多板クラッチの潤滑油による冷却効果を向上させることができる。
又、第1態様の湿式多板クラッチが係合状態であり、前記他の湿式多板クラッチが開放状態である場合には、第1態様の湿式多板クラッチに供給される潤滑油は、前記他の湿式多板クラッチに供給されず、クラッチドラムの貫通孔を介して排出される。このため、前記他の湿式多板クラッチに供給される潤滑油を減少させることができ、前記他の湿式多板クラッチの両プレート間で潤滑油が引き摺られることにより生じるドラッグトルクを低減させることができる。
[2]本発明の第2態様は、シャフトに固定されるクラッチドラムと、クラッチドラムの内周面にシャフトの軸方向に摺動自在にスプライン結合された複数の外側プレートと、クラッチドラム内に位置する筒状部を有し前記シャフトと同一軸線上に配置されるクラッチハブと、クラッチハブの筒状部外周面にシャフトの軸方向に摺動自在にスプライン結合された複数の内側プレートと、外側プレート及び内側プレートを押圧自在なピストンとを備える湿式多板クラッチであって、クラッチハブの筒状部には、径方向に貫通しプレート間に潤滑油を供給する複数の油供給孔が設けられ、クラッチハブの側壁には、当該側壁の内面と外面とを連通させる貫通孔が設けられ、クラッチドラムの側壁には、当該側壁の内面と外面とを連通させるように穿設された貫通孔が設けられ、ピストンには、油供給孔を閉塞自在なシャッターが設けられ、ピストンがプレートを開放するときに、シャッターにより油供給孔が閉塞されると共に、クラッチハブに設けられた貫通孔から排出される潤滑油が湿式多板クラッチの径方向外方に配置される他の湿式多板クラッチの潤滑油の供給路に供給され、ピストンがプレートを押圧するときに、シャッターにより油供給孔が開口されると共に、プレート間を通過してクラッチドラムの内周面に溜まった潤滑油がクラッチドラムの貫通孔を介して、前記他の湿式多板クラッチの潤滑油の供給路とは異なる排出路から排出されることを特徴とする。
本発明の第2態様によれば、第2態様の湿式多板クラッチが開放状態であるときは、ピストンが両プレートを開放した状態であり、シャッターによりクラッチハブに設けられた油供給孔が閉塞される。このとき、クラッチハブの内周面に溜まった潤滑油は、クラッチハブの側壁に設けられた貫通孔を介して、前記他の湿式多板クラッチの潤滑油の供給路に供給される。
第2態様の湿式多板クラッチが係合状態であるときは、ピストンが両プレートを押圧した状態であり、シャッターにより油供給孔が開口される。このとき、クラッチハブの内周面に溜まった潤滑油は、油供給孔を介して両プレート間に供給され、第2態様の湿式多板クラッチが冷却される。そして、高温となりクラッチドラムの内周面に溜まった潤滑油は、前記他の湿式多板クラッチに供給されること無く、そのまま排出される。
以上のように、第2態様の湿式多板クラッチによっても、第1態様の湿式多板クラッチと同様に、係合状態の第2態様の湿式多板クラッチを冷却することにより高温となった潤滑油が前記他の湿式多板クラッチに供給されることを阻止することができる。
これにより、前記他の湿式多板クラッチの寿命の低下を防止させると共に、開放状態の前記他の湿式多板クラッチには当該他の湿式多板クラッチ専用の供給路からの潤滑油しか供給されないため、ドラッグトルクを低減させることができる。
又、第2態様の湿式多板クラッチが開放状態で前記他の湿式多板クラッチが係合状態であるときには、シャッターによりクラッチハブの油供給孔が閉塞される。これにより、第2態様の湿式多板クラッチのクラッチハブの内周面に供給される潤滑油は、第2態様の湿式多板クラッチに供給されることなく、クラッチハブの貫通孔を介して前記他の湿式多板クラッチに供給される。
従って、前記他の湿式多板クラッチの冷却効果を向上させることができると共に、開放状態にある第2態様の湿式多板クラッチでの両プレート間で潤滑油が引き摺られることにより発生するドラッグトルクを抑制させることができる。
[3]又、第2態様において、ピストンとシャッターとは互いに相対回転自在に連結されていることが好ましい。油供給孔はクラッチハブの外周面に設けられたスプライン歯の間に形成されており、シャッターもスプライン歯の間に配置される。このため、シャッターはクラッチハブと一緒に回転する。これに対し、ピストンは、クラッチドラムの側壁との間で作動油圧室を画成するため、シール性等の観点からクラッチドラムと一緒に回転することが望まれる。しかしながら、ピストンとシャッターとが相対回転不能に連結されている場合、シャッターはクラッチハブのスプライン歯の間に位置するためクラッチハブと一緒に回転してしまい、シャッターが固定されたピストンもクラッチハブと一緒に回転することとなって、クラッチドラムとピストンとの間で差回転が発生してしまう。
そこで、上述の如くピストンとシャッターとを互いに相対回転自在に連結すれば、ピストンがシャッターに吊られて回転することを防止でき、クラッチドラムとピストンとの間での差回転の発生を抑制することができる。
[4]本発明において、油排出孔又は油供給孔は、外側プレート又は内側プレートと係合するクラッチドラム又はクラッチハブのスプライン歯の間の部分の一部に穿設され、外側プレート又は内側プレートは、油排出孔又は油供給孔が形成された部分を除くクラッチドラム又はクラッチハブのスプライン歯の間の部分にのみ係合するスプライン歯を備え、油排出孔又は油供給孔が形成された箇所には、外側プレート又は内側プレートとクラッチドラム又はクラッチハブとクラッチドラム又はクラッチハブのスプライン歯とにより空間が画成され、ピストンから延設されたシャッターは、画成された空間内に配置されることが好ましい。
かかる構成によれば、油排出孔又は油供給孔をスプライン歯の間の部分の一部にのみ穿設し、この一部分に対応するプレートの部分を欠け歯とするだけで、シャッターを配置する空間(スペース)を確保することができる。従って、既存の製品から容易に設計変更することができる。
[第1実施形態]
図1から図5を参照して、本発明の湿式多板クラッチの第1実施形態を説明する。第1実施形態の湿式多板クラッチは、図1に示す自動変速機1に用いられるものである。この変速機1は、エンジン2に流体トルクコンバータ3を介して連結される入力シャフト4と、入力シャフト4を内挿する第1中間シャフト5と、第1中間シャフト5を内挿する第2中間シャフト6と、入力シャフト4に平行に配置された第1出力シャフト7と、入力シャフト4に平行に配置された第2出力シャフト8とを備える。
図1から図5を参照して、本発明の湿式多板クラッチの第1実施形態を説明する。第1実施形態の湿式多板クラッチは、図1に示す自動変速機1に用いられるものである。この変速機1は、エンジン2に流体トルクコンバータ3を介して連結される入力シャフト4と、入力シャフト4を内挿する第1中間シャフト5と、第1中間シャフト5を内挿する第2中間シャフト6と、入力シャフト4に平行に配置された第1出力シャフト7と、入力シャフト4に平行に配置された第2出力シャフト8とを備える。
第1出力シャフト7には、第1出力ギヤ7aが固定されている。第2出力シャフト8には、第2出力ギヤ8aが固定されている。両出力ギヤ7a,8aは、図外の車両の駆動輪に連結されるデファレンシャルギヤに固定されたファイナルドリブンギヤに噛合している。
自動変速機1は、係合要素として、入力シャフト4と第1中間シャフト5とを連結する状態とこの連結を断つ状態とに切換自在な第1湿式多板クラッチC1と、入力シャフト4と第2中間シャフト6とを連結する状態と、この連結を断つ状態とに切換自在な第2湿式多板クラッチC2とを備える。この2つのクラッチC1,C2により複式クラッチ装置が構成されている。
第1中間シャフト5には、1速ギヤ列G1の構成要素たる1速駆動ギヤG1aと、3速ギヤ列G3及び5速ギヤ列G5の共通の構成要素たる第1共用駆動ギヤG35aと、7速ギヤ列G7の構成要素たる7速駆動ギヤG7aとが固定されている。
第2中間シャフト6には、2速ギヤ列G2及びリバースギヤ列Grの共通の構成要素たる第2共用駆動ギヤG2raと、4速ギヤ列G4及び6速ギヤ列G6の共通の構成要素たる第3共用駆動ギヤG46aとが固定されている。
第1出力シャフト7には、1速駆動ギヤG1aと噛合する1速従動ギヤG1bと、第1共用駆動ギヤG35aと噛合する3速従動ギヤG3bと、リバース従動ギヤGrbと、第3共用駆動ギヤG46aと噛合する4速従動ギヤG4bとが回転自在に軸支されている。
又、第1出力シャフト7には、第1と第2の2つのシンクロメッシュ機構S1,S2が設けられている。第1シンクロメッシュ機構S1は、1速従動ギヤG1bと第1出力シャフト7とを相対回転不能に連結する状態と、3速従動ギヤG3bと第1出力シャフト7とを相対回転不能に連結する状態と、1速従動ギヤG1b及び3速従動ギヤG3bと第1出力シャフト7との連結を断つ状態の何れか1の状態に切換自在に構成されている。
第2シンクロメッシュ機構S2は、リバース従動ギヤGrbと第1出力シャフト7とを相対回転不能に連結する状態と、4速従動ギヤG4bと第1出力シャフト7とを相対回転不能に連結する状態と、リバース従動ギヤGrb及び4速従動ギヤG4bと第1出力シャフト7との連結を断つ状態の何れか1の状態に切換自在に構成されている。
第2出力シャフト8には、7速駆動ギヤG7aと噛合する7速従動ギヤG7bと、第1共用駆動ギヤG35aと噛合する5速従動ギヤG5bと、第2共用駆動ギヤG2ra及びリバース従動ギヤGrbと噛合する2速駆動ギヤG2bと、第3共用駆動ギヤG46aと噛合する6速従動ギヤG6bとが回転自在に軸支されている。
又、第2出力シャフト8には、第3と第4の2つのシンクロメッシュ機構S3,S4が設けられている。第3シンクロメッシュ機構S3は、2速従動ギヤG2bと第2出力シャフト8とを相対回転不能に連結する状態と、6速従動ギヤG6bと第2出力シャフト8とを相対回転不能に連結する状態と、2速従動ギヤG2b及び6速従動ギヤG6bと第2出力シャフト8との連結を断つ状態の何れか1の状態に切換自在に構成されている。
第4シンクロメッシュ機構S4は、5速従動ギヤG5bと第2出力シャフト8とを相対回転不能に連結する状態と、7速従動ギヤG7bと第2出力シャフト8とを相対回転不能に連結する状態と、5速従動ギヤG5b及び7速従動ギヤG7bと第2出力シャフト8との連結を断つ状態の何れか1の状態に切換自在に構成されている。
第1実施形態の自動変速機1では、1速駆動ギヤG1aと1速従動ギヤG1bとで1速ギヤ列G1、第2共用駆動ギヤG2raと2速従動ギヤG2bとで2速ギヤ列G2、第1共用駆動ギヤG35aと3速従動ギヤG3bとで3速ギヤ列G3、第3共用駆動ギヤG46aと4速従動ギヤG4bとで4速ギヤ列G4を構成している。
又、第1共用駆動ギヤG35aと5速従動ギヤG5bとで5速ギヤ列G5、第3共用駆動ギヤG46aと6速従動ギヤG6bとで6速ギヤ列G6、7速駆動ギヤG7aと7速従動ギヤG7bとで7速ギヤ列G7を構成している。又、リバースギヤ列Grは、第2共用駆動ギヤG2raと2速従動ギヤG2bとリバース従動ギヤGrbとで構成され、2速従動ギヤG2bがアイドルギヤとしての機能を兼ねている。
以上の構成により、自動変速機は、図外のトランスミッション・コントロール・ユニットの制御下で、第1シンクロメッシュ機構S1が1速従動ギヤG1bと第1出力シャフト7とを連結させた状態とされ、第1湿式多板クラッチC1が係合されると、1速段が確立される。第3シンクロメッシュ機構S3が2速従動ギヤG2bと第2出力シャフト8とを連結させた状態とされ、第2湿式多板クラッチC2が係合されると、2速段が確立される。
第1シンクロメッシュ機構S1が3速従動ギヤG3bと第1出力シャフト7とを連結させた状態とされ、第1湿式多板クラッチC1が係合されると、3速段が確立される。第2シンクロメッシュ機構S2が4速従動ギヤG4bと第1出力シャフト7とを連結させた状態とされ、第2湿式多板クラッチC2が係合されると、4速段が確立される。第4シンクロメッシュ機構S4が5速従動ギヤG5bと第2出力シャフト8とを連結させた状態とされ、第1湿式多板クラッチC1が係合されると、5速段が確立される。
第3シンクロメッシュ機構S3が6速従動ギヤG6bと第2出力シャフト8とを連結させた状態とされ、第2湿式多板クラッチC2が係合されると、6速段が確立される。第4シンクロメッシュ機構S4が7速従動ギヤG7bと第2出力シャフト8とを連結させた状態とされ、第1湿式多板クラッチC1が係合されると、7速段が確立される。第2シンクロメッシュ機構S2がリバース従動ギヤGrbと第1出力シャフト7とを連結させた状態とされ、第2湿式多板クラッチC2が係合されると、アイドルギヤとしての2速従動ギヤG2bの働きで第1出力シャフト7及び第1出力ギヤ7aが逆回転し、後進段が確立される。
以上の構成から明らかなように、第1実施形態の自動変速機1は、第1中間シャフト5に変速比順位で奇数番目の変速段を確立させる変速ギヤが設けられ、第2中間シャフト6に変速比順位で偶数番目の変速段を確立させる変速ギヤが設けられた所謂デュアル・クラッチ・トランスミッション(DCT)である。
次に、図2〜図5を参照して、第1実施形態の複式クラッチ装置を構成する2つの湿式多板クラッチC1,C2を詳細に説明する。第1湿式多板クラッチC1は、入力シャフト4とスプライン結合する有底筒状のクラッチドラム10と、クラッチドラム10の内周面にスプライン結合する複数の外側プレート11と、クラッチドラム10の径方向内方に配置される筒状部12aを有するクラッチハブ12と、クラッチハブ12の外周面にスプライン結合する複数の内側プレート13とを備える。各内側プレート13は、外側プレート11の間に挟まれるように配置されている。
クラッチドラム10の内周面の開口端部には、サークリップ10aが設けられ、挟圧板11aを介して、プレート11,13がクラッチドラムの開口端側から脱落することを防止している。
又、第1湿式多板クラッチC1は、両プレート11,13を軸方向に押圧自在なピストン14を備える。クラッチドラム10とピストン14との間には作動油圧室15が画成される。クラッチドラム10内には、ピストン14との間で油圧キャンセル室16を画成するリテーナ17が配置されている。油圧キャンセル室16にはピストン14をリテーナ17から離隔する側に付勢するリターンスプリング18が設けられている。
油圧キャンセル室16には、油孔H1を介して潤滑油が供給される。そして、高速回転時の遠心力により、作動油圧室15内の油圧が上昇した場合であっても、油圧キャンセル室16の油圧の作用により、クラッチC1の開放が遅れることを防止できるようにしている。
クラッチドラム10の内周面にはスプライン歯10bが形成されている。又、クラッチドラム10の周壁には、スプライン歯10bの間に位置させて内周面と外周面とを連通させるように貫通させた油排出孔10cが設けられている。この油排出孔10cは、スプライン歯10bの間の部分のうち周方向に1つおきに設けられている。従って、油排出孔10cが形成されている箇所の間には、油排出孔10cが設けられていないスプライン歯10bの間の部分が1つ存在する状態となる。
各外側プレート11の外周縁には、油排出孔10cが設けられいないスプライン歯10bの間の部分に嵌合するスプライン歯11bが設けられ、油排出孔10cが設けられているスプライン歯10bの間の部分に対応する箇所が欠け歯となっている。これにより、クラッチドラム10の内周面と両プレート11,13の外周縁との間に、空間30が画成される。又、クラッチドラム10の側壁には、側壁の内面と外面とを連通させる貫通孔10dが穿設されている。
ピストン14には、油排出孔10cを閉塞自在なシャッター19が設けられている。シャッター19は、油排出孔10cに対応させて穿設された複数の孔部19aと、側壁部に穿設された側孔19bとを備えている。又、シャッター19は、ピストン14と共に軸方向に進退するものである。
ピストン14がプレート11,13を押圧している状態では、シャッター19の孔部19aと油排出孔10cの位相がずれることにより、油排出孔10cが閉塞される。逆に、ピストン14がプレート11,13を開放している状態では、シャッター19の孔部19aと油排出孔10cの位相が合致し、油排出孔10cが開口される。
クラッチハブ12の筒状部12aには、内周面と外周面とを連通させる油供給孔12bが複数穿設されている。又、クラッチハブ12は、第1中間シャフト5とスプライン結合しており、第1中間シャフト5と一体に回転する。クラッチハブ12の内周面には、油孔H2とスラストベアリングBR1とを介して潤滑油が供給される。クラッチハブ12の内周面に供給された潤滑油は油供給孔12aを介してプレート11,13間に供給される。
第1湿式多板クラッチC1の径方向外方に配置される第2湿式多板クラッチC2(他の湿式多板クラッチ)は、クラッチドラム20と、外側プレート21と、クラッチハブ22と、内側プレート23と、ピストン24とを備えるものであり、第1湿式多板クラッチC1と同様に構成されるが、以下の点が異なる。
第2湿式多板クラッチC2では、クラッチハブ22は、第2中間シャフト8とスプライン結合し第2中間シャフト8と一体に回転する。ピストン24には、孔部24aが穿設されている。又、ピストン24と第1湿式多板クラッチC1のクラッチドラム10との間で油圧キャンセル室26を画成している。ピストン24はシャッターを備えておらず、外側プレート21も欠け歯のないものとなっている。又、リターンスプリング28が板ばねで構成されている。
ここで、第1実施形態の自動変速機1はDCTであるため、第1湿式多板クラッチC1が係合状態であるときには第2湿式多板クラッチC2は開放状態であり、第2湿式多板クラッチC2が係合状態であるときには、第1湿式多板クラッチC1は開放状態となる。
次に、以上の如く構成される2つのクラッチC1,C2の潤滑油の供給について説明する。
第1湿式多板クラッチC1の作動油圧室に潤滑油が供給されると、ピストン14がプレート11,13を押圧し、第1湿式多板クラッチC1が係合状態となる。このとき、クラッチハブ12の油供給孔12bから供給される潤滑油により、プレート11,13間の摩擦熱を吸収して、第1湿式多板クラッチC1が冷却される。
ピストン14がプレート11,13を押圧しているときは、シャッター14により油排出孔10bが閉塞されている。このため、クラッチドラム10の内周面に溜まった高温の潤滑油は、クラッチドラム10の側壁に穿設された複数の貫通孔10dを介して排出される。貫通孔10dから流れ出た潤滑油は、第2湿式多板クラッチC2のピストン24に穿設された孔部24aを通過して、第2湿式多板クラッチC2のクラッチドラム20に設けられた孔部20dから排出される。これにより、第1湿式多板クラッチC1を冷却して高温となった潤滑油が第2湿式多板クラッチC2に供給されることを防止し、第2湿式多板クラッチC2の寿命低下を防止することができる。
又、第2湿式多板クラッチC2には、スラストベアリングBR2からの少量の潤滑油のみが供給されることとなるため、プレート21,23間で潤滑油が引き摺られることによるドラックトルクの発生を抑制させることができる。
第2湿式多板クラッチC2の作動油圧室25に潤滑油が供給されると、ピストン24がプレート21,23を押圧し、第2湿式多板クラッチC2が係合状態となる。このとき、変速比順位で偶数番目の変速段の何れかが確立されるため、第1湿式多板クラッチC1は開放状態となる。
従って、第1湿式多板クラッチC1のピストン14はプレート11,13を開放した状態となり、シャッター19によりクラッチドラム10の油排出孔10cが開口した状態となる。これにより、第1湿式多板クラッチC1に供給された潤滑油がそのまま第2湿式多板クラッチC2に供給され、第2湿式多板クラッチC2に供給される潤滑油の量が増加し、第2湿式多板クラッチC2の冷却効果を高めることができる。
このとき、クラッチハブ10の側壁に設けられた貫通孔10dは、シャッター19により閉塞されている。
[第2実施形態]
次に、図6を参照して、本発明の第2実施形態の湿式多板クラッチを用いた自動変速機を説明する。第2実施形態の自動変速機1は、第1実施形態に対して第1湿式多板クラッチC1の構成が一部異なるだけであり、他の構成は同一であり同一の符号を付している。
次に、図6を参照して、本発明の第2実施形態の湿式多板クラッチを用いた自動変速機を説明する。第2実施形態の自動変速機1は、第1実施形態に対して第1湿式多板クラッチC1の構成が一部異なるだけであり、他の構成は同一であり同一の符号を付している。
第2実施形態の第1湿式多板クラッチC1のクラッチドラム10には、第1実施形態のような油排出孔が設けられていない。シャッター19はピストン14の進退によりクラッチハブ12の油供給孔12bを閉塞自在に設けられている。油供給孔12bは、第1実施形態の油排出孔10cと同様に、クラッチハブ12の筒状部12aの外周面に設けられたスプライン歯12cの間に1つ置きに配置され、スプライン歯12cに嵌合する内側プレート13のスプライン歯13aも第1実施形態の外側プレート11と同様に、油供給孔12bに対応する位置が欠け歯となっている。これにより、クラッチハブ12の筒状部12aの外周面とプレート11,13との間に空間30を画成し、シャッター19の配置スペースを確保している。
これによれば、既存の湿式多板クラッチの内側プレート13を欠け歯とするだけで、シャッター19の配置スペースを確保することができるため、既存の製品からの設計変更が容易となる。
ピストン14とシャッター19とはボールベアリング19cを介して相対回転自在に連結されている。これにより、ピストン14がシャッター19と共に回転することによる作動油圧室15のシールの劣化を防止することができる。
シャッター19はピストン14がプレート11,13を開放しているときにシャッター19の孔部19aと油供給孔12aとの位相がずれて閉塞状態となる。これにより、第1湿式多板クラッチC1が開放状態にあるときは、第1湿式多板クラッチC1への潤滑油の供給が遮断されるため、第1湿式多板クラッチC1のドラッグトルクを抑制することができる。
クラッチハブ12の側壁には内面と外面とを連通させる貫通孔12dが穿設されている。また、貫通孔12dの内側開口縁には、径方向内側に位置させて庇部12eが設けられている。これにより、油孔H2及びスラストベアリングBR1から供給された潤滑油が直接貫通孔12dに入り込むことを抑制している。
シャッター19により油供給孔12bが閉塞状態にあるときには、クラッチハブ12の内周面に溜まった潤滑油は、貫通孔12dを介して第2湿式多板クラッチC2のクラッチハブ22の内周面に供給される。これにより、第2湿式多板クラッチC2の冷却効果を向上させることができる。
ピストン14がプレート11,13を押圧し第1湿式多板クラッチC1が係合状態にあるときには、シャッター19の孔部19aと油供給孔12bとの位相が合致し、油供給孔12bが開口される。これにより、第1湿式多板クラッチC1には、油供給孔12bから潤滑油が供給され、冷却される。第1湿式多板クラッチC1を冷却して高温となった潤滑油は、第2湿式多板クラッチC2に供給されることなく、クラッチドラム10の側壁に穿設された貫通孔10dから排出される。
又、開放状態にある第2湿式多板クラッチC2には、スラストベアリングBR2を通過して供給される比較的少量の潤滑油のみが供給される。これにより、第2湿式多板クラッチC2のドラッグトルクの低減を図ることができる。
1…自動変速機、2…エンジン、3…流体トルクコンバータ、4…入力シャフト、5…第1中間シャフト、6…第2中間シャフト、7…第1出力シャフト、7a…第1出力ギヤ、8…第2出力シャフト、8a…第2出力ギヤ、C1…第1湿式多板クラッチ(本発明の湿式多板クラッチの実施形態)、10…クラッチドラム、10a…サークリップ、10b…スプライン歯、10c…油排出孔、10d…貫通孔、11…外側プレート、11a…挟圧板、11b…スプライン歯、12…クラッチハブ、12a…筒状部、12b…油供給孔、12c…スプライン歯、12d…貫通孔(第2実施形態)、12e…庇部(第2実施形態)、13…内側プレート、スプライン歯13a、14…ピストン、15…作動油圧室、16…油圧キャンセル室、17…リテーナ、18…リターンスプリング、19…シャッター、19a…孔部、19b…側孔、19c…ボールベアリング(第2実施形態)、C2…第2湿式多板クラッチ(他の湿式多板クラッチ)、20…クラッチドラム、20a…サークリップ、20b…スプライン歯、20c…油排出孔、20d…孔部、21…外側プレート、21a…挟圧板、21b…スプライン歯、22…クラッチハブ、22a…筒状部、22b…油供給孔、22c…スプライン歯、23…内側プレート、24…ピストン、24a…孔部、25…作動油圧室、26…油圧キャンセル室、28…リターンスプリング、30…空間、G1…1速ギヤ列、G1a…1速駆動ギヤ、G1b…1速従動ギヤ、G2…2速ギヤ列、G3…3速ギヤ列、G3b…3速従動ギヤ、G4…4速ギヤ列、G4b…4速従動ギヤ、G5…5速ギヤ列、G5b…5速従動ギヤ、G6…6速ギヤ列、G7…7速ギヤ列、G7a…7速駆動ギヤ、Gr…リバースギヤ列、Grb…リバース従動ギヤ、Gi…アイドルギヤ、G35a,G2ra,G46a…第1〜第3共用駆動ギヤ、S1〜S4…第1〜第4シンクロメッシュ機構、H1,H2…油孔、BR1,BR2…スラストベアリング。
Claims (4)
- シャフトに固定されるクラッチドラムと、該クラッチドラムの内周面に前記シャフトの軸方向に摺動自在にスプライン結合された複数の外側プレートと、前記クラッチドラム内に位置する筒状部を有し前記シャフトと同一軸線上に配置されるクラッチハブと、該クラッチハブの筒状部外周面に前記シャフトの軸方向に摺動自在にスプライン結合された複数の内側プレートと、前記外側プレート及び前記内側プレートを押圧自在なピストンとを備える湿式多板クラッチであって、
前記クラッチドラムには、径方向に貫通し前記プレート間を通過して当該クラッチドラムの内周面に溜まった潤滑油を排出する複数の油排出孔と、側壁の内面と外面とを連通させるように穿設された貫通孔とが設けられ、
前記ピストンには、前記油排出孔を閉塞自在なシャッターが設けられ、
前記ピストンが前記プレートを開放するときに、前記シャッターにより前記油排出孔が開口されると共に、前記油排出孔から排出される潤滑油が当該湿式多板クラッチの径方向外方に配置される他の湿式多板クラッチの潤滑油の供給路に供給され、
前記ピストンが前記プレートを押圧するときに、前記シャッターにより前記油排出孔が閉塞されると共に、前記クラッチドラムの内周面に溜まる潤滑油が前記貫通孔から前記他の湿式多板クラッチの潤滑油の供給路とは異なる排出口から排出されることを特徴とする湿式多板クラッチ。 - シャフトに固定されるクラッチドラムと、該クラッチドラムの内周面に前記シャフトの軸方向に摺動自在にスプライン結合された複数の外側プレートと、前記クラッチドラム内に位置する筒状部を有し前記シャフトと同一軸線上に配置されるクラッチハブと、該クラッチハブの筒状部外周面に前記シャフトの軸方向に摺動自在にスプライン結合された複数の内側プレートと、前記外側プレート及び前記内側プレートを押圧自在なピストンとを備える湿式多板クラッチであって、
前記クラッチハブの筒状部には、径方向に貫通し前記プレート間に潤滑油を供給する複数の油供給孔が設けられ、前記クラッチハブの側壁には、当該側壁の内面と外面とを連通させる貫通孔が設けられ、
前記クラッチドラムの側壁には、当該側壁の内面と外面とを連通させるように穿設された貫通孔が設けられ、
前記ピストンには、前記油供給孔を閉塞自在なシャッターが設けられ、
前記ピストンが前記プレートを開放するときに、前記シャッターにより前記油供給孔が閉塞されると共に、前記クラッチハブに設けられた貫通孔から排出される潤滑油が湿式多板クラッチの径方向外方に配置される他の湿式多板クラッチの潤滑油の供給路に供給され、
前記ピストンが前記プレートを押圧するときに、前記シャッターにより前記油供給孔が開口されると共に、前記プレート間を通過して前記クラッチドラムの内周面に溜まった潤滑油が前記クラッチドラムの貫通孔を介して、前記他の湿式多板クラッチの潤滑油の供給路とは異なる排出路から排出されることを特徴とする湿式多板クラッチ。 - 請求項2記載の湿式多板クラッチにおいて、
前記ピストンと前記シャッターとは、互いに相対回転自在に連結されていることを特徴とする湿式多板クラッチ。 - 請求項1〜3の何れか1項に記載の湿式多板クラッチにおいて、
前記油排出孔又は前記油供給孔は、前記外側プレート又は前記内側プレートと結合する前記クラッチドラム又は前記クラッチハブのスプライン歯の間の部分の一部に穿設され、
前記外側プレート又は前記内側プレートは、前記油排出孔又は前記油供給孔が形成された部分を除く前記クラッチドラム又は前記クラッチハブのスプライン歯の間の部分にのみ係合するスプライン歯を備え、
前記油排出孔又は前記油供給孔が形成された箇所には、前記外側プレート又は前記内側プレートと前記クラッチドラム又は前記クラッチハブと当該クラッチドラム又は当該クラッチハブのスプライン歯とにより、空間が画成され、
前記ピストンから延設された前記シャッターは、画成された前記空間内に配置されることを特徴とする湿式多板クラッチ。
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