JP6129675B2 - 動力伝達機構 - Google Patents

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本発明は、互いに一体に回転する2つの回転部材の間で動力を伝達するとともに、当該2つの回転部材の一方が他方に対して軸線方向に相対的に摺動可能に構成された動力伝達機構に関する。
従来、動力伝達機構として、特許文献1に記載されたものが知られている。この動力伝達機構は、ベルト式無段変速機に適用されたものであり、回転軸、固定シーブ及び可動シーブなどを備えている。この固定シーブは、回転軸と一体に構成されており、可動シーブは、回転軸に嵌合する嵌合部を有しているとともに、回転軸の軸線方向に摺動自在に構成されている。
また、回転軸の外周面には、軸側スプライン溝が形成されており、可動シーブの内周面には、シーブ側スプライン溝が形成されている。さらに、可動シーブと回転軸との間には、ボール状及び円筒状の2種類の動力伝達部材が配置されており、これらの動力伝達部材は、軸側スプライン溝及びシーブ側スプライン溝に嵌合している。
一方、可動シーブの嵌合部の先端側の内周面には、シーブ側スナップリングが取り付けられており、回転軸の外周面の所定部位には、軸側スナップリングが取り付けられている。上述した2種類の動力伝達部材は、シーブ側スナップリングと軸側スナップリングとの間に配置されている。以上の構成により、可動シーブが回転軸に対して軸線方向に摺動する際、動力伝達部材は、軸側スプライン溝及びシーブ側スプライン溝から抜け出ないように、シーブ側スナップリング及び軸側スナップリングによって係止される。
特開2003−240079号公報
上記従来の動力伝達機構によれば、動力伝達部材が回転軸及び可動シーブのスプライン溝から抜け出るのを防止するために、2つのスナップリングが必要となる関係上、部品点数及び工数が増大し、その分、製造コストが増大してしまうという問題点がある。同じ理由により、レイアウトの自由度が低いとともに、動力伝達機構の軸線方向のサイズが大型化してしまう。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、部品点数及び工数を減らすことができ、製造コストを削減でき、レイアウトの自由度を高めることができるとともに、軸線方向のサイズを小型化することができる動力伝達機構を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る動力伝達機構1,1Aは、軸線方向に延びる案内溝11b,21bを外周面に有し、回転自在の第1回転部材(駆動軸11、従動軸21、回転軸51)と、第1回転部材の外周面に嵌合する嵌合部(基部13a,23a)と嵌合部の内周面に形成された第1凹部(スライダ用溝13e,23e)及び第2凹部(リング取付溝13d,23d)とを有し、第1回転部材と一体に回転するとともに、第1回転部材に対して軸線方向に相対的に摺動自在の第2回転部材(可動シーブ13,23、入力ディスク53A)と、外周面に凹部(切欠溝16a,36a)が形成され、第1回転部材(駆動軸11、従動軸21、回転軸51)の案内溝11b,21bと第2回転部材の第1凹部(スライダ用溝13e,23e)とに係合し、第1回転部材と第2回転部材との間で動力を伝達するとともに、第2回転部材が第1回転部材に対して相対的に摺動するときに、案内溝11b,21bによって案内される動力伝達部材(スライダ16,26,36,66)と、動力伝達部材(スライダ16,26,36,66)の凹部(切欠溝16a,36a)と第2回転部材(可動シーブ13,23)の第2凹部(リング取付溝13d,23d)とに係合することにより、動力伝達部材を第2回転部材に係止する1つの係止部材(Cリング15,25,65)と、を備え、動力伝達部材(スライダ16,26,36)の凹部(切欠溝16a,36a)は、動力伝達部材の軸線方向の中央に設けられていることを特徴とする。
この動力伝達機構によれば、動力伝達部材が、第1回転部材の案内溝と第2回転部材の第1凹部とに係合し、第1回転部材と第2回転部材との間で動力を伝達するとともに、第2回転部材が第1回転部材に対して相対的に摺動するときに、第1回転部材の案内溝によって案内される。さらに、1つの係止部材が動力伝達部材の凹部と第2回転部材の第2凹部とに係合することにより、動力伝達部材が第2回転部材に係止される。すなわち、1つの係止部材と2つの凹部とによって、動力伝達部材が第2回転部材に係止されるので、2つの部品を必要とする特許文献1の場合と比べて、部品点数及び工数を減らすことができ、製造コストを削減できる。同じ理由により、レイアウトの自由度を高めることができるとともに、軸線方向のサイズを小型化することができる。これに加えて、第2回転部材が第1回転部材に対して相対的に摺動する際、特許文献1の場合と異なり、動力伝達部材が第1回転部材に対してのみ相対的に移動し、第2回転部材に対して相対的に移動しないので、その分、第2回転部材が第1回転部材に対して相対的に摺動するときの摺動抵抗を減らすことができ、動力伝達部材及び第1回転部材の寿命を延ばすことができる。以上により、商品性を向上させることができる。さらに、動力伝達部材の凹部が、動力伝達部材の軸線方向の中央に設けられているので、動力伝達部材及び係止部材を互いに係合させる際、動力伝達部材の軸線方向の向きを判断する必要がなくなり、その分、組立作業を容易に行うことができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の動力伝達機構1,1Aにおいて、第1回転部材(駆動軸11、従動軸21、回転軸51)の案内溝11b,21bは断面円弧状に形成され、動力伝達部材(スライダ16,26,66)は円柱状又は円筒状に形成されていることを特徴とする。
この動力伝達機構によれば、第1回転部材の案内溝が断面円弧状に形成され、動力伝達部材が円柱状又は円筒状に形成されているので、案内溝及び動力伝達部材の径をほぼ同一に設定した場合、第2回転部材が第1回転部材に対して軸線方向に相対的に摺動したときに、動力伝達部材は、第1回転部材の案内溝に面接触しながら軸線方向に案内されることになる。それにより、動力が動力伝達部材と第1回転部材との間で伝達される際、両者の間で作用する荷重を両者の接触面に分散させながら、動力伝達を行うことができ、動力伝達部材及び第1回転部材の寿命を延ばすことができる。これに加えて、動力伝達部材が円柱状に形成されている場合には、円筒状に形成されている場合と比べて、耐荷重性能を高めることができ、動力伝達性能を高めることができる。一方、動力伝達部材が円筒状に形成されている場合には、円柱状に形成されている場合と比べて、動力伝達部材の慣性質量を低減することができ、それにより、動力伝達機構の周波数応答特性を高めることができる。
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の動力伝達機構において、第1回転部材(駆動軸11)の案内溝11bは断面円弧状に形成され、動力伝達部材(スライダ36)は球状に形成されていることを特徴とする。
この動力伝達機構によれば、第1回転部材の案内溝が断面円弧状に形成され、動力伝達部材が球状に形成されているので、案内溝及び動力伝達部材の径をほぼ同一に設定した場合、第2回転部材が第1回転部材に対して軸線方向に相対的に摺動したときに、動力伝達部材は、第1回転部材の案内溝に線接触しながら軸線方向に案内されることになる。それにより、動力伝達部材と第1回転部材との間の摩擦抵抗を低減することができ、第2回転部材を摺動させるのに必要な力を低減することができる。
請求項に係る発明は、請求項1ないしのいずれかに記載の動力伝達機構において、第2回転部材(可動シーブ13,23)の嵌合部(基部13a,23a)の内周面は、断面円形に形成され、第2回転部材の第2凹部は、嵌合部の内周面の周方向に沿って延びる溝(リング取付溝13d,23d)であり、係止部材は、弾性変形可能な円弧状の部材(Cリング15,25)であることを特徴とする。
この動力伝達機構によれば、第2回転部材の第2凹部が、嵌合部の断面円形の内周面の周方向に沿って延びる溝であり、係止部材が弾性変形可能な円弧状の部材であるので、係止部材のサイズを適切に設定することにより、係止部材を径方向の内側に向かって小さくなるように弾性変形させた後、元のサイズに戻る動作を利用しながら、第2回転部材の溝に係合させることができる。それにより、組立時の作業性を向上させることができる。
請求項に係る発明は、請求項1ないしのいずれかに記載の動力伝達機構において、第1回転部材は、ベルト式無段変速機6の固定シーブ12,22と一体に回転する回転軸(駆動軸11、従動軸21)であり、第2回転部材は、ベルト式無段変速機6の可動シーブ13,23であることを特徴とする。
この動力伝達機構によれば、ベルト式無段変速機において、請求項1ないしのいずれかに係る発明と同じ作用効果を奏することができる(なお、本明細書における「ベルト式無段変速機」は、ベルトを用いたものに限らず、ベルトに代えてチェーンを用いた無段変速機を含む)。
請求項に係る発明は、請求項1ないしのいずれかに記載の動力伝達機構において、第1回転部材は、トロイダル式無段変速機50の回転軸51であり、第2回転部材は、トロイダル式無段変速機50の入力ディスク53Aであることを特徴とする。
この動力伝達機構によれば、トロイダル式無段変速機において、請求項1ないしのいずれかに係る発明と同じ作用効果を奏することができる。
本発明の一実施形態に係る動力伝達機構及びこれを適用した無段変速機を有する車両の構成を模式的に示す図である。 駆動プーリの構成を示す断面図である。 駆動軸のA−A線に沿う断面の構成を示す図である。 可動シーブの基部の構成を示す斜視図である。 Cリング及び可動シーブの構成を示す図である。 駆動軸、可動シーブ及びスライダをA−A線に沿って見た図である。 スライダ及びその周辺の構成を示す断面図である。 スライダとCリングを示す斜視図である。 従動プーリの構成を示す断面図である。 従動プーリのスライダ及びその周辺の構成を示す断面図である。 動力伝達機構の変形例を示す断面図である。 スライダの変形例とCリングを示す斜視図である。 動力伝達機構をトロイダル式無段変速機に適用した例を模式的に示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る動力伝達機構について説明する。図1に示すように、本実施形態の動力伝達機構1は、車両Vの駆動系におけるベルト式無段変速機(以下「無段変速機」という)6の駆動プーリ10及び従動プーリ20に適用されたものである。この車両Vは、4輪タイプのものであり、一対の駆動輪DW,DW及び一対の従動輪(図示せず)を備えている。なお、以下の説明では、便宜上、図1,2の左側を「左」、右側を「右」という。
同図に示すように、この車両Vには、内燃機関(以下「エンジン」という)3が搭載されており、このエンジン3は、トルクコンバータ4、入力軸5、無段変速機6、前進クラッチ7、前後進切換機構8及び差動ギヤ機構9などを介して、駆動輪DW,DWに連結されている。車両Vの走行中、エンジン3の動力がこれらの要素4〜9を介して駆動輪DW,DWに伝達される。
この入力軸5は、図示しない軸受を介してミッションケース(図示せず)に回転自在に支持されており、この入力軸5上には、無段変速機6の後述する駆動プーリ10、前進クラッチ7及び前後進切換機構8が互いに同心に配置されている。この無段変速機6の構成については後述する。
前進クラッチ7は、入力軸5と駆動プーリ10との間を接続/遮断するものであり、その動作が図示しない制御装置によって制御される。その場合、前進クラッチ7が接続されているときには、入力軸5及び駆動プーリ10が互いに連結される一方、前進クラッチ7が遮断されているときには、両者の間が遮断される。
また、前後進切換機構8は、ダブルピニオンタイプの遊星歯車機構8aとリバースブレーキ8bとを組み合わせたものである。この遊星歯車機構8aでは、そのサンギヤが入力軸5に同心に固定され、キャリアが前進クラッチ7のアウタクラッチ板に連結されているとともに、リングギヤがリバースブレーキ8bに連結されている。このリバースブレーキ8bでは、図示しない制御装置によって、その接続/遮断状態が制御される。この場合、リバースブレーキ8bが接続されているときには、リングギヤがミッションケースに連結されて回転不能に保持される一方、遮断されているときにには、リングギヤが回転可能に解放される。
さらに、エンジン3の回転すなわち入力軸5の回転は、無段変速機6を介して従動軸21に伝達されるようになっており、この従動軸21の右端部には、ギヤ21aが設けられている。このギヤ21aは、出力軸40上に設けられた大小のギヤ41,42を介して、差動ギヤ機構8のギヤ8aに機械的に連結されている。それにより、入力軸5の回転は、差動ギヤ機構8に伝達される。
以上の構成により、この車両Vでは、エンジン3の運転中、前進クラッチ7が接続され、かつリバースブレーキ8bが遮断されているときには、入力軸5と駆動プーリ10が一体に回転し、エンジン3の動力が無段変速機6及び出力軸40を介して駆動輪DWに伝達される。それによって、車両Vが前進走行可能になる。また、前進クラッチ7が遮断され、リバースブレーキ8bが接続されているときには、駆動プーリ10が入力軸5と逆方向に回転することで、車両Vが後進走行可能になる。
次に、前述した無段変速機6について説明する。この無段変速機6は、金属ベルト式のものであり、駆動プーリ10と、従動プーリ20と、これらのプーリ10,20に巻き掛けられた金属ベルト30などで構成されている。
この駆動プーリ10は、金属製のものであり、図2に示すように、駆動軸11、固定シーブ12及び可動シーブ13及びシリンダ部材14などを備えている。これらの要素11〜14はいずれも、入力軸5と同心に配置されている。
この駆動軸11は、中空の筒状のものであり、その内孔で入力軸5に嵌合している。それにより、駆動軸11は、入力軸5上に回転自在に設けられているとともに、軸受19と図示しない軸受とによって、ミッションケースに回転自在に支持されている。なお、本実施形態では、駆動軸11が第1回転部材及び回転軸に相当する。
図3に示すように、駆動軸11の外周面11aにおける可動シーブ13が嵌合する部位には、3つの案内溝11bが形成されている。これらの案内溝11bは、断面円弧状に構成され、周方向に互いに等間隔で配置されているとともに、駆動軸11の軸線方向に延びている。各案内溝11bには、後述するスライダ16が軸線方向に摺動自在に嵌合している(図6,7参照)。
また、固定シーブ12は、駆動軸11と一体に形成された円盤状のものであり、その内側面すなわち左側面は、径方向の外側に向かうほど、可動シーブ13との間隔がより広くなる傾斜面になっている。
さらに、可動シーブ13は、円筒状の基部13aと、この基部13aから外方に延びる壁部13bとを有しており、この壁部13bの内側面すなわち右側面は、径方向の外側に向かうほど、固定シーブ12との間隔がより広くなる傾斜面になっている。以上の構成により、固定シーブ12と可動シーブ13の間には、V字溝が形成されており、前述した金属ベルト30は、このV字溝に嵌った状態で、駆動プーリ10に巻き掛けられている。
また、図4に示すように、可動シーブ13の基部13aの左端部の内周面13cには、1つのリング取付溝13d及び3つのスライダ用溝13eが形成されている。リング取付溝13dは、断面矩形に構成され、内周面13cの周方向に沿って円環状に延びている。このリング取付溝13dには、図2に示すように、Cリング15が嵌合した状態で取り付けられている。なお、本実施形態では、可動シーブ13が第2回転部材に、基部13aが嵌合部に、スライダ用溝13eが第1凹部に、リング取付溝13dが第2凹部にそれぞれ相当する。
このCリング15(係止部材)は、弾性変形可能な金属製のものであり、円形の断面を有し、図5に示すように、外形が円の一部を切り欠いた円弧状(すなわちC字形)に形成されている。このCリング15では、その外周端がリング取付溝13dの底面よりも若干、大径に構成されている。
以上の構成により、Cリング15は、リング取付溝13dに取り付ける際には、以下の手法が用いられる。すなわち、Cリング15に荷重を加え、より小さいサイズになるように径方向に弾性変形させた後、Cリング15をリング取付溝13d内に挿入した状態で、荷重を解放すると、Cリング15は、自身が元のサイズに復帰しようとするときの付勢力によって、リング取付溝13dに当接する。その結果、Cリング15は、可動シーブ13に抜け止め状態で取り付けられるとともに、その状態では、内周端が基部13aの内周面13cよりも内側に位置している(図5参照)。
また、上述した3つのスライダ用溝13eは、断面円弧状に構成され、周方向に互いに等間隔で配置されているとともに、軸線方向に所定長さで延びている。これらのスライダ用溝13eの底面の最外端は、リング取付溝13dの底面よりも径方向の外側に位置している(図4参照)。
さらに、図6,7に示すように、前述した駆動軸11の案内溝11bの各々と、基部13aのスライダ用溝13eの各々との間には、スライダ16が設けられている。このスライダ16は、円柱状のものであり(図8参照)、案内溝11b及びスライダ用溝13eとほぼ同一径に構成されている。それにより、スライダ16は、そのほぼ半部で各案内溝11bに嵌合し、残りのほぼ半部でスライダ用溝13eに嵌合している。以上のように、可動シーブ13の基部13aは、スライダ16を介したスプライン嵌め合いによって、駆動軸11に軸線方向に摺動自在に取り付けられている。
また、図8に示すように、スライダ16の軸線方向の中央部には、切欠溝16aが形成されている。この切欠溝16aは、スライダ16の径方向の半部を断面U字状に切り欠いた形状を有しており、周方向に沿って延びている。上述したCリング15は、この切欠溝16aを介して、スライダ16に嵌合している。それにより、スライダ16は、Cリング15を介して、軸線方向に移動不能に可動シーブ13の基部13aに取り付けられている。なお、本実施形態では、スライダ16が動力伝達部材に、切欠溝16aが凹部にそれぞれ相当する。
さらに、前述したシリンダ部材14は、軸線方向に移動不能に駆動軸11に固定されており、このシリンダ部材14と可動シーブ13との間の空間は、油室18になっている。この油室18は液密状態に保持されており、この油室18には、図示しない給油路を介して、作動油が供給される。
以上の構成により、この駆動プーリ10では、無段変速機6の変速動作中、作動油が油室18内に供給されることで、可動シーブ13が駆動軸11上を軸線方向に摺動する。その際、スライダ16は、駆動軸11の案内溝11bに嵌合しているとともに、Cリング15を介して可動シーブ13に取り付けられていることにより、駆動軸11の案内溝11bに案内されながら、可動シーブ13と一体に軸線方向に移動する。
次に、前述した従動プーリ20について説明する。従動プーリ20は、駆動プーリ10と同様に金属製のものであり、図9,10に示すように、従動軸21、固定シーブ22、可動シーブ23及びピストン部材24などを備えている。これらの要素21〜24はいずれも、互いに同心に配置されている。
この従動軸21は、駆動軸11と平行に配置されているとともに、軸受(図示せず)によって、ミッションケースに回転自在に支持されている。この従動軸21の外周面には、3つの案内溝21b(1つのみ図示)が形成されており、これらの案内溝21bは、前述した案内溝11bと同様に構成されているので、その説明を省略する。なお、本実施形態では、従動軸21が第1回転部材及び回転軸に相当する。
また、固定シーブ22は、従動軸21と一体に形成された円盤状のものであり、その内側面すなわち右側面は、径方向の外側に向かうほど、可動シーブ23との間隔がより広くなる傾斜面になっている。
さらに、可動シーブ23は、円筒状の基部23aと、この基部23aから外方に延びる壁部23bとを有しており、この壁部23bの内側面すなわち左側面は、径方向の外側に向かうほど、固定シーブ22との間隔がより広くなる傾斜面になっている。以上の構成により、固定シーブ22と可動シーブ23の間には、V字溝が形成されており、前述した金属ベルト30は、このV字溝に嵌った状態で、従動プーリ20に巻き掛けられている。
また、可動シーブ23の基部23aの右端部の内周面には、リング取付溝23d及び3つのスライダ用溝23eが形成されている。これらのリング取付溝23d及びスライダ用溝23eは、前述したリング取付溝13d及びスライダ用溝13eと同様に構成されているので、その説明を省略する。
このリング取付溝23dには、Cリング25が取り付けられており、このCリング25には、スライダ26が嵌合している。これらのCリング25及びスライダ26は、前述したCリング15及びスライダ16と同様に構成されているので、その説明を省略する。なお、本実施形態では、可動シーブ23が第2回転部材に、基部23aが嵌合部に、スライダ用溝23eが第1凹部に、リング取付溝23dが第2凹部に、Cリング25が係止部材に、スライダ26が動力伝達部材にそれぞれ相当する。
さらに、前述したピストン部材24は、軸線方向に移動不能に従動軸21に固定されており、このピストン部材24と可動シーブ23との間の空間は、油室28になっている。この油室28は液密状態に保持されており、この油室28には、図示しない給油路を介して、作動油が供給される。また、この油室28内には、スプリング29が圧縮状態で収容されており、このスプリング29の付勢力は、可動シーブ23を右方に押圧し、油室28の容積を拡大する方向に作用する。
以上の構成により、この従動プーリ20では、無段変速機6の変速動作中、作動油が油室28内に供給されることで、可動シーブ23が従動軸21上を軸線方向に摺動する。その際、スライダ26は、従動軸21の案内溝21bに嵌合しているとともに、Cリング25を介して可動シーブ23に取り付けられていることにより、従動軸21の案内溝21bに案内されながら、可動シーブ23と一体に軸線方向に移動する。
以上のように、本実施形態の動力伝達機構1によれば、駆動プーリ10において、スライダ16が、駆動軸11の案内溝11bと可動シーブ13のスライダ用溝13eとに係合し、駆動軸11と可動シーブ13との間で動力を伝達するとともに、可動シーブ13が駆動軸11に対して軸線方向に摺動するときに、駆動軸11の案内溝11bによって案内される。さらに、Cリング15が、その付勢力によって、可動シーブ13のリング取付溝13dに係合した状態で取り付けられているとともに、そのCリング15がスライダ16の切欠溝16aに係合することによって、スライダ16が可動シーブ13に係止されている。
このように、スライダ16が、1つのCリング15と2つの溝13d,16aによって可動シーブ13に係止されるので、2つの部品を必要とする特許文献1の場合と比べて、部品点数及び工数を減らすことができ、製造コストを削減できる。同じ理由により、レイアウトの自由度を高めることができるとともに、軸線方向のサイズを小型化することができる。
また、可動シーブ13が駆動軸11上を軸線方向に摺動する際、特許文献1の場合と異なり、スライダ16が駆動軸11に対してのみ相対的に移動し、可動シーブ13に対して相対的に移動しないので、その分、可動シーブ13が駆動軸11に対して相対的に摺動するときの摺動抵抗を減らすことができ、スライダ16及び駆動軸11の寿命を延ばすことができる。以上により、商品性を向上させることができる。
さらに、駆動軸11の案内溝11bが断面円弧状に形成され、スライダ16が、円柱状に形成されているとともに、案内溝11b及びスライダ16がほぼ同一径に構成されているので、可動シーブ13が駆動軸11に対して軸線方向に相対的に摺動した際、スライダ16は、駆動軸11の案内溝11bに面接触しながら軸線方向に案内されることになる。それにより、動力がスライダ16と駆動軸11との間で伝達される際、両者の間で作用する荷重を両者の接触面に分散させながら、動力伝達を行うことができ、スライダ16及び駆動軸11の寿命を延ばすことができる。
これに加えて、スライダ16の切欠溝16aが、スライダ16の軸線方向の中央に設けられているので、スライダ16及びCリング15を互いに係合させる際、スライダ16の軸線方向の向きを判断する必要がなくなり、その分、組立作業を容易に行うことができる。
また、可動シーブ13のリング取付溝13dが、断面円形で、可動シーブ13の内周面13cの周方向に沿って延びており、Cリング15が、弾性変形可能で、その外周端がリング取付溝13dの底面よりも若干、大径に構成されているので、Cリング15を可動シーブ13に取り付ける際、Cリング15をその径方向のサイズが小さくなるように弾性変形させた後、元のサイズに戻る動作を利用しながら、可動シーブ13のリング取付溝13dに係合させることができる。それにより、組立時の作業性を向上させることができる。
さらに、従動プーリ20においても、以上と同様の作用効果を得ることができる。
なお、実施形態は、動力伝達部材として、3つのスライダ16を用いた例であるが、本発明の動力伝達部材の数はこれに限らず、1つ以上であればよい。例えば、1つ、2つ又は4つ以上の動力伝達部材を用いてもよく、その場合には、案内溝及び第1凹部の数を動力伝達部材と同数に設定すればよい。
また、実施形態は、動力伝達部材として、円柱状のスライダ16を用いた例であるが、本発明の動力伝達部材の形状はこれに限らず、案内溝によって案内されるものであればよい。例えば、実施形態の円柱状のスライダ16に代えて、円筒状のスライダすなわち中空のスライダを用いてもよい。このようにした場合、実施形態の円柱状に形成されている場合と比べて、スライダの慣性質量を低減することができ、それにより、動力伝達機構の周波数応答特性を高めることができる。
さらに、動力伝達部材として、実施形態のスライダ16に代えて、図11,12に示すスライダ36を用いてもよい。両図に示すように、このスライダ36は、球状に形成されたものであり、断面U字状の切欠溝36a(凹部)を備えているとともに、この切欠溝36aには、Cリング15が嵌合している。また、このスライダ36の外径は、案内溝11bとほぼ同一に設定されている。
以上のように構成されたスライダ36を用いた場合、駆動軸11の案内溝11bが断面円弧状に形成され、スライダ36が案内溝11bとほぼ同一径の球状に形成されているので、可動シーブ13が駆動軸11に対して軸線方向に摺動した際、スライダ36は、駆動軸11の案内溝11bに線接触しながら軸線方向に案内されることになる。それにより、実施形態のスライダ16のように面接触する場合と比べて、スライダ36と駆動軸11との間の摩擦抵抗を低減することができ、可動シーブ13を摺動させるのに必要な力を低減することができる。これに加えて、実施形態のスライダ16と比べて、スライダ36の慣性質量を低減することができ、それにより、動力伝達機構の周波数応答特性を高めることができる。
さらに、可動シーブ13と駆動軸11が互いに嵌合する部分の、駆動軸11の断面形状及び可動シーブ13の内孔の形状は円形に限らず、互いに嵌合可能な形状であればよい。例えば、駆動軸11の断面形状及び可動シーブ13の内周面13cの形状を楕円形に形成してもよく、両者の形状を矩形に形成してもよい。
また、実施形態は、本発明の動力伝達機構1を車両Vの無段変速機6における駆動プーリ10及び従動プーリ20に適用した例であるが、本発明の動力伝達機構は、これに限らず、様々な機器の動力伝達部分に適用可能である。
例えば、図13に示すように、本発明の動力伝達機構1Aをトロイダル式無段変速機50に適用してもよい。このトロイダル式無段変速機50は、本出願が例えば特開2004−232677号公報などで提案したものと同様に構成されているので、その詳細な説明はここでは省略するが、回転軸51、パワーローラ52、入力ディスク53A,53B、出力ディスク54,54、シリンダ55及び出力ギヤ56などを備えている。
このトロイダル式無段変速機50では、入力ディスク53Bは、回転軸51(第1回転部材)に固定されている。一方、入力ディスク53A(第2回転部材)は、回転軸51に対して軸線方向に摺動可能に設けられており、シリンダ55によって、軸線方向に押圧されることにより、対向する出力ディスク54との間隔が変更される。
また、入力ディスク53Aと回転軸51との間には、Cリング65及びスライダ66が設けられており、これらのCリング65(係止部材)及びスライダ66(動力伝達部材)は、前述したCリング15及びスライダ16と同様に構成されている。さらに、回転軸51の外周面には、図示しないが、前述した案内溝11bと同様の案内溝が形成されており、入力ディスク53Aの内周面には、前述したリング取付溝13d及びスライダ用溝13eと同様の溝が形成されている。
以上のように構成された動力伝達機構1Aによれば、実施形態の動力伝達機構1と同様の作用効果を奏することができる。
1 動力伝達機構
1A 動力伝達機構
6 ベルト式無段変速機
11 駆動軸(第1回転部材、回転軸)
11b 案内溝
12 固定シーブ
13 可動シーブ(第2回転部材)
13a 基部(嵌合部)
13d リング取付溝(第2凹部)
13e スライダ用溝(第1凹部)
15 Cリング(係止部材)
16 スライダ(動力伝達部材)
16a 切欠溝(凹部)
21 従動軸(第1回転部材、回転軸)
21b 案内溝
22 固定シーブ
23 可動シーブ(第2回転部材)
23a 基部(嵌合部)
23e スライダ用溝(第1凹部)
23d リング取付溝(第2凹部)
25 Cリング(係止部材)
26 スライダ(動力伝達部材)
36 スライダ(動力伝達部材)
36a 切欠溝(凹部)
50 トロイダル式無段変速機
51 回転軸(第1回転部材)
53A 入力ディスク(第2回転部材)
65 Cリング(係止部材)
66 スライダ(動力伝達部材)

Claims (6)

  1. 軸線方向に延びる案内溝を外周面に有し、回転自在の第1回転部材と、
    当該第1回転部材の外周面に嵌合する嵌合部と当該嵌合部の内周面に形成された第1凹部及び第2凹部とを有し、当該第1回転部材と一体に回転するとともに、当該第1回転部材に対して軸線方向に相対的に摺動自在の第2回転部材と、
    外周面に凹部が形成され、前記第1回転部材の前記案内溝と前記第2回転部材の前記第1凹部とに係合し、前記第1回転部材と前記第2回転部材との間で動力を伝達するとともに、前記第2回転部材が前記第1回転部材に対して相対的に摺動するときに、前記案内溝によって案内される動力伝達部材と、
    当該動力伝達部材の前記凹部と前記第2回転部材の前記第2凹部とに係合することにより、前記動力伝達部材を前記第2回転部材に係止する1つの係止部材と、
    を備え
    前記動力伝達部材の前記凹部は、当該動力伝達部材の軸線方向の中央に設けられていることを特徴とする動力伝達機構。
  2. 前記第1回転部材の前記案内溝は断面円弧状に形成され、
    前記動力伝達部材は円柱状又は円筒状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の動力伝達機構。
  3. 前記第1回転部材の前記案内溝は断面円弧状に形成され、
    前記動力伝達部材は球状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の動力伝達機構。
  4. 前記第2回転部材の前記嵌合部の前記内周面は、断面円形に形成され、
    前記第2回転部材の前記第2凹部は、前記嵌合部の前記内周面の周方向に沿って延びる溝であり、
    前記係止部材は、弾性変形可能な円弧状の部材であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の動力伝達機構。
  5. 前記第1回転部材は、ベルト式無段変速機の固定シーブと一体に回転する回転軸であり、
    前記第2回転部材は、前記ベルト式無段変速機の可動シーブであることを特徴とする請求項1ないしの4いずれかに記載の動力伝達機構。
  6. 前記第1回転部材は、トロイダル式無段変速機の回転軸であり、
    前記第2回転部材は、前記トロイダル式無段変速機の入力ディスクであることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の動力伝達機構。
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