JP6951477B2 - 鞍乗型車両 - Google Patents
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Description
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、制動力調整装置の露出低減による外観性向上や、ハンドルの操作性の向上が図られた鞍乗型車両を提供することを目的とする。
本発明は、ヘッドパイプ(17)と、前記ヘッドパイプ(17)に回動可能に支持されフロントフォーク(14)を保持するブリッジ(72、73)と、前記ブリッジ(72、73)にステー(80)を介して接続されるヘッドライト(41)と、前記ヘッドライト(41)後方を覆うヘッドライトカバー(44)と、前記フロントフォーク(14)に回転可能に支持される車輪(2)に付与する制動力を調整する制動力調整装置(100)とを備える鞍乗型車両において、前記制動力調整装置(100)は前記ステー(80)に接続されることを特徴とする。
鞍乗型車両1は、乗員がシート10に跨って乗る車両である。鞍乗型車両1は、低床のフロア11を有する自動二輪車であり、アンダーボーン型の車体フレーム12の前方に前輪2を有し、駆動輪である後輪3は、車両後部に配置されるユニットスイングエンジン13に軸支されている。
鞍乗型車両1は、車体フレーム12等の車体を覆う車体カバー16を備える。
車体フレーム12は、前端に設けられるヘッドパイプ17と、ヘッドパイプ17から後下方に延びるメインフレーム18と、メインフレーム18の下端から後方へ略水平に延びる左右一対のロアフレーム19と、ロアフレーム19の後端から後上がりに延びる左右一対のシートフレーム22(図1参照)とを備える。
図1に示すように、ユニットスイングエンジン13は、内燃機関であるエンジン30と後輪3を支持するアーム部31とが一体化されたユニットスイングパワーユニットである。中空のケース状に形成されたアーム部31の内部には、エンジン30の出力を後輪3に伝達するベルト式無段変速機(不図示)が収容されている。
アーム部31と、車体フレーム12の後部のシートフレーム22上部(不図示)との間には、ユニットスイングエンジン13の揺動を減衰するリアサスペンション42が掛け渡される。
エアクリーナボックス40は、アーム部31に支持され、アーム部31の上方に位置する。
エンジン30の排気管(不図示)は、後輪3の右側方に配置されたマフラー37に接続されている。
また、車体カバー16は、ロアフレーム19(図2参照)を下方から覆うアンダーカバー48と、ロアフレーム19を上方から覆うフロア11と、燃料タンク20およびシート10の下方を側方から覆う左右一対のサイドカバー49と、シート10の下方でエンジン30を前方から覆うセンターロアカバー50とを備える。
さらに、鞍乗型車両1は、前輪2を上方から覆うフロントフェンダ51と、後輪3を上方から覆うリアフェンダ52とを備える。
シート10の後方下部にはテールランプ53が設けられており、後輪3の左上部にはサリーガード54が設けられている。
フロア11の左右には、左右一対の運転者用ステップ57が設けられている。運転者用ステップ57の後上方には、同乗者用ステップ58が設けられている。符号59はフロントウインカ、60はリアウインカを示す。
後輪3には、後輪ブレーキ92が設けられている。後輪ブレーキ92は、ドラムブレーキであり、ブレーキパネル92aや、ブレーキアーム92b、図示しないブレーキシューなどを備えている。
ヘッドパイプ17には、操舵系9が揺動可能に支持されている。操舵系9は、ステアリングシャフト71、左右一対のフロントフォーク14、トップブリッジ72、ボトムブリッジ73を備える。
ステアリングシャフト71は、ヘッドパイプ17に回動可能に支持されている。
トップブリッジ72は、ステアリングシャフト71の上端部に固定されて左右のフロントフォーク14の上部を連結している。
ボトムブリッジ73は、ステアリングシャフト71の下端部に固定されて左右のフロントフォーク14を連結している。
左側のハンドルバー部15bには、左ブレーキレバー94が支持されている。左ブレーキレバー94には、CBS(Combined Brake System)モジュール(制動力調整装置)100に向かって延びる左ブレーキケーブル96が接続されている。
CBSモジュール100の上部には、左ブレーキケーブル96が接続されている。CBSモジュール100の下部には、前輪ブレーキ91に向かって延びる前連動ブレーキケーブル97と、後輪ブレーキ92に向かって延びる後連動ブレーキケーブル(リアホース)98とが接続されている。
各ブレーキケーブル(ホース)95〜98はワイヤー式ケーブルである。右ブレーキレバー93、左ブレーキレバー94の操作力は、ブレーキケーブル(ホース)95〜98のインナーケーブルが牽引されることにより、前輪ブレーキ91、後輪ブレーキ92に伝達される。
鞍乗型車両1は、後輪ブレーキ操作子としての左ブレーキレバー94を操作することにより、前輪ブレーキ91及び後輪ブレーキ92の両方を連動して作動させるCBSモジュール100を備えている。
CBSモジュール100には、左ブレーキケーブル96、前連動ブレーキケーブル97、後連動ブレーキケーブル98が接続される。各ブレーキケーブル(ホース)96、97、98は、インナーケーブル96a、97a、98aの周囲をアウターケーブル96b、97b、98bで覆ったケーブル構造をしている。なお、図4では不図示の右ブレーキケーブル95もインナーケーブルの周囲をアウターケーブルで覆ったケーブル構造をしている。
イコライザボックス101の内部には、イコライザ(制動力調整装置本体)102が配置されている。
イコライザボックス101の上部には、入力接続部(制動力入力端子)103が設けられている。入力接続部103には、左ブレーキケーブル96が接続されており、アウターケーブル96bがアジャストボルト103aとロックナット103bにより固定されている。
イコライザボックス101の下部後側には、後輪出力接続部(後輪側制動力出力端子)105が設けられている。後輪出力接続部105には、後連動ブレーキケーブル98が接続されており、アウターケーブル98bが固定されている。
CBSモジュール100は、ステー80を介して、トップブリッジ72とボトムブリッジ73に支持される。
左右の固定バー81は上下方向に長い棒状の部材であり、左右対称に形成されている。左右の固定バー81は、それぞれ、左右のフロントフォーク14の車幅方向内側に沿って配置されている。
左右の固定バー81の上端には上固定部81aが形成されている。上固定部81aは、図6に示すように、トップブリッジ72のトップ固定片72aに固定される。トップ固定片72aは、トップブリッジ72の前端縁から下方に曲がる板状に形成されており、左右一対形成されている。トップ固定片72aには、ステー80の上固定部81aがラバーマウントされている。符号72bはラバーである。
上固定部81aおよび下固定部81bによりステー80が操舵系9に固定されている。
CBSモジュール100は、下クロスバー83の膨出部83aの後側に設置されており、後方に進むに連れて左側に傾斜している。CBSモジュール100は、2本のフロントフォーク14の間に傾斜して配置されることにより、図8に示すように、前輪出力接続部104とステアリングシャフト71の回転中心との間の距離L1よりも、後輪出力接続部105とステアリングシャフト71の回転中心との間の距離L2が小さくなるように設置される。後輪出力接続部105は前輪出力接続部104よりもヘッドパイプ17に近い位置に配置されるため、後輪出力接続部105がステアリングシャフト71の回転中心に近くなっている。後輪出力接続部105から延びる後連動ブレーキケーブル98は、操舵系9の回転時の回転半径が小さく、位置変化を小さくして転舵の影響を小さくできる。
右ブレーキケーブル95は、操舵系9に設けられているケーブルガイド15d、82a、73b、51aに保持されており、操舵系9と一体的に回転可能であり、転舵の影響が抑制されている。
CBSモジュール100の前輪出力接続部104に一端が接続された前連動ブレーキケーブル97は、図6に示すように、左側のフロントフォーク14の車幅方向内側を後下方に延び、図2に示すように、ケーブルガイド73b,51aに保持され、前輪ブレーキ91のブレーキアーム91bに他端が接続されている。
後連動ブレーキケーブル98の一端が接続されたCBSモジュール100もヘッドパイプ17の左側に設置されており、CBSモジュール100からメインフレーム18への後連動ブレーキケーブル98の取り回しが向上する。
メインフレーム18に配索された後連動ブレーキケーブル98は、左側の環状のケーブルガイド18aに保持され、車体フレーム12に沿って後輪ブレーキ92に向けて配索されており、他端がブレーキアーム92bに接続されている。
ヘッドライト41、ヘッドライトカバー44、フロントカバー46は、ステー80に支持されている。
フロントカバー46は、操舵系9の上部を覆う。フロントカバー46は、ヘッドライト41の下方を前方から覆うと共に、左右のフロントフォーク14を車幅方向外側から覆う。フロントカバー46は、前方部86がクロスプレート84に固定されている。また、フロントカバー46は、ステー80の左右に設けられた固定部81cなどに固定されている。
ヘッドライトカバー44には、ヘッドライト41が支持されている。ヘッドライト41は、上部の係合部材41aにより、ヘッドライトカバー44に支持されている。また、ヘッドライト41は、下部のボルト41bにより、ヘッドライトカバー44と共にフロントカバー46の前方部86に固定されている。
CBSモジュール100の上方にはメータ装置43があるため、メータ装置43やメータカバー45により、上方からの保護が可能である。
メータ装置43は機械式の速度メータであり、メータ装置43には、メーターケーブル99が接続されている。図2、図3に示すように、メーターケーブル99は、メータ装置43から下方に延び、ステー80の上クロスバー82の上部前方およびCBSモジュール100の前側を通って下方に配索されている。メーターケーブル99は、下クロスバー83の後方を通ると、右ブレーキケーブル95、前連動ブレーキケーブル97と共に、ケーブルガイド73b、51aを通り、前輪2に配置されたスピードメータギヤ(不図示)に接続されている。
例えば、上記実施の形態において、ワイヤー式ケーブルを用いる前輪ブレーキ91や後輪ブレーキ92、CBSモジュール100の構成を説明したが、油圧による前輪ブレーキ91や後輪ブレーキ92、CBSモジュール100の構成でも良い。また、前輪ブレーキ91と後輪ブレーキ92のいずれか一方のみを油圧によるブレーキを用いる構成にしても良い。これに応じて、ホース96〜98も、ワイヤー式ケーブルに限定されず、ブレーキフルードが充填されたブレーキホースでも良い。
3 後輪
14 フロントフォーク
17 ヘッドパイプ
18 メインフレーム
41 ヘッドライト
43 メータ装置
44 ヘッドライトカバー
72、73 ブリッジ
80 ステー
98 ホース
100 制動力調整装置
104 前輪側制動力出力端子
105 後輪側制動力出力端子
Claims (5)
- ヘッドパイプ(17)と、
前記ヘッドパイプ(17)に回動可能に支持されフロントフォーク(14)を保持するブリッジ(72、73)と、
前記ブリッジ(72、73)にステー(80)を介して接続されるヘッドライト(41)と、
前記ヘッドライト(41)後方を覆うヘッドライトカバー(44)と、
前記フロントフォーク(14)に回転可能に支持される車輪(2)に付与する制動力を調整する制動力調整装置(100)とを備える鞍乗型車両において、
前記制動力調整装置(100)は前記ステー(80)に接続され、2本の前記フロントフォーク(14)の間に配置されることを特徴とする鞍乗型車両。 - 前記制動力調整装置(100)は、
前輪(2)に制動力を付与する前輪側制動力出力端子(104)と、
後輪(3)に制動力を付与する後輪側制動力出力端子(105)とを備え、
前記後輪側制動力出力端子(105)は前記前輪側制動力出力端子(104)よりもヘッドパイプ(17)に近い位置に配置されることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両。 - 前記後輪側制動力出力端子(105)から後輪(3)に延びるホース(98)は、前記ヘッドパイプ(17)から後方に延びるメインフレーム(18)の車幅方向一方側に配索され、
前記制動力調整装置(100)は前記ステー(80)に対して車幅方向一方側に設置されることを特徴とする請求項2に記載の鞍乗型車両。 - 前記制動力調整装置(100)は、
前記ヘッドパイプ(17)の上部近傍に配置されることを特徴とする請求項1から3に記載の鞍乗型車両。 - 前記ヘッドライト(41)の後方上方で、前記制動力調整装置(100)の上方にメータ装置(43)を備えることを特徴とする請求項1から4に記載の鞍乗型車両。
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