JP5723501B1 - 車両 - Google Patents
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Abstract
Description
より詳細には、特許文献1および非特許文献1に記載の傾斜可能な車体フレームと2つの前輪を備えた車両においては、車両前部の上端に近い上クロス部の前方に前後方向に長いヘッドランプが位置している。このため、車両前部の前縁は、上端からヘッドランプ領域前縁部までの部位の水平面に対する傾斜角が小さく、ヘッドランプ領域前縁部から前端までの部位の水平面に対する傾斜角が大きい、屈曲した形状となりやすい。このため、車両前部の前縁のうち、ヘッドランプ領域前縁部から前端までの部位の空気抵抗が大きくなりやすい。
そこで、特許文献1および非特許文献1に記載の傾斜可能な車体フレームと2つの前輪を備えた車両においては、ヘッドランプ領域前縁部の下部を前輪の前方まで延長し、車両前部の前端を前輪の前方に位置させて車両前部の前縁を直線的な形状とし、これにより、空気抵抗を低減している。しかし、車両前部の前端を前輪の前方まで延ばした結果、車両前部のボリューム感が大きくなりやすい。
このように、特許文献1および非特許文献1のように、(a)上クロス部の前方のデッドスペースを使ってヘッドランプを配置することによりボリューム感を低減しようとする発想と、(b)車両前部の前縁を前端と上端とが滑らかに接続された形状に造形することにより空気抵抗の低減を図ろうとする発想、とを組み合わせると、結果的に、空気抵抗は低減できるもののボリューム感が大きくなってしまう。
右旋回時に前記車両の右方に傾斜し、左旋回時に前記車両の左方へ傾斜可能な車体フレームと、
前記車体フレームの左右方向に並べて配置された右前輪および左前輪と、
下部に前記右前輪を支持し、上部に対する前記右前輪の前記車体フレームの上下方向における変位を緩衝する右懸架装置と、
下部に前記左前輪を支持し、上部に対する前記左前輪の前記車体フレームの上下方向における変位を緩衝する左懸架装置と、
前記右懸架装置の上部を前記車体フレームの上下方向に延びる右操舵軸線回りに回転可能に支持する右サイド部と、
前記左懸架装置の上部を前記右操舵軸線と平行な左操舵軸線回りに回転可能に支持する左サイド部と、
前記右サイド部の上部を右端部に前記車体フレームの前後方向に延びる上右軸線回りに回転可能に支持し、前記左サイド部の上部を左端部に前記上右軸線に平行な上左軸線回りに回転可能に支持し、中間部が前記車体フレームに前記上右軸線および前記上左軸線に平行な上中間軸線回りに回転可能に支持される上クロス部と、
前記右サイド部の下部を右端部に前記上右軸線に平行な下右軸線回りに回転可能に支持し、前記左サイド部の下部を左端部に前記上左軸線に平行な下左軸線回りに回転可能に支持し、中間部が前記車体フレームに前記上中間軸線と平行な下中間軸線回りに回転可能に支持される下クロス部と、を含むリンク機構と、
光源を含み、車両前方に光を照射可能なヘッドランプと、
前記ヘッドランプ、前記上クロス部、前記下クロス部の右側面、左側面、上面の少なくとも一部を覆う車体カバーと、
を有する車両であって、
前記ヘッドランプの少なくとも一部は、前記車両が直立した状態で、前記右前輪の右端より左方かつ前記左前輪の左端より右方に配置され、前記車両の側面視において、前記下クロス部の前端より前方で、前記右前輪および前記左前輪の上端より上方、かつ、前記車体フレームの上下方向について前記下クロス部の上端より下方に配置され、
前記ヘッドランプおよび前記車体カバーで構成される車両前部について、
前記車両前部の前縁は、前記車両が直立した状態で、前記車両の側面視において、前端から前記上クロス部より上方かつ前記下クロス部の前端より後方まで延びており、
前記車両前部の前記前端は、前記車両が直立した状態で、前記右前輪の右端より左方かつ前記左前輪の左端より右方に位置し、前記車両の側面視において、前記下クロス部の前端より前方で、前記右前輪および前記左前輪の上端より上方、かつ、前記車体フレームの上下方向について前記下クロス部の上端より下方に位置している。
しかし、本発明者らは、ヘッドランプを下クロス部の上端より下方に位置させて、それにより車両前部の前端を下方かつ前方に突き出す形状とすることにより、空気抵抗を低減しつつ車両前部のボリューム感を低減できることに気が付き、本発明を完成させた。
つまり、特許文献1および非特許文献1に記載の車両に比べて、本発明に係る車両のヘッドランプは下クロス部の上端より下方の低い位置に設けられている。ヘッドランプは前後方向に長いため、車両前部の前縁のうちヘッドランプ領域前縁部をより低くかつ前方の領域に位置させることができる。
(2) 前記車両前部の右端および左端は、前記車両が直立した状態で、前記車両の平面視において、前記下クロス部の前端より後方に位置している。
(3) 前記車両前部の前記右端および前記左端は、前記車両が直立した状態で、前記車両の平面視において、前記上クロス部の前端より後方に位置している。
(4) 前記車両前部の前記右端および前記左端は、前記車両が直立した状態で、前記車両の平面視において、前記下クロス部の後端より後方に位置している。
(5) 前記車両前部の前記右端および前記左端は、前記車両が直立した状態で、前記車両の平面視において、前記上クロス部の後端より後方に位置している。
(6) 前記車両前部の前記前端は、前記車両が直立した状態で、前記車両の側面視において、前記右前輪および前記左前輪の前端より後方に位置している。
(7) 前記ヘッドランプの少なくとも一部は、前記車両が直立した状態で、前記車両の側面視において、前記車体フレームの上下方向について前記下クロス部の下端より上方に位置している。
(8) 前記ヘッドランプの少なくとも一部は、前記車両が直立した状態で、前記車両の側面視において、前記右前輪および前記左前輪の回転軸線より前方に位置している。
(9) 前記ヘッドランプの前記光源を覆うアウタカバーの少なくとも一部は、前記車両の側面視で、前記車両前部の前記前縁の一部を形成する。
(10) 前記車両前部は、前記車両の平面視で、前記車両前部の右端と左端から前記ヘッドランプに向かって先細りとなる形状とされている。
(11) 前記右前輪および前記左前輪の少なくとも一方に制動力を作用させる制動装置と、
複数のブレーキ液の流路を備えてブレーキ液の流れる前記流路を切り替えて前記制動装置の動作を制御する流体ユニットと、
を有し、
前記流体ユニットの少なくとも一部が、前記車両が直立した状態において、鉛直方向に沿って前記ヘッドランプと並ぶように設けられている。
(12) 前記流体ユニットの少なくとも一部が、前記車両が直立した状態で、前記車両の正面視において、前記ヘッドランプと前記上クロス部との間に設けられている。
(13) 前記車両前部の前記前縁は、前記車両が直立した状態で、前記車両の側面視において、前記ヘッドランプの上方に位置する部位の前記水平面に対する傾斜角が、該部位より上方に位置する部位の水平面に対する傾斜角よりも小さい形状とされている。
(14) 前記車両が直立した状態で、前記車両の正面視において、前記車両前部の前記前端から前記下クロス部の前記上端までの鉛直方向の距離が、前記下クロス部の前記上端から前記車両前部の前記上端までの鉛直方向の距離より小さい。
(15) 前記ヘッドランプは、前記車両前部の右縁の一部を形成するアウタカバーを備えた右ヘッドランプと、前記車両前部の左縁の一部を形成するアウタカバーを備えた左ヘッドランプと、を有し、
前記車両前部の前記前端は、前記車両の平面視において、前記右ヘッドランプの前記アウタカバーと前記左ヘッドランプの前記アウタカバーとの間に位置する。
(16) 前記右前輪および前記左前輪の少なくとも一方に制動力を作用させる制動装置と、
複数のブレーキ液の流路を備えてブレーキ液の流れる前記流路を切り替えて前記制動装置の動作を制御する流体ユニットと、
を有し、
前記流体ユニットの少なくとも一部が、前記車両が直立した状態で、前記車両の平面視において、前記右ヘッドランプと前記左ヘッドランプとの間に配置されている。
以下、本発明に係る車両の第1実施形態を、添付図面を参照して説明する。
本実施形態では、車両の一例として、二つの前輪と一つの後輪を有する車両を例示する。
図1は、車両1の全体を車両1の左方から見た側面図を示す。以下、図中の矢印Fは車両1の前方向を示し、矢印Bは車両1の後方向を示す。矢印Uは車両1の上方向を示し、矢印Dは車両1の下方向を示す。説明において前後左右の方向を示す場合、車両1を運転する乗員から見た前後左右の方向を意味する。上下方向とは、鉛直方向のみならず、鉛直方向から傾いた略上下方向を含むことを意味する。左右方向とは、水平方向のみならず、水平方向から傾いた略左右方向を含むことを意味する。車幅方向中央とは、車両1の車幅方向の中心位置を意味する。車幅方向の右方とは、車幅方向中央から右方に向かう方向を意味する。車幅方向の左方とは、車幅方向中央から左方に向かう方向を意味する。また、車両1の無負荷状態とは、乗員が乗車せず、車両1に燃料を搭載していない状態における、前輪が転舵も傾斜もしていない直立状態を意味する。
ヘッドパイプ211は車体フレーム21の一部であり、車両1の右旋回時に車両1の右方に傾斜し、車両1の左旋回時に車両1の左方に傾斜可能とされている。
図2は、図1の車両1の前部を正面から見た正面図である。図3は、図1の車両1の前部を上方から見た平面図である。図2および図3では、車体カバー22を透過させた状態で図示している。
図2および図3に示すように、操舵機構7は、操舵力伝達機構6、左緩衝器33、右緩衝器34、および左右一対の前輪3を有する。
また、左前輪31の上方には、左右一対のフロントフェンダー223のうち、左フロントフェンダー227が配置されている。右前輪32の上方には、左右一対のフロントフェンダー223のうち、右フロントフェンダー228が配置されている。左前輪31は左緩衝器33に支持されている。右前輪32は右緩衝器34に支持されている。
第1上側部33bは、その一部が第1下側部33aに挿入された状態で、第1下側部33aの上側に配置されている。第1上側部33bは、第1下側部33aの延びる方向において、第1下側部33aに対して相対移動可能である。第1上側部33bの上部は、第1ブラケット317に固定されている。このようにして、左緩衝器33は左前輪31を上下方向に変位可能に支持している。
第2上側部34bは、その一部が第2下側部34aに挿入された状態で、第2下側部34aの上側に配置されている。第2上側部34bは、第2下側部34aの延びる方向において、第2下側部34aに対して相対移動可能である。第2上側部34bの上部は、第2ブラケット327に固定されている。このようにして、右緩衝器34は右前輪32を上下方向に変位可能に支持している。
ステアリングシャフト60は、車体フレーム21の左右方向において、左緩衝器33および右緩衝器34の間で、ヘッドパイプ211に支持されている。また、ステアリングシャフト60は、車体フレーム21の上下方向に延びる中間操舵軸線Y3回りに回転可能である。ステアリングシャフト60は、その一部がヘッドパイプ211に挿入されて略上下方向に延びるように配置され、ヘッドパイプ211に対して回転可能である。ステアリングシャフト60は、乗員によるハンドルバー23の操作に伴って回転される。
操舵力伝達機構6は、ハンドルバー23の操作に応じたステアリングシャフト60の回転に伴い、左緩衝器33を上下方向に延びる左操舵軸線Y1回りに回転させ、右緩衝器34を左操舵軸線Y1と平行な右操舵軸線Y2回りに回転させる。
本例では、平行四節リンク(パラレログラムリンクとも呼ぶ)方式のリンク機構5を採用している。
リンク機構5は、ハンドルバー23より下方に配置されている。リンク機構5は、車体フレーム21のヘッドパイプ211に連結されている。リンク機構5は、車両1の傾斜動作を行うための構成として、上クロス部51、下クロス部52、左サイド部53および右サイド部54を備えている。また、リンク機構5は、左サイド部53の下部に接続されて左サイド部53とともに傾斜する構成として、第1ブラケット317と左緩衝器33を備えている。さらに、リンク機構5は、右サイド部54の下部に接続されて右サイド部54とともに傾斜する構成として、第2ブラケット327と右緩衝器34を備えている。
上クロス部51は、右サイド部54の上部を右端部に車体フレーム21の前後方向に延びる上右軸線E回りに回転可能に支持し、左サイド部53の上部を左端部に上右軸線Eに平行な上左軸線D回りに回転可能に支持し、中間部が車体フレーム21に上右軸線Eおよび上左軸線Dに平行な上中間軸線C回りに回転可能に支持される。
下クロス部は、右サイド部54の下部を右端部に上右軸線Eに平行な下右軸線H回りに回転可能に支持し、左サイド部53の下部を左端部に上左軸線Dに平行な下左軸線G回りに回転可能に支持し、中間部が車体フレーム21に上中間軸線Cと平行な下中間軸線F回りに回転可能に支持される。
上クロス部51の左端は、連結部によって左サイド部53に連結されている。上クロス部51は、略前後方向に延びる上左軸線D回りに左サイド部53に対して回転可能である。上クロス部51の右端は、連結部Eによって右サイド部54に連結されている。上クロス部51は、略前後方向に延びる上右軸線E回りに右サイド部54に対して回転可能である。
図4は、車両1の操舵動作を説明するための図であり、車両1を転舵させた状態の車両前部の平面図である。
図4に示すように、ハンドルバー23が左右方向に回されると、操舵機構7の操舵力伝達機構6が動作し、操舵動作が行われる。ハンドルバー23が回転されることでステアリングシャフト60が回転すると、ステアリングシャフト60の回転に伴って第1伝達プレート61が回転する。つまり前輪3は、ステアリングシャフト60の回転に応じて移動する操舵力伝達機構6によって転舵される。
例えば、ステアリングシャフト60が図4の矢印Tの方向に回転すると、第1伝達プレート61の回転に伴って、タイロッド67が左後方に移動する。このとき、第1伝達プレート61は第1ジョイント64の上下方向に延びる回転軸によって第1ジョイント64に対して回転し、タイロッド67は姿勢を維持しながら左後方に移動する。タイロッド67の左後方への移動に伴って、第2伝達プレート62および第3伝達プレート63は、それぞれ左サイド部53および右サイド部54回りに、矢印Tの方向に回転する。このとき、第2伝達プレート62は第2ジョイント65の上下方向に延びる回転軸回りに第2ジョイント65に対して回転し、第3伝達プレート63は第3ジョイント66の上下方向に延びる回転軸回りに第3ジョイント66に対して回転する。
図5は、車両1の傾斜動作を説明するための図であり、車両1を傾斜させた状態の車両前部の正面図である。
図5に示すように、リンク機構5の作動に伴い車両1は左右方向に傾斜する。リンク機構5の作動とは、リンク機構5における傾斜動作を行うための各部材(上クロス部51、下クロス部52、左サイド部53および右サイド部54)がそれぞれの連結点を軸として相対回転し、リンク機構5の形状が変化することを意味している。
本例のリンク機構5では、例えば、直立状態において正面視で略長方形状に配置された上クロス部51、下クロス部52、左サイド部53および右サイド部54が、車両1が傾斜した状態において略平行四辺形に変形している。リンク機構5は、上クロス部51、下クロス部52、左サイド部53および右サイド部54の相対的な回転動作に連動して傾斜動作を行うことで、左前輪31および右前輪32をそれぞれ傾斜させる。
図6は、車両1を転舵させかつ傾斜させた状態の車両前部の正面図である。
図6では、左側に操舵し、左方に傾斜した状態を示している。図6に示す動作時には、操舵動作により左前輪31および右前輪32の向きが変更され、傾斜動作により左前輪31および右前輪32が車体フレーム21とともに傾斜される。この状態では、リンク機構5の上クロス部51、下クロス部52、左サイド部53および右サイド部54が略平行四辺形に変形し、タイロッド67が左右何れかの操舵した方向(図6では左方)かつ後方に移動する。
次に図7と図8を用いて、車体カバー22、および車体カバー22の内部に位置する部材の配置位置について詳しく説明する。図7は、車両1が直立状態でかつ無転舵状態における車両1の車両前部の正面図である。図8の(a)は図7に示した車両1の車両前部の側面図であり、図8の(b)はその平面図である。
車両1は、図7に示したように車両1の左右方向の中央部に、車両前方に光を照射可能で光源を含むヘッドランプ71を備えている。またヘッドランプ71の上方に、隣接してポジションランプ72が設けられている。ヘッドランプ71を点灯することにより、運転者の路面の視認性を高めることができる。ポジションランプ72を点灯することにより、対向車や歩行者から見た車両1の視認性を高めることができる。
また本実施形態において、図7に示すように、車両1の正面視においてポジションランプ72および方向指示器73は車両1の中央から側方に向かって延びるように形成されており、車両1の正面視で前端が尖った車両前部のボリューム感の小さい外観を呈している。
また、図8の(a)に示したように、ヘッドランプ71の少なくとも一部は、車両1の側面視において、下クロス部52の前端より前方(補助線Oより前方)で、右前輪32および左前輪31の上端より上方(補助線Jより上方)に配置されている。補助線Oは、下クロス部52の前端を通る鉛直線である。
さらに、ヘッドランプ71の少なくとも一部は、車体フレーム21の上下方向について下クロス部52の上端より下方(補助線Kより下方)に配置されている。
図8の(a)に示すように、車両前部のうち最も前方に位置する部位を前端100と呼ぶ。本実施形態の車両1では、ヘッドランプ71の下方に位置するフロントカバー221の前端が車両前部の前端100となる。図8の(a)に示すように、この前端100は車両1の側面視で、左前輪31および右前輪32の上端よりも上方(補助線Jより上方)、かつ、下クロス部52の上端より下方(補助線Kより下方)に位置している。また図8の(b)に示すように、この前端100は車両1の平面視で、左前輪31と右前輪32の間に位置している。すなわち車両前部は、左右方向の中央の下部が前方に突き出た形状とされている。
車両前部の前端100は、車両1が直立した状態で、右前輪32の右端より左方(補助線Mより左方)かつ左前輪31の左端より右方(補助線Nより右方)に位置する。また、図8の(a)に示すように、車両前部の前端100は、車両1の側面視において、下クロス部52の前端より前方(補助線Oより前方)で、右前輪32および左前輪31の上端より上方(補助線Jより上方)に位置する。さらに、車両前部の前端100は、車体フレーム21の上下方向について下クロス部52の上端より下方(補助線Kより下方)に位置している。
車両1の平面視で車両前部の左縁は、前端100から上クロス部51の左端より左方まで延びている。車両前部の左縁の左端101が左前輪31より左方(補助線Nより左方)に位置する。また車両前部の左縁の左端101は、前後に配列された下クロス部52のうち前方の下クロス部52より後方に位置している。さらに車両前部の左縁の左端101は上クロス部51より後方に位置している。
また図8の(b)に示したように、車両前部の左右の端部101,102を、その前端が下クロス部52の前端より後方に位置する上クロス部51よりも後方に位置させると、さらに車両1の進行方向に対して左縁および右縁のなす角度を小さくできるので好ましい。
これに対して上述した本実施形態に係る車両1によれば、前方の一部が切り欠かれた流線型の形状とされており、空気抵抗が低減されつつ、車両前部のボリューム感が小さくされている。
図7および図8の(a)および(b)において、符号80は流体ユニットを示す。流体ユニット80は金属製の部材である。流体ユニット80の内部には、複数の流路が形成されている。流体ユニット80は、いわゆるABS(Antilock−Brake System)装置の一構成要素である。流体ユニット80は、ブレーキ液を流す流路を切り替えることにより、前輪および後輪の制動装置の動作を制御する。制動装置は、図8の(a)に示すように、前輪3とともに回転するブレーキディスク711と、ブレーキディスク711の回転を制動するブレーキキャリパ712を有する。
特許文献1および非特許文献1に記載の傾斜可能な車体フレームと2つの前輪を備えた車両においては、ヘッドランプの少なくとも一部が車体カバーの内方に設けられている。ヘッドランプは、光源と、光源から前方に離れた位置に設けられたアウタカバーを含み、前後方向に長い装置である。この前後方向に長いヘッドランプが、この上クロス部の前方の空間を使って配置されている。つまり、特許文献1および非特許文献1は、デッドスペースとなっていた上クロス部の前方の空間を使ってヘッドランプを配置するという合理的な発想に基づき、車両前部をコンパクトに構成することにより車両前部のボリューム感の低減を図っている。
ところが、特許文献1および非特許文献1に記載の傾斜可能な車体フレームと2つの前輪を備えた車両においては、上述したように、下クロス部の前端は上クロス部より前方に位置し、前後方向に長いヘッドランプが上クロス部の前方に配置されている。このため、前後方向について、ヘッドランプの前端と下クロス部の前端が互いの近くに位置する。このため、側面視で、車両前部の前縁の一部であって上下方向についてヘッドランプが占める領域に位置する部位(以降、ヘッドライト領域前縁部と呼ぶ)と、車両前部の前縁のうち下クロス部の前方に位置する部位とを結ぶ部位は、垂直に切り立った形状となりやすく、空気抵抗が大きくなりやすい。
より詳細には、特許文献1および非特許文献1に記載の傾斜可能な車体フレームと2つの前輪を備えた車両においては、車両前部の上端に近い上クロス部の前方に前後方向に長いヘッドランプが位置している。このため、車両前部の前縁は、上端からヘッドランプ領域前縁部までの部位の水平面に対する傾斜角が小さく、ヘッドランプ領域前縁部から前端までの部位の水平面に対する傾斜角が大きい、屈曲した形状となりやすい。このため、車両前部の前縁のうち、ヘッドランプ領域前縁部から前端までの部位の空気抵抗が大きくなりやすい。
車両前部の右端102および左端101は、車両1が直立した状態で、車両1の平面視において、下クロス部52の前端より後方に位置している。
車両前部の右端102および左端101は、車両1が直立した状態で、車両1の平面視において、上クロス部51の前端より後方に位置している。
車両前部の右端102および左端101は、車両1が直立した状態で、車両1の平面視において、下クロス部52の後端より後方に位置している。
車両前部の右端102および左端101は、車両1が直立した状態で、車両1の平面視において、上クロス部51の後端より後方に位置している。
車両前部の前端100は、車両1が直立した状態で、車両1の側面視において、右前輪32および左前輪31の前端(補助線P)より後方に位置している。補助線Pは、右前輪32および左前輪31の前端を通る鉛直線である。
ヘッドランプ71の少なくとも一部は、車両1が直立した状態で、車両1の側面視において、車体フレーム21の上下方向について下クロス部52の下端(補助線Q)より上方に位置している。
ヘッドランプ71の少なくとも一部は、車両1が直立した状態で、車両1の側面視において、右前輪32および左前輪31の回転軸線Z2,Z1(補助線I)より前方に位置している。
ヘッドランプ71の光源を覆うアウタカバーの少なくとも一部は、車両1の側面視で、車両前部の前縁の一部を形成している。
車両前部は、車両1の平面視で、車両前部の右端102と左端101からヘッドランプ71に向かって先細りとなる形状とされている。
右前輪32および左前輪31の少なくとも一方に制動力を作用させる制動装置と、複数のブレーキ液の流路を備えてブレーキ液の流れる流路を切り替えて制動装置の動作を制御する流体ユニット80を有する。
流体ユニット80の少なくとも一部が、車両1が直立した状態において、鉛直方向に沿ってヘッドランプ71と並ぶように設けられている。
流体ユニット80の少なくとも一部が、車両1が直立した状態で、車両1の正面視において、ヘッドランプ71と上クロス部51との間に設けられている。
上述した第1実施形態においては、単一のヘッドランプ71を搭載した車両1の例を説明したが、本発明はこの例に限られない。本発明は、複数のヘッドランプを搭載した車両1Aにも適用できる。図9は、車両1Aが直立した状態でかつ停車した状態における、車両1Aの車両前部の正面図である。図10の(a)は図9に示した車両1Aの車両前部の側面図であり、図10の(b)はその平面図である。
図10の(a)に示すように、本実施形態の車両1Aでは、フロントカバー221の前端が車両前部の前端100Aとなる。図10の(a)に示すように、この前端100Aは車両1Aの側面視で、左前輪31および右前輪32の上端(補助線J)よりも上方、かつ、下クロス部52の上端(補助線K)より下方に位置している。また図10の(b)に示すように、この前端100Aは車両1Aの平面視で、左前輪31と右前輪32の間に位置している。すなわち車両前部は、左右方向の中央の下部が前方に突き出た形状とされている。
このように車両前部の前縁は、車両前部の下方の前方に突き出た前端100Aから上クロス部51の上端より上方かつ下クロス部52の前端より後方まで延びるように形成されている。このため車両1Aの側面視において、前方から後方に向かって車両前部の縦方向寸法が大きくなるように前縁が傾斜している。これにより車両前部は車両1Aの側面視において、リンク機構5の上クロス部51の前方が切り欠かれた車両前部のボリューム感の小さい形状とされている。また車両1Aの進行方向に対する車両前部の前縁のなす角度が小さくなるので、空気抵抗の小さい車両1Aを提供できる。
車両前部の前端100Aは、車両1Aが直立した状態で、右前輪32の右端より左方(補助線Mより左方)かつ左前輪31の左端より右方(補助線Nより右方)に位置する。また、図10の(a)に示すように、車両前部の前端100Aは、車両1Aの側面視において、下クロス部52の前端より前方(補助線Oより前方)で、右前輪32および左前輪31の上端より上方(補助線Jより上方)に位置する。さらに、車両前部の前端100Aは、車体フレーム21の上下方向について下クロス部52の上端より下方(補助線Kより下方)に位置している。
なおヘッドランプ74,75のアウタレンズがその上方に回りこむように形成されていてもよい。この場合には、上クロス部51の前面を覆うフロントカバー221の面Sの水平面に対する傾斜角度が、車両前部のヘッドランプ74,75の上方に位置するアウタレンズの面の水平面に対する傾斜角度よりも大きくなるように形成することが好ましい。
車両前部の左縁は車両1Aの平面視で、前端100Aから上クロス部51の左端より左方まで延びている。車両前部の左縁の左端101Aが左前輪31より左方(補助線Nより左方)に位置する。車両前部の左縁の左端101Aは下クロス部52より後方に位置している。さらに車両前部の左縁の左端101Aは上クロス部51より後方に位置している。
ヘッドランプ74,75の少なくとも一部は、車両1Aが直立した状態で、右前輪32の右端より左方かつ左前輪31の左端より右方に配置され、車両1Aの側面視において、下クロス部52の前端より前方で、右前輪32および左前輪31の上端より上方、かつ、車体フレーム21の上下方向について下クロス部52の上端より下方に配置されている。
ヘッドランプ74,75および車体カバー22で構成される車両前部について、
車両前部の前縁は、車両1Aが直立した状態で、車両1Aの側面視において、前端から上クロス部51より上方かつ下クロス部52の前端より後方まで延びており、
車両前部の前端100は、車両1Aが直立した状態で、右前輪32の右端より左方かつ左前輪31の左端より右方に位置し、車両1Aの側面視において、下クロス部52の前端より前方で、右前輪32および左前輪31の上端より上方、かつ、車体フレーム21の上下方向について下クロス部52の上端より下方に位置している。
本実施形態に係る車両1Aにおいては、上述したように、車両1Aの側面視で、車両前部の前縁のうちヘッドランプ領域前縁部はより低くかつ前方の領域に位置されている。さらに、車両前部の前端100Aはこのヘッドランプ領域前縁部と同じかそれより前方に位置するため、車両前部の前端100Aを低くかつより前方の領域に位置させることができる。つまり、車両前部の前端100Aを、上端に対して、前方かつ下方に大きく離間した位置に配置することができる。このため、上端から前端100Aにかけて、車両前部の前縁を、滑らかに連続する直線状の形状としやすい。
また、車両前部の前端100Aが右前輪32および左前輪31の上端より上方に位置しているので、車両前部が上下方向にコンパクトな形状とされ、車両前部のボリューム感が低減されている。さらに、車両前部の前端は、下クロス部52の前端より前方で、右前輪32および左前輪31の上端より上方、かつ、車体フレーム21の上下方向について下クロス部52の上端より下方に位置している。つまり、車両前部を、その前端100Aが低い位置で前方に突き出す形状(例えば砲弾形)にしやすい。このため、車両1Aに搭乗したユーザの目に近い部位を小さくしやすく、よりボリューム感を小さくしやすい。
以上の理由により、空力抵抗が低減されつつ、車両前部のボリューム感がより小さい、ヘッドランプ74,75が車体カバー22の内部に配置された車両1Aが提供される。
車両前部の前縁は、車両1Aが直立した状態で、車両1Aの側面視において、ヘッドランプ71の上方に位置する部位Tの水平面に対する傾斜角が、該部位より上方に位置する部位Sの水平面に対する傾斜角よりも小さい形状とされている。
車両1Aが直立した状態で、車両1Aの正面視において、車両前部の前端100Aから下クロス部52の上端までの鉛直方向の距離D1が、下クロス部52の上端から車両前部の上端までの鉛直方向の距離D2より小さい。
車両1Aは、車両前部の右縁の一部を形成するアウタレンズを備えた右ヘッドランプ75と、車両前部の左縁の一部を形成するアウタレンズを備えた左ヘッドランプ74と、を有し、
車両前部の前端100Aは、車両1Aの平面視において、右ヘッドランプ75のアウタレンズと左ヘッドランプ74のアウタレンズとの間に位置する。
右前輪32および左前輪31の少なくとも一方に制動力を作用させる制動装置と、複数のブレーキ液の流路を備えてブレーキ液の流れる流路を切り替えて制動装置の動作を制御する流体ユニット80と、を有する。
流体ユニット80の少なくとも一部が、車両1Aが直立した状態で、車両1Aの平面視において、右ヘッドランプ75と左ヘッドランプ74との間に配置されている。
例えば上述の第1および第2実施形態では、フロントフェンダーが車両前部を構成しない例を挙げて説明したが、フロントフェンダーがフロントカバーと一体的に形成された車両においては、車両前部はフロントフェンダーを含んで構成される。また上述した第1実施形態および第2実施形態では、ウィンドシールド229を備えた車両1,1Aを説明したが、ウィンドシールド229を備えない車両にも本発明を適用できる。
また、例えば、3つのヘッドランプを備えた車両にも本発明を適用できる。この場合には、上述した第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせて、第1実施形態のように左右方向に中央に1つのヘッドランプを配置し、第2実施形態のように中央のヘッドランプの左右両側に2つのヘッドランプを配置することができる。
また4つ以上のヘッドランプを備えた車両においても、上述した第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせることにより、車両前部のボリューム感が小さくかつ空気抵抗の小さい車両を提供することができる。
ヘッドランプのアウタカバーとして、上述した実施形態のように光を屈折させるレンズ要素を含むアウタレンズを採用してもよいし、光を素通しするように構成してもよい。
なお、本発明および上記実施形態における鋭角とは、0°を含み90°より小さい角度とする。本来、鋭角は、0°を含まないが、本発明および上記実施形態においては、鋭角は0°を含むものとする。また、上記実施例では、クロス部材の上軸線および下軸線と垂直に交わる仮想平面は、後方かつ上方に延びる平面である。しかしながら、これに限定されることなく、クロス部材の上軸線および下軸線と垂直に交わる仮想平面が、前方かつ上方に延びる平面であっても良い。
本明細書において、「平行」は、±40°の範囲で傾斜し、部材として交わらない2つの直線も含む。本発明において、「方向」および「部材」等に対して「沿う」は、±40°の範囲で傾斜する場合も含む。本発明において、「方向」に対して「延びる」は、±40°の範囲で傾斜する場合も含む。
本発明に係る車両1は、傾斜可能な車体フレームと2つの前輪を備えた車両1である。後輪の数は1以上であっても良い。また、車体フレームを覆う車体カバーを備えていても良い。車体フレームを覆う車体カバーを備えていなくても良い。パワーユニットは、動力源を含む。動力源は、エンジンに限らず電動モータであっても良い。
上記各実施形態においては、車体フレーム21の側面視で、右サイド部54、左サイド部53およびヘッドパイプ211は、重なる位置に設けられている。しかしながら、車体フレーム21の側面視で、右サイド部54と左サイド部53に対しヘッドパイプ211が前後方向の異なる位置に設けられていてもよい。また、右サイド部54と左サイド部53の車体フレーム21の上下方向に対する傾斜角度が、ヘッドパイプ211の傾斜角度と異なっていてもよい。
なお、リンク機構を支持するヘッドパイプは、一片の部品で構成されていても、複数の部品で構成されていても良い。複数の部品で構成されている場合、溶接、接着などにより結合されていても、ボルト、リベットなどの締結部材で結合されていても良い。
本実施形態では、ステアリングシャフト60を回転可能に支持する車体フレーム21の一部位としてヘッドパイプ211を説明したが、本発明はこれに限られない。ヘッドパイプに替えて、ステアリングシャフト60を中間操舵軸線Y3回りに回転可能に支持する部材を採用できる。例えば、ステアリングシャフト60を中間操舵軸線Y3回りに回転可能に支持する軸受を含む部材を採用できる。
本実施例において、車体フレームは、ヘッドパイプと連結部材(上前後フレーム部)とダウンフレーム(上下フレーム部)とアンダーフレーム(下前後フレーム部)を有し、それらが溶接により接続されている。しかしながら、本発明の車体フレームは上記実施形態に限定されない。車体フレームは、ヘッドパイプと上前後フレーム部と上下フレーム部と下前後フレーム部を有していればよい。例えば、車体フレームは、鋳造等により全部または一部が一体に形成されていてもよい。また、車体フレームは、上前後フレーム部と上下フレーム部が1つの部材で構成されていてもよいし、別部材で構成されていてもよい。
本実施形態において、ステアリングシャフトの回転軸線と車体フレームの上下方向のなす鋭角は、右緩衝器および左緩衝器の伸縮方向と車体フレームの上下方向とがなす鋭角は一致している。しかしながら、本発明においては、上記実施形態に限定されない。例えば、ステアリングシャフトの回転軸線と車体フレームの上下方向のなす鋭角は、右緩衝器および左緩衝器の伸縮方向と車体フレームの上下方向とがなす鋭角よりも小さくても良いし、大きくてもよい。
なお、上クロス部は、一片の部品で構成される上前クロス部、一片の部品で構成される上後クロス部、およびそれらの間に設けられ、複数の部品で構成される連結部材を含んでいても良い。複数の部品で構成されている場合、溶接、接着などにより結合されていても、ボルト、リベットなどの締結部材で結合されていても良い。
(1) 車体フレームと、
右側に配置された右前輪と、左側に配置された左前輪と、
下部に前記右前輪を上下方向に変位可能に支持する右懸架装置と、
下部に前記左前輪を上下方向に変位可能に支持する左懸架装置と、
前記右懸架装置の上部を上下方向の軸周りに回転可能に支持する右サイド部材と、
前記左懸架装置の上部を上下方向の軸周りに回転可能に支持する左サイド部材と、
中央部が前記車体フレームに前後方向の軸周りに回転可能に支持され、右端部で前記右サイド部材の上部を前後方向の軸周りに回転可能に支持し、左端部で前記左サイド部材の上部を前後方向の軸周りに回転可能に支持する、上部リンク部材と、
中央部が前記車体フレームに前後方向の軸周りに回転可能に支持され、右端部で前記右サイド部材の下部を前後方向の軸周りに回転可能に支持し、左端部で前記左サイド部材の下部を前後方向の軸周りに回転可能に支持し、少なくとも一部が前記上部リンク部材より前方に位置する、下部リンク部材と、を有する鞍乗型車両であって、
車両が直立かつ無転舵状態で、前記右前輪および前記左前輪の回転軸線より前方、かつ、前記右前輪および前記左前輪より上方に位置し、上下方向について少なくともその一部が前記下部リンク部材の上端と下端との間に位置する、ヘッドライトと、
前記ヘッドライト、前記上部リンク部材および前記下部リンク部材の右側面の少なくとも一部、左側面の少なくとも一部および上面の少なくとも一部を覆うカバー部材と、を備え、
車両が直立かつ無転舵状態で前記ヘッドライトおよび前記カバー部材で構成される車両前部について、
前記車両前部の前端部は、車両側面視で前記右前輪および前記左前輪より上方かつ前記下部リンク部材の上端より下方に位置し、かつ、車両平面視で前記右前輪と前記左前輪の間に位置し、
前記車両前部の上縁は、車両側面視で前記前端部から前記上部リンク部材より上方かつ後方まで延び、
前記車両前部の右縁は、車両平面視で前記前端部から前記上部リンク部材の右端より右方まで延び、かつ、前記車両前部の右縁の右端部が前記右前輪より右方に位置し、
前記車両前部の左縁は、車両平面視で前記前端部から前記上部リンク部材の左端より左方まで延び、かつ、前記車両前部の左縁の左端部が前記左前輪より左方に位置している、鞍乗型車両。
(1)から(4)のいずれか一項に記載の鞍乗型車両。
前記流体ユニットが前記ヘッドライトの鉛直方向に並ぶように設けられている、(1)から(5)のいずれか一項に記載の鞍乗型車両。
車両側面視で、前記車両前部の前記上部リンク部材の前面を覆う面の水平面に対する傾斜角度が、前記車両前部の前記ヘッドライトの上方に位置する面の水平面に対する傾斜角度よりも大きい、(1)から(3)のいずれか一項に記載の鞍乗型車両。
前記流体ユニットが、車両平面視で前記右ヘッドライトと前記左ヘッドライトとの間に配置されている、(8)から(10)のいずれか一項に記載の鞍乗型車両。
Claims (16)
- 車両であって、
右旋回時に前記車両の右方に傾斜し、左旋回時に前記車両の左方へ傾斜可能な車体フレームと、
前記車体フレームの左右方向に並べて配置された右前輪および左前輪と、
下部に前記右前輪を支持し、上部に対する前記右前輪の前記車体フレームの上下方向における変位を緩衝する右懸架装置と、
下部に前記左前輪を支持し、上部に対する前記左前輪の前記車体フレームの上下方向における変位を緩衝する左懸架装置と、
前記右懸架装置の上部を前記車体フレームの上下方向に延びる右操舵軸線回りに回転可能に支持する右サイド部と、
前記左懸架装置の上部を前記右操舵軸線と平行な左操舵軸線回りに回転可能に支持する左サイド部と、
前記右サイド部の上部を右端部に前記車体フレームの前後方向に延びる上右軸線回りに回転可能に支持し、前記左サイド部の上部を左端部に前記上右軸線に平行な上左軸線回りに回転可能に支持し、中間部が前記車体フレームに前記上右軸線および前記上左軸線に平行な上中間軸線回りに回転可能に支持される上クロス部と、
前記右サイド部の下部を右端部に前記上右軸線に平行な下右軸線回りに回転可能に支持し、前記左サイド部の下部を左端部に前記上左軸線に平行な下左軸線回りに回転可能に支持し、中間部が前記車体フレームに前記上中間軸線と平行な下中間軸線回りに回転可能に支持される下クロス部と、を含むリンク機構と、
光源を含み、車両前方に光を照射可能なヘッドランプと、
前記ヘッドランプ、前記上クロス部、前記下クロス部の右側面、左側面、上面の少なくとも一部を覆う車体カバーと、
を有する車両であって、
前記ヘッドランプの少なくとも一部は、前記車両が直立した状態で、前記右前輪の右端より左方かつ前記左前輪の左端より右方に配置され、前記車両の側面視において、前記下クロス部の前端より前方で、前記右前輪および前記左前輪の上端より上方、かつ、前記車体フレームの上下方向について前記下クロス部の上端より下方に配置され、
前記ヘッドランプおよび前記車体カバーで構成される車両前部について、
前記車両前部の前縁は、前記車両が直立した状態で、前記車両の側面視において、前端から前記上クロス部より上方かつ前記下クロス部の前端より後方まで延びており、
前記車両前部の前記前端は、前記車両が直立した状態で、前記右前輪の右端より左方かつ前記左前輪の左端より右方に位置し、前記車両の側面視において、前記下クロス部の前端より前方で、前記右前輪および前記左前輪の上端より上方、かつ、前記車体フレームの上下方向について前記下クロス部の上端より下方に位置している、車両。 - 前記車両前部の右端および左端は、前記車両が直立した状態で、前記車両の平面視において、前記下クロス部の前端より後方に位置している、請求項1に記載の車両。
- 前記車両前部の前記右端および前記左端は、前記車両が直立した状態で、前記車両の平面視において、前記上クロス部の前端より後方に位置する、請求項2に記載の車両。
- 前記車両前部の前記右端および前記左端は、前記車両が直立した状態で、前記車両の平面視において、前記下クロス部の後端より後方に位置する、請求項3に記載の車両。
- 前記車両前部の前記右端および前記左端は、前記車両が直立した状態で、前記車両の平面視において、前記上クロス部の後端より後方に位置する、請求項4に記載の車両。
- 前記車両前部の前記前端は、前記車両が直立した状態で、前記車両の側面視において、前記右前輪および前記左前輪の前端より後方に位置している、請求項1から5のいずれか一項に記載の車両。
- 前記ヘッドランプの少なくとも一部は、前記車両が直立した状態で、前記車両の側面視において、前記車体フレームの上下方向について前記下クロス部の下端より上方に位置している、請求項1から6のいずれか一項に記載の車両。
- 前記ヘッドランプの少なくとも一部は、前記車両が直立した状態で、前記車両の側面視において、前記右前輪および前記左前輪の回転軸線より前方に位置している、請求項1から7のいずれか一項に記載の車両。
- 前記ヘッドランプの前記光源を覆うアウタカバーの少なくとも一部は、前記車両の側面視で、前記車両前部の前記前縁の一部を形成する、請求項1から8のいずれか一項に記載の車両。
- 前記車両前部は、前記車両の平面視で、前記車両前部の右端と左端から前記ヘッドランプに向かって先細りとなる形状とされている、請求項1から9のいずれか一項に記載の車両。
- 前記右前輪および前記左前輪の少なくとも一方に制動力を作用させる制動装置と、
複数のブレーキ液の流路を備えてブレーキ液の流れる前記流路を切り替えて前記制動装置の動作を制御する流体ユニットと、
を有し、
前記流体ユニットの少なくとも一部が、前記車両が直立した状態において、鉛直方向に沿って前記ヘッドランプと並ぶように設けられている、請求項1から10のいずれか一項に記載の車両。 - 前記流体ユニットの少なくとも一部が、前記車両が直立した状態で、前記車両の正面視において、前記ヘッドランプと前記上クロス部との間に設けられている、請求項11に記載の車両。
- 前記車両前部の前記前縁は、前記車両が直立した状態で、前記車両の側面視において、前記ヘッドランプの上方に位置する部位の水平面に対する傾斜角が、該部位より上方に位置する部位の水平面に対する傾斜角よりも小さい形状とされている、請求項1から12のいずれか一項に記載の車両。
- 前記車両が直立した状態で、前記車両の正面視において、前記車両前部の前記前端から前記下クロス部の前記上端までの鉛直方向の距離が、前記下クロス部の前記上端から前記車両前部の前記上端までの鉛直方向の距離より小さい、請求項13に記載の車両。
- 前記ヘッドランプは、前記車両前部の右縁の一部を形成するアウタカバーを備えた右ヘッドランプと、前記車両前部の左縁の一部を形成するアウタカバーを備えた左ヘッドランプと、を有し、
前記車両前部の前記前端は、前記車両の平面視において、前記右ヘッドランプの前記アウタカバーと前記左ヘッドランプの前記アウタカバーとの間に位置する、請求項1から14のいずれか一項に記載の車両。 - 前記右前輪および前記左前輪の少なくとも一方に制動力を作用させる制動装置と、
複数のブレーキ液の流路を備えてブレーキ液の流れる前記流路を切り替えて前記制動装置の動作を制御する流体ユニットと、
を有し、
前記流体ユニットの少なくとも一部が、前記車両が直立した状態で、前記車両の平面視において、前記右ヘッドランプと前記左ヘッドランプとの間に配置されている、請求項15に記載の車両。
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