JP6946806B2 - 端子及び端子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、端子及び端子の製造方法に関する。
電気コネクタには、雄コネクタ端子が雌コネクタ端子に挿入されて電気的に接続されるものがある。このような電気コネクタの端子には、相手端子との接触の信頼性、及び、相手端子との挿抜に要する力(以下、「挿入力」という。)が低いことが要求される。
特許文献1には、雄コネクタ端子に対し、雌コネクタ端子への挿入方向に沿って溝を形成することで、断面形状を波目状にしたコネクタ端子が開示されている。
特許第5831611号公報
近年、上記の種類の電気コネクタには、より低い挿入力が求められている。また、端子の断面形状をプレス加工等により波目状にしない場合でも同様の効果が得られる端子であることが好ましい。
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、端子表面の例えばプレス加工を不要とし且つ低い挿入力を可能とする端子及び端子の製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る端子は、
導電体から形成された基材と、
前記基材の表面に配置され、相手端子と接触する接触部と、を備え、
前記接触部は、
前記基材上に配置された、多孔質のNi層と、
前記Ni層上に配置された、NiとSnとを含む合金から形成された合金層と、
前記合金層上に配置された、Sn層と、を備え
前記Sn層は、前記相手端子と接触する領域の表面に凹部を備える。
前記Sn層は、前記相手端子と接触する領域において、平均0.3〜0.7μmの厚さを有する、
こととしてもよい。
前記Sn層のうちの前記相手端子と接触する領域の下に配置された前記合金層は、平均0.3〜0.6μmの厚さを有する、
こととしてもよい。
前記接触部は、前記基材の複数箇所に設けられる、
こととしてもよい。
上記の目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る端子の製造方法は、
導電体の基材上に多孔質のNi層を形成する工程と、
前記Ni層上にSn層を形成する工程と、
Snが溶融する温度で前記Sn層をリフローし、前記Ni層と前記Sn層との間にNiとSnとを含む合金から形成された合金層を形成する工程と、を備え
前記Ni層の孔に基づく凹部を、前記Sn層を前記リフローした後に相手端子と接触する領域の表面に残存させる。
前記Ni層及び前記Sn層をそれぞれめっきにより形成する、
こととしてもよい。
上記の目的を達成するため、本発明の第3の観点に係る端子は、
導電体から形成された基材と、
前記基材の表面に配置され、相手端子と接触する接触部と、を備え、
前記接触部は、
前記基材上に配置された、多孔質のNi層と、
前記Ni層上に配置された、NiとSnとを含む合金から形成された合金層と、
前記合金層上に配置された、Sn層と、を備え、
前記Sn層は、前記相手端子と接触する領域において、平均0.3〜0.7μmの厚さを有し、
前記Ni層の厚さは、3.0μm以上である。
本発明は、導電体から形成された基材の表面に多孔質のNi層と、Ni層上に配置されNiとSnとを含む合金から形成された合金層と、合金層上Sn層と、を備える。従って、本発明によれば、多孔質のNi層に基づく凹みが端子の表面に多数形成されるため、端子表面の例えばプレス加工を不要とし且つ低い挿入力を可能とする端子及び端子の製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る雄コネクタ端子を示す平面図である。 図2(a)は図1のA部の部分拡大図であり、図2(b)は図2(a)のB−B線で切断した断面図である。 図3(a)は雄コネクタ端子の表面の写真であり、図3(b)は図3(a)のH部のSEM(走査型電子顕微鏡)写真である。 図4は、雄コネクタ端子を雌コネクタ端子に挿入した状態を示す断面図である。 図5(a)は図4のC部の部分拡大図であり、図5(b)は図4のD部の部分拡大図である。 図6は、雄コネクタ端子のめっき皮膜の作製工程を示すフローチャートである。 図7(a)は化学研磨終了時の端子表面を示す図であり、図7(b)は図7(a)のE−E線で切断した断面図である。 図8(a)〜(d)は、多孔質Niめっきの形成工程を示す断面図である。 図9(a)は多孔質Niめっき終了時の端子表面を示す図であり、図9(b)は図9(a)のF−F線で切断した断面図である。 図10(a)はSnめっき終了時の端子表面を示す図であり、図10(b)は図10(a)のG−G線で切断した断面図である。
以下、本発明を実施するための形態に係る端子について図面を参照しながら説明する。
本実施形態では、端子の一例として雄コネクタ端子100を挙げる。雄コネクタ端子100は、タブ部110と、圧入部120と、外部リード部130と、を備える。
タブ部110、圧入部120及び外部リード部130は、銅又は銅合金の板材から全て一体に形成されている。銅又は銅合金の全体にはめっきにより表面処理が施されているが、必ずしも全ての部分が同じである必要はない。なお、銅又は銅合金の部分は、後述する基材140である。
タブ部110は、後述の雌コネクタ端子200に挿入される部分である。タブ部110は、雌コネクタ端子200への挿入を容易にするために先端に向かって幅及び厚さが小さくなっている、先細り部111と、略同一の幅(X軸方向)及び厚さ(Z軸方向)を有しており雌コネクタ端子200と接触して電気接点となる接触部112と、を備える。タブ部110の特に接触部112における表面のめっき構造については後述する。
圧入部120は、ショルダー部121と、係止部122と、端子つなぎ部123と、を備える。
ショルダー部121及び係止部122は、雌コネクタ端子200に対する雄コネクタ端子100の長手方向の挿抜において、図示しない雄コネクタハウジングと当接する部分である。ショルダー部121及び端子つなぎ部123は、雄コネクタ端子100の長手方向に垂直な面を備える。
係止部122は、雄コネクタハウジング内で係止される部分である。係止部122は、雄コネクタ端子100の長手方向において、ショルダー部121と端子つなぎ部123との間に設けられている。
外部リード部130は、傾斜部131と、リード132と、を備える。
傾斜部131は、圧入部120の後端部とリード132との間に設けられており、圧入部120とリード132とでZ軸方向に段差をつけるためのものである。段差はZ軸方向で+及び−のいずれの方向であってもよいが、図示の例ではリード132が圧入部120に対して−Z側の位置にある。
リード132は、傾斜部131の後端部に接続されており、図示しないケーブルと電気的に接続される部分である。
図2(a)は、図1のA部の部分拡大図である。図2(b)は、図2(a)をB−B断面で切断した断面図である。
図2(a)には最外層のSn層153のみが図示されているが、図2(b)に示すように、接触部112の表面には、めっき皮膜150が形成されている。
めっき皮膜150は、Ni層151と、合金層152と、Sn層153と、凹部154と、を備える。
Ni層151は、基材140の表面上に形成されている、多孔質のめっき層である。本明細書では、発明の理解を容易にするために、Ni層151について多孔質のめっき層の表現を簡略化している。従って、基材140がNi層151から一部露出していてもよく、また、Ni層151として図示されている部分に孔が設けられていてもよい。
合金層152は、Ni層151の表面上に形成されている。合金層152は、Ni層151に基づくNiと、Sn層153に基づくSnと、を含む合金から形成されている。
合金層152は、Ni層151とSn層153との界面において、熱反応によって形成される。従って、Ni層151の孔の一部など、Ni層151とSn層153とが接していない部分には合金層152は形成されない。
Sn層153は、めっき皮膜150の領域の全面に設けられた表面層である。但し、Ni層151は多孔質層であるため、Sn層153は、Ni層151の全ての孔の表面を覆うように設けられる必要はない。換言すれば、Ni層151とSn層153との界面の合金層152がNi層151の全ての孔の表面を覆うように設けられる必要はない。
凹部154は、Ni層151が形成された際の孔に基づいて、合金層152及びSn層153が形成された後に残る凹部である。Ni層151が形成された際の孔に基づくことから、凹部154は様々な大きさを有するとともに、Snのリフローによって形成された表面を有する。リフローについては後述する。
上記のめっき皮膜150において、凹部154の領域を除くSn層153の表面の領域が主として雌コネクタ端子200と接触する接触面112aとなる。本実施形態ではめっき皮膜150が形成される基材140の表面が平坦であることから、接触面112aはめっき皮膜150の膜厚が最も大きい領域となる。端子の摩擦係数を低減するため、接触面112aの表面は平滑であることが好ましい。
NiとSnとの熱反応によって形成された合金層152は、Ni層151、及び、雌コネクタ端子200と接触するSn層153に比べて硬い層である。合金層152が硬い層であることにより、通常のSn層を形成した場合に比べて、Sn層153の表面である接触面112aにおける摩擦係数が低減する。
合金層152の膜厚は、接触面112aに対応する部分において、0.3〜0.6μmであることが好ましい。合金層152の膜厚が0.3μm未満の場合、接触面112aにおける摩擦係数の低減効果が小さくなる。他方、合金層152の膜厚が0.6μmを超える場合、Snのリフローの時間が長くなるが摩擦係数の低減効果はほとんど変わらないためである。
Sn層153の膜厚は、接触面112aに対応する部分において、0.3〜0.7μmであることが好ましい。Sn層153の膜厚が0.3μm未満の場合、電気コネクタに求められる耐久性等の観点から好ましくない。他方Sn層153の膜厚が0.7μmを超える場合、接触面112aにおける摩擦係数が大きくなってしまう。
図1のA部に相当する雄コネクタ端子100の表面の写真を図3(a)に示す。図3(b)は、図3(a)の概ねH部を拡大したSEM(走査型電子顕微鏡)写真である。図3(b)に示すように、表面のSn層に大小の凹部が多数形成されていることが分かる。
次に、雄コネクタ端子100が雌コネクタ端子200に挿入された状態を長手方向に沿って図4に断面図で示す。
図2(a)、(b)では、基材140の一方の主面にめっき皮膜150が形成されており、接触面112aが形成されている。本実施形態では、後述するように、接触面112aと反対側の面において、同様のめっき皮膜150による接触面112bが設けられるものとする。
雌コネクタ端子200は、図4に示すように、箱部210と、板ばね部220と、を備える。
箱部210は、導電体の板材を屈曲させて、6面のうちの対向する2面が存在しない状態における箱状(筒状)に形成した部材である。箱部210の材料は、例えば銅又は銅合金であるが、これらには限られない。箱部210には、2箇所の切欠部211が形成されている。
板ばね部220は、導電体から形成され、図示の+Z方向が凸となるように弓形に湾曲した部材である。板ばね部220の材料は、ばね材に適した金属材料であることが好ましい。板ばね部220は、雄コネクタ端子100からの押圧及び押圧の解除によって撓む。その際、板ばね部220の弓形の頂部が2箇所の切欠部211内で上下方向に移動可能である。また、板ばね部220は、図示X軸方向の中央部に、雄コネクタ端子100と接触するための凸部として形成された、接点部221を備える。
箱部210及び板ばね部220は、それぞれ表面にめっき等の表面処理が施されている。
雄コネクタ端子100の挿入前は、箱部210の内側の天井面220aと接点部221の頂部との間隔は、雄コネクタ端子100の接点部221の厚さより小さくなっている。図4のように、雄コネクタ端子100が図示Y軸方向に沿って雌コネクタ端子200内に挿入されていくと、雄コネクタ端子100は、接触面112aにおいて箱部210の内壁と接触し、接触面112bにおいて板ばね部220の接点部221と接触する。
雄コネクタ端子100の挿入の進行に伴い、湾曲した板ばね部220の接点部221は、頂部が雄コネクタ端子100によって押圧されて図4に示すように下方に移動する。換言すれば、雄コネクタ端子100は、板ばね部220からの押圧による摩擦に打ち勝つ挿入力で雌コネクタ端子200内に挿入される。
図5(a)は、図4のC部に示す、雄コネクタ端子100の接触面112aと箱部210の天井面220aとの接触部の部分拡大断面図である。図5(b)は、図4のD部に示す、雄コネクタ端子100の接触面112bと接点部221との接触部の部分拡大断面図である。
図5(a)に示すように、天井面220aは平面に形成されている。図示では省略しているが、天井面220aの表面には例えばめっきが施されている。
天井面220aと接触する雄コネクタ端子100の接触面112aは、天井面220aに比べて、凹部154が設けられている分、面積が小さい。これにより、従来の雄コネクタ端子のような平坦面で雌コネクタ端子と接触する場合に比べ、接触面積が低減する。また、雄コネクタ端子の表面にプレスで機械的に凹凸を設ける場合に比べて、本実施形態によれば、接触面積を低減させるとともに、摩擦係数をより低減させることができる。
図5(b)に示す場合、板ばね部220は雄コネクタ端子100を押圧するための円弧状の接点部221を備える。従って、雄コネクタ端子100の接触面112bと接点部221との接触範囲は図5(a)に比べればかなり小さい。この場合でも凹部154を設けることにより摩擦係数の低減効果は得られる。
以上説明したように、雄コネクタ端子100の表面に多数の凹部154が形成されることにより、接触面112aと雌コネクタ端子200との接触面積が小さくなる。このように、本実施形態によれば、摩擦係数が小さくなるとともに、接触面積が小さくなることで、コネクタ端子の挿抜に必要な挿入力が低減される。また、めっき層によって挿入力を低減させることから、端子の基材表面に対して例えばプレス加工によって凹凸を設けることを不要とすることができる。さらに、多数の凹部154が接触面112a全体に設けられることから、コネクタ端子の接触の安定性が向上する。
次に、本実施形態に係る雄コネクタ端子100の製造方法について、図6〜図10及び先に図示した図2を用いて説明する。
図6は、雄コネクタ端子100のめっき皮膜150の作製工程を示すフローチャートである。
まず、基材140の脱脂を行う(ステップS10)。本ステップでは、プレス加工により打ち抜き成形された基材140に対し、表面に付着したオイルをアルカリ性の脱脂剤で脱脂する。
続いて、基材140の化学研磨を行う(ステップS20)。本ステップでは、基材140に対し、硫酸ベースの化学研磨液で、表面を軽くエッチングする。これにより、基材140の表面に形成されていた酸化被膜を除去する。ステップS20が終了した段階では、図1のA部に相当する箇所は図7(a)、(b)に示すように基材140が露出した面となっている。
続いて、基材140に多孔質Niめっきを行う(ステップS30)。ステップS30の工程について、図8(a)〜(d)を用いて説明する。
図8(a)に示すように、基材140をめっき液310内に浸漬させる。基材140は、めっき処理において陰極となる。めっき液310には、多孔質層を形成する基となる添加剤320が分散している。添加剤320は、例えばカチオン性有機系添加剤である。
この状態で、Niめっきを開始すると、図8(b)に示すように、基材140の表面にNiが析出する。めっき処理の進行とともに、Ni層151が成長し、膜厚が増加していく。その際、めっき液310に添加した添加剤320の成分が、Ni層151の析出時に皮膜に取り込まれる。取り込まれる際に、添加剤320の分解生成物330が形成される。分解生成物330は、Ni層151中に分散して形成される。従って、分解生成物330が形成された箇所ではNiの析出が抑制される。
図8(c)に示すように、分解生成物330は、めっき処理が終了するまで、Ni層151の成長とともにさらに形成される。従って、分解生成物330は、Ni層151の膜厚の全体に亘って分散して存在する。
その後、Niめっきされた箇所を水洗し、乾燥させると、図8(d)に示すように、分解生成物330が除去される。図8(d)では図示を簡略化しているが、Ni層151中の分解生成物330が除去されるため、図8(d)において多数の孔151aを含むNi層151が形成されている。Ni層151では、10μm以下の小さな孔151aが、端子表面の1cmあたり数千〜数千万個存在する。
実際のめっき処理では、分解生成物330は概ね粒子状に形成される。孔151aの形状は、分解生成物330の形状に従う。分解生成物330の大きさ、形状、密度等は、めっき液310の浴組成、浴温、pHの他、電流密度といっためっき条件により異なる。Ni層151の形成においては、それらのめっき条件を適宜調整してめっき処理を行うことが好ましい。
ステップS30が終了した段階では、図1のA部は図9(a)、(b)に示すように、Ni層151の表面に多数の孔151aが形成されている。なお、図8(d)と図9(a)、(b)とは同じ状態を示している。
続いて、Ni層151の上に、Snめっきを行う(ステップS40)。本ステップでは、電気伝導性、半田付け性等、コネクタとしての機能を付与するため、Snめっきを施し、Sn層153を形成する。
Sn層153が形成されると、図10(a)、(b)に示すように、Ni層151の孔151aに基づく凹部154が形成される。凹部154は、孔151aに比べてSn層153の分小さくなる。本ステップにおけるSnめっきの膜厚は、Sn層153に対するリフローにおいて合金層152が形成されることを考慮して決定される。
続いて、Sn層153の表面に変色防止処理を行う(ステップS50)。本ステップでは、Sn層153の経時変化、熱酸化による変色を防止するために、Sn層153の表面に変色防止剤を塗布する。
続いて、Sn層153のリフローを行う(ステップS60)。本ステップでは、Sn層153を加熱し、溶融させてリフローする。本ステップにおけるリフローとは、Sn層153に高温の熱風を当ててSnを溶解し、下地のNi層151のNiとの合金化を促進させることを指す。リフローにより、雄コネクタ端子100の挿入力の低減、及び、Sn層153の表面においてウィスカの成長を抑制するためである。
加熱は、例えばヒートガンでSn層153に熱風を当てることにより行う。この加熱によってSn層153が溶融し流れることにより、凹部154の一部を埋めていく。これにより、図1のA部は図2(a)、(b)に図示したようになり、即ち、めっき皮膜150が形成される。ここで「凹部154の一部を埋めていく」とは、多数の凹部154のうちの小さいものについては、Snによって全部埋められることも含む。比較的大きい凹部154については、図2(a)、(b)のように全部埋められず凹部が残留することとなる。
次に、本実施形態の多孔質のNi層151を備えるめっき皮膜150が形成された雄コネクタ端子100と、通常のNiめっきを施した雄コネクタ端子とについて挿入力を測定した。
表1の「多孔質Niめっき」が本実施形態の雄コネクタ端子100に相当する例である。多孔質Niめっきの例と、通常Niめっきの例と、では、Ni層が多孔質であるか否かを除いて同一条件としている。
多孔質Niめっきの例と通常Niめっきの例のいずれについても、Ni層の膜厚は3.0μmであり、Sn層の膜厚は0.6μmである。
Snのリフローについて、ヒートガンにより熱風を当てることにより行った。リフロー時の端子の表面温度を280℃とし、リフローの時間を7sとした。
同一の試料について各5回雌コネクタ端子に挿入して挿入力(N)を測定し、その平均値を求めた。その結果を表1に示す。
Figure 0006946806
表1に示すように、本実施形態の多孔質Niめっきの例は、5回の挿入力及び平均値において、通常Niめっきよりも低い値となった。表1の結果から、本実施形態の雄コネクタ端子100は、多孔質のNi層151、合金層152、Sn層153及び凹部154を備えるめっき皮膜150が形成されたことにより、必要な挿入力が低減したと言える。
なお、この発明は上記実施の形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。
上述の実施形態では、基材140の平坦な表面上にめっき皮膜150を形成しているが、凹凸のある表面上にめっき皮膜150を形成することとしてもよい。例えば、凹凸は特許文献1のようにプレス加工により波目状に形成されていてもよい。
上述の実施形態では、雄コネクタ端子100についてめっき皮膜150を形成することとしたが、雌コネクタ端子200の表面に同様のめっき皮膜を形成することとしてもよい。また、例えば相手端子に対して挿入せずに摺動を伴って接続される種類の端子に同様のめっき皮膜を形成することとしてもよい。
めっき皮膜150は、端子について1箇所又は複数箇所設けることができる。また、タブ部110の全体又は端子全体にめっき皮膜150を設けることとしてもよい。
この発明は、この発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、この発明の範囲を限定するものではない。すなわち、この発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
本発明は、電気回路の部品として用いられる端子に適用することができる。
100 雄コネクタ端子、110 タブ部、111 先細り部、112 接触部、112a 接触面、112b 接触面、120 圧入部、121 ショルダー部、122 係止部、123 端子つなぎ部、130 外部リード部、131 傾斜部、132 リード、140 基材、150 めっき皮膜、151 Ni層、151a 孔、152 合金層、153 Sn層、154 凹部、200 雌コネクタ端子、210 箱部、211 切欠部、220 板ばね部、220a 天井面、221 接点部、310 めっき液、320 添加剤、330 分解生成物。

Claims (7)

  1. 導電体から形成された基材と、
    前記基材の表面に配置され、相手端子と接触する接触部と、を備え、
    前記接触部は、
    前記基材上に配置された、多孔質のNi層と、
    前記Ni層上に配置された、NiとSnとを含む合金から形成された合金層と、
    前記合金層上に配置された、Sn層と、を備え、
    前記Sn層は、前記相手端子と接触する領域の表面に凹部を備える、
    端子。
  2. 前記Sn層は、前記相手端子と接触する領域において、平均0.3〜0.7μmの厚さを有する、
    請求項1に記載の端子。
  3. 前記Sn層のうちの前記相手端子と接触する領域の下に配置された前記合金層は、平均0.3〜0.6μmの厚さを有する、
    請求項1又は2に記載の端子。
  4. 前記接触部は、前記基材の複数箇所に設けられる、
    請求項1からのいずれか1項に記載の端子。
  5. 導電体の基材上に多孔質のNi層を形成する工程と、
    前記Ni層上にSn層を形成する工程と、
    Snが溶融する温度で前記Sn層をリフローし、前記Ni層と前記Sn層との間にNiとSnとを含む合金から形成された合金層を形成する工程と、を備え、
    前記Ni層の孔に基づく凹部を、前記Sn層を前記リフローした後に相手端子と接触する領域の表面に残存させる、
    端子の製造方法。
  6. 前記Ni層及び前記Sn層をそれぞれめっきにより形成する、
    請求項に記載の端子の製造方法。
  7. 導電体から形成された基材と、
    前記基材の表面に配置され、相手端子と接触する接触部と、を備え、
    前記接触部は、
    前記基材上に配置された、多孔質のNi層と、
    前記Ni層上に配置された、NiとSnとを含む合金から形成された合金層と、
    前記合金層上に配置された、Sn層と、を備え、
    前記Sn層は、前記相手端子と接触する領域において、平均0.3〜0.7μmの厚さを有し、
    前記Ni層の厚さは、3.0μm以上である、
    端子。
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