JP5360586B2 - 嵌合型接続端子 - Google Patents

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本発明は、自動車等の電気配線において、電気回路や各種電気機器間の電気接続に用いられる嵌合型接続端子に関するものである。
従来から、自動車や各種電気・電子機器における電気配線のコネクタ接続端子の一種として、例えば、特許文献1(特開平10−302864号公報)の図1に記載の如き、雄端子と雌端子を互いに嵌め合わせて導通状態に接続する嵌合型の接続端子が知られている。このような接続端子には、一般に、銅又は黄銅等の銅合金からなる母材の表面に錫めっき層が形成されている。蓋し、錫めっきは硬度が低く、表面に酸化膜が形成された場合でも、端子同士の接触時には摩擦によって酸化膜が破壊され、錫めっき層同士の接続が維持されて、低い接触抵抗が安定して発揮され得るからである。
ところで、近年では、環境への配慮から鉛を使用しない鉛フリー半田によるリフロー半田付けが多く採用されるようになっている。これに伴い、リフロー温度が錫の融点(232℃)よりも高温になることが避けられず、そのような高温環境下に嵌合型接続端子が晒されることによる錫めっき皮膜の耐食性の低下やそれに伴う接触抵抗の著しい増大等の不具合が指摘されていた。
そこで、高温環境下に晒される接続端子に対しては、錫めっきに代えて融点が高い(融点1455℃)ニッケルめっきの表面皮膜を形成することが考えられる。
ところが、嵌合型接続端子の接合部分表面に対してニッケルめっきを施した場合には、端子同士の接触抵抗がすぐに増大してしまって、要求される通電性能を安定して維持することが難しいという新たな問題を生ずることが分かった。特に、自動車に搭載される電気配線用の接続端子のように常時振動が及ぼされる状態で設置される接続端子において、この問題が顕著であり、更に、接続状態下における雌雄端子間の接触圧(当接力)が小さい場合に一層顕著であった。
特開平10−302864号公報
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、鉛フリー半田の使用に伴う高温環境下での劣化が抑制されると共に低い接触抵抗の維持が実現され得る嵌合型接続端子を提供することにある。
本発明者は、ニッケルめっきを施した嵌合型接続端子について鋭意研究を重ねた結果、接触抵抗の著しい増加は、ニッケルめっきの高い硬度に起因していることを見出した。即ち、従来から一般的に嵌合型接続端子に用いられているニッケルめっきの硬度は350Hv〜800Hvと高い。それ故、例えば雄端子にニッケルめっき、雌端子に錫めっきという組合せで嵌合型接続端子を形成した場合、嵌合による接触部分では、振動等の外力の作用でそれが摺動すると、ニッケルめっきに比べて硬度の低い(40Hv〜80Hv)錫めっきが一方的に磨耗・消費されてしまい、錫の酸化物や母材の銅との金属間化合物(Cu6 Sn5 )が生成すると考えられる。この酸化物や金属間化合物が接触部分の電気抵抗を著しく上昇させるものであり、特に自動車等の常時振動が及ぼされる状況下で接触圧力が小さい場合には、振幅の小さな微摺動による磨耗がより生じ易く、接触抵抗の上昇がより顕著になるものであるとの知見を得た。本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものである。
本発明の第一の態様は、雄端子と雌端子との嵌合によって電気的接触を得る嵌合型接続端子であって、前記雄端子および前記雌端子の母材が銅又は銅合金であって、該雄端子と該雌端子が互いに摺接して嵌合するものであり、前記雄端子における前記雌端子に対する摺接部分の表面に150Hv〜220Hvの硬度を有するニッケルめっきが施されている一方、前記雌端子における前記雄端子に対する摺接部分の表面には錫めっきが施されていることを、特徴とする。
上記知見に基づき、本発明者が更に検討を加えた結果、ニッケルめっきの硬度を220Hv以下にまで低くすることによって、錫めっきとの接触部分においても、錫めっきの一方的な磨耗・消費速度が緩和され、嵌合型接続端子において低い接触抵抗が安定して維持されることを新たに見出したのである。また、ニッケルめっきの硬度の下限値を150Hv以上に設定することによって、耐久性を確保することが出来る。これにより、融点の高いニッケルめっきを用いて高温環境下での劣化を抑制出来ると共に、低接触抵抗を維持することが可能とされたのであり、耐高熱性と低接触抵抗の維持という相反する特性を高度に両立した嵌合型端子を提供することが初めて可能となったのである。
互いに摺接して嵌合される接続端子間では、摺接部分において摺動が生じ易い。特に、一方の端子がニッケルめっきで、他方の端子が錫めっきである場合には、相互の摺動により錫めっきが一方的に磨耗して、錫の酸化物や母材の銅との金属間化合物の生成による接触抵抗の著しい増加を招き易い。このような構造とされた嵌合型接続端子において、雄端子に本発明に係る特定硬度のニッケルめっきを施すことによって、摺動に際する雌端子の錫めっきの一方的な磨耗を軽減することが出来て、低接触抵抗を効果的に維持することが出来る。
本発明の第の態様は、前記第一の態様に記載のものにおいて、鉛フリー半田のリフロー半田付けが施されるプリント基板に搭載される接続端子とされたものである。
本発明に従う構造とされた接続端子によれば、ニッケルめっきを施すことによって耐高熱性が得られることから、鉛フリー半田のリフロー炉等の高温環境下でも劣化を抑制することが出来る。従って、鉛フリー半田が施される基板にも好適に用いることが出来る。
本発明の第の態様は、前記第一又は第二の態様に記載のものにおいて、自動車に搭載されて振動が及ぼされる状態で配設されるものである。
前述のように、自動車のような常時振動が及ぼされる状態下では、端子間の接続部分において微摺動磨耗が生じ易く、微摺動磨耗に起因して接触抵抗が著しく増加し易い。そのような特定状況下に配設される接続端子に本発明に従う特定硬度のニッケルめっきを施すことによって、微摺動磨耗に際する接続部分の磨耗を軽減して、低接触抵抗を効果的に維持することが出来る。
本発明によれば、嵌合型接続端子の雄端子および雌端子の少なくとも一方における接触部分に150Hv〜220Hvの硬度を有するニッケルめっきを施した。ニッケルを用いることにより耐高熱性を得ることが出来て、高温環境下でもめっきの劣化を抑えることが出来る。それと共に、ニッケルめっきの硬度を十分に低く設定したことによって、端子同士の磨耗を軽減することが出来る。これにより、磨耗に起因する酸化物や金属間化合物の生成を抑えることが出来て、低い接触抵抗を維持することが出来る。
本発明の一実施形態としての嵌合型接続端子を示す断面説明図。 図1に示した雄端子における雌端子との接触部分を示す断面説明図。 実施例と比較例について、規定接触抵抗に達する摺動回数の度数分布を示すヒストグラム。 実施例と比較例について、規定接触抵抗値に達する摺動回数の平均値を示したグラフ。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
先ず、図1に、本発明の一実施形態としての嵌合型接続端子10を示す。嵌合型接続端子10は、互いに嵌合される雄端子12と雌端子14を含んで構成されており、図1(a)に非嵌合状態を示し、図1(b)に嵌合状態を示す。
雄端子12は、導電性金属板が屈曲加工されて形成されている。雄端子12の先端部分には、雌端子14との嵌合部分となるタブ16が設けられている。タブ16は平板形状とされており、雄端子14への接触部分となる両表面18a,18bは何れも平坦面とされている。なお、図示は省略するが、雄端子12においてタブ16の反対側には電線との圧着部分となるワイヤバレルが設けられている。
一方、雌端子14は、導電性金属板が屈曲加工されて形成されている。雌端子14の先端部分には、雄端子12に嵌合する嵌合部20が設けられている。また、図示は省略するが、雌端子14において嵌合部20と反対側には電線との圧着部分となるワイヤバレルが設けられている。嵌合部20は開口部21を有する中空の箱形状とされている。嵌合部20には、嵌合部20の内方に突出する舌片22と、舌片22と対向して嵌合部20の内方に突出するビード24が設けられている。
舌片22は、雌端子14を形成する金属板が折曲されて嵌合部20に一体形成された板ばねとされている。舌片22においてビード24と対向する面には、雄端子16への接触部分となるエンボス26が形成されている。エンボス26はビード24に向けて突出する球殻形状とされており、プレス加工等により舌片22に一体形成されている。
一方、ビード24は、舌片22に向けて突出すると共に雄端子12の嵌合方向(図1中、左右方向)に延びる突条とされており、プレス加工等により嵌合部20に一体形成されている。なお、ビード24は、雄端子12のタブ16において嵌合方向(図1中、左右方向)に直交する方向の両端部にそれぞれ位置するように一対形成されており、ビード24と舌片22の対向方向の投影視(図1中、上下方向の投影視)において、一対のビード24がエンボス26を挟む両側に形成されている。
これら雄端子12と雌端子14を嵌合する際には、雄端子12のタブ16が雌端子14の嵌合部20内に開口部21から挿入される。タブ16は、嵌合部20の舌片22とビード24の間に挿入されて、舌片22をビード24から離隔する方向に弾性変形させると共に、舌片22のエンボス26とビード24に摺接しつつ嵌合部20内に挿入される。これにより、タブ16においてエンボス26と摺接する表面18a、およびビード24と摺接する表面18bが、雄端子12における雌端子14との摺接部分とされる一方、エンボス26とビード24が、雌端子14における雄端子12との摺接部分とされる。
そして、エンボス26が舌片22の弾性復元力でタブ16の表面18aに押し付けられて接触圧力を及ぼすと共に、タブ16の表面18bがビード24に押し付けられてビード24が接触圧力を受けることにより、雄端子12と雌端子14が互いに嵌合されて電気的に接続される。雄端子12と雌端子14の嵌合状態において、エンボス26とタブ16の表面18aは点接触状態である一方、ビード24とタブ16の表面18bは線接触状態とされる。これにより、タブ16の表面18a、18bが雄端子12における雌端子14への接触部分とされる一方、エンボス26およびビード24が雌端子14における雄端子12への接触部分とされている。
なお、雄端子12のタブ16と雌端子14のエンボス26およびビード24の接触部分における接触圧は、20N以下、より好適には、17N以下に設定される。これにより、比較的小さな挿入力で雄端子12と雌端子14を容易に嵌合出来る。そして、小さな挿入力で微摺動磨耗が生じるおそれに対しても、雄端子12に後述する特定硬度のニッケルめっき30を施すことによって、低い接触抵抗を維持することが出来る。
このような嵌合型接続端子10において、雄端子12を形成する導電性金属板は、図2に示すように、銅や銅合金からなる母材28の表面にニッケルめっき30が施された構造とされており、この導電性金属板が屈曲形成されることによって、雄端子12が形成されている。これにより、雄端子12のタブ16の表面18a,18bには、ニッケルめっき30が施されている。ニッケルめっき30の硬度は、150Hv〜220Hvの範囲内に設定されている。即ち、本実施形態におけるニッケルめっき30は、従来から嵌合型接続端子に用いられているニッケルめっきの硬度(350Hv〜800Hv)に比して、十分に小さな硬度に設定されている。
なお、ニッケルめっき30は、硬度が200Hv前後の低硬度のニッケルめっき皮膜を得ることが出来る電解めっきにより形成される。例えば、ワット浴、酢酸ニッケル浴、スルファミン酸浴等のニッケルめっき浴中にNi粒子を添加し、陰極側に母材28を設置すると共に、陽極側に溶解性のニッケル金属等の電極金属を設置し、めっき条件として、浴温度や電流密度、液の攪拌、浴組成のpH、対極の配置条件等を調節することでニッケルめっき30の硬度を調節することが出来る。
具体的には、電解めっきの浴組成として、pHが大きくなるにつれて、酢酸ニッケル浴では略一次関数的に硬度が上昇するのに対して、ワット浴やスルファミン酸浴ではpHが5を超えるあたりから急激に硬度が上昇することが知られている。また、めっき条件として、ワット浴では、電流密度が4A/dm2 程度で硬度が最も低くなり、酢酸ニッケル浴では8A/dm2 程度、スルファミン酸浴では2A/dm2 程度で硬度が最も低くなることが知られている。更にまた、めっき条件として、ワット浴では、浴温度が低温から45℃程度に近づくに連れて硬度が小さくなり、45℃程度より高温では略一定の低い硬度が得られるのに対して、酢酸ニッケル浴では浴温度が40℃程度で硬度が最も低くなり、スルファミン酸浴では、低温から50℃程度までは略一定の低い硬度が得られ、50℃程度を超えると硬度が急激に高くなることが知られている。これら浴組成やめっき条件を適宜に調節することによって、目的とする硬度のニッケルめっき30を得ることが出来る。
また、ニッケルめっき30の厚さ:tは特に限定されるものではないが、好適には、0.5μm〜1.0μmの範囲内で設定される。厚さ:tを0.5μm以上に設定することによって、耐久性を確保することが出来ると共に、厚さ:tを1.0μm以下に設定することによって、ニッケルめっき30が施された導電性金属板の屈曲加工を容易に行なうことが出来る。
一方、雌端子14を形成する導電性金属板は、従来公知のように、銅や銅合金からなる母材の表面に錫めっきが施された構造とされている。これにより、雄端子12のタブ16に接触するエンボス26およびビード24には、錫めっきが施されている。
これら雄端子12と雌端子14を含む嵌合型接続端子10は、各種電気・電子機器におけるコネクタ接続端子等として用いられる。図示は省略するが、特に本実施形態における嵌合型接続端子10は、雄端子12が、鉛フリーのリフロー半田付けが施されるプリント基板に搭載されてプリント基板回路に接続されていると共に、タブ16がプリント基板から突出される。一方、雌端子14は、コネクタハウジング等に収容されて相手方コネクタを構成し、相手方コネクタに収容された雌端子14が、プリント基板に接続されたタブ16と嵌合されるようになっている。そして、これら雄端子12を備えたプリント基板および雌端子14を備えたコネクタは、自動車用の電気回路として自動車に搭載されて、常時振動が及ぼされる状態で配設される。
このような構造とされた嵌合型接続端子10は、雄端子12のタブ16の表面18a,18bに高い融点を有するニッケルめっき30が施されていることから、高い耐熱性を得ることが出来る。これにより、本実施形態のように、鉛フリー半田によるリフロー半田付けが行なわれる基板のような、高温環境下に晒されるものにも好適に用いることが出来る。
そして、本実施形態におけるニッケルめっき30は、従来のニッケルめっきに比して、十分に小さな硬度に設定されている。これにより、ニッケルめっき30が施された雄端子12のタブ16と錫めっきが施された雌端子14のエンボス26やビード24との摺動に際して、硬度の低い錫めっきが施されたエンボス26およびビード24の一方的な磨耗が軽減されて、磨耗に起因する酸化物や金属間化合物の生成が抑えられることから、低い接触抵抗を効果的に維持することが出来る。従って、本実施形態のように、接触圧が比較的低く、自動車のような常時振動が及ぼされる状態に配設されることにより、雄端子12と雌端子14の間で微摺動磨耗が生じ易い場合でも、低い接触抵抗をより長期に亘って維持することが出来る。更に、雄端子12と雌端子14の嵌合に際して、エンボス26がタブ16に摺接してタブ16のニッケルめっき30を削りながら嵌合されることによって、エンボス26がニッケルめっき30に形成された溝に嵌まり込んだ状態になる。これにより、タブ16とエンボス26の間の微摺動磨耗そのものを抑えることも出来る。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、前記実施形態において、ニッケルめっき30を、雌端子14のエンボス26およびビード24に施す一方、雄端子12のタブ16に錫めっきを施しても良いし、雄端子12および雌端子14の両方の接触部分にニッケルめっき30を施しても良い。また、ニッケルめっきは、少なくとも端子の接触部分に形成されておれば良いのであって、例えば前記実施形態における雄端子12のタブ16の表面18a,18bや、雌端子14のエンボス26およびビード24のみにニッケルめっき30を施して、それら雄端子12や雌端子14において接触部分以外のワイヤバレルなどの部位には錫めっきを施す等しても良い。
加えて、前記実施形態における嵌合型接続端子10の具体的形状や適用例はあくまでも例示であって、例えば雄端子は、自動車の電気接続箱の内部回路として用いられるバスバーのタブ等であっても良いし、基板用コネクタの端子として用いられて、基板上に突設される矩形等の断面の線状端子や扁平断面のタブ状端子などであっても良い。また、本発明は、自動車の電気回路に用いられる嵌合型接続端子に限定されず、各種電気機器に用いられる嵌合型接続端子に広く採用可能である。
次に、本発明の有効性を検証するために、本発明に従う実施例と、従来構造に従う比較例を用意して比較検討した結果を、以下に示す。
先ず、実施例として、本発明に従う硬度220Hvのニッケルめっきを施した幅2.3mm×厚み0.64mmの雄端子と、当該雄端子用の錫めっきを施した雌端子からなり、端子間接点圧が8Nに設定された嵌合型接続端子を5つ用意した。また、比較例として、従来構造に従う硬度370Hvのニッケルめっきを施した実施例と同形状の雄端子と、錫めっきを施した実施例と同形状の雌端子からなり、実施例と等しく端子間接点圧が8Nに設定された嵌合型接続端子を5つ用意した。即ち、比較例は、実施例に比して、雄端子に施されためっきが従来構造に従う高硬度のニッケルめっきである点のみが異ならされている。
そして、これら実施例および比較例のそれぞれの5つの試験体について、接点部抵抗値モニタを取り付けて、雄端子と雌端子間で微摺動を繰り返す微摺動試験を実施した。なお、摺動距離は200μm、通電条件は20mV、10mA/DCとした。
表1に、実施例および比較例のそれぞれ5つの試験体について、予め規定した接触抵抗上昇値(3mΩ、6mΩ、10mΩ)に到達した摺動回数を示すと共に、表2に表1の結果を度数分布として示す。また、図3(a)および図3(b)に、実施例、比較例のそれぞれについて、表2のヒストグラムを示す。なお、図3の横軸における「摺動回数」の値は、表2における「階級値(摺動回数)」の値であり、例えば図3における「摺動回数」の「1500」は、摺動回数1〜3000の範囲を代表して示すものである。
Figure 0005360586
Figure 0005360586
図3から明らかなように、比較例では全ての試験体が、摺動回数が「4500」(摺動回数3001〜6000回)で接触抵抗の上昇が3mΩに達している。これに対し、実施例では、同摺動回数の範囲では未だ接触抵抗の上昇が3mΩに達していない試験体が存する。更に、比較例は摺動回数が「10500」(摺動回数9001〜12000回)を越える前に全ての試験体について接触抵抗の上昇が10mΩに達しているのに対し、実施例では同摺動回数では未だ接触抵抗の上昇が10mΩに達していない試験体が存する。
また、図4に、表1に示した実施例および比較例の平均値をグラフで示す。図4からも、実施例によれば、比較例と同じ規定接触抵抗上昇値に達する摺動回数が比較例よりも遥かに大きいことが明らかである。また、規定接触抵抗上昇値が大きくなるに連れて、実施例と比較例における摺動回数の差がより大きく開いている。これらの試験結果により、本発明によれば、接触抵抗の速やかな上昇を抑えることが出来て、低接触抵抗をより効果的に維持できることが確認された。
10:嵌合型接続端子、12:雄端子、14:雌端子、16:タブ、18a,b:表面(接触部分)、24:ビード(接触部分)、26:エンボス(接触部分)、28:母材、30:ニッケルめっき

Claims (3)

  1. 雄端子と雌端子との嵌合によって電気的接触を得る嵌合型接続端子であって、
    前記雄端子および前記雌端子の母材が銅又は銅合金であって、該雄端子と該雌端子が互いに摺接して嵌合するものであり、前記雄端子における前記雌端子に対する摺接部分の表面に150Hv〜220Hvの硬度を有するニッケルめっきが施されている一方、前記雌端子における前記雄端子に対する摺接部分の表面には錫めっきが施されていることを特徴とする嵌合型接続端子。
  2. 鉛フリー半田のリフロー半田付けが施されるプリント基板に搭載される接続端子である請求項1に記載の嵌合型接続端子。
  3. 自動車に搭載されて振動が及ぼされる状態で配設される請求項1又は2に記載の嵌合型接続端子。
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