JP2014175196A - コネクタ用接続端子 - Google Patents

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Abstract

【課題】挿抜回数の増加に伴う端子挿入力の上昇を抑えるとともに、高い接続信頼性を確保できるコネクタ用接続端子を提供すること。
【解決手段】コネクタ嵌合時に相手側の接続端子の接点部と接触して電気的導通が図られる接点部を有する接続端子において、接続端子の接点部の最表面に、銀層を形成するとともに、相手側の接続端子と挿抜される際に相手側の接続端子の接点部が接続端子の接点部に到達するまでに滑る接続端子の滑り部の最表面には、硫化銀層を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、コネクタ用接続端子に関し、さらに詳しくは、接点部に銀層が形成されたコネクタ用接続端子に関するものである。
電気自動車やハイブリッド自動車などの電力供給線には、大電流に対応した大電流用接続端子が用いられる。大電流用接続端子の接点部には、接触抵抗を小さくして接続信頼性を確保するため、高導電率で酸化しにくい銀層が形成されることが多い。
大電流用接続端子は、通常、厚肉で断面積が大きいものであるため、コネクタ嵌合時の端子挿入力が比較的大きい。接続信頼性を向上させるためにコネクタ嵌合時の接続端子間の接点荷重を高くした場合には、コネクタ嵌合時の端子挿入力はさらに大きくなる。したがって、大電流用接続端子では、繰り返し挿抜が行われると、銀層の表面が削られて表面が粗くなりやすい。また、接続端子間で銀層同士が接触すると、金属凝着が起こりやすい。そうすると、挿抜回数の増加に伴い、端子挿入力が上昇する。そこで、銀層を有する接続端子において、表面の摩擦係数を低減することで、コネクタ嵌合時の端子挿入力を低減する対策が提案されている。
例えば特許文献1には、相手方コネクタとの嵌合時に相手方コネクタの接続端子と摺動し合う摺動面に自己組織化単分子膜を形成して嵌合時における接続端子同士の摩擦力を低減させることが記載されている。
また、特許文献2には、炭素粒子を均一に分散させた銀めっき液を用いて銀めっき中に炭素粒子を均一に分散させた複合材からなる皮膜を素材上に形成し、複合めっき材の耐摩耗性を高めることが記載されている。
また、特許文献3には、接続端子の基材上に形成される銀層をSnとの合金とすることにより、低い動摩擦係数を維持することが記載されている。
特開2008−293819号公報 特許第4669967号 特開2011−198683号公報
特許文献1の技術では、接続端子の摺動面に自己組織化単分子膜を形成する工程の増設やその形成材料の管理などによるコストの増加を招く。また、特許文献2、3の技術では、めっき工程の複雑化やめっき品質の管理などによるコストの増加を招く。そこで、自己組織化単分子膜の形成やめっきの改良などを行わず、より簡便にコネクタ嵌合時の端子挿入力を低減する対策が望まれる。
本発明の解決しようとする課題は、挿抜回数の増加に伴う端子挿入力の上昇を抑えるとともに、高い接続信頼性を確保できるコネクタ用接続端子を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明にかかるコネクタ用接続端子は、コネクタ嵌合時に相手側の接続端子の接点部と接触して電気的導通が図られる接点部を有する接続端子において、前記接続端子の接点部の最表面には、銀層が形成されているとともに、前記相手側の接続端子と挿抜される際に前記相手側の接続端子の接点部が前記接続端子の接点部に到達するまでに滑る接続端子の滑り部の最表面には、硫化銀層が形成されていることを要旨とする。
ここで、前記滑り部の前記硫化銀層は、銀層の表面に形成されていることが好ましい。
また、前記滑り部の前記硫化銀層は、1nm以上の厚さを有するとよい。
本発明に係るコネクタ用接続端子によれば、相手側の接続端子の接点部がその接点部に到達するまでに滑る接続端子の滑り部の最表面に形成された被覆層が硫化銀である。これにより、滑り部の表面の摩擦係数が、最表面に金属銀が露出されている場合と比較して低減される。コネクタ嵌合時(端子挿入時)には、相手側の接続端子の接点部が、本接続端子の滑り部の最表面に形成された硫化銀層と接触するため、銀層と接触する場合よりも凝着摩耗が低く抑えられる。よって、挿抜回数の増加に伴う端子挿入力の上昇が抑えられる。そして、接続端子の接点部の最表面に形成された被覆層が高導電率で酸化されにくい銀層であることにより、接点部表面の接触抵抗が小さい値に抑えられる。コネクタ嵌合後には、銀層が露出した接点部において相手側接続端子と接触するため、接点部において、高い接続信頼性が確保される。このように、滑り部の低摩擦係数化による挿入力の抑制と接点部の低接触抵抗化による接続信頼性の向上が両立される。
ここで、滑り部の硫化銀層が、銀層の表面に形成されている場合には、滑り部および接点部全体を被覆する銀層を形成した後、接点部をマスキングして硫化処理を行うなどの方法で、銀層が最表面に露出した接点部と硫化銀層が最表面に露出した滑り部の両方を簡便に作り分けることができる。
また、滑り部の硫化銀層が、1nm以上の厚さを有すると、効果的に滑り部表面の摩擦係数を低減し、端子挿入力を低減することができる。
本発明の一実施形態に係るコネクタ用接続端子の平面図(a)とA−A線断面図(b)である。 本発明のコネクタ用接続端子に形成される被覆層の積層構成の一例の断面図である。 本発明のコネクタ用接続端子の作用を説明する模式図である。
以下に、本発明の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
図1には、オス端子を例に挙げて、本発明の一実施形態に係るコネクタ用接続端子を示している。オス端子10は、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金などの導電性金属よりなる比較的厚肉の板状の母材11に所定の被覆層が形成されたものをプレス加工することによって形成されたものである。オス端子10の基端には、図1には示されていないが、被覆電線の芯線よりなる導体の端末に圧着されるワイヤーバレルが備えられる。そして、そのワイヤーバレルよりも先端側に、等幅の舌片状をなすタブ10aが延設形成される。
タブ10aの基端部には、機器側のバスバーなどとボルトによって締結するための孔12が開口形成されている。そして、タブ10aの先端部には、接続の相手側となるメス端子の接点部をオス端子10の接点部に誘い込む傾斜面14が、タブ10aの先端から基端に向かってタブ10aの板厚が厚くなるように形成されている。
タブ10aの先端部に形成された傾斜面14の基端側端縁14aよりも基端側には平坦面16が続いている。この平坦面16に、コネクタ嵌合時に接続の相手側となるメス端子の接点部が滑る滑り部16a(領域Bで示される部分)と、メス端子の接点部と接触して電気的導通が図られるオス端子10の接点部16b(領域Cで示される部分)とを有する。オス端子10の接点部16bと滑り部16aが、メス端子の接点部が摺動する領域となる。
オス端子10の接点部16bの最表面には、(金属)銀層26が形成されている。そして、この接点部16bにつながるオス端子10の滑り部16aの最表面には、硫化銀(AgS)層28が形成されている。
オス端子10においては、接点部16bの最表面に銀層26が露出し、滑り部16aの最表面に硫化銀層28が露出されていれば、母材11と銀層26および硫化層28の間に適宜別の層が形成されていてもよい。例えば、後述するように、滑り部16aの硫化銀層28の下(母材11側)に、銀層26が存在していてもよい。また、接点部16bの銀層26や、滑り部16aの硫化銀層28の下に形成された銀層の下には、母材11と銀層26の密着性を高めることや、母材11から銀層26への原子の拡散を抑制することなどを目的として、下地層が適宜形成されてもよい。このような下地層としては、ニッケル層を例示することができる。
コネクタ嵌合時にオス端子10と接続されるメス端子は、オス端子10と同様、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金などの導電性金属よりなる比較的厚肉の板状の母材をプレス加工などの手段で加工することによって形成される。図3には、コネクタ嵌合時にオス端子10と接続されるメス端子40の一部をオス端子10のタブ10aとともに示す。
メス端子40は、被覆電線の芯線よりなる導体の端末に圧着されるメス端子40のワイヤーバレル(図示せず)の先端側に、オス端子10のタブ10aが挿入される扁平な角筒状の接続筒部42を有している。接続筒部42の先端には、オス端子10のタブ10aが挿入される挿入口44が開口している。接続筒部42内には、挿入口44から挿入されたオス端子10のタブ10aと係わる弾性接触片46a、46bが上下対になって形成されている。
上側弾性接触片46aは、その基端で接続筒部42の上内面42aの基端側に片持ち状に固定され、その先端が接続筒部42の先端側にある挿入口44に向かって延びている。よって、上側弾性接触片46aは、基端を支点として先端が上下方向にバネ運動するようになっている。下側弾性接触片46bも同様に構成されている。また、上側弾性接触片46aは、その先端側で上側に折れ曲る折曲部48aを有し、この折曲部48aの下側曲面がオス端子10との接点部50aとなっている。下側弾性接触片46bも同様に構成されている。そして、上側弾性接触片46aの接点部50aおよび下側弾性接触片46bの接点部50bは、接続筒部42内の挿入口44に近接した位置で、所定の間隔をあけて対向している。所定の間隔とは、オス端子10のタブ10aの板厚よりも短く、オス端子10のタブ10aから弾性接触片の接点部16bに所望の接圧荷重がかかる間隔とされる。
接続筒部42の挿入口44には、オス端子10のタブ10aが挿入される方向(接続筒部42の先端側から基端側)に沿って狭まるテーパ面42bが形成されており、オス端子10のタブ10aを接続筒部42内の弾性接触片46a,46bの接点部50a,50b間に誘い込みやすくされている。
メス端子40も、メス端子40のハウジング内に収容される。オス端子10とメス端子40は、コネクタ嵌合によって接続される。
図3(a)に示すように、オス端子10のタブ10aが接続筒部42の挿入口44に挿入されると、メス端子40の弾性接触片46a,46bの接点部50a,50b間に誘い込まれて上下の弾性接触片46a,46bを弾性変位させつつ接点部50a,50b間に割って入り、圧入される。このとき、メス端子40の接点部50a,50bは、オス端子10のタブ10aの先端の傾斜面14を登って平坦面16に到達する。続いて、オス端子10の平坦面16にあるオス端子10の滑り部16aを滑ってオス端子10の接点部16bに到達する(図3(b))。正規に挿入されたオス端子10のタブ10aは、メス端子40の弾性接触片46a,46bの接点部50a,50b間で弾性的に挟持される。これにより、オス端子10とメス端子40との間が電気的に導通接続される。
銀は、軟らかく、凝集しやすい性質を有し、その表面は、高い摩擦係数を与える。このため、もし、オス端子10の接点部16bにつながるオス端子10の滑り部16aの最表面にも銀層が露出しているならば、メス端子40の接点部50a,50bがオス端子10の滑り部16aを摺動するときに、銀層の表面が削られて表面粗さが大きくなり、凝着摩耗によって端子挿入力が上昇する。特に、大電流用接続端子は、通常、厚肉で断面積が大きいものであるため、コネクタ嵌合時の端子挿入力が比較的大きい。接続信頼性を向上させるためにコネクタ嵌合時の接続端子間の接点荷重を高くした場合には、コネクタ嵌合時の端子挿入力はさらに大きくなる。そうすると、上記問題が特に発生しやすい。メス端子40の接点部50a,50bの最表面にも銀層が形成される場合には、オス端子10の最表面の銀層とメス端子40の接点部50a,50bの最表面の銀層が相互に摩擦されて凝着を起こすため、この問題は一層顕著になる。
これに対し、本発明では、オス端子10の接点部16bにつながるオス端子10の滑り部16aの最表面に、銀層ではなく、銀よりも硬度が高く、摩擦係数が低減された硫化銀層28が形成されているため、メス端子40の接点部50a,50bがオス端子10の滑り部16aを摺動するときに、オス端子10の接点部16bにおいて材料の凝集が発生しない。このため、オス端子10の挿抜を繰り返し行っても、凝着摩耗が発生しにくく、端子挿入力の上昇が抑えられる。メス端子40の接点部50a,50bの最表面に銀層が形成される場合にも、この効果は発揮される。
そして、オス端子10が正規に挿入されると、メス端子40の接点部50a,50bはオス端子10の接点部16bと接触する。このとき、オス端子10の接点部16bにおいて、高導電率で酸化されにくい銀層26がメス端子40の接点部50a,50bと接触するので、接点部の接触抵抗が小さくなり、高い接続信頼性が確保される。
もし、オス端子10の接点部16aの最表面にも硫化銀層が形成されているならば、硫化銀は絶縁性の物質であるため、メス端子40の接点部50a,50bによって大きな荷重を印加して、その硫化銀層を破らなければ、良好な電気的接触を得ることができないことになる。本発明においては、接点部16a表面には硫化銀層が形成されず、銀層26がむき出しになっているため、低荷重を印加するだけでも、良好な電気的接触を形成し、高い接続信頼性を得ることができる。
このように、本発明によれば、自己組織化単分子膜などの潤滑剤やめっきの改良などを行わず、銀層と硫化銀層の特性の違いを利用することで、簡便に、低摩擦係数を有することによるコネクタ嵌合時の端子挿入力の低減と、低接触抵抗を有することによる接続信頼性の向上を両立することができる。
オス端子10の滑り部16aの最表面に露出されている硫化銀層28の厚さは、1nm以上であることが好ましい。硫化銀層28の厚さが1nm以上であることにより、硫化銀による摩擦力低減の効果が発揮されやすくなる。より好ましくは、硫化銀層28の厚さは、2.5nm以上であるとよい。一方、硫化銀層28の厚さは、10nm以下であることが好ましい。これ以上に硫化銀層28を厚く形成しても、摩擦力低減の効果は飽和するからである。また、表面の接触抵抗が大きくなってしまい、オス端子10とメス端子40を正規に嵌合させた後に、メス端子40の接点部50a,50bが接触する部位が、振動などによってオス端子10の接点部16bから滑り部16aにずれてしまった場合等に、接続信頼性が低くなるおそれがあるからである。
オス端子10の接点部16bの最表面に露出されている銀層26の厚さは、1μm以上であることが好ましい。銀層26の厚さが1μm以上であると、接触抵抗の低減による接続信頼性向上の効果を得やすい。また、銀層26の剥離が生じにくい。一方、銀層の厚さは20μm以下であることが好ましい。銀層26の厚さが20μm以下である場合には、メス端子40の接点部50a,50bとの間での凝着が生じにくい。また、銀層26の形成に要するコストが抑えられる。
接点部16bの最表面に銀層26が露出し、滑り部16aの最表面に硫化銀層28が露出された被覆層構造としては、図2に示すような積層構造を例示することができる。ここでは、オス端子10の母材11の表面のうち、オス端子10の接点部16bに当たる部分(領域C)と滑り部16aに当たる部分(領域B)の両方、すなわち、メス端子の接点部が摺動する領域に当たる部分全体に、銀層26が形成されている。このうち、オス端子10の接点部16bに当たる部分(領域C)には、この銀層26がそのまま最表面に露出している。一方、オス端子10の滑り部16aに当たる部分(領域B)においては、接点部16bに当たる部分(領域C)よりも薄い銀層26の上に硫化銀層28が形成され、最表面に露出している。接点部16bに当たる部分(領域C)の銀層26の表面と接点部16bに当たる部分(領域B)の硫化銀層28の表面は、略平坦に連続している。これらが略平坦に連続していることで、メス端子40の接点部50a,50bがオス端子10の滑り部16aから接点部16bに移動するときに、オス端子10の滑り部16aと接点部16bの境界で銀層および硫化銀層が摩耗するのを防止することができる。
このような積層構造を形成する方法としては、オス端子10の接点部16bに当たる部分(領域C)と滑り部16aに当たる部分(領域B)の両方に銀層を形成した後、滑り部16aに当たる部分(領域B)にのみ硫化処理を施すことで、簡便に形成することができる。つまり、めっき法等を使用して接点部16bに当たる部分(領域C)と滑り部16aに当たる部分(領域B)の、適宜下地層を形成した母材11の表面全体に所定の厚さの銀層を形成する。そして、接点部16bに当たる部分(領域C)を、硫化反応に使用する分子が透過しないマスク材で被覆してマスキングを施した状態で、硫化処理を行うことで、滑り部16aに当たる部分(領域B)に存在する銀層26の表面側の厚みの一部を硫化し、硫化銀に変換することができる。マスク材によって被覆された接点部16bに当たる部分(領域C)は、硫化を受けず、金属銀層26が最表面に露出した状態に維持される。滑り部16aに当たる部分(領域B)の硫化処理が完了した後に、マスク材を除去すればよい。このようにすることで、一度の銀層形成工程とマスキング工程、硫化処理工程を経て、銀層26が最表面に露出した接点部16bに当たる部分(領域C)と、硫化銀層28が最表面に露出した滑り部16aに当たる部分(領域B)とを同時に作り分けることができる。このような方法によれば、硫化処理によって得られた滑り部16aに当たる部分(領域B)の硫化銀層28の最表面の高さは、金属銀と硫化銀の密度の差による体積変化分を除いて、接点部16bに当たる部分(領域C)の銀層26の最表面の高さと一致し、滑り部16aに当たる部分(領域B)と接点部16bに当たる部分(領域C)の最表面が略平坦に連続する。
銀層を硫化して硫化銀層28を形成する方法としては、気相法または液相法を用いることが好適である。気相法とは、硫化作用を有するガスを銀層に接触させて硫化を起こすものである。使用するガスとしては、硫化水素ガス(HS)、亜硫酸ガス(SO)、4種混合ガス(HS+SO+Cl+NO)、3種混合ガス(HS+SO+Cl)等を挙げることができる。液相法とは、硫化作用を有する溶液を銀層に接触させて硫化を起こすものである。使用する溶液としては、硫化カリウム(KS)水溶液等、硫化物イオン(S2−)を含む水溶液を挙げることができる。溶液はガスよりも取扱いやすく、設備も簡便で済むことを考えると、液相法を使用することが一層好適である。液相法を用いる場合、フープめっきライン等を用いためっき工程の最終段階で溶液への浸漬を行うようにすれば、めっき工程と連続して硫化処理工程を実行することができる。
以下、本発明を実施例によって説明する。
(試料1)
板状の銅合金母材の表面に、厚さ8μmの軟質銀層を電解めっき法にて形成し、最表面に銀層が露出した試料1を形成した。
(試料2、3)
試料1と同様に形成した銀層を最表面に有する銅合金材の表面に亜硫酸ガスを噴霧し、硫化銀層を最表面に形成することで、試料2および3を作製した。硫化銀層の厚さは、亜硫酸ガスの噴霧時間によって調整し、試料2については2.5nm、試料3については70nmとした。亜硫酸ガスの噴霧によって形成した層がAgSの組成を有する硫化銀層であることは、X線光電子分光(XPS)によって確認した。さらにこの硫化銀層の厚さが2.5nm(試料2)、70nm(試料3)であることは、電気化学的還元法(ボルタンメトリーによるカソード還元法)によって確認した。
(試験方法)
端子の挿入力および接続信頼性の指標として、試料1〜3のそれぞれについて、動摩擦係数と接触抵抗の測定を行った。つまり、各試料を平板状にしたものと、半径3mmのエンボス状にしたものを鉛直方向に接触させて保持し、ピエゾアクチュエータを用いて鉛直方向に5Nの荷重を印加しながら、10mm/min.の速度でエンボス状試料を水平方向に引張って10mm移動させ、ロードセルを使用して(動)摩擦力を測定した。摩擦力を荷重で割った値を摩擦係数とした。
摩擦係数の測定と同時に接触抵抗の測定も行った。つまり、5Nの荷重を印加してエンボス状試料を平板状試料上で摺動させながら、接触抵抗を四端子法によって測定した。この際、開放電圧を20mV、通電電流を10mAとした。
(結果および考察)
試料1〜3についての摩擦係数と接触抵抗の測定値を、以下の表1に示す。なお、試料1の摩擦係数を範囲付きで示しているのは、エンボス状試料の摺動に伴い、摩擦係数が徐々に減少したためである。
Figure 2014175196
表1によると、銀層の表面に硫化銀層を形成することで、接触抵抗は上昇している。一方、摩擦係数は、硫化銀層を形成することで減少している。また、銀層が最表面に露出している場合には、摺動によって銀の掘り起しが起こって、エンボス状試料の摺動中に摩擦係数が減少したのに対し、硫化銀層が形成されている場合には、全摺動領域を通じて安定した値の摩擦係数が観測された。このことより、低接触抵抗が要求されるコネクタ用接続端子の接点部においては銀層を最表面に露出させ、低摩擦係数が要求される滑り部においては硫化銀層を最表面に露出させることで、コネクタ用接続端子において、低挿入力と高接続信頼性を両立することができる。
硫化銀層は、2.5nmの厚さを有していれば、銀層表面の摩擦係数を大きく減少させ、コネクタ用接続端子の滑り部における挿入力の低下に著しい効果を有する。これに対し、硫化銀層の厚さを70nmにまで厚くしても、摩擦係数の低減効果が飽和している一方、接触抵抗が著しく上昇しており、コネクタ用接続端子の滑り部に、硫化銀層を過度に厚く形成することによる余剰の効果は得られない。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
例えば上記実施形態においては、オス端子を例に挙げて、本発明の一実施形態に係るコネクタ用接続端子を示しているが、本発明に係るコネクタ用接続端子はオス端子に限定されるものではない。例えばオス端子の接点部がエンボス状で突出しており、メス端子の接点部が平坦部にあって接点部よりも前にオス端子の接点部が滑る滑り部を有する構成であれば、メス端子の母材に形成する被覆層を本発明に係る層構成とすることができる。
10 コネクタ用接続端子(オス端子)
10a タブ
11 端子の母材
14 傾斜部
16 平坦部
16a オス端子の滑り部
16b オス端子の接点部
26 銀層
28 硫化銀層

Claims (3)

  1. コネクタ嵌合時に相手側の接続端子の接点部と接触して電気的導通が図られる接点部を有する接続端子において、
    前記接続端子の接点部の最表面には、銀層が形成されているとともに、前記相手側の接続端子と挿抜される際に前記相手側の接続端子の接点部が前記接続端子の接点部に到達するまでに滑る接続端子の滑り部の最表面には、硫化銀層が形成されていることを特徴とするコネクタ用接続端子。
  2. 前記滑り部の前記硫化銀層は、銀層の表面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ用接続端子。
  3. 前記滑り部の前記硫化銀層は、1nm以上の厚さを有することを特徴とする請求項1または2に記載のコネクタ用接続端子。
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