JP5857836B2 - コネクタ用接続端子 - Google Patents

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Description

本発明は、コネクタ用接続端子に関し、さらに詳しくは、接点部にAg層が形成されたコネクタ用接続端子に関するものである。
電気自動車やハイブリッド自動車などの電力供給線には、大電流に対応した大電流用接続端子が用いられる。大電流用接続端子の接点部には、接続信頼性を確保するため、高導電率で酸化しにくいAg層が形成されることが多い。
大電流用接続端子は、通常、厚肉で断面積が大きいものであるため、コネクタ嵌合時の端子挿入力が比較的大きい。接続信頼性を向上させるためにコネクタ嵌合時の接続端子間の接点荷重を高くした場合には、コネクタ嵌合時の端子挿入力はさらに大きくなる。したがって、大電流用接続端子では、繰り返し挿抜が行われると、Ag層の表面が削られて表面が粗くなりやすい。また、接続端子間でAg層同士が接触すると、金属凝着が起こりやすい。そうすると、挿抜回数の増加に伴い、端子挿入力が上昇する。そこで、コネクタ嵌合時の端子挿入力を低減する対策が提案されている。
例えば特許文献1には、相手方コネクタとの嵌合時に相手方コネクタの接続端子と摺動し合う摺動面に自己組織化単分子膜を形成して嵌合時における接続端子同士の摩擦力を低減させることが記載されている。
また、特許文献2には、炭素粒子を均一に分散させたAgめっき液を用いてAgめっき中に炭素粒子を均一に分散させた複合材からなる皮膜を素材上に形成し、複合めっき材の耐摩耗性を高めることが記載されている。
また、特許文献3には、接続端子の基材上に形成されるAg層をSnとの合金とすることにより、硫化による変色を防止して低い動摩擦係数を維持することが記載されている。
特開2008−293819号公報 特許第4669967号 特開2011−198683号公報
特許文献1の技術では、接続端子の摺動面に自己組織化単分子膜を形成する工程の増設やその形成材料の管理などによるコストの増加を招く。また、特許文献2、3の技術では、めっき工程の複雑化やめっき品質の管理などによるコストの増加を招く。そこで、自己組織化単分子膜の形成やめっきの改良などを行わなず、より簡便にコネクタ嵌合時の端子挿入力を低減する対策が望まれる。
本発明の解決しようとする課題は、挿抜回数の増加に伴う端子挿入力の上昇を抑えるとともに、高い接続信頼性を確保できるコネクタ用接続端子を提供することにある。
上記課題を解決するため本発明に係るコネクタ用接続端子は、コネクタ嵌合時に相手側の接続端子の接点部と接触して電気的導通が図られる接点部を有する接続端子において、前記接続端子の接点部の最表面には、Ag層が形成されているとともに、前記相手側の接続端子と挿抜される際に前記相手側の接続端子の接点部が前記接続端子の接点部に到達するまでに滑る接続端子の滑り部の最表面には、Agよりも硬度が高く、かつ、Agとの相互溶解度が0.1%以下の相互溶解性が低い第2の金属あるいはその合金による層が形成されていることを要旨とするものである。
この際、前記接続端子の滑り部の最表面には、Ni、Fe、Cr、Co、W、および、その合金のいずれかによる層が形成されていることが好ましい。
本発明に係るコネクタ用接続端子としては、前記接続端子の母材表面のうち、前記接続端子の接点部および滑り部を含む前記相手側の接続端子の接点部が摺動する領域に当たる部分全体に、前記第2の金属あるいはその合金による第1の金属層が形成され、この第1の金属層の表面のうち、前記接続端子の接点部に当たる部分に、Ag層が形成されているものを好適に示すことができる。この場合、前記接続端子の接点部の厚さが前記接続端子の滑り部の厚さよりも厚く構成されていることが好ましい。
また、本発明に係るコネクタ用接続端子としては、前記接続端子の母材表面のうち、前記接続端子の接点部および滑り部を含む前記相手側の接続端子の接点部が摺動する領域に当たる部分全体に、Ag層が形成され、このAg層の表面のうち、前記接続端子の滑り部に当たる部分に、前記第2の金属あるいはその合金による層が形成されているものを好適に示すことができる。
さらに、本発明に係るコネクタ用接続端子としては、前記接続端子の母材表面のうち、前記接続端子の接点部に当たる部分に、Ag層が形成され、前記接続端子の滑り部に当たる部分に、前記第2の金属あるいはその合金による層が形成されているものを好適に示すことができる。この場合、前記接続端子の母材表面のAg層と第2の金属あるいはその合金による層とが段差なく形成されていることが好ましい。
本発明に係るコネクタ用接続端子によれば、接続端子の接点部の最表面に形成された金属層がAg層で、相手側の接続端子の接点部がその接点部に到達するまでに滑る接続端子の滑り部の最表面に形成された金属層がAgよりも硬度が高く相互溶解性が低い第2の金属あるいはその合金による層なので、コネクタ嵌合時(端子挿入時)には、相手側の接続端子の接点部の最表面に形成されたAg層に対して、接続端子の滑り部の最表面に形成された第2の金属あるいはその合金による層が接触するため、Ag層同士が接触する場合よりも凝着摩耗が低く抑えられる。これにより、挿抜回数の増加に伴う端子挿入力の上昇が抑えられる。また、Agよりも硬度が高いことで、摩擦による摩耗も抑制されるため、長期にわたりその効果が維持される。そして、コネクタ嵌合後には、端子の接点部同士が接触する。接点部の最表面には互いにAg層が形成されているので、高導電率で酸化されにくいAg層同士の接触によって高い接続信頼性が確保される。
この際、接続端子の滑り部の最表面に、Ni、Fe、Cr、Co、W、および、その合金のいずれかによる層が形成されていると、相手側の接続端子の接点部の最表面に形成されたAg層に対して凝着摩耗を低く抑える効果が高いため、挿抜回数の増加に伴う端子挿入力の上昇を抑える効果が高い。
このとき、接続端子の母材表面のうち接続端子の接点部および滑り部を含む相手側の接続端子の接点部が摺動する領域に当たる部分全体に第2の金属あるいはその合金による第1の金属層が形成され、この第1の金属層の表面のうち接続端子の接点部に当たる部分にAg層が形成されていると、接続端子の接点部の厚さを接続端子の滑り部の厚さよりも厚く構成しやすい。そうなると、相手側の接続端子の接点部からの接圧が、接続端子の接点部よりも接続端子の滑り部で小さくできるため、相手側の接続端子の接点部は、接続端子の滑り部では滑りやすく、接続端子の接点部では高い接圧が確保されて高い接続信頼性が確保される。また、第1の金属層が下地層となって、母材の金属がAg層に移行するのを防止することができる。
そして、接続端子の母材表面のうち接続端子の接点部および滑り部を含む相手側の接続端子の接点部が摺動する領域に当たる部分全体にAg層が形成され、このAg層の表面のうち接続端子の滑り部に当たる部分に第2の金属あるいはその合金による層が形成されていると、相手側の接続端子の接点部が接続端子の滑り部から接点部に移動するときに、接続端子のAg層のエッジが出ないので、接続端子の滑り部と接点部の境界でのAg層の摩耗を防止することができる。
そして、接続端子の母材表面のうち接続端子の接点部に当たる部分にAg層が形成され、接続端子の滑り部に当たる部分に第2の金属あるいはその合金による層が形成されていると、接続端子の接点部に当たる部分の金属層と滑り部に当たる部分の金属層を段差なく形成しやすい。そうなると、相手側の接続端子の接点部が接続端子の滑り部から接点部に移動するときに、接続端子のAg層のエッジが出ないので、接続端子の滑り部と接点部の境界でのAg層の摩耗を防止することができる。
本発明の一実施形態に係るコネクタ用接続端子の平面図(a)とA−A線断面図(b)である。 本発明のコネクタ用接続端子に形成される金属層の積層構成の一例の断面図である。 本発明のコネクタ用接続端子に形成される金属層の積層構成の一例の断面図である。 本発明のコネクタ用接続端子に形成される金属層の積層構成の一例の断面図である。 本発明のコネクタ用接続端子の作用を説明する模式図である。 オス端子のタブをメス端子の接点部間に繰り返し挿入したときのタブの挿入量(mm)と荷重(N)の関係をグラフ化した比較例(a)と実施例(b)である。 オス端子のタブをメス端子の接点部間に繰り返し挿入した際の、タブの平坦部をメス端子の接点部が摺動するときの平均荷重(N)をグラフ化した比較例(a)と実施例(b)である。
次に、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1には、オス端子を例に挙げて、本発明の一実施形態に係るコネクタ用接続端子を示している。オス端子10は、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金などの導電性金属よりなる比較的厚肉の板状の母材あるいは母材に所定の金属層が形成されたものをプレス加工することによって形成されたものである。オス端子10の基端には、図1には示されていないが、被覆電線の芯線よりなる導体の端末に圧着されるワイヤーバレルが備えられる。そして、そのワイヤーバレルよりも先端側に、等幅の舌片状をなすタブ10aが延設形成される。
タブ10aの基端部には、機器側のバスバーなどとボルトによって締結するための孔12が開口形成されている。そして、タブ10aの先端部には、接続の相手側となるメス端子の接点部をオス端子10の接点部に誘い込む傾斜面14が、タブ10aの先端から基端に向かってタブ10aの板厚が厚くなるように形成されている。
タブ10aの先端部に形成された傾斜面14の基端側端縁14aよりも基端側には平坦面16が続いている。この平坦面16に、コネクタ嵌合時に接続の相手側となるメス端子の接点部が滑る滑り部16a(領域Bで示される部分)と、メス端子の接点部と接触して電気的導通が図られるオス端子10の接点部16b(領域Cで示される部分)とを有する。オス端子10の接点部16bと滑り部16aが、メス端子の接点部が摺動する領域となる。
オス端子10の接点部16bの最表面には、Ag層が形成されている。そして、この接点部16bにつながるオス端子10の滑り部16aの最表面には、Agよりも硬度が高く、かつ、Agとの相互溶解度が0.1%以下の相互溶解性が低い第2の金属あるいはその合金による層が形成されている。すなわち、オス端子10の滑り部16aの最表面には、Agと凝着しにくい、あるいは、Agと凝着しない第2の金属あるいはその合金による層が形成されている。このような第2の金属としては、Ni、Fe、Cr、Co、Wなどが挙げられる。
本発明においては、オス端子10の接点部16bの最表面と滑り部16aの最表面の金属層が上記の構成となっていれば良い。このような金属層の積層構成となる具体例としては、図2〜4に示す金属層の積層構成が挙げられる。
図2に示すように、オス端子10の接点部16bと滑り部16aに形成される金属層の積層構成の第1形態は、オス端子10の母材11の表面のうち、オス端子10の接点部16bに当たる部分(領域Cで示される部分)と滑り部16aに当たる部分(領域Bで示される部分)の両方、すなわち、メス端子の接点部が摺動する領域に当たる部分全体に、第2の金属あるいはその合金による第1の金属層22が形成され、この第1の金属層22の表面のうち、オス端子10の接点部16bに当たる部分(領域Cで示される部分)に、Ag層による第2の金属層24が形成されている。第1形態では、オス端子10の接点部16bに当たる部分の厚さが滑り部16aに当たる部分の厚さよりも厚くなっており、オス端子10の接点部16bと滑り部16aの間で接点部16bの方が高くされた段差がある。
図3に示すように、オス端子10の接点部16bと滑り部16aに形成される金属層の積層構成の第2形態は、オス端子10の母材11の表面のうち、オス端子10の接点部16bに当たる部分(領域Cで示される部分)と滑り部16aに当たる部分(領域Bで示される部分)の両方、すなわち、メス端子の接点部16bが摺動する領域に当たる部分全体に、Ag層による第1の金属層26が形成され、この第1の金属層26の表面のうち、オス端子10の滑り部16aに当たる部分(領域Bで示される部分)に、第2の金属あるいはその合金による第2の金属層28が形成されている。第2形態では、オス端子10の接点部16bに当たる部分の厚さが滑り部16aに当たる部分の厚さよりも薄くなっており、オス端子10の接点部16bと滑り部16aの間で接点部16bの方が低くされた段差がある。
図4に示すように、オス端子10の接点部16bと滑り部16aに形成される金属層の積層構成の第3形態は、オス端子10の母材11の表面のうち、オス端子10の接点部16bに当たる部分(領域Cで示される部分)に、Ag層32が形成され、オス端子10の滑り部16aに当たる部分(領域Bで示される部分)に、第2の金属あるいはその合金による層34が形成されている。第3形態では、オス端子10の接点部16bに当たる部分の厚さと滑り部16aに当たる部分の厚さが同じになっており、オス端子10の接点部16bと滑り部16aの間で段差がない。
コネクタ嵌合時にオス端子10と接続されるメス端子は、オス端子10と同様、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金などの導電性金属よりなる比較的厚肉の板状の母材をプレス加工などの手段で加工することによって形成される。図5には、コネクタ嵌合時にオス端子10と接続されるメス端子40の一部をオス端子10のタブ10aとともに示す。
メス端子40は、被覆電線の芯線よりなる導体の端末に圧着されるメス端子40のワイヤーバレル(図示せず)の先端側に、オス端子10のタブ10aが挿入される扁平な角筒状の接続筒部42を有している。接続筒部42の先端には、オス端子10のタブ10aが挿入される挿入口44が開口している。接続筒部42内には、挿入口44から挿入されたオス端子10のタブ10aと係わる弾性接触片46a、46bが上下対になって形成されている。
上側弾性接触片46aは、その基端で接続筒部42の上内面42aの基端側に片持ち状に固定され、その先端が接続筒部42の先端側にある挿入口44に向かって延びている。よって、上側弾性接触片46aは、基端を支点として先端が上下方向にバネ運動するようになっている。下側弾性接触片46bも同様に構成されている。また、上側弾性接触片46aは、その先端側で上側に折れ曲る折曲部48aを有し、この折曲部48aの下側曲面がオス端子10との接点部50aとなっている。下側弾性接触片46bも同様に構成されている。そして、上側弾性接触片46aの接点部50aおよび下側弾性接触片46bの接点部50bは、接続筒部42内の挿入口44に近接した位置で、所定の間隔をあけて対向している。所定の間隔とは、オス端子10のタブ10aの板厚よりも短く、オス端子10のタブ10aから弾性接触片の接点部16bに所望の接圧荷重がかかる間隔とされる。メス端子40の接点部50a,50bの最表面には、オス端子10の接点部16bと同様、Ag層が形成されている。
接続筒部42の挿入口44には、オス端子10のタブ10aが挿入される方向(接続筒部42の先端側から基端側)に沿って狭まるテーパ面42bが形成されており、オス端子10のタブ10aを接続筒部42内の弾性接触片46a,46bの接点部50a,50b間に誘い込みやすくされている。
メス端子40も、メス端子40のハウジング内に収容される。オス端子10とメス端子40は、コネクタ嵌合によって接続される。
図5(a)に示すように、オス端子10のタブ10aが接続筒部42の挿入口44に挿入されると、メス端子40の弾性接触片46a,46bの接点部50a,50b間に誘い込まれて上下の弾性接触片46a,46bを弾性変位させつつ接点部50a,50b間に割って入り、圧入される。このとき、メス端子40の接点部50a,50bは、オス端子10のタブ10aの先端の傾斜面14を登って平坦面16に到達する。続いて、オス端子10の平坦面16にあるオス端子10の滑り部16aを滑ってオス端子10の接点部16bに到達する(図5(b))。正規に挿入されたオス端子10のタブ10aは、メス端子40の弾性接触片46a,46bの接点部50a,50b間で弾性的に挟持される。これにより、オス端子10とメス端子40との間が電気的に導通接続される。
メス端子40の接点部50a,50bの最表面とオス端子10の接点部16bの最表面にそれぞれAg層が形成される場合において、オス端子10の接点部16bにつながるオス端子10の滑り部16aの最表面にもAg層が形成されると、メス端子40の接点部50a,50bがオス端子10の滑り部16aを摺動するときにAg層同士が接触するので、凝着が発生する。そして、オス端子10の挿抜を繰り返し行うことで、オス端子10の滑り部16aの表面が削られて表面粗さが大きくなり、凝着摩耗によって端子挿入力が上昇する。特に、大電流用接続端子は、通常、厚肉で断面積が大きいものであるため、コネクタ嵌合時の端子挿入力が比較的大きい。接続信頼性を向上させるためにコネクタ嵌合時の接続端子間の接点荷重を高くした場合には、コネクタ嵌合時の端子挿入力はさらに大きくなる。そうすると、上記問題が特に発生しやすい。
これに対し、本発明では、オス端子10の接点部16bにつながるオス端子10の滑り部16aの最表面に、Ag層ではなく、Agよりも硬度が高く、かつ、Agとの相互溶解度が0.1%以下の相互溶解性が低い第2の金属あるいはその合金による層を形成することで、メス端子40の接点部50a,50bがオス端子10の滑り部16aを摺動するときの金属層同士の凝着が抑えられる。このため、オス端子10の挿抜を繰り返し行っても、凝着摩耗が発生しにくく、端子挿入力の上昇が抑えられる。また、Agよりも硬度が高いことで、摩擦による摩耗も抑制されるため、長期にわたりその効果は維持される。そして、オス端子10が正規に挿入されると、メス端子40の接点部50a,50bはオス端子10の接点部16bと接触する。このとき、高導電率で酸化されにくいAg層同士が接触するので、高い接続信頼性が確保される。よって、本発明によれば、自己組織化単分子膜などの潤滑剤やめっきの改良などを行わなず、金属層の金属特性を利用することで、より簡便にコネクタ嵌合時の端子挿入力を低減することができる。
オス端子10の滑り部16aの最表面に、Ni、Fe、Cr、Co、W、および、その合金のいずれかによる層が形成されていると、メス端子40の接点部50a,50bのAg層に対して凝着摩耗を低く抑える効果が高いため、挿抜回数の増加に伴う端子挿入力の上昇を抑える効果が高い。
オス端子10の接点部16bと滑り部16aに形成される金属層の積層構成のうち、第1形態の構成にすると、オス端子10の接点部16bに当たる部分の厚さを滑り部16aに当たる部分の厚さよりも厚くしやすい。そうなると、メス端子40の接点部50a,50bからの接圧を、オス端子10の接点部16bよりも滑り部16aで小さくできるため、メス端子40の接点部50a,50bは、オス端子10の滑り部16aでは滑りやすく、オス端子10の接点部16bでは高い接圧が確保されて高い接続信頼性が確保される。また、第1の金属層22が下地層となって、母材11の金属がAg層(第2の金属層24)に移行するのを防止することができる。
オス端子10の接点部16bと滑り部16aに形成される金属層の積層構成のうち、第2形態の構成にすると、メス端子40の接点部50a,50bがオス端子10の滑り部16aから接点部16bに移動するときに、オス端子10のAg層のエッジが出ないので、オス端子10の滑り部16aと接点部16bの境界でAg層が摩耗するのを防止できる。
オス端子10の接点部16bと滑り部16aに形成される金属層の積層構成のうち、第3形態の構成にすると、オス端子10の接点部16bに当たる部分の金属層と滑り部16aに当たる部分の金属層を段差なく形成しやすい。そうなると、メス端子40の接点部50a,50bがオス端子10の滑り部16aから接点部16bに移動するときに、オス端子10のAg層のエッジが出ないので、オス端子10の滑り部16aと接点部16bの境界でAg層が摩耗するのを防止できる。
オス端子10のAg層の厚さとしては、1〜20μmの範囲内であることが好ましい。より好ましくは5〜15μmの範囲内である。Ag層の厚さが1μm以上であると、Ag層の剥離が生じにくい。Ag層の厚さが20μm以下であると、メス端子40の接点部50a,50bとの間での凝着が生じにくい。また、コストが抑えられる。
オス端子10の第2の金属あるいはその合金による層の厚さとしては、0.5〜5μmの範囲内であることが好ましい。より好ましくは1〜3μmの範囲内である。この層の厚さが0.5μm以上であると、メス端子40の接点部50a,50bがオス端子10の滑り部16aを滑りやすい。この層の厚さが5μm以下であると、オス端子10の接点部16bでの抵抗を低抵抗にしやすい。
Ag層や第2の金属あるいはその合金による層などの金属層は、金属薄膜を形成する各種方法に準じて形成することができる。具体的には、電解めっき法、無電解めっき法、溶射法、スパッタ法、コールドスプレー法などの方法を用いることができる。
オス端子10の母材11の大きさとしては、特に限定されるものではないが、本発明の効果が発揮されやすいものとしては、厚肉で断面積が大きいものである。この観点から、母材11の板厚としては、0.8mm以上であることが好ましい。より好ましくは1.2〜6mmの範囲内である。また、母材11の幅としては、4.8mm以上であることが好ましい。より好ましくは9.5〜15mmの範囲内である。
オス端子10は、大電流用接続端子として好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例によって説明する。
(実施例)
Cu合金よりなる板材をプレス加工して得られた幅13mm、厚さ4mmのタブの表面に厚さ1〜2μmのNi層を施して、実施例のオス端子とした。次いで、図5に示すように、作製したオス端子のタブを一定速度でメス端子の接点部間に繰り返し挿入した。タブを挿入する過程において、ロードセルにより荷重(挿入力)を測定し、タブの挿入量(mm)と荷重(N)の関係をグラフ化した。その結果を図6(b)に示す。また、タブの平坦部をメス端子の接点部が摺動するときの平均荷重(N)を求めた。その結果を図7(b)に示す。平均荷重は、タブの挿入距離が5〜10mmの範囲における平均荷重であり、図7(b)に示すように、荷重が比較的平坦であるときの平均荷重である。なお、タブの挿入量が3mm以下のところでは、荷重が最大となっている。これは、メス端子の接点部がタブの先端を乗り上がるところであるからである。
(比較例)
Cu合金よりなる板材をプレス加工して得られた幅13mm、厚さ4mmのタブの表面に厚さ10μmのAg層を施して、比較例のオス端子とした。次いで、実施例と同様にして、作製したオス端子のタブを一定速度でメス端子の接点部間に繰り返し挿入し、このときのタブの挿入量(mm)と荷重(N)の関係をグラフ化した。その結果を図6(a)に示す。また、タブの平坦部をメス端子の接点部が摺動するときの平均荷重(N)を求めた。その結果を図7(a)に示す。
図7(a)から、オス端子のタブの最表面にAg層が形成された比較例では、端子の挿入回数が増加するのに伴い、端子挿入力が大きく上昇しているのがわかる。これに対し、図7(b)から、オス端子のタブの最表面にNi層が形成された実施例では、端子の挿入回数が増加しても、端子挿入力がそれほど上昇していないことがわかる。よって、コネクタ嵌合時にメス端子の接点部が摺動するオス端子の滑り部の層構成を本発明の層構成とすることで、オス端子の挿抜を繰り返し行っても、凝着摩耗が発生しにくく、端子挿入力の上昇が抑えられることが確認された。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
例えば上記実施形態においては、オス端子を例に挙げて、本発明の一実施形態に係るコネクタ用接続端子を示しているが、本発明に係るコネクタ用接続端子はオス端子に限定されるものではない。例えばオス端子の接点部がエンボス状で突出しており、メス端子の接点部が平坦部にあって接点部よりも前にオス端子の接点部が滑る滑り部を有する構成であれば、メス端子の母材に形成する金属層を本発明に係る層構成とすることができる。
10 コネクタ用接続端子(オス端子)
10a タブ
11 端子の母材
14 傾斜部
16 平坦部
16a オス端子の滑り部
16b オス端子の接点部

Claims (2)

  1. コネクタ嵌合時に相手側の接続端子の接点部と接触して電気的導通が図られる接点部を有する接続端子において、
    前記接続端子の母材表面のうち、前記接続端子の接点部および前記相手側の接続端子と挿抜される際に前記相手側の接続端子の接点部が前記接続端子の接点部に到達するまでに滑る滑り部を含む前記相手側の接続端子の接点部が摺動する領域に当たる部分全体に、Ag層が形成されており、このAg層の表面のうち、前記接続端子の滑り部に当たる部分に、Agよりも硬度が高く、かつ、Agとの相互溶解度が0.1%以下の相互溶解性が低い第2の金属あるいはその合金による層が形成されており
    前記接続端子の接点部の最表面には、前記Ag層が現れているとともに、前記接続端子の滑り部の最表面には、前記第2の金属あるいはその合金による層が現れていることを特徴とするコネクタ用接続端子。
  2. 前記接続端子の滑り部の最表面には、Ni、Fe、Cr、Co、W、および、その合金のいずれかによる層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ用接続端子。
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