JP2016201280A - 端子 - Google Patents
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Abstract
【課題】端子挿入力及び接触抵抗の低減を図ることが可能な端子を提供する。
【解決手段】雌端子は、雄端子が挿入される箱形の電気接触部を有する。電気接触部には、雄端子と接触する接点部20が形成される。接点部20は、導電性を有する金属製の母材23と、この母材23の母材表面24に設けられる内層25と、内層25の外側に設けられる最外層26とを含んで構成される。最外層26は、SnからなるSnメッキ層26aとして形成される。母材表面24には、内層25及びSnメッキ層26aにおいても形状が追従する凹状の母材凹部35が複数形成される。Snメッキ層26aには、母材凹部35により生じる凹状のSnメッキ層凹部38が複数形成される。このSnメッキ層凹部38の内側には、タブ15の摺動時に生じる酸化摩耗粉等の摺動時生成物Pを落とし込むための空間39が形成される。Snメッキ層凹部38には、返し部40が形成される。
【選択図】図8
【解決手段】雌端子は、雄端子が挿入される箱形の電気接触部を有する。電気接触部には、雄端子と接触する接点部20が形成される。接点部20は、導電性を有する金属製の母材23と、この母材23の母材表面24に設けられる内層25と、内層25の外側に設けられる最外層26とを含んで構成される。最外層26は、SnからなるSnメッキ層26aとして形成される。母材表面24には、内層25及びSnメッキ層26aにおいても形状が追従する凹状の母材凹部35が複数形成される。Snメッキ層26aには、母材凹部35により生じる凹状のSnメッキ層凹部38が複数形成される。このSnメッキ層凹部38の内側には、タブ15の摺動時に生じる酸化摩耗粉等の摺動時生成物Pを落とし込むための空間39が形成される。Snメッキ層凹部38には、返し部40が形成される。
【選択図】図8
Description
本発明は、接点部の最外層がSnからなるSnメッキ層として形成される雌端子や雄端子に関する。
下記特許文献1には、自動車用コネクタを構成する雌端子金具(以下、単に端子と略記する)の材料に関する技術が開示される。図11において、この開示技術における接点部1の母材2は、銅又は銅合金、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる。そして、母材2の上には、複合被覆層3が形成される。複合被覆層3は、この表面にスズ層4が露出した領域と、銅−スズ合金が露出した合金露出部5とが混在した状態に形成される。尚、図11から分かるように、スズ層4が露出した領域は広い。スズ(Sn)は、他の金属と比較して非常に柔らかい点に特徴を有する。引用符号6は銅−スズ合金層である。
上記従来技術にあっては、雄・雌の端子同士の電気的な接続の際に、複合被覆層3の表面において摺動が生じ、この時、露出領域の広いスズ層4の掘り起こしやスズ同士の凝着が容易に起こることから、複合被覆層3の表面での摩擦抵抗が高くなり、そのため端子挿入力が上昇してしまうという問題点を有する。また、上記摺動時に生じる酸化摩耗粉等の摺動時生成物が接点間に入り込んだ場合、接触抵抗が上昇してしまうという問題点も有する。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、端子挿入力及び接触抵抗の低減を図ることが可能な端子を提供することを課題とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の本発明の端子は、相手端子との電気的な接続部分になる電気接触部を有し、該電気接触部には、前記相手端子と接触する接点部が形成され、該接点部は、導電性を有する金属製の母材と、該母材における前記相手端子に近い側の母材表面に設けられる内層と、該内層の外側に設けられる最外層とを含んで構成され、該最外層は、SnからなるSnメッキ層として形成され、前記母材表面には、前記内層及び前記Snメッキ層においても形状が追従する凹状の母材凹部が複数形成され、該複数の母材凹部は、それぞれ前記相手端子の挿入方向に対し交差する方向にのびる溝形状に形成され、且つ、該溝形状の形成の後に前記母材表面を押圧して隣り合う溝同士の間の部分が押し潰されたような変形溝形状にも形成され、前記Snメッキ層には、前記母材凹部により生じる凹状のSnメッキ層凹部が複数形成され、該Snメッキ層凹部の内側には、前記相手端子の摺動時に生じる酸化摩耗粉等の摺動時生成物を落とし込むための空間が形成されることを特徴とする。
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の端子において、前記Snメッキ層凹部には、前記変形溝形状により生じ、且つ、落とし込んだ前記摺動時生成物を飛び出さないように規制することが可能な返し部が形成されることを特徴とする。
請求項3に記載の本発明は、請求項1又は2に記載の端子において、前記複数の母材凹部は、前記内層及び前記Snメッキ層の形成前に凹凸加工を施して形成される、又は、前記内層及び前記Snメッキ層の形成後に前記内層及び前記Snメッキ層の上から凹凸加工を施して形成されることを特徴とする。
以上のような本発明によれば、雄・雌の端子同士の電気的な接続の際に、Snメッキ層の表面に生じる酸化スズ被膜が相手端子の摺動により破壊され、そして、この破壊により露出したSnメッキ層と相手端子とが接触する。破壊された酸化スズ被膜や、Snメッキ層との擦れにより生じる酸化摩耗粉等の摺動時生成物は、複数のSnメッキ層凹部の内側に落ち込み、その結果、摺動時生成物が相手端子と接点部との間に入り込んでしまうことはない。
請求項1に記載された本発明によれば、例えば本発明の端子を雌端子、相手端子を雄端子とすると、雌端子の接点部の最外層がSnからなるSnメッキ層であり、また、Snメッキ層には母材表面の凹状の母材凹部によって凹状のSnメッキ層凹部が複数形成されることから、雄・雌の端子同士の電気的な接続の際に、雌端子のSnメッキ層における凸部分のみに雄端子を接触させることができる(別な言い方をすれば、Snメッキ層凹部以外の部分に雄端子を接触・摺動させることができる)。従って、本発明によれば、接触箇所が凸部分のみであることから、接触面積(摺動面積)が小さくなって端子挿入力の低減を図ることができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、上記の如く、凹状のSnメッキ層凹部が複数形成されることから、雄・雌の端子同士の電気的な接続の際の摺動時に生じる酸化摩耗粉等の摺動時生成物を接点間に入り込ませずにSnメッキ層凹部の内側に落とし込むことができる。従って、本発明によれば、接点部では常に新しいSnメッキにて電気的な接続を行うことができ、結果、接触抵抗の低減を図ることができるという効果や、電気接続信頼性の向上を図ることができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、雄端子の挿入方向に対し交差する方向にのびる溝形状に母材凹部が形成され、さらには、隣り合う溝同士の間の部分が押し潰されたような変形溝形状にも母材凹部が形成されることから、このような母材凹部の形状に追従するSnメッキ層凹部に落とし込まれた酸化摩耗粉等の摺動時生成物は外に出難くなる。従って、本発明によれば、接触抵抗の低減や電気接続信頼性の向上に寄与することができるという効果を奏する。
請求項2に記載された本発明によれば、請求項1の効果に加え次のような効果を更に奏する。すなわち、返し部の形成により、Snメッキ層凹部に落とし込んだ摺動時生成物の飛び出しを規制することができるという効果を奏する。
請求項3に記載された本発明によれば、請求項1又は2の効果に加え次のような効果を更に奏する。すなわち、内層及びSnメッキ層の形成前、形成後のいずれであっても凹凸加工を施すことにより母材凹部を形成することができるという効果を奏する。
雌端子は、雄端子が挿入される箱形の電気接触部を有する。電気接触部には、雄端子に接触する接点部が形成される。接点部は、導電性を有する金属製の母材と、内層及び最外層とを含んで構成される。内層は、少なくとも雄端子に近い側の母材表面に形成される。最外層は、SnからなるSnメッキ層として内層の外側に形成される。
母材表面には、凹状の母材凹部が複数形成される。この複数の母材凹部は、それぞれ雄端子の挿入方向に対し交差する方向にのびる溝形状に形成される。また、溝形状に形成された後に、母材表面を押圧して隣り合う溝同士の間の部分が押し潰されたような変形溝形状にも形成される。このような母材凹部は、内層及びSnメッキ層においても形状が追従する形状に形成される。
Snメッキ層には、母材凹部の形成により生じる凹状のSnメッキ層凹部が複数形成される。このSnメッキ層凹部は、内側が空間として使用される。具体的には、雄端子の摺動時に生じる酸化摩耗粉等の摺動時生成物を落とし込むための空間として使用される。Snメッキ層凹部には、母材凹部の変形溝形状により生じ、且つ、落とし込んだ摺動時生成物を飛び出さないように規制するための返し部が形成される。
尚、母材凹部の形成に係り、Snメッキ層等の先メッキ及び後メッキのいずれを採用してもよいものとする。
以下、図面を参照しながら実施例を説明する。図1は本発明の端子に係り、雄・雌の端子同士の電気的な接続の途中状態を示す斜視図である。また、図2は図1の要部拡大斜視図、図3は図2の雌端子を示す斜視図、図4は図3の矢印Aの方向から見た斜視図、図5は図4の接点部の拡大斜視図、図6は図5のD−D線断面図、図7は図6の母材凹部の形成工程を示す図、図8は図6の接点部における電気的な接続の途中状態を示す断面図、図9は母材表面及び母材裏面に母材凹部を形成した状態を示す断面図、図10は返し部の変形例を示す断面図である。
<雄端子11と雌端子12とについて>
図1及び図2において、例えば自動車内でワイヤハーネス同士を電気的に接続する際には、コネクタが用いられる(自動車用に限らず民生用のワイヤハーネスでもコネクタが用いられる)。一方のワイヤハーネスのコネクタには、雄端子11と、この雄端子11を収容するためのコネクタハウジングとが設けられる。他方のワイヤハーネスのコネクタには、雌端子12と、この雌端子12を収容するためのコネクタハウジングとが設けられる。これらコネクタ同士を嵌合させると、雄端子11と雌端子12とが接触して電気的な接続が完了する。
図1及び図2において、例えば自動車内でワイヤハーネス同士を電気的に接続する際には、コネクタが用いられる(自動車用に限らず民生用のワイヤハーネスでもコネクタが用いられる)。一方のワイヤハーネスのコネクタには、雄端子11と、この雄端子11を収容するためのコネクタハウジングとが設けられる。他方のワイヤハーネスのコネクタには、雌端子12と、この雌端子12を収容するためのコネクタハウジングとが設けられる。これらコネクタ同士を嵌合させると、雄端子11と雌端子12とが接触して電気的な接続が完了する。
<雄端子11について>
雄端子11は、導電性を有する金属板をプレス加工することにより図示形状に形成される(形状は一例であるものとする)。尚、上記金属板としては、本実施例において、銅(Cu)製の板が採用される。雄端子11は、雄形電気接触部13と、電線接続部14とを有する。雄形電気接触部13には、細長いタブ15が形成される。タブ15は、雌端子12に挿入されて電気的に接触する部分として形成される。
雄端子11は、導電性を有する金属板をプレス加工することにより図示形状に形成される(形状は一例であるものとする)。尚、上記金属板としては、本実施例において、銅(Cu)製の板が採用される。雄端子11は、雄形電気接触部13と、電線接続部14とを有する。雄形電気接触部13には、細長いタブ15が形成される。タブ15は、雌端子12に挿入されて電気的に接触する部分として形成される。
<雌端子12について>
雌端子12は、雄端子11と同じ導電性を有する金属板をプレス加工することにより図示形状に形成される(形状は一例であるものとする)。雌端子12は、雌形電気接触部16と、電線接続部17とを有する。雌形電気接触部16は、矩形の箱形状(筒形状)に形成される。また、雌形電気接触部16は、雄端子11のタブ15の挿入を許容する形状に形成される。
雌端子12は、雄端子11と同じ導電性を有する金属板をプレス加工することにより図示形状に形成される(形状は一例であるものとする)。雌端子12は、雌形電気接触部16と、電線接続部17とを有する。雌形電気接触部16は、矩形の箱形状(筒形状)に形成される。また、雌形電気接触部16は、雄端子11のタブ15の挿入を許容する形状に形成される。
図2ないし図4において、雌形電気接触部16には、タブ15に接触する二種類の接点部が形成される。具体的には、可動接点部18と、固定接点部19、20とが形成される。可動接点部18は、弾性接触片21(バネ片)に配置形成される。一方、固定接点部19、20は、弾性接触片21に対して対向する位置に配置形成される。固定接点部19、20は、雌形電気接触部16の上壁22の内面側に配置形成される。
可動接点部18と、固定接点部19、20との二種類の接点部のうち、本実施例においては固定接点部20を代表例に挙げて以下に説明をする。
<固定接点部20について>
図2ないし図4において、固定接点部20は、他の可動接点部18及び固定接点部19と比べてタブ15に対する接触のタイミングが最後になる位置に配置形成される。また、固定接点部20は、他の可動接点部18及び固定接点部19と比べてタブ15に対する接触の長さ(範囲)が長くなる部分に形成される。別な言い方をすれば、固定接点部20は、タブ15が長く摺動する部分に形成される。
図2ないし図4において、固定接点部20は、他の可動接点部18及び固定接点部19と比べてタブ15に対する接触のタイミングが最後になる位置に配置形成される。また、固定接点部20は、他の可動接点部18及び固定接点部19と比べてタブ15に対する接触の長さ(範囲)が長くなる部分に形成される。別な言い方をすれば、固定接点部20は、タブ15が長く摺動する部分に形成される。
<固定接点部20の構成及び構造について>
図5及び図6において、固定接点部20は、特許請求の範囲に記載された接点部に該当する部分であって、母材23と、この母材23におけるタブ15(図2及び図8参照)に近い側の母材表面24に設けられる内層25と、内層25の外側に設けられる最外層26とを含んで構成される。尚、内層25及び最外層26に関し、固定接点部20に該当する部分や母材表面24に限定されないものとする。すなわち、図9に示すように、母材裏面Rにも同じく付加してもよいものとする。母材裏面Rにも内層25及び最外層26の構成があれば、例えば母材23を折り返すような加工をしても方向性を気にせずに接点部の形成が可能になるという利点を有する。この他、上記金属板の表裏面全体を対象にしてもよいものとする。
図5及び図6において、固定接点部20は、特許請求の範囲に記載された接点部に該当する部分であって、母材23と、この母材23におけるタブ15(図2及び図8参照)に近い側の母材表面24に設けられる内層25と、内層25の外側に設けられる最外層26とを含んで構成される。尚、内層25及び最外層26に関し、固定接点部20に該当する部分や母材表面24に限定されないものとする。すなわち、図9に示すように、母材裏面Rにも同じく付加してもよいものとする。母材裏面Rにも内層25及び最外層26の構成があれば、例えば母材23を折り返すような加工をしても方向性を気にせずに接点部の形成が可能になるという利点を有する。この他、上記金属板の表裏面全体を対象にしてもよいものとする。
母材23は、上記金属板そのものであって、銅(Cu)が採用される(銅合金であってもよいものとする)。母材23は、この厚みや幅、長さ等が適宜設定される。母材表面24(及び母材裏面R)には、凹状の母材凹部35が複数形成される(多数形成される)。母材凹部35は、全て同じ形状に形成される。母材凹部35は、タブ15(図2及び図8参照)の挿入方向に対し交差する方向にのびる溝形状に形成される(本実施例においては、上記挿入方向に対し直交する方向にのびる溝形状に形成される)。尚、母材凹部35は単なる溝形状でなく、以下で説明する変形溝形状に形成される。母材凹部35は、第一工程と第二工程とを経て形成される。
図7(a)において、母材凹部35の形成に係る第一工程では、押圧装置37を用いて母材表面24に凹状の変形前母材凹部35aが複数形成される。この変形前母材凹部35aは、母材表面24に対し垂直方向に凹むような形状に形成される。垂直方向に凹む形状は、上記挿入方向に対し直交する方向にのびて、結果、溝形状に形成される。変形前母材凹部35aが溝形状に形成されると、この時、隣り合う溝同士の間の部分(以下、変形前溝間部36aと呼ぶ)は、図示の如く断面矩形状に形成される。
図7(b)において、変形前母材凹部35aの形成後、第二工程では、押圧装置37′を用いて母材表面24が押圧される。この押圧により、変形前溝間部36aが図7(c)に示すような溝間部36に形成される(変形前溝間部36aを押し潰して断面形状が逆台形形状になるような部分に形成される)。溝間部36の断面形状から分かるように、母材凹部35は変形した溝形状、すなわち変形溝形状に形成される。押圧装置37′は、押圧本体部37′aと、この押圧本体部37′aから突出して変形前母材凹部35aに差し込まれる挿入凸部37′bと、挿入凸部37′bの基端部に形成されるR形成部37′cとを有する。このような構成の押圧装置37′は、変形前溝間部36aを押し潰して断面形状が逆台形形状になる溝間部36の形成に伴い、曲面部36bが生じ易くなるように構成される。
本実施例の母材凹部35は、内層25及び最外層26の形成前に上記第一工程と第二工程のような凹凸加工を施して形成される。尚、これに限らず、内層25及び最外層26の形成の後に凹凸加工を施すようにしてもよいものとする。この他、母材凹部35の形成に関し、上記押圧装置37、37′の採用に限らないものとする。
図6に戻り、内層25は、本実施例において、二つの層から構成される。具体的には、母材表面24(及び母材裏面R)の全面に設けられるバリア層28と、このバリア層28の上に全面となるように設けられる銅−スズ合金層29とを備えて構成される。バリア層28は、拡散防止のための部分としてメッキ(例えばNi等のメッキ)により形成される。銅−スズ合金層29は、CuSnによるメッキ部分として形成される。バリア層28及び銅−スズ合金層29は、それぞれ均一な厚みになるように形成される。
最外層26は、最も外側の層(別な言い方をすれば表層)に該当するものであって、SnからなるSnメッキ層26aとして形成される。Snメッキ層26aは、内層25における銅−スズ合金層29が露出しないように、すなわち銅−スズ合金層29の全面を覆うように形成される。Snメッキ層26aは、均一な厚みになるように形成される。
引用符号38は、Snメッキ層凹部を示す。このSnメッキ層凹部38は、母材表面24(及び母材裏面R)の母材凹部35により生じる部分であって、凹状に(変形溝形状に)形成される。Snメッキ層凹部38は、内層25及び最外層26(Snメッキ層26a)が母材凹部35の形状に追従するような状態で形成される。Snメッキ層凹部38の内側には、空間39が形成される。空間39は、タブ15(図2及び図8参照)が挿入された時に、すなわち摺動時に酸化摩耗粉等の摺動時生成物Pが生じると、これを落とし込むことができるような部分として形成される。
尚、空間39は、落とし込む摺動時生成物Pの体積よりも大きな容積を有することが好ましいものとする。Snメッキ層凹部38は、母材凹部35の形状からも分かるように、摺動時生成物Pが出難い形状に形成される。すなわち、返し部40により出難い形状に形成される(摺動時生成物Pの図8中の矢印のような動きが規制される。摺動時生成物Pは、Snメッキ層凹部38からの飛び出しが規制される)。返し部40は、図10aに示す如く変形前溝間部36aを押し潰した時に生じる座屈変形部分に応じて形成される。返し部40は、Snメッキ層凹部38の溝幅を狭めるような形状に形成される(図10(b)や(c)のような形状であってもよいものとする)。
Snメッキ層凹部38の形成に関し、空間39が確実に生じるようなメッキ方法が採用される。具体的なメッキ方法としては、例えば公知の電気メッキが挙げられる(メッキが溜まらない方法であれば特に限定されないものとする)。
<タブ15の摺動時における固定接点部20の作用及び効果>
図8において、タブ15が挿入されると、このタブ15は固定接点部20に対し摺動する。この時、Snメッキ層26aの表面に生じる酸化スズ被膜M(図6参照)がタブ15により破壊され、そして、この破壊により露出したSnメッキ層26aとタブ15とが接触する。破壊された酸化スズ被膜Mや、Snメッキ層26aとの擦れにより生じる酸化摩耗粉等の摺動時生成物Pは、複数のSnメッキ層凹部38の内側の空間39に落ち込み、そのためタブ15と固定接点部20との間に摺動時生成物Pが入り込んでしまうことはない(尚、摺動時生成物Pは微小であるため、本実施例では便宜上大きな粒形状で図示するものとする)。
図8において、タブ15が挿入されると、このタブ15は固定接点部20に対し摺動する。この時、Snメッキ層26aの表面に生じる酸化スズ被膜M(図6参照)がタブ15により破壊され、そして、この破壊により露出したSnメッキ層26aとタブ15とが接触する。破壊された酸化スズ被膜Mや、Snメッキ層26aとの擦れにより生じる酸化摩耗粉等の摺動時生成物Pは、複数のSnメッキ層凹部38の内側の空間39に落ち込み、そのためタブ15と固定接点部20との間に摺動時生成物Pが入り込んでしまうことはない(尚、摺動時生成物Pは微小であるため、本実施例では便宜上大きな粒形状で図示するものとする)。
従って、固定接点部20では常に新しいSnメッキにて電気的な接続を行うことができ、結果、接触抵抗の低減を図ることができるという効果や、電気接続信頼性の向上を図ることができるという効果を奏する。
この他、タブ15が挿入されると、Snメッキ層26aにおける凸部分(Snメッキ層凹部38以外の部分)のみにタブ15が接触することから、Snメッキ層凹部38が存在しない場合と比べて、端子挿入力の低減を図ることができるという効果を奏する。
以上、本実施例においては、雌端子12の固定接点部20を代表例に挙げて説明してきたが、特許請求の範囲に記載された接点部は、固定接点部19や可動接点部18でもよく、また、雌端子12の固定接点部19、20や可動接点部18と摺動する雄端子11のタブ15であってもよい。これにより本実施例においては、本発明の端子を雌端子、相手端子を雄端子として説明してきたが、逆に、本発明の端子を雄端子、相手端子を雌端子としてもよい。
この他、本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。
11…雄端子、 12…雌端子、 13…雄形電気接触部、 14…線接続部、 15…タブ、 16…雌形電気接触部(電気接触部)、 17…電線接続部、 18…可動接点部(接点部)、 19、20…固定接点部(接点部)、 21…弾性接触片、 22…上壁、 23…母材、 24…母材表面、 25…内層、 26…最外層、 26a…Snメッキ層、 35…母材凹部、 35a…変形前母材凹部、 36…溝間部(隣り合う溝同士の間の部分)、 36a…変形前溝間部、 36b…曲面部、 37、37′…押圧装置、 37′a…押圧本体部、 37′b…挿入凸部、 37′c…R形成部、 38…Snメッキ層凹部、 39…空間、 40…返し部、 M…酸化スズ被膜、 P…摺動時生成物、 R…母材裏面
Claims (3)
- 相手端子との電気的な接続部分になる電気接触部を有し、
該電気接触部には、前記相手端子と接触する接点部が形成され、
該接点部は、導電性を有する金属製の母材と、該母材における前記相手端子に近い側の母材表面に設けられる内層と、該内層の外側に設けられる最外層とを含んで構成され、
該最外層は、SnからなるSnメッキ層として形成され、
前記母材表面には、前記内層及び前記Snメッキ層においても形状が追従する凹状の母材凹部が複数形成され、
該複数の母材凹部は、それぞれ前記相手端子の挿入方向に対し交差する方向にのびる溝形状に形成され、且つ、該溝形状の形成の後に前記母材表面を押圧して隣り合う溝同士の間の部分が押し潰されたような変形溝形状にも形成され、
前記Snメッキ層には、前記母材凹部により生じる凹状のSnメッキ層凹部が複数形成され、
該Snメッキ層凹部の内側には、前記相手端子の摺動時に生じる酸化摩耗粉等の摺動時生成物を落とし込むための空間が形成される
ことを特徴とする端子。 - 請求項1に記載の端子において、
前記Snメッキ層凹部には、前記変形溝形状により生じ、且つ、落とし込んだ前記摺動時生成物を飛び出さないように規制することが可能な返し部が形成される
ことを特徴とする端子。 - 請求項1又は2に記載の端子において、
前記複数の母材凹部は、前記内層及び前記Snメッキ層の形成前に凹凸加工を施して形成される、又は、前記内層及び前記Snメッキ層の形成後に前記内層及び前記Snメッキ層の上から凹凸加工を施して形成される
ことを特徴とする端子。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7436430B2 (ja) | 2021-07-20 | 2024-02-21 | 矢崎総業株式会社 | 端子、端子付電線、及び、接続構造 |
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2015
- 2015-04-13 JP JP2015081357A patent/JP2016201280A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7436430B2 (ja) | 2021-07-20 | 2024-02-21 | 矢崎総業株式会社 | 端子、端子付電線、及び、接続構造 |
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