JP6514031B2 - 圧着端子 - Google Patents

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Description

本発明は、電線の端部にかしめられて圧着される圧着端子に関する。
従来より、電線を他の導体に対して電気的に接続するための端子として、電線の端部にかしめられて圧着される圧着端子が用いられている。このような圧着端子として、特許文献1に開示されたものが知られている。
特許文献1に開示された圧着端子(コネクタ2)は、アルミニウム電線の端部に圧着されて接続される圧着端子として構成されている。特許文献1に開示された圧着端子は、アルミニウム電線(アルミニウム電線1)の端部にかしめられて接続される部分である圧着部(圧着部3)に、傾斜面(傾斜面5)を有する複数の突出部(突起4)が設けられている。
特許文献1の圧着端子がアルミニウム電線の端部にかしめられる際には、上記の複数の突出部が、アルミニウム電線の表面に圧入される。これにより、アルミニウム電線の表面部に上記の傾斜面に沿ったひずみ領域が形成される。特許文献1の圧着端子は、上述した構造により、電線材料の冷間流れの発生によってアルミニウム電線と圧着部との間の圧着力が時間経過とともに低下してアルミニウム電線と圧着部との間の電気抵抗が増大してしまうことを、抑制するように構成されている。
特開2011−187400号公報
特許文献1に開示された圧着端子においては、上記のように、電線の端部にかしめられて圧着される圧着部に、傾斜面を有する複数の突出部を設ける必要がある。このため、複雑な構造を有する圧着部を形成する必要があり、製造上の負担が増大することになる。また、上記の複雑な形状を金型を用いて形成する際、繰り返しての使用に伴う金型の経時的な劣化が生じると、上記の複雑な形状に関する品質の低下を生じることになる。このため、金型の経時的な劣化に伴って生じる圧着端子表面の形状に関する品質の低下を防止するための品質管理上の負担が増大することになる。
本発明は、上記実情に鑑みることにより、電線と圧着部との間の電気抵抗の増大を抑制でき、製造上及び品質管理上の負担の増大も抑制することができる、圧着端子を提供することを目的とする。
(1)上記目的を達成するための本発明のある局面に係る圧着端子は、電線の端部にかしめられて圧着される圧着端子であって、前記電線の端部にかしめられて圧着される圧着部を有し、金属材料で形成された端子本体部と、前記端子本体部の表面を被覆するように形成された下地めっき層の表面の少なくとも一部を被覆するように形成された、ポーラスめっき層と、を備え、前記ポーラスめっき層は、穴及び空隙の少なくともいずれかとして設けられたポーラス構造が分散して形成された多孔質体として構成され、前記ポーラスめっき層は、少なくとも、前記圧着部を被覆する前記下地めっき層の表面であって前記圧着部が前記電線に圧着された際に当該圧着部において前記電線に対して電気的に接続される部分を被覆するように設けられていることを特徴とする。
この構成によると、ポーラス構造が分散して形成された多孔質体として構成されたポーラスめっき層が、少なくとも、圧着部を被覆する下地めっき層の表面を被覆するように設けられる。このため、圧着部の表面には、ポーラスめっき層の凹凸構造が非常に多く存在している。そして、圧着部が電線の端部にかしめられて圧着される際、上記の多数の凹凸構造におけるエッジ状の部分が、電線の表面の酸化被膜を削ってクリーニングしながら、電線の表面に食い込む状態となる。このため、電線の表面において、電気抵抗を増大させる要因となる酸化被膜が削られた状態で圧着部の表面と電線の表面とが接触した状態が維持されるため、電気抵抗が増大してしまうことを抑制することができる。更に、上記の多数の凹凸構造が、電線の表面に食い込む状態となるため、電線材料の冷間流れの発生を抑制することができる。よって、電線材料の冷間流れの発生によって電線と圧着部との間の圧着力が時間経過とともに低下して電線と圧着部との間の電気抵抗が大きくなってしまうことを、抑制することができる。
尚、上記の構成によると、ポーラスめっき層における多数の凹凸構造が、電線の表面に食い込む状態となるため、圧着部における電線の保持力を向上させることができる。これにより、圧着端子を電線の端部により強固に安定して固定することができる。
また、上記の構成によると、圧着部を被覆する下地めっき層の表面を被覆するようにポーラスめっき層を設けることで、電線と圧着部との間の電気抵抗の増大を抑制できる上記の多数の凹凸構造を、容易に形成することができる。このため、製造上の負担の増大を抑制することができる。更に、圧着部を被覆する下地めっき層の表面を被覆するようにポーラスめっき層を設けるため、先行技術において開示された圧着端子のような複雑な形状の端子表面を形成するための金型もそもそも不要となる。このため、金型の経時的な劣化に伴って生じる圧着端子表面の形状に関する品質の低下の防止のための品質管理上の負担もそもそも生じない。よって、品質管理上の負担の増大を抑制することができる。
従って、上記の構成によると、電線と圧着部との間の電気抵抗の増大を抑制でき、製造上及び品質管理上の負担の増大も抑制することができる、圧着端子を提供することができる。
(2)前記電線は、アルミニウム製の電線又はアルミニウム合金製の電線であることが好ましい。
アルミニウム電線は、銅電線に比して、軽量であり、安価である。このため、アルミニウム電線を用いることで、重量上及び価格上のメリットを享受することができる。一方、電線がアルミニウム製又はアルミニウム合金製の場合、電線の表面の酸化被膜が強靭なため、一般的に、圧着端子の表面で酸化被膜を破壊し、酸化被膜の内側の電線の母材金属と圧着端子の表面との間で安定した接触を確保して電気抵抗を安定化させることが難しい。また、電線がアルミニウム製又はアルミニウム合金製の場合、圧着端子の圧着部がかしめられた電線の表面及びその近傍において、電線材料の冷間流れが生じ易い傾向がある。しかしながら、上記の構成によると、ポーラスめっき層における多数の凹凸構造が、アルミニウム製又はアルミニウム合金製の電線の表面の酸化被膜を破壊して酸化被膜の内側の母材金属により確実に食い込んで接触する状態となるため、電気抵抗を容易に安定化させることができる。また、上記の構成によると、ポーラスめっき層における多数の凹凸構造が、アルミニウム製又はアルミニウム合金製の電線の表面に食い込む状態となるため、電線材料の冷間流れの発生を効率よく抑制することができる。これにより、電線材料の冷間流れの発生によって電線と圧着部との間の圧着力が時間経過とともに低下して電線と圧着部との間の電気抵抗が大きくなってしまうことを、効率よく抑制することができる。
(3)前記ポーラスめっき層を形成する金属は、Ni又はNi合金であることが好ましい。
この構成によると、ポーラスめっき層を形成する金属が、硬度の高いNi又はNi合金として構成される。このため、圧着部が電線の端部にかしめられて圧着される際、ポーラスめっき層における多数の凹凸構造におけるエッジ状の部分が、より効率よく、電線の表面の酸化被膜を削ってクリーニングしながら、電線の表面に食い込む状態となる。これにより、電線の表面において、電気抵抗を増大させる要因となる酸化被膜が効率よく削られた状態で圧着部の表面と電線の表面とが接触した状態が効率よく維持される。このため、上記の構成によると、電線と圧着部との間の電気抵抗が増大してしまうことをより効率よく抑制することができる。
本発明によると、電線と圧着部との間の電気抵抗の増大を抑制でき、製造上及び品質管理上の負担の増大も抑制することができる、圧着端子を提供することができる。
本発明の一実施の形態に係る圧着端子を示す斜視図である。 圧着端子の圧着部における断面を拡大して示す図である。 圧着端子の圧着部の表面における一部の断面について模式的に拡大して示す図である。 圧着端子の圧着部の表面を撮影したSEM写真の画像を示す図である。 比較例に係る圧着端子の表面を撮影したSEM写真の画像を示す図である。 比較例に係る圧着端子が接続された電線に外力が作用した際における電気抵抗の経時変化を示す図である。 本発明の実施例に係る圧着端子が接続された電線に外力が作用した際における電気抵抗の経時変化を示す図である。 比較例に係る圧着端子に対して行った試験の結果を示す図であって、熱衝撃試験による導電性確認試験の結果を示す図である。 本発明の実施例に係る圧着端子に対して行った試験の結果を示す図であって、熱衝撃試験による導電性確認試験の結果を示す図である。 本発明の実施例に係る圧着端子に対して行った試験の結果を示す図であって、湿度試験による導電性確認試験の結果を示す図である。 本発明の実施例に係る圧着端子に対して行った試験の結果を示す図であって、高温試験による導電性確認試験の結果を示す図である。 本発明の実施例に係る圧着端子に対して行った試験の結果を示す図であって、硫化水素ガス試験による導電性確認試験の結果を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。尚、本発明は、電線の端部にかしめられて圧着される圧着端子として、種々の用途に広く適用することができるものである。
[圧着端子の全体構成]
図1は、本発明の一実施の形態に係る圧着端子1を示す斜視図である。圧着端子1は、電線100の端部にかしめられて圧着される端子として構成されている。尚、図1においては、電線100の端部に圧着された状態の圧着端子1が図示されている。
圧着端子1が圧着される電線100は、アルミニウム製の電線又はアルミニウム合金製の電線として構成されている。電線100は、アルミニウム製又はアルミニウム合金製の導体である心線100aが複数束ねられ又は複数撚られた状態の電線として構成されている。電線100には、その外周に、樹脂等の絶縁性材料で構成された絶縁被覆部101が設けられている。即ち、電線100の周囲は、絶縁被覆部101で被覆されている。
電線100の周囲に絶縁被覆部101が被覆されることで、被覆電線102が構成されている。被覆電線102の端部においては、絶縁被覆部101が除去されている。即ち、被覆電線102の端部においては、電線100の端部が絶縁被覆部101の端部から露出している。尚、図1においては、被覆電線102については、その一部のみが図示されており、圧着端子1に接続される端部およびその近傍の部分のみが図示されている。
図2は、圧着端子1の端子本体部11の圧着部13における断面を拡大して示す図である。尚、図2は、圧着端子1が接続される電線100の長手方向に対して略垂直な断面における断面図である。また、図2においては、電線100に圧着された状態の圧着端子1の圧着部13における断面図が図示されている。図1及び図2に示すように、圧着端子1は、端子本体部11と、端子本体部11の表面に被覆された下地めっき層21、ポーラスめっき層22、及び表層めっき層14と、を備えている。
端子本体部11は、導体としての金属材料で形成され、例えば、リン青銅などの銅合金によって形成されている。端子本体部11は、接続部12、圧着部13、及び固定部14を有して構成されている。接続部12、圧着部13、及び固定部14は、一体に設けられている。
接続部12は、端子本体部11において、電線100の端部に圧着される側の端部とは反対側の端部に設けられている。そして、接続部12は、端子本体部11において、相手側の端子(図示省略)に対して接続される部分として設けられている。尚、本実施形態において圧着端子1に接続される上記の相手側の端子は、例えば、板状に細長く延びる端子として構成される。
接続部12には、上記の相手側の端子が挿入される開口12aが設けられている。開口12aは、端子本体部11の端部において接続部12を構成している板状の部分の両縁部分のそれぞれが、略270度近くに亘って巻かれるように内側に向かって折り曲げられることで、形成されている。また、接続部12における開口12aの内側には、接点部12bが設けられている。接点部12bは、接続部12における開口12aの内側で盛り上がった板状の部分として設けられている。そして、接点部12bは、開口12aから挿入される上記の相手側の端子に対して電気的に接続される部分として設けられている。
圧着部13は、端子本体部11において、電線100の端部にかしめられて圧着される部分として設けられている。圧着部13は、接続部12と固定部14との間に設けられている。圧着部13は、端子本体部11において圧着部13を構成している板状の部分の両縁部分のそれぞれが、略270度近くに亘って巻かれるように内側に向かって折り曲げられるとともに、上記の両縁部分が互いに接触した状態に形成されている。これにより、圧着部13は、電線100の端部の外周にかしめられて圧着される筒状の部分として設けられる。
固定部14は、被覆電線102における絶縁被覆部101の端部にかしめられて固定される部分として設けられている。固定部14は、端子本体部11において、接続部12とは反対側の端部に設けられている。よって、圧着端子1は、圧着部13において被覆電線102における電線100の端部に圧着されて固定され、固定部14において被覆電線102における絶縁被覆部101の端部に固定されている。
[めっき層]
図3は、圧着端子1の圧着部13の表面における一部の断面について模式的に拡大して示す図である。尚、図3は、圧着部13が電線100に圧着された際に圧着部13において電線100に対して電気的に接続される部分の表面の近傍における一部の断面を模式的に拡大して示している。
図2及び図3に示すように、圧着端子1には、端子本体部11の表面を被覆するめっき層として、下地めっき層21、ポーラスめっき層22、及び表層めっき層14が設けられている。
下地めっき層21は、端子本体部11の表面を被覆するように形成されためっき層として設けられている。下地めっき層21は、端子本体部11の表面を全体に亘って被覆するように形成されている。そして、下地めっき層12は、本体部11の表面に対して、例えば、Ni(ニッケル)又はNi合金が被覆されることで形成されている。下地めっき層21は、例えば、電気めっきプロセスにより形成される。尚、下地めっき層21は、無電解めっきプロセスによって形成されてもよい。また、下地めっき層21は、例えば、平均厚み寸法が1.0〜2.0μm程度の厚みのめっき層として形成される。
ポーラスめっき層22は、下地めっき層21の表面の少なくとも一部を被覆するように形成される。より具体的には、図2に示すように、ポーラスめっき層22は、少なくとも、圧着部13を被覆する下地めっき層21の表面であって圧着部13が電線100に圧着された際に圧着部13において電線100に対して電気的に接続される部分を被覆するように設けられている。
また、図3に示すように、ポーラスめっき層22は、穴及び空隙の少なくともいずれかとして設けられたポーラス構造22aが分散して形成された多孔質体として構成されている。また、ポーラスめっき層22を形成する金属は、例えば、Ni(ニッケル)又はNi合金として構成されている。ポーラスめっき層22は、例えば、平均厚み寸法が0.5〜2.0μm程度の厚みのめっき層として形成される。
ポーラスめっき層22は、種々の公知の方法により形成することができる。例えば、ポーラスめっき層22を電気めっきプロセスによって形成する際に、下地めっき層21の表面に樹脂などの疎水性の微粒子を分散して配置する方法を用いることができる。これにより、導電部と絶縁部との境界部で過電圧を生じさせて微細な水素ガスを多数発生させ、これらの泡をとりこむようにめっき層を析出させる方法を用いることができる。
また、異種金属の粉末を混合してポーラスめっき層22の素材金属以外の金属を溶出させる方法を用いることができる。この場合、まず、下地めっき層21の表面において、ポーラスめっき層22の素材金属の粉末と、この素材金属よりも融点が低い他の金属の粉末とを混合して固化させる。そして、その後、低融点の金属を溶出させてポーラスめっき層22を形成する方法を用いることができる。
また、スパッタリング法を用いることでポーラスめっき層22を形成してもよい。この場合、スパッタリングによって、下地めっき層21の表面をターゲットとして、ポーラスめっき層22の素材金属と炭素との混合体を蒸着させる。これにより、下地めっき層21の表面に、ポーラスめっき層22の素材金属と炭素との混合膜を形成する。そして、その混合膜を空気等の酸化性雰囲気中にて加熱することによって、多孔質体としてのポーラスめっき層22を形成してもよい。
また、ポーラスめっき層22を電気めっきプロセスによって形成する際に、ポーラスめっき層22の素材金属の塩の水溶液中に、炭素或いは樹脂を浮遊又は融解させておく方法を用いることができる。上記の条件下で、電気めっきプロセスを実行することにより、形成されるめっき層中に炭素粉末或いは樹脂粉末が取り込まれることになる。そして、めっき層中に取り込まれた炭素粉末或いは樹脂粉末を加熱処理によって分解或いは消失させることによって、多孔質体としてのポーラスめっき層22を形成してもよい。
尚、前述のように、本実施形態では、圧着部13において、下地めっき層21及びポーラスめっき層22を形成する金属が、いずれも、Ni又はNi合金として構成されている。よって、本実施形態では、例えば、下地めっき層21及びポーラスめっき層22が、ともに、Niで形成される。又は、下地めっき層21及びポーラスめっき層22が、ともに、Ni合金で形成される。或いは、下地めっき層21及びポーラスめっき層22の一方がNiで形成されて他方がNi合金で形成される。
上記のように、本実施形態では、下地めっき層21とポーラスめっき層22とが、同じ種類の金属(Ni)によって形成され、又は、同じ種類の金属の合金(Ni合金)によって形成され、或いは、一方が所定の金属(Ni)によって形成されるとともに他方がその金属を含む合金(Ni合金)によって形成されている。このため、下地めっき層21とポーラスめっき層22との間において、電池の形成が抑制され、腐食の発生が抑制される。
表層めっき層23は、ポーラスめっき層22の表面を被覆するように形成される。よって、図2に示すように、表層めっき層23は、圧着部13を被覆する下地めっき層21を更に被覆するポーラスめっき層22の表面であって圧着部13が電線100に圧着された際に圧着部13において電線100に対して電気的に接続される部分を被覆するように設けられている。
また、表層めっき層23は、ポーラスめっき層22の表面に対して、例えば、Au(金)又はAu合金が被覆されることで形成されている。表層めっき層23は、例えば、電気めっきプロセスにより形成される。尚、表層めっき層23は、無電解めっきプロセスによって形成されてもよい。また、表層めっき層23は、厚みの薄い薄膜状のめっき層として、即ち、フラッシュめっき層として形成され、例えば、0.05〜0.5μm程度の厚みのめっき層として形成される。
[表面観察結果]
次に、圧着端子1と同様の形状の圧着端子を作製し、圧着部において被覆したポーラスめっき層の表面の観察を行った。圧着部に被覆したポーラスめっき層の表面を観察するために作製した圧着端子(以下、「圧着端子1a」と称する)については、下地めっき層21に対応する下地めっき層と、ポーラスめっき層22に対応するポーラスめっき層とを形成し、表層めっき層は形成しなかった。即ち、圧着端子1aについては、端子本体部の表面の全体に亘って下地めっき層を形成し、圧着部に被覆された下地めっき層の表面にポーラスめっき層を形成した。圧着端子1aの下地めっき層及びポーラスめっき層を形成する金属は、いずれもNiとした。
また、圧着端子1aの圧着部におけるポーラスめっき層の表面の観察は、SEM(Scanning Electron Microscope:走査型電子顕微鏡)を用いて行った。図4は、圧着端子1aの圧着部の表面を撮影したSEM写真の画像を示す図である。尚、図4のSEM写真中において示されている目盛及び20.0μmの表示は、拡大された実際の寸法を表示している。図4のSEM写真中において示された10個の目盛間隔の合計の長さ寸法が、20.0μmとなる。
また、圧着端子1aとの比較のため、端子本体部の表面の全体に亘ってSn(錫)めっきを施した比較例に係る圧着端子(以下、「圧着端子2」と称する)を作製し、圧着端子2の表面のSEM観察を行った。図5は、比較例に係る圧着端子2の表面を撮影したSEM写真の画像を示す図である。尚、図5のSEM写真中において示されている目盛及び20.0μmの表示は、拡大された実際の寸法を表示している。図5のSEM写真中において示された10個の目盛間隔の合計の長さ寸法が、20.0μmとなる。
図4に示すように、圧着端子1aの圧着部の表面において被覆されたポーラスめっき層においては、穴及び空隙の少なくともいずれかとして設けられたポーラス構造が分散して形成されている。一方、図5に示すように、比較例に係る圧着端子2の表面において被覆されたSnめっき層においては、筋状の模様がみられる平坦なめっき表面が形成されている。
[効果検証試験結果]
次に、本発明の効果を検証するために行った検証試験の結果について説明する。検証試験では、本発明の実施例として、前述の実施形態の圧着端子1に対応する実施例に係る圧着端子(以下、「圧着端子1b」と称する)を作製した。
本発明の実施例に係る圧着端子1bにおいては、端子本体部11の表面の全体に亘って下地めっき層21としてNiめっき層を形成した。そして、圧着端子1bの圧着部13に被覆された下地めっき層21の表面にポーラスめっき層22としてNiめっき層を形成し、そのポーラスめっき層22の表面に表層めっき層23として厚さ0.06μmのAuめっき層を形成した。
また、検証試験においては、実施例の圧着端子1bと比較するため、比較例に係る圧着端子(以下、「圧着端子3」と称する)を作製した。比較例に係る圧着端子3については、ポーラスめっき層22が設けられていない圧着端子として作製した。即ち、圧着端子3においては、端子本体部11の表面の全体に亘って下地めっき層21に対応するNiめっき層を形成し、圧着部13には、ポーラスめっき層22に対応するめっき層の形成は行わなかった。そして、圧着端子3においては、圧着部13に被覆されたNiめっき層の表面に厚さ0.06μmのAuめっき層を形成した。
尚、実施例に係る圧着端子1b及び比較例に係る圧着端子3のいずれにおいても、圧着部13を電線100に圧着した状態における圧着部13の高さ寸法(crimp height)は同一の寸法とした。具体的には、圧着端子1b及び圧着端子3のいずれにおいても、圧着部13を電線100に圧着した状態における圧着部13の高さ寸法を0.95mmとした。
検証試験としては、圧着端子が接続された電線に外力が作用した際における電気抵抗の経時変化を確認する試験と、熱衝撃試験、湿度試験、高温試験、及び硫化水素ガス試験の各試験による導電性確認試験と、を行った。
図6は、比較例に係る圧着端子3が接続された電線に外力が作用した際における電気抵抗の経時変化を示す図である。図7は、本発明の実施例に係る圧着端子1bが接続された電線に外力が作用した際における電気抵抗の経時変化を示す図である。図6に試験結果を示す実験においては、電線に接続された圧着端子3を相手側の端子に接続し、電線を揺動させるようにして電線に外力を作用させながら、圧着端子3に通電し、圧着端子3の電気抵抗の抵抗値(mΩ)の経時変化を測定した。
同様に、図7に試験結果を示す実験においては、電線に接続された圧着端子1bを相手側の端子に接続し、電線を揺動させるようにして電線に外力を作用させながら、圧着端子1bに通電し、圧着端子1bの電気抵抗の抵抗値(mΩ)の経時変化を測定した。尚、図6及び図7においては、電線を揺動させる外力の付加を開始してからの経過時間(sec)に対する電気抵抗の抵抗値の変化が示されている。
図6に示すように、比較例に係る圧着端子3の場合、電線を揺動させるようにして電線に外力を作用させると、抵抗値が大きく変動し、不安定な挙動を示すことが確認された。一方、図7に示すように、本発明の実施例に係る圧着端子1bの場合、電線を揺動させるようにして電線に外力を作用させた場合であっても、抵抗値がほとんど変動することがなく、非常に安定した挙動を示すことが確認された。
図8は、比較例に係る圧着端子3に対して行った試験の結果を示す図であって、熱衝撃試験による導電性確認試験の結果を示す図である。図9は、本発明の実施例に係る圧着端子1bに対して行った試験の結果を示す図であって、熱衝撃試験による導電性確認試験の結果を示す図である。
図8に試験結果を示す熱衝撃試験による導電性確認試験においては、比較例に係る圧着端子3の試験片として、No.1、No.2、No.3の3つの試験片を作製し、各試験片に対して、同じ試験を行った。同様に、図9に試験結果を示す熱衝撃試験による導電性確認試験においても、本発明の実施例に係る圧着端子1bの試験片として、No.1、No.2、No.3の3つの試験片を作製し、各試験片に対して、同じ試験を行った。
また、図8に結果を示す導電性確認試験における熱衝撃試験では、−55℃から85℃の範囲で温度が変化する熱サイクル(−55℃の温度に30分間設定され、85℃の温度に30分間設定される温度パターンの熱サイクル)を25サイクル、50サイクル、100サイクル、500サイクルそれぞれ繰り返す環境に試験片をさらした。そして、電線に接続された圧着端子3の各試験片を相手側の端子に接続し、各試験片に通電し、各試験片の電気抵抗の抵抗値(mΩ)を測定した。また、抵抗値の測定は、熱衝撃試験を行う前の各試験片と、上記の熱サイクルが上記の各サイクル数繰り返された環境にさらされた状態の各試験片と、に対して行った。尚、熱衝撃試験を行う前の各試験片の抵抗値の測定結果については、図8中において「初期」の抵抗値として示している。
一方、図9に結果を示す導電性確認試験における熱衝撃試験では、上記と同じ温度パターンにて−55℃から85℃の範囲で温度が変化する熱サイクルを50サイクル、100サイクル、200サイクル、500サイクル、1000サイクル、2000サイクル、3000サイクル、3900サイクル、5250サイクルそれぞれ繰り返す環境に試験片をさらした。そして、電線に接続された圧着端子1bの各試験片を相手側の端子に接続し、各試験片に通電し、各試験片の電気抵抗の抵抗値(mΩ)を測定した。また、抵抗値の測定は、熱衝撃試験を行う前の各試験片と、上記の熱サイクルが上記の各サイクル数繰り返された環境にさらされた状態の各試験片と、に対して行った。尚、熱衝撃試験を行う前の各試験片の抵抗値の測定結果については、図9中において「初期」の抵抗値として示している。
図8に示すように、比較例に係る圧着端子3の試験片の場合、サイクル数が増大するにつれて、抵抗値が著しく上昇する傾向が示された。そして、熱サイクルが500サイクル繰り返された環境にさらされた試験片については、約400mΩから約1000mΩ程度と非常に高い値まで抵抗値が増大してしまうことが確認された。また、比較例に係る圧着端子3の試験片の場合、抵抗値が大きく変動し、不安定な挙動を示すことも確認された。
一方、図9に示すように、本発明の実施例に係る圧着端子1bの試験片の場合、サイクル数が増大しても、抵抗値があまり上昇することなく、抵抗値が非常に安定していることが確認された。また、熱サイクルが5250サイクル繰り返された極端に苛酷な環境にさらされた試験片であっても、約20mΩから約25mΩ程度までしか抵抗値が上昇しないことが確認された。よって、実施例に係る圧着端子1bの場合、長期間に亘って極端に苛酷な環境にさらされた場合であっても、抵抗値の変化が非常に少なく、抵抗値の増大が非常に効率よく抑制され、良好な導電性が維持されることが確認された。
図10は、本発明の実施例に係る圧着端子1bに対して行った試験の結果を示す図であって、湿度試験による導電性確認試験の結果を示す図である。図10に試験結果を示す湿度試験による導電性確認試験においては、本発明の実施例に係る圧着端子1bの試験片として、No.1、No.2、No.3の3つの試験片を作製し、各試験片に対して、同じ試験を行った。
また、図10に結果を示す導電性確認試験における湿度試験では、温度が40℃±2℃で湿度が90%〜95%の環境に240時間、1200時間、2500時間のそれぞれの時間に亘って試験片をさらした。そして、電線に接続された圧着端子1bの各試験片を相手側の端子に接続し、各試験片に通電し、各試験片の電気抵抗の抵抗値(mΩ)を測定した。また、抵抗値の測定は、湿度試験を行う前の各試験片と、上記の高湿度環境に上記の各時間に亘ってさらされた状態の各試験片と、に対して行った。尚、湿度試験を行う前の各試験片の抵抗値の測定結果については、図10中において「初期」の抵抗値として示している。
図10に示すように、本発明の実施例に係る圧着端子1bの試験片は、高湿度環境にさらされる時間が増大しても、抵抗値があまり上昇することなく、抵抗値が小さい状態のまま非常に安定していることが確認された。また、高湿度環境に1200時間から2500時間に亘ってさらされた極端に苛酷な条件で試験が行われた試験片であっても、約15mΩから約17mΩ程度までしか抵抗値が上昇しないことが確認された。そして、その際の抵抗値の上昇分も約1〜3mΩ程度しかないことが確認された。よって、実施例に係る圧着端子1bの場合、長期間に亘って極端に苛酷な環境にさらされた場合であっても、抵抗値の変化が非常に少なく、抵抗値の増大が非常に効率よく抑制され、良好な導電性が維持されることが確認された。
図11は、本発明の実施例に係る圧着端子1bに対して行った試験の結果を示す図であって、高温試験による導電性確認試験の結果を示す図である。図11に試験結果を示す高温試験による導電性確認試験においては、本発明の実施例に係る圧着端子1bの試験片として、No.1、No.2、No.3の3つの試験片を作製し、各試験片に対して、同じ試験を行った。
また、図11に結果を示す導電性確認試験における高温試験では、温度が85℃±2℃の環境に240時間、1200時間、2500時間のそれぞれの時間に亘って試験片をさらした。そして、電線に接続された圧着端子1bの各試験片を相手側の端子に接続し、各試験片に通電し、各試験片の電気抵抗の抵抗値(mΩ)を測定した。また、抵抗値の測定は、高温試験を行う前の各試験片と、上記の高温環境に上記の各時間に亘ってさらされた状態の各試験片と、に対して行った。尚、高温試験を行う前の各試験片の抵抗値の測定結果については、図11中において「初期」の抵抗値として示している。
図11に示すように、本発明の実施例に係る圧着端子1bの試験片は、高温環境にさらされる時間が増大しても、抵抗値があまり上昇することなく、抵抗値が非常に安定していることが確認された。また、高温環境に1200時間から2500時間に亘ってさらされた極端に苛酷な条件で試験が行われた試験片であっても、約15mΩから約17mΩ程度までしか抵抗値が上昇しないことが確認された。そして、その際の抵抗値の上昇分も約1〜3mΩ程度しかないことが確認された。よって、実施例に係る圧着端子1bの場合、長期間に亘って極端に苛酷な環境にさらされた場合であっても、抵抗値の変化が非常に少なく、抵抗値の増大が非常に効率よく抑制され、良好な導電性が維持されることが確認された。
図12は、本発明の実施例に係る圧着端子1bに対して行った試験の結果を示す図であって、硫化水素ガス試験による導電性確認試験の結果を示す図である。図12に試験結果を示す硫化水素ガス試験による導電性確認試験においては、本発明の実施例に係る圧着端子1bの試験片として、No.1、No.2、No.3の3つの試験片を作製し、各試験片に対して、同じ試験を行った。
また、図11に結果を示す導電性確認試験における硫化水素ガス試験では、硫化水素濃度が3ppm±1ppm、温度が40℃±2℃、湿度が80%±5%の環境に96時間、240時間、1200時間のそれぞれの時間に亘って試験片をさらした。そして、電線に接続された圧着端子1bの各試験片を相手側の端子に接続し、各試験片に通電し、各試験片の電気抵抗の抵抗値(mΩ)を測定した。また、抵抗値の測定は、硫化水素ガス試験を行う前の各試験片と、上記の硫化水素ガス環境に上記の各時間に亘ってさらされた状態の各試験片と、に対して行った。尚、硫化水素ガス試験を行う前の各試験片の抵抗値の測定結果については、図12中において「初期」の抵抗値として示している。
図12に示すように、本発明の実施例に係る圧着端子1bの試験片は、硫化水素ガス環境にさらされる時間が増大しても、抵抗値があまり上昇することなく、抵抗値が非常に安定していることが確認された。また、硫化水素ガス環境に1200時間に亘ってさらされた極端に苛酷な条件で試験が行われた試験片であっても、約15mΩ程度までしか抵抗値が上昇しないことが確認された。そして、その際の抵抗値の上昇分も1mΩ未満しかないことが確認された。よって、実施例に係る圧着端子1bの場合、長期間に亘って極端に苛酷な環境にさらされた場合であっても、抵抗値の変化が非常に少なく、抵抗値の増大が非常に効率よく抑制され、良好な導電性が維持されることが確認された。
[本発明の実施形態の作用効果]
本発明の実施形態によると、ポーラス構造が分散して形成された多孔質体として構成されたポーラスめっき層22が、少なくとも、圧着部13を被覆する下地めっき層21の表面を被覆するように設けられる。このため、圧着部13の表面には、ポーラスめっき層22の凹凸構造が非常に多く存在している。そして、圧着部13が電線100の端部にかしめられて圧着される際、上記の多数の凹凸構造におけるエッジ状の部分が、電線100の表面の酸化被膜を削ってクリーニングしながら、電線100の表面に食い込む状態となる。このため、電線100の表面において、電気抵抗を増大させる要因となる酸化被膜が削られた状態で圧着部13の表面と電線100の表面とが接触した状態が維持されるため、電気抵抗が増大してしまうことを抑制することができる。更に、上記の多数の凹凸構造が、アルミニウム製又はアルミニウム合金製の電線100の表面に食い込む状態となるため、電線材料の冷間流れの発生を効率よく抑制することができる。よって、電線材料の冷間流れの発生によって電線100と圧着部13との間の圧着力が時間経過とともに低下して電線100と圧着部13との間の電気抵抗が大きくなってしまうことを、効率よく抑制することができる。
また、本発明の実施形態によると、ポーラスめっき層における多数の凹凸構造が、アルミニウム製又はアルミニウム合金製の電線100の表面の酸化被膜を破壊して酸化被膜の内側の母材金属により確実に食い込んで接触する状態となるため、電気抵抗を容易に安定化させることができる。
また、本発明の実施形態によると、ポーラスめっき層22における多数の凹凸構造が、電線100の表面に食い込む状態となるため、圧着部13における電線100の保持力を向上させることができる。これにより、圧着端子1を電線100の端部により強固に安定して固定することができる。
また、本発明の実施形態によると、圧着部13を被覆する下地めっき層21の表面を被覆するようにポーラスめっき層22を設けることで、電線100と圧着部13との間の電気抵抗の増大を抑制できる上記の多数の凹凸構造を、容易に形成することができる。このため、製造上の負担の増大を抑制することができる。更に、圧着部13を被覆する下地めっき層21の表面を被覆するようにポーラスめっき層22を設けるため、先行技術において開示された圧着端子のような複雑な形状の端子表面を形成するための金型もそもそも不要となる。このため、金型の経時的な劣化による品質低下の防止のための品質管理上の負担もそもそも生じない。よって、品質管理上の負担の増大を抑制することができる。
従って、本発明の実施形態によると、電線100と圧着部13との間の電気抵抗の増大を抑制でき、製造上及び品質管理上の負担の増大も抑制することができる、圧着端子1を提供することができる。
また、本発明の実施形態によると、ポーラスめっき層22を形成する金属が、硬度の高いNi又はNi合金として構成される。このため、圧着部13が電線100の端部にかしめられて圧着される際、ポーラスめっき層22における多数の凹凸構造におけるエッジ状の部分が、より効率よく、電線100の表面の酸化被膜を削ってクリーニングしながら、電線100の表面に食い込む状態となる。これにより、電線100の表面において、電気抵抗を増大させる要因となる酸化被膜が効率よく削られた状態で圧着部13の表面と電線100の表面とが接触した状態が効率よく維持される。このため、本発明の実施形態によると、電線100と圧着部13との間の電気抵抗が増大してしまうことをより効率よく抑制することができる。
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、次のように変更して実施してもよい。
(1)上述の実施形態では、ポーラスめっき層が、圧着部の表面においてのみ設けられている形態を例にとって説明したが、必ずしもこの通りでなくてもよい。ポーラスめっき層が、端子本体部の表面において、圧着部の表面に加え、圧着部以外の部分の表面にも設けられている形態が実施されてもよい。
(2)前述の実施形態では、ポーラスめっき層の表面に表層めっき層が設けられた形態を例にとって説明したが、必ずしもこの通りでなくてもよい。ポーラスめっき層の表面に表層めっき層が設けられていない形態が実施されてもよい。
(3)前述の実施形態では、表層めっき層が、ポーラスめっき層の表面に対してAu(金)又はAu合金が被覆されることで形成された形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。表層めっき層は、Au又はAu合金以外の金属が、ポーラスめっき層の表面に対して、薄いフラッシュめっき層として被覆されることで、形成されてもよい。例えば、表層めっき層は、Sn(錫)又はSn合金以外の金属が、ポーラスめっき層の表面に対して、薄い(例えば、0.3μm以下)フラッシュめっき層として被覆されることで、形成されてもよい。
(4)前述の実施形態では、下地めっき層及びポーラスめっき層を形成する金属が、いずれも、Ni又はNi合金として構成されている形態を例にとって説明したが、必ずしもこの通りでなくてもよい。即ち、下地めっき層及びポーラスめっき層を形成する金属が、Ni及びNi合金以外の金属として構成されている形態が実施されてもよい。
(5)前述の実施形態では、ポーラスめっき層を形成する際に用いる方法として、(a)電気めっきプロセスによって形成する際に、下地めっき層の表面に樹脂などの疎水性の微粒子を分散して配置する方法、(b)異種金属の粉末を混合してポーラスめっき層の素材金属以外の金属を溶出させる方法、(c)スパッタリング法を用いる方法、(d)電気めっきプロセスによって形成する際に、ポーラスめっき層の素材金属の塩の水溶液中に、炭素或いは樹脂を浮遊又は融解させておく方法、等の方法を例示したが、これらの方法以外の方法を用いてポーラスめっき層を成してもよい。例えば、レーザー照射を用いる方法によって、ポーラスめっき層を形成してもよい。この場合、例えば、下地めっき層(例えば、Niめっき層)を形成する際に、あわせて、下地めっき層と同種の金属(例えば、Ni)で、下地めっき層の表面にポーラスめっき層の素材となるめっき層を形成し、次いで、このポーラスめっき層の素材となるめっき層に対してレーザー照射によってポーラス構造を形成し、ポーラスめっき層を形成してもよい。
(6)前述の実施形態では、圧着端子が圧着される電線が、アルミニウム製の電線又はアルミニウム合金製の電線である形態を例にとって説明したが、必ずしもこの通りでなくてもよい。即ち、圧着端子が圧着される電線の材料は、アルミニウム及びアルミニウム合金以外の金属材料であってもよい。
本発明は、電線の端部にかしめられて圧着される圧着端子に関して、広く適用することができるものである。
1 圧着端子
11 端子本体部
12 接続部
13 圧着部
14 固定部
21 下地めっき層
22 ポーラスめっき層
22a ポーラス構造
23 表層めっき層

Claims (2)

  1. アルミニウム製又はアルミニウム合金製の電線の端部にかしめられて圧着される圧着端子であって、
    前記電線の端部にかしめられて圧着される圧着部を有し、金属材料で形成された端子本体部と、
    前記端子本体部の表面を被覆するように形成された下地めっき層の表面の少なくとも一部を被覆するように形成された、ポーラスめっき層と、
    を備え、
    前記ポーラスめっき層は、穴及び空隙の少なくともいずれかとして設けられたポーラス構造が分散して形成された多孔質体として構成され、
    前記ポーラスめっき層は、少なくとも、前記圧着部を被覆する前記下地めっき層の表面であって前記圧着部が前記電線に圧着された際に当該圧着部において前記電線に対して電気的に接続される部分を被覆するように設けられ
    前記ポーラスめっき層を形成する金属は、Ni又はNi合金であり、
    前記ポーラスめっき層の表面には、当該ポーラスめっき層において前記穴として設けられた前記ポーラス構造が一様に分散していることで構成された凹凸構造が設けられ、
    前記圧着部が前記電線の端部にかしめられて圧着される際、前記凹凸構造におけるエッジ状の部分が、前記電線の表面の酸化被膜を削ってクリーニングしながら、前記電線の表面に食い込む状態となるように構成されていることを特徴とする、圧着端子。
  2. アルミニウム製又はアルミニウム合金製の電線の端部にかしめられて圧着される圧着端子であって、
    前記電線の端部にかしめられて圧着される圧着部を有し、金属材料で形成された端子本体部と、
    前記端子本体部の表面を被覆するように形成された下地めっき層の表面の少なくとも一部を被覆するように形成された、ポーラスめっき層と、
    を備え、
    前記ポーラスめっき層は、穴及び空隙の少なくともいずれかとして設けられたポーラス構造が分散して形成された多孔質体として構成され、
    前記ポーラスめっき層は、少なくとも、前記圧着部を被覆する前記下地めっき層の表面であって前記圧着部が前記電線に圧着された際に当該圧着部において前記電線に対して電気的に接続される部分を被覆するように設けられ、
    前記ポーラスめっき層を形成する金属は、Ni又はNi合金であり、
    前記ポーラスめっき層の表面には、当該ポーラスめっき層において前記ポーラス構造が分散していることで構成された凹凸構造が設けられ、
    前記ポーラスめっき層において前記空隙として設けられた前記ポーラス構造が配置されている領域においては、当該ポーラスめっき層の厚み方向に沿って配置される前記空隙の数が1つ又は2つであり、
    前記圧着部が前記電線の端部にかしめられて圧着される際、前記凹凸構造におけるエッジ状の部分が、前記電線の表面の酸化被膜を削ってクリーニングしながら、前記電線の表面に食い込む状態となるように構成されていることを特徴とする、圧着端子。
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