JP2014164965A - 端子の製造方法、その製造方法に用いる端子材、その製造方法により製造された端子、電線の終端接続構造体およびその製造方法、ならびに、端子用の銅または銅合金板材 - Google Patents

端子の製造方法、その製造方法に用いる端子材、その製造方法により製造された端子、電線の終端接続構造体およびその製造方法、ならびに、端子用の銅または銅合金板材 Download PDF

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Abstract

【課題】材料強度を大きく低下させることなく高いレーザ溶接効率で突き合せ溶接できる端子の製造方法等を提供する。
【解決手段】電線と圧着接合する管体かしめ部30を有する端子1の製造方法であって、管体かしめ部30を形成する管展開部を備えた端子材の銅または銅合金からなる基材を用意し、管展開部に粒径が0.3μm以上10μm以下の高融点無機導電性粒子を10〜50%の体積分率で含有するSn層を形成し、管展開部を湾曲させて突き合わせて管体に成形し、突き合わせた部分をレーザ溶接によって接合して管体かしめ部30に形成する各工程をこの順に有してなる端子1の製造方法等を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、材料強度を大きく低下させることなく高いレーザ溶接効率で突き合わせ溶接できる端子の製造方法、その製造方法に用いる端子材、その製造方法により製造された端子、電線の終端接続構造体およびその製造方法、ならびに、端子用の銅または銅合金板材に関する。
近年、自動車の燃費向上のために各構成部品の軽量化が求められている。そのため、自動車内のワイヤーハーネスなどに使用される電線の芯線を、銅もしくは銅合金より軽量の、アルミニウムもしくはアルミニウム合金に置き換えることが進められている。このアルミニウム電線またはアルミニウム合金電線(以下、単に「アルミニウム電線」という)の先端に圧着接続される端子は、通常、金属材料が使用されるので、電線の終端接続部ではこれらの接続を適切に行うことが必要となる。
一般に、機械強度やばね性などの観点から、端子は銅または銅合金製である。端子の圧着部では、電線導体のアルミニウムもしくはアルミニウム合金が露出しているため、アルミニウム電線と端子の接続部分に水分等が付着すると、アルミニウム電線のアルミニウムもしくはアルミニウム合金と端子の銅もしくは銅合金とは、異種金属間で電位差が異なるために腐食(電食)し、腐食が進行すると欠損を生じる恐れがあった。また、腐食の進行によって、電線及び端子の接続部に割れや接触不良が生じ、製品寿命が短くなっていた。
これらの問題を防止するためには、アルミニウムもしくはアルミニウム導体(以下、単に「アルミニウム導体」と言う)を外界から遮断することが望ましい。その例として、端子の圧着部全体を樹脂によりモールドする方式(例えば、特許文献1参照。)があり、腐食を確実に防止することができる。また、金属製キャップを電線導体に被せた後に圧着する手法により、アルミニウム導体を外界から遮断する技術(例えば、特許文献2参照。)が開示されている。
これに対して本出願人は、銅合金板材から切り出して成形した端子材の両端部をレーザ溶接によって突合せ溶接することにより端子の管体かしめ部を形成し、この管体かしめ部内にアルミニウム電線のアルミニウム導体を挿入した上でかしめることによって、前記導体を端子内に収納して電気的導通を取るとともに、異種金属接合である導体と管体かしめ部の接続部分が外部の水分と接触しない構造とすることを提案している。
銅または銅合金は、溶接用レーザ光として広く用いられている近赤外レーザ光の反射率が90%以上と高い(レーザ光の吸収性が低い)ために、レーザ溶接の効率が悪い。そのため、例えば、特許文献3には、銅または銅合金の表面にSnめっき層を形成してレーザ溶接性を向上させる技術が、記載されている。
ところで、このような端子は、接続口に挿脱可能に構成されるから、接続口等との電気導電性、潤滑性または耐摩耗性等を改良した、端子または端子の材料として使用される複合めっき材が特許文献4〜8に記載されている。具体的には、これらの端子または複合めっき材は、その表面に、耐摩耗性を有する粒子、炭素粒子、摩擦力を低減する分散粒子等を含有する金属含有コーティング層が形成されている。しかし、特許文献4〜8には、端子または端子を形成する板材に金属含有コーティング層を有しているに過ぎず、アルミニウム電線と端子とを外界から遮断した状態に接続する方法も、板材をレーザ溶接して端子を製造する方法も記載はない。
特開2011−222243号公報 特開2004−207172号公報 特開平8−218137号公報 特表2005−529242号公報 特開2007−9304号公報 特開2007−92144号公報 特開2009−218096号公報 特開2006−97062号公報
上述の特許文献1に記載された技術では、モールド部が肥大するため、コネクタハウジングのサイズを大きくする必要が生じ、結果としてコネクタが肥大してしまう。そのため、このコネクタを用いた組み電線(例えば、自動車用ワイヤハーネスなど)全体を高密小型に成形することができなかった。また、モールド成形は圧着後に個々の圧着部に対して処理することが必要であり、組み電線製造の工程数が大きく増してしまい、かつ、個々の作業が煩雑である。
また、特許文献2に記載された技術では、圧着前に個々の導体へ金属製キャップを装着する工程が煩雑である上に、また、圧着時にワイヤバレルにより金属製キャップを破壊してしまい浸水経路が生じてしまう恐れがあった。
一方、上述の端子の管体かしめ部を突合せ溶接する際に特許文献3の技術を応用してスズめっき層等を設ければ、レーザ溶接効率をある程度改善できる。しかし、スズめっき処理する場合においても、そのめっきの形態がレーザ溶接性に影響するため、レーザ溶接効率をさらに向上させるためには、効率の良いめっき形態を実現する必要がある。このように、レーザ溶接効率の観点からは、特許文献3の技術では十分ではなく、さらなる改善の余地がある。
加えて、突合せ溶接により管体かしめ部を形成すると、溶接部および溶接による熱影響部(これらを併せて「溶接部とその近傍」ということがある)は、凝固組織や焼鈍組織等を呈するため、その他の部分よりも機械特性、特に強度が低下することがある(例えば、特許文献3の[0005]参照。)。溶接部とその近傍の機械特性が大幅に低下すると、アルミニウム電線を外界から遮断した状態に端子に接続できても、溶接部とその近傍は周囲よりも耐力が大幅に低くなっているから、溶接部とその近傍が加工される際に破壊され、また使用中に荷重を受けて破壊されやすくなる。したがって、レーザ溶接においては、レーザ溶接効率の向上に加えて、機械特性の低下をも抑えることも求められている。
本発明は、材料強度を大きく低下させることなく高いレーザ溶接効率で突き合せ溶接できる端子の製造方法、その製造方法に用いる端子材、その製造方法により製造された端子、電線の終端接続構造体およびその製造方法、ならびに、端子用の銅または銅合金板材を提供することを課題とする。
本発明者は、上記の課題を解決すべく、鋭意検討を行った結果、管状の端子に電線を挿入して圧着する構造を採用するに際して、突合せ溶接する銅合金製の管体かしめ部上に配設した、粒径が0.3μm以上10μm以下の高融点無機導電性粒子を10〜50%の体積分率で含有するスズ層(以下、「特定のスズ層」ということがある)にレーザを照射することによって、得られる溶接部とその近傍の強度を大幅に低下させることなく高速で銅合金をレーザ溶接できるレーザ溶接方法を見出した。本発明はこの知見に基づきなされるに至ったものである。
すなわち、上記課題は以下の手段により解決される。
(1)電線と圧着接合する管体かしめ部を有する端子の製造方法であって、湾曲されて前記管体かしめ部を形成する管展開部を備えた端子材の銅または銅合金からなる基材を用意し、前記管展開部上に、粒径が0.3μm以上10μm以下の高融点無機導電性粒子を10〜50%の体積分率で含有するスズ層を形成し、前記管展開部を湾曲させて突き合わせて管体に成形し、突き合わせた部分を近赤外線レーザ光照射によるレーザ溶接によって接合して前記管体かしめ部に形成する各工程をこの順に有してなる端子の製造方法。
(2)前記スズ層を前記管展開部の前記レーザ溶接される側の表面に形成する(1)に記載の端子の製造方法。
(3)前記スズ層を前記管展開部の前記レーザ溶接される領域に形成する(1)または(2)に記載の端子の製造方法。
(4)前記スズ層を前記管展開部の前記レーザ溶接される端部に形成する(1)から(3)のいずれか1項に記載の端子の製造方法。
(5)前記レーザ溶接は、発振波長が近赤外線領域のレーザ光を用いる(1)から(4)のいずれか1項に記載の端子の製造方法。
(6)電線と圧着接合する管体かしめ部となる管展開部を備えた端子材の前記管展開部を湾曲させて突き合わせて管体に成形し、突き合わせた部分を接合して前記管体かしめ部を形成する端子製造に用いる端子材であって、前記端子材が銅または銅合金製であり、前記管展開部上に、粒径が0.3μm以上10μm以下の高融点無機導電性粒子を10〜50%の体積分率で含有するスズ層を有してなる端子材。
(7)前記スズ層が、前記管展開部のレーザ溶接のレーザ光照射側の表面に形成されてなる(6)に記載の端子製造に用いる端子材。
(8)前記スズ層が、前記管展開部における前記レーザ溶接される領域に形成されてなる(6)または(7)に記載の端子製造に用いる端子材。
(9)電線と圧着接合する管体かしめ部を有する端子であって、前記端子を形成する端子材が銅または銅合金で作製され、前記管体かしめ部が前記端子材の管展開部を湾曲させて突き合わせた管体に成形され、前記突き合わせた部分がレーザ溶接で接合されていて、前記管展開部に配設されたスズ層に含有される粒径が0.3μm以上10μm以下の高融点無機導電性粒子がレーザ溶接により前記管体かしめ部の溶接部に含有または分散している端子
(10)(1)から(5)のいずれか1項に記載の端子の製造方法で作製された端子と、アルミニウムまたはアルミニウム合金電線とを、前記端子の管体かしめ部において圧着接続する電線の終端接続構造体の製造方法であって、前記管体かしめ部内に前記アルミニウムまたはアルミニウム合金電線を挿入し、前記管体かしめ部をかしめて前記アルミニウムまたはアルミニウム合金電線を前記管体かしめ部内に圧着接続する、電線の終端接続構造体の製造方法。
(11)(9)に記載の端子と、アルミニウムまたはアルミニウム合金電線とを、前記端子の管体かしめ部において圧着接続した電線の終端接続構造体。
(12)銅または銅合金の基材上に、粒径が0.3μm以上10μm以下の高融点無機導電性粒子を10〜50%の体積分率で含有するスズ層を有する、端子用の銅または銅合金板材。
本発明の端子の製造方法によれば、銅または銅合金同士の突き合わせ溶接による接合を、材料強度を大幅に低下させることなく、高速で溶接することを可能にして、かしめ部を管体に形成することができる。それにより、アルミニウム電線等の圧着接続において、端子の基材と電線の金属材との異種金属間腐食の防止に寄与する端子を提供することができる。
具体的には、銅または銅合金表面に特定のスズ層を形成したことで、近赤外線のレーザ光の吸収を高めることができ、かつ溶接による溶接部および熱影響部の機械特性の低下を抑えることができる。
また、本発明の端子材は、前記製造方法によって端子を製造するのに好適に用いられる。さらに、本発明の端子用の銅または銅合金板材は、前記製造方法および端子の製造に好適に用いられる材料である。
本発明の端子の好ましい一実施形態を示した斜視図である。 本発明に係る端子の管体かしめ部の長手方向断面を示した断面図である。 本発明の電線の終端接続構造体を示した斜視図である。 本発明の端子の製造中の一状態を模式的に示した斜視図である。 基材を打抜きプレスして作製したメス端子の端子材(成形前の展開した状態)を示した平面図である。 端子材を加工して管体かしめ部に成形した状態を示した斜視図である。
この発明の好ましい一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に示す実施形態は一例であり、本発明の範囲において、種々の実施形態をとり得る。
図1は本発明の製造方法で製造される端子の好ましい一実施形態である端子1を示している。この端子1は、雌型端子のボックス部20と、アルミニウム電線が挿入された後、圧着によって電線と端子1の基材とを接続する管体かしめ部30を有し、これらのボックス部20と管体かしめ部30とを連絡するトランジション部40を有する。さらに、端子1は管体かしめ部30にレーザ溶接部50(図中、斜線で示す部分)を有する。端子1は、導電性と強度を確保するために基本的に金属材料、例えば銅または銅合金等の基材で作製されている。また、レーザ溶接部50の形状は特に制限はない。レーザ溶接部50のように管体かしめ部30の長手方向に帯形状に形成するのが好ましい。
端子1を構成する端子材32(基材)は、好ましくは銅合金で形成されている。端子材32の厚さは、特に限定されないが、例えば、0.08〜0.64mmが好ましい。
端子材32の材料として、銅合金の代わりに銅(タフピッチ銅や無酸素銅など)を用いることもできる。
端子材32に用いられる銅合金の例としては、例えば、黄銅(例えば、CDA(Copper Development Association)のC2600、C2680)、りん青銅(例えば、CDAのC5210)、コルソン系銅合金(Cu−Ni−Si−(Sn,Zn,Mg,Cr)系銅合金)等が挙げられ、この内、コルソン系銅合金が好ましい。
コルソン系銅合金の例としては、これらに限定されるものではないが、例えば、古河電気工業株式会社製の銅合金FAS−680、FAS−820(いずれも商品名)、三菱伸銅製の銅合金MAX−375、MAX251(いずれも商品名)などを用いることができる。また、CDAのC7025などを用いることもできる。
前記FAS−680の合金組成の一例は、スズ(Sn)を0.15質量%、亜鉛(Zn)を0.5質量%、ニッケル(Ni)を2.3質量%、シリコン(Si)を0.55質量%、およびマグネシウム(Mg)を0.1質量%含有し、残部が銅(Cu)および不可避不純物である。
また、前記FAS−820の合金組成の一例は、スズ(Sn)を0.15質量%、亜鉛(Zn)を0.5質量%、ニッケル(Ni)を2.3質量%、シリコン(Si)を0.65質量%、マグネシウム(Mg)を0.1質量%、およびクロム(Cr)を0.15質量%含有し、残部が銅(Cu)および不可避不純物である。
また、他の銅合金組成の例としては、例えば、Cu−Sn−Cr系銅合金、Cu−Sn−Zn−Cr系銅合金、Cu−Sn−P系銅合金、Cu−Sn−P−Ni系銅合金、Cu−Fe−Sn−P系銅合金、Cu−Mg−P系銅合金、Cu−Fe−Zn−P系銅合金などを挙げることができる。
ここで、以上に記載した必須元素以外に不可避不純物を含んでいても良いことは当然である。
端子1、少なくとも管体かしめ部30の表面には、レーザ溶接前に予めスズ層(スズ合金層を含む。本発明において、Sn層ということがある。)が形成されている。Sn層のうちレーザが照射された領域に存在していたSn層、すなわち管展開部30aの端部(突き合わせ部37)に形成されていたSn層はレーザ溶接後には見かけ上表面から消失し、レーザが照射されない領域に存在していたSn層は残留する。消失したSn層を構成していた金属スズはレーザ溶接部50に溶融されて取り込まれ、また熱影響部に取り込まれ、または分散していることもある。金属スズの分散状態は、レーザ溶接の条件等によって一概に言えないが次のように考えられる。レーザ溶接部50は銅合金とめっき金属種が溶融し凝固した組織を呈する。金属スズは、例えば、Cuを主成分とする凝固組織における柱状晶、等軸晶の結晶粒界に分散した形態、結晶の界面に存在する形態などが考えられる。
一方、高融点無機導電性粒子はレーザ溶接部50に分散している。高融点無機導電性粒子の分散状態は、レーザ溶接の条件等によって一概に言えないが、例えば、レーザ溶接により溶融・凝固して形成されたCuを主成分とする凝固組織における柱状晶、等軸晶の結晶粒界に分散した形態などが考えられ、結晶粒内に取り込まれた形態が共存することも考えられる。
雌型端子1のボックス部20は、例えば雄型端子等の挿入タブの挿入を許容するボックス部である。本発明において、このボックス部の細部の形状は特に限定されない。すなわち、本発明の端子の他の実施形態ではボックス部を有さなくてもよく、例えば、前記ボックス部に替えて雄型端子の挿入タブであっても良い。また他の形態に係る端子の端部であっても良い。本明細書では、本発明の端子を説明するために便宜的に雌型端子の例を示している。どのような接続端部を有する端子であっても、トランジション部40を介し管体かしめ部30を有していれば良い。また、その管体かしめ部30に形成されたレーザ溶接部50が、管体かしめ部を構成する基材よりも軟らかいことが好ましい。
管体かしめ部30は、端子1と電線(図示せず)とを圧着接合する部位である。その一端はアルミニウム電線等の電線あるいはその導体を挿入することができる電線挿入口(導体挿入口)31を有し、他端はトランジション部40に接続されている。管体かしめ部30は、そのトランジション部40側で、例えばプレス加工等の潰し加工によって管体かしめ部30の対向する2つの管壁(通常は上下の管壁)を潰した上で、例えばレーザ溶接などの溶接加工によって閉口されて、この閉口部を底部とし前記電線もしくは導体の挿入口31で開口する「缶状」の構造を有している。端子1の基材(銅または銅合金など)とアルミニウム電線との接点に水分が付着すると、両金属の起電力の差からいずれかの金属(合金)が腐食してしまうので、管体かしめ部30は外部より水分等が侵入しないような管体構造となっている。本発明の端子のかしめ部は、管体であれば腐食に対して一定の効果が得られる為、必ずしも長手方向に対して断面が円筒である必要はなく、場合によっては断面が楕円筒や矩形筒の管体であっても良い。また、断面の径が一定である必要はなく、長手方向で断面の径が変化していても良い。
この端子1を用いれば、管体かしめ部30が管体であることにより、アルミニウム電線と端子1の基材の接点に外部からの水分の付着がなされにくくなっている。
管体かしめ部30では、管体かしめ部30を構成する端子材32とアルミニウム(アルミニウム合金)電線とが機械的に圧着接合されることにより、同時に電気的な接合を確保する。かしめ接合は、端子材32や電線(芯線)の塑性変形によって接合が行われる。したがって、管体かしめ部30は、かしめ接合をすることができるように肉厚を設計される必要があるが、人力加工や機械加工等で接合を自由に行うことができるので、特に限定されるものではない。
本発明の管体かしめ部30は、端子材32の板状の管展開部30aが突き合わされて構成されており、その突き合わせた部分(「突き合わせ部」ともいう。)37を接合してなるレーザ溶接部50を有する。すなわち、レーザ溶接部50は、管体かしめ部30の突き合わせた部分に沿って長手方向に連続的に設けられている。そして、トランジション部40から電線挿入口31にかけて直線状領域として設けられている。
また、レーザ溶接部50は、上述のように、レーザ溶接前には表面に特定のSn層が形成された管展開部30aがレーザ溶接されて生じた溶接部であり、レーザ溶接前に形成されたこの特定のSn層によって管展開部30aの、レーザ溶接の際のレーザ光の吸収が高められている。
管体かしめ部30の長手方向の断面図の一部を図2に示す。この図2ではレーザ溶接部50の表記を省略した。管体かしめ部30は、先述したとおり、銅または銅合金からなる管展開部30aにより構成されている。また、管体かしめ部30の内壁面33には、電線との接触圧を保つための、電線係止溝34aもしくは34bを有していても良い。電線の芯線であるアルミニウムおよびアルミニウム合金は、銅合金と比較すると銅の酸化膜より高い絶縁性を持つ酸化膜を表面に持つため、接続に不安がある。そこで、このような溝を設けることで、溝の山によって接圧を大きくすることが行われる。図2において、電線係止溝34aは矩形断面の溝であり、電線係止溝34bは半円形断面の溝である。このような電線係止溝は、管体かしめ部30を形成する前に、管展開部30aそのものに加工を施しておくと設けやすく、端子1を効率よく生産することができる。後述するファイバレーザや機械による切削加工等で設けることができる。なお、管体かしめ部30を形成する前に予めこのような電線係止溝を設けておくと、効率よく生産することができる。
なお、管体かしめ部30には電線挿入口31からアルミニウム電線あるいはその導体が挿入されるので、電線係止溝34aや34bはアルミニウム芯線と接触する位置に設けられることが好ましい。アルミニウム電線は、通常アルミニウム芯線(導体)とこれを覆う絶縁被覆とからなっている。そして、電線と端子の電気的接合は、先端の絶縁被覆部を除去(皮むき)したアルミニウム芯線が端子の管体かしめ部30と圧着接合されることで行われる。したがって接圧を十分に確保することが、電気的性能の維持につながるので、電線係止溝のような溝が必要となる。このような溝はセレーションとも呼ばれる。
そして、少なくとも一本以上の電線係止溝を管体かしめ部30の内面に設けることで、端子と電線とが確実に圧着されるので、長期信頼性により優れるものとすることができる。
図3に本発明の電線の終端接続構造体10を示す。終端接続構造体10は、本発明の端子1と、アルミ電線またはアルミ合金電線(電線60)とが圧着接続された構造を有している。電線の終端接続構造体10は、管体かしめ部30内にアルミ合金電線60あるいはその導体を挿入し、管体かしめ部30をかしめることで、アルミ合金電線60が管体かしめ部30内に圧着接続されている。この終端接続構造体10は、端子1と電線60が管体かしめ部30によって圧着接続されている。圧着の様態は特に限定されないが、図3では、第一の圧着縮径部35および第二の圧着縮径部36からなっている。通常、圧着接続すると、管体かしめ部30は塑性変形を起こして、元の径よりも縮径されることで、電線60との圧着接続をなす。図3に示した例では、第一の圧着縮径部35が、縮径率が一番高くなっている部分である。このように圧着接合を2段階の縮径で行ってもよく、また3段以上の縮径で行ってもよい。
なお、電線60は、絶縁被覆61と図示しないアルミニウムまたはアルミニウム合金電線の芯線とからなっている。電線60は裸線であっても良いが、防食の観点から通常は絶縁被覆された電線を用いる。
本発明の電線の終端接続構造体は、アルミニウム系材料からなる電線と銅系材料からなる端子1の基材との異種金属間腐食の防止に寄与する。また、レーザ溶接部50およびその近傍の熱影響部の機械特性は、レーザ溶接前の基材よりも低下しているものの、大きく損なうことなく、実用上、レーザ溶接部50および熱影響部の破損しない程度以上の機械特性を保持している。したがって、レーザ溶接部50および熱影響部は、製造時および使用時に破損しにくく、端子1製造時の歩留まりおよび端子1の長期信頼性に寄与する。一方で、これらレーザ溶接部50および熱影響部は、基材である端子材32よりも柔らかい焼きなまし部ともすることができるため、電線と端子の圧着箇所のスプリングバックを防ぐことができ、この点からも端子の長期信頼性に優れるものとなる。
上記スプリングバックとは、加工部分が元の形状に戻ろうとする現象である。すなわち、電線(図示せず)と圧着接合させた管体かしめ部30の変形部分が弾性力等でもとの形状に戻ろうとするため、管体かしめ部30の内面と電線との間に隙間ができてしまう。このようなスプリングバックが端子1の圧着部で起こると、電線60と端子1との接点不良を招くことは勿論、間隙に水分の侵入を許しやすくなり腐食の原因となる恐れがある。
本発明の電線の終端接続構造体10を製造する場合、管体かしめ部30のレーザ溶接部50を積極的に塑性変形させる圧着接合が好ましい。端子1の管体かしめ部30と電線60とを圧着する場合は、専用の治具やプレス加工機等で行う。このとき、管体かしめ部30の全体を縮径させても良いが、管体かしめ部30を凹型のように部分的に強加工して圧着する場合もある。このときは、レーザ溶接部50の塑性変形量が大きくなるように位置を調整すると良い。すなわち、レーザ溶接部50の直上(外側)にプレス加工時の凸部先端があたるように調整すると、レーザ溶接部50の変形量が大きくなる。このようにすると、比較的軟らかいレーザ溶接部50が塑性変形の多くを担うことができるために、スプリングバックの低減に寄与することができる。
次に、端子1の製造方法および端子1の端子材32等について説明する。本発明の端子1は管体かしめ部30を有し、この管体かしめ部30にレーザ溶接部(前記図1参照。)50を有するので、この構成を達成し得るならば製造方法は限定されるものではない。
端子1および端子材32は、好ましくは以下のようにして製造される。
銅または銅合金からなり、端子材32を打ち抜く基材の少なくとも管体かしめ部30を形成する部分(管展開部30a)の上に特定のSn層を設ける。次いで、図5に示されるように、この基材を打ち抜いて、長手方向に連なるよう(連鎖型)に端子1を平面展開した端子形状に加工して作製した複数の端子材32を得る。その後、曲げ加工によってボックス部20およびトランジション部40を形成する。このようにすると生産効率の点で好ましい。一方、基材を打ち抜いて連鎖型の端子材32を複数得た後に、管展開部30a上に特定のSn層を設ける。その後、曲げ加工によってボックス部20およびトランジション部40を形成する。このようにすると生産効率に加えてSn層の形成面積を低減できる点で好ましい。このように、めっき処理工程と打ち抜き工程の工程順は適宜選択される。なお、基材としての板材または条材の特定の領域にSn層を設けた後に、個々の端子材32に打ち抜いてもよい。
次いで、曲げ加工等によって管体展開部30の両端面30Sを湾曲させて突き合わせた突き合わせ部37をレーザ溶接して管体かしめ部30を形成する。したがって、端子形状に打ち抜かれた端子材32は、ボックス部20、トランジション部40および管体かしめ部30を曲げ加工等によって形成できる形状を一体に有していればよい。管体かしめ部30を曲げ加工等によって形成できる管展開部30aの形状としては、代表的には矩形であるが、一端が閉塞した管体を形成できる形状であれば特に限定されず、例えば、略扇形状、または矩形と略扇形状とを組み合わせた形状を有していてもよい。ボックス部20およびトランジション部40を形成可能な形状はボックス部20およびトランジション部40の形状に応じて適宜に選択される。加えて、端子材32は、管展開部30aの表面に後述する特定のSn層が形成されている。このような形状および特定のSn層を有する本発明の端子材32は、電線と圧着接合する管体かしめ部30となる管展開部30aの部分を湾曲させて突き合わせて管体に成形し、突き合わせた部分を接合して管体かしめ部30を形成する端子1の製造方法に好適に供される。
管体かしめ部30を形成するとき、平面状の管展開部30aは曲げ加工等によってC字型断面となっているので、この開放部分の端面を突き合わせてレーザ溶接することによって接合し、管体かしめ部30とする。管体かしめ部30の好ましい製造方法としては、近赤外線レーザ光を発振するファイバレーザ加工機を用いたレーザ溶接にて行う。
通常、銅合金は発振波長が近赤外線領域のレーザ光の吸収効率が悪いため、溶接幅を細くできなかったり、熱影響部(HAZ)の幅を狭くできなかったりする場合がある。また、銅合金はレーザ溶接により溶接部とその近傍の機械特性が大幅に低下することがある。そこで、レーザ溶接部50となる管展開部30aの表面に近赤外レーザ光の吸収が銅合金よりもよい特定のSn層を形成すること、およびファイバレーザ光のようなエネルギー密度が高いレーザ光を用いることで、上記課題は克服される。また、ファイバレーザ光による溶接によって、管体かしめ部30の突き合わせ部37を溶接しながら、レーザ溶接部50を焼きなまし部とすることもできる。このように、一工程で管体かしめ部30の溶接加工と焼きなまし加工を行うことができるので、効率よく端子1を製造することができる。
Sn層表面(後述する高融点無機導電性粒子を除く、Sn層を構成するSnまたはSn合金の表面)は、近赤外線レーザ光の反射が銅合金表面よりも少ないため、近赤外線レーザ光の吸収性が良い。分光光度測定法による近赤外光の反射率測定では、Sn層表面は、60〜80%程度の反射率であり、90%以上の反射率がある銅合金表面よりも低くなっている。このように近赤外レーザ光の吸収性が高いSn層を形成した領域に近赤外レーザ光が照射されると、融点の低いSn層が速やかに溶融して溶融池を形成し、これによりレーザ光の吸収がさらに高まり、その下地の管展開部30a表面が溶融し、さらにその溶融領域がレーザ光を吸収して管展開部30aの突き合わせ部分37を溶融していくことで溶接が進行する。さらに、Sn層中に高融点無機導電性粒子を含有することにより、反射率は20〜80%程度まで下げることが可能である。これにより、レーザ光がSn層でより効率よく吸収されて熱に変換され、その熱によってSn層が溶融し、その溶融したSnが溶接に寄与するため、さらに溶接性が向上する。
Sn層は、高融点無機導電性粒子を含有もしくは分散するスズからなる層である。Sn層は、高融点無機導電性粒子を含有もしくは分散していれば、所望によりSn以外の合金成分を含有して残部がSnと不可避不純物からなるスズ合金層であってもよい。高融点無機導電性粒子は、レーザ溶接によってその形態が損なわれないように、銅(融点約1085℃)または銅合金よりも高い融点を有する無機粒子であればよく、例えば、1100℃以上の融点を有する無機粒子であるのが好ましく、2000℃以上の融点を有する無機粒子であるのがさらに好ましい。高融点無機導電性粒子は、レーザが照射されると、レーザの光エネルギーを効率よく吸収してスズおよび銅合金の溶融を促進させると共に、レーザの照射後は溶融、分解および揮発することなく溶接部内に分散してその強度を保持する機能を発揮する。
このような高融点無機導電性粒子は、好ましくは上述の融点と導電性とを有していれば特に限定されず、例えば、導電性の炭素材料からなる粒子が挙げられる。導電性の炭素材料からなる粒子としては、特に限定されず、炭素の同素体、具体的には、導電性ダイヤモンド、カーボンブラック(ケッチェンブラック等を含む。)、カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンファイバー、グラファイト、グラフェン、これらのカーボンナノ粒子(CNP)等が挙げられる。導電性ダイヤモンドは、ホウ素、リン等の不純物を含むダイヤモンドであって導電性を示すものをいう。
高融点無機導電性粒子は、レーザ溶接効率および強度の点で、カーボンブラック、カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンファイバー、グラファイト、グラフェン、これらのカーボンナノ粒子(CNP)が好ましく、カーボンブラック、グラファイト、グラフェンがさらに好ましい。
高融点無機導電性粒子は、導電性を有している。高融点無機導電性粒子が導電性を有していると、レーザ溶接効率の大幅な改善等を目的として粒径を大きくしても、溶接部を含む管体かしめ部30の電気抵抗を損なうことなく端子としての導電性を確保できる。高融点無機導電性粒子の導電性は、例えば、抵抗測定器(アドバンテスト製R6552)を組み込んだ圧縮試験装置(島津製作所製微小圧縮試験機MCTW500(商品名))を用いて、高融点無機導電性粒子の粒子粉体を圧縮した状態で計測できる。
高融点無機導電性粒子は、0.3μm以上10μm以下の粒径を有している。この粒径が0.3μm以上10μm以下の範囲にあると、材料強度を大きく低下させることなく、しかも突き合せ溶接のレーザ溶接効率を高めることができる。た、高融点無機導電性粒子の粒径が0.3μm以上10μm以下の範囲にあると、レーザ溶接部を含む管体かしめ部30の電気抵抗を損なうことなく端子としての導電性を確保できる。高融点無機導電性粒子の粒径は、レーザ溶接効率および強度ならびに端子としての導電性の点で、0.3〜2μmであるのが好ましく、0.3〜1μmであるのがさらに好ましい。
ここで、高融点無機導電性粒子の粒径は、例えばレーザ光散乱粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置「LA−950」(商品名))を用いて測定し、累積分布で50%の粒径とする。なお、CNTのように粒子が繊維状等、球形でない場合は、画像解析装置として動的画像解析法粒度分布・粒子形状評価装置「QICPIC」((商品名)、Sympatec社製)を用いて100万個の最大長さ(長軸長さ)を測定し、その平均値とする。
高融点無機導電性粒子は、Sn層に10〜50%の体積分率で含有している。高融点無機導電性粒子の体積分率が10%未満であると、レーザ溶接効率を大幅に改善できず、または強度が低下することがある。一方、体積分率が50%を超えると、レーザ溶接効率の改善効果は十分に高いものの、溶接部または熱影響部の強度が大きく低下することがある。また、体積分率が10〜50%の範囲にあると、溶接部を含む管体かしめ部30の電気抵抗を損なうことなく端子としての導電性を確保できる。レーザ溶接効率の改善および強度の保持、さらに導電性確保の点で、Sn層中の高融点無機導電性粒子の体積分率は10〜50%であるのが好ましく、45〜50%であるのがさらに好ましい。高融点無機導電性粒子の体積分率は、高融点無機導電性粒子を含むSn層全体の体積に対する高融点無機導電性粒子の合計体積の割合である。高融点無機導電性粒子を含むSn層の体積はSn層の寸法から求めることができ、高融点無機導電性粒子の合計体積はSn層断面の観察から求めることができる。断面は、機械研磨や電解研磨とするのが良く、観察は、光学顕微鏡、走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)により可能である。顕微鏡写真において、高融点無機粒子とSnとはコントラストの違いで区別がつく。観察した断面に現れる高融点無機粒子の面積の割合が、全体の体積の割合と等しいとして、高融点無機粒子の体積分率を算出できる。また、10箇所程度の断面を観察して平均することで、より正確な体積割合を算出することができる。
なお、高融点無機導電性粒子がSn層から突出している場合には、高融点無機導電性粒子の、Sn層から突出している部分は高融点無機導電性粒子の合計体積に算入しない。
Sn層は、高融点無機導電性粒子の他に、絶縁性粒子を含有していてもよい。このような絶縁性粒子としては、例えば、高融点無機絶縁性粒子が挙げられる。高融点無機絶縁性粒子は、高融点無機導電性粒子と同じ範囲の融点を有する、セラミックスからなる粒子が好ましい。このような絶縁性粒子の粒径は、特に限定されないが、レーザ溶接効率の改善を重視する場合には高融点無機導電性粒子と同等の粒径を有しているのが好ましく、一方、レーザ溶接効率および強度とをバランスのよく改善することを重視する場合には10〜300nmの粒径を有しているのが好ましい。絶縁性粒子の含有率は、粒径にかかわらず、Sn層に対する体積分率が50%以下であるのが、端子としての導電性を損なわない点で、好ましい。
このような、高融点無機導電性粒子を含有するSn層は、高融点無機導電性粒子を含有させることができれば、その製法は特に限定されず、例えば、高融点無機導電性粒子を含有するめっき浴を用いためっき法によって、管展開部30aの表面に形成するのが、コストの面で好ましい。めっき法としては、電気めっき、無電解めっき、溶融めっきなどが可能である。めっき法以外にも、可能であれば、例えば、蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、化学的気相成長法、等の種々の皮膜形成技術を採用することができる。なお、形成したSn層を加熱するリフロー処理を行うこともできる。
めっき法は、任意のスズめっき液を特に制限されることなく用いることができ、例えば、高融点無機導電性粒子を含有する例えば硫酸スズ浴を用い、めっき温度70℃以下、電流密度1〜10A/dmで、実施できる。硫酸スズ浴中の、高融点無機導電性粒子の含有量は、例えば、30〜100g/Lであるのが好ましい。ただし、めっき条件はこの限りではなく適宜設定可能である。
本発明において形成されるSn層の成分組成、種類については特に制限はない。本発明に使用しうるSn層は純スズ層に限られず、スズ合金層であってもよい。スズ合金層としては、例えば、スズ−銀合金層、スズ−ニッケル合金層、スズ−銅合金層、スズ−鉛合金層、スズ−アンチモン合金層等が挙げられる。
なお、Sn層をめっき法で形成する際は、定法の前処理手段、例えば水酸化ナトリウムの水溶液におけるカソード電解脱脂、希硫酸浸漬による酸洗処理、活性化処理等を実施することで、密着性に優れためっき皮膜を形成することができる。
Sn層は、端子材32または基材における管展開部30aのレーザ光照射が行われる領域に、すなわち図4の突き合わせ部37に対応する、管展開部30aまたは管展開部30aとなる部分の長手方向の一端部または両端部(「レーザ溶接される端部」ともいう。)に、少なくとも形成されていればよい。例えば、Sn層は、レーザ溶接される端部の表面(端面30Sを含む)に、レーザ光のスポット径と同等以上の幅で形成されていればよい。
また、Sn層は、管展開部30aまたは管展開部30aとなる部分のレーザ光照射される側の表面に形成されるのが好ましい。具体的には、レーザ光照射が行われる側の表面の全面または突き合わせ部37近傍の表面に形成されるのが好ましい。Sn層を形成する場合、銅または銅合金からなる基材、例えば条材を打ち抜いて端子1を展開した形状の端子材32を形成する際に、打ち抜き加工前に、レーザ光照射が行われる部分を含むように、すなわち管体かしめ部30となる管展開部30aを含むように、Sn層をストライプ状に形成する。通常、個々の端子材32ごとにSn層の形成を行うことよりも、打ち抜き加工により1枚の基材を打ち抜いて複数の端子材32を作製するのが好ましく、このように複数の端子材32に対してまとめてSn層の形成を行うと工程数の削減になる。基材からの端子材32の打ち抜きは、Sn層が形成された部分が端子材32の管展開部30aとなるように、行われる。
また、Sn層を突き合わせ部37となる管展開部30aの端部または端面30Sに形成する場合には、端子材32をプレス打ち抜き加工した後で、端部または端面30Sをめっき浴に浸漬して、または、めっき層が不要な部分にマスクをして、めっき処理を行う。さらに、管展開部30aを一端U字状に中間成形し、その脚部をめっき液に浸漬すると、端面30Sおよびその周囲(端部)にSn層を形成できる。
このように、本発明において、本発明の上述の課題を解決するには、Sn層を、少なくとも上述のレーザ溶接される端部に形成すればよく、ボックス部20およびトランジション部40に形成しないのが好ましいが、形成することもできる。
Sn層の厚さは、0.2〜2μm、好ましくは0.3〜1μm、より好ましくは0.3〜0.5μmである。Sn層が厚すぎると、溶接部の高融点無機粒子含有量が増えすぎて脆化してしまうおそれがありとなり、薄すぎると溶接性を向上させる効果が低下する。Sn層の厚さは蛍光X線膜厚計によって測定される。
本発明においては、上述のように、高融点無機導電性粒子を含有するSn層によってレーザ光照射時に管展開部30aの溶融を始めることで、レーザ溶接効率の改善効果およびレーザ溶接部50とその近傍の強度保持効果が得られる。したがって、これら所期の効果を十分に発揮する点で、管展開部30aの表面とSn層との間に下地めっき層を形成せず、管展開部30aの表面に直接Sn層を形成するのが好ましい。
このようにして、本発明の端子材32が作製される。端子材32は、上述したような連鎖型であってもよく、別体であってもよい。
端子1を構成する端子材32の材料によって変化するため一概に言うことはできないが、表面にSn層が形成された銅合金の端子材32ならば、近赤外線レーザ光照射によって、表面のSn層がレーザ光を吸収し溶融して溶融池を形成する。さらに、その熱およびレーザ光照射によって光エネルギーが変換された熱エネルギーが伝播して、端子材32の銅合金が溶融する。レーザ照射後に溶融した金属スズおよび金属銅が凝固して、突き合わされた部分が接合され、レーザ溶接部50が形成される。したがって、端子材32が、その材料である銅または銅合金の融点以上に昇温されることでレーザ溶接部50が設けられる。具体的には管体かしめ部30の突き合わせ部37を、Sn層を含めて端子材32を銅または銅合金の融点以上沸点以下の温度に上昇させ、必要により所定時間保持してレーザ溶接を施すことで、レーザ溶接部50が形成される。通常、レーザ光は掃引されているので、掃引速度を適宜決定することで、レーザ光照射領域の温度が銅または銅合金の融点以上になるようにすればよい。好ましくは、レーザ照射によって端子材32が貫通溶融するように、レーザ光照射条件を調整する。
上記レーザ溶接では近赤外線レーザ光を用いている。近赤外線レーザ光は、発振波長が700nm〜2.5μmであり、好ましくは1000nm〜2000nmの発振波長のレーザ光を用いる。このようなレーザ光としては、イットリビウム(Yt)ドープガラスファイバレーザ光(発振波長1084nm)、エルビウム(Er)ドープガラスファイバレーザ光(発振波長1550nm)等がある。波長が1000nm程度の小さい領域のほうが反射率が低いことから、イットリビウムドープガラスファイバレーザ光がより好ましい。
上記溶接には、近赤外レーザ光を連続発振するファイバレーザ装置を用いるが、これとは異なるレーザ装置を用いた溶接により管体かしめ部30を形成しても良い。例えば、連続発振するYAGレーザ光発振装置、ガラスレーザ光発振装置等やパルス発振するレーザ光発振装置等が挙げられ、拡がり角の狭さ、レーザ光のビーム径の細さ、レーザ連続発振の安定性等からファイバレーザ発振器を用いることが好ましい。
図4は、本発明の端子1の製造中の一状態を模式的に表した図である。
図4に示すように、管展開部30aをC字型に湾曲させて管体に成形した、管展開部30aの両端面30Sの突き合わせ部37を、近赤外線の波長1084nm±5nmのレーザ光を発振するファイバレーザ溶接装置FLから発せられたレーザ光Lが溶接するように照射され、レーザ光のエネルギーが熱に変換されることによって、まず突き合わせ部37上のSn層が、次いで、その溶融熱エネルギーも伝播して、突合せ部37の基材(Cu)自体が溶融し、その後、冷却してレーザ溶接部50が設けられる。レーザ溶接部50は被溶接材料の融点以上の加熱処理によって設けることができる。ただし、ファイバレーザ光Lのエネルギーがあまりに高いと、またはエネルギー密度が低いと、熱影響部が必要以上に広範囲で形成されてしまい、極端な場合には管体かしめ部30全体が軟化してしまう。したがって、ファイバレーザ光Lは100〜400Wの出力で溶接するのが好ましい。また、掃引速度を調整することによって、レーザ溶接部50を適切な範囲に設ける。
このように、本発明の端子の製造方法においては、レーザ溶接する管展開部30aに予め高融点無機導電性粒子を含有する特定のSn層を形成し、このSn層にレーザを照射する。そうすると、上述のように、高融点無機導電性粒子は銅合金の融点よりも高い融点を有しているからレーザの光エネルギー等を吸収しても溶融も分解もすることなく粒子の状態で存在して、Sn層および銅合金の溶融を促進させる。そして、レーザ照射後は、溶融した銅合金が冷却されてなる溶接部50中に粒子形態を保持したまま残存し、分散していると考えられる。一方、レーザ照射により溶融したSnは溶接部50および熱影響部の表面に溶け込んでいると考えられる。
このようにして、管体かしめ部30が形成され、本発明の端子が製造される。
本発明の端子の製造方法においては、レーザ溶接前に端子材32、特に管展開部30aの表面に特定のSn層を形成し、レーザ溶接後の端子材32、特に管展開部30aの表面には、わずかな痕跡が認められるものの、見かけ上、Sn層は消失している。このように本発明の端子材32は、特定のSn層が形成された状態でレーザ溶接に供され、レーザ溶接されて端子として用いられる際には、少なくともレーザ溶接部50の表面には特定のSn層が見かけ上存在しない点で、上述の特許文献4〜8の端子または複合めっき材とは異なる。
本発明の端子用の銅または銅合金板材(単に、板材ということがある。)は、前記銅または銅合金からなる基材上に、好ましくはその管展開部30aの前記所定の部分に特定のSn層を有しているものである。基材の種類、高融点無機粒子の種類、Sn層と、これらの詳細および好ましい範囲などは、前述の通りである。
この板材の幅は、前記端子材32を、例えばプレス加工に打ち抜くことができる幅であれば特に制限はない。例えば、板材の幅は10〜60mm、好ましくは15〜40mmとすることができる。
ここで、本発明の板材はもっと幅狭のいわゆる条材をも包含する意味である。
以下に、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1および比較例1)
端子材32を打ち抜く基材として、古河電気工業株式会社製の銅合金FAS−680(商品名、厚さ0.25mm、H材)を用いた。
このFAS−680の合金組成は、スズ(Sn)を0.15質量%、亜鉛(Zn)を0.5質量%、ニッケル(Ni)を2.3質量%、シリコン(Si)を0.55質量%、およびマグネシウム(Mg)を0.1質量%含有し、残部が銅(Cu)および不可避不純物である。FAS−680の融点は1078℃(液相)、比熱は377J/(kg・K)、熱伝導率は170W/(m・K)、線膨張係数が17.7×10−6/K(20〜300℃)、および導電率40%IACSである。また、引張強さは600〜700N/mm、伸び(引張破断伸び、以下同様。)は15%以上、0.2%耐力は500〜600N/mm、およびビッカース硬さは160〜220Hvである。
この板材を電解脱脂、活性化処理を行った後、下記組成のSnめっき浴にて、基材表面に、表1に示す「Sn層のめっき厚」および「グラファイトの体積分率(%)」となるように、高融点無機導電性粒子(グラファイトの粒子)を含有するSn層を形成した。次いで、この基材を350℃の加熱炉で15秒加熱してリフロー処理した。このようにして特定のSn層を有する銅合金板材5を作製した。
(電解脱脂)
処理液:10%水酸化ナトリウム水溶液
処理温度:60℃
陰極電流密度:3.5A/dm
処理時間:30秒
(酸浸漬処理)
処理液:10%硫酸水溶液
処理温度:25℃
浸漬処理時間:30秒
(Snめっき処理)
処理液:硫酸スズ(SnSO)20〜100g/L、硫酸50〜200g/L、表1に示す「グラファイトの粒径」を有するグラファイト20〜120g/Lの範囲
処理温度:60℃
電流密度:2A/dm
処理時間:2〜15分でめっき厚毎に時間を調整
なお、グラファイトの濃度は、グラファイトの体積分率(表1参照。)に応じて上述の範囲内で次のように設定した。すなわち、体積分率が5%であるとき20g/L、体積分率が10%であるとき35g/L、体積分率が50%であるとき70g/L、体積分率が70%であるとき100g/L、および、体積分率が80%であるとき120g/L
このようにしてSn層を形成した銅合金板材5を、図5に示すように、打ち抜いて、その長手方向に連なるよう(連鎖型)に端子を展開した形状に加工し、複数の端子材32を作製した。さらに、図6に示すように、端子材32それぞれの管展開部30aを断面C字型に湾曲させて端面30S同士を突き合わせて突き合せ部37とした。この端子材32においてSn層は管展開部30aの表面全面に形成されていた。また、端子材32それぞれを曲げ加工してボックス部20およびトランジション部40を形成した。そして、図4を参照して説明したように、その突き合わせ部37に沿ってその両側(両端面30S)に下記条件で近赤外線レーザ光を照射するレーザ溶接によって、10mmの長さを貫通溶接することで突き合わせ部37を接合し、管体かしめ部30を作製した。また、このレーザ溶接により、管体かしめ部30に焼きなまし部も得た。
このようにして、1〜6およびc1〜c6を製造した。
レーザ溶接条件は下記の通りである。
(1)レーザ溶接装置:古河電気工業株式会社製 シングルモードファイバレーザ ASF1J221(商品名)
レーザ光の光源:Ybドープガラスファイバレーザ発振器
レーザ光発振波長:1084±5nm
レーザ光最大出力:500W(連続発振)
(2)レーザ光照射条件
レーザ光出力:400W(連続発振で使用)
レーザ光掃引速度:90〜450mm/sec.で調整
レーザ光掃引距離:10mm
全条件ジャストフォーカスでレーザ光照射(スポット径サイズ:20μm)
出力密度:380MW/cm
(溶接効率)
レーザ光掃引速度を90〜450mm/sec.の範囲で変化させてレーザ溶接した端子1〜6およびc1〜c6において、レーザ光による貫通溶接が可能な速度がどの程度の速度であったかをもって、溶接効率を、評価した。レーザ光掃引速度とレーザ光掃引時間の関係から、レーザ光掃引速度が速い場合をレーザ光掃引時間が短い、つまりレーザ溶接にかかるエネルギーが少なくて工業的観点から望ましい、と判断できる。
評価は、レーザ光掃引速度が450mm/sec.でも突き合せ部37を貫通溶接できた場合を「AAA(極めて優)」、400mm/sec.以上450mm/sec.未満で突き合せ部37を貫通溶接できた場合を「AA(優)」、300mm/sec.以上400mm/sec.未満で突き合せ部37を貫通溶接できた場合を「A(良)」、100mm/sec.以上300mm/sec.未満で突き合せ部37を貫通溶接できた場合を「B(可)」、100mm/sec.で突き合せ部37を貫通溶接できなかった場合を「C(劣)」とした。
(溶接部強度)
端子1〜6およびc1〜c6の突き合せ部37をセンターに配置し、溶接後の管体かしめ部30レーザ溶接部50。ただし、電線導体とのかしめは行っていない状態。)を互いに逆向きに引っ張り、突き合せ部37が破断するときの強度を測定した。
評価は、破断したときの引張強さが、銅合金FAS−680の基材の引張強さの90%以上であった場合を「AA(優)」、80%以上90%未満であった場合を「A(良)」、60%以上80%未満であった場合を「B(可)」、60%未満であった場合を「C(劣)」とした。
(ボックス部軽荷重接点特性)
別途作製したリフローSnめっき銅合金条に0.5mm径の半球形に張り出しを成形した模擬ディンプル1つを、前記端子1〜6およびc1〜c6の成形に用いた高融点無機導電性粒子含有スズ層を配設後であって成形加工前および未レーザ溶接の銅合金板材5(端子材32の管展開部30a)に、荷重500gfで押し付けて、接触抵抗を、四端子法を原理とする表面抵抗測定器により測定した。
評価は、測定された接触抵抗値が、0.1mΩ未満であった場合を「AA(優)」、0.1mΩ以上0.5mΩ未満であった場合を「A(良)」、0.5mΩ以上3mΩ未満であった場合を「B(可)」、3mΩ以上であった場合を「C(劣)」とした。
(圧着部導通特性)
端子1〜6およびc1〜c6と同様にして高融点無機導電性粒子含有Sn層を設けた銅合金板材5(成形加工前および未レーザ溶接)を筒状に成形して、突き合せ部をレーザ溶接して筒体を得た。その後、プレス成形により筒体の片方の端部を平らに潰して成形し、レーザ溶接によって封じた。この筒体内に導体断面積2.5mmのアルミ電線導体を挿入し、かしめて圧着接続して、電線の終端接続構造体を作製した。作製した終端接続構造体を、耐久負荷として、−40℃と120℃の温度に30分ずつ保持する温度サイクル試験を500サイクル実施した。終端接続構造体における初期抵抗値と、温度サイクル試験後の耐久後抵抗値とを、それぞれ、電圧降下測定器(ACミリオームメータ、日置製)により、四端子法にて測定した。
評価は、初期抵抗が、0.5mΩ未満で、かつ耐久後抵抗が1mΩ未満であった場合を「AA(優)」、0.5mΩ以上1mΩ未満で、かつ耐久後抵抗が1mΩ以上3mΩ未満であった場合を「A(良)」、初期抵抗が1〜3mΩで、かつ耐久後抵抗が3〜10mΩであった場合を「B(可)」、初期抵抗が3mΩ以上、または、耐久後抵抗が10mΩ以上であった場合を「C(劣)」とした。
上記各種試験結果および評価結果を表1に示す。
Figure 2014164965
表1から明らかなように、本発明例の端子1〜6は、いずれも、溶接効率および溶接部強度が優れるうえ、ボックス部の接点特性を想定したボックス部軽荷重接点特性および圧着部導通特性にも優れていた。特に、高融点無機導電性粒子含有Sn層を利用する本発明によれば、溶接部強度の改善および端子の導通性の確保に加えて、溶接効率を顕著に改善できる。
一方、グラファイトの粒径に関わらず、体積分率が10〜50%の範囲を逸脱する比較例の端子c1〜c6は、溶接部強度が劣っていた。
また、銅合金(FAS−680)の代わりに古河電気工業株式会社製の銅合金FAS−820(商品名)、三菱伸銅製の銅合金MAX251(商品名)および三菱伸銅製の銅合金MAX−375(商品名)を用いても、溶接効率、溶接部強度、ボックス部軽荷重接点特性および圧着部導通特性に関して、実施例1の端子と同様の傾向が確認された。
1 端子
5 板材
10 終端接続構造体
20 ボックス部
30 管体かしめ部
30a 管展開部
30S 端面
31 電線挿入口
32 端子材
33 管体かしめ部の内壁面
34a,34b 電線係止溝
35 第一の圧着縮径部
36 第二の圧着縮径部
37 突き合わせ部
40 トランジション部
50 レーザ溶接部
60 電線
61 絶縁被覆
FL ファイバレーザ溶接装置
L ファイバレーザ光

Claims (12)

  1. 電線と圧着接合する管体かしめ部を有する端子の製造方法であって、
    湾曲されて前記管体かしめ部を形成する管展開部を備えた端子材の銅または銅合金からなる基材を用意し、
    前記管展開部上に、粒径が0.3μm以上10μm以下の高融点無機導電性粒子を10〜50%の体積分率で含有するスズ層を形成し、
    前記管展開部を湾曲させて突き合わせて管体に成形し、
    突き合わせた部分を近赤外線レーザ光照射によるレーザ溶接によって接合して前記管体かしめ部に形成する
    各工程をこの順に有してなる端子の製造方法。
  2. 前記スズ層を前記管展開部の前記レーザ溶接される側の表面に形成する請求項1に記載の端子の製造方法。
  3. 前記スズ層を前記管展開部の前記レーザ溶接される領域に形成する請求項1または2に記載の端子の製造方法。
  4. 前記スズ層を前記管展開部の前記レーザ溶接される端部に形成する、請求項1から3のいずれか1項に記載の端子の製造方法。
  5. 前記レーザ溶接は、発振波長が近赤外線領域のレーザ光を用いる請求項1から4のいずれか1項に記載の端子の製造方法。
  6. 電線と圧着接合する管体かしめ部となる管展開部を備えた端子材の前記管展開部を湾曲させて突き合わせて管体に成形し、突き合わせた部分を接合して前記管体かしめ部を形成する端子の製造に用いる端子材であって、
    前記端子材が銅または銅合金製であり、前記管展開部上に粒径が0.3μm以上10μm以下の高融点無機導電性粒子を10〜50%の体積分率で含有するスズ層を有してなる端子材。
  7. 前記スズ層が、前記管展開部のレーザ溶接のレーザ光照射側の表面に形成されてなる請求項6に記載の端子製造に用いる端子材。
  8. 前記スズ層が、前記管展開部における前記レーザ溶接される領域に形成されてなる請求項6または7に記載の端子製造に用いる端子材。
  9. 電線と圧着接合する管体かしめ部を有する端子であって、
    前記端子を形成する端子材が銅または銅合金で作製され、
    前記管体かしめ部が前記端子材の管展開部を湾曲させて突き合わせた管体に成形され、前記突き合わせた部分がレーザ溶接で接合されていて、
    前記管展開部に配設されたスズ層に含有される粒径が0.3μm以上10μm以下の高融点無機導電性粒子がレーザ溶接により前記管体かしめ部の溶接部に含有または分散している端子。
  10. 請求項1から5のいずれか1項に記載の端子の製造方法で作製された端子と、アルミニウムまたはアルミニウム合金電線とを、前記端子の管体かしめ部において圧着接続する電線の終端接続構造体の製造方法であって、
    前記管体かしめ部内に前記アルミニウムまたはアルミニウム合金電線を挿入し、
    前記管体かしめ部をかしめて前記アルミニウムまたはアルミニウム合金電線を前記管体かしめ部内に圧着接続する、電線の終端接続構造体の製造方法。
  11. 請求項9に記載の端子と、アルミニウムまたはアルミニウム合金電線とを、前記端子の管体かしめ部において圧着接続した電線の終端接続構造体。
  12. 銅または銅合金の基材上に、粒径が0.3μm以上10μm以下の高融点無機導電性粒子を10〜50%の体積分率で含有するスズ層を有する、端子用の銅または銅合金板材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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