JP4308931B2 - SnまたはSn合金メッキ銅合金薄板およびその薄板で製造したコネクタ - Google Patents

SnまたはSn合金メッキ銅合金薄板およびその薄板で製造したコネクタ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、コネクタ、特に多ピンコネクタを作るためのSnまたはSn合金を仕上げメッキしたSnまたはSn合金メッキ銅合金薄板およびそのSnまたはSn合金メッキ銅合金薄板で製造したコネクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、コネクタはCu−Zn合金(例えば、C2600)、Cu−Sn−P合金(例えば、C5191)、Mg:0.3〜2重量%、P:0.001〜0.1重量%を含有し、残りがCuおよび不可避不純物からなる組成を有する銅合金などの銅合金薄板を切断して条とし、これをプレス加工、打抜き加工、曲げ加工などの金属加工を施すことにより作製される。この場合、得られたコネクタの良好な接触性や熱安定性を得るとともに経済性を目的に銅合金条の段階でSnまたはSn合金、Sn−Pb合金などのSn合金メッキを施したり、あるいは最終的に加工を施した後SnまたはSn合金、Sn−Pb合金などのSn合金メッキを施すことが多く行われている。
【0003】
この時のSnまたはSn合金メッキ仕上げ層は、銅合金薄板の上にCu下地層を形成し、このCu下地層の上に電気メッキ法により形成される。さらに、Cuの下地層を形成することなく、銅合金薄板の上に直接電気メッキ法によりSnまたはSn合金メッキ仕上げ層を形成することも行われている。この電気メッキによりSnまたはSn合金メッキ仕上げ層を形成した銅合金薄板は、さらにリフロー処理を施すことによりSnまたはSn合金メッキ仕上げ層の表面部を溶融させると共に、銅合金薄板の上のCu下地層とSnまたはSn合金メッキ仕上げ層の間または銅合金薄板とSnまたはSn合金メッキ仕上げ層の間に拡散合金層を形成して仕上げられる。また、銅合金薄板をCuの下地層を形成することなく直接溶融したメッキ浴に銅合金薄板を通す溶融メッキ法を施すことによりSnまたはSn合金メッキ銅合金薄板を製造することも知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年、電気・電子回路部品は、多機能化に伴って回路数が増大し、これら回路を供給するコネクタも多極化が進み、ピン数も20以上ある多ピンコネクタの需要が増大してきている。例えば、自動車の組み立て工程では、人力によるコネクタの装着工程が必要とされるが、多ピン化に伴う挿入力の増大が作業員の疲労をもたらし、大きな問題になってきている。そのため挿入力の小さな多ピンコネクタが求められているが、挿入力を小さくすると離脱しやすくなって装着性が不安定となる。
また、これら多ピンコネクタは自動車のエンジン廻りのような高温で振動のある環境下で使用されることがあるが、高温に長時間さらされても接触抵抗が増大することがなく、さらに把持力が変化せず、エンジンなどの振動により外れることのない安定した装着を確保できるコネクタも求められている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは、かかる観点から、多ピンコネクタであっても装着しやすく、かつ自動車のエンジン廻りのような高温で振動のある環境下で使用しても接触抵抗が増大することがなく、また外れることのない優れた接続強度を示す多ピンコネクタを得るべく研究を行った結果、
(a)SnまたはSn合金メッキ銅合金薄板で作製したコネクタの特性は、SnまたはSn合金メッキ銅合金薄板に形成された拡散合金層の状態に大きく影響され、拡散合金層は、SnまたはSn合金メッキ仕上げ層に接する側に溝が形成されて溝により粒状区画に区切られた構造を有すると、このSnまたはSn合金メッキ銅合金薄板で作製したコネクタは挿入力が小さく、かつ離脱力が大きくて振動のある環境下で使用しても離脱することがなく、優れた特性を示す、
(b)前記SnまたはSn合金メッキ仕上げ層に接する側の拡散合金層の溝により多数の粒状区画に区切られた粒状区画は、CuとSnを主成分とする拡散合金層の場合は平均粒径:1.3〜4.5μmの範囲内の大きさを有することが好ましい、
(c)前記銅合金薄板は、通常のCu−Zn合金(例えば、C2600)、Cu−Sn−P合金(例えば、C5191)など、コンタクトピンに使用される銅合金薄板であればいかなる銅合金薄板であっても良いが、特にNi:0.5〜3重量%、Si:0.08〜0.7重量%、Sn:0.1〜0.9重量%、Zn:0.1〜3重量%、Fe:0.007〜0.25重量%、P:0.001〜0.2重量%、Mg:0.0003〜0.2重量%、Pb:0.001〜0.01重量%を含有し、さらにCr、Li、In、Ba、Pd、Au、Pt、RhおよびIrのうちの1種または2種以上を合計で0.0002〜0.05重量%を含有し、残りがCuおよび不可避不純物からなる組成を有する銅合金からなる銅合金薄板であると、自動車のエンジン廻りのような高温で振動のある環境下で使用しても接触抵抗および把持力が変化せず、エンジンなどの振動により離脱することのない安定した装着を確保できる、という知見を得たのである。
【0006】
この発明は、かかる知見にもとづいてなされたものであって、
(1)銅合金薄板、銅合金薄板の上に形成されたCu下地層、Cu下地層の上に形成されたCuとSnを主成分とする拡散合金層、CuとSnを主成分とする拡散合金層の上に形成されたSnまたはSn合金メッキ仕上げ層からなり、前記CuとSnを主成分とする拡散合金層は、SnまたはSn合金メッキ仕上げ層に接する側が溝により粒状区画に区切られた構造を有し、その粒状区画の大きさは平均粒径:1.3〜4.5μmの範囲内にあるコネクタ製造用SnまたはSn合金メッキ銅合金薄板、
(2)銅合金薄板、銅合金薄板の上に形成されたCuとSnを主成分とする拡散合金層、CuとSnを主成分とする拡散合金層の上に形成されたSnまたはSn合金メッキ仕上げ層からなり、前記CuとSnを主成分とする拡散合金層は、SnまたはSn合金メッキ仕上げ層に接する側が溝により粒状区画に区切られた構造を有し、その粒状区画の大きさは平均粒径:1.2〜4.1μmの範囲内にあるコネクタ製造用SnまたはSn合金メッキ銅合金薄板、に特徴を有するものである。
また、(1)においては、前記拡散合金層の平均厚さが0.57〜1.07μmであり、(2)においては、前記拡散合金層の平均厚さが0.50〜0.96μmであるものとしてもよい。
【0007】
この発明のSnまたはSn合金メッキ銅合金薄板を構成する銅合金薄板は、通常のコネクタを作るためのSnまたはSn合金メッキ銅合金薄板に使用するCu−Zn合金(例えば、C2600)、Cu−Sn−P合金(例えば、C5191)、Mg:0.3〜2重量%、P:0.001〜0.1重量%を含有し、残りがCuおよび不可避不純物からなる組成を有する銅合金薄板などいかなる種類の銅合金薄板も使用することができるが、特に、Ni:0.5〜3重量%、Si:0.08〜0.7重量%、Sn:0.1〜0.9重量%、Zn:0.1〜3重量%、Fe:0.007〜0.25重量%、P:0.001〜0.2重量%、Mg:0.0003〜0.2重量%、Pb:0.001〜0.01重量%を含有し、さらにCr、Li、In、Ba、Pd、Au、Pt、RhおよびIrのうちの1種または2種以上を合計で0.0002〜0.05重量%を含有し、残りがCuおよび不可避不純物からなる組成を有する銅合金からなる銅合金薄板を使用すると、熱的安定性に優れたSnまたはSn合金メッキ銅合金薄板が得られ一層好ましい。
【0008】
従って、この発明は、
前記SnまたはSn合金メッキ銅合金薄板において、前記銅合金薄板は、Ni:0.5〜3重量%、Si:0.08〜0.7重量%、Sn:0.1〜0.9重量%、Zn:0.1〜3重量%、Fe:0.007〜0.25重量%、P:0.001〜0.2重量%、Mg:0.0003〜0.2重量%、Pb:0.001〜0.01重量%を含有し、さらにCr、Li、In、Ba、Pd、Au、Pt、RhおよびIrのうちの1種または2種以上を合計で0.0002〜0.05重量%を含有し、残りがCuおよび不可避不純物からなる組成を有する銅合金からなるコネクタ製造用SnまたはSn合金メッキ銅合金薄板、に特徴を有するものである。
【0009】
さらにこの発明は、SnまたはSn合金メッキ銅合金薄板で作られたコネクタも含むものである。従って、この発明は、
前記SnまたはSn合金メッキ銅合金薄板で作られたコネクタ、に特徴を有するものである。
【0010】
この発明のSnまたはSn合金メッキ銅合金薄板のSnまたはSn合金メッキ仕上げ層側の溝により区画された粒状区画を有する拡散合金層は、銅合金薄板、銅合金薄板の上に形成されたCu下地層の上にSnまたはSn合金メッキ仕上げ層を電気メッキ法により形成し、ついで、通常より高い温度でリフロー処理を施すことにより製造することができる。前記Sn合金メッキ仕上げ層のSn合金は、いかなる組成のSn合金であってもよいが、Pb:3〜50重量%を含有し、残りがSnおよび不可避不純物からなるSnハンダ、またはCu:1〜10重量%を含有し、残りがSnおよび不可避不純物からなるSnハンダであることが好ましい。メッキ仕上げ層がSnである場合、拡散合金層は二元系のCu−Sn合金で構成されるが、メッキ仕上げ層がSn合金である場合、CuとSnを主成分とする三元系以上の合金で構成される。この銅合金薄板、銅合金薄板の上に形成されたCu下地層とSnまたはSn合金メッキ仕上げメッキ層との間に形成された拡散合金層は、通常、SnまたはSn合金メッキ仕上げメッキ層よりも硬く、挿入力を低める意味からコネクタ用SnまたはSn合金メッキ銅合金薄板に欠くことのできない構成である。
【0011】
この発明の前記SnまたはSn合金メッキ銅合金薄板の拡散合金層に形成された粒状区画について図面に基づいてさらに詳細に説明する。
【0012】
図1は、前記(1)記載のこの発明のSnメッキ銅合金薄板の断面説明図である。前記(1)記載のこの発明のSnメッキ銅合金薄板は、図1に示されるように、銅合金薄板1、銅合金薄板1の上に形成されたCu下地層8、溝4により区画された粒状区画5を有するCuとSnを主成分とする拡散合金層2、並びにSnまたはSn合金メッキ仕上げ層3から構成されている。前記溝4により区画された粒状区画5を有するCuとSnを主成分とする拡散合金層2は、これを平面状態で見ると、図3に示されるように、溝4により区画された敷石状態または地割れ状態の粒状区画5を有している。図3の説明は、後で詳述する。
【0013】
この敷石状態または地割れ状態の粒状区画5が大きいSnメッキ銅合金薄板であるほどコネクタ材として使用した場合にコネクタの特性が優れたものとなるが、その大きさは平均粒径で5μmを越えるほど大きな粒状区画を形成することは難しく、一方、粒状区画の大きさが平均粒径で0.1μm未満では粒状区画形成による効果が十分に現れない。従って、粒状区画の大きは平均粒径:0.1〜5μmに定めた。粒状区画の大きの一層好ましい範囲は平均粒径:0.3〜3μmである。
【0014】
図4は、前記()記載のこの発明のSnメッキ銅合金薄板の断面説明図である。前記()記載のこの発明のSnメッキ銅合金薄板は、銅合金薄板1の上に(Cu下地層を形成することなく)直接、溝4により区画された粒状区画5を有するCuとSnを主成分とする拡散合金層2が形成され、その上にSnまたはSn合金メッキ仕上げ層3が形成されている。銅合金薄板1の上に直接形成された溝4により区画された粒状区画5を有するCuとSnを主成分とする拡散合金層2の構成は、前記(1)記載のこの発明のSnメッキ銅合金薄板と同じ敷石状態または地割れ状態の粒状区画5を有することが確認されたので、拡散合金層2の平面状態図の記載は省略した。また前記()記載のこの発明のSnメッキ銅合金薄板の拡散合金層2に形成される粒状区画5の大きは、前記(1)記載のこの発明のSnメッキ銅合金薄板と同じく、平均粒径:0.1〜5μmの範囲内にあることが好ましく、平均粒径:0.3〜3μmの範囲内にあることが一層好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
表1〜表2に示される成分組成を有する板厚:0.3mmの銅合金板A〜Hを用意した。
【0016】
【表1】
Figure 0004308931
【0017】
【表2】
Figure 0004308931
【0018】
実施例1
表1に示される銅合金板A〜Hをアルカリ脱脂、電解脱脂および酸洗いした後、下記の条件により、表3〜表4に示される厚さのCu下地メッキを行い、さらに表3〜表4に示される厚さのSn仕上げメッキまたは90%Sn−10%Pb仕上げメッキを行い、ついで還元雰囲気中、表3〜表4に示される条件のリフロー処理を行うことにより、表3〜表4に示される平均粒径を有する粒状区画および平均厚さからなる拡散合金層を形成した本発明Snメッキ銅合金薄板(以下、本発明薄板という)1〜11および比較Snメッキ銅合金薄板(以下、比較薄板という)1〜2を作製した。
【0019】
a.Cu下地メッキ条件
メッキ浴組成:硫酸銅250g/l、硫酸60g/l、塩素イオン50g/l、添加剤2g/l、
メッキ浴温度:30℃、
電流密度:3A/dm2
【0020】
b.Sn仕上げメッキ条件
メッキ浴組成:硫酸第一錫40g/l、硫酸110g/l、クレゾールスルホン酸25g/l、添加剤7g/l、
メッキ浴温度:20℃、
電流密度:3A/dm2
【0021】
c.90%Sn−10%Pb仕上げメッキ条件
メッキ浴組成:ホウフッ化第一錫200g/l、ホウフッ化鉛20g/l、ホウフッ化水素酸235g/l、添加剤30g/l、
メッキ浴温度:25℃、
電流密度:2A/dm2
【0022】
なお、得られた本発明薄板1〜11および比較薄板1〜2の下地メッキ層、拡散合金層および仕上げメッキ層の厚さは、電解式膜厚計により測定すると共に、補助的に蛍光X線膜厚計、断面のSEM観察およびEPMAによる観測などの手段を用いて測定した。さらに拡散合金層の粒状区画の寸法は、本発明薄板1〜11および比較薄板1〜2の仕上げメッキ層を電解法により除去して表面に拡散合金層を露出させ、拡散合金層の露出面を電子顕微鏡により二次電子像を撮り、この組織写真により測定した。この発明の拡散合金層の構成を一層理解しやすくするために、本発明薄板1の拡散合金層を平面から見た粒状区画の電子顕微鏡組織写真を図2に示し、さらにその写生図を図3に示した。図2の電子顕微鏡組織写真によると、CuとSnを主成分とする拡散合金層2は溝4により区画されて敷石状態または地割れ状態の粒状区画5が形成されていることが分かる。
【0023】
【表3】
Figure 0004308931
【0024】
【表4】
Figure 0004308931
【0025】
本発明薄板1〜11および比較薄板1〜2を用い、図に示される形状の雄コネクタ6および雌コネクタ7を作製し、雄コネクタ6を雌コネクタ7に挿入したのち、雄コネクタ6を雌コネクタ7から引き抜き、挿入する時の最大荷重および引き抜く時の最大荷重をそれぞれ10回測定し、その平均値をそれぞれ挿入力および離脱力として表5に示した。
【0026】
【表5】
Figure 0004308931
【0027】
表1〜表5に示される結果から、本発明薄板1〜11で作られたコネクタは、いずれも挿入力が3.5(N)以下でかつ離脱力が3.8(N)以上になっており、適正な設計を行うことにより、挿入力が小さくかつ挿入後離脱することのない安定した多ピンコネクタが得られることが分かる。しかし、この発明の範囲から外れた比較薄板1〜2で作られたコネクタは、挿入力が大き過ぎる不具合が生じ、多ピンコネクタとして安定性に問題があることが分かる。
【0028】
実施例2
表1〜表2に示される銅合金板A〜Hをアルカリ脱脂、電解脱脂および酸洗いした後、銅合金板A〜Hの上に実施例1で行った条件と同じ条件により、表6〜表7に示される平均厚さのSn仕上げメッキまたは90%Sn−10%Pb仕上げメッキを行い、ついで還元雰囲気中、表6〜表7に示される条件のリフロー処理を行うことにより、表6〜表7に示される寸法の粒状区画を有するCuとSnを主成分とする拡散合金層をもった本発明薄板12〜22および比較薄板3〜4を作製した。
【0029】
【表6】
Figure 0004308931
【0030】
【表7】
Figure 0004308931
【0031】
得られた本発明薄板12〜22および比較薄板3〜4について、実施例1と同様にして図に示される形状の雄コネクタ6および雌コネクタ7を作製し、挿入力、離脱力を測定し、その結果を表8に示した。
【0032】
【表8】
Figure 0004308931
【0033】
表1〜表2および表6〜表8に示される結果から、本発明薄板12〜22で作られたコネクタは、いずれも挿入力が3.5(N)以下、離脱力が3.8(N)以上であることが分かる。しかし、この発明の範囲から外れた比較薄板3〜4で作られたコネクタは、挿入力が大きくなることが分かる。
【0034】
【発明の効果】
上述のように、この発明のSnメッキ銅合金薄板は、比較Snメッキ銅合金薄板と比べてコネクタ板材として優れており、この発明のSnメッキ銅合金薄板で作製したコネクタは、雄コネクタを雌コネクタに挿入する時の挿入力が小さいところからコネクタの挿入作業がやりやすく、離脱力が大きく、従って、優れたコネクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明のSnメッキ銅合金薄板の断面説明図である。
【図2】 この発明のSnメッキ銅合金薄板のCuとSnを主成分とする拡散合金層を平面から見た電子顕微鏡組織写真である。
【図3】 この発明のSnメッキ銅合金薄板のCuとSnを主成分とする拡散合金層を平面から見た電子顕微鏡による組織の写生図である。
【図4】 この発明のSnメッキ銅合金薄板の断面説明図である。
【図5】 雄コネクタを雌コネクタに挿入した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 銅合金薄板、
2 CuとSnを主成分とする拡散合金層、
3 SnまたはSn合金メッキ仕上げ層、
4 溝、
5 粒状区画、
6 雄コネクタ
7 雌コネクタ
8 Cu下地層

Claims (6)

  1. 銅合金薄板、銅合金薄板の上に形成されたCu下地層、Cu下地層の上に形成されたCuとSnを主成分とする拡散合金層、CuとSnを主成分とする拡散合金層の上に形成されたSnまたはSn合金メッキ仕上げ層からなり、前記CuとSnを主成分とする拡散合金層は、SnまたはSn合金メッキ仕上げ層に接する側が溝により粒状区画に区切られた構造を有し、その粒状区画の大きさは平均粒径:1.3〜4.5μmの範囲内にあることを特徴とするコネクタ製造用SnまたはSn合金メッキ銅合金薄板。
  2. 前記拡散合金層の平均厚さが0.57〜1.07μmであることを特徴とする請求項1記載のコネクタ製造用SnまたはSn合金メッキ銅合金薄板。
  3. 銅合金薄板、銅合金薄板の上に形成されたCuとSnを主成分とする拡散合金層、CuとSnを主成分とする拡散合金層の上に形成されたSnまたはSn合金メッキ仕上げ層からなり、前記CuとSnを主成分とする拡散合金層は、SnまたはSn合金メッキ仕上げ層に接する側が溝により粒状区画に区切られた構造を有し、その粒状区画の大きさは平均粒径:1.2〜4.1μmの範囲内にあることを特徴とするコネクタ製造用SnまたはSn合金メッキ銅合金薄板。
  4. 前記拡散合金層の平均厚さが0.50〜0.96μmであることを特徴とする請求項3記載のコネクタ製造用SnまたはSn合金メッキ銅合金薄板。
  5. 前記銅合金薄板は、Ni:0.5〜3重量%、Si:0.08〜0.7重量%、Sn:0.1〜0.9重量%、Zn:0.1〜3重量%、Fe:0.007〜0.25重量%、P:0.001〜0.2重量%、Mg:0.0003〜0.2重量%、Pb:0.001〜0.01重量%を含有し、さらにCr、Li、In、Ba、Pd、Au、Pt、RhおよびIrのうちの1種または2種以上を合計で0.0002〜0.05重量%を含有し、残りがCuおよび不可避不純物からなる組成を有する銅合金からなる銅合金薄板であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のコネクタ製造用SnまたはSn合金メッキ銅合金薄板。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載のコネクタ製造用SnまたはSn合金メッキ銅合金薄板で作られたコネクタ。
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