JP6944301B2 - 建築資材の製造方法及び建築資材 - Google Patents
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Description
表面にシーラー塗料の塗膜が不均一な厚みで設けられ、且つ表面に不均一なエフロレッセンスが生じている。
図1に示すように、本実施形態に係る建築資材1は、成形体10を含む。建築資材1は、建築物の外装材として使用してもよく、建築物の内装材として使用してもよい。すなわち、建築物の屋内側に露出する面に建築資材1を設置してもよく、建築物の屋外側に露出する面に建築資材板1を設置してもよい。
以下、本実施形態の建築資材1を製造する方法を、工程毎に説明する。
まずセメント系成形材料を用意する。セメント系成形材料は、例えばセメント、シリカ質を含む混和材、補強繊維、増量材、水等を混合することによって得られる。 シリカ質を含む混和材は、例えばSiO2含有率が70質量%以上であるとともにブレーン値が3000cm2以上のケイ石粉、前記以外のケイ石粉、シリカパウダー、高炉水砕スラグ、フライアッシュ、パルプスラッジ焼却灰、及び汚泥焼却灰からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有する。
次に、図2Aに示すように、セメント系成形材料を成形して成形体10を作製する。成形方法は、例えば、ロール加圧成形、押出成形、注型成形、抄造成形等から選択される。成形体10の形状は、特に限定されないが、例えば板状である。
次に、成形体10を養生する。一次養生では、常温養生を行うことができる。
次に、図2Bに示すように、成形体10の表面にシーラー塗料を塗布する。これによりシーラー塗料の層11が形成される。シーラー塗料は、成形体の上面のみに塗布してもよく、成形体の上面と下面の両方に塗布してもよく、成形体の上面、下面、及び側面を含む全面に塗布してもよい。シーラー塗料の塗布方法は、例えば、シャワーコート、スプレーガン、ロールコーター、フローコーター、及びカーテンコーターからなる群から選択される。シーラー塗料の塗布方法は、特にシャワーコートであることが好ましい。例えば図2Bに示すように、成形体10を搬送しながら成形体10の表面にシーラー塗料をシャワーコートで塗布することにより、シーラー塗料の層11を形成することができる。
次に、図2Cに示すように、成形体10の表面のシーラー塗料にエアーを吹き付ける。詳細には、成形体10を搬送しながら、シーラー塗料の層11に吹き付けノズル2からエアーを吹き付ける。これにより、成形体10の表面に付着したシーラー塗料の塗布量を減少させることができ、シーラー塗料の層11に厚みが大きい領域と小さい領域とを形成することができる。エアー吹き付けの際には、エアーの圧力、吹き付けノズル2と成形体10との間隔、エアーを吹き付ける角度等によって、取り除かれるシーラー塗料の量は変化する。また建築資材の表面の領域によっても取り除かれるシーラー塗料の量は異なる。また図2Cに示すように、成形体10を搬送しながらエアーを吹き付ける場合には、成形体の搬送速度によっても取り除かれるシーラー塗料の量が異なる。勿論、シーラー塗料を、部分的に完全に取り除いてもよい。このため、エアーの吹き付けによって、シーラー塗料の塗布量を不均一にすることができる。エアーの吹き付けの条件は、例えば吹き付けノズルと成形体との間隔が1.5cm、エアーの圧力が150kg/m2であることが好ましい。
次に成形体10をオートクレーブ養生する。これにより、成形体10を硬化させることができると共に、シーラー塗料の層11を硬化させて塗膜101を形成することができ、更に成形体10表面にエフロレッセンスを生じさせることができる。効果的にエフロレッセンスを生じさせる観点から、オートクレーブ養生の条件は、160℃以上180℃以下、0.5MPa以上0.9MPa以下、8時間以上13時間以下の条件であることが好ましい。
表1に示す各材料を表1に示す割合で混合することにより、セメント系成形材料を調整した。
成形体の表面にシーラー塗料を塗布しなかったこと以外は、実施例1〜6と同様にして建築資材を作製した。
シーラー塗料に対するエアー吹き付けを行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして建築資材を作製した。
実施例1〜6及び比較例1〜2の建築資材の表面に生じたエフロレッセンスを、以下の基準で評価した。その結果を下記の表1に示すと共に、実施例1〜6及び比較例1の建築資材の写真を図3に示す。また比較例2の建築資材では、エフロレッセンスが生じておらず、経年変化したセメント系の建築資材のような自然な風合いが表現されなかった。
10 成形体
101 塗膜
Claims (5)
- 成形体の表面にシーラー塗料を不均一に塗布し、前記成形体を養生硬化させ、
前記表面にエフロレッセンスを不均一に生じさせる、
ことを特徴とする建築資材の製造方法。 - 前記成形体の表面の前記シーラー塗料にエアーを吹き付けて、前記シーラー塗料の塗布量を不均一にする、
請求項1に記載の建築資材の製造方法。 - 前記成形体が、セメント系材料からなると共に、前記シーラー塗料が、アクリル樹脂を含む、
請求項1または2に記載の建築資材の製造方法。 - 前記シーラー塗料に含まれるアクリル樹脂の濃度が0.5%以上5.0%以下である、
請求項3に記載の建築資材の製造方法。 - 表面にシーラー塗料の塗膜が不均一な厚みで設けられ、且つ表面に不均一なエフロレッセンスが生じている、
建築資材。
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