JP6888945B2 - 窯業系建築板及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、セメントを含有する組成物からなる成形体の養生硬化物である窯業系建築板及びその製造方法に関する。
従来、セメントを含有する組成物から作製された無機質セメント板は、建築板として広く用いられている(特許文献1参照)。
建築物の意匠性向上の要請により、建築板には種々の塗装が施されることが多いが、自然の風合いを有する模様を塗装で形成しようとすると、塗装に要する手間がかかり、更に人工的に形成された模様であることが観察者に容易に看破されてしまう。
特開平5−200714号公報
本発明の目的は、塗装によらない模様であって、自然の風合いを有するとともに人工物であることが看破されにくい模様を有する窯業系建築板、及びその製造方法を提供することである。
本発明に係る窯業系建築板は、セメントを含有する組成物からなる成形体の養生硬化物である窯業系建築板であり、前記窯業系建築板の外面は、エフロレッセンスで構成された模様を有する。
本発明に係る窯業系建築板において、前記外面全体に対する、前記エフロレッセンスが占める割合は、10%以上95%未満の範囲内であることが好ましい。
本発明に係る窯業系建築板において、前記窯業系建築板中のSiのモル量に対する、前記窯業系建築板中のCaのモル量の比の値は、0.5〜0.9の範囲内であることが好ましい。
本発明に係る窯業系建築板において、前記エフロレッセンスは、前記組成物の養生硬化時に生成したものであることが好ましい。
本発明に係る窯業系建築板において、前記窯業系建築板は、前記模様の一部を構成する化粧材を含有することが好ましい。
前記化粧材は、コーヒー豆かすとガラス破砕粉とのうち少なくとも一方を含有することが好ましい。
本発明に係る窯業系建築板の製造方法は、セメントを含有する組成物からなる成形体の養生硬化物である窯業系建築板の製造方法であり、前記成形体を養生硬化させる際に前記養生硬化物の外面にエフロレッセンスを生成させて前記エフロレッセンスから構成された模様を形成する養生工程を含む。
本発明に係る窯業系建築板の製造方法において、前記養生工程において、前記成形体の外面上にシーラーが塗布されておらず、又は前記成形体の外面上におけるシーラーの塗布量が250g/m2未満であることが好ましい。
本発明に係る窯業系建築板の製造方法は、前記組成物に前記模様の一部を構成する化粧材を含有させることを含むことが好ましい。
本発明に係る窯業系建築板は、エフロレッセンスで構成される、塗装によらない模様を有することから、この模様は自然な風合いを有し、しかも観察者からはこの模様が人工的であるとは看破されにくい。
本発明に係る窯業系建築板の製造方法では、エフロレッセンスで構成される、塗装によらない模様を有する窯業系建築板を容易に製造できる。
図1Aは実施例10の窯業系建築板の外面を示す写真であり、図1Bは実施例13の窯業系建築板の外面を示す写真である。
以下、本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態に係る窯業系建築板は、セメントを含有する組成物からなる成形体の養生硬化物である。窯業系建築板の外面は、エフロレッセンスで構成された模様を有する。
この窯業系建築板は、塗装によらない、エフロレッセンスで構成された模様を有する。エフロレッセンスは、白っぽい外観を有し、窯業系建築板の外面に不規則に分布する。そのため、エフロレッセンスで構成された模様は自然な風合いを有し、観察者からはこの模様が人工的であるとは看破されにくい。
なお、本実施形態において、窯業系建築板の外面とは、窯業系建築板が建築物に設置された場合に外部に露出する面である。また、後述する成形体の外面とは、成形体における、窯業系建築板の外面と対応する面である。
窯業系建築板の外面全体に対する、エフロレッセンスが占める割合は、10%以上95%未満の範囲内であることが好ましい。この割合が10%以上であれば、エフロレッセンスは、観察者によって、染み、汚れなどの欠陥として認識されにくく、そのためエフロレッセンスが模様を構成する要素として認識されやすい。また、この割合が95%未満であれば、外面がほぼ単一色に見えるようなことがなくなり、そのため、エフロレッセンスが模様を構成する要素として認識されやすい。
窯業系建築板の構成及びその製造方法について、更に詳しく説明する。この製造方法は、セメントを含有する組成物からなる成形体の養生硬化物である窯業系建築板の製造方法であり、成形体を養生硬化させる際に養生硬化物の外面にエフロレッセンスを生成させてエフロレッセンスで構成された模様を形成する養生工程を含む。
窯業系建築板の製造方法の第一の例について説明する。
まずセメントを含有する組成物(以下、セメント組成物という)を準備する。
セメント組成物は、例えばセメント、シリカ質を含む混和材、補強繊維、軽量骨材、増量材、水等を含有できる。シリカ質を含む混和材は、例えばSiO2含有率が70質量%以上であるとともにブレーン値が3000cm2以上のケイ石粉、前記以外のケイ石粉、シリカパウダー、高炉水砕スラグ、フライアッシュ、パルプスラッジ焼却灰、及び汚泥焼却灰からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有する。補強繊維は、例えばパルプ、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、及びロックウールからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有する。補強繊維は、使用済み紙コップなどの紙製廃材を解繊して得られる繊維を含んでもよい。軽量骨材は、パーライト、回収セメント製品の破砕物などを含有できる。増量材は、例えばマイカ、ワラストナイト、バーミキュライト、タルク、及び炭酸カルシウムからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有する。増量材はマイカを含有することが好ましい。マイカの平均粒径は50μm以上150μm未満の範囲内であることが好ましく、マイカのアスペクト比は80〜150の範囲内であることが好ましい。
セメント組成物中の固形分100質量部に対し、セメントの量は例えば25〜45質量部の範囲内、シリカ質を含む混和材の量は例えば15〜67質量部の範囲内、補強繊維の量は例えば4〜10質量部の範囲内、軽量骨材の量は例えば0〜30質量部の範囲内、増量材の量は例えば4〜12質量部の範囲内である。
セメント組成物中の固形分量に対する水の量の比の値(水の量/固形分量)は、5/95〜30/70の範囲内であることが好ましい。
また、セメント組成物中のSiのモル量に対する、セメント組成物中のCaのモル量の比の値(Caのモル量/Siのモル量)は、0.5〜0.9の範囲内であることが好ましい。すなわち、Siのモル量に対するCaのモル量の比の値が0.5〜0.9の範囲内となるように、セメント組成物中の成分の種類及び量が決定されることが好ましい。
セメント組成物は、化粧材を含有してもよい。この場合、化粧材が、窯業系建築板の外面の模様の一部を構成できる。すなわち、エフロレッセンスと化粧材とが模様を構成できる。化粧材は、有機質の材料であっても、無機質の材料であってもよい。有機質の材料の例は、植物の実若しくは種子又はそれらを覆う殻、また、それらの形状をできるだけ保持して炭化させたものや前記炭化させたものを粉砕したものなどを含み、例えば、コーヒー豆かす、モミガラの炭化処理品などが挙げられる。無機質の材料の例はガラス破砕粉を含む。例えば化粧材は、コーヒー豆かすとガラス破砕粉とのうち少なくとも一方を含む。化粧材の量は、窯業系建築板の外面に付与する模様に応じて適宜決定される。セメント組成物が有機質の材料を含有する場合、セメント組成物は撥水剤を更に含有することが好ましい。この場合、有機質の材料の腐食及び変質を抑制することができ、これにより模様の変化を抑制できる。
セメント組成物を板状に成形して、成形体を作製する。そのための成形方法は、例えば抄造法であるが、これに限られず、例えば押出成形法又は注型成形法でもよい。
養生工程の前に、成形体にプレス加工を施してもよい。プレス加工の条件は、例えばプレス圧2.9〜11.8MPa(30〜120kg/cm2)、時間3〜30秒である。
養生工程では、この成形体を養生することで硬化させる。養生の方法は、例えばオートクレーブ養生法、蒸気養生法、常温養生法、又はこれらのうちの二種以上の組み合わせである。特に養生の方法が蒸気養生法を含む場合には、析出物を生成させやすい。本実施形態における養生の方法の一具体例では、まず成形体を40〜90℃、90〜100%RH、4〜24時間の条件で蒸気養生法により養生してから、140〜200℃、2〜12時間の条件でオートクレーブ養生法により養生する。
このように成形体を養生して硬化させることで、窯業系建築板を作製できる。また、この養生時に、成形体の外面に、エフロレッセンスを生成させる。このエフロレッセンスは、セメント組成物中の成分に由来して生成する。このため、窯業系建築板の外面は、エフロレッセンスで構成された模様を有することができる。
養生工程において、成形体の外面上にシーラーが塗布されておらず、又は成形体の外面上におけるシーラーの塗布量が250g/m2未満であることが好ましく、200g/m2以下であればより好ましい。この場合、成形体におけるエフロレッセンスの生成を促進することができる。
一般に、無機質セメント板の製造時には、シーラーを用いる。シーラーは、例えばアクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、塩化ゴム、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂などの樹脂を含有する。シーラーは、例えば水性エマルションであり、あるいは有機溶剤を含有する溶液又は分散液である。シーラーは、必要により重質炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム、カオリン、ベントナイト、セリサイト、ドロマイト、タルク、クレー、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、珪藻土などの無機粒子を含有する。このようなシーラーは、エフロレッセンスの生成を抑制してしまう。
しかし、上記のように成形体の養生硬化時に、成形体の外面上にシーラーが塗布されておらず、又は成形体の外面上におけるシーラーの塗布量が250g/m2未満、より好ましくは200g/m2以下であれば、エフロレッセンスの生成が抑制されず、すなわちエフロレッセンスが生成される。また、成形体の外面上にシーラーが塗布される場合は、シーラーの量を調整することで、エフロレッセンスの生成量を制御することができる。例えば、シーラーの量を調整することで、窯業系建築板の外面全体に対する、エフロレッセンスが占める割合を、10%以上95%未満の範囲内で制御することができる。このため、エフロレッセンスの量を所望の量に制御できる。
また、上記のようにセメント組成物中のSiのモル量に対するセメント組成物中のCaのモル量の比の値(Caのモル量/Siのモル量)が0.5〜0.9の範囲内であると、すなわち窯業系建築板中のSiのモル量に対する窯業系建築板中のCaのモル量の比の値が0.5〜0.9の範囲内であると、窯業系建築板の外面上に適度な量のエフロレッセンスを容易に生成させることができる。詳しくは、上記比の値が0.5以上であると、養生時の析出物の生成を十分に促進することができる。更に、窯業系建築板が十分に高い強度を有することもできる。また、上記比の値が0.9以下であると、エフロレッセンスの過度な生成を抑制でき、窯業系建築板の外面にエフロレッセンスが部分的に存在するようにできる。また上記比の値を0.5〜0.9の範囲内で調整することで、窯業系建築板の外面全体に対する、エフロレッセンスが占める割合を、10%以上95%未満の範囲内で制御することができる。
窯業系建築板の製造方法の第二の例について説明する。
まずセメント組成物を準備する。第二の例では、セメント組成物は、第一の組成物と第二の組成物とを含む。
第一の組成物は、第一の例におけるセメント組成物と同じ組成を有してよい。なお、第一の組成物は、化粧材を含有する必要はないが、化粧材を含有してもよい。
第二の組成物は、例えばセメント、シリカ質を含む混和材、補強繊維、軽量骨材、増量材、水等を含有できる。シリカ質を含む混和材は、例えばSiO2含有率が70質量%以上であるとともにブレーン値が3000cm2以上のケイ石粉、前記以外のケイ石粉、シリカパウダー、高炉水砕スラグ、フライアッシュ、パルプスラッジ焼却灰、及び汚泥焼却灰からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有する。補強繊維は、例えばパルプ、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、及びロックウールからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有する。補強繊維は、使用済み紙コップなどの紙製廃材を解繊して得られる繊維を含んでもよい。軽量骨材は、パーライト、回収セメント製品の破砕物などを含有できる。増量材は、例えばマイカ、ワラストナイト、バーミキュライト、タルク、及び炭酸カルシウムからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有する。増量材はマイカを含有することが好ましい。マイカの平均粒径は50μm以上150μm未満の範囲内であることが好ましく、マイカのアスペクト比は80〜150の範囲内であることが好ましい。
第二の組成物中の固形分100質量部に対し、セメントの量は例えば25〜45質量部の範囲内、シリカ質を含む混和材の量は例えば15〜67質量部の範囲内、補強繊維の量は例えば4〜10質量部の範囲内、軽量骨材の量は例えば0〜30質量部の範囲内、増量材の量は例えば4〜12質量部の範囲内である。
第二の組成物中の固形分量に対する水の量の比の値(水の量/固形分量)は、0〜1/2の範囲内であることが好ましい。
第二の組成物は、化粧材を含有してもよい。この場合、化粧材が、窯業系建築板の外面の模様の一部を構成できる。すなわち、エフロレッセンスと化粧材とが模様を構成できる。化粧材は、有機質の材料であっても、無機質の材料であってもよい。有機質の材料の例は、コーヒー豆かす及びモミガラを含む。無機質の材料の例はガラス破砕粉を含む。例えば柄材は、コーヒー豆かすとガラス破砕粉とのうち少なくとも一方を含む。このような化粧材は、窯業系建築板の外面の模様における自然な風合いを更に高めることができる。柄材の量は、窯業系建築板の外面に付与する模様に応じて適宜決定される。第二の組成物が有機質の材料を含有する場合、セメント組成物は撥水剤を更に含有することが好ましい。この場合、有機質の材料の腐食及び変質を抑制することができ、これにより模様の変化を抑制できる。
第一の組成物と第二の組成物とを併せたセメント組成物全体中のSiのモル量に対する、セメント組成物全体中のCaのモル量の比の値(Caのモル量/Siのモル量)は、0.5〜0.9の範囲内であることが好ましい。すなわち、Siのモル量に対するCaのモル量の比の値が0.5〜0.9の範囲内となるように、セメント組成物中の成分の種類及び量が決定されることが好ましい。
第一の組成物を板状に成形して、中間成形体を作製する。そのための成形方法は、例えば抄造法であるが、これに限られず、例えば押出成形法又は注型成形法でもよい。
中間成形体上に第二の組成物を撒布することで、成形体を作製する。
養生工程の前に、成形体にプレス加工を施してもよい。プレス加工の条件は、例えばプレス圧2.9〜11.8MPa(30〜120kg/cm2)、時間3〜30秒である。
養生工程では、この成形体を養生することで硬化させる。養生の方法は、第一の例の場合と同じでよい。このように成形体を養生して硬化させることで、窯業系建築板を作製できる。
窯業系建築板は、第一の組成物に由来する第一層と、第二の組成物に由来する第二層とを備える。第二層は、第一層を覆っている。窯業系建築板の外面は、第二層における外部に露出する面である。
第二の例でも、第一の例と同様に、養生工程において、成形体の外面に、エフロレッセンスを生成させる。このエフロレッセンスは、セメント組成物中の成分に由来して生成する。このため、窯業系建築板の外面は、エフロレッセンスで構成される模様を有することができる。
第二の例でも、第一の例と同様に、成形体の養生硬化時には、成形体の外面上にシーラーが塗布されておらず、又は成形体の外面上におけるシーラーの塗布量が250g/m2未満であることが好ましく、200g/m2以下であることがより好ましい。この場合、成形体におけるエフロレッセンスの生成を促進することができる。また、成形体の外面上にシーラーが塗布される場合は、シーラーの量を調整することで、エフロレッセンスの生成量を制御することができる。例えば、シーラーの量を調整することで、窯業系建築板の外面全体に対する、エフロレッセンスが占める割合を、10%以上95%未満の範囲内で制御することができる。このため、エフロレッセンスの量を所望の量に制御できる。
第二の例でも、第一の例と同様に、上記のようにセメント組成物中のSiのモル量に対するセメント組成物中のCaのモル量の比の値(Caのモル量/Siのモル量)が0.5〜0.9の範囲内であると、すなわち窯業系建築板中のSiのモル量に対する窯業系建築板中のCaのモル量の比の値が0.5〜0.9の範囲内であると、窯業系建築板の外面上に適度な量のエフロレッセンスを容易に生成させることができる。また比の値を0.5〜0.9の範囲内で調整することで、窯業系建築板の外面全体に対する、エフロレッセンスが占める割合を、10%以上95%未満の範囲内で制御することができる。
本実施形態による窯業系建築板の外面には塗装が施されていないことが好ましい。この場合、エフロレッセンスで構成されあるいはエフロレッセンスと柄材とで構成される、自然の風合いを有する模様を、有効に利用することができる。また、塗装が不要であることで、塗装のための労力及び資源の削減が可能である。また、セメント組成物が補強繊維として紙製廃材を解繊して得られる繊維を含有する場合には、更なる資源の削減が可能である。
なお、窯業系建築板の外面にはクリアー塗装が施されていてもよい。窯業系建築板の外面にクリアー塗装が施されていると、窯業系建築板の模様を有効に利用しながら、窯業系建築板の外面を保護することができる。このため、例えば窯業系建築板の外面が摩耗することによる破損及び粉落ちの発生、並びに窯業系建築板の外面の汚れを、抑制できる。
以下、本発明の具体的な実施例を提示する。
表1に示す成分と水を混合することで、セメント組成物を調製した。
なお、表に示す成分の詳細は次の通りである。
・セメント:普通ポルトランドセメント。
・シリカ質を含む混和材:珪石粉(7000ブレーン)及びJISフライアッシュ。
・軽量骨材:回収セメント製品の破砕物。
・増量材:マイカ。
・補強繊維:バージンパルプ。
・化粧材:コーヒー豆かす。
また、セメント組成物中のSiのモル量に対するCaのモル量の比の値を、表1中の「Ca/Siモル比」の欄に示す。
セメント組成物を押出成形法で成形することで、成形体を作製した。
この成形体を、まず40℃、95%RH、10時間の条件で一次(前置)養生し、続いて80℃、95%RH、10時間の条件で二次(蒸気)養生してから、170℃、7気圧、4時間の条件でオートクレーブ養生法により養生した。
これにより、525mm×525mm×15mmの寸法を有する窯業系建築板を作製した。
この窯業系建築板の曲げ強度を、JIS A5908に準拠して測定した。その結果を、表1中の「曲げ強度」の欄に示す。なお、曲げ強度が10MPa以上であれば、曲げ強度が特に高いと評価できる。
また、窯業系建築板の外面を観察し、この外面全体に対する、エフロレッセンスが占める割合を調査した。その結果を、表中の「外面におけるエフロレッセンスの占める割合(%)」の欄に示す。なお、この割合が10%以上95%未満であれば、外観が特に良好であると評価できる。
また、図1Aに実施例10の窯業系建築板の外面を撮影した写真を示し、図1Bに実施例13の窯業系建築板の外面を撮影した写真を示す。この図1A及び図1Bに示すように、窯業系建築板の外面には化粧材及びエフロレッセンスで構成される模様が生じており、特に図1Aに示すように実施例10では自然の風合いが強い模様が得られた。
Figure 0006888945

Claims (8)

  1. セメントを含有する組成物からなる成形体の養生硬化物である窯業系建築板であり、
    前記窯業系建築板の外面は、エフロレッセンスで構成された模様を有し、
    前記外面全体に対する、前記エフロレッセンスが占める割合は、10%以上95%未満の範囲内であり、
    前記窯業系建築板中のSiのモル量に対する、前記窯業系建築板中のCaのモル量の比の値は、0.5〜0.9の範囲内であり、
    前記エフロレッセンスは、前記窯業系建築板の外面に不規則に分布する
    窯業系建築板。
  2. 前記窯業系建築板は、前記模様の一部を構成する化粧材を含有し、
    前記化粧材は、植物の実と、植物の種子と、前記実又は前記種子を覆う殻と、前記実、前記種子又は前記殻を炭化させたものと、前記炭化させたものを粉砕したものと、ガラス破砕粉とのうち少なくとも一つを含有する、
    請求項1記載の窯業系建築板。
  3. 前記化粧材が有機質の材料であり、前記組成物が撥水剤を更に含有する、
    請求項に記載の窯業系建築板。
  4. 前記組成物は、第一の組成物と第二の組成物とを含み、
    前記第二の組成物が、化粧材を含有し、
    前記化粧材は、植物の実と、植物の種子と、前記実又は前記種子を覆う殻と、前記実、前記種子又は前記殻を炭化させたものと、前記炭化させたものを粉砕したものと、ガラス破砕粉とのうち少なくとも一つを含有し、
    前記第一の組成物が、前記化粧材を含有せず、
    前記窯業系建築板は前記第一の組成物に由来する板状の第一層と、前記第二の組成物に由来する第二層とを備え、第二層は、第一層を覆い、前記窯業系建築板の前記外面は、前記第二層における外部に露出する面である
    請求項1記載の窯業系建築板。
  5. 前記化粧材が有機質の材料であり、前記組成物が撥水剤を含有する、
    請求項に記載の窯業系建築板。
  6. セメントを含有する組成物からなる成形体の養生硬化物である窯業系建築板の製造方法であり、
    前記成形体を養生硬化させる際に前記養生硬化物の外面に不規則に分布するエフロレッセンスを生成させて前記エフロレッセンスで構成された模様を形成する養生工程を含み、
    前記組成物中のSiのモル量に対する前記セメントを含有する組成物中のCaのモル量の比の値が0.5〜0.9の範囲内である
    窯業系建築板の製造方法。
  7. 記養生工程において、前記成形体の外面上にシーラーが塗布されておらず、又は前記成形体の外面上におけるシーラーの塗布量が250g/m2未満であり、
    前記養生工程において、前記成形体をオートクレーブ養生法で養生硬化させ、かつ前記エフロレッセンスを生成させる
    請求項6に記載の窯業系建築板の製造方法。
  8. 前記組成物に前記模様の一部を構成する有機質の材料である化粧材と、撥水剤とを含有させることを含む、
    請求項又はに記載の窯業系建築板の製造方法。
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