JP6938868B2 - 澱粉起因の変色の抑制機能付き発泡壁紙用原反、澱粉起因の変色の抑制機能付き発泡壁紙及び澱粉起因の変色の抑制機能付き発泡壁紙の製造方法 - Google Patents

澱粉起因の変色の抑制機能付き発泡壁紙用原反、澱粉起因の変色の抑制機能付き発泡壁紙及び澱粉起因の変色の抑制機能付き発泡壁紙の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6938868B2
JP6938868B2 JP2016164087A JP2016164087A JP6938868B2 JP 6938868 B2 JP6938868 B2 JP 6938868B2 JP 2016164087 A JP2016164087 A JP 2016164087A JP 2016164087 A JP2016164087 A JP 2016164087A JP 6938868 B2 JP6938868 B2 JP 6938868B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
starch
layer
discoloration
wallpaper
foam wallpaper
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016164087A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018030297A (ja
Inventor
歩 塩田
歩 塩田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Inc filed Critical Toppan Inc
Priority to JP2016164087A priority Critical patent/JP6938868B2/ja
Publication of JP2018030297A publication Critical patent/JP2018030297A/ja
Priority to JP2021132418A priority patent/JP7207469B2/ja
Priority to JP2021132427A priority patent/JP7207470B2/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6938868B2 publication Critical patent/JP6938868B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Description

本発明は、壁紙用原反、発泡壁紙及び発泡壁紙の製造方法に関する。
従来、建築物の壁面装飾等に用いられる壁紙の接着剤としては、例えば、澱粉系の水系接着剤が広く利用されている。しかしながら、澱粉系の水系接着剤は、壁紙の表面に付着し、澱粉が経時によって変色すると、壁紙が変色したように見えるという問題がある。
これに対し、例えば、特許文献1、2に記載の技術では、化合合成物を添加した水系接着剤を用いるようになっている。また、例えば、実施例3に記載の技術では、壁紙への澱粉系の水系接着剤の付着を防止するための切断用下敷テープを用いるようになっている。
特開平6−47875号公報 特開2000−255011号公報 特開2001−347611号公報
しかしながら、上記特許文献1〜3に記載の技術では、コストが高かったり煩雑であったりするため、壁紙の施工業者にあまり採用されていない。そのため、上記問題、つまり、澱粉系の変色により、壁紙が変色したかのように見えるという問題が未解決であった。
本発明は、上記のような点に着目したもので、澱粉に起因する変色を抑制可能な壁紙用原反、発泡壁紙及び発泡壁紙の製造方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、基材上に、発泡剤を含有する発泡剤含有樹脂層と、最表層に配置され亜鉛イオン、ピリチオンイオン及びこれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種を含む添加剤を含有している変色防止機能層とがこの順に積層されていることを特徴とする。
本発明の一態様によれば、添加剤に含まれている亜鉛イオンやピリチオンイオンが乖離することにより、発泡壁紙の表面側に付着した水系接着剤のpHを酸性側に偏らせるため、水系接着剤に含まれる澱粉を分解でき、澱粉に起因する変色を抑制できる。
実施形態に係る壁紙用原反の構成を表す端面図である。 変形例に係る壁紙用原反の構成を表す端面図である。 実施形態に係る発泡壁紙の構成を表す端面図である。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
ここで、図面は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係、各層の厚さの比率等は現実のものとは異なる。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、及び構造等が下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
(壁紙用原反1)
図1に示すように、本実施形態の壁紙用原反1は、基材2に、第1の非発泡層3(非発泡剤含有樹脂層)、発泡剤含有樹脂層4、第2の非発泡層5(非発泡剤含有樹脂層)、絵柄模様層6、及び変色防止機能層7がこの順に形成されている。なお、絵柄模様層6と変色防止機能層7との間、基材2と第1の非発泡層3との間等には、必要に応じて、他の層を形成してもよい。例えば、図2に示すように、絵柄模様層6と変色防止機能層7との間に、絵柄模様層6と変色防止機能層7との接着性を増すための中間層8を形成してもよい。また、第1の非発泡層3と第2の非発泡層5とのいずれかを省略してもよい。
(基材2)
基材2としては、特に限定されず、公知の繊維質シートを使用できる。繊維質シートとしては、例えば、パルプ主体のシートを既知のサイズ剤でサイズ処理した壁紙用一般紙、パルプ主体のシートをスルファミン酸グアニジン、リン酸グアジニン等の難燃剤で処理した難燃紙、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウム等の無機添加剤を含む無機質紙、上質紙、薄用紙を使用できる。なお、不織布に該当するものも含まれる。基材2の坪量は、例えば、50〜300g/m2程度が好ましく、50〜120g/m2がより好ましい。
(第1の非発泡層3)
第1の非発泡層3は、基材2と発泡剤含有樹脂層4との密着性を向上するための層である。第1の非発泡層3の樹脂成分としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体を使用できる。第1の非発泡層3には、樹脂成分以外に公知の添加剤を含んでもよいが、樹脂成分の含有量が70〜100重量%となるように配合することが好ましい。また、 第1の非発泡層3の厚さは、10〜50μmが好ましく、10〜20μmがより好ましい。
(発泡剤含有樹脂層4)
発泡剤含有樹脂層4は、発泡剤を含有し、加熱で発泡される樹脂層である。発泡剤含有樹脂層4は、発泡剤を含有する樹脂組成物を溶融押出して得られる。樹脂成分としては、例えば、塩化ビニル樹脂、オレフィン系樹脂を使用できる。特に、耐久性の向上、エンボス賦型等を考慮すると、オレフィン系樹脂が好ましく、エチレン系樹脂がより好ましい。
エチレン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、エチレンとエチレン以外の成分とをモノマーとするエチレン共重合体の少なくとも1種を含有することが好ましい。ポリエチレンとしては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンを使用できる。特に、低密度ポリエチレンが好ましい。
エチレン共重合体としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−αオレフィン共重合体を単独又は2種以上を混合して使用できる。特に、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体及びエチレン−メタクリル酸共重合体の少なくとも1種が好ましく、これらと他の樹脂とを併用する場合には、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体及びエチレン−メタクリル酸共重合体の少なくとも1種は、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。
また、発泡剤としては、例えば、アゾ化合物、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウムを使用できる。アゾ化合物としては、例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾビスホルムアミド等が好ましい。発泡剤の含有量は、発泡倍率を考慮すると、樹脂成分100質量部に対して、1〜20質量部が好ましい。また、発泡剤含有樹脂層4は、化学架橋法または放射線照射により樹脂架橋されている。また、発泡剤含有樹脂層4の厚さは、10〜50μmが好ましく、10〜20μmがより好ましい。
(第2の非発泡層5)
第2の非発泡層5は、発泡剤含有樹脂層4を保護するための層である。第2の非発泡層5の樹脂成分としては、例えば、アクリル酸(CH2=CHCOOH)及びメタクリル酸(CH2=C(CH3)COOH)の少なくとも1種をモノマーとして得られる重合体を樹脂成分として含む樹脂組成物を使用できる。特に、アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種のモノマーとエチレンとの組み合わせにより得られる共重合体が好ましい。
より具体的には、EMAA、エチレン−アクリル酸共重合体及びアイオノマー樹脂の少なくとも1種を用いることが望ましい。アイオノマー樹脂としては、EMAA及び/又はエチレン−アクリル酸共重合体の分子間をナトリウム、亜鉛等の金属のイオンで分子間結合した構造を有する樹脂を使用できる。このような樹脂成分を用いる場合には、特に樹脂中の水素結合等に起因する強固な層を形成することができるので、優れた耐スクラッチ性、耐摩耗性等を得ることができる。これらは、公知又は市販のものを使用することができる。また、第2の非発泡層5には、樹脂成分以外に公知の添加剤を含んでもよいが、樹脂成分の含有量が70〜100重量%となるように配合することが好ましい。また、 第2の非発泡層5の厚さは、10〜50μmが好ましく、10〜20μmがより好ましい。
(絵柄模様層6)
絵柄模様層6は、壁紙用原反1に絵柄模様を付加するための層である。絵柄模様としては、例えば、木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形がある。絵柄模様は、壁紙用原反1の種類に応じて適宜選択できる。
絵柄模様層6の形成方法としては、例えば、絵柄模様を印刷することで形成できる。なお、絵柄模様層6を形成する際には、必要に応じてあらかじめプライマー層を形成してもよい。印刷手法としては、例えば、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷が挙げられる。印刷インキとしては、例えば、着色剤、結着材樹脂、溶剤を含む印刷インキを使用できる。これらのインキは、公知のものを使用してもよい。
結着材樹脂は、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等を使用できる。また、溶剤(または分散媒)としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤、;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水等を使用できる。
(変色防止機能層7)
変色防止機能層7は、最表層に配置され、絵柄模様層6を保護するための層である。変色防止機能層7の樹脂成分(以下「マトリックス樹脂」とも呼ぶ)としては、例えば、塩化ビニル樹脂、オレフィン系樹脂を使用できる。また、変色防止機能層7は、マトリックス樹脂以外に添加剤を含んでいる。添加剤としては、亜鉛イオン、ピリチオンイオン及びこれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種を含む添加剤(変色防止剤)を含有している。添加剤(変色防止剤)は、マトリックス樹脂100質量部に対して、0.05質量部以上20質量部以下とすることが好ましい。また、変色防止機能層7の厚さは、0.3μm以上20μm以下が好ましく、0.3μm以上10μm以下がより好ましい。
(発泡壁紙9の製造方法)
次に、発泡壁紙9の製造方法について説明する。
本実施形態の発泡壁紙9の製造方法は、上記の壁紙用原反1を加熱することにより、発泡剤含有樹脂層4を発泡させて発泡壁紙9を製造するものである。加熱温度は、180〜240℃が好ましく、210〜230℃がより好ましい。加熱時間は、20〜60秒が好ましく、25〜40秒がより好ましい。発泡倍率は、3倍以上、好ましくは4〜5倍とする。発泡倍率が低すぎると、優れた外観意匠を付与し難く、また、発泡倍率が高過ぎると、発泡剤含有樹脂層4が機械的に弱くなり、耐スクラッチ性が低下しやすいためである。
第2の非発泡層5の形成前には、発泡後の発泡剤含有樹脂層4に化学架橋法または放射線照射により樹脂架橋してもよい。これにより、発泡壁紙9の耐傷性を向上できる。
また、少なくとも変色防止機能層7(最表層)にエンボス加工を行うようにしてもよい。これにより、例えば、図3に示すように、発泡壁紙9の表面にエンボス10を設け、絵柄模様層6による意匠性に加え、エンボス10による意匠性を感じさせることができる。
(本実施形態の効果)
(1)このように、本実施形態の壁紙用原反1では、基材2上に、発泡剤を含有する発泡剤含有樹脂層4と、最表層に配置され亜鉛イオン、ピリチオンイオン及びこれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種を含む添加剤を含有している変色防止機能層7とがこの順に積層されている構成とした。これにより、添加剤に含まれている亜鉛イオン等が乖離することにより、発泡壁紙の表面側に付着した水系接着剤のpHを酸性側に偏らせることができる。水系接着剤のpHが酸性側に偏るメカニズムとしては、例えば、添加剤に含まれる亜鉛イオン等が発泡壁紙の表面側に付着した水系接着剤の水酸基と結合し、水系接着剤内のプロトンが増えることが考えられる。そのため、水系接着剤に含まれる澱粉を分解でき、水系接着剤に含まれる澱粉に起因する変色を抑制することができる。
また、亜鉛イオンは、2価のイオンであるため、2つの水酸基と結合する。そのため、例えば、1価のナトリウムイオン等に比べ、水系接着剤のpHを十分に酸性側に偏らせることができる。これにより、澱粉に起因する変色を適切に抑制することができる。
ちなみに、例えば、ナトリウムイオン等の1価のイオンは、亜鉛イオン等の2価のイオンと異なり、水系接着剤のpHを十分に酸性側に偏らせることができない。そのため、水系接着剤に含まれる澱粉に起因する変色を適切に抑制することが困難となる。
(2)また、変色防止機能層7の厚さは、0.3μm以上20μm以下とする構成とした。そのため、柄に影響を与えることなく変色防止効果を得ることができる。
(3)さらに、変色防止機能層7が、マトリックス樹脂100質量部に対して、添加剤を0.05質量部以上20質量部以下含有している構成とした。そのため、塗布しやすく、かつ効果がより発現することができる。
(4)また、発泡剤含有樹脂層4が、化学架橋法または放射線照射により樹脂架橋がされている構成とした。そのため、発泡壁紙9の耐傷性を向上することができる。
(5)さらに、発泡剤含有樹脂層4が、その片面または両面に非発泡剤含有樹脂層を有している構成とした。そのため、表面を平滑にし、さらに、印刷適性を向上できる。
(6)また、変色防止機能層7のマトリックス樹脂は、塩化ビニル樹脂及び/またはオレフィン系樹脂とする構成とした。そのため、発泡壁紙9に適したシート成形を行うことができる。
(7)さらに、発泡剤を、アゾ化合物、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、及び亜硝酸アンモニウムからなる群から選択される少なくとも1種とする構成とした。そのため、安全性や発泡性の制御性を向上できる。
(8)また、基材2を、繊維質シートとした。そのため、汎用的な壁紙用原反1として扱うことができる。
(9)さらに、本実施形態の発泡壁紙9は、壁紙用原反1の発泡剤含有樹脂層4が発泡して形成されている。そのため、添加剤に含まれているプロトンが乖離することにより、壁紙の表面側に付着した水系接着剤のpHを酸性側に偏らせることができるため、水系接着剤に含まれる澱粉を分解でき、水系接着剤に含まれる澱粉に起因する変色を抑制できる。
(10)また、少なくとも変色防止機能層7(最表層)にエンボス10が形成されている構成とした。そのため、エンボス10による高意匠性を有する発泡壁紙9を形成できる。
(11)さらに、本実施形態の発泡壁紙9の製造方法では、基材2と、発泡剤を含有する発泡剤含有樹脂層4と、最表層に配置され亜鉛イオン、ピリチオンイオン及びこれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種を含む添加剤を含有している変色防止機能層7とが積層された壁紙用原反1を形成し、形成した壁紙用原反1の発泡剤含有樹脂層4を発泡させるようにした。これにより、発泡壁紙9の最表層に、カウンターカチオンとしてプロトンを有する添加剤を含有する変色防止機能層7を形成できる。
本発明に係る実施例について説明する。
(実施例1)
実施例1では、公知のTダイ押出機を用いて、第1の非発泡層3、発泡剤含有樹脂層4、及び第2の非発泡層5をこの順に、各層の厚みが10μm、70μm、10μmになるように製膜して3層からなる積層体を得た。ここで、第1の非発泡層3、第2の非発泡層5の樹脂としては、低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン(株)、商品名:LJ802A)を100質量部としたものを用いた。また、発泡剤含有樹脂層4としては、低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン(株)、商品名:LJ802A)100質量部に対して、発泡剤(永和化成工業(株)製、商品名ADCA#3)8質量部、炭酸カルシウム(備北粉化(株)製、商品名:ソフトン1000)30質量部、二酸化チタン(顔料)(石原産業(株)製、商品名:TIPAQUE CR−60−2)20質量部、発泡助剤((株)ADEKA製、商品名:アデカスタブOF−101)8質量部としたものを用いた。
そして、上記した3層からなる積層体の第1の非発泡層3を裏打紙(米秤量65g/m、興人(株)製、WK−655T)に積層することで、積層シートを形成した。また、その積層シートの第2の非発泡層5に加速電圧200kV、照射線量55KGyの電子線を照射して、発泡剤含有樹脂層4に樹脂架橋を行った。次いで、グラビア印刷により、その積層シートの第2の非発泡層5に水性インキ(大日精化工業(株)製、商品名:ハイドリック)を用いて布目模様を印刷することで、絵柄模様層6を形成した。続いて、その絵柄模様層6の上に、マトリックス樹脂100質量部に対して、ピリチオンイオンの塩を含む添加剤(大阪ガスケミカル(株)製、商品名:スラオフ95)10質量部を含むインキ(アクリル樹脂系水性インキ)をグラビアダイレクトコーター法で塗布した。インキの塗布量は、乾燥後の膜厚が約1[μm]となるように調整した。続いて、塗布したインキを、140[℃]の乾燥炉によって乾燥硬化させることで、変色防止機能層7を形成した。続いて、230[℃]の加熱発熱炉によって、発泡剤含有樹脂層4を発泡させて発泡剤含有樹脂層を形成した後、冷却ロールと加圧ロールとの間を通し、エンボス賦型をしながら熱圧着させることにより、表面にエンボス10(凹凸模様)を有する発泡壁紙9を形成した。
(実施例2)
実施例2では、変色防止機能層7の添加剤の添加量を、マトリックス樹脂100質量部に対して、0.5質量部とした。それ以外は実施例1と同様の構成とした。
(実施例3)
実施例3では、変色防止機能層7の添加剤の添加量を、マトリックス樹脂100質量部に対して、20質量部とした。それ以外は実施例1と同様の構成とした。
(実施例4)
実施例4では、変色防止機能層7の厚さを、0.3μmとした。それ以外は実施例1と同様の構成とした。
(比較例1)
比較例1では、変色防止機能層7の添加剤として、ナトリウムイオンを有する添加剤(和光純薬工業(株)製、商品名:ステアリン酸ナトリウム)を用いるとともに、その添加剤の添加量を、マトリックス樹脂100質量部に対して1質量部とした。それ以外は実施例1と同様の構成とした。
(比較例2)
比較例2では、変色防止機能層7の添加剤として、スルホン酸イオン(アニオンイオン)を有する添加剤(和光純薬工業(株)製、商品名:直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)を用いるとともに、その添加剤の添加量を、マトリックス樹脂100質量部に対して1質量部とした。それ以外は実施例2と同様の構成とした。
(評価)
実施例1〜4及び比較例1〜2について、発泡壁紙9の変色状態の評価を実施した。
具体的には、発泡壁紙9の変色防止機能層7上に澱粉系着剤を薄く塗布した後、紫外線を予め定めた所定時間照射して、塗布した澱粉系の水系接着剤の変色状態を目視で評価した。そして、変色がない場合を合格「○」、変色がある場合を不合格「×」と判定した。
評価結果を表1に示す。
Figure 0006938868
表1より、実施例1〜4では、変色防止機能層7上に塗布した澱粉系の水系接着剤に変色がなかった。これに対し、比較例1〜2では、変色があった。これにより、変色防止機能層7(最表層)に、ピリチオンイオンの塩を含む添加剤を含有させることで、澱粉系の水系接着剤の変色を抑制できることが確認できた。
1…壁紙用原反、2…基材、3…第1の非発泡層、4…発泡剤含有樹脂層、5…第2の非発泡層、6…絵柄模様層、7…変色防止機能層、8…中間層、9…発泡壁紙、10…エンボス

Claims (11)

  1. 基材上に、発泡剤を含有する発泡剤含有樹脂層と、最表層に配置され添加剤を含有る変色防止機能層とがこの順に積層されているとともに、
    前記変色防止機能層は、該変色防止機能層の表面に澱粉を含む水系接着剤が付着した場合に該水系接着剤のpHを酸性とする亜鉛イオン及びピリチオンイオンの塩を前記添加剤として含んでいることを特徴とする澱粉起因の変色の抑制機能付き発泡壁紙用原反。
  2. 記発泡剤含有樹脂層は、化学架橋法または放射線照射により樹脂架橋されていることを特徴とする請求項1に記載の澱粉起因の変色の抑制機能付き発泡壁紙用原反。
  3. 記発泡剤含有樹脂層は、その片面または両面に非発泡剤含有樹脂層を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の澱粉起因の変色の抑制機能付き発泡壁紙用原反。
  4. 前記変色防止機能層の厚さは、0.3μm以上20μm以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の澱粉起因の変色の抑制機能付き発泡壁紙用原反。
  5. 前記変色防止機能層は、マトリックス樹脂100質量部に対して、前記添加剤を0.05質量部以上20質量部以下含有していることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の澱粉起因の変色の抑制機能付き発泡壁紙用原反。
  6. 前記変色防止機能層のマトリックス樹脂は、塩化ビニル樹脂及び/またはオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の澱粉起因の変色の抑制機能付き発泡壁紙用原反。
  7. 前記発泡剤は、アゾ化合物、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、及び亜硝酸アンモニウムからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の澱粉起因の変色の抑制機能付き発泡壁紙用原反。
  8. 前記基材は、繊維質シートであることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の澱粉起因の変色の抑制機能付き発泡壁紙用原反。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の壁紙用原反の発泡剤含有樹脂層が発泡して形成されている澱粉起因の変色の抑制機能付き発泡壁紙。
  10. 少なくとも変色防止機能層にエンボスが形成されていることを特徴とする請求項9に記載の澱粉起因の変色の抑制機能付き発泡壁紙。
  11. 基材と、発泡剤を含有する発泡剤含有樹脂層と、最表層に配置され添加剤を含有る変色防止機能層とが積層された壁紙用原反を形成し、形成した壁紙用原反の発泡剤含有樹脂層を発泡させるとともに、
    前記変色防止機能層は、該変色防止機能層の表面に澱粉を含む水系接着剤が付着した場合に該水系接着剤のpHを酸性とする亜鉛イオン及びピリチオンイオンの塩を前記添加剤として含んでいることを特徴とする澱粉起因の変色の抑制機能付き発泡壁紙の製造方法。
JP2016164087A 2016-08-24 2016-08-24 澱粉起因の変色の抑制機能付き発泡壁紙用原反、澱粉起因の変色の抑制機能付き発泡壁紙及び澱粉起因の変色の抑制機能付き発泡壁紙の製造方法 Active JP6938868B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016164087A JP6938868B2 (ja) 2016-08-24 2016-08-24 澱粉起因の変色の抑制機能付き発泡壁紙用原反、澱粉起因の変色の抑制機能付き発泡壁紙及び澱粉起因の変色の抑制機能付き発泡壁紙の製造方法
JP2021132418A JP7207469B2 (ja) 2016-08-24 2021-08-16 壁紙用原反、発泡壁紙及び発泡壁紙の製造方法
JP2021132427A JP7207470B2 (ja) 2016-08-24 2021-08-16 壁紙用原反、発泡壁紙及び発泡壁紙の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016164087A JP6938868B2 (ja) 2016-08-24 2016-08-24 澱粉起因の変色の抑制機能付き発泡壁紙用原反、澱粉起因の変色の抑制機能付き発泡壁紙及び澱粉起因の変色の抑制機能付き発泡壁紙の製造方法

Related Child Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021132418A Division JP7207469B2 (ja) 2016-08-24 2021-08-16 壁紙用原反、発泡壁紙及び発泡壁紙の製造方法
JP2021132427A Division JP7207470B2 (ja) 2016-08-24 2021-08-16 壁紙用原反、発泡壁紙及び発泡壁紙の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018030297A JP2018030297A (ja) 2018-03-01
JP6938868B2 true JP6938868B2 (ja) 2021-09-22

Family

ID=61304502

Family Applications (3)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016164087A Active JP6938868B2 (ja) 2016-08-24 2016-08-24 澱粉起因の変色の抑制機能付き発泡壁紙用原反、澱粉起因の変色の抑制機能付き発泡壁紙及び澱粉起因の変色の抑制機能付き発泡壁紙の製造方法
JP2021132418A Active JP7207469B2 (ja) 2016-08-24 2021-08-16 壁紙用原反、発泡壁紙及び発泡壁紙の製造方法
JP2021132427A Active JP7207470B2 (ja) 2016-08-24 2021-08-16 壁紙用原反、発泡壁紙及び発泡壁紙の製造方法

Family Applications After (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021132418A Active JP7207469B2 (ja) 2016-08-24 2021-08-16 壁紙用原反、発泡壁紙及び発泡壁紙の製造方法
JP2021132427A Active JP7207470B2 (ja) 2016-08-24 2021-08-16 壁紙用原反、発泡壁紙及び発泡壁紙の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (3) JP6938868B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7020252B2 (ja) * 2018-03-30 2022-02-16 大日本印刷株式会社 発泡積層シートの変色促進試験方法
JP7077724B2 (ja) * 2018-03-30 2022-05-31 大日本印刷株式会社 積層シート、発泡積層シート及び発泡積層シートの製造方法

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH026700A (ja) * 1988-06-23 1990-01-10 Lonseal Corp 新規なビニル壁紙製造方法
JPH0657699A (ja) * 1992-06-09 1994-03-01 New Oji Paper Co Ltd フィトンチッドを含有した壁紙
US5939203A (en) * 1995-02-03 1999-08-17 Arch Chemicals, Inc. Discoloration prevention in pyrithione-containing coating compositions
JP2000218751A (ja) * 1999-02-01 2000-08-08 Dainippon Printing Co Ltd 化粧シート及びその製造方法
JP4840048B2 (ja) * 2006-09-27 2011-12-21 大日本印刷株式会社 発泡壁紙
JP5664090B2 (ja) * 2010-09-30 2015-02-04 大日本印刷株式会社 揮発性有機化合物を分解する性能及び抗菌性能を有する機能性壁紙
JP6011201B2 (ja) * 2011-09-27 2016-10-19 大日本印刷株式会社 積層シート及び発泡積層シート
JP5240376B2 (ja) * 2012-03-16 2013-07-17 大日本印刷株式会社 防カビ性を有する発泡壁紙
JP6197502B2 (ja) * 2013-09-03 2017-09-20 凸版印刷株式会社 発泡積層シートの製造方法
JP6229429B2 (ja) * 2013-10-22 2017-11-15 凸版印刷株式会社 抗ウィルス性を有する内装用化粧シート
DE102016004570B3 (de) * 2016-04-19 2017-10-05 Wind Plus Sonne Gmbh Plattenwerkstoffe, Verbundwerkstoffe und Verbundmaterialien auf der Bais von separierter Gülle oder von Holz und separierter Gülle

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021175616A (ja) 2021-11-04
JP7207470B2 (ja) 2023-01-18
JP7207469B2 (ja) 2023-01-18
JP2021175617A (ja) 2021-11-04
JP2018030297A (ja) 2018-03-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2021175616A (ja) 壁紙用原反、発泡壁紙及び発泡壁紙の製造方法
JP2007313900A (ja) 壁装用化粧シート
JP6794714B2 (ja) 壁紙用原反、発泡壁紙及び発泡壁紙の製造方法
JP4667151B2 (ja) 発泡壁紙
JP2007055229A (ja) 壁装用化粧シート
JP7298655B2 (ja) 積層シート、及び発泡積層シート
JP4748014B2 (ja) 発泡壁紙
JP4893565B2 (ja) 発泡壁紙
JP2000255011A (ja) 発泡化粧材
JP6146958B2 (ja) 積層シート及び発泡積層シート
JP4742555B2 (ja) 発泡壁紙用原反及びその製造方法
JP5476899B2 (ja) 発泡化粧シート及び樹脂シートの製造方法
JP6870277B2 (ja) 積層シート、発泡壁紙、及び発泡壁紙の製造方法
JP4560678B2 (ja) 紙質基材と樹脂層との密着性が高い発泡壁紙
JP5732957B2 (ja) 光触媒発泡壁紙
JP2001260261A (ja) 発泡壁紙及びその製造方法
JP5476893B2 (ja) 発泡化粧シート
JP2013212594A (ja) 帯電防止性能を有する発泡積層シートの製造方法
JP5071548B2 (ja) 発泡壁紙用原反及びその製造方法
JP5938996B2 (ja) 積層シート及び発泡積層シート
JP2013018287A (ja) 壁装用化粧シートの発泡前の積層体
JP5786560B2 (ja) 発泡積層シートの製造方法
JP4556071B2 (ja) 施工性及び耐スクラッチ性の高い発泡壁紙
JP5673877B2 (ja) 発泡化粧シートの製造方法、及び発泡化粧シートの発泡前のシートの製造方法
JP2019177674A (ja) 積層シート、発泡積層シート及び発泡積層シートの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190725

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200422

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200721

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200803

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210126

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210205

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210803

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210816

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6938868

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150