JPH0657699A - フィトンチッドを含有した壁紙 - Google Patents

フィトンチッドを含有した壁紙

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JPH0657699A
JPH0657699A JP18821292A JP18821292A JPH0657699A JP H0657699 A JPH0657699 A JP H0657699A JP 18821292 A JP18821292 A JP 18821292A JP 18821292 A JP18821292 A JP 18821292A JP H0657699 A JPH0657699 A JP H0657699A
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JP18821292A
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Inventor
Kazuki Okauchi
主器 岡内
Hiroyoshi Fujioka
弘斉 藤岡
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
New Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】人体に好影響を及ぼすフィトンチッドを効果的
に、しかも持続的に室内に拡散することができる壁紙を
提供することを目的とするものである。 【構成】フィトンチッド成分を内包したマイクロカプセ
ルを、表面素材層を設けた壁紙または表面素材層上に電
離放射線硬化樹脂を主成分とするオ−バ−コ−ト層を設
けた壁紙の、表面素材層中及び/又はオーバーコート層
中に含有した機能性壁紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、人体に好影響を及ぼす
フィトンチッド成分を内包するマイクロカプセルを含有
した機能性壁紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】壁紙は、建築物の内装材として今日、我
々の生活のいたるところで見かけられる。特に塩化ビニ
ル樹脂が表面コートされた壁紙の生産量は全壁紙の90
%にも達しており、これから益々需要が増えるものと予
想されている。これに伴って各種機能性壁紙、例えば消
臭性壁紙、結露防止性壁紙、電磁波障害防止性壁紙、吸
音性壁紙、防かび性壁紙等が種々提案されている。
【0003】中でも、防かび性壁紙として、ジアルキル
ジチオカルバミン酸ナトリウムを抄造工程で内添或いは
表面処理することにより、防かび性を付与した壁紙(特
開昭60−194200号公報)、殺菌作用を有する金
属イオンをイオン交換して保持した特殊なゼオライト系
団体粒子を含有させた壁紙(特開昭61−138795
号公報)、テルペン系物質を壁紙の裏面や下地面或いは
接着剤中に付着せしめて防かび、防虫、健康増進を目的
とした壁紙(特開昭61−25562号公報)等が提案
されている。
【0004】ところで、テルペン系物質は、昨今の森林
浴ブ−ムで注目されている森の木々が発散する化学物質
であり、通称フィトンチッドと称される化学物質の主体
をなすものである。テルペン系物質は化学式(C
5 8 n で表されるイソプレン誘導体で、nが2,3
のモノテルペン、セキステルペン類は揮発性が高く、馥
郁たる香りを伴う物質で、その代表的な例としてはα−
ピネン、β−ピネンがある。これら物質の人体への影響
は多大なものであり、精神的(α波の惹起作用)にも又
医薬としても(抗菌、防かび、防虫作用)優れた効果を
有するものである。
【0005】フィトンチッドは前述の如く揮発性が高い
為、壁紙の表面素材層に単に付着或いは混入させるだけ
では短時間の内に揮発してしまい、その効力が持続しな
い。そこで、前記、特開昭61−25562号公報に
は、テルペン系物質を壁紙の表面層より内部(裏打ち紙
裏面や下地面或いは接着剤中に付着する)に付着させる
ことにより、テルペン系物質の効果が持続性することが
記載されている。しかし、かかる壁紙の表面に塩化ビニ
ル樹脂等がコートされた壁紙は透気性が悪く、十分なフ
ィトンチッドの拡散が望めないのが実状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実状に
鑑み、人体に好影響を及ぼすフィトンチッドを効果的
に、しかも持続的に室内に拡散することができる壁紙を
提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、フィトンチッ
ド成分を内包したマイクロカプセルを、表面素材層を設
けた壁紙または表面素材層上に電離放射線硬化樹脂を主
成分とするオ−バ−コ−ト層を設けた壁紙の、表面素材
層中及び/又はオーバーコート層中に含有させることに
より、本発明の課題が効果的に解決されるものである。
【0008】
【作用】本発明で使用されるフィトンチッドとは、天然
の樹木、枝葉、根茎、木皮、果実等より水蒸気蒸留、圧
搾、又は各種抽出法により得られた天然の木精油や木酢
油であり、例えば、茶樹、サカキ、山茶花等の葉部から
抽出された木精油、ひのき、杉、松等の針葉樹やユ−カ
リの木から抽出された木精油等である。
【0009】その主な成分は、α−ピネン、β−ピネ
ン、ジテンペン、ε−リモネン、テルピノレン、リナロ
−ル、テレピネオ−ル、ボルネオ−ル、シネオ−ル等の
主にテルペン系物質を含むものである。また防虫効果を
もたらすことで知られる除虫菊の抽出成分であるピネト
リン類等も挙げられる。勿論、これらの例示にのみ限定
されるものでない。
【0010】本発明は、上記のフィトンチッド成分の少
なくとも1種類以上をマイクロカプセル中に内包せし
め、壁紙の表面素材層中及び/又は表面素材層上に設け
た電離放射線硬化樹脂を主成分とするオ−バ−コ−ト層
中に含有させるものであるが、かかるマイクロカプセル
は各種公知の方法で調製でき、特に限定されるものでは
ない。
【0011】例えば、ゼラチン等を使用したコアセルベ
−ション法や合成高分子系を使用したin−situ法
や界面重合法がある。コアセルベ−ション法では油滴を
ゼラチン、アラビアゴム、カゼイン、アルブミン等の親
水性の含窒素化合物を水中で乳化し、pH調製、濃度調
製により、コアセルベ−ションを起こさせ冷却、硬化せ
しめて製造する。
【0012】in−situ重合法では、尿素−ホルマ
リン樹脂、メラミン−ホルマリン樹脂、メラミン−尿素
−ホルマリン樹脂等のアミノアルデヒド樹脂をカプセル
壁膜として用いる方法が挙げられ、一般には尿素、チオ
尿素、アルキル尿素、エチレン尿素、アセトグアナミ
ン、ベンゾグアナミン、メラミン、グアニジン、ビュ−
レット、シアナミド等の少なくとも1種のアミン類と、
ホルマリン、アセトアルデヒド、パラホルムアルデヒ
ド、ヘキサメチレンテトラミン、グルタ−ルアルデヒ
ド、グリオキザ−ル、フルフラ−ル等の少なくとも1種
のアルデヒド類、或いはそれらを縮合して得られる初期
縮合物等を用いてカプセルが製造される。
【0013】また、界面重合法では、抽出の界面でポリ
ウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂等を生
成させる方法が例示され、一般には、多価イソシアネ−
トと水、多価イソシアネ−トとポリオ−ル、イソチオシ
アネ−トと水、イソチオシアネ−トとポリオ−ル、多価
イソシアネ−トとポリアミン、イソチオシアネ−トとポ
リアミン等を使用した界面重合法によって合成カプセル
が製造される。
【0014】また、マイクロカプセルに内包されるフィ
トンチッドは、単品でもよく又複数組み合わせても良く
更に、不揮発性の油と共に含有してもよい。本発明は、
表面素材層を設けた壁紙または表面素材層上に電離放射
線硬化樹脂を主成分とするオ−バ−コ−ト層を設けた壁
紙の表面素材層中及び/又はオーバーコート層中に、フ
ィトンチッド成分を内包したマイクロカプセルを含有さ
せるものであるが、マイクロカプセルの大きさは通常1
〜100μm、印刷適性を考慮すると1〜20μmの範
囲が望ましい。
【0015】而して、表面素材層を形成する組成物は特
に限定するものではなく、従来公知の組成物が使用され
る。一般的には樹脂、可塑剤、充填剤、発泡剤、熱安定
剤、着色剤、希釈剤等が目的に応じて表面素材層に適量
含有される。
【0016】上記樹脂としては、塩化ビニル樹脂、酢酸
ビニル樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂、エ
チレン・ビニルアルコール共重合体樹脂、ポリメタクリ
ル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸
メチル、ポリアクリル酸エチル等のアクリル樹脂、ポリ
エチレン、ポリプロピレン等のオレフィン樹脂、塩化ビ
ニル・塩化ビニリデン共重合体樹脂、合成又は天然のゴ
ム等のペ−スト化が可能な樹脂が、単独または組み合わ
せて用いられる。特に、塩化ビニル樹脂はペ−スト化が
容易で、安価な上、難燃性が優れており好ましく用いら
れる。
【0017】可塑剤としては、ジオクチルフタレ−ト、
ジブチルフタレ−ト等のフタル酸エステル類、ジオクチ
ルアジペ−ト、ジブチルアジペ−ト等のアジピン酸エス
テル類、トリクレジルフォスフェ−ト、トリクロロエチ
ルフォスフェ−ト、トリオクチルフォスフェ−ト等の難
燃性のリン酸エステル類及び塩素化パラフィン等の各種
可塑剤が適宜単独または組み合わせて使用される。
【0018】充填剤としては、炭酸カルシウム、炭酸マ
グネシウム、硫酸マグネシウム、アルミナ、カオリン、
タルク等の天然或いは合成の無機粉体が適宜1種または
2種以上併用して用いられる。
【0019】又、表面素材層に量感を持たせる為に、度
々発泡剤が使用されるが、かかる発泡剤としては、重炭
酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、アゾジカーボンアミ
ド、ジアゾベンゼン等のアゾ化合物、4、4′−オキシ
ビスベンゼンスルホニルヒドラジド等のスルホニルヒド
ラジド化合物、ニトロソ化合物等が適宜用いられる。
【0020】光や熱に対する変色防止や発泡剤の発泡温
度を調節する為に使用される安定剤としては、亜鉛華、
脂肪酸亜鉛等の金属石鹸が用いられ、更に、隠蔽性と白
色性を持たせるために酸化チタンやその他の着色顔料等
の着色剤が目的に応じて使用される。また、希釈剤とし
て、例えばミネラルスピリット、キシレン等が使用され
る。上記の如き表面素材層に含まれる組成物は、勿論こ
れらの例示に限定されるものでなく、目的に応じて2種
以上組み合わせて用いられる。
【0021】壁紙の表面素材層を形成する組成物は、通
常レジンペ−ストゾルの状態で基材シート上に塗布され
る。基材シートとしては、米坪50〜100g/m
2 (通常80g/m2 )の裏打ち紙、ガラス繊維、ポリ
エステル、ビニロン、アクリル等の1種又は2種以上か
らなる不織布、各種天然又は合成繊維、ポリエチレンテ
レフタレ−ト、ポリアリレ−ト等の耐熱性樹脂、アルミ
ナを80重量%以上含有した水酸化アルミニウム紙、
鉄、アルミニウム等の金属箔等の難燃加工された特殊シ
ートが一般的に使用される。
【0022】コーティング法としては、特に限定するも
のではないが、コンマ・ダイレクト法、グラビア・ダイ
レクト法、グラビア・リバ−ス法、リバ−スロ−ルコー
ト法等が使用される。上記レジンペ−ストゾルは約15
0°Cの温度でゲル化され、通常100〜200μmの
厚さで上記基材シート上に塗布形成される。
【0023】本発明では、前記してきたように、フィト
ンチッドを内包したマイクロカプセルを、表面素材層上
に設けた電離放射線硬化樹脂を主成分とするオ−バ−コ
−ト層中含有することもできる。かかる方法によれば、
特に熱による乾燥工程を経ることなく電離放射線硬化樹
脂が架橋されるため、マイクロカプセル中のフィトンチ
ッド成分の揮散がより効果的に抑えられ、製造時のフィ
トンチッド成分のロスが少なくなる。また、樹脂光沢が
良いため仕上がった壁紙に高級感が伴う。尚、フィトン
チッドを内包したマイクロカプセルは表面素材層及びオ
−バ−コ−ト層中の両層に含有せしめてもよい。
【0024】本発明で使用される電離放射線硬化型樹脂
としては以下に掲げるプレポリマーやモノマーが使用さ
れる。 (a) 脂肪族、脂環族、芳香脂肪族2〜6価の多価アルコ
ール及びポリアルキレングリコールのポリ(メタ)アク
リレート; (b) 脂肪族、脂環族、芳香脂肪族、芳香族2〜6価の多
価アルコールにアルキレンオキサイドを付加させた形の
多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート; (c) ポリ(メタ)アクリロイルオキシアルキルリン酸エ
ステル; (d) ポリエステルポリ(メタ)アクリレート; (e) エポキシポリ(メタ)アクリレート; (f) ポリウレタンポリ(メタ)アクリレート; (g) ポリアミドポリ(メタ)アクリレート; (h) ポリシロキサンポリ(メタ)アクリレート; (i) 側鎖及び/又は末端に(メタ)アクリロイルオキシ
基を有するビニル系又はジエン系低重合体; (j) 前記(a) 〜(i) 記載のオリゴエステル(メタ)アク
リレート変性物; 等のプレポリマー。
【0025】また、モノマーとしては、 (a) エチレン性不飽和モノ又はポリカルボン酸等で代表
されるカルボキシル基含有単量体及びそれらのアルカリ
金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等のカルボン酸塩基
含有単量体; (b) エチレン性不飽和(メタ)アクリルアミド又はアル
キル置換(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリド
ンのようなビニルラクタム類で代表されるアミド基含有
単量体; (c) 脂肪族又は芳香族ビニルスルホン酸類で代表される
スルホン酸基含有単量体及びそれらのアルカリ金属塩、
アンモニウム塩、アミン塩等のスルホン酸塩基含有単量
体; (d) エチレン性不飽和エーテル等で代表される水酸基含
有単量体; (e) ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート−2−
ビニルピリジン等のアミノ基含有単量体; (f) 4級アンモニウム塩基含有単量体; (g) エチレン性不飽和カルボン酸のアルキルエステル; (h) (メタ)アクリロニトリル等のニトリル基含有単量
体; (i) スチレン; (j) 酢酸ビニル、酢酸(メタ)アリル等のエチレン性不
飽和アルコールのエステル; (k) 活性水素を含有する化合物のアルキレンオキシド付
加重合体のモノ(メタ)アクリレート類; (l) 多塩基酸と不飽和アルコールとのジエステルで代表
されるエステル基含有2官能単量体; (m) 活性水素を含有する化合物のアルキレンオキシド付
加重合体と(メタ)アクリル酸とのジエステルよりなる
2官能単量体; (n) N,N−メチレンビスアクリルアミド等のビスアク
リルアミド; (o) ジビニルベンゼン、ジビニルエチレングリコール、
ジビニルスルホン、ジビニルエーテル、ジビニルケトン
等の2官能単量体; (p) ポリカルボン酸と不飽和アルコールとのポリエステ
ルで代表されるエステル基含有多官能単量体; (q) 活性水素を含有する化合物のアルキレンオキシド付
加重合体と(メタ)アクリル酸とのポリエステルよりな
る多官能単量体; (r) トリビニルベンゼンのような多官能不飽和単量体。 等が挙げられ、これらの内1種もしくは2種以上が適宜
用いられる。
【0026】なお、樹脂成分中には上記の如きプレポリ
マーやモノマーの他に、必要に応じて、炭酸カルシウ
ム、炭酸バリウム、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化アルミニ
ウム、二酸化チタン、二酸化珪素、水酸化アルミニウ
ム、硫酸バリウム、硫酸亜鉛、タルク、カオリン、クレ
ー、焼成クレー、コロイダルシリカ等の無機顔料やこれ
らの無機顔料を有機酸で表面処理した顔料、スチレンマ
イクロボール、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダ
ー、尿素・ホルマリン樹脂パウダー、酢酸セルロースパ
ウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、弗素樹脂
パウダー、エポキシ樹脂パウダー、ベンゾグアナミン樹
脂パウダー、生澱粉粒等の有機顔料、非電子線硬化樹
脂、消泡剤、レベリング剤、滑剤、界面活性剤、可塑
剤、紫外線吸収剤等の添加剤を適宜添加することができ
る。さらに、蛍光染料、着色染料、蛍光顔料、着色顔料
等を添加することも可能である。
【0027】上記の如き樹脂成分は、ミキサー等の適当
な混合撹拌機によって充分混合された後、表面素材層上
に各種公知の方法で塗布される。また、塗布量について
は必ずしも限定されないが、0.1g/m2 未満では所
望の効果が期待できず、20g/m2 を越えるような塗
布量では架橋に要する時間が多くなり、また経済的にも
好ましくない為0.1〜20g/m2 、より好ましくは
1〜10g/m2 程度の範囲で調節するのが望ましい。
【0028】該オーバーコート層は電離放射線の照射に
より硬化される。電離放射線としては、電子線、紫外
線、α線、β線、γ線、X線、中性子線等が挙げられる
が、α線、β線、γ線、X線は人体への危険性があるた
め、危険性が少なく且つ取扱が容易な、電子線や紫外線
が好ましく使用される。電子線を使用する場合、照射す
る電子線の量は 0.1〜15Mrad好ましくは 0.5〜10Mrad程
度の範囲が好ましい。因みに 0.1Mrad未満では樹脂を十
分に硬化させることができず、一方15Mradを越える様な
照射は壁紙の変色を来す恐れがある。なお、電子線の照
射方式としては、例えばスキャンニング方式、カーテン
ビーム方式、ブロードビーム方式等が採用でき、照射す
る際の加速電圧は100〜300KV程度が適当であ
る。
【0029】また、紫外線を使用する場合には、組成物
中に光重合開始剤を配合する必要があり、電離放射線硬
化型樹脂成分に対して0.2 〜10重量%、好ましくは0.2
〜5重量%程度の範囲で添加される。また、紫外線照射
用の光源としては、1〜50個の紫外線ランプ、キセノ
ンランプ、タングステンランプ等が用いられ、40〜2
00W/cm程度の強度を有する紫外線が好ましく照射
される。
【0030】上記の光重合開始剤としては、例えばチオ
キサントン、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル
キサントン、ジメチルキサントン、ベンゾフェノン、ア
ントラセン、2,2-ジエトキシアセトフェノン、ベンジル
メチルケタール、ベンジルジフェニルジスルフィド、ア
ントラキノン、1-クロロアントラキノン、2-エチルアン
トラキノン、2-tert- ブチルアントラキノン、N,N-テト
ラエチル-4,4'-ジアミノベンゾフェノン、1,1'- ジクロ
ロアセトフェノン等が挙げられる。
【0031】本発明では、マイクロカプセルの配合量は
特に限定するものではないが、効果の持続性と経済性を
考慮すると、表面素材層或いは電離放射線硬化樹脂を主
成分とするオ−バ−コ−ト層全固形量100重量部に対
し、1〜30部、好ましくは2〜20部の範囲で調節す
るのが望ましい。
【0032】かかるマイクロカプセルはカプセルの膜厚
を制御することにより、天然フィトンチッド成分を効果
的に除放してくれる。尚、膜厚は厚過ぎるとフィトンチ
ッド成分の拡散が阻害され、逆に薄すぎると拡散が強す
ぎて効果の持続性に問題が生じる為、好ましくは壁膜の
含有量はマイクロカプセル全固形量の10〜30%程度
が望ましい。
【0033】尚、本発明の所望の効果を阻害しない範囲
で、合成の芳香剤や抗菌、防かび、防虫作用をもつ組成
物、或いはフラボノイドのような天然の防臭剤をマイク
ロカプセルあるいは溶液のままで表面素材層中及び/又
は表面素材層上に設けた電離放射線硬化樹脂を主成分と
するオ−バ−コ−ト層中に併用してもよい。
【0034】以上のようにして、本発明の壁紙は製造さ
れるものであるが、更に印刷を必要とする場合は、特に
限定するものではないが、通常グラビア印刷やロ−タリ
−スクリ−ン印刷で印刷される。また、発泡剤を使用し
ている場合は、通常200℃前後で1分間位加熱処理を
行い、その後エンボスロ−ルでエンボス加工(メカニカ
ルエンボス加工)される。
【0035】また、ケミカルエンボス加工をする場合
は、印刷工程でベンズトリアゾ−ル、トリメリット酸等
の発泡抑制剤を含有するインクで印刷し、しかる後に加
熱発泡することによりエンボス加工がなされる。尚、発
泡加工には、表面素材層中に発泡剤を使用しなくて、印
刷工程で発泡剤を塩化ビニルペースト樹脂に練り込んだ
発砲インキを印刷した後、加熱発砲する方法でもよい。
この場合、かかるインキ中に本発明のマイクロカプセル
を含有させることも勿論可能である。
【0036】本発明においては、エンボスロ−ルを使用
したメカニカルエンボス加工では、マイクロカプセルの
強制的な破壊が進行する為、むしろ、発泡抑制剤を含有
するインクを印刷してエンボス加工するケミカルエンボ
ス加工、あるいは印刷工程で発砲剤を塩化ビニル樹脂に
練り込んだ発砲インキを印刷し、その後加熱発砲する方
法がより好ましい。
【0037】以上のような製法で本発明の機能性壁紙が
製造されるが、その製造工程も特に限定するものではな
く、従来公知の方法が種々使用できる。
【0038】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、勿論、これらに限定されるものではない。な
お、例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り、そ
れぞれ「重量部」及び「重量%」を示す。
【0039】実施例1 (フィトンチッドマイクロカプセルの調製)酸処理ゼラ
チン4.5部を水115部に十分溶解する。これにα−
ピネン10部、β−ピネン10部、ユ−カリ油10部を
添加し、40℃で乳化した。次に、40℃のアラビアゴ
ム10%水溶液60部を加え、更に、40℃の温水30
部を添加した後、酢酸でpH4.0に調整し、5℃まで
冷却した。
【0040】更に10%ホルマリン水溶液を8.4部を
加えた後、可性ソ−ダでpH10に調整し硬化させた。
得られたマイクロカプセル液を噴霧乾燥し、平均粒子径
11μm、壁膜含有量15%のマイクロカプセルを得
た。 (壁紙表面素材塗液の調製) 塩ビ樹脂 100部 可塑剤(ジオクチルフタレ−ト) 60部 充填剤(炭酸カルシウム) 20部 着色顔料(酸化チタン) 10部 フィトンチッド内包マイクロカプセル 15部 発泡剤(アゾジカ−ボンアミド) 4部 安定剤(ステアリン酸亜鉛) 2部 希釈剤(ミネラルスピリット) 5部 上記配合で塩ビペ−ストレジンゾルを調製した。次いで
米坪80g/m2 の裏打ち紙に、上記塗液をコンマダイ
レクトコ−タ−で厚さ150μmに塗布し、160℃で
半ゲル化させた。更に、上記半ゲルシ−ト上に、ベンズ
トリアゾ−ルを含有する発泡禁止インクをパタ−ン印刷
し、200℃で発泡させ、ケミカルエンボス加工を施し
た機能性壁紙を得た。
【0041】実施例2 (フィトンチッドマイクロカプセルの調製)α−ピネン
10部、β−ピネン10部、ユ−カリ油10部、ポリス
チレンスルホン酸ソ−ダ8部、尿素4部を水300部に
添加し、pHを4に調整し、40℃で乳化を行った。次
に、40℃の25%ホルマリン水溶液15部を昇温攪拌
しながら滴下し、液温を65℃に調整し、約1時間反応
させた。次に、液温を室温に冷却して後、得られたマイ
クロカプセル液を噴霧乾燥し、平均粒子径10μm、壁
膜含有量12%のマイクロカプセルを得た。実施例1に
おける壁紙表面素材塗液の調製において用いたマイクロ
カプセル15部の代わりに上記マイクロカプセル15部
を使用した以外は、実施例1と同様にして機能性壁紙を
得た。
【0042】実施例3 実施例1の壁紙表面素材塗液の調製において、フィトン
チッドを内包したマイクロカプセルを使用しなかった以
外は、同様にして塩ビペ−ストレジンゾルを調製した。
次いで米坪80g/m2 の裏打ち紙に、上記塗液をコン
マダイレクトコ−タ−で厚さ150μmに塗布し、16
0℃で半ゲル化させた。更に、上記半ゲルシ−ト上に、
ベンズトリアゾ−ルを含有する発泡禁止インクをパタ−
ン印刷し、200℃で発泡させ、ケミカルエンボス加工
を施した。得られた壁紙表面素材層上に、ポリエステル
ポリアリレ−トとポリウレタンポリアリレ−トの各プレ
ポリマ−混合物(商品名:78E204、モ−ビル石油
社製)に実施例2で使用したマイクロカプセルを樹脂固
形100部に対し10部混合した樹脂組成物を乾燥塗布
量が8g/m2 となるように塗布し、エレクトロカ−テ
ン型電子線照射装置(CB:150型、ESI社製)で
1.5Mradの照射線量で処理して樹脂成分を硬化さ
せ、オ−バ−コ−ト層を有した機能性壁紙を得た。
【0043】実施例4 実施例1の壁紙表面素材塗液の調製おいて、発砲剤及び
マイクロカプセルを除いた塩ビペーストレジンゾルを調
製した。次に米坪80g/m2 の裏打ち紙に、上記塩ビ
ペーストレジンゾルをコンマダイレクトコーターで厚さ
100μmに塗布しゲル化させた。更に、上記素材上に
実施例1で調製した塩ビペーストレジンゾルをスクリー
ン印刷法にて100μmの厚さになるようにパターン印
刷し、200℃で加熱発砲させ、発砲エンボス加工を施
した機能性壁紙を得た。
【0044】比較例1 実施例1の壁紙表面素材塗液の調製において、マイクロ
カプセルを使用しなかった以外は同様にして壁紙を得
た。次いでα−ピネン10部、β−ピネン10部、ユ−
カリ油10部を水性エマルジョンにして混合調製し、上
記壁紙の裏面(裏打ち紙の裏面)にフィトンチッド成分
として10g/m2 になるようにハケで塗布した。
【0045】かくして得られた上記壁紙を実験室に実際
に貼り、その芳香による爽快感や蚊が近寄るかどうかの
違いを観察した。その結果、各実施例では爽快感も優
れ、又蚊が近寄らない点で比較例とは明らかな差が存在
した。特に、実施例3の壁紙は表面光沢も優れ、独特の
風合いも持った機能性壁紙であった。
【0046】
【発明の効果】フィトンチッドを内包したマイクロカプ
セルを、表面素材中及び/又は表面素材層上に設けた電
離放射線硬化樹脂を主成分とするオ−バ−コ−ト層中に
含有した本発明の壁紙は、馥郁たる香りを放ち、爽快感
の優れた機能性壁紙であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D21H 21/50 19/16 25/00 21/14 7258−4F B32B 27/00 Z 7199−3B D21H 1/34 C 7199−3B 1/48

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フィトンチッド成分を内包したマイクロカ
    プセルを、表面素材層を設けた壁紙または表面素材層上
    に電離放射線硬化樹脂を主成分とするオ−バ−コ−ト層
    を設けた壁紙の、表面素材層中及び/又はオーバーコー
    ト層中に含有したことを特徴とする機能性壁紙。
  2. 【請求項2】壁紙の表面素材が塩化ビニル樹脂を主体と
    した組成物である請求項1記載の機能性壁紙。
  3. 【請求項3】壁紙の表面素材層が、ケミカルエンボス加
    工或いは発砲剤を塩化ビニルペースト樹脂に練り込んだ
    発砲インキを印刷した後、発砲エンボス加工された請求
    項1または請求項2記載の機能性壁紙。
JP18821292A 1992-06-09 1992-07-15 フィトンチッドを含有した壁紙 Pending JPH0657699A (ja)

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