JPH06228469A - 防菌防かび性表面処理剤組成物 - Google Patents

防菌防かび性表面処理剤組成物

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JPH06228469A
JPH06228469A JP3623593A JP3623593A JPH06228469A JP H06228469 A JPH06228469 A JP H06228469A JP 3623593 A JP3623593 A JP 3623593A JP 3623593 A JP3623593 A JP 3623593A JP H06228469 A JPH06228469 A JP H06228469A
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resin
chlorine dioxide
antibacterial
solution
antifungal
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JP3623593A
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Shoji Yoshida
昌二 吉田
Makoto Yasumi
真 保美
Kazufumi Maeda
和文 前田
Hiroshi Endo
宏 遠藤
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HONNY CHEMICAL IND
Honny Chemicals Co Ltd
Original Assignee
HONNY CHEMICAL IND
Honny Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 防菌防かび性表面処理剤組成物の提供。 【構成】 水溶液または5%水懸濁液のpHが7.0以
上であり皮膜形成能を有する樹脂液中に、pHが8.0
〜12.0に調製された0.1〜5.0%の安定化二酸
化塩素液を内部に保持した無機質壁マイクロカプセルを
分散させた組成物を主成分としたことを特徴とする防菌
防かび性表面処理剤組成物。 【効果】 浴室、病院などの内壁、各種収納箱などに塗
装して、防菌防かびとともに消臭もされ、フィルムや不
織布、紙などのシート状物に塗布したシート、スリッ
パ、靴中敷等の防菌、防かびおよび消臭などの効果を奏
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、対象物に施して防菌防
かび効果を発揮する、防菌防かび性表面処理剤組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】防菌防かび剤は、現在までに数多くの薬
剤が知られており各分野で使用されているのは公知の通
りである。最近では、健康と環境への影響面の意識が高
まったため、例えば銀などの金属イオンを無機担体に担
持させたいわゆる金属系無機防菌剤や、植物油成分を用
いた天然物系の防菌剤などが安全性の面から注目される
ようになった。
【0003】これらの防菌防かび剤の使用態様は、例え
ば、繊維に練り込んで織布にするとか、原料合成樹脂に
練り込んで成形物にするとか、あるいは塗料中に配合し
て浴室の防かび塗料として用いるなど多様であるが、こ
れらの従来品はその接触面における防菌防かび効果が達
成できるにとどまり、例えば密閉空間内の非接触面での
防菌防かび効果は期待できない欠点があった。
【0004】しかもこれらの従来品は、健康や環境面で
の安全性があって、かつ、優れた防菌防かび性能が長く
持続するものがなく、その改良が要望されている。又こ
れら従来品は、防菌性もしくは防かび性の何れかの単一
機能しか備えていないのが殆どであった。
【0005】例えば古くは特公昭48−32079号公
報において、安定化二酸化塩素液を塩基性の吸水性粉末
に吸着させて、使用時に酸性固体粉末と混合して二酸化
塩素ガスを発生させる例が開示されており、さらに亜塩
素酸塩にクエン酸などのプロトン酸あるいは酸化チタン
などの酸性無機化合物を混合してガスを発生させる例
(特開昭60−103003号公報、特開平1−349
04号公報、特開平2−104509号公報など)があ
げられる。これらはいずれも二酸化塩素ガスの発生が速
やかであり、持続的にガスを発生させて使用する用途に
は適さない欠点があった。
【0006】一方、ガスの発生を徐放性にする試みとし
ては、例えば特開平3−285801号公報に開示され
ているように、亜塩素酸塩にペルオキソ二硫酸カリウム
の如き含イオウ酸素酸易水溶液を混合する例、亜塩素酸
塩にトリクロロイソシアヌール酸を発生剤とし、ケイ酸
カルシウムを希釈剤として添加する試み(特開昭63−
246304号公報)、シリカゼオライトと亜塩素酸塩
とよりなる組成物(特開平1−71804号公報)、ア
ルミノケイ酸塩と酸化剤との混合組成物(特開平2−2
77455号公報)、あるいは白金やホウ酸などの遷移
金属を用いてガスを発生させる試み(特開平3−164
402号公報)などがあげられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、これらの徐
放性を目的とした上述の組成物はガス発生の遅延の効果
はある程度認められるものの、ガス発生剤を混合してい
る限り、保存中のガスの発生を抑止することは不可能な
ため長期間の保存に適さず、しかも使用開始時から例え
ば1〜2ヵ月などの長期間にわたってガス発生を継続さ
せることは不可能である欠点があった。
【0008】本発明者らは、先に安定化二酸化塩素液を
特定した吸着担体に担持させ、これを樹脂液中に分散し
て塗料となし、その塗布物が防かび性及び消臭性に優れ
ていることを見出した(特願平4−279150号)。
しかし、この塗料組成物についても、二酸化塩素ガスの
リリースコントロール性を向上させて、その有効期間を
延ばす点で改良の余地が残されていた。
【0009】マイクロカプセルが、薬剤の徐放(リリー
スコントロール)用として有用で、各用途に使用されて
いることは公知であり、塗料関係では、例えば外装用塗
料の防かび性能の向上のために防かび剤のマイクロカプ
セル化の研究が行なわれており(昭和61年10月5
日、技報堂発行「防菌防黴ハンドブック」第415〜4
16ページ)、また防汚塗料用にトリブチルスズクロリ
ドなどの有機金属化合物を、ゼラチンを用いてマイクロ
カプセル化したり(USP4253877)、または乳
化重合法によってカプセル化して(特開昭52−106
385号公報)、船底塗料に配合するなどの試みも提案
されている。
【0010】更に他の例としては、クロルピリホスなど
の有機リン系薬剤を無機質マイクロカプセル化して塗料
中に配合し、殺虫塗料とすることも行なわれている(大
阪工業試験所季報、平成元年12月、第40巻第4号第
8〜13ページ)。
【0011】ところで、安定化二酸化塩素液をマイクロ
カプセル化して塗料に配合する試みについては多くの実
験の結果、種々の問題点があることが明らかとなった。
すなわち第一にゼラチンのコアセルベーション法でマイ
クロカプセル化して得られる有機質壁のマイクロカプセ
ルは、安定化二酸化塩素液の酸化作用で経時変化してカ
プセルが破壊されることから使用に耐えないこと、第二
に、無機質壁マイクロカプセルを用いた場合も安定化二
酸化塩素液を担持させたのち、二酸化塩素ガスの発生が
みられて保持安定性が劣っていたり、または、例え保持
安定性が良くても塗料中にこれを配合した場合、経時変
化によって塗料がゲル化または溶剤と樹脂分が分離する
などの現象が観察されるなどである。こういう多くの問
題点があるため、安定化二酸化塩素液およびマイクロカ
プセルがともに公知であるにもかかわらず、安定化二酸
化塩素液をマイクロカプセル化して塗料に配合しようと
することは今まで実用化されていなかった。
【0012】本発明は、上述の現状に鑑みなされたもの
で、とくに、安定化二酸化塩素ガスの徐放性に基づく防
菌防かび効果を長期にわたって発揮できる表面処理剤組
成物を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明者らは、多年にわたる安定化二酸化塩素液吸
着物の研究結果得られた知見をもとに、安定化二酸化塩
素液を安定的に保持してこれを徐放するようにマイクロ
カプセル化するための各種必要条件、およびこのマイク
ロカプセル化した二酸化塩素を使用して、防菌防かび性
の表面処理剤組成物とすることについて鋭意研究を重ね
た結果、安定化二酸化塩素液の使用時の希釈によるpH
の低下を補正して特定範囲のpHにすることが、マイク
ロカプセル化した場合の安定性に必須であること、マイ
クロカプセルとしては無機質であってしかもpHが7以
上であることが、表面処理剤組成物中に配合した場合
に、そのゲル化、分離などを避ける上で必要なことを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0014】すなわち、本発明は水溶液または5%水懸
濁液のpHが7.0以上であり皮膜形成能を有する樹脂
液中に、pHが8.0〜12.0に調製された0.1〜
5.0%の安定化二酸化塩素液を内部に保持した無機質
壁マイクロカプセルを分散させた組成物を主成分とした
ことを特徴とする防菌防かび性表面処理剤組成物を要旨
としている。
【0015】
【作用】本発明の構成と作用を説明する。本発明で用い
る安定化二酸化塩素液は、二酸化塩素ガスを単に水中に
溶解させた二酸化塩素水とは異なり、例えば、過炭酸ソ
ーダなどの過酸化物に二酸化塩素ガスを吸収させて錯塩
とし、これを水中に安定的に保持溶解させて得られたも
ので、その製法の一例としては、米国特許第31235
21号明細書に開示されている。
【0016】本発明では、前記明細書に記載された方法
で安定化された液に限らず、他の方法で安定化された二
酸化塩素液も用いうる。市販の5%安定化二酸化塩素液
は、その製造法の違いなどによってpHは約7.5から
10の範囲(例えばA社品のpH7.5〜9.5、B社
品のpH8.5〜9.5、C社品のpH9.4〜9.
9)にあり、これを使用に際して水でうすめた場合pH
の低下があり、例えば通常の使用濃度である0.05〜
1.0%の水溶液ではpHは6.8〜9.0を示す。
【0017】従って、本発明で安定化二酸化塩素液をマ
イクロカプセル化するに際して水でうすめる場合は、ア
ルカリ性化合物を添加してpHを8.0〜12.0、好
ましくは9.0〜10.0に調製する必要がある。この
目的に使われるアルカリ性化合物としては過炭酸ソー
ダ、重炭酸ソーダ、炭酸ソーダなどが好適に用いられる
が、これに限ったものではない。
【0018】安定化二酸化塩素液のpHが8.0未満で
あると、マイクロカプセル化した場合の安定化二酸化塩
素液内蔵マイクロカプセルの保存安定性が損なわれ、こ
のカプセルを配合した本発明防菌防かび性表面処理剤組
成物の保存安定性も損なわれる。またpHが12.0を
超えると、表面処理剤組成物の皮膜が形成された場合に
二酸化塩素ガスの発生が抑制されることが、多くの実験
の結果判明しているので避けた方がよい。
【0019】本発明で使用する安定化二酸化塩素液は、
要求される使用目的に応じて0.1から5%の液を用い
るが、その濃度は主に表面処理剤組成物を塗布した場合
に要求される二酸化塩素ガスの発生強度(発生濃度)お
よびガス発生の持続性によって選べばよい。0.1%未
満の濃度はその防菌防かび効果が劣ること、また5%を
超える濃度では、本発明組成物を使用するまでの保存安
定性に欠けるから、保存が不要な場合を除き避けた方が
好ましい。
【0020】次に本発明で用いる無機質壁マイクロカプ
セルについて説明する。一般的に、無機質マイクロカプ
セル化の手法は、単なる付着を利用する方法と沈殿反応
を利用する方法とに大別でき、後者は、さらに表面沈積
法と界面反応法とに細別されるが、本発明組成物の製造
法としては、マイクロカプセルの液体保持性能と保持安
定性の点から界面反応法が適している。界面反応法によ
って球形粒子(マイクロカプセル壁)を調製するにあた
っての原料塩としては、とくに制限はない。通常は、シ
リカもしくはケイ酸カルシウムよりなるマイクロカプセ
ル壁が好適に用いられる。
【0021】無機質壁マイクロカプセルを調製するにあ
たっては、エマルション液の反応法、界面活性剤の種類
あるいは濾別、水洗などの処理工程の差によっては、得
られたマイクロカプセルのpHが7.0未満の場合が生
ずるが、本発明に用いられる無機質壁マイクロカプセル
としては、最終の表面処理剤組成物とした場合の経時的
な安定性が良く、ゲル化、相分離などが起こらないよう
に、その5%水懸濁液のpHが、7.0以上のものが好
ましい。
【0022】本発明で用いる皮膜形成能を有する樹脂液
としては、水系(エマルション系を含む)であればその
水溶液のpHが、非水系であれば5%水懸濁液のpHが
それぞれ7.0以上、好ましくは8.0以上を示す樹脂
液を用いる。7.0未満のpHを示す樹脂液は、マイク
ロカプセルを分散して本発明表面処理剤組成物とした場
合、長期間の保存中に変質して異臭を発生したり、ゲル
化するなどの欠陥例がみられた。
【0023】用いうる樹脂の種類としては、具体的には
アクリル、アクリル−酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニ
ル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニリデ
ン、アルキッド樹脂、スチレンアルキド樹脂、アクリル
・シリコン樹脂あるいはセルロース系樹脂が好適に用い
られる。例えばアミン類等のように二酸化塩素との反応
性が強い成分を含む樹脂は使用を避けたほうが好まし
い。
【0024】安定化二酸化塩素液をマイクロカプセル化
したものは80℃以上の加熱によって二酸化塩素ガスを
発生しやすくなるので、前記樹脂液は熱硬化型の樹脂よ
りも常温硬化型もしくは湿気硬化型などの80℃以下の
加熱で皮膜を形成できる樹脂液を選ぶ必要がある。
【0025】これらの樹脂液のうち何れを用いるか、ま
た水系にするか溶剤型にするかなどの選択は、本発明表
面処理剤組成物を施す対象物の種類、要求される防菌防
かび性の効果の程度などによって行なえばよい。
【0026】次に、本発明表面処理剤組成物の調製法、
および各成分の量比について説明する。まず無機質壁マ
イクロカプセルの調製については、常法の界面反応法と
称されるエマルション利用の中空球形粒子調製法が用い
られる。
【0027】得られた中空の球形粒子に安定化二酸化塩
素液を担持させるには、いわゆる含浸法を用いて無機質
マイクロカプセル化安定化二酸化塩素剤とする。すなわ
ち、中空球形粒子を真空状態にしたのち、所定量の安定
化二酸化塩素液を滴下注入する方法によって行なう。
【0028】安定化二酸化塩素液の中空球形粒子に対す
る量比は、中空球形粒子の吸着能に応じて50〜200
重量%の範囲で選択してよい。こうして得られた安定化
二酸化塩素液を担持したマイクロカプセルを樹脂液中に
分散するには、塗料製造に使用される一般の分散機を用
いて常法に従って調製出来る。
【0029】安定化二酸化塩素液を担持したマイクロカ
プセルの樹脂液に対する量比は、通常樹脂分に対して1
0〜50重量%が用いられる。この分散工程で塗装性改
善のため、例えば消泡剤、分散剤、レベリング剤等の添
加剤を添加することおよび染料、顔料を用いて着色する
ことは任意に行なってよい。
【0030】本発明表面処理剤組成物を対象物に塗布す
るには、ロール塗装、浸漬、スブレー法などの常法が適
用でき、更に増粘剤などを添加し、印刷インキ適性をも
たせることによりスクリーン印刷法も採用できる。
【0031】本発明表面処理剤組成物は、紙、フィル
ム、不織布などの各種シート状物、ブラスチック板、木
材その他の対象物に塗布することにより、防菌防かび剤
として利用できる。しかも密閉空間内であれば、塗布面
のみならずその周辺の非接触空間での効果も期待でき
る。
【0032】
【実施例】本発明を実施例により具体的に説明するが、
これによって本発明は限定されるものではない。なお、
部および%は、特に明示しないかぎり重量部、重量%で
ある。
【0033】実施例1 1号ケイ酸ナトリウム(Na2O・2SiO2)の3.0
moL/L水溶液と、非イオン系界面活性剤ポリオキシ
エチレンソルビタントリオレエート(花王製:商品名ツ
イン85)の30g/L濃度ヘキサン溶液とを容積比で
1:2に混合し、ホモミキサーを用いて4000r.
p.mで約2分間乳化してエマルションを得た。
【0034】このエマルション100部に対し1.5m
oL/L濃度の炭酸水素アンモニウム水溶液200部を
混合し60分間反応させる。反応終了後7時間静置し、
遠心分離により油相、水相、沈殿の分別を行ない、次い
で濾別、水洗、メタノール洗浄を行ない、100〜11
0℃で24時間乾燥して、シリカ系の中空球状粒子を得
た。このものの5%水懸濁液のpHは8.0であった。
【0035】ガラス鐘内のマイエルフラスコに、100
部の上記シリカ壁中空球形粒子を入れ、真空ポンプを用
いて約4時間真空排気をする。この真空状態を保持した
まま、予めセットされている足長分液ロートから、5
0,000ppmの安定化二酸化塩素液150部(15
0%対中空球形粒子)を滴下注入する。得られたシリカ
マイクロカプセル化安定化二酸化塩素(Mとする)は、
やや湿った粉末状を呈し、二酸化塩素ガス臭の発生もな
く、安定した保存性があった。
【0036】先願発明(特願平4−278150号)の
安定化二酸化塩素液を吸着担体に担持させた吸着物と、
本発明で用いるマイクロカプセルとの二酸化塩素徐放性
を比較するため、先願発明実施例1の処方にしたがっ
て、次の吸着物を用意する。
【0037】すなわち、活性アルミナ粉末(住友化学工
業製、粒度10〜15μm)50部およびケイ酸カルシ
ウム粉末30部(粒度20〜30μm)を均一に混合し
た後5%の安定化二酸化塩素液(ダイソー製、商品名オ
スロン)100部を加えて混合し、吸着物(A)とす
る。
【0038】上記吸着物(A)と本発明のマイクロカプ
セル化物(M)とを、1.0g正確に秤量してシャーレ
にとり、室内放置して経日ごとに残存ClO2をヨード
メトリー法で分析して、その徐放性を試験した。結果は
表1に示すとおりで、明らかに本発明のマイクロカプセ
ル化物が優れていた。
【0039】
【表1】
【0040】前記のように調製した本発明のマイクロカ
プセル化物を次のような配合で表面処理剤組成物とし
た。市販の湿気硬化型アクリル・シリコン樹脂液(信越
化学工業製、樹脂分50%、5%水懸濁液のpH8.
5)100部、上記マイクロカプセル20部(樹脂分比
40%)、亜鉛華10部、酸化チタニウム5部、消泡剤
0.3部、レベリング剤0.4部をホモミクサーで混合
分散して、本発明表面処理剤組成物とした。
【0041】70mm×150mm×1mmのABS樹
脂板の片面に、上記本発明組成物を刷毛塗りして約10
0μm厚さの皮膜を形成した。一方、銀ゼオライト系抗
菌剤(鐘紡製、商品名バクテキラー)を前述樹脂中に分
散させて、塗膜中の含有量が5%になるように塗布して
比較品とした。
【0042】大腸菌、黄色ブドウ球菌およびサルモネラ
菌について、シェイクフラスコ法によって抗菌性をテス
トした。テスト結果は表2〜表4に示されるように、本
発明組成物が優れた抗菌性を示した。
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】試験法は、試験菌株を普通ブイヨン培地で
35℃24時間培養し、約108個/mLの菌液を得
て、これを滅菌リン酸緩衝生理食塩水を用いて1000
倍に希釈し、試験菌液とした。
【0047】一方、三角フラスコに滅菌リン酸緩衝生理
食塩水70mLおよび試験菌液5mLを添加し、これに
20mm×20mmの試料片(約2.3g)を加えて試
験液とした。試験液を25±2℃で振盪し、0(菌液添
加直後)、6、12および24時間後の生菌数を測定し
た。また試料片無添加のものについても同様に試験を行
ない、対照とした。
【0048】実施例2 実施例1の中空球形粒子を調製する工程において、1.
5moL/L濃度の炭酸水素アンモニウム水溶液200
部の代わりに1.5moL/L濃度の塩化カルシウム水
溶液200部を用いて同様の方法でケイ酸カルシウム系
中空球形粒子を得た。このものの5%水懸濁液のpHは
8.5を示した。実施例1同様の真空法によって50,
000ppmの安定化二酸化塩素液を50%吸着させて
マイクロカプセル化物を得た。
【0049】市販塩化ビニル系エマルション(日本ゼオ
ン製、商品名ニッポールG−576、樹脂分55%、p
H8.5)100部、上記マイクロカプセル27.5部
(樹脂比50%)、活性アルミナ10部、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルローズ1.5部、5%安定化二酸化塩
素液50部および消泡剤0.5部を均一に分散して、水
系の本発明表面処理剤組成物を得た。
【0050】比較対照品として、実施例1で用いた銀ゼ
オライト系抗菌剤含有塗料および市販防かび塗料(アサ
ヒペン製、商品名OFF)を用意する。
【0051】75mm×150mm厚み1mmのABS
樹脂板に本発明表面処理剤組成物および上記比較対照品
2種を、塗膜厚さが100μmになるように塗布して防
かび性試験片とした。供試かびとして黒かび(Appe
rgillus niger FERMS−2)を用
い、JIS Z 2911の試験方法に準じて防かび試
験を行なった結果を表5に示す。
【0052】
【表5】
【0053】この結果から本発明表面処理剤組成物は、
接触面のみならず周囲の空間においても防かび効果のあ
ることが判明した。これは本発明表面処理剤組成物が、
二酸化塩素ガス徐放性という従来品にない特性をもった
防かび剤であることに起因しているためであると考えら
れる。
【0054】参考例 市販の無機質壁マイクロカプセル(鈴木油脂製、商品名
ゴッドボールB−6C、中空シリカ系、5%水懸濁液の
pH6.5)100部に、実施例1の真空法で50,0
00ppmの安定化二酸化塩素液100部を注入した。
こうして得られたマイクロカプセル化物は、二酸化塩素
ガスの揮散が早く保存性が劣っていた。これは安定化二
酸化塩素液がマイクロカプセルのpH7未満の酸性側で
分解・揮散する性質に起因していると考えられる。
【0055】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているから、本発明表面処理剤組成物を塗布された塗布
面から長期間にわたって微量ずつ二酸化塩素ガスを揮散
し、塗布面およびその周辺の防菌、防かびの効果を発揮
できるもので、その効果はこの種従来品では到底達成し
得なかったものである。さらに二酸化塩素ガスによる消
臭効果も奏されることから、本発明表面処理剤組成物は
例えば浴室、病院などの内壁、各種収納箱などに塗装し
て防菌、防かびとともに消臭もされ、フィルムや不織
布、紙などのシート状物に塗布したシート、スリッパ、
靴中敷等の防菌、防かびおよび消臭など多方面の用途に
利用することができ、産業上きわめて有益である。
フロントページの続き (72)発明者 遠藤 宏 兵庫県神戸市須磨区白川台6丁目11番地7

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶液または5%水懸濁液のpHが7.
    0以上であり皮膜形成能を有する樹脂液中に、pHが
    8.0〜12.0に調製された0.1〜5.0%の安定
    化二酸化塩素液を内部に保持した無機質壁マイクロカプ
    セルを分散させた組成物を主成分としたことを特徴とす
    る防菌防かび性表面処理剤組成物。
  2. 【請求項2】 5%水懸濁液のpHが7.0以上を示す
    ように調製された無機質壁マイクロカプセルを使用する
    請求項1記載の防菌防かび性表面処理剤組成物。
  3. 【請求項3】 樹脂液成分が、塩化ビニル樹脂、塩化ビ
    ニル−酢酸ビニル共重合物、塩化ビニリデン樹脂、アル
    キド樹脂、アクリル樹脂あるいはアクリルーシリコン樹
    脂である請求項1または2記載の防菌防かび性表面処理
    剤組成物。
  4. 【請求項4】 樹脂が常温硬化型もしくは湿気硬化型で
    ある請求項1、2または3記載の防菌防かび性表面処理
    剤組成物。
  5. 【請求項5】 無機質壁マイクロカプセル内部に、50
    〜200重量%の安定化二酸化塩素液を保持している請
    求項1ないし4のいずれかに記載の防菌防かび性表面処
    理剤組成物。
  6. 【請求項6】 樹脂分に対し、安定化二酸化塩素液を内
    部に保持した無機質壁マイクロカプセルが10〜50重
    量%である請求項1ないし5のいずれかに記載の防菌防
    かび性表面処理剤組成物。
  7. 【請求項7】 無機質壁マイクロカプセルが、シリカも
    しくはケイ酸カルシウムよりなる請求項1ないし6のい
    ずれかに記載の防菌防かび性表面処理剤組成物。
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