JPH0782109A - マイクロカプセル化抗菌剤 - Google Patents

マイクロカプセル化抗菌剤

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JPH0782109A
JPH0782109A JP25380493A JP25380493A JPH0782109A JP H0782109 A JPH0782109 A JP H0782109A JP 25380493 A JP25380493 A JP 25380493A JP 25380493 A JP25380493 A JP 25380493A JP H0782109 A JPH0782109 A JP H0782109A
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isothiazolone
antibacterial
antibacterial agent
test
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JP25380493A
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Koji Kiuchi
宏治 木内
Masami Sugi
真美 杉
Hisano Higure
久乃 日暮
Katsura Eto
桂 江藤
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Kurita Water Industries Ltd
Toppan Edge Inc
Original Assignee
Kurita Water Industries Ltd
Toppan Moore Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】イソチアゾロン系化合物の包接化合物を、メラ
ミン又は尿素−グルタルアルデヒド反応物でマイクロカ
プセル化したことを特徴とするマイクロカプセル化抗菌
剤。 【効果】外的環境から該抗菌成分を保護してその安定化
を図り、工業用防菌、防カビ剤などとしての使用時の効
果を長期間持続させるとともに、該抗菌成分の皮膚刺激
性を軽減させた抗菌剤である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なマイクロカプセル
化抗菌剤、さらに詳しくは、抗菌活性に優れるイソチア
ゾロン系化合物の包接化合物をメラミン又は尿素−グル
タルアルデヒド反応物でマイクロカプセル化することに
より、外的環境から該抗菌成分を保護してその安定化を
図り、工業用防菌、防カビ剤などとしての使用時の効果
を長期間持続させるとともに、該抗菌成分の皮膚刺激性
を軽減させたマイクロカプセル化抗菌剤に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、イソチアゾロン系化合物は、広い
範囲の細菌、カビ及び藻類などに対して、優れた抗菌活
性を示し、かつその作用が即効性を有することから、工
業抗菌剤として幅広く使用されている。しかしながら、
このイソチアゾロン系化合物は皮膚刺激性が高い上、化
学的安定性に劣り、特にアルカリ性域において、あるい
は液中に還元性物質や求該試薬(硫化物、アミンなど)
などが共存すると分解が加促されるため、適用する系に
おいて十分に効果が発揮されないという欠点があった。
したがって、該イソチアゾロン系化合物を化学的に安定
化させるために、これまで種々の検討がなされており、
例えば(1)適当な金属塩、具体的には2価金属塩を適
用対象製品である塗料、切削油などに添加することによ
り、該化合物を安定化する方法(特開昭47−4283
9号公報、同48−48465号公報)、(2)イソチ
アゾロン系化合物を包接化することにより、化学的安定
化を図り、効果を持続させる方法(特開平1−3163
01号公報)などが提案されている。しかしながら、前
記(1)の金属塩を添加する方法においては、適用対象
系がアルカリ性であったり、液中に還元性物質や求該試
薬などが共存する場合、該イソチアゾロン系化合物の分
解を抑制し、かつ防菌、防カビ効果を長期間にわたり持
続させることが困難である。また、エマルション製品、
例えばラテックスや塗料などに金属塩を添加すること
は、エマルションの破壊を引き起こすおそれがあり、好
ましいことではない。一方、前記(2)のイソチアゾロ
ン系化合物を包接化する方法では、数日程度の短期間で
あれば、該イソチアゾロン系化合物は徐放性を示すこと
により、抗菌活性の持続が認められるが、塗料やラテッ
クスなどで要望される数カ月にもおよぶ長期にわたる防
腐効果の持続性については、アルカリ性であったり、還
元性物質や求該試薬などが共存する製品に対しては、十
分に満足できる効果は得られない。このようなことか
ら、工業用防菌、防カビ剤としてイソチアゾロン系化合
物を適用する場合には、一般に製品の分解を考慮して過
剰量の添加を行ったり、何回も再添加を繰り返したり、
あるいは該イソチアゾロン系化合物よりも殺菌効力は劣
るが、効果の持続性に優れる他の化合物を併用する方法
が採用されているのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、抗菌活性成分としてイソチアゾロン系化
合物を用い、かつその安定化を図り、工業用防菌、防カ
ビ剤などとして使用時の効果を長期間持続させるととも
に、皮膚刺激性を軽減させた抗菌剤を提供することを目
的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の好
ましい性質を有する抗菌剤を開発すべく鋭意研究を重ね
た結果、イソチアゾロン系化合物の包接化合物を、メラ
ミン又は尿素−グルタルアルデヒド反応物でマイクロカ
プセル化することにより、その目的を達成しうることを
見い出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明は、イソチアゾロン系化合物の包
接化合物を、メラミン−グルタルアルデヒド反応物でマ
イクロカプセル化したことを特徴とするマイクロカプセ
ル化抗菌剤を提供するものである。以下、本発明を詳細
に説明する。本発明のマイクロカプセル化抗菌剤におい
ては、芯物質としてイソチアゾロン系化合物の包接化合
物が用いられる。このものは、イソチアゾロン系化合物
をゲスト化合物とし、これを包接しうるホスト化合物で
包接したものである。ここで、該ゲスト化合物となるイ
ソチアゾロン系化合物としては、一般式[1]
【0005】
【化1】
【0006】(式中のR1は水素原子、アルキル基、ア
ルケニル基、アルキニル基又はアラルキル基、R2及び
3はそれぞれ水素原子又はハロゲン原子を示すが、R2
とR3とが縮合してベンゼン環を形成していてもよい)
で表される化合物を挙げることができる。前記一般式
[1]で表されるイソチアゾロン系化合物としては、例
えば5−クロロ−2−メチルイソチアゾリン−3−オン
(以下CMIと略称する)、2−メチルイソチアゾリン
−3−オン、2−オクチルイソチアゾリン−3−オン、
4,5−ジクロロ−2−オクチルイソチアゾリン−3−
オン、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンなどが
挙げられる。
【0007】一方、ホスト化合物としては、前記イソチ
アゾロン系化合物を包接し、包接化合物を形成しうるも
のであればよく、特に制限はない。このようなものとし
ては、例えば1,1,6,6−テトラフェニル−2,4−ヘ
キサジイン−1,6−ジオール、1,1−ビス(2,4−
ジメチルフェニル)−2−プロピン−1−オール、1,
1,4,4−テトラフェニル−2−ブチン−1,4−ジオ
ール、1,1'−ビ−2−ナフトール、1,1,6,6−テ
トラキス(2,4−ジメチルフェニル)−2,4−ヘキサ
ジイン−1,6−ジオール、9,10−ビス(4−メチル
フェニル)−9,10−ジヒドロアントラセン−9,10
−ジオール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
シクロヘキサン、N,N,N',N'−テトラ(シクロヘキ
シル)−[1,1'−ビフェニル]−2,2'−ジカルボキ
シアミド、5,5'−ジクロロ−2,2'−ジヒドロキジフ
ェニルメタン、デオキシコール酸、2,5−ジ−ter
t−ブチルヒドロキノンなどの多分子系ホスト化合物が
挙げられる。これらの多分子系ホスト化合物で前記イソ
チアゾロン系化合物を包接するには、公知の方法、例え
ば特開昭61−53201号公報や特開平1−1906
01号公報などに記載されている方法を用いることがで
きる。
【0008】前記多分子系ホスト化合物と、CMIなど
のイソチアゾロン系化合物とより得られる包接化合物
は、通常固体状であり、一般に、包接化合物中のCMI
などのイソチアゾロン系化合物の含有量は10〜40重
量%、ホスト化合物の含有量は60〜90重量%であ
る。本発明抗菌剤は、このようなイソチアゾロン系化合
物の包接化合物を、メラミン又は尿素−グルタルアルデ
ヒド反応物でマイクロカプセル化したものであり、この
マイクロカプセル化は、例えば次に示す方法によって行
うことができる。すなわち、本発明の抗菌剤を芯物質と
してマイクロカプセルを調製するには、例えば、ゼラチ
ン等の水溶性ポリマーで芯物質を包括し、その濃厚相を
分離・硬化するように壁膜を形成させるコアセルペーシ
ョン法、分散状態の芯物質にモノマーを植え付け、これ
と連続相を形成する溶液の水溶性モノマーとを、それら
の界面で重合反応させ、芯物質を含有した壁膜を形成さ
せる界面重縮合法、また、芯物質に重合触媒を吸着さ
せ、外部側から初期重縮合物を包囲させるように反応さ
せ、壁膜を形成させるインサイチュ重合法、あるいは、
気中に分散した芯物質に壁剤を噴射被覆して壁膜を形成
させる気中懸濁被覆法等が用いられる。
【0009】このようにして得られた本発明のマイクロ
カプセル化抗菌剤の使用方法については特に制限はない
が、水又は有機性分散媒に分散して用いるのが好まし
い。この場合、分散質となるマイクロカプセル化抗菌剤
は、分散媒体への分散性の面からその粒子径が小さいほ
ど好ましく、実用的には100メッシュ以下の微粒体で
あるのが有利である。該有機性分散媒については、特に
制限はないが、例えばエチレングリコール、プロピレン
グリコール、グリセリン、ポリグリセリンなどのアルコ
ール類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エ
チレングリコールモノブチルエーテルなどのグリコール
エーテル類;流動パラフィン;キシレン、トルエンなど
のアルキルベンゼン類;ヒマシ油、大豆油、オリーブ
油、ナタネ油などの植物油;ヒノキオイルなどのテルペ
ン類;ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどの界面
活性剤などを用いることができる。これらの分散媒は1
種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。また、本発明のマイクロカプセル化抗菌剤には、安
定化剤としてカルボキシメチルセルロース、ポリビニル
アルコール、ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリ
ウム、キサンタンガムなどを含んでいてもよい。
【0010】本発明のマイクロカプセル化抗菌剤の添加
濃度の目安としては、例えば合成樹脂エマルション、金
属加工油、塗料、でんぷん液(スラリー及び糊)などに
防腐剤として用いる場合、1〜10,000g/m3程度
であり、また紙パルプ抄紙系にスライムコントロール剤
として用いる場合、0.1〜50g/m3程度である。本
発明のマイクロカプセル化抗菌剤は、例えば冷却水系や
紙パルプ抄紙系のスライムコントロール剤として、でん
ぷんやカゼインなどの防腐剤として、SBRラテック
ス、塗料、接着剤などの製品防腐剤として、あるいは金
属加工油使用系の防腐剤などとして、幅広い分野に極め
て有効に使用することができる。
【0011】
【作用】抗菌活性を有するイソチアゾロン系化合物の包
接化合物をメラミン−グルタルアルデヒド反応物でマイ
クロカプセル化することにより、該イソチアゾロン系化
合物は外的環境から二重に安定に保護され、かつ徐放性
が付与される。そのため、該イソチアゾロン系化合物の
分解が防止されるとともに、その徐放効果でイソチアゾ
ロン系化合物による抗菌活性が長期間にわたり安定に持
続する。しかも、該イソチアゾロン系化合物の皮膚刺激
性も低減され、取り扱い性が改善される。
【0012】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらの例によってなんら限定される
ものではない。 製造例 :CMI包接化合物(CMI含有率14重量%)の5
0重量%水系分散液100gを調製する。 :スチレンとアクリル酸の割合が1:1のスチレンア
クリル酸共重合体のエチルエステル化合物(総カルボン
酸に対し5%をエステル化させたもの)の酸触媒を60
℃で、3時間加温しながら溶解し、10重量%苛性ソー
ダ水溶液でpH値6.0に調製した10重量%酸触媒水溶
液を得る。 :で得た溶液を撹拌しながらで得た溶液を加え、
60℃で2時間加温する。 :、の工程とは別に、25重量%グルタルアルデ
ヒド水溶液58.4gを10重量%苛性ソーダ水溶液でp
H値6に調製し、この水溶液にメラミン4.6gを加え、
撹拌しながら60℃で2時間加温する。 :溶解したの溶液をで得た溶液中に、撹拌しなが
ら添加し、60℃で4時間加温する。 また、供試薬剤として、下記のものを用いた。
【0013】本発明薬剤 I−A:CMI包接化合物を含むマイクロカプセル(以
下MCと略す)化物の16wt%水懸濁液 包接化合物ホスト:5,5'-ジクロロ-2,2'-ジヒドロキ
シジフェニルメタン 包接化合物中のCMI含有率:25wt% MC中の包接化合物含有率:75wt% I−B:4,5−ジクロロ−2−オクチルイソチアゾリ
ン−3−オン(以下DOIと略す)包接化合物を含むM
C化物の25wt%水懸濁液 包接化合物ホスト:1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)シクロヘキサン 包接化合物中のDOI含有率:25wt% MC中の包接化合物含有率:80wt%
【0014】比較薬剤 II−A:CMI包接化合物(CMI含有率30wt%)1
0wt%を含む水懸濁液 II−B:CMI3wt%、MgCl28wt%及びMg(NO
3)25wt%を含むCMI錯化合物水溶液 II−C:CMI3wt%を含むエチレングリコール溶液 II−D:DOI5wt%を含む水懸濁液
【0015】実施例1、比較例1 水中溶出試験 pH8.5のM/15リン酸緩衝液100mlに、第1表に
示す種類の薬剤を1600μg/ml(CMIとして48
μg/ml)となるように添加したのち、40℃で静置保
存した。定期的に試験液を抜きとり、0.22μmフィ
ルター(日本ミリポア工業社製「マイレックスGV」)
でろ過して、そのろ液中のCMI濃度をHPLC法で定
量し、下記の式により試験液中に溶存しているCMIに
ついて残留率を求めた。結果を第1表に示す。
【0016】
【数1】
【0017】
【表1】
【0018】第1表から、比較薬剤II−Aでは、CMI
が水中で3ケ月以上残留できないのに対し本発明薬剤I
−Aは水中に徐々にMC中から溶出するため、6ケ月間
急激な濃度低下もなく、液中に安定して保持されている
ことが明らかである。 実施例2、比較例2〜4 ラテックス防腐試験 エマルションラテックスを用いた防腐試験により、本発
明薬剤の防腐効果を確認した。すなわち、スチレン−ブ
タジエン系エマルションラテックス(pH9.0)に、第
2表に示す種類と量の薬剤を添加し、さらに上記ラテッ
クスの腐敗液を細菌数が108cells/mlになるように添
加し、それを試験液とした。試験液を30℃で静置保存
し、2週間に1度の頻度で前記腐敗液を同量添加し、そ
の7日後に生菌数を測定する操作を繰り返した。防腐効
果は試験液中の細菌数が腐敗液添加7日後に103cells
/ml以下になる場合を腐敗防止の基準として、腐敗防止
日数を求めた。その結果を第2表に示す。なお、比較の
ため、無添加のもの(ブランク)についても同様に試験
を行い、結果を第2表に併記した。
【0019】
【表2】
【0020】第2表から、本発明薬剤は、従来薬剤と比
べて著しく長期にわたる腐敗防止効果を有することが確
認された。 実施例3、比較例5〜7 紙塗工液の防腐試験 製紙工場で紙の表面加工に使用する下記組成の塗工液1
00gに、第3表に示す種類と量の薬剤を添加し、これ
を広口ポリびんに入れ、40℃で静置保存した。7日間
保存後、各試験液中の生菌数を測定することにより、防
腐効果を調べた。なお、比較のために薬剤無添加のもの
(ブランク)についても同様の試験を行った。これらの
結果を第3表に示す。 塗工液組成物(重量部) カオリン :70 軽質炭酸カルシウム :30 ポリアクリル酸ナトリウム:0.2 でんぷん :7 SBR :13 潤滑剤 :1.5 耐水化剤 :0.35 水 :130 なお、塗工液は水酸化ナトリウムでpHを10.0に調整
した。
【0021】
【表3】
【0022】比較薬剤II−A、II−B及びII−Cは所定
期間防腐効果を持続させるのに、200μg/ml以上の
添加濃度が必要であるのに対し、本発明薬剤I−Aは5
0μg/mlで有効である。この結果より、イソチアゾロ
ン系殺菌剤はマイクロカプセル化することにより、適用
対象製品がアルカリ性でも分解されず、徐放性により、
低添加量でも長期間にわたり、効果が持続することが確
認された。
【0023】実施例4、比較例8〜10 切削油エマル
ション液の防腐試験 市販水溶性切削油を滅菌水で100倍に希釈したのち、
某社で使用中の切削油エマルション液を20wt%混合
し、これを試験液とした。この試験液100ccを三角
フラスコにとり、第4表に示す種類と量の薬剤を添加
後、フラスコ振とう機を用いて30℃で振とうさせた。
試験開始後の試験液pHは8.7であり、菌濃度は4.0×
105個/mlであった。また、試験中、15日後に前記
の現場使用液を再び10wt%添加した。効果の持続性を
確認するため、14日後及び30日後に各試験中の菌濃
度を平板培養法(培地:10%ブイヨン培地)で測定し
た。なお、比較のために薬剤無添加のもの(ブランク)
についても同様の試験を行った。これらの結果を第4表
に示す。
【0024】
【表4】
【0025】第4表から、本発明薬剤I−Aは、有効成
分がMC膜を通して系内に徐々に溶出することにより、
長期にわたり薬剤が残留するため、比較薬剤に比べて効
果の持続性に優れていることは明らかである。
【0026】実施例5、比較例11 水性塗料の防カビ
試験 まず、第5表に示す薬剤0.1wt%又は0.3wt%をそれ
ぞれ添加した塗料中にろ紙を浸漬し、試料を均一につけ
てから、乾燥した(温度20℃、湿度75%、48時
間)。次いで、このろ紙を直径30mmの円形に切り、2
0℃の水に浸漬した。試験片として水の浸漬期間を7、
14、30日間に変えたものをそれぞれ作成した。次
に、各試験片を乾燥後、ブドウ糖及びペプトンをベース
とした寒天平板培地上にはり付け、その上に下記5種の
カビの混合胞子懸濁液を、カビの胞子数が105個/ml
になるようにまき、30℃で1週間培養後外観観察によ
り、下記評価基準で効果を調べた。なお、比較のため
に、無添加のもの(ブランク)についても同様に試験を
行った。これらの結果を第5表に示す。
【0027】混合胞子 アスペルギルス ニゲル ペニシリウム フニクロスム クラドスポリウム クラドスポリオイデス オーレオバシジウム プルランス グリオクラジウム ビレンス 評価基準 3:試験片にカビの発育が認められない。 2:試験片のカビ発育部分面積が、全面積の1/3未満
である。 1:試験片のカビ発育部分面積が、全面積の1/3以上
である。
【0028】
【表5】
【0029】第5表から本発明薬剤は優れた防カビ効果
を有するとともに、その効果の持続性に優れていること
が認められる。
【0030】実施例6、比較例12、13 ラテックス
エマルション破壊試験 スチレン−ブタジエンラテックスエマルション(SBR
ラテックス)に対する第6表に示す薬剤の影響を調べ
た。ガラスシャーレ上にラテックスエマルション1mlを
円形に分散させたのち、第6表に示す薬剤を2〜3滴試
料中央部に滴下した。30秒間静置後、ガラス棒でゆる
やかに混ぜ、エマルションの凝固の有無を観察した。そ
の結果を第6表に示す。
【0031】
【表6】
【0032】第6表から、本発明薬剤は、従来薬剤のよ
うにエマルション製品に対して凝固を起こさず良好に使
用できることが確認された。
【0033】
【発明の効果】本発明のマイクロカプセル化抗菌剤によ
れば、(1)イソチアゾロン系化合物の分解を防止し、
安定性を向上させることができる、(2)徐放機能によ
り、効果が長期間にわたり持続するため、低添加量で処
理が可能であり、また再添加の必要性がなく、作業性が
改善される、(3)イソチアゾロン系化合物の皮膚刺激
性が低減する、(4)イソチアゾロン系化合物と反応す
る化合物との配合や併用が可能である、(5)エマルシ
ョン破壊の問題もなく、各種エマルション系に対しても
製品に悪影響を及ぼすことなく、有効に使用することが
できる、などの効果が奏される。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年12月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】
【化1】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】前記多分子系ホスト化合物と、CMIなど
のイソチアゾロン系化合物とより得られる包接化合物
は、通常固体状であり、一般に、包接化合物中のCMI
などのイソチアゾロン系化合物の含有量は10〜40重
量%、ホスト化合物の含有量は60〜90重量%であ
る。本発明抗菌剤は、このようなイソチアゾロン系化合
物の包接化合物を、メラミン又は尿素−グルタルアルデ
ヒド反応物でマイクロカプセル化したものであり、この
マイクロカプセル化は、例えば次に示す方法によって行
うことができる。すなわち、本発明の抗菌剤を芯物質と
してマイクロカプセルを調製するには、例えば、ゼラチ
ン等の水溶性ポリマーで芯物質を包括し、その濃厚相を
分離・硬化するように壁膜を形成させるコアセルベーシ
ョン法、分散状態の芯物質にモノマーを植え付け、これ
と連続相を形成する溶液の水溶性モノマーとを、それら
の界面で重合反応させ、芯物質を含有した壁膜を形成さ
せる界面重縮合法、また、芯物質に重合触媒を吸着さ
せ、外部側から初期重縮合物を包囲させるように反応さ
せ、壁膜を形成させるインサイチュ重合法、あるいは、
気中に分散した芯物質に壁剤を噴射被覆して壁膜を形成
させる気中懸濁被覆法等が用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日暮 久乃 東京都八王子市中野山王3丁目21番地271 −2号 (72)発明者 江藤 桂 東京都中野区大和町4丁目46番地5号

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イソチアゾロン系化合物の包接化合物を、
    メラミン又は尿素−グルタルアルデヒド反応物でマイク
    ロカプセル化したことを特徴とするマイクロカプセル化
    抗菌剤。
JP25380493A 1993-09-16 1993-09-16 マイクロカプセル化抗菌剤 Withdrawn JPH0782109A (ja)

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