JP6931966B2 - リチウムイオン二次電池 - Google Patents
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Description
上記非水電解液は、下記一般式(1)で表されるフルオロスルホニルイミド塩を0.001mol/L〜0.1mol/L未満含み、
上記正極活物質は、LiCoO2、LiNiO2、LiNixCoyMnzO2(0<x<1、0<y<1、0<z<1、0.9≦x+y+z≦1.1)、LiMn2O4、及びLiFePO4よりなる群から選択される少なくとも一種を含むと共に、上記正極活物質の主体となる遷移金属原子と異なる異種元素を5mol%以下含むことに要旨を有する。
本発明のリチウムイオン二次電池は、リチウムイオンの吸蔵及び放出が可能な正極活物質を含有する正極、リチウムイオンの吸蔵及び放出が可能な負極活物質を含有する負極、及び非水電解液を有する。より詳細には、正極と負極との間にはセパレーターが設けられており、非水電解液は上記セパレーターに含浸された状態で、正極、負極等と共に外装ケースに収容されている。
正極は、正極活物質、導電助剤及び結着剤等を含む正極合剤が正極集電体に担持されてなるものであり、通常、シート状に成形されている。
正極集電体の材料としては特に限定されず、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼(SUS)、チタン等の導電性金属が使用できる。中でも、アルミニウムは薄膜に加工し易く、安価であるため好ましい。
本発明において正極活物質は、LiCoO2、LiNiO2、LiNixCoyMnzO2(0<x<1、0<y<1、0<z<1、0.9≦x+y+z≦1.1)、LiMn2O4で表されるリチウム遷移金属複合酸化物、及びLiFePO4で表されるリチウム遷移金属リン酸化合物よりなる群から選択される少なくとも一種を含むと共に、正極活物質の主体となる遷移金属原子と異なる異種元素を5mol%以下含む。
LiA1-qMqO2…(2)
(式中、AはCo、又はNiから選ばれる1種の遷移金属;0<q≦0.05;Mは異種元素である)。なお、Mとして2種以上の異種元素を含む場合、qは各異種元素の構成比の和を示す。上記qの好ましい範囲、より好ましい範囲は夫々上記異種元素の含有量に対応する範囲(qは好ましくは0.001以上であって、好ましくは0.01以下、より好ましくは0.005以下)である(以下、一般式(3)、(4)、(5)において同じ)。好ましいMとしては、Al、Mg、Ti、Zr、Co、Niであり、単独、あるいは2種以上の組み合わせが挙げられる。具体的にはLiCo0.997Al0.003O2、LiCo0.997Mg0.003O2、LiCo0.99Al0.003Ti0.002Zr0.005O2、LiCo0.982Al0.003Mg0.005Ti0.005Zr0.005O2、LiCo0.99Al0.003Mg0.003Zr0.004O2,LiCo0.99Al0.003Mg0.003Ti0.004O2,LiNi0.988Co0.01Al0.002O2 ,LiNi 0.985 Co0.01Al0.005O2が例示される。
LiMn2-qMqO4…(3)
(式中、0<q≦0.05;Mは異種元素である)。なお、Mとして2種以上の異種元素を含む場合、qは各異種元素の構成比の和を示す。好ましいMとしては、Mg、Liが挙げられる。具体的にはLiMn1.995Mg0.005O4、Li1.005Mn1.995O4、Li1.005Mn1.992Mg0.003O 4 が例示される。
LiNixCoyMnzMqO2…(4)
(式中、0<x<1、0<y<1、0<z<1、0<q≦0.05、0.9<x+y+z+q<1.1;Mは異種元素である)。なお、Mとして2種以上の異種元素を含む場合、qは各異種元素の構成比の和を示す。好ましいMとしては、Al、Mg、Co、Ni、Mnであり、単独、あるいは2種以上の組み合わせが挙げられる。具体的には、LiNi0.33CO0.327Mn0.33Al0.003Mg0.01O2、LiNi0.33CO0.324Mn0.33Al0.003Mg0.003O2、LiNi0.327CO0.327Mn0.33Al0.003Mg0.003O2、LiNi0.33CO0.321Mn0.33Al0.006Mg0.003O2、LiNi0.33Co0.327Mn0.33Mg0.003O2,LiNi0.5Co0.196Mn0.3Al0.002Mg0.002O2,LiNi0.5Co0.192 Mn0.3Al0.003Mg0.005O2が例示される。
LiFe1-qMqPO4・・・(5)
(式中、0<q≦0.05;Mは異種元素である)。なお、なお、Mとして2種以上の異種元素を含む場合、qは各異種元素の構成比の和を示す。好ましいMとしては、Zr、Mnであり、単独、あるいはこれらの組み合わせが挙げられる。具体的には、LiFe0.999Mn0.001PO4、LiFe0.994Mn0.001Zr0.005PO4、LiFe0.995Zr0.005PO4が例示される。
導電助剤はリチウムイオン二次電池を高出力化するために用いられるものであり、導電助剤としては、主に導電性カーボンが用いられる。導電性カーボンとしては、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト、フラーレン、金属粉末材料、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、気相法炭素繊維等が挙げられる。
結着剤としては、ポリビニリデンフロライド、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂;スチレン−ブタジエンゴム、ニトリルブタジエンゴム、メチルメタクリレートブタジエンゴム、クロロプレンゴム等の合成ゴム;ポリアミドイミド等のポリアミド系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリアクリルアミド、ポリメチルメタクリレート等のポリ(メタ)アクリル系樹脂;ポリアクリル酸;メチルセルロース、エチルセルロース、トリエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アミノエチルセルロース等のセルロース系樹脂;エチレンビニルアルコール、ポリビニルアルコール等のビニルアルコール系樹脂;等が挙げられる。これらの結着剤は単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。また正極の製造時、これらの結着剤は、溶媒に溶けた状態であっても、溶媒に分散した状態であっても構わない。
正極の製造方法は、特に限定されないが、例えば、(i)分散用溶媒に正極合剤を溶解又は分散させた正極活物質組成物を正極集電体にドクターブレード法等で塗工したり、又は正極集電体を正極活物質組成物に浸漬した後、乾燥する方法;(ii)正極活物質組成物を混練成形し乾燥して得たシートを正極集電体に導電性接着剤を介して接合し、プレス、乾燥する方法;(iii)液状潤滑剤を添加した正極活物質組成物を正極集電体上に塗布又は流延して、所望の形状に成形した後、液状潤滑剤を除去し、次いで、一軸又は多軸方向に延伸する方法;等が挙げられる。また、必要に応じて乾燥後の正極合剤層を加圧してもよい。これにより正極集電体との接着強度が増し、電極密度も高められる。なお、正極の製造に使用する異種元素を含む正極活物質は、異種元素が所定の割合となるように、上記正極活物質と異種元素の混合比率を調整した後、例えば800℃〜1000℃程度で焼成し、ミルなどで粉砕して製造すればよい。また正極活物質や異種元素の原料となる各材料は特に限定されず、ハロゲン化物、蓚酸塩、酢酸塩、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩などの無機塩、酸化物、水酸化物等の各種公知の化合物を用いることができる。
負極は、負極活物質、結着剤及び必要に応じて導電助剤等を含む負極合剤が負極集電体に担持されてなるものであり、通常、シート状に成形されている。
負極集電体の材料としては、銅、鉄、ニッケル、銀、ステンレス鋼(SUS)等の導電性金属を用いることができる。これらの中でも銅は、薄膜への加工が容易であるので好ましい。
負極活物質としては、リチウムイオン二次電池で使用される従来公知の負極活物質を用いることができ、リチウムイオンを吸蔵、放出可能なものであればよい。具体的には、人造黒鉛、天然黒鉛等の黒鉛材料、石炭、石油ピッチから作られるメソフェーズ焼成体、難黒鉛化性炭素等の炭素材料、Si、Si合金、SiO等のSi系負極材料、Sn合金等のSn系負極材料、リチウム金属、リチウム−アルミニウム合金等のリチウム合金が負極活物質として挙げられる。
4−1.フルオロスルホニルイミド塩(1)
本発明の非水電解液は、電解質として機能する下記一般式(1)で表されるフルオロスルホニルイミド塩を0.001mol/L〜0.1mol/L未満含むものであり、好ましくは更に溶媒を含む。必要に応じて添加剤等を含んでもよい。
本発明の非水電解液は、上記フルオロスルホニルイミド塩(1)とは異なる電解質塩(以下、「他の電解質」ということがある)を含んでいてもよい。他の電解質塩としては特に限定されず、リチウムイオン二次電池の電解液において用いられている従来公知の電解質はいずれも使用できる。
本発明の非水電解液に用いることのできる溶媒としては、フルオロスルホニルイミド塩(1)及び上述の電解質塩を溶解、分散させられるものであれば特に限定されず、非水系溶媒、溶媒に代えて用いられるポリマー、ポリマーゲル等の媒体等、電池に用いられる従来公知の溶媒はいずれも使用できる。
本発明に係る非水電解液は、リチウムイオン二次電池の各種特性の向上を目的とする添加剤を含んでいてもよい。
セパレーターは正極と負極とを隔てるように配置されるものである。セパレーターには特に制限がなく、本発明では、従来公知のセパレーターはいずれも使用できる。具体的なセパレーターとしては、例えば、非水電解液を吸収、保持できるポリマーからなる多孔性シート(例えば、ポリオレフィン系微多孔質セパレーターやセルロース系セパレーター等)、不織布セパレーター、多孔質金属体等が挙げられる。中でも、ポリオレフィン系微多孔質セパレーターは、有機溶媒に対して化学的に安定であるという性質を有するため好適である。
正極、負極、セパレーター及び非水電解液等を備えた電池素子は、リチウムイオン二次電池使用時の外部からの衝撃、環境劣化等から電池素子を保護するため電池外装材に収容される。本発明では、電池外装材の素材は特に限定されず従来公知の外装材はいずれも使用することができる。
1−1.非水電解液(No.1−1〜1−5、2−1、2−2、3−1、3−2、4−1、4−2)
エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、及びメチルエチルカーボネート(MEC)を3:5:2(体積比)で混合した非水溶媒に、電解質塩として六フッ化リン酸リチウム(LiPF6:キシダ化学株式会社製)を濃度が1.0mol/Lとなるように溶解させて、非水電解液を調製した。
フルオロスルホニルイミド塩(1)として、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(以下、LiFSIと称する場合がある)を使用し、非水電解液中のLiPF6とLiFSIの濃度を表1〜4に示すように変更したこと以外は上記1−1.非水電解液と同様にして非水電解液を調製した。
2−1.正極シートの作製
2−1−1.正極シート(No.1−1〜1−12)
正極活物質(LiCoO2)、導電助剤1(アセチレンブラック、AB)、導電助剤2(グラファイト)、及び結着剤(ポリフッ化ビニリデン、PVdF)を92:2:2:4の質量比で混合し、これをN−メチルピロリドンに分散させた正極合剤スラリーをアルミニウム箔に塗布し、乾燥、圧縮することにより正極シート(No.1−1)を作製した。また表1のNo.1−2〜1−12は上記正極活物質にかえて、正極活物質(LiCoMO2又はLiNiMO2)の主体となる遷移金属原子(Co又はNi)の一部を表1に示す各製造例の異種元素Mで置換し、異種元素Mの割合が表1に示すモル比となるように混合割合を調整して得られた異種元素含有正極活物質を用いた。具体的には所定のモル比になるようにLi2CO3又はLiNiO2と、異種元素として必要に応じてCo3O4、ZrO2、MgO、Al(OH)3、TiO2を混合後、空気雰囲気中で約900℃で焼成し、粉砕する事により作成した。なお、正極活物質の組成はX線回折2θ法により分析した。
正極活物質をLiNi0.33Co0.33Mn0.33O2(表2のNo.2−1)、LiMn2O4(表3のNo.3−1)、LiFePO4(表4のNo.4−1)に変更した以外は上記2−1−1.正極シートと同様にして正極シートを作製した。なお、各正極シートは正極活物質の主体となる遷移金属原子の一部を表2〜4に示す各製造例の異種元素Mで置換し、異種元素Mの割合が表2〜4に示すモル比となるように混合割合を調整して得られた異種元素含有正極活物質を用いた。
負極活物質(グラファイト)、導電助剤(VGCF)、及び結着剤(SBR+CMC)を97:0.5:2.5の質量比で混合し、これをN−メチルピロリドンと混合して得られた負極合剤スラリーを作製した。3.55V又は4.2V充電での正極の充電容量を計算し、負極のリチウムイオン吸蔵可能容量/正極充電容量=1.1となるように負極合剤スラリーを銅箔(負極集電体)に塗布し、乾燥、圧縮することにより負極シートを作製した。
上記作製した正極シート1枚と負極シート1枚それぞれの未塗工部分にアルミタブ、ニッケルタブを溶接し、ポリエチレン製セパレーターを挟んで対向させ、巻回機にて巻き取り、巻回体を作製した。作製した巻回体を適正な深さに絞り加工済みのアルミニウムラミネートフィルムと未処理のアルミニウムラミネートフィルムで挟み込み、アルミニウムラミネートフィルム内をそれぞれ上記作製した非水電解液で満たし、真空状態で密閉し、容量1Ahのラミネート型リチウムイオン二次電池を作製した。
比容量(mAh/g)
ラミネート型リチウムイオン二次電池について、温度25℃の環境下、充放電試験装置(株式会社アスカ電子製ACD−01、以下同じ。)を使用し、所定の充電条件(0.5C、3.55V又は4.2V、定電流定電圧モード)で5時間充電を行った。その後、所定の放電条件(0.2C、放電終止電圧2.0V又は3.0V、定電流放電)で放電を行い、初回の放電容量を記録し、下記式に基づいて電池の質量比容量を算出し、初期放電特性を評価した。
質量比容量(mAh/g)=電池の初回の充電容量(mAh)/正極活物質質量(g)
上記比容量を測定した後、ラミネート型リチウムイオン二次電池について、温度25℃の環境下、充放電試験装置を使用し、所定の充電条件(1C、4.2V又は3.55V、定電流定電圧モード0.02Cカット)で充電した後、所定の放電条件(0.2C、放電終止電圧2.0V又は3.0V、定電流放電)で放電を行い、電池の放電容量を測定した。その後、再び、所定の充電条件(1C、4.2V又は3.55V、定電流定電圧モード0.02Cカット)で充電を行った後、所定の放電条件(2C、放電終止電圧2.0V又は3.0V、定電流放電)で放電を行って放電容量を測定した。各充放電時には10分の休止時間を設けて放電容量測定を行った。放電定電流0.2Cにおける放電容量を100としたときの放電定電流2C放電容量の指数をレート特性として評価した。
ラミネート型リチウムイオン二次電池について、温度25℃の環境下、充放電試験装置を使用し、所定の充電条件(1C、3.55V又は4.2V、定電流定電圧モード0.02Cカット)及び放電条件(1C、放電終止電圧2.0V又は3.0V、定電流放電)にて、各充放電時にはそれぞれ10分の充放電休止時間を設けて充放電を200回継続してサイクル特性試験を行い、下記式より、容量維持率を算出した。
容量維持率(%)=(200サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100
ラミネート型リチウムイオン二次電池について、温度25℃の環境下、充放電試験装置を使用し、所定の充電条件(充電電圧4.35V、LiFePO4は3.55V)で3時間充電した。充電後オーブンに載置して、5℃/分の昇温速度で160℃まで加熱し、該温度で3時間保持すると共に、電池表面の温度を測定し、最高到達温度を表に記載した。なお、途中で発煙した場合は実験を中止し、表中に「発煙」と記載した。
Claims (3)
- 正極活物質を含有する正極、
負極活物質を含有する負極、及び
非水電解液を備えたリチウムイオン二次電池であって、
上記非水電解液は、下記一般式(1)で表されるフルオロスルホニルイミド塩を0.001mol/L〜0.1mol/L未満含み、
上記正極活物質は、下記一般式(2)を満足するものであることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
LiA1-qMqO2…(2)
(式中、AはCo、又はNiから選ばれる1種の遷移金属;0<q≦0.05;AがCoの場合、MはAl、Mg、Ti、及びNiよりなる群から選択される少なくとも1種の異種元素であり、AがNiの場合、MはAl、Mg、Ti、及びCoよりなる群から選択される少なくとも1種の異種元素であり、Mとして2種以上の異種元素を含む場合、qは各異種元素の構成比の和を示す) - 正極活物質を含有する正極、
負極活物質を含有する負極、及び
非水電解液を備えたリチウムイオン二次電池であって、
上記非水電解液は、下記一般式(1)で表されるフルオロスルホニルイミド塩を0.001mol/L〜0.1mol/L未満含み、
上記正極活物質は、下記一般式(5)を満足するものであることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
LiFe1-qMqPO4…(5)
(式中、0<q≦0.05;MはZr、及びMnよりなる群から選択される少なくとも1種の異種元素であり、Mとして2種以上の異種元素を含む場合、qは各異種元素の構成比の和を示す)
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