JP6931965B2 - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Description

本発明はリチウムイオン二次電池に関し、詳細には非水電解液を含むリチウムイオン二次電池に関するものである。
リチウムイオン二次電池は、スマートフォンやパーソナルコンピューター用の電源、さらには自動車用電源として用いられている。これらの用途に使用される電池では、高出力化、高エネルギー密度化、サイクル特性やレート特性の改善といった各種特性の向上を目的とした研究が重ねられている。またリチウムイオン二次電池は、用途拡大に伴って常温環境下だけでなく、高温環境下での使用も多くなっているため、高温環境下での特性の向上も求められている。
従来からリチウム遷移金属複合酸化物やリチウム遷移金属リン酸化合物を正極活物質として用いたリチウムイオン二次電池は、高エネルギー密度を有するリチウムイオン二次電池として注目されている。しかしながらリチウムイオン二次電池は高温環境下において電池容量が劣化しやすく、また熱安定性が損なわれやすかった。
このような問題を解決する技術として、例えば特許文献1〜9には、リチウム遷移金属複合酸化物などを正極活物質とする正極にNa、Mg、Al、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Ag、Cu、Ga、In、Sn、Nb、Si、及びLiなどから選ばれる元素を所定量添加することで正極活物質の結晶構造を安定化させて、高温環境下での容量維持率や熱安定性を改善する技術が開示されている。
特開平7−192721号公報 特開平11−7958号公報 特開平11−079750号公報 特開2002−203553号公報 特開2004−111076号公報 特開2004−339027号公報 特開2006−128135号公報 特開2010−129449号公報 特開2012−182130号公報
特許文献1〜9のように正極活物質に特定の元素を所定量添加した場合、高温環境下での容量維持率や熱安定性は改善できるが、内部抵抗が上昇して比容量が低下すると共にレート特性やサイクル特性も劣化するという問題が生じていた。
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、高温環境下で優れた熱安定性を維持しつつ、比容量、レート特性、及びサイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池を提供することである。
上記課題を解決し得た本発明のリチウムイオン二次電池は、正極活物質を含有する正極、負極活物質を含有する負極、及び非水電解液を備えたリチウムイオン二次電池であって、
上記非水電解液は、下記一般式(1)で表されるフルオロスルホニルイミド塩を0.2mol/L以上含み、
Figure 0006931965
(一般式(1)中、Rは、フッ素又は炭素数1〜6のフッ化アルキル基を表す)
上記正極活物質は、LiCoO2、LiNiO2、LiNixCoyMnz2(0<x<1、0<y<1、0<z<1、0.9≦x+y+z≦1.1)、LiMn24、及びLiFePO4よりなる群から選択される少なくとも一種を含むと共に、上記正極活物質の主体となる遷移金属原子と異なる異種元素を5mol%以下含むことに要旨を有する。
上記異種元素は、Al、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Li、Ni、Cu、Zn、Mg、Ga、Zr、及びSiよりなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましい。
本発明のリチウムイオン二次電池は、所定量の異種元素を含む正極活物質と、所定量のフルオロスルホニルイミド塩を含む非水電解液を用いているため、高温環境下で優れた熱安定性を維持しつつ、比容量、レート特性、及びサイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池を提供できる。
本発明者らは、リチウムイオン二次電池の高温環境下での優れた熱安定性を確保しつつ、比容量、レート特性、及びサイクル特性(以下、これら諸特性をまとめて「電池特性」ということがある)を改善する技術について検討を重ねた。その結果、LiCoO2、LiNiO2、LiNixCoyMnz2、LiMn24で表されるリチウム遷移金属複合酸化物、及びLiFePO4で表されるリチウム遷移金属リン酸化合物と、正極活物質の主体となる遷移金属原子と異なる異種元素を5mol%を上限として含む正極活物質を用いると共に、上記一般式(1)で表されるフルオロスルホニルイミド塩(以下、フルオロスルホニルイミド塩(1)ということがある)を0.2mol/L以上含む非水電解液を用いることで、活性物質の熱安定性を維持しつつ、電池特性を改善できることを見出し、本発明を完成した。
本発明において上記効果が得られる理由は、所定量の異種元素を含む正極活物質と、所定量のフルオロスルホニルイミド塩(1)を含む非水電解液を用いることによって、個々の構成では得られない相乗効果が発揮されると考えられる。具体的には正極活物質に所定の異種元素を含有させることで、正極活物質の結晶構造が安定化され、高温環境下での熱安定性が改善される。従来は異種元素を含有させると、結晶内でのリチウムイオンの拡散が阻害されて比容量やレート特性、サイクル特性などの電池特性の低下が生じていた。しかしながら正極活物質に異種元素を含有させてもフルオロスルホニルイミド塩(1)を非水電解液に含有させることによって、イオン電導度が高くなり、電池抵抗が低下し、充放電進度が向上するため比容量やレート特性が改善される。また経時的な放電容量の低下も生じ難くなり、サイクル特性も改善できる。またフルオロスルホニルイミド塩(1)は高温環境下かつ高電圧状態でも所定の異種元素を含む正極活物質中の遷移金属の溶出や非水電解液の分解を抑制する効果を有する結果、活物質熱安定性を維持したまま、電池の耐久性を向上させられる。
したがって、リチウムイオン二次電池に所定量の異種元素が添加された正極活物質と、フルオロスルホニルイミド塩(1)を含む非水電解液を用いることで、それぞれの効果が相乗的に作用する結果、電池を160℃程度に加熱しても電解液の分解や正極活物質中の遷移金属の溶出が抑制されて優れた熱安定性が得られる。また常温環境下においても上記分解や溶出抑制効果に加えて低抵抗化によって電池特性も改善されると推測される。以下、本発明のリチウムイオン二次電池について説明する。
1.リチウムイオン二次電池
本発明のリチウムイオン二次電池は、リチウムイオンの吸蔵及び放出が可能な正極活物質を含有する正極、リチウムイオンの吸蔵及び放出が可能な負極活物質を含有する負極、及び非水電解液を有する。より詳細には、正極と負極との間にはセパレーターが設けられており、非水電解液は上記セパレーターに含浸された状態で、正極、負極等と共に外装ケースに収容されている。
本発明に係るリチウムイオン二次電池の形状は特に限定されず、円筒型、角型、ラミネート型、コイン型、大型等、従来公知の形状はいずれも使用することができる。また、電気自動車、ハイブリッド電気自動車等に搭載するための高電圧電源(数10V〜数100V)として使用する場合には、個々の電池を直列に接続して構成される電池モジュールとすることもできる。
本発明のリチウムイオン二次電池は、満充電電圧が好ましくは3.5V以上の高電圧条件下での駆動に特に適したものである。上記構成を有することにより、高温下(好ましくは80℃以上、200℃以下)、高電圧状態(好ましくは3.5V以上、5V以下)で保管した場合に電池の熱安定性を向上させ安全性が改善する。また80℃以下に保管した場合も、電池容量の維持、ガスによる膨れが抑制でき、電池の耐久性が向上する。なお、満充電電圧が高いほど高い電圧でリチウムイオン二次電池を駆動させられるためエネルギー密度を高めることはできるが、高すぎると安全性を確保し難い場合がある。よって、満充電電圧の範囲はより好ましくは4.1V以上、更に好ましくは4.2V以上であって、好ましくは4.9V以下、更に好ましくは4.8V以下である。
2.正極
正極は、正極活物質、導電助剤及び結着剤等を含む正極合剤が正極集電体に担持されてなるものであり、通常、シート状に成形されている。
2−1.正極集電体
正極集電体の材料としては特に限定されず、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼(SUS)、チタン等の導電性金属が使用できる。中でも、アルミニウムは薄膜に加工し易く、安価であるため好ましい。
2−2.正極活物質
本発明において正極活物質は、LiCoO2、LiNiO2、LiNixCoyMnz2(0<x<1、0<y<1、0<z<1、0.9≦x+y+z≦1.1)、LiMn24で表されるリチウム遷移金属複合酸化物、及びLiFePO4で表されるリチウム遷移金属リン酸化合物よりなる群から選択される少なくとも一種を含むと共に、正極活物質の主体となる遷移金属原子と異なる異種元素を5mol%以下含む。
上記LiCoO2、LiNiO2、LiMn24、及びLiFePO4における主体となる遷移金属原子とは、夫々、Co、Ni、Mn、Feである。またLiNixCoyMnz2(0<x<1、0<y<1、0<z<1、0.9≦x+y+z≦1.1)においてはNi、Co、Mnはいずれも主体となる遷移金属原子である。正極活物質は単独、あるいは2種以上を組み合わせて使用してもよい。
異種元素は少なくとも高温環境下で結晶構造の安定性を向上させ、熱安定性を改善できるものであれば特に限定されない。特にフルオロスルホニルイミド塩(1)と共に用いて熱安定性を維持しつつ優れた電池特性に寄与する異種元素としては、Al、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Li、Ni、Cu、Zn、Mg、Ga、Zr、及びSiよりなる群から選択される少なくとも一種が好ましい。より好ましい異種元素は、Al、Mg、Ti、Zr、Mn、及びLiよりなる群から選択される少なくとも一種の金属である。異種元素は、単独、あるいは2種以上を組み合わせて使用してもよい。
異種元素は、上記主体となる遷移金属原子と異種元素の合計100mol%に対して、5mol%以下、好ましくは3mol%以下、より好ましくは1mol%以下であって、好ましくは0.001mol%以上、より好ましくは0.005mol%以上含まれていればよい。異種元素含有量は多いほど、上記効果も向上する。一方、異種元素が5mol%を超えると導電性が低下して電池の内部抵抗が上昇すると共に充電時の正極におけるリチウムの拡散が悪くなるため電池特性が低下する。
異種元素は正極活物質に含まれていればよく、異種元素の存在形態は、固溶、付着など特に限定されず、ドープされていればよい。
5mol%以下の異種元素を含むLiCoO2、LiNiO2は、下記一般式(2)を満足することが望ましい。
LiA1-qq2…(2)
(式中、AはCo、又はNiから選ばれる1種の遷移金属;0<q≦0.05;Mは異種元素である)。なお、Mとして2種以上の異種元素を含む場合、qは各異種元素の構成比の和を示す。上記qの好ましい範囲、より好ましい範囲は夫々上記異種元素の含有量に対応する範囲(qは好ましくは0.001以上、より好ましくは0.005以上であって、好ましくは0.01以下、より好ましくは0.03以下)である(以下、一般式(3)、(4)、(5)において同じ)。好ましいMとしては、Al、Mg、Ti、Zr、Co、Niであり、単独、あるいは2種以上の組み合わせが挙げられる。具体的にはLiCo0.99Al0.012、LiCo0.99Mg0.012、LiCo0.99Al0.01Ti0.005Zr0.0052、LiCo0.97Al0.01Mg0.01Ti0.005Zr0.0052、LiCo0.98Al0.01Ti0.005Zr0.0052、LiCo0.99Al0.005Zr0.0052、LiNi0.985Co0.01Al0.0052、LiNi0.975Co0.015Al0.012が例示される。
5mol%以下の異種元素を含むLiMn24は、下記一般式(3)を満足することが望ましい。
LiMn2-qq4…(3)
(式中、0<q≦0.05;Mは異種元素である)。なお、Mとして2種以上の異種元素を含む場合、qは各異種元素の構成比の和を示す。好ましいMとしては、Mg、Liが挙げられる。具体的にはLiMn1.995Mg0.0054、Li1.005Mn1.9954、Li1.005Mn1.992Mg0.0034、Li1.003Mn1.994Mg0.0034,Li1.05Mn1.9Mg0.054が例示される。
5mol%以下の異種元素を含むLiNixCoyMnz2は、下記一般式(4)を満足することが望ましい。
LiNixCoyMnzq2…(4)
(式中、0<x<1、0<y<1、0<z<1、0<q≦0.05、0.9<x+y+z+q<1.1;Mは異種元素である)。なお、Mとして2種以上の異種元素を含む場合、qは各異種元素の構成比の和を示す。好ましいMとしては、Al、Mg、Co、Ni、Mnであり、単独、あるいは2種以上の組み合わせが挙げられる。具体的には、LiNi0.32CO0.32Mn0.33Al0.01Mg0.012、LiNi0.32CO0.32Mn0.33Al0.012、LiNi0.33CO0.31Mn0.33Al0.01Mg0.012、LiNi0.32CO0.315Mn0.33Al0.015Mg0.012、LiNi0.5Co0.19Mn0.3Al0.005Mg0.0052、LiNi0.5Co0.185Mn0.3Al0.01Mg0.0052、LiNi0.6Co0.185Mn0.2Al0.01Mg0.0052が例示される。
5mol%以下の異種元素を含むLiFePO4は、下記一般式(5)を満足することが望ましい。
LiFe1-qqPO4・・・(5)
(式中、0<q≦0.05;Mは異種元素である)。なお、なお、Mとして2種以上の異種元素を含む場合、qは各異種元素の構成比の和を示す。好ましいMとしては、Zr、Mnであり、単独、あるいはこれらの組み合わせが挙げられる。具体的には、LiFe0.995Mn0.005PO4、LiFe0.995Mn0.005Zr0.005PO4、LiFe0.992Mn0.005Zr0.003PO4、LiFe0.99Mn0.005Zr0.005POが例示される。
異種元素を含む正極活物質の含有量は、正極合剤100質量部に対して好ましくは75質量部以上、より好ましくは85質量部以上、更に好ましくは90質量部以上であって、好ましくは99質量部以下、より好ましくは98質量部以下、更に好ましくは97質量部以下である。
2−3.導電助剤
導電助剤はリチウムイオン二次電池を高出力化するために用いられるものであり、導電助剤としては、主に導電性カーボンが用いられる。導電性カーボンとしては、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト、フラーレン、金属粉末材料、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、気相法炭素繊維等が挙げられる。
導電助剤を用いる場合の、正極合剤中の導電助剤の含有量としては、正極合剤100質量%に対して、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1質量%以上であって、好ましくは10質量%以下である。導電助剤が少なすぎると、導電性が極端に悪くなり、負荷特性及び放電容量が劣化する虞がある。一方、多すぎると正極合剤層のかさ密度が高くなり、結着剤の含有量をさらに増やす必要があるため好ましくない。
2−4.結着剤
結着剤としては、ポリビニリデンフロライド、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂;スチレン−ブタジエンゴム、ニトリルブタジエンゴム、メチルメタクリレートブタジエンゴム、クロロプレンゴム等の合成ゴム;ポリアミドイミド等のポリアミド系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリアクリルアミド、ポリメチルメタクリレート等のポリ(メタ)アクリル系樹脂;ポリアクリル酸;メチルセルロース、エチルセルロース、トリエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アミノエチルセルロース等のセルロース系樹脂;エチレンビニルアルコール、ポリビニルアルコール等のビニルアルコール系樹脂;等が挙げられる。これらの結着剤は単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。また正極の製造時、これらの結着剤は、溶媒に溶けた状態であっても、溶媒に分散した状態であっても構わない。
上記結着剤を用いる場合の、正極合剤中の結着剤の含有量としては、正極合剤100質量%に対して好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1質量%以上であって、好ましくは10質量%以下、より好ましくは9質量%以下、更に好ましくは8質量%以下である。結着剤が少なすぎると良好な密着性が得られず、正極活物質や導電助剤が集電体から脱離してしまう虞がある。一方、多すぎると内部抵抗の増加を招き電池特性に悪影響を及ぼしてしまう虞がある。
導電助剤及び結着剤の含有量は、電池の使用目的(出力重視、エネルギー重視等)、イオン伝導性等を考慮して適宜調整することができる。
正極を製造するに際して、正極活物質組成物に用いられる溶媒としては、アルコール類、グリコール類、セロソルブ類、アミノアルコール類、アミン類、ケトン類、カルボン酸アミド類、燐酸アミド類、スルホキシド類、カルボン酸エステル類、燐酸エステル類、エーテル類、ニトリル類、及び水等が挙げられ、例えば、N−メチルピロリドン、ヘキサメチル燐酸トリアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジエチルアセトアミド、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、アセトン、エタノール、酢酸エチル等が挙げられる。これらの溶媒は組み合わせて使用してもよい。溶媒の使用量は特に限定されず、製造方法や、使用する材料に応じて適宜決定すればよい。
2−5.正極の製造方法
正極の製造方法は、特に限定されないが、例えば、(i)分散用溶媒に正極合剤を溶解又は分散させた正極活物質組成物を正極集電体にドクターブレード法等で塗工したり、又は正極集電体を正極活物質組成物に浸漬した後、乾燥する方法;(ii)正極活物質組成物を混練成形し乾燥して得たシートを正極集電体に導電性接着剤を介して接合し、プレス、乾燥する方法;(iii)液状潤滑剤を添加した正極活物質組成物を正極集電体上に塗布又は流延して、所望の形状に成形した後、液状潤滑剤を除去し、次いで、一軸又は多軸方向に延伸する方法;等が挙げられる。また、必要に応じて乾燥後の正極合剤層を加圧してもよい。これにより正極集電体との接着強度が増し、電極密度も高められる。なお、正極の製造に使用する異種元素を含む正極活物質は、異種元素が所定の割合となるように、上記正極活物質と異種元素の混合比率を調整した後、例えば800℃〜1000℃程度で焼成し、ミルなどで粉砕して製造すればよい。また正極活物質や異種元素の原料となる各材料は特に限定されず、ハロゲン化物、蓚酸塩、酢酸塩、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩などの無機塩、酸化物、水酸化物等の各種公知の化合物を用いることができる。
3.負極
負極は、負極活物質、結着剤及び必要に応じて導電助剤等を含む負極合剤が負極集電体に担持されてなるものであり、通常、シート状に成形されている。
3−1.負極集電体
負極集電体の材料としては、銅、鉄、ニッケル、銀、ステンレス鋼(SUS)等の導電性金属を用いることができる。これらの中でも銅は、薄膜への加工が容易であるので好ましい。
3−2.負極活物質
負極活物質としては、リチウムイオン二次電池で使用される従来公知の負極活物質を用いることができ、リチウムイオンを吸蔵、放出可能なものであればよい。具体的には、人造黒鉛、天然黒鉛等の黒鉛材料、石炭、石油ピッチから作られるメソフェーズ焼成体、難黒鉛化性炭素等の炭素材料、Si、Si合金、SiO等のSi系負極材料、Sn合金等のSn系負極材料、リチウム金属、リチウム−アルミニウム合金等のリチウム合金が負極活物質として挙げられる。
負極活物質の含有量は、負極合剤100質量部に対して、好ましくは80質量部以上、より好ましくは90質量部以上であって、好ましくは99質量部以下である。
負極の製造方法としては、正極の製造方法と同様の方法を採用できる。また、負極の製造時に使用する導電助剤、結着剤、材料分散用の溶媒も、正極と同様のものが用いられる。
4.非水電解液
4−1.フルオロスルホニルイミド塩(1)
本発明の非水電解液は、電解質として機能する下記一般式(1)で表されるフルオロスルホニルイミド塩を0.2mol/L以上含むものであり、好ましくは更に溶媒を含む。必要に応じて添加剤等を含んでもよい。
Figure 0006931965
(一般式(1)中、Rは、フッ素又は炭素数1〜6のフッ化アルキル基を表す)
炭素数1〜6のフッ化アルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル基が有する水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されたものが挙げられる。具体的には、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、フルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基等が挙げられる。これらの中でもXとして、フッ素原子、トリフルオロメチル基及びペンタフルオロエチル基が好ましい。
具体的なフルオロスルホニルイミド塩(1)としては、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド、リチウム(フルオロスルホニル)(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、リチウム(フルオロスルホニル)(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド等が挙げられる。より好ましくはリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド、リチウム(フルオロスルホニル)(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、リチウム(フルオロスルホニル)(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミドであり、更に好ましくはリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド、リチウム(フルオロスルホニル)(トリフルオロメチルスルホニル)イミドである。
フルオロスルホニルイミド塩(1)は、単独、あるいは2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、フルオロスルホニルイミド塩(1)は、市販品を使用してもよいし、従来公知の方法により合成した物を用いてもよい。
非水電解液中のフルオロスルホニルイミド塩(1)の濃度は0.2mol/L以上であり、好ましくは0.3mol/L以上、より好ましくは0.5mol/L以上であって、好ましくは2.5mol/L以下、より好ましくは2mol/L以下、更に好ましくは1mol/L以下である。
フルオロスルホニルイミド塩(1)の非水電解液中の濃度が高すぎると正極集電体が腐食する恐れがある。一方、濃度が低すぎると、イオン伝導度が低下し、レート特性が低下するなど所望の電池特性が得られなくなる。
4−2.電解質塩
本発明の非水電解液は、上記フルオロスルホニルイミド塩(1)とは異なる電解質塩(以下、「他の電解質」ということがある)を含んでいてもよい。他の電解質塩としては特に限定されず、リチウムイオン二次電池の電解液において用いられている従来公知の電解質はいずれも使用できる。
他の電解質塩としては、トリフルオロメタンスルホン酸イオン(CF3SO3 -)、フルオロリン酸イオン(PF6 -)、過塩素酸イオン(ClO4 -)、テトラフルオロ硼酸イオン(BF4 -)、ヘキサフルオロ砒酸イオン(AsF6 -)、テトラシアノホウ酸イオン([B(CN)4-)、テトラクロロアルミニウムイオン(AlCl4 -)、トリシアノメチドイオン(C[(CN)3-)、ジシアナミドイオン(N[(CN)2-)、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドイオン(C[(CF3SO23-)、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン(SbF6 -)およびジシアノトリアゾレートイオン(DCTA)等をアニオンとする無機又は有機カチオン塩等の従来公知の電解質塩が使用できる。
電解質塩の中でも、一般式(6):LiPFl(Cm2m+16-l(0≦l≦6、1≦m≦4)で表される化合物(フルオロリン酸塩)、一般式(7):LiBFn(Co2o+14-n(0≦n≦4、1≦o≦4)で表される化合物(フルオロ硼酸塩)及び六フッ化砒酸リチウム(LiAsF6)よりなる群から選択される1種以上の化合物が好ましい。これらの電解質塩を併用することでフルオロスルホニルイミド塩(1)に起因する正極集電体の腐食を抑制できる。
一般式(6)で表される化合物(以下、電解質塩(6)と称する場合がある)としては、LiPF6、LiPF3(CF33、LiPF3(C253、LiPF3(C373、LiPF3(C493等が好ましいものとして挙げられる。より好ましくはLiPF6、LiPF3(C253であり、更に好ましくはLiPF6である。
一般式(7)で表される電解質塩(以下、電解質塩(7)と称する場合がある)としては、LiBF4、LiBF(CF33、LiBF(C253、LiBF(C373等が好ましいものとして挙げられ、LiBF4、LiBF(CF33がより好ましく、LiBF4がさらに好ましい。
好ましい他の電解質としては、LiPF6、LiPF3(C253、LiBF(CF33であり、より好ましくはLiPF6、LiPF3(C253であり、更に好ましくは、LiPF6である。特に、イオン電導度の点からはLiPF6が好ましい。電解質塩は上記例示の化合物を単独、あるいは2種以上を組み合わせて使用してもよい。
電解質塩は、電解質塩とフルオロスルホニルイミド塩(1)との濃度の合計が飽和濃度以下の範囲で使用される限りその濃度は特に限定されないが、好ましくは0.5mol/L以上、より好ましくは0.8mol/L以上、更に好ましくは1.0mol/L以上であって、好ましくは2.5mol/L以下、より好ましくは2.0mol/L以下、更に好ましくは1.5mol/L以下である。電解質塩の濃度が高すぎると粘度の上昇によりイオン電導度が減少する虞があり、また、フルオロスルホニルイミド塩(1)に起因する正極集電体の腐食が生じる虞もある。一方、電解質塩の濃度が低すぎると、電解液のイオン電導度が低くなり、電池特性の低下が生じる虞がある。
4−3.溶媒
本発明の非水電解液に用いることのできる溶媒としては、フルオロスルホニルイミド塩(1)及び上述の電解質塩を溶解、分散させられるものであれば特に限定されず、非水系溶媒、溶媒に代えて用いられるポリマー、ポリマーゲル等の媒体等、電池に用いられる従来公知の溶媒はいずれも使用できる。
非水系溶媒としては、誘電率が大きく、電解質塩の溶解性が高く、沸点が60℃以上であり、且つ、電気化学的安定範囲が広い溶媒が好適である。より好ましくは、含有水分量が低い有機溶媒(非水系溶媒)である。このような有機溶媒としては、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、2,6−ジメチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、クラウンエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエ−テル、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン等のエーテル類;炭酸ジメチル、炭酸エチルメチル(エチルメチルカーボネート)、炭酸ジエチル(ジエチルカーボネート)、炭酸ジフェニル、炭酸メチルフェニル等の鎖状炭酸エステル類;炭酸エチレン(エチレンカーボネート)、炭酸プロピレン(プロピレンカーボネート)、2,3−ジメチル炭酸エチレン、炭酸ブチレン、炭酸ビニレン、2−ビニル炭酸エチレン等の環状炭酸エステル類;安息香酸メチル、安息香酸エチル等の芳香族カルボン酸エステル類;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン等のラクトン類;リン酸トリメチル、リン酸エチルジメチル、リン酸ジエチルメチル、リン酸トリエチル等のリン酸エステル類;アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシプロピオニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、2−メチルグルタロニトリル、バレロニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル等のニトリル類;ジメチルスルホン、エチルメチルスルホン、ジエチルスルホン、スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホラン等の硫黄化合物類;ベンゾニトリル、トルニトリル等の芳香族ニトリル類;ニトロメタン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン、3−メチル−2−オキサゾリジノン等を挙げることができる。
これらの中でも、鎖状炭酸エステル類、環状炭酸エステル類等の炭酸エステル類(カーボネート系溶媒)、ラクトン類、エーテル類が好ましく、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチル、炭酸ジエチル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等がより好ましく、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチル、炭酸ジエチル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒がさらに好ましい。上記非水系溶媒は1種を単独で用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ポリマーやポリマーゲルを溶媒に代えて用いる場合は次の方法を採用すればよい。すなわち、従来公知の方法で成膜したポリマーに、上述の非水系溶媒に電解質塩を溶解させた溶液を滴下して、電解質塩並びに非水系溶媒を含浸、担持させる方法;ポリマーの融点以上の温度でポリマーと電解質塩とを溶融、混合した後、成膜し、ここに非水系溶媒を含浸させる方法(以上、ゲル電解質);予め電解質塩を有機溶媒に溶解させた非水電解液とポリマーとを混合した後、これをキャスト法やコーティング法により成膜し、有機溶媒を揮発させる方法;ポリマーの融点以上の温度でポリマーと電解質塩とを溶融し、混合して成形する方法(真性ポリマー電解質);等が挙げられる。
溶媒に代えて用いられるポリマーとしては、エポキシ化合物(エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、アリルグリシジルエーテル等)の単独重合体又は共重合体であるポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル系ポリマー、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のメタクリル系ポリマー、ポリアクリロニトリル(PAN)等のニトリル系ポリマー、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン等のフッ素系ポリマー、及びこれらの共重合体等が挙げられる。
4−4.その他の成分
本発明に係る非水電解液は、リチウムイオン二次電池の各種特性の向上を目的とする添加剤を含んでいてもよい。
添加剤としては、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、メチルビニレンカーボネート(MVC)、エチルビニレンカーボネート(EVC)等の不飽和結合を有する環状カーボネート;フルオロエチレンカーボネート、トリフルオロプロピレンカーボネート、フェニルエチレンカーボネート及びエリスリタンカーボネート等のカーボネート化合物;無水コハク酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水グルタコン酸、無水イタコン酸、無水ジグリコール酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、フェニルコハク酸無水物等のカルボン酸無水物;エチレンサルファイト、1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、メタンスルホン酸メチル、ブサルファン、スルホラン、スルホレン、ジメチルスルホン、テトラメチルチウラムモノスルフィド、トリメチレングリコール硫酸エステル等の含硫黄化合物;1−メチル−2−ピロリジノン、1−メチル−2−ピペリドン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルスクシンイミド等の含窒素化合物;モノフルオロリン酸塩、ジフルオロリン酸塩等のリン酸塩;ヘプタン、オクタン、シクロヘプタン等の飽和炭化水素化合物;等が挙げられる。
上記添加剤は、本発明の非水電解液100質量%中、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上であって、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。添加剤の使用量が少なすぎるときには、添加剤に由来する効果が得られ難い場合があり、一方、多量に他の添加剤を使用しても、添加量に見合う効果は得られ難く、また、非水電解液の粘度が高くなり伝導率が低下する虞がある。
なお、非水電解液100質量%とは、上述したフルオロスルホニルイミド塩(1)、電解質塩、溶媒、及び適宜用いられる添加剤等、非水電解液に含まれる全ての成分の合計を意味する。
5.セパレーター
セパレーターは正極と負極とを隔てるように配置されるものである。セパレーターには特に制限がなく、本発明では、従来公知のセパレーターはいずれも使用できる。具体的なセパレーターとしては、例えば、非水電解液を吸収、保持できるポリマーからなる多孔性シート(例えば、ポリオレフィン系微多孔質セパレーターやセルロース系セパレーター等)、不織布セパレーター、多孔質金属体等が挙げられる。中でも、ポリオレフィン系微多孔質セパレーターは、有機溶媒に対して化学的に安定であるという性質を有するため好適である。
多孔性シートの材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレンの3層構造を有する積層体等が挙げられる。
不織布セパレーターの材質としては、例えば、綿、レーヨン、アセテート、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、アラミド、ガラス等が挙げられ、要求される機械強度等に応じて、上記例示の材質を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
6.電池外装材
正極、負極、セパレーター及び非水電解液等を備えた電池素子は、リチウムイオン二次電池使用時の外部からの衝撃、環境劣化等から電池素子を保護するため電池外装材に収容される。本発明では、電池外装材の素材は特に限定されず従来公知の外装材はいずれも使用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
1.非水電解液の調製
1−1.非水電解液(No.1−1〜1−5、2−1〜2−3、3−1、3−2、4−1、4−2)
エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、及びメチルエチルカーボネート(MEC)を3:5:2(体積比)で混合した非水溶媒に、電解質塩として六フッ化リン酸リチウム(LiPF6:キシダ化学株式会社製)を濃度が1.0mol/Lとなるように溶解させて、非水電解液を調製した。
1−2.非水電解液(No.1−6〜1−12、2−4〜2−7、3−3〜3−5、4−3、4−4)
フルオロスルホニルイミド塩(1)として、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(以下、LiFSIと称する場合がある)を使用し、非水電解液中のLiPF6とLiFSIの濃度を表1〜4に示すように変更したこと以外は上記1−1.非水電解液と同様にして非水電解液を調製した。
2.ラミネート型リチウムイオン二次電池の作製
2−1.正極シートの作製
2−1−1.正極シート(No.1−1〜1−12)
正極活物質(LiCoO2)、導電助剤1(アセチレンブラック、AB)、導電助剤2(グラファイト)、及び結着剤(ポリフッ化ビニリデン、PVdF)を92:2:2:4の質量比で混合し、これをN−メチルピロリドンに分散させた正極合剤スラリーをアルミニウム箔に塗布し、乾燥、圧縮することにより正極シート(No.1−1)を作製した。また表1のNo.1−2〜1−12は上記正極活物質にかえて、正極活物質(LiCoMO2又はLiNiMO2)の主体となる遷移金属原子(Co又はNi)の一部を表1に示す各製造例の異種元素Mで置換し、異種元素Mの割合が表1に示すモル比となるように混合割合を調整して得られた異種元素含有正極活物質を用いた。具体的には所定のモル比になるようにLi2CO3又はLiNiO2と、異種元素として必要に応じてCo、ZrO、MgO、Al(OH)、TiOを混合後、空気雰囲気中で約900℃で焼成し、粉砕する事により作成した。なお、正極活物質の組成はX線回折2θ法により分析した。
2−1−2.正極シート(表2〜表4)
正極活物質をLiNi0.33Co0.33Mn0.332(表2のNo.2−1)、LiMn24(表3のNo.3−1)、LiFePO4(表4のNo.4−1)に変更した以外は上記2−1−1.正極シートと同様にして正極シートを作製した。なお、各正極シートは正極活物質の主体となる遷移金属原子の一部を表2〜4に示す各製造例の異種元素Mで置換し、異種元素Mの割合が表2〜4に示すモル比となるように混合割合を調整して得られた異種元素含有正極活物質を用いた。
2−2.負極シートの作製
負極活物質(グラファイト)、導電助剤(VGCF)、及び結着剤(SBR+CMC)を97:0.5:2.5の質量比で混合し、これをN−メチルピロリドンと混合して得られた負極合剤スラリーを作製した。3.55V又は4.2V充電での正極の充電容量を計算し、負極のリチウムイオン吸蔵可能容量/正極充電容量=1.1となるように負極合剤スラリーを銅箔(負極集電体)に塗布し、乾燥、圧縮することにより負極シートを作製した。
2−3.ラミネート型リチウムイオン二次電池の作製
上記作製した正極シート1枚と負極シート1枚それぞれの未塗工部分にアルミタブ、ニッケルタブを溶接し、ポリエチレン製セパレーターを挟んで対向させ、巻回機にて巻き取り、巻回体を作製した。作製した巻回体を適正な深さに絞り加工済みのアルミニウムラミネートフィルムと未処理のアルミニウムラミネートフィルムで挟み込み、アルミニウムラミネートフィルム内をそれぞれ上記作製した非水電解液で満たし、真空状態で密閉し、容量1Ahのラミネート型リチウムイオン二次電池を作製した。
3.電池評価
比容量(mAh/g)
ラミネート型リチウムイオン二次電池について、温度25℃の環境下、充放電試験装置(株式会社アスカ電子製ACD−01、以下同じ。)を使用し、所定の充電条件(0.5C、3.55V又は4.2V、定電流定電圧モード)で5時間充電を行った。その後、所定の放電条件(0.2C、放電終止電圧2.0V又は3.0V、定電流放電)で放電を行い、初回の放電容量を記録し、下記式に基づいて電池の質量比容量を算出し、初期放電特性を評価した。
質量比容量(mAh/g)=電池の初回の充電容量(mAh)/正極活物質質量(g)
レート特性(2C/0.2C)
上記比容量を測定した後、ラミネート型リチウムイオン二次電池について、温度25℃の環境下、充放電試験装置を使用し、所定の充電条件(1C、4.2V又は3.55V、定電流定電圧モード0.02Cカット)で充電した後、所定の放電条件(0.2C、放電終止電圧2.0V又は3.0V、定電流放電)で放電を行い、電池の放電容量を測定した。その後、再び、所定の充電条件(1C、4.2V又は3.55V、定電流定電圧モード0.02Cカット)で充電を行った後、所定の放電条件(2C、放電終止電圧2.0V又は3.0V、定電流放電)で放電を行って放電容量を測定した。各充放電時には10分の休止時間を設けて放電容量測定を行った。放電定電流0.2Cにおける放電容量を100としたときの放電定電流2C放電容量の指数をレート特性として評価した。
サイクル特性
ラミネート型リチウムイオン二次電池について、温度25℃の環境下、充放電試験装置を使用し、所定の充電条件(1C、3.55V又は4.2V、定電流定電圧モード0.02Cカット)及び放電条件(1C、放電終止電圧2.0V又は3.0V、定電流放電)にて、各充放電時にはそれぞれ10分の充放電休止時間を設けて充放電を200回継続してサイクル特性試験を行い、下記式より、容量維持率を算出した。
容量維持率(%)=(200サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100
熱安定性
ラミネート型リチウムイオン二次電池について、温度25℃の環境下、充放電試験装置を使用し、所定の充電条件(充電電圧4.35V、LiFePO4は3.60V)で3時間充電した。充電後オーブンに載置して、5℃/分の昇温速度で160℃まで加熱し、該温度で3時間保持すると共に、電池表面の温度を測定し、最高到達温度を表に記載した。なお、途中で発煙した場合は実験を中止し、表中に「発煙」と記載した。
Figure 0006931965
Figure 0006931965
Figure 0006931965
Figure 0006931965
表1〜4に示すように、異種元素を含む正極活物質、及びLiSFIを含む非水電解液を用いた本発明の要件を満足するNo.1−6〜1−12、2−4〜2−7、3−3〜3−5、4−3、4−4のリチウムイオン二次電池は、いずれも比容量、レート特性、サイクル特性、及び熱安定性に優れていた。
No.1−2〜1−5、2−2、2−3、3−2、4−2は異種元素を含む正極活物質を用いたが、非水電解液にLiFSIを含まない例である。No.1−2〜1−5、2−2、2−3、3−2、4−2は夫々、異種元素を含まない正極活物質を用いたNo.1−1、2−1、3−1、4−1と比べると熱安定性は向上するが、比容量、レート特性、サイクル特性が劣化する傾向を示した。またNo.1−2と1−3、No.1−4と1−5、No.2−2と2−3からは異種元素含有量の増加に伴って各電池特性が低下する傾向が見られた。
一方、異種元素を含む正極活物質とLiFSIを含む非水電解液を用いたNo.1−6、1−9は、同じ正極活物質を用いたNo.1−2と比べると優れた熱安定性を維持したまま、比容量、レート特性、サイクル特性が向上した。またNo.1−5と1−12、No.2−2と2−4、No.2−3と2−6、No.3−2と3−4、No.4−2と4−3でも同様の傾向が見られた。
本発明の要件を満足するNo.1−6〜1−12、2−4〜2−7、3−3〜3−5、4−3、4−4についても、異種元素を含まない正極活物質を用いた例や、LiSFIを含まない非水電解液を用いた例と比べると優れた熱安定性を有しつつ、異種元素を含まない正極活物質を用いた例と同等以上の比容量、レート特性、サイクル特性を示した。
なお、No.1−6と1−9、No.1−7と1−10を比べると、LiFSIの濃度が上昇しても熱安定性を維持でき、しかも比容量、レート特性、及びサイクル特性がより一層向上する傾向がみられた。
以上の結果から、本発明のリチウムイオン二次電池は、所定量の異種元素を含む正極活物質と、所定量のフルオロスルホニルイミド塩を含む非水電解液を用いているため、個々の構成では得られない相乗効果によって、熱安定性を維持しつつ電池特性も改善できたと考えられる。具体的には異種元素を正極活物質に添加すれば、結晶構造が安定化されて熱安定性は向上できるが、非水電解液にフルオロスルホニルイミド塩(1)が含まれていないと非水電解液の分解や正極活物質中の遷移金属の溶出により電池の内部抵抗の上昇を抑制できず、比容量、レート特性、サイクル特性が低下したものと考えられる(No.1−2〜1−5、2−2、2−3、3−2、4−2)。
また本発明の要件を満足する異種元素を含む正極活物質と共に、フルオロスルホニルイミド塩(1)を含む非水電解液を用いると、異種元素による上記熱安定性向上効果を阻害することなく維持できることがわかった。異種元素は抵抗上昇要因となるが、フルオロスルホニルイミド塩(1)を非水電解液に含有させることによって、イオン電導度が高くなり、電池抵抗が低下し、充放電進度が向上するため比容量やレート特性を改善できる。また正極活物質に異種元素が含まれていても、フルオロスルホニルイミド塩(1)によって非水電解液の分解や正極活物質中の遷移金属の溶出が抑制できるため、経時的な放電容量の低下も生じ難くなり、サイクル特性も改善できると考えられる。

Claims (3)

  1. 正極活物質を含有する正極、
    負極活物質を含有する負極、及び
    非水電解液を備えたリチウムイオン二次電池であって、
    上記非水電解液は、下記一般式(1)で表されるフルオロスルホニルイミド塩を0.2mol/L以上含み、
    Figure 0006931965
    (一般式(1)中、Rは、フッ素又は炭素数1〜6のフッ化アルキル基を表す)
    上記正極活物質は、下記一般式(2)を満足するものであることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
    LiA1-q…(2)
    (式中、AはCo、又はNiから選ばれる1種の遷移金属;0<q≦0.05;AがCoの場合、MはAl、Mg、Ti、及びNiよりなる群から選択される少なくとも1種の異種元素であり、AがNiの場合、MはAl、Mg、Ti、及びCoよりなる群から選択される少なくとも1種の異種元素であり、Mとして2種以上の異種元素を含む場合、qは各異種元素の構成比の和を示す)
  2. 正極活物質を含有する正極、
    負極活物質を含有する負極、及び
    非水電解液を備えたリチウムイオン二次電池であって、
    上記非水電解液は、下記一般式(1)で表されるフルオロスルホニルイミド塩を0.2mol/L以上含み、
    Figure 0006931965
    (一般式(1)中、Rは、フッ素又は炭素数1〜6のフッ化アルキル基を表す)
    上記正極活物質は、下記一般式(3)を満足するものであることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
    LiMn2-q…(3)
    (式中、0<q≦0.05;MはMg、及びLiよりなる群から選択される少なくとも1種の異種元素であり、qは各異種元素の構成比の和を示す)
  3. 正極活物質を含有する正極、
    負極活物質を含有する負極、及び
    非水電解液を備えたリチウムイオン二次電池であって、
    上記非水電解液は、下記一般式(1)で表されるフルオロスルホニルイミド塩を0.2mol/L以上含み、
    Figure 0006931965
    (一般式(1)中、Rは、フッ素又は炭素数1〜6のフッ化アルキル基を表す)
    上記正極活物質は、下記一般式(5)を満足するものであることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
    LiFe1-qPO…(5)
    (式中、0<q≦0.05;MはZr、及びMnよりなる群から選択される少なくとも1種の異種元素であり、Mとして2種以上の異種元素を含む場合、qは各異種元素の構成比の和を示す)
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