JP6975525B2 - リチウムイオン二次電池 - Google Patents
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LiPFl(CmF2m+1)6-l(0≦l≦6、1≦m≦4) (2)
LiBFn(CoF2o+1)4-n(0≦n≦4、1≦o≦4) (3)
本発明のリチウムイオン二次電池は、正極、負極、セパレーター、及び電解液とを備えると共に、電解液として後記本発明の要件を満足する非水電解液を有するところに特徴を有する。より詳細には、正極と負極との間にはセパレーターが設けられており、非水電解液は上記セパレーターに含浸された状態で、正極、負極等と共に外装ケースに収容されている。
正極は、正極活物質、導電助剤及び結着剤等を含む正極合剤が正極集電体に担持されてなるものであり、通常、シート状に成形されている。
正極集電体の材料としては特に限定されず、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼(SUS)、チタン等の導電性金属が使用できる。中でも、アルミニウムは薄膜に加工し易く、安価であるため好ましい。
正極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵・放出可能であればよく、リチウムイオン二次電池で使用される従来公知の正極活物質が用いられる。
導電助剤はリチウムイオン二次電池を高出力化するために用いられるものであり、導電助剤としては、主に導電性カーボンが用いられる。導電性カーボンとしては、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト、フラーレン、金属粉末材料、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、気相法炭素繊維等が挙げられる。
結着剤としては、ポリビニリデンフロライド、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂;スチレン−ブタジエンゴム、ニトリルブタジエンゴム、メチルメタクリレートブタジエンゴム、クロロプレンゴム等の合成ゴム;ポリアミドイミド等のポリアミド系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリアクリルアミド、ポリメチルメタクリレート等のポリ(メタ)アクリル系樹脂;ポリアクリル酸;メチルセルロース、エチルセルロース、トリエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アミノエチルセルロース等のセルロース系樹脂;エチレンビニルアルコール、ポリビニルアルコール等のビニルアルコール系樹脂;等が挙げられる。これらの結着剤は単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。また正極の製造時、これらの結着剤は、溶媒に溶けた状態であっても、溶媒に分散した状態であっても構わない。
正極の製造方法は、特に限定されないが、例えば、(i)分散用溶媒に正極合剤を溶解又は分散させた正極活物質組成物を正極集電体にドクターブレード法等で塗工したり、又は正極集電体を正極活物質組成物に浸漬した後、乾燥する方法;(ii)正極活物質組成物を混練成形し乾燥して得たシートを正極集電体に導電性接着剤を介して接合し、プレス、乾燥する方法;(iii)液状潤滑剤を添加した正極活物質組成物を正極集電体上に塗布又は流延して、所望の形状に成形した後、液状潤滑剤を除去し、次いで、一軸又は多軸方向に延伸する方法;等が挙げられる。また、必要に応じて乾燥後の正極合剤層を加圧してもよい。これにより正極集電体との接着強度が増し、電極密度も高められる。
負極は、負極活物質、結着剤及び必要に応じて導電助剤等を含む負極合剤が負極集電体に担持されてなるものであり、通常、シート状に成形されている。
負極の製造方法としては、正極の製造方法と同様の方法を採用できる。また、負極集電体の材料としては、銅、鉄、ニッケル、銀、ステンレス鋼(SUS)等の導電性金属を用いることができる。これらの中でも銅は、薄膜への加工が容易であるので好ましい。
負極活物質としては、リチウムイオン二次電池で使用される従来公知の負極活物質を用いることができ、リチウムイオンを吸蔵、放出可能なものであればよい。具体的には、人造黒鉛、天然黒鉛等の黒鉛材料、石炭、石油ピッチから作られるメソフェーズ焼成体、難黒鉛化性炭素等の炭素材料、Si、Si合金、SiO2等のSi系負極材料、Sn合金等のSn系負極材料、リチウム金属、リチウム−アルミニウム合金等のリチウム合金が負極活物質として挙げられる。
4−1.フルオロスルホニルイミド塩(1)
本発明の非水電解液は、電解質として機能する下記一般式(1)で表されるフルオロスルホニルイミド塩(1)を含むものであり、好ましくは更に溶媒を含む。必要に応じて添加剤等を含んでもよい。
本発明の非水電解液は電解質塩として、上記フルオロスルホニルイミド塩(1)とは異なる電解質塩(以下、「他の電解質塩」ということがある)を含んでいてもよいし、上記フルオロスルホニルイミド塩(1)だけでもよい。他の電解質塩としては特に限定されず、リチウムイオン二次電池の電解液において用いられている従来公知の電解質はいずれも使用できる。
本発明の非水電解液に用いることのできる溶媒としては、カーボネート系溶媒を含んでいればよい。またカーボネート系溶媒以外にもフルオロスルホニルイミド塩(1)及び他の電解質塩を溶解、分散させられるものであれば特に限定されず、電池に用いられる従来公知の溶媒を組み合わせて使用できる。なお、20μm未満のセパレーターとの組み合わせではポリマー、ポリマーゲル等の媒体を用たゲル状溶媒、及びゲル状電解質はセパレーター中への含浸が悪いため、保液量が少なく、充放電中に極間が局所的に液枯れ状態となりやすく、それによりLi電析が進行し、電池性能低下をまねくことがあるため、本発明の溶媒からゲル状溶媒、ゲル状電解質は除かれる。
本発明に係る非水電解液は、リチウムイオン二次電池の各種特性の向上を目的とする添加剤を含んでいてもよい。
セパレーターは正極と負極とを隔てるように配置されるものである。セパレーターには、特に制限がなく、本発明では、従来公知のセパレーターはいずれも使用できる。例えばセパレーターの材質として、ガラス、セルロース、樹脂などが挙げられる。樹脂としては合成樹脂、天然樹脂のいずれでもよく、また有機樹脂、無機樹脂(例えばシリコーン樹脂など)のいずれも使用し得る。これらのなかでも有機樹脂を含有するセパレーターは有機溶媒に対する化学的安定性とイオン透過性に優れているため好ましい。有機樹脂としては限定されず、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンなど公知の有機樹脂を用いることでき、単独重合体でも共重合体でもよく、また、複数種の樹脂の混合体及びアロイを用いてもよい。これらの中でも薄膜化しても外部応力に対する耐衝撃性、有機溶媒に対する化学的に安定性と耐熱性、適正範囲のイオン透過性に特に優れているポリエチレン、ポリプロピレンが好ましい。
正極、負極、セパレーター及び非水電解液等を備えた電池素子は、リチウムイオン二次電池使用時の外部からの衝撃、環境劣化等から電池素子を保護するため電池外装材に収容される。本発明では、電池外装材の素材は特に限定されず従来公知の外装材はいずれも使用することができる。
エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(MEC)を3:7(体積比)で混合した非水溶媒に、表1に示す濃度となるようにリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(株式会社日本触媒社製:以下、「LiFSI」と称する場合がある))とLiPF6(キシダ化学株式会社製)を溶解させて、非水電解液A〜Cを調製した。
2−1.正極シートの作製
正極活物質(LiCoO2)、導電助剤1(アセチレンブラック、AB)、導電助剤2(グラファイト)、及び結着剤(ポリフッ化ビニリデン、PVdF)を92:2:2:4の質量比で混合し、これをN−メチルピロリドンに分散させた正極合剤スラリーをアルミニウム箔に塗布し、乾燥、圧縮することにより正極シートを作製した。
負極活物質(グラファイト)、導電助剤(VGCF)、及び結着剤(SBR+CMC)を97:0.5:2.5の質量比で混合し、これをN−メチルピロリドンと混合して得られた負極合剤スラリーを作製した。4.35V充電での正極の充電容量を計算し、負極のリチウムイオン吸蔵可能容量/正極充電容量=1.1となるように負極合剤スラリーを銅箔(負極集電体)に塗布し、乾燥、圧縮することにより負極シートを作製した。
上記作製した正極シート1枚と負極シート1枚それぞれの未塗工部分にアルミタブ、ニッケルタブを溶接し、表1のA〜Dに記載の厚さ、空孔率、透気度を有するポリエチレン製セパレーターを挟んで対向させ、巻回機にて巻き取り、巻回体を作製した。作製した巻回体を適正な深さに絞り加工済みのアルミニウムラミネートフィルムと未処理のアルミニウムラミネートフィルムで挟み込み、アルミニウムラミネートフィルム内をそれぞれ上記作製した非水電解液A〜Cで満たし、真空状態で密閉し、容量1Ahのラミネート型リチウムイオン二次電池を夫々作製した。非水電解液AとセパレーターAの組み合わせを電池1とし、非水電解液とセパレーターを同様に組み合わせて全12種類の電池を作製した。
各ラミネート型リチウムイオン二次電池について、温度45℃の環境下、充放電試験装置(ACD−01、アスカ電子株式会社製)を使用し、所定の充電条件(1C、4.35V、定電流定電圧モード0.02Cカット)及び放電条件(1C、定電流放電モード2.75Vカット)にて、各充放電時にはそれぞれ10分の充放電休止時間を設けてサイクル特性試験を行い、下記式より、容量維持率を算出した。結果を表1に示す。
容量維持率(%)=(300サイクル目の1C容量/1サイクル目の1C容量)×100
Claims (2)
- 正極活物質を含有する正極、負極活物質を含有する負極、セパレーター、及び非水電解液を備えたリチウムイオン二次電池であって、
上記負極は結着剤としてスチレン−ブタジエンゴム、およびカルボキシメチルセルロースを含有し、
上記正極と上記負極との間には上記セパレーター以外の絶縁層を含まず、
上記非水電解液は、下記一般式(1)で表されるフルオロスルホニルイミド塩、及びカーボネート系溶媒を含み(但し、ゲル状溶媒、ゲル状電解質を除く)、
上記セパレーターは、厚みが20μm未満であり、空孔率が25〜60%であり、透気度が300〜400sec/100ccであり、
上記セパレーターの表面はコーティングされておらず、且つ
上記セパレーターは均一なイオン透過経路を有し、
上記セパレーターは、ポリエチレンのみからなるセパレーター、ポリプロピレンのみからなるセパレーター、またはポリエチレン及びポリプロピレンのみからなるセパレーターであることを特徴とするリチウムイオン二次電池。 - 上記非水電解液は、下記一般式(2)で表される化合物、下記一般式(3)で表される化合物、および六フッ化砒酸リチウムよりなる群から選択される少なくとも一種の電解質塩を含むものである請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
LiPFl(CmF2m+1)6-l(0≦l≦6、1≦m≦4) (2)
LiBFn(CoF2o+1)4-n(0≦n≦4、1≦o≦4) (3)
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