JP6715096B2 - 非水電解液およびそれを用いた非水電解液二次電池 - Google Patents
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Description
1−1.スルホニルイミド塩
本発明の非水電解液は、下記一般式(1)で表されるフルオロスルホニルイミド化合物(フルオロスルホニルイミド化合物(1)と称する場合がある。)を含む。
本発明の非水電解液は、フルオロスルホニルイミド化合物(1)とは異なる他の電解質塩を含んでいてもよい。他の電解質塩としては非水電解液二次電池の電解質塩として通常用いられるものを使用することができる。好ましい電解質塩はリチウム塩およびナトリウム塩である。好適なリチウム塩の例は、LiPF6、LiPF3(CF2CF3)3、LiBF4、Li[C2O4]2B(LiBOB)、Li(CF3SO2)2N(LiTFSI)、Li(C2F5SO2)2N(LiBETI)、LiC2O4BF2(LiDFOB)、LiC2O4B(CN)2、LiC2O4B(CN)F、LiSCN、LiCF3SO3、LiAlF4、LiClO4、LiN(NO2)2、LiB12F12-xHx及びこれらの混合物である。好ましいリチウム塩として、LiPF6、LiBF4、LiBOB、LiTFSI、LiBETI、LiDFOB等が挙げられる。さらに好ましくは、LiPF6、LiBOB、LiTFSI、LiDFOBである。
本発明の非水電解液において、前記スルホン化合物は、下記一般式(2)で表される(以下、スルホン化合物(2)と称する場合がある)。
本発明の非水電解液には、下記一般式(3)で表されるオキサラト化合物(以下、オキサラト化合物(3)と称する場合がある。)が含まれていてもよい。
オキサラト化合物は、スルホニルイミド化合物(1)の量を100mol%としたときに、0.1mol%以上であることが好ましい。より好ましくは1mol%以上であり、さらに好ましくは3mol%以上である。また、オキサラト化合物は、スルホニルイミド化合物(1)の量を100mol%としたときに、100mol%以下であることが好ましく、より好ましくは80mol%以下であり、さらに好ましくは50mol%以下である。オキサラト化合物の量が0.1mol%より少ないと、電解液の分解を抑制する効果が不充分となることがあり、100mol%を超えて添加すると、被膜形成による抵抗上昇が大きくなって電池性能そのものが低下するおそれがある。
本発明の非水電解液は、スルホニルイミド化合物(1)、スルホン化合物(2)、必要に応じて用いられるオキサラト化合物(3)の他に、溶媒を含んでいてもよい。本発明の非水電解液に用いることのできる溶媒としてはフルオロスルホニルイミド化合物(1)、他の電解質塩、スルホン化合物(2)、オキサラト化合物(3)及び後述する任意で用いられる添加剤等を溶解、分散させられるものであれば特に限定されず、有機溶媒、溶媒に代えて用いられるポリマー、ポリマーゲル等の媒体等、非水電解液二次電池、リチウムイオン二次電池に用いられる従来公知の溶媒はいずれも使用できる。
これらの中でも、鎖状カーボネート類、環状カーボネート類等の炭酸エステル類、フッ素を含有する環状カーボネート類、ラクトン類、エーテル類が好ましく、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等がより好ましく、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート等のカーボネート系溶媒がさらに好ましい。また、比誘電率が30〜100の範囲にあるものが特に好ましく、このような溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等を挙げることができる。上記非水系溶媒は1種を単独で用いてもよく、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の非水電解液は、非水電解液二次電池の各種特性の向上を目的とする添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、メチルビニレンカーボネート(MVC)、エチルビニレンカーボネート(EVC)等の不飽和結合を有する環状カーボネート;無水コハク酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水グルタコン酸、無水イタコン酸、無水ジグリコール酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、フェニルコハク酸無水物等のカルボン酸無水物;エチレンサルファイト、1,3−プロパンスルトン、1,3−プロパ−1−エンスルトン、1,4−ブタンスルトン、メタンスルホン酸メチル、ブサルファン、スルホレン、テトラメチルチウラムモノスルフィド、トリメチレングリコール硫酸エステル等の含硫黄化合物;1−メチル−2−ピロリジノン、1−メチル−2−ピペリドン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルスクシンイミド等の含窒素化合物;モノフルオロリン酸塩、ジフルオロリン酸塩等のリン酸塩;ヘプタン、オクタン、シクロヘプタン等の飽和炭化水素化合物;等が挙げられる。これらの中でもビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)等の不飽和結合を有する環状カーボネート、1,3−プロパンスルトンを用いることが好ましい。さらに好ましくはビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)等の不飽和結合を有する環状カーボネートである。
2−1.非水電解液二次電池
本発明の非水電解液を用いる非水電解液二次電池は、正極、負極、セパレーター、電解液、外装材等から構成される。また非水電解液二次電池は本発明の非水電解液を用いる二次電池である。好ましくはリチウムイオン二次電池、ナトリウムイオン二次電池、非水電解液を用いる金属空気二次電池等であり、より好ましくはリチウムイオン二次電池、ナトリウムイオン二次電池、さらに好ましくはリチウムイオン二次電池である。
本発明の非水電解液二次電池においては、正極活物質としては、リチウムイオンやナトリウムイオンを吸蔵・放出可能であれば良く、従来公知のリチウムイオン二次電池やナトリウムイオン二次電池で使用される正極活物質を用いることができる。リチウムイオン二次電池の活物質としては、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、LiNi1-x-yCoxMnyO2やLiNi1-x-yCoAlyO2(0≦x≦1、0≦y≦1)で表される三元系酸化物などの遷移金属酸化物、LiAPO4(A=Fe、Mn、Ni、Co)などのオリビン構造を有する化合物、遷移金属を複数取り入れた固溶材料(電気化学的に不活性な層状のLi2MnO3と、電気化学的に活性な層状のLiMO2(M=Co、Niなどの遷移金属)との固溶体)、LiCoxMn1-xO2(0≦x≦1)、LiNixMn1-xO2(0≦x≦1)、Li2APO4F(A=Fe、Mn、Ni、Co)などのフッ化オリビン構造を有する化合物、硫黄などを用いることができる。これらを単独で使用してもよく、複数組み合わせて使用してもよい。
ナトリウムイオン二次電池の活物質としては、NaNiO2、NaCoO2、NaMnO2、NaVO2、NaFeO2、Na(NixMn1-x)O2(0<X<1)、Na(FexMn1-x)O2(0<X<1)、NaVPO4F、Na2FePO4F、Na3V2(PO4)3等が挙げられる。
負極は、負極活物質、分散用溶媒、結着剤及び必要に応じて導電助剤等を含む負極活物質組成物が負極集電体に担持されているものであり、通常、シート状に成形されている。
好ましくは 人造黒鉛、天然黒鉛等の黒鉛材料、石炭,石油ピッチから作られるメソフェーズ焼成体、難黒鉛化性炭素等の炭素材料等の炭素材料であり、より好ましくは、人造黒鉛、天然黒鉛等の黒鉛材料および難黒鉛化炭素であり、さらに好ましくは人造黒鉛、天然黒鉛等の黒鉛材料である。
タップ密度は、0.1g/cm3〜2g/cm3が好ましく、0.3g/cm3〜1.5g/cm3が好ましく、密度は、0.1g/cm3〜2g/cm3が好ましく、0.3g/cm3〜1.5g/cm3がより好ましく、0.5g/cm3〜1.2g/cm3がさらに好ましい。なお、タップ密度は、容器内に所定量の粉末を入れ、タッピング装置を用いて粉末の体積がそれ以上減少しないところまでタップし、粉末の質量をタップ後の粉末体積で除することにより測定する。
負極集電体の材料としては、銅、鉄、ニッケル、銀、ステンレス鋼(SUS)等の導電性金属を用いることができる。なお、薄膜への加工が容易である観点からは、銅が好ましい。
セパレーターは正極と負極とを隔てるように配置されるものである。セパレーターには特に制限がなく、本発明では、従来公知のセパレーターはいずれも使用することができる。具体的なセパレーターとしては、例えば、非水電解液を吸収・保持し得るポリマーからなる多孔性シート(例えば、ポリオレフィン系微多孔質セパレーターやセルロース系セパレーターなど)、不織布セパレーター、多孔質金属体等が挙げられる。
上記多孔性シートの材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレンの3層構造を有する積層体、セルロース等が挙げられる。
また、ゲル電解質を用いる場合には必ずしもセパレーターは必要ではないが、ゲル電解質の支持体として上記の多孔性シート、不織布セパレーターをゲル電解質と併用することも可能である。これらセパレーターを併用することにより、ゲル電解質の性能が向上し、電池の性能を向上させることができる。
正極、負極、セパレーター及び非水電解液等を備えた電池素子は、リチウムイオン二次電池使用時の外部からの衝撃、環境劣化等から電池素子を保護するため電池外装材に収容される。本発明では、電池外装材の素材は特に限定されず従来公知の外装材はいずれも使用することができる。
本発明に係るリチウムイオン二次電池の形状は特に限定されず、円筒型、角型、ラミネート型、コイン型、大型等、リチウムイオン二次電池の形状として従来公知の形状はいずれも使用することができる。また、電気自動車、ハイブリッド電気自動車等に搭載するための高電圧電源(数10V〜数100V)として使用する場合には、個々の電池を直列に接続して構成される電池モジュールとすることもできる。
(電解液1)
LiFSI(リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド、日本触媒製)9.35gに35℃で溶解させたスルホラン(キシダ化学社製)を加え、1mol/LのLiFSIのスルホラン溶液(電解液1)を作製した。
評価に用いたリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドは、合成により得られたリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドのイソブチロニトリル溶液に、1,1,2,2−テトラクロロエタンを添加しながら、イソブチロニトリルを徐々に留去し、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドが析出した1,1,2,2−テトラクロロエタン溶液を得て、それを濾過、乾燥することで合成した。なお、合成に用いる溶媒、析出に用いる溶媒は適宜選択できる。
LiTFSI(キシダ化学社製)14.35gに35℃で溶解させたスルホラン(キシダ化学社製)を加え、1mol/LのLiTFSIのスルホラン溶液(電解液2)を作製した。
LiPF6(森田化学社製)7.60gに35℃で溶解させたスルホラン(キシダ化学社製)を加え、1mol/LのLiPF6のスルホラン溶液(電解液3)を作製した。
コインセル型リチウムイオン二次電池について、充放電試験装置(ACD−01、アスカ電子株式会社製)を用いて、25℃にて、充電速度0.2Cでの0.05V定電流定電圧充電を電流量0.02Cまで行った。次いで放電速度0.2Cで電圧が2.0Vになるまで放電を行った。2サイクル目の放電容量を初期容量とした。なお、本評価は負極のハーフセルで行っているため、電圧が下がる操作を充電、電圧が上がる操作を放電としている。
市販の負極シート(活物質:天然黒鉛)を正極、Liメタルを負極とし、セパレーターとしてガラスフィルター(ワットマン社製 GF/F)を、それぞれ円形(正極φ12mm、負極φ14mm、セパレーターφ16mm)に打ち抜いた。宝泉株式会社より購入したCR2032コイン型電池用部品(正極ケース(SUS316L製)、負極キャップ(SUS316L製)、スペーサー(1mm厚、SUS316L製)、ウェーブワッシャー(SUS316L製)、ガスケット(ポリプロピレン製))および、電解液1、正極、負極、セパレーターを用いてコインセル型リチウムイオン二次電池(負極ハーフセル)を作製した。得られたコインセル型リチウムイオン二次電池を、上述の電池評価条件にて評価を行った。
電解液1の代わりに電解液2を用いた以外は実施例1と同様にしてコインセル型リチウムイオン二次電池を作製し、電池評価を行った。
電解液1の代わりに電解液3を用いた以外は実施例1と同様にしてコインセル型リチウムイオン二次電池を作製し、電池評価を行った。
前述の黒鉛負極ハーフセル評価と同様に試験を行った。充放電条件は25℃にて、充電速度0.2Cでの4.2V定電流定電圧充電を電流量0.02Cまで行った。次いで放電速度0.2Cで電圧が3.0Vになるまで放電を行った。2サイクル目の放電容量を初期容量とした。
市販の正極シート(活物質:コバルト酸リチウム)と、市販の負極シート(活物質:天然黒鉛)と、セパレーターとしてガラスフィルター(ワットマン社製 GF/F)を、それぞれ円形(正極φ12mm、負極φ14mm、セパレーターφ16mm)に打ち抜いた。宝泉株式会社より購入したCR2032コイン型電池用部品(正極ケース(アルミクラッドSUS304L製)、負極キャップ(SUS316L製)、スペーサー(1mm厚、SUS316L製)、ウェーブワッシャー(SUS316L製)、ガスケット(ポリプロピレン製))および、電解液1、正極、負極、セパレーターを用いてコインセル型リチウムイオン二次電池(フルセル)を作製した。得られたコインセル型リチウムイオン二次電池を、上述のフルセル評価の電池評価条件にて評価を行った。
電解液1の代わりに電解液2を用いた以外は実施例2と同様にしてコインセル型リチウムイオン二次電池を作製し、電池評価を行った。
電解液1の代わりに電解液3を用いた以外は実施例2同様にしてコインセル型リチウムイオン二次電池を作製し、電池評価を行った。
上記で合成したLiFSI0.94gに35℃で溶解したスルホラン(キシダ化学社製)を5.00g加え、1mol/kgのLiFSIのスルホラン溶液(電解液4)を作製した。
スルホランに代えて45℃で溶解したエチルメチルスルホン(東京化成工業社製)を用いた以外は電解液4と同様にして1mol/kgのLiFSIのエチルメチルスルホン溶液(電解液5)を作製した。
LiTFSIを1.44g用いた以外は電解液4と同様にして1mol/kgのLiTFSIのスルホラン溶液(電解液6)を作製した。
スルホランに代えて45℃で溶解したエチルメチルスルホン(東京化成工業社製)を用いた以外は電解液6と同様にして1mol/kgのLiTFSIのエチルメチルスルホン溶液(電解液7)を作製した。
電解液1の代わりに電解液4を用いた以外は実施例2と同様にしてコインセル型リチウムイオン二次電池を作製し、上述の(電池評価2)の条件にて評価を行った。
電解液4の代わりに電解液5を用いた以外は実施例3と同様にしてコインセル型リチウムイオン二次電池を作製し、評価を行った。
電解液4の代わりに電解液6を用いた以外は実施例3と同様にしてコインセル型リチウムイオン二次電池を作製し、評価を行った。
電解液4の代わりに電解液7を用いた以外は実施例3と同様にしてコインセル型リチウムイオン二次電池を作製し、評価を行った。
LiFSI(日本触媒社製)とLiPF6(森田化学工業社製)を用いて、表4に示した組成の1.0mol/LのLi塩の電解液(溶媒はスルホラン)8種類を調製した。各電解液を用いて、コインセル型リチウムイオン二次電池を作製し、充放電試験装置(ACD−01、アスカ電子株式会社製)を用いて、25℃にて、0.2Cで5サイクルエージングし、その後1Cでサイクル特性を評価した。1Cでの1サイクル目の容量を初期放電容量、100サイクル後の容量を1サイクル目の容量で除した数値を維持率とし、結果を表4に示した。また、0.2Cで5サイクルエージングした後、0.2Cで充電後、5Cで放電したときの放電容量も併せて示す。なお、1.0mol/LのLiPF6を含む電解液に関しては、初期容量が非常に低かったため、1Cサイクル特性及び5C放電は行わなかった。
LiFSI(日本触媒社製)とLiBF4(キシダ化学社製)を用いて、表5に示した組成の1.0mol/LのLi塩の電解液(溶媒はスルホラン)6種類を調製した。各電解液を用いて、コインセル型リチウムイオン二次電池を作製し、充放電試験装置(ACD−01、アスカ電子株式会社製)を用いて、25℃にてサイクル特性を評価した。結果を表5に示した。LiFSIが20mol%以上含まれていれば、高いサイクル特性を示すことがわかる。
LiFSI(日本触媒社製)とLiPF6(森田化学工業社製)を用いて、表6に示した組成の1.5mol/LのLi塩の電解液(溶媒はスルホラン)9種類を調製した。DSCを用いて得られた電解液の凝固点を測定した。凝固点が−40℃以下であれば○、−40℃を超える場合は×とした。結果を表6に示した。なお、LiFSIが1.5mol/Lの電解液(溶媒はスルホラン)のDSCのチャートを図2に示した。
LiFSI(日本触媒社製)とスルホラン(キシダ化学社製)を用いて、LiFSIの濃度が、0.8mol/L、1.0mol/L、1.2mol/L、1.5mol/L、2.0mol/Lの5種類の電解液を作製した。得られた電解液を用いてセパレーターとしてセルロースセパレータを用いた以外は実施例2と同様にコインセルを作製した。0.2Cにて5サイクル充放電した後、1Cにてサイクル特性を評価した。初期放電容量と100サイクル後の容量維持率を表7に示した。
また、0.2Cで充電した後、5Cで放電したときの放電電流容量および放電電力容量を表8に示した。なお、測定例15〜19における溶媒はスルホラン(SL)であるが、測定例20は、LiPF6を電解質とし、溶媒としてエチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)を体積比3:7で用いた例である。
下記組成の電解液を用いてコインセルの低温評価を行った。電池を25℃、0.2Cで充電した後、−20℃で放電を行ったときの放電電力容量及び放電容量を表9に示した。電解液の凍結が観測されなかった測定例22の1.5mol/LのLiFSI/SLでは、放電容量が大きいだけでなく、放電電力容量も大きいことが確認できた。
電解液の熱安定性をDSCにて評価した。測定装置はNETZSCH社製DSC3500、測定用のパンは金蒸着CrNi鋼高圧試料容器(27μl)を用いた。これらの装置を用い、25℃から400℃まで10℃/分で昇温を行った。電解液は電解液4(1mol/kg LiFSIのスルホラン溶液)および1mol/kg LiPF6のEC/EMC(体積比3/7)溶液を用いた。得られたDSCチャートを図3に示す。1mol/kg LiPF6のEC/EMC溶液は250℃付近で吸熱を示したのち、大きな発熱が観測されたのに対し、1mol/kg LiFSIのスルホラン溶液は大きな発熱は観測されなかった。1mol/kg LiFSIのスルホラン溶液は熱安定性の高い電解液であり、電池の熱暴走を起こしにくいと考えられる。
1.0mol/LのLiFSI/SL(スルホランの比誘電率は43.3(30℃))系電解液9容量部に対し、下記表に示した溶媒を容量部添加した。得られた電解液を用いてコインセルを作製し、エージング後、1Cにて25サイクル行った後の放電容量を表10に示した。なお、表中で用いた略語は以下のとおりである。
DOL:1.3−ジオキソラン
DME:ジメトキシエタン
GBL:γ−ブチルラクトン
FEC:フルオロエチレンカーボネート
EC:エチレンカーボネート
PC:プロピレンカーボネート
AcOBu:酢酸ブチル
DMC:ジメチルカーボネート
DEC:ジエチルカーボネート
◎:1.9mAh以上
○:1.4mAh以上、1.9mAh未満
△:0.2mAh以上、1.4mAh未満
×:0.2mAh未満
(電解液2−1)
下式で表されるリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド;LiFSI(日本触媒社製)0.94gに、35℃で溶解させたスルホラン(キシダ化学社製)を5.00g加え、1mol/kgのLiFSIのスルホラン溶液(電解液2−1)を調製した。
電解液2−1と同様に1mol/kgのLiFSIのスルホラン溶液を調製し、この溶液に対して、0.100gのリチウムビス(オキサラト)ボレート(下記)(LiBOB)を加え、電解液2−2を調製した。
電解液2−1と同様に1mol/kgのLiFSIのスルホラン溶液を調製し、この溶液に対して、0.100gのリチウムジフルオロ(オキサラト)ボレート(下記)(LiDFOB)を加え、電解液2−3を調製した。
電解液2−1と同様に1mol/kgのLiFSIのスルホラン溶液を調製し、この溶液に対して、0.100gのビニレンカーボネート(VC)を加え、電解液2−4を調製した。
正極活物質(LiCoO2)、導電助剤1(アセチレンブラック、AB)、導電助剤2(グラファイト)及び結着剤(ポリフッ化ビニリデン、PVdF)を92:2:2:4の質量比で混合し、N−メチルピロリドンに分散させて正極合剤スラリーとし、アルミニウム箔(正極集電体)上に塗工し、乾燥して、正極シートを作製した。
負極活物質(天然黒鉛)、導電助剤(炭素繊維、「VGCF(登録商標)」、昭和電工社製)、及び結着剤(ポリフッ化ビニリデン、PVdF)を95.7:0.5:3.8の質量比で混合した負極合剤スラリーを銅箔(負極集電体)上に塗工し、乾燥して、負極シートを作製した。
正極シート、負極シートおよびガラス繊維ろ紙(ワットマン社製、GF/F)を、それぞれ円形(正極φ12mm、負極φ14mm、ガラス繊維ろ紙φ16mm)に打ち抜いた。宝泉株式会社より購入したCR2032コイン型電池用部品(正極ケース(アルミクラッドSUS304L製)、負極キャップ(SUS316L製)、スペーサー(1mm厚、SUS316L製)、ウェーブワッシャー(SUS316L製)、ガスケット(ポリプロピレン製))を用いてコインセル型リチウムイオン二次電池を作製した。具体的には、ガスケットを装着した負極キャップ、ウェーブワッシャー、スペーサー、負極シート(負極の銅箔側がスペーサーと対向するように設置)、セパレーターをこの順で重ねた後、100μLの非水電解液をポリエチレン製のセパレーターに含浸させた。次いで、正極合剤塗布面が負極活物質層側と対向するように正極シートを設置し、その上に正極ケースを重ね、カシメ機でかしめることによりコインセル型リチウムイオン二次電池を作製した。
充放電試験装置(ACD−01、アスカ電子株式会社製)を使用して、温度25℃の環境下、コインセル型リチウムイオン二次電池の放電容量測定を行った。充放電条件は、充電速度0.2Cでの4.35V定電流定電圧充電を電流量0.02Cまで行い、次いで放電速度0.2Cで電圧が3.0Vになるまで放電を行った。この0.2Cでの充放電を5回繰り返したのち、充電速度1C、放電速度1Cにした以外は0.2Cの時と同じ条件で300回充放電を繰り返した。表11に300サイクル後の放電容量を示す。
DSCの測定
DSCの測定装置および測定条件は、電解液の熱安定性評価と同様にした。電解液2−2および1.2mol/LのLiPF6のEC/EMC(体積比3/7)溶液を用いて、実施例2−1と同様にしてコインセルを作製し、0.2Cでの充放電を5回繰り返した後、0.2Cで4.35Vまで充電した。得られた電池をグローブボックスで解体し、正極および負極を約2mgずつ削り取り、それぞれをDSCのパンに詰め、電解液を2μl添加した。パンを封止後、DSCを測定した。正極および負極での発熱量を表12に示す。正極、負極とも本発明の電解液を用いることにより、充電状態の正極および負極との反応による発熱を大幅に減少することが確認された。本発明の電解液は電池の熱暴走を抑制できるといえる。
実施例で用いた測定方法は、以下のとおりである。
ラマンスペクトル測定
JASCO NR−3100(日本分光社製)を用いて、以下の条件にてラマンスペクトルを測定した。得られたラマンスペクトルについて、1580cm-1付近のピーク強度をIG、1360cm-1付近のピーク強度をIDとし、強度比R(R=ID/IG)を算出した。
レーザー波長:532nm
露光時間:10秒×5回
中心波数:1400cm-1
スリット:φ0.05mm
減光器:オープン
対物レンズ:20倍
データ間隔:1cm-1
スムージング処理:ベースライン補正(872cm-1〜1873cm-1の間で直線補正)
スムージング処理、単純平均移動(コンボリューション幅 5)
LiPF6(キシダ化学社製)を1.52gのエチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)の混合溶媒(EC:EMC=3:7(体積比)キシダ化学社製)に溶解させ、1mol/LのLiPF6が含まれた電解液3−1を得た。
リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI:日本触媒社製)2.805gに、35℃で溶解したスルホラン(キシダ化学社製)を加え、1.5mol/Lのスルホラン溶液(電解液3−2)を得た。
負極活物質及び結着剤(ポリフッ化ビニリデン、PVdF)を92:8の質量比で混合した負極合剤スラリーを銅箔(負極集電体)上に塗工し、乾燥して、負極シートを作製した。負極活物質としては以下の黒鉛を用いた。
実施例3−1:CGB10(日本黒鉛社製)
実施例3−2:SLP50(Timcal社製)
実施例3−3:SMG(日立化成社製)
参考例3−1:MAGE(日立化成社製)
負極シート、リチウム箔及び、ガラスフィルター(ワットマン社製 GF/F)を、それぞれ円形(負極φ12mm、リチウム箔φ14mm、ガラスフィルターφ16mm)に打ち抜いた。宝泉株式会社より購入したCR2032コイン型電池用部品(正極ケース(アルミクラッドSUS304L製)、負極キャップ(SUS316L製)、スペーサー(1mm厚、SUS316L製)、ウェーブワッシャー(SUS316L製)、ガスケット(ポリプロピレン製))を用いてコインセル型リチウムイオン二次電池を作製した。具体的には、ガスケットを装着した負極キャップ、ウェーブワッシャー、スペーサー、リチウム箔、セパレーターをこの順で重ねた後、電解液1または電解液2をガラスフィルターに含浸させた。次いで、負極シートを設置し、その上に正極ケースを重ね、カシメ機でかしめることによりコインセル型リチウムイオン二次電池のハーフセルを作製した。
充放電試験装置(ACD−01、アスカ電子株式会社製)を使用して、温度25℃の環境下、コインセル型リチウムイオン二次電池の放電容量測定を行った。充放電条件は、充電速度0.2Cでの2.0V定電流定電圧充電を行い、次いで放電速度0.2Cで電圧が0.05Vになるまで放電を行った。3サイクル目の放電容量を記した。
Claims (5)
- 上記スルホン化合物が、環状スルホン化合物であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解液。
- 更に、γ−ブチロラクトン、フルオロエチレンカーボネート、エチレンカーボネート、およびプロピレンカーボネートから選択される溶媒を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の非水電解液。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の非水電解液を用いたことを特徴とする非水電解液二次電池。
- 負極が負極活物質として炭素材料を含むことを特徴とする請求項4に記載の非水電解液二次電池。
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