JP6926754B2 - 定着部材、定着装置、および画像形成装置 - Google Patents

定着部材、定着装置、および画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、定着部材、定着装置、および画像形成装置に関する。より特定的には、本発明は、耐久性を向上することのできる定着部材、定着装置、および画像形成装置に関する。
電子写真式の画像形成装置には、スキャナー機能、ファクシミリ機能、複写機能、プリンターとしての機能、データ通信機能、およびサーバー機能を備えたMFP(Multi Function Peripheral)、ファクシミリ装置、複写機、プリンターなどがある。
画像形成装置は、一般に次のような方法で用紙に画像を形成する。画像形成装置は、像担持体上に静電潜像を形成し、現像器を用いて静電潜像を現像してトナー像を形成する。次に画像形成装置は、トナー像を用紙へ転写し、定着装置によってトナー像を用紙に定着させる。また、画像形成装置の中には、感光体にトナー像を形成し、1次転写ローラーを用いてトナー像を中間転写ベルトに転写し、2次転写ローラーを用いて中間転写ベルト上のトナー像を用紙へ2次転写するものも存在する。
近年、画像形成装置の省エネルギー化を図るため、定着装置の熱容量の低減が求められている。熱容量の小さい定着装置によれば、待機時には定着装置の予熱を抑えることで電力消費を抑えつつ、ウォームアップ時には目標温度まで迅速に加熱することが可能となるので、ウォームアップの時間短縮を図ることができる。
熱容量の小さい定着装置は、熱容量の大きい定着装置と比較して小型・薄肉である。このため、熱容量の小さい定着装置では通紙部と非通紙部との間で熱が移動可能な熱流路が少なく、加熱部材の非通紙部から通紙部への熱の移動(加熱部材の軸方向への熱の移動)が起こりにくい。その結果、小さいサイズの用紙の定着が連続した場合には非通紙部の温度が上昇しやすく、それにより定着性や画像の均一性が損なわれるという問題があった。
そこで、上記問題を解決するために、加熱部材にグラファイト層を設けることで加熱部材の軸方向の伝熱性を向上する技術が、たとえば下記特許文献1〜5などで提案されている。
下記特許文献1には、定着ベルト基材層と、定着ベルト異方性グラファイト層と、定着ベルト離型層とを備えた定着ベルトが開示されている。
下記特許文献2には、弾性層の上に結晶化グラファイト層が接着剤で貼り付けられた加圧部材が開示されている。この加圧部材においては、結晶化グラファイト層は複数のシートからなっており、複数のシートの各々はローラー状の加圧部材上に間隔をあけて配置されている。
下記特許文献3には、基材と、基材上に設けられた弾性層と、弾性層上に設けられた表面層とを有する定着部材が開示されている。基材および弾性層の少なくとも一方に、複数の針状突起部を持つ第1充填剤と非針状突起構造の第2充填剤とを含んでいる。第1充填材の表面はグラファイト層で被覆されている。
下記特許文献4には、銅線よりなる高熱伝導部材の周囲を低熱伝導率部材で被覆した線材を定着回転体の軸方向と平行に複数本積層し、熱伝導率異方性を有する層を定着回転体基材と表層との間に配置した定着回転体が開示されている。
下記特許文献5には、外周面にグラファイト層を設けたローラー状部材を定着部材の外周面または加圧部材の外周面に接触させた定着装置が開示されている。
特開2002−6662号公報 特開2001−159418号公報(特許第4166914号公報) 特開2014−153659号公報 特開2005−24725号公報 特開2003−255733号公報
特許文献2などのように、グラファイト層の固定に接着剤を用いる場合には、接着剤の接着性が弱く、定着部材の耐久性が低いという問題があった。すなわち、グラファイト層の固定に接着剤を用いた定着部材では、時間経過によりグラファイト層が接着剤の接着力に抗って浮き上がり、グラファイト層において接着剤で固定されていない部分が発生しやすかった。そして、グラファイト層の固定されていない部分を起点としてグラファイト層に亀裂が入り破断する現象が起こりやすかった。このような現象は、特に接着剤としてシリコーン系接着剤などを用いた場合に顕著であった。
本発明は、上記課題を解決するためのものであり、その目的は、耐久性を向上することのできる定着部材、定着装置、および画像形成装置を提供することである。
本発明の一の局面に従う定着部材は、記録材に接触する定着部材であって、内層と、外層と、内層と外層との間に設けられたグラファイト層とを備え、グラファイト層は内層および外層のうち少なくともいずれか一方の層と接着されており、グラファイト層における少なくともいずれか一方の層と接着される面はオゾン処理されており、内層および外層は筒形状であり、グラファイト層は内層の外側に設けられており、外層はグラファイト層の外側に設けられており、グラファイト層の外周面は外層と接着されており、オゾン処理されており、グラファイト層の内周面は内層と接着されており、オゾン処理されている。
本発明の他の局面に従う定着部材は、記録材に接触する定着部材であって、内層と、外層と、内層と外層との間に設けられたグラファイト層とを備え、グラファイト層は内層および外層のうち少なくともいずれか一方の層と接着されており、グラファイト層における少なくともいずれか一方の層と接着される面はオゾン処理されており、定着部材は、加熱された回転体の表面に対して圧力を加える加圧ローラーであり、内層は、基層と、基層とグラファイト層との間に設けられたスポンジ層とを含む。
本発明のさらに他の局面に従う定着部材は、記録材に接触する定着部材であって、内層と、外層と、内層と外層との間に設けられたグラファイト層とを備え、グラファイト層は内層および外層のうち少なくともいずれか一方の層と接着されており、グラファイト層における少なくともいずれか一方の層と接着される面はオゾン処理されており、グラファイト層は、定着部材の回転方向に沿って内層に対して巻き付けられ、グラファイト層は、回転軸方向の一方の端部側に設けられた第1のグラファイト片と、第1のグラファイト片と回転軸方向で間隔をおいて回転軸方向の他方の端部側に設けられた第2のグラファイト片とを含む。
上記定着部材において好ましくは、内層および外層は筒形状であり、グラファイト層は内層の外径側に設けられており、外層はグラファイト層の外径側に設けられている。
上記定着部材において好ましくは、グラファイト層の外周面は外層と接着されており、オゾン処理されている。
上記定着部材において好ましくは、グラファイト層の径方向の厚みは、グラファイト層と外層とを接着する接着層の径方向の厚みよりも大きい。
上記定着部材において好ましくは、定着部材は、加熱された回転体の表面に対して圧力を加える加圧ローラーである。
上記定着部材において好ましくは、基層およびグラファイト層に接触した状態と、基層およびグラファイト層のうち少なくとも一方から離間した状態との間で状態を切替可能な伝熱部材をさらに備える。
上記定着部材において好ましくは、伝熱部材は、ウォームアップ時には離間した状態となり、プリント時には少なくとも一定時間接触した状態となる。
上記定着部材において好ましくは、伝熱部材は、ウォームアップ時には離間した状態となり、所定のサイズよりも小さいサイズの記録材の通紙時には少なくとも一定時間接触した状態となる。
上記定着部材において好ましくは、グラファイト層は、定着部材の回転方向に沿って内層に対して巻き付けられる。
上記定着部材において好ましくは、グラファイト層は、定着部材の回転軸を取り囲むらせん状に巻き付けられる。
上記定着部材において好ましくは、グラファイト層は、定着部材の回転方向に沿って配置された複数のグラファイト片を含み、複数のグラファイト片の各々は、定着部材の回転軸に沿って延在している。
上記定着部材において好ましくは、グラファイト層におけるオゾン処理されている面に対する純水の接触角は70度以下である。
本発明のさらに他の局面に従う定着装置は、上記の定着部材を備え、トナー像を記録材に定着する。
本発明のさらに他の局面に従う画像形成装置は、上記の定着装置と、トナー像を記録材に形成するトナー像形成部とを備える。
本発明によれば、耐久性を向上することのできる定着部材、定着装置、および画像形成装置を提供することができる。
本発明の第1の実施の形態における画像形成装置1の構成を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態における定着装置40の構成を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態における加圧ローラー44の構成を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態における加圧ローラー44の変形例の構成を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態における定着ベルト41の構成を示す断面図である。 本発明の第3の実施の形態におけるグラファイト層34の第1の形成方法を示す図である。 本発明の第3の実施の形態におけるグラファイト層34の第2の形成方法を示す図である。 本発明の第3の実施の形態におけるグラファイト層34の第2の形成方法の変形例を示す図である。 本発明の第3の実施の形態におけるグラファイト層34の第3の形成方法を示す図である。 本発明の第3の実施の形態におけるグラファイト層34の第3の形成方法の変形例を示す図である。 本発明の第3の実施の形態におけるグラファイト層34の第4の形成方法を示す図である。 本発明の第3の実施の形態におけるグラファイト層34の第4の形成方法の変形例を示す図である。 本発明の第4の実施の形態において加圧ローラー44の一方の端部に設けられた伝熱部材37の構成および動作を示す図である。 本発明の一実施例におけるグラファイト層に対する純水の接触角の測定結果を示す図である。 本発明の一実施例における、非通紙部の幅と、非通紙部の最高温度との関係を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
以下の実施の形態では、定着装置が搭載される画像形成装置がMFPである場合について説明する。定着装置が搭載される画像形成装置はMFPの他、ファクシミリ装置、複写機、またはプリンターなどであってもよい。
[第1の実施の形態]
始めに、本実施の形態における画像形成装置の構成について説明する。
なお、図面では、画像形成装置1を正面から見た場合の幅方向をx軸方向、奥行き方向をy軸方向、高さ方向をz軸としている。x軸、y軸、およびz軸の各々は互いに直交している。
図1は、本発明の第1の実施の形態における画像形成装置1の構成を示す断面図である。
図1を参照して、本実施の形態における画像形成装置1は、MFPであり、用紙搬送部10と、トナー像形成部20と、制御部30と、定着装置40とを主に備えている。
用紙搬送部10は、給紙トレイ11と、給紙ローラー12と、複数の搬送ローラー13と、排紙ローラー14と、排紙トレイ15とを含んでいる。給紙トレイ11は、画像を形成するための用紙M(記録材の一例)を収容する。給紙トレイ11は複数であってもよい。給紙ローラー12は、給紙トレイ11と搬送経路TRとの間に設けられている。複数の搬送ローラー13の各々は、搬送経路TRに沿って設けられている。排紙ローラー14は、搬送経路TRの最も下流の部分に設けられている。排紙トレイ15は画像形成装置本体1aの最上部に設けられている。
トナー像形成部20は、いわゆるタンデム方式でY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、およびK(ブラック)の4色の画像を合成し、用紙にトナー像を形成する。トナー像形成部20は、YMCK各色についての画像形成ユニット21と、中間転写ベルト22と、YMCK各色についての一次転写ローラー23と、二次転写ローラー24とを含んでいる。
YMCK各色の画像形成ユニット21は、感光体ドラム25と、帯電ローラー26と、露光装置27と、現像装置28と、クリーニング装置29などを含んでいる。感光体ドラム25は、図1中矢印αで示す方向に回転駆動される。感光体ドラム25の周囲には、帯電ローラー26、現像装置28、およびクリーニング装置29が設けられている。帯電ローラー26は、感光体ドラム25に近接して設けられている。露光装置27は、感光体ドラム25の下部に設けられている。
中間転写ベルト22は、YMCK各色の画像形成ユニット21の上部に設けられている。中間転写ベルト22は、環状であり、回転ローラー22aに架け渡されている。中間転写ベルト22は、図1中矢印βで示す方向に回転駆動される。一次転写ローラー23の各々は、中間転写ベルト22を挟んで感光体ドラム25の各々と対向している。二次転写ローラー24は、搬送経路TRにおいて中間転写ベルト22と接触している。
制御部30は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)などよりなっており、画像形成装置1全体の動作を制御する。
定着装置40は、トナー像を担持した用紙を把持しながら搬送経路TRに沿って搬送することで、用紙にトナー像を定着する。
画像形成装置1は、感光体ドラム25を回転させて、感光体ドラム25の表面を帯電ローラー26によって帯電させる。画像形成装置1は、帯電された感光体ドラム25の表面に対して、露光装置27により画像形成情報に従った露光を行い、感光体ドラム25の表面に静電潜像を形成する。
次に画像形成装置1は、静電潜像が形成された感光体ドラム25に対して、現像装置28からトナーを供給して現像を行い、感光体ドラム25の表面にトナー像を形成する。
次に画像形成装置1は、一次転写ローラー23を用いて、感光体ドラム25に形成されたトナー像を、中間転写ベルト22の表面に順次転写する(一次転写)。フルカラー画像の場合、中間転写ベルト22の表面には、YMCK各色のトナー像が合成されたトナー像が形成される。
画像形成装置1は、中間転写ベルト22に転写されずに感光体ドラム25に残留したトナーを、クリーニング装置29により除去する。
続いて画像形成装置1は、中間転写ベルト22の表面に形成されたトナー像を、回転ローラー22aによって二次転写ローラー24と対向する位置まで搬送する。
一方、画像形成装置1は、給紙トレイ11に収容された用紙Mを、給紙ローラー12により給紙し、複数の搬送ローラー13の各々により搬送経路TRに沿って中間転写ベルト22と二次転写ローラー24との間に導く。そして画像形成装置1は、中間転写ベルト22の表面に形成されたトナー像を、二次転写ローラー24により用紙Mに転写する。
画像形成装置1は、トナー像が転写された用紙Mを定着装置40に導き、定着装置40によりトナー像を用紙Mに定着する。その後画像形成装置1は、トナー像が定着された用紙Mを、排紙ローラー14により排紙トレイ15に排紙する。
図2は、本発明の第1の実施の形態における定着装置40の構成を示す断面図である。
図2を参照して、定着装置40は、搬送経路TRの上流側から下流側に向かって定着ニップNPを通過することで、用紙へトナー画像を定着させる。定着装置40は、定着ベルト41と、パッド42と、ヒーター43と、加圧ローラー44(定着部材の一例)と、パッドフレーム(支持部材)45と、反射部材46と、ガイド部材47とを含んでいる。定着装置40は、定着ベルト41と加圧ローラー44との定着ニップNPに用紙を通過させることにより、定着ベルト41から用紙に熱と押圧力とを与え、トナー像を用紙に定着させる。
定着ベルト41は、用紙の画像を定着する無端状のベルトである。定着ベルト41は、軸方向の両端部において図示しないガイド部材(側板)によって挟持されることで、加圧ローラー44に圧接して定着ニップNPを形成する位置で支持されている。定着ベルト41は、耐熱性、強度、および表面平滑性などを考慮してその材質が決められる。定着ベルト41は、たとえば、60μmの厚さのPI基材(ポリイミド)よりなるベース層と、PI基材の外径側に設けられた200μmの厚さのゴムよりなる弾性層と、弾性層の外径側に設けられた30μmの厚さのPFA(フッ素樹脂)チューブよりなる離型層とを含んでいる。定着ベルト41は、たとえば25mmの直径を有している。
パッド42は、定着ベルト41の内側に設けられている。パッド42は、定着ベルト41の回転軸の延在方向に対して平行に延在している。パッド42は加圧ローラー44に対して内側から定着ベルト41を押圧する。パッド42は、たとえば液晶ポリマーよりなっている。
ヒーター43は、定着ベルト41の内側に設けられている。ヒーター43は、定着ベルト41の回転軸の延在方向に対して平行に延在している。ヒーター43は、定着ベルト41を所定の目標温度に加熱する。ヒーター43は、配光が互いに異なるデュアルヒーターであり、全幅発光の(定着ベルト41の回転軸方向の全体を加熱する)ロングヒーターと、中央部発光の(定着ベルト41の回転軸方向の中央部を加熱する)ショートヒーターとを含んでいる。ヒーター43は、たとえばハロゲンヒーターよりなっており、5.5mmの管径を有している。
加圧ローラー44は、定着ベルト41を介してパッド42と対向する位置に設けられている。加圧ローラー44は、加熱された回転体(ここでは定着ベルト41)の表面に対して圧力を加えるものである。加圧ローラー44は定着ベルト41と圧接しており、定着ベルト41との間で、用紙に接触する定着ニップNPを形成する。加圧ローラー44は、図示しない駆動モーターにより矢印AR11で示す方向に回転駆動される。定着ベルト41は、加圧ローラー44の回転に従動するフリーベルトであり、矢印AR12で示す方向に回転する。
パッドフレーム45は、定着ベルト41の内側に設けられている。パッドフレーム45は、定着ベルト41の回転軸の延在方向に対して平行に延在している。パッドフレーム45はパッド42を保持している。パッドフレーム45は、たとえば厚さ2.0mmのSECC(電気亜鉛めっき鋼板)を折り曲げたものからなっている。
反射部材46は、パッドフレーム45におけるヒーター43と対向する側の面に固定されている。反射部材46は、ヒーター43の熱を反射する。これにより、ヒーター43からの輻射熱を効果的に定着ベルト41の加熱に利用することができる。反射部材46は、たとえば厚さ0.5mmのアルミニウム製の反射板(シート)よりなっている。
ガイド部材47は、定着ベルト41の内周面の一部と接触しており、定着ベルト41の回転をガイドする。
定着ベルト41の回転軸方向、パッド42の長手方向、および加圧ローラー44の回転軸方向の各々は、いずれもy軸に対して平行である。
なお、定着ベルト41の回転軸方向の中央部には、定着装置40の温度を計測するための温度センサー(図示無し)が配置されている。制御部30は、この温度センサーにて計測した温度に基づいて、定着装置40が所定の定着温度(たとえば150度〜180度の範囲)になるように、ヒーター43の点灯を制御する。
図3は、本発明の第1の実施の形態における加圧ローラー44の構成を示す断面図である。図3中矢印AR13は、加圧ローラー44の径方向(加圧ローラー44の回転軸Rを起点として同心円状に回転軸Rから離れる方向)を示している。
図3を参照して、加圧ローラー44は、加熱された回転体(ここでは定着ベルト41)の表面に対して圧力を加えるものである。加圧ローラー44は、円筒形状を有しており、基層(芯金)31および弾性層32(内層の一例)と、接着層33と、グラファイト層34と、接着層35と、離型層36(外層の一例)とを含んでいる。加圧ローラー44は、たとえば25mmの直径を有しており、基層31を除く部分の厚さはたとえば3mmである。
基層31は中実円筒形状(筒形状)を有している。弾性層32、グラファイト層34、および離型層36の各々は中空円筒形状(筒形状)を有している。弾性層32は、基層31の外周面と接触して基層31の外径側(外側)に設けられている。グラファイト層34は弾性層32の外径側に設けられている。離型層36はグラファイト層34の外径側(外側)に設けられている。言い換えれば、グラファイト層34は弾性層32と離型層36との間に設けられている。グラファイト層34は、弾性層32の外周面の少なくとも一部を覆っていればよい。
弾性層32はスポンジ層であることが好ましい。弾性層32をスポンジ層にすることで、グラファイト層34への曲げ応力が小さくすることができるため、グラファイト層34の耐久性を向上することができる。また、弾性層32をスポンジ層にすることで断熱性が高くなるため、定着ベルト41から加圧ローラー44に与えられた熱を加圧ローラー44の外周面に留めることができる。その結果、定着効率を高めることができ、定着装置40の消費電力を抑えることができる。
グラファイト層34は、弾性層32および離型層36の各々と接着されている。すなわち、グラファイト層34の内周面34aは、接着層33によって弾性層32と接着されている。グラファイト層34の外周面34bは、接着層35によって離型層36と接着されている。
グラファイト層34の径方向の厚みは接着層35の径方向の厚みよりも大きいことが好ましい。一例として、グラファイト層34の径方向の厚さは40μmであり、接着層35の径方向の厚さは30μmである。接着層35を薄くすることにより、離型層36からグラファイト層34への熱伝導を促進することができる。
グラファイト層34としては、たとえばPGS(登録商標)グラファイトシート(パナソニック株式会社製)や、グラフィニティ(カネカ株式会社製)などのグラファイトシートが用いられる。グラファイト層34の厚さは、10〜150μmであることが好ましく、40μmであることが最も好ましい。
接着層33および35の各々は、シリコーンゴムを接着可能な接着剤よりなることが好ましく、たとえば一液型RTV(Room Temperature Vulcanizing)シリコーンゴム接着剤(信越化学工業株式会社製)などが用いられる。接着層33および35の各々の厚さは、5〜35μmであることが好ましく、30μmであることが最も好ましい。
グラファイト層34における弾性層32または離型層36と接着される表面である内周面34aおよび外周面34bの各々は、オゾン処理されている。オゾン処理の結果、内周面34aおよび外周面34bの各々の最表面のC(炭素)原子はオゾンのO(酸素)原子と結合しており、内周面34aおよび外周面34bの各々の最表面には「C−O」などの官能基が形成されている。グラファイト層の表面がオゾン処理されているか否かは、XPS(X線光電分光法)などを用いてグラファイト層の表面付近の酸素含有量を計測することによって判断される。
なお、図3の構成において、グラファイト層34の内周面34aが弾性層32と接着されておりオゾン処理されており、グラファイト層34の外周面34bが離型層36と接着されておりオゾン処理されていなくてもよい。この場合、グラファイト層34の外周面34bと離型層36との間の接着層35は、グラファイト層34の回転軸R方向のずれを抑止可能な程度の弱い接着力のもの(外周面34bに部分的に塗布されたもの)であってもよい。
また、図3の構成において、グラファイト層34の内周面34aが弾性層32と接着されておりオゾン処理されておらず、グラファイト層34の外周面34bが離型層36と接着されておりオゾン処理されていてもよい。この場合、グラファイト層34の内周面34aと弾性層32との間の接着層33は、グラファイト層34の回転軸R方向のずれを抑止可能な程度の弱い接着力のもの(内周面34aに部分的に塗布されたもの)であってもよい。
本実施の形態における加圧ローラー44は次の方法で作製される。
基層31の外周面に弾性層32が設けられ、弾性層32の外周面に接着剤が塗布されて、オゾン処理後のグラファイトシートが巻き付けられる。次にグラファイトシートの外周面に接着剤が塗布されて離型層36が設けられる。続いて、200度〜250度の温度で接着剤が焼成されて硬化される。これにより、弾性層32と離型層36との間に接着層33、グラファイト層34、および接着層35が形成され、加圧ローラー44が得られる。
図4は、本発明の第1の実施の形態における加圧ローラー44の変形例の構成を示す断面図である。図4(a)は第1の変形例の構成を示しており、図4(b)は第2の変形例の構成を示している。
図4を参照して、グラファイト層34は弾性層32および離型層36のうち少なくともいずれか一方の層と接着されており、グラファイト層34における接着されている面がオゾン処理されていればよい。本実施の形態の変形例として、図4(a)に示すように、グラファイト層34のオゾン処理された内周面34aが接着層33によって弾性層32と接着されており、グラファイト層34の外周面34bが離型層36と接着されていなくてもよい。この場合、外周面34bのオゾン処理の有無は任意である。また図4(b)に示すように、グラファイト層34のオゾン処理された外周面34bが接着層35によって離型層36と接着されており、グラファイト層34の内周面34aが弾性層32と接着されていなくてもよい。この場合、内周面34aのオゾン処理の有無は任意である。
本実施の形態によれば、グラファイト層34における接着される表面がオゾン処理されており、グラファイト層34における接着される表面に「C−O」などの親水性の高い官能基が形成されている。このため、グラファイト層34と接着剤との相性が良好になり、グラファイト層34の接着性および耐久性を向上することができる。
加えて、グラファイト層34の内周面34aおよび外周面34bの両方をオゾン処理して接着した場合には、弾性層32および離型層36の両方に対してグラファイト層34を強く固定することができるので、グラファイト層34の安定した耐久性を確保することができる。
また、グラファイトは熱伝導率の高い材料であるため、加圧ローラー44にグラファイト層34を設けることにより、加圧ローラー44の回転軸R方向(y軸方向)の熱伝導が促進される。これにより、通紙幅の小さい用紙を定着装置40に通紙した場合などに、非通紙部(加圧ローラー44の回転軸方向の端部)の蓄熱が大きくなっても、非通紙部から外部への熱の伝達が促進され、非通紙部の温度上昇を抑止することができる。
第1の変形例のように、グラファイト層34の内周面34aをオゾン処理して接着した場合には、グラファイト層34は弾性層32側に強く固定される。弾性層32側は離型層36側に比べて変形が大きく、グラファイト層34との間でずれが発生しやすいため、弾性層32の変形によるグラファイト層34のずれを効果的に抑止することができる。加えて、グラファイト層34の内周面34aおよび外周面34bの両方に対してオゾン処理を行う場合に比べて、オゾン処理に要する時間を短縮することができる。
第2の変形例のように、グラファイト層34の外周面34bをオゾン処理して接着した場合には、グラファイト層34は離型層36側に強く固定され、グラファイト層34と離型層36との密着性が向上する。これにより、加圧ローラー44の表面からグラファイト層34への伝熱性が向上し、加圧ローラー44の回転軸方向の端部における温度上昇を効果的に抑止することができる。加えて、グラファイト層34の内周面34aおよび外周面34bの両方に対してオゾン処理を行う場合に比べて、オゾン処理に要する時間を短縮することができる。
[第2の実施の形態]
本発明の定着部材は、第1の実施の形態のように加圧ローラーに適用された場合に高い効果が得られるものであるが、定着ベルト、定着ローラー、または加圧ベルトなどの定着装置における加圧ローラー以外の定着部材に適用されてもよい。本実施の形態では、本発明の定着部材が定着ベルトに適用される場合について説明する。
図5は、本発明の第2の実施の形態における定着ベルト41の構成を示す断面図である。なお図5では、定着ベルト41の厚さが、実際の定着ベルト41の厚さよりも強調されている。
図5を参照して、定着ベルト41は、基層31と、弾性層32と、接着層33と、グラファイト層34と、接着層35と、離型層36とを含んでいる。基層31はポリイミド材料や、ニッケルまたはSUS(ステンレス鋼)などの金属材料などよりなっており、中空円筒形状(筒形状)を有している。
なお、上述以外の定着ベルト41の構成は、図3に示す第1の実施の形態の加圧ローラー44の構成と同様であるため、その説明は繰り返さない。
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
[第3の実施の形態]
本実施の形態では、図3に示す第1の実施の形態の加圧ローラー44におけるグラファイト層34の形成方法について説明する。
図6〜図12は、本発明の第3の実施の形態におけるグラファイト層34の形成方法を示す図である。
図6を参照して、第1の形成方法では、グラファイト層34を構成するグラファイトシート341は、弾性層32の回転軸R方向の幅と略等しい回転軸方向の幅を有しており、弾性層32の矢印AR11で示す回転方向(以降、回転方向と記すことがある)の長さ以上の回転方向の長さを有している。グラファイトシート341は、回転方向に沿って、弾性層32の外周面に対して接着層33を介して巻き付けられる。グラファイトシート341の巻き付けの開始位置となる開始端部34cと、グラファイトシート341の巻き付けの終了位置となる終了端部34dとは、互いに重なっている。グラファイトシート341同士が重なった部分は、グラファイト層34の耐久性を高めるために、接着剤で互いに接着されることが好ましい。
グラファイトシート341の開始端部34cと終了端部34dとを互いに重ねることにより、グラファイト層34を構成するグラファイトシート341に要求される回転方向の長さの寸法公差が緩和されるため、製造が容易になる。また、グラファイト層34が弾性層32の外周面を被覆する被覆率が高くなるため、加圧ローラー44の回転軸方向の伝熱率を向上することができる。
なお、グラファイトシート341の開始端部34cと終了端部34dとは、互いに重ならなくてもよい。この場合には、加圧ローラー44の表面に段差が生じにくくなる。また、グラファイトシートの使用量が少なくなり、製造コストを低減することができる。グラファイトシート341の開始端部34cと終了端部34dとが互いに重ならない場合、弾性層32の露出部とグラファイトシート341との境界部分の段差を接着層で埋めることで、加圧ローラー44表面に段差ができないようにしてもよい。
図7を参照して、第2の形成方法では、グラファイト層34を構成するグラファイトシート341は、弾性層32の回転軸R方向の幅よりも十分に短い回転軸R方向の幅を有しており、弾性層32の回転方向の長さよりも十分に長い回転方向の長さを有している。グラファイトシート341は、弾性層32の外周面に対して接着層33を介して回転軸Rを取り囲むらせん状に巻き付けられる。グラファイトシート341は、回転軸R方向で間隔を空けずに弾性層32の外周面に対して巻き付けられる。
一般的に、グラファイトシートの厚さは40μm程度と非常に薄いため、グラファイトシート341の巻き付けの際にはしわが生じやすい。グラファイトシート341にしわが生じると、加圧ローラー44の表面に凹凸が生じ、定着装置40の定着性が不均一となる。第2の形成方法によれば、グラファイトシート341にテンションを与えながらグラファイトシート341を巻き付けることができるため、グラファイトシート341にしわが生じにくくなる。これにより、定着装置40の定着性を均一にすることができる。
図8を参照して、第2の形成方法においてグラファイト層34を構成するグラファイトシート341は、回転軸R方向で互いに間隔を空けて弾性層32の外周面に対して巻き付けられてもよい。この場合には、グラファイトシートの使用量が少なくなり、製造コストを低減することができる。弾性層32の露出部とグラファイトシート341との境界部分の段差を接着層で埋めることで、加圧ローラー44表面に段差ができないようにしてもよい。
図9を参照して、第3の形成方法では、グラファイト層34を構成するグラファイトシートは、複数枚である。複数のグラファイトシート341の各々は、弾性層32の回転軸R方向の幅とほぼ等しい回転軸R方向の幅を有しており、弾性層32の回転方向の長さよりも十分に短い回転方向の長さを有している。複数のグラファイトシート341の各々は、加圧ローラー44の回転軸Rに沿って延在するように、弾性層32の外周面に対して接着層33を介して貼り付けられる。複数のグラファイトシート341の各々は、回転方向に沿って間隔を空けずに並べられる。
複数のグラファイトシート341の各々を回転方向に沿って並べることにより、弾性層32とグラファイト層34との熱膨張率の違いに起因してグラファイト層34が弾性層32から受ける回転方向の力を解放することができる。
図10を参照して、第3の形成方法において複数のグラファイトシート341の各々は、回転方向で互いに間隔を空けて弾性層32の外周面に対して貼り付けられてもよい。この場合には、グラファイトシートの使用量が少なくなり、製造コストを低減することができる。弾性層32の露出部とグラファイトシート341との境界部分の段差を接着層で埋めることで、加圧ローラー44表面に段差ができないようにしてもよい。
図11を参照して、第4の形成方法では、グラファイト層34は2枚のグラファイトシート341aおよび341b(第1および第2のグラファイト片の一例)によって構成されている。グラファイトシート341aおよび341bの各々は、弾性層32の回転軸R方向の幅の半分以下の回転軸R方向の幅を有しており、弾性層32の回転方向の長さとほぼ同じ回転方向の長さを有している。グラファイトシート341aは回転軸R方向の一方の端部側(図11中左端部側)において、弾性層32の外周面に対して接着層33を介して巻き付けられる。グラファイトシート341bは、回転軸R方向の他方の端部側(図11中右端部側)において弾性層32の外周面に対して接着層33を介して巻き付けられる。グラファイトシート341bは、グラファイトシート341aと回転軸R方向で間隔をおいて設けられており、グラファイトシート341aとグラファイトシート341bとの間には弾性層32が露出している。弾性層32の露出部とグラファイトシート341aおよび341bの各々との境界部分の段差を接着層で埋めることで、加圧ローラー44表面に段差ができないようにしてもよい。
ここで、通紙可能な最小の用紙Mが定着装置40を通過する際の加圧ローラー44の通紙部を通紙部RG1とし、通紙可能な最小の用紙が定着装置40を通過する際の加圧ローラー44の非通紙部を非通紙部RG2とする。用紙Mが定着装置40を通過した場合に最も高温となる加圧ローラー44の部分は、非通紙部RG2における通紙部RG1との境界付近の部分(図11中Cで示す部分)である。
したがって、図11に示すように、非通紙部RG2における通紙部RG1との境界付近の部分から端部に向かってグラファイトシート341aおよび341bの各々が延在することにより、最も高温となる部分の熱を端部に効率的に逃がすことができる。
一例として、用紙MがA6サイズ(回転軸R方向の幅105mm)である場合、加圧ローラー44の回転軸R方向の中心線Dからの距離が50mm〜149mmの範囲にグラファイトシートを設けることが好ましい。また、中心線Dからの距離が50mm〜加圧ローラー44の端部の範囲にグラファイトシートを設けることがより好ましい。
グラファイトシート341aおよび341bの各々を加圧ローラー44の回転軸R方向で間隔をおいて設けることにより、グラファイトシートの使用量が少なくなり、製造コストを低減することができる。
図12を参照して、第4の形成方法においてグラファイトシート341aおよび341bの各々は、さらに、非通紙部RG2における通紙部RG1との境界付近の部分から回転軸R方向の中心線Dに向かって延在していてもよい。これにより、最も高温となる部分の熱を中心線D側にも逃がすことができ、非通紙部の温度上昇をより効果的に抑えることができる。
[第4の実施の形態]
本実施の形態では、グラファイト層34の熱を基層31に逃がすことにより、加圧ローラー44の非通紙部の昇温を効果的に抑える構成について説明する。
図13は、本発明の第4の実施の形態において加圧ローラー44の一方の端部に設けられた伝熱部材37の構成および動作を示す図である。図13(a)は伝熱部材37の第1の状態を示す図であり、図13(b)は、伝熱部材37の第2の状態を示す図である。
図13を参照して、本実施の形態の加圧ローラー44は伝熱部材37をさらに備えている。伝熱部材37は鉄などの金属よりなっている。伝熱部材37は、銅やアルミニウムなどの鉄よりも熱伝導率の高い材料よりなっていることが好ましい。
基層31およびグラファイト層34の各々は、加圧ローラー44の回転軸R方向の端部から突出している。伝熱部材37は、基層31と常に接触しており、矢印AR14で示すように基層31に沿って移動可能である。これにより、伝熱部材37は、図13(a)に示すようにグラファイト層34に接触した状態と、図13(b)に示すようにグラファイト層34から離間した状態との間で状態を切替可能である。
プリント時や所定のサイズよりも小さいサイズの用紙の通紙時などの非通紙部の温度上昇が予測される場合には、伝熱部材37は少なくとも一定時間、グラファイト層34に接触した状態(図13(a))となる。伝熱部材37がグラファイト層34に接触した状態では、伝熱部材37を通じてグラファイト層34の熱が基層31に逃げる。
一方、定着装置40のウォームアップ時などの加圧ローラー44の表面を加熱する必要がある場合には、伝熱部材37はグラファイト層34から離間した状態(図13(b))となる。これにより、加圧ローラー44の表面の熱がグラファイト層34および伝熱部材37を通じて基層31に逃げるのを防ぐことができ、迅速なウォームアップ動作を維持することができる。
また、温度センサー38を加圧ローラー44の表面の非通紙部付近に設け、デフォルトでは伝熱部材37をグラファイト層34から離間した状態(図13(b))とし、温度センサー38で計測した非通紙部の温度が閾値以上となった場合に、伝熱部材37をグラファイト層34に接触した状態(図13(a))としてもよい。
なお、伝熱部材37は、基層31およびグラファイト層34に接触した状態と、基層31およびグラファイト層34のうち少なくとも一方から離間した状態との間で状態を切替可能なものであればよい。
本実施の形態によれば、伝熱部材37を通じてグラファイト層34の熱を基層31に逃がすことができるため、非通紙部の温度上昇を効果的に抑止することができる。
[実施例]
上述の実施の形態の効果を確認すべく、本願発明者は次の実験を行った。始めに、グラファイト層に対するオゾン処理の効果を検証した。
低圧水銀ランプよりなる光源をグラファイト層の表面から80mmの距離を空けて配置し、空気中を介して光源からグラファイト層の表面に向けて紫外線を照射した。これにより、グラファイト層の表面に対してオゾン処理を行った。光源としては、光表面処理装置PL17−110E(セン特殊光源社製、紫外線波長:184.9nmおよび253.7nm、消費電力:110W)を用いた。紫外線の照射時間を0(照射せず)、10分間、および30分間という3種類の時間で設定し、それぞれ試料SP1(比較例)、試料SP2(本発明例)、および試料SP3(本発明例)とした。続いて、試料SP1、試料SP2、および試料SP3の各々について、オゾン処理後のグラファイト層の表面に純水を配置し、グラファイト層に対する純水の接触角を測定した。
図14は、本発明の一実施例におけるグラファイト層に対する純水の接触角の測定結果を示す図である。
図14を参照して、紫外線照射を行わないグラファイト層である試料SP1の表面に対する純水の接触角は90度であった。これに対して、10分間の紫外線の照射を行ったグラファイト層である試料SP2の接触角は70度であり、30分間の紫外線の照射を行ったグラファイト層である試料SP3の接触角は10度であった。
続いて、試料SP1、試料SP2、試料SP3の各々を用いて加圧ローラーを作製し、作製した加圧ローラーを組み込んだ定着装置において加圧ローラーを回転させた。
その結果、試料SP1では、加圧ローラーを30分間回転した時点で接着層からグラファイト層が浮いた状態が確認され、加圧ローラーを2時間回転させた時点で、グラファイト層の破断が確認された。一方、接触角が70度以上であった試料SP2および試料SP3では、加圧ローラーを500時間回転させた後も接着層からのグラファイト層の浮きは発生しなかった。500時間という時間は、定着装置の寿命に対し十分な回転時間である。
したがって、オゾン処理を行うことにより、グラファイト層の接着剤に対する接着性が良好になり、グラファイト層の耐久性を向上できることが分かった。
次に、グラファイト層による非通紙部の温度上昇の抑止効果を試験した。
オゾン処理したグラファイト層を含む加圧ローラーを組み込んだ定着装置である試料SP11(本発明例)と、グラファイト層を含まない加圧ローラーを組み込んだ定着装置である試料SP12(比較例)とを準備した。次に、試料SP11および試料SP12の各々に対して、通紙幅の異なる用紙(試料SP11では5種類、試料SP12では3種類)を所定の枚数だけ通紙した。所定の枚数の用紙を通紙した後に、試料SP11および試料SP12の各々に含まれる加圧ローラーにおいて、非通紙部の最高温度(非通紙部において最も温度が高い部分(回転軸方向の端部)の温度)を測定した。
図15は、本発明の一実施例における、非通紙部の幅と、非通紙部の最高温度との関係を示す図である。図15中線LN1は試料SP11の測定結果を示すものであり、図15中線LN2は試料SP12の測定結果を示すものである。
図15を参照して、試料SP11、試料SP12のいずれにおいても非通紙部の幅が大きくなるに従って(言い換えれば、通紙する用紙の通紙幅が小さくなるに従って)、非通紙部の最高温度は上昇している。しかし、いずれの用紙を通紙した場合でも、非通紙部の最高温度は、試料SP12よりも試料SP11の方が10度〜30度程度低くなった。また、非通紙部の幅の増加に対する非通紙部の最高温度の増加率は、試料SP12よりも試料SP11の方が小さくなった。
この結果から、加圧ローラーがグラファイト層を含むことにより、非通紙部の温度上昇を抑止できることが分かる。また、非通紙部の温度上昇を抑止する効果は、特に通紙幅の小さい用紙を通紙する場合に顕著であることが分かる。
[その他]
本発明は、低熱容量の定着装置に適用された場合に特に有効である。
グラファイト層の接触角を変化させる方法としては、上述の紫外線の照射時間を変える方法の他に、光源からグラファイト層までの距離を変える方法や、光源(水銀ランプ)の出力を変える方法などを用いることができる。
また、オゾン処理については、上述の紫外線を用いたオゾン処理の他、オゾン水を用いたウェット処理や、紫外線を用いないオゾン単独での処理などであってもよい。
上述の実施の形態は、適宜組み合わせることが可能である。たとえば第2の実施の形態の定着ベルト41に対して、第1の実施の形態の第1または第2の変形例の構成が適用されてもよい。また、第2の実施の形態の定着ベルト41に対して、第3の実施の形態におけるグラファイト層34の形成方法が適用されてもよい。
上述の実施の形態および実施例は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 画像形成装置
1a 画像形成装置本体
10 用紙搬送部
11 給紙トレイ
12 給紙ローラー
13 搬送ローラー
14 排紙ローラー
15 排紙トレイ
20 トナー像形成部
21 画像形成ユニット
22 中間転写ベルト
22a 回転ローラー
23 一次転写ローラー
24 二次転写ローラー
25 感光体ドラム
26 帯電ローラー
27 露光装置
28 現像装置
29 クリーニング装置
30 制御部
31 基層(内層の一例)
32 弾性層(内層の一例)
33,35 接着層
34 グラファイト層
34a グラファイト層の内周面
34b グラファイト層の外周面
34c グラファイトシートの開始端部
34d グラファイトシートの終了端部
36 離型層(外層の一例)
37 伝熱部材
38 温度センサー
40 定着装置
41 定着ベルト
42 パッド
43 ヒーター
44 加圧ローラー(定着部材の一例)
45 パッドフレーム
46 反射部材
47 ガイド部材
341,341a,341b グラファイトシート
M 用紙(記録材の一例)
NP 定着ニップ
R 回転軸
RG1 通紙部
RG2 非通紙部
TR 搬送経路

Claims (16)

  1. 記録材に接触する定着部材であって、
    内層と、
    外層と、
    前記内層と前記外層との間に設けられたグラファイト層とを備え、
    前記グラファイト層は前記内層および前記外層のうち少なくともいずれか一方の層と接着されており、
    前記グラファイト層における前記少なくともいずれか一方の層と接着される面はオゾン処理されており、
    前記内層および前記外層は筒形状であり、
    前記グラファイト層は前記内層の外側に設けられており、
    前記外層は前記グラファイト層の外側に設けられており、
    前記グラファイト層の外周面は前記外層と接着されており、オゾン処理されており、
    前記グラファイト層の内周面は前記内層と接着されており、オゾン処理されている、定着部材。
  2. 記録材に接触する定着部材であって、
    内層と、
    外層と、
    前記内層と前記外層との間に設けられたグラファイト層とを備え、
    前記グラファイト層は前記内層および前記外層のうち少なくともいずれか一方の層と接着されており、
    前記グラファイト層における前記少なくともいずれか一方の層と接着される面はオゾン処理されており、
    前記定着部材は、加熱された回転体の表面に対して圧力を加える加圧ローラーであり、
    前記内層は、基層と、前記基層と前記グラファイト層との間に設けられたスポンジ層とを含む、定着部材。
  3. 記録材に接触する定着部材であって、
    内層と、
    外層と、
    前記内層と前記外層との間に設けられたグラファイト層とを備え、
    前記グラファイト層は前記内層および前記外層のうち少なくともいずれか一方の層と接着されており、
    前記グラファイト層における前記少なくともいずれか一方の層と接着される面はオゾン処理されており、
    前記グラファイト層は、前記定着部材の回転方向に沿って前記内層に対して巻き付けられ、
    前記グラファイト層は、前記回転軸方向の一方の端部側に設けられた第1のグラファイト片と、前記第1のグラファイト片と前記回転軸方向で間隔をおいて前記回転軸方向の他方の端部側に設けられた第2のグラファイト片とを含む、定着部材。
  4. 前記内層および前記外層は筒形状であり、
    前記グラファイト層は前記内層の外側に設けられており、
    前記外層は前記グラファイト層の外側に設けられている、請求項2または3に記載の定着部材。
  5. 前記グラファイト層の外周面は前記外層と接着されており、オゾン処理されている、請求項に記載の定着部材。
  6. 前記グラファイト層の径方向の厚みは、前記グラファイト層と前記外層とを接着する接着層の径方向の厚みよりも大きい、請求項1または5に記載の定着部材。
  7. 前記定着部材は、加熱された回転体の表面に対して圧力を加える加圧ローラーである、請求項1または3に記載の定着部材。
  8. 前記基層および前記グラファイト層に接触した状態と、前記基層および前記グラファイト層のうち少なくとも一方から離間した状態との間で状態を切替可能な伝熱部材をさらに備えた、請求項に記載の定着部材。
  9. 前記伝熱部材は、ウォームアップ時には前記離間した状態となり、プリント時には少なくとも一定時間接触した状態となる、請求項に記載の定着部材。
  10. 前記伝熱部材は、ウォームアップ時には前記離間した状態となり、所定のサイズよりも小さいサイズの記録材の通紙時には少なくとも一定時間接触した状態となる、請求項に記載の定着部材。
  11. 前記グラファイト層は、前記定着部材の回転方向に沿って前記内層に対して巻き付けられる、請求項1または2に記載の定着部材。
  12. 前記グラファイト層は、前記定着部材の回転軸を取り囲むらせん状に巻き付けられる、請求項1または2に記載の定着部材。
  13. 前記グラファイト層は、前記定着部材の回転方向に沿って配置された複数のグラファイト片を含み、
    前記複数のグラファイト片の各々は、前記定着部材の回転軸に沿って延在している、請求項1または2に記載の定着部材。
  14. 前記グラファイト層におけるオゾン処理されている面に対する純水の接触角は70度以下である、請求項1〜13のいずれかに記載の定着部材。
  15. 請求項1〜14のいずれかに記載の定着部材を備え、トナー像を前記記録材に定着する定着装置。
  16. 請求項15に記載の定着装置と、
    前記トナー像を前記記録材に形成するトナー像形成部とを備えた、画像形成装置。
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