JP2007192846A - 定着装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】発熱部材の熱容量を小さく抑えて高い加熱効率が得られる構造を提案し、ウォームアップ時間の短縮及び消費電力の低減が可能な長寿命の定着装置を提供する。
【解決手段】定着装置7は、図中時計回りに回転する無端状の定着ベルト21と、定着ベルト21に内接する中空円筒状の伝熱ローラ22と、図中反時計回りに回転する加圧ローラ23とを含む構成である。伝熱ローラ22の内部には、長手方向(図の紙面方向)のほぼ全域に渉って光源25が備えられている。定着ベルト21の内周長は伝熱ローラ22の外周長に比べて大きく、伝熱ローラ22の内面は外面に比べて放射率が高くなるように黒く塗装されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、加熱したローラ対のニップに、未定着トナー画像を担持した用紙を挿入して未定着トナーを加熱、溶融し、用紙に定着する定着装置に関する。
従来の画像形成装置の構成を図5に示す。100は画像形成装置であり、ここでは一例としてデジタル複合機を示している。画像形成装置100では、コピー動作を行う場合、複合機本体内の搬送ベルト8の上方に配置された画像形成部Pにおいて、帯電、露光、現像及び転写の各工程により画像読取部5で読み取られた原稿画像データに基づく所定の画像を形成する。
この画像形成部Pには、可視像(トナー像)を担持する感光体ドラム1が配設されており、感光体ドラム1上に形成されたトナー像が、画像形成部に隣接して移動する搬送ベルト8によって担持・搬送されるシート(記録媒体)6上に転写され、さらに、定着装置7においてシート6上に定着された後、装置本体より排出される構成となっている。感光体ドラム1を図5において時計回りに回転させながら、感光体ドラム1に対する画像形成プロセスが実行される。
次に、画像形成部Pについて詳細に説明する。回転自在に配設された感光体ドラム1の周囲及び上方には、感光体ドラム1を帯電させる帯電器2と、感光体ドラム1に画像情報を露光する露光ユニット3と、感光体ドラム1上にトナー像を形成する現像装置4と、感光体ドラム1上に残留した現像剤(トナー)を除去するクリーニング部9が設けられている。
先ず、帯電器2によって感光体ドラム1の表面を一様に帯電させ、次いで露光ユニット3によって光照射し、感光体ドラム1上に画像信号に応じた静電潜像を形成する。現像装置4には、トナーがトナーコンテナ10によって所定量充填されている。このトナーは、現像装置4により感光体ドラム1上に供給され、静電的に付着することにより、露光ユニット3からの露光により形成された静電潜像に応じたトナー像が形成される。
トナー像が転写されるシート6は、用紙を収納する複数の給紙カセット11a、11b、11cと、その上方に設けられるスタックバイパス(手差しトレイ)11dから成るシート収容部11に収容されており、給紙ローラ12、レジストローラ13を介して搬送ベルト8上へ供給され、感光体ドラム1の位置へと搬送される。搬送ベルト8には誘電体樹脂製のシートが用いられ、その両端部を互いに重ね合わせて接合しエンドレス形状にしたベルトや、継ぎ目を有しない(シームレス)ベルトが用いられる。
搬送ベルト8は、下流側の駆動ローラ14と、上流側の従動ローラ15とに掛け渡されており、搬送ベルト8が図中反時計回りに回転を開始すると、シート6がレジストローラ13から搬送ベルト8上へ搬送される。このとき画像書き出し信号がONとなり、所定のタイミングにより感光体ドラム1上に画像形成を行う。そして、感光体ドラム1と、感光体ドラム1の下部において所定の転写電圧が印加された転写ローラ16とのニップ部(以下、転写ニップ部という)N1で、感光体ドラム1上のトナー像がシート6上に転写される。このシート6は、搬送ベルト8上に静電吸着力で保持されている。
トナー像が転写されたシート6は、搬送ベルト8から離脱し、定着装置7へと搬送される。また、トナー像が転写された後の感光体ドラム1は、引き続き行われる新たな静電潜像の形成に備え、その表面に残留したトナーがクリーニング部9により除去される。搬送ベルト8から定着装置7に搬送されたシート6は、定着ローラ対17により加熱及び加圧されてトナー像がシート6の表面に定着され、所定の画像が形成される。画像が形成されたシート6は、その後搬送ローラ対18、19を通過し、排出ローラ20より排出トレイ21上に排出される。
電子写真方式の画像形成装置においては、図5のように、ニップを形成する定着ローラ対17の少なくとも一方のローラに熱源を内蔵させて加熱ローラとし、このローラ対のニップ部に未定着トナー画像を担持した用紙を挿通することによって用紙にトナーを定着する熱ローラ定着方式が広く用いられている。
このような熱ローラ定着方式では、定着ローラに内蔵されたハロゲンランプなどの熱源からローラ表面までの熱伝達の効率が低く、熱の損失が大きい。また、ローラ表面まで熱が伝達するのに長い時間が必要である。その結果、加熱効率が悪いために消費電力が多く、ローラ表面が定着可能な温度に達するまでのウォームアップ時間に幾分も要するなどといった問題があった。
これを改善するために、用紙を加熱するための加熱部材をローラに代えてベルト状とすることにより、従来の加熱ローラに比べ熱容量を小さくしてウォームアップ時間を短縮するとともに、消費電力を低減する方法が種々提案されている。例えば特許文献1、2には、加熱部材が発熱源からの輻射光を吸収して発熱するベルト又はフィルム状に形成され、加熱部材を加圧部材に圧接する金属製の支持部材を設けた定着装置が開示されている。
また、特許文献3には、ニップ部を形成する一方の定着ローラと発光手段を備えた加熱ローラとの間に熱線吸収層(光熱変換層)を備えた無端状の定着ベルトを張架し、加熱ローラを光透過性の円筒部材とした定着装置が開示されている。
しかしながら、特許文献1、2の方法では、支持部材が固定されているため、ベルト状の加熱部材と支持部材との摩擦によりベルト内周面が摩耗してしまい、加熱部材の寿命が短くなるという問題点があった。また、特許文献3の方法では、定着ベルトを支持する定着ローラ及び加熱ローラが共に回転体であるためベルト内周面が摩耗する心配はないが、加熱ローラにおいて定着ベルトに付与された熱の一部が定着ベルトの回転中に放熱するため、定着ベルト全体に効率良く熱を伝達することができず、装置のウォームアップに時間を要していた。
特開2004−62053号公報 特開2004−94146号公報 特開2004−309975号公報
本発明は、上記問題点に鑑み、発熱部材の熱容量を小さく抑えて高い加熱効率が得られる構造を提案し、ウォームアップ時間の短縮及び消費電力の低減が可能な長寿命の定着装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、記録媒体の搬送速度と等速で回動可能な無端状の定着ベルトと、該定着ベルトに内接する加熱手段と、前記定着ベルトを介して前記加熱手段に所定の圧力で当接して記録媒体を挿通させるニップ部を形成する加圧ローラとを備え、前記ニップ部で記録媒体上に担持された未定着トナー像を定着する定着装置において、前記加熱手段は、内部に発光手段を備えた伝熱ローラであり、前記定着ベルトの内周長は前記伝熱ローラの外周長よりも大きいことことを特徴としている。
また本発明は、上記構成の定着装置において、前記伝熱ローラは中空円筒状であり、ローラ内面の放射率はローラ外面よりも高いことを特徴としている。なお、本明細書中においては、発光手段が放射する可視光から近赤外線領域の波長に対する吸収率を放射率という。
また本発明は、上記構成の定着装置において、前記加圧ローラ及び前記伝熱ローラは、いずれか一方の回転駆動により他方が従動して回転し、前記定着ベルトは、前記ニップ部に挟持されることにより前記加圧ローラ及び前記伝熱ローラの回転に従動して回動することを特徴としている。
また本発明は、上記構成の定着装置において、前記定着ベルトは、前記伝熱ローラ及び該伝熱ローラと同一方向に従動回転する従動ローラとの間に張架されることを特徴としている。
また本発明は、上記構成の定着装置において、前記定着ベルトの幅は前記発光手段よりも狭く、且つ前記ニップ部における記録媒体の挿通幅よりも広いことを特徴としている。
本発明の第1の構成によれば、定着ベルトとそれに内接する加熱手段との摩擦によるベルト内周面の摩耗を防止し、定着ベルトを長寿命化することができる。また、伝熱ローラと加圧ローラとでニップ部を形成するため、伝熱ローラの熱を効率良くニップ部に伝達することができる。さらに、定着ベルトの内周長が伝熱ローラの外周長よりも大きいため、記録媒体に対するベルト単位面積当たりの接触時間が短くなり、定着ベルトの寿命をより一層延ばすことができる。
また、本発明の第2の構成によれば、上記第1の構成の定着装置において、伝熱ローラを中空円筒状とし、ローラ内面の放射率をローラ外面よりも高くすることにより、発光手段からの輻射光をローラ内面で効率良く吸収し、ローラ外面を介して定着ベルトへ伝熱することができるため、高い加熱効率が得られるとともに、ウォームアップ時間をより短くでき、また消費電力をより低く抑えることができる。
また、本発明の第3の構成によれば、上記第1又は第2の構成の定着装置において、加圧ローラ及び伝熱ローラのいずれか一方の回転駆動により他方が従動回転し、加圧ローラ及び伝熱ローラのニップ部に挟持される定着ベルトが従動して回動することにより、定着ベルトの駆動機構が簡素化され、加圧ローラ若しくは伝熱ローラの回転速度を調整するだけで定着ベルトの回動速度を容易に記録媒体の搬送速度と略等速にすることができる。
また、本発明の第4の構成によれば、上記第3の構成の定着装置において、定着ベルトを伝熱ローラ及び該伝熱ローラと同一方向に従動回転する従動ローラとの間に張架することにより、定着ベルトの摩耗を一層低減することができる。
また、本発明の第5の構成によれば、上記第1乃至第4のいずれかの構成の定着装置において、定着ベルトの幅を発光手段よりも狭く、且つニップ部における記録媒体の挿通幅よりも広くすることにより、定着ベルト全体が均一に加熱され定着むらの発生を防止するとともに、定着ベルトはシートサイズに係わらずシート全面を覆うことができるため、伝熱ローラへの未定着トナーの付着も防止可能となる。
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施形態の定着装置を示す模式断面図である。従来例の図5と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。図1に示すように、定着装置7は、図中時計回りに回動する無端状の定着ベルト21と、定着ベルト21に内接して定着ベルト21と同方向に回転する中空円筒状の伝熱ローラ22と、図中反時計回りに回転する加圧ローラ23とを含む構成である。
感光体ドラム1と転写ローラ16との転写ニップ部N1(図5参照)においてトナー像が転写されたシート6は、搬送ベルト8(図5参照)上を図の矢印A方向に進み、定着装置7内に搬入されて伝熱ローラ22及び加圧ローラ23の定着ニップ部N2を通過する。このとき所定の温度及び圧力により加熱、加圧され、シート6上の未定着トナーTが永久像とされる。その後、シート6は定着装置7の外部に搬送され、排出ローラ20(図5参照)より画像形成装置の外部に排出される。
ニップ部N2の上流側には定着進入ガイド24が設けられており、搬送ベルト8上を搬送されてくるシート6の先端は、所定の転写分離角度で搬送ベルト8から分離された後、定着進入ガイド24に沿って定着ニップ部N2に案内される。定着進入ガイド24は、シート搬送方向に対し上り勾配となるように配置されている。
伝熱ローラ22の内部には、長手方向(図の紙面方向)のほぼ全域に渉って光源25が備えられている。光源25としては、赤外線を効率良く輻射するハロゲンランプやキセノンランプ等が用いられるが、電源投入時の高速な立ち上がり特性と応答性を有するハロゲンランプが好ましい。伝熱ローラ22の材質としては、熱伝導性の良いステンレスやアルミ等の金属が用いられる。
加圧ローラ23は、ステンレス鋼からなる芯金23aの外側に、弾性部材層23bを構成するスポンジシリコンゴムが設けられている。この加圧ローラ23が、定着ベルト21を介して伝熱ローラ22と当接することで、用紙を挿通させるニップ部N2を形成する。芯金23aの下部には加圧ローラ23の圧力を調整する加圧レバー26が配置されている。加圧レバー26は一端に設けられた加圧支点26aにおいて揺動可能に支持されており、他端は加圧バネ27により上向きに付勢されている。
図2は、第1実施形態の定着装置をシート搬送方向下流側(図1の左側)から見た正面図である。加圧ローラ23は、駆動モータ28及びピニオンギヤ29、駆動ギヤ30によって、その周速度が用紙の搬送速度と略同じになるように回転駆動される。また、ニップ部N2において加圧ローラ23に当接する伝熱ローラ22は加圧ローラ23に従動して回転する。従って、ニップ部N2に挟まれた定着ベルト21も伝熱ローラ22及び加圧ローラ23と共に用紙の搬送速度と略同じ速度で回動する。
定着ベルト21の幅方向の両端部には定着ベルト21を一定の形状(ここでは円筒状)に保持するフランジ31が嵌め込まれている。フランジ31は定着装置7内に固定されており、定着ベルト21はフランジ31の外周面に沿って摺動する。また、定着ベルト21の表面に接するようにサーミスタ(図示せず)が備えられている。このサーミスタにより定着ベルト21の温度を検知し、光源25のON/OFFを制御することによって定着温度の制御を行う。
また、定着ベルト21の幅W1は、光源25の幅W2よりも狭く、且つニップ部N2を通過する最大のシート幅W3よりも広く設定されている。これにより、光源25は定着ベルト21全体を均一に加熱して定着むらの発生を防止するとともに、定着ベルト21はシートサイズに係わらずシート全面を覆うことができるため、伝熱ローラ22への未定着トナーの付着を防止する。
図3は、図1における定着ニップ部N2周辺の拡大図である。定着ベルト21は、最内側(伝熱ローラ22側)に設けられたベース層21aや最外側(加圧ローラ23側)に設けられた離型層21bを含む複数の層が積層されて成る無端状のベルトである。この定着ベルト21は、伝熱ローラ22に巻き掛けられ、フランジ31(図2参照)により所定の張力が与えられている。
ベース層21aとしては、ニッケル等の金属をメッキ、又は圧延処理した金属層、或いはポリイミドフィルム等の合成樹脂層が用いられる。離型層21bとしては、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)等のフッ素系樹脂が用いられ、塗料の塗布やチューブを被せることによって形成されている。離型層は、PFAチューブであれば10〜50μm、フッ素樹脂塗料であれば10〜30μm程度の厚さが適当である。
また、ベース層21aと離型層21bとの間に、弾性部材層として厚さ100〜1000μm程度のシリコンゴム層を設けても良い。この構成によれば、弾性部材が用紙上の未定着トナー像を包み込んで、ソフトに定着できる。その結果、画像の高画質化を図ることが可能となり、高性能な定着装置を得ることができる。
また、ベース層21aと離型層21bとの間に蓄熱層を設けて伝熱ローラ22から得た熱を逃がさないようにし、且つ定着ベルト21の表面の温度を均一に保持することもできる。その結果、さらに高い加熱効率が得られるとともに、ウォームアップ時間の短縮及び消費電力の低減の効果を高めることが可能となる。
蓄熱層は、シリカやアルミナ、酸化マグネシウム等の金属酸化物の粉末をフィラーとして配合して熱伝導率を高めたシリコンゴムや、アルミ、銅、ニッケル等の熱伝導率の高い金属で構成され、これらをチューブ状に成型したものを被覆する、或いはメッキするなどして設けられている。蓄熱層は、シリコンゴムのように弾性がある材料であれば良いが、金属で構成した場合、肉厚を厚くし過ぎるとベルトの硬度が上がり、トナーを溶融するのに必要なニップ量が得られなくなってしまう。したがって、蓄熱層の厚さは、10〜1000μm、望ましくは50〜500μmとする。
伝熱ローラ22の直径及び厚みについては特に制限はないが、厚みが薄いほど加熱に要する立ち上がり時間が短くなる。一方、伝熱ローラ22は、少なくとも加圧ローラ23からの圧力により変形しない程度の強度を有する必要がある。ここで、伝熱ローラ22の強度は直径と厚みによって決まるため、例えば伝熱ローラ22がステンレス製の場合、直径15mmで厚み約0.3mm、アルミニウム製の場合、直径15mmで厚み約0.7〜0.8mm程度が好ましい。
上記の構成によれば、光源25から発せられた光が伝熱ローラ22を加熱し、伝熱ローラ22に当接する定着ベルト21を発熱させることができる。そして、定着ベルト21を使用することにより、加熱ローラを用いた従来の構成と比較して低熱容量化を図ることが可能である。その結果、高い加熱効率を得ることができ、定着ベルト21の表面が定着可能な温度に達するまでのウォームアップ時間を、より短くすることが可能である。
本発明においては、定着ベルト21に内接する加熱手段として伝熱ローラ22を設け、定着ベルト21の内周長が伝熱ローラ22の外周長に比べて大きくなるように構成したことを特徴としている。これにより、定着ベルト21に内接する加熱手段との摩擦によるベルト内周面の摩耗を防止し、定着ベルト21を長寿命化することができる。また、定着ベルト21の寿命は、ベルト単位面積当たりのシートとの接触時間に反比例することが知られているが、定着ベルト21の内周長を伝熱ローラ22の外周長よりも大きくすることにより、単位面積当たりのシートへの接触時間が短くなる。その結果、定着ベルト21の寿命をさらに延ばすことができる。
伝熱ローラ22の外周長に対する定着ベルト21の内周長の比が大きいほど定着ベルト21の長寿命化には効果的であるが、同時に装置内部における定着ベルト21の占有スペースも大きくなる。そのため、伝熱ローラ22の外周長と定着ベルト21の内周長との比は、定着装置或いはそれを搭載する画像形成装置の仕様に応じて適宜設定すれば良く、ここでは円筒状に支持された定着ベルト21の直径を伝熱ローラ22の内径の約2倍、即ち定着ベルト21の内周長を伝熱ローラ22の外周長の約2倍に設定している。
また、伝熱ローラ22の内面22aは、外面22bに比べて放射率が高くなるように黒く塗装されている。放射率とは、物体がある波長の光を吸収する率のことであり、一般的には赤外線領域における放射率を指すが、ここでは内面22aを黒く塗装することにより、光源25が放射する可視光から近赤外線領域の波長に対する放射率を高めている。これにより、光源25からの輻射光Lを内面22aで効率良く吸収するとともに、外面22bを介して定着ベルト21へ伝熱することができる。従って、高い加熱効率が得られるとともに、ウォームアップ時間をより短くでき、また消費電力をより低く抑えることができる。
図4は、本発明の第2実施形態の定着装置を示す模式断面図である。本実施形態においては、フランジ31(図2参照)に代えて従動ローラ32を設け、定着ベルト21を伝熱ローラ22と従動ローラ32とに所定の張力で張架することにより定着ベルト21を支持している。その他の構成は第1実施形態の図1と同様であるため説明は省略する。
この構成によれば、従動ローラ32が伝熱ローラ22と同一方向に従動回転するため、定着ベルト21の内面と従動ローラ32との間に摩擦が発生せず、定着ベルト21とフランジ31とが摺擦される第1実施形態の構成に比べて定着ベルト21の幅方向端部の摩耗が低減されるため、定着ベルト21の耐久性がさらに向上する。なお、従動ローラ32は2本以上設けても良い。
その他本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば上記実施形態では、加圧ローラ23の芯金23aにギヤ28、29を介して駆動モータ28を連結することにより、加圧ローラ23を所定速度で回転駆動しているが、例えば伝熱ローラ22に駆動モータ28を連結することにより、伝熱ローラ22を回転駆動する構成としても良い。
本発明の定着装置は、デジタル複写機、タンデム式のカラー複写機やアナログ方式のモノクロ複写機等、種々のタイプの複写機、或いはファクシミリやレーザプリンタ等の電子写真プロセスを用いた画像形成装置に適用できる。
本発明は、記録媒体の搬送速度と略等速で回動可能な無端状の定着ベルトと、該定着ベルトに内接する加熱手段と、定着ベルトを介して加熱手段に所定の圧力で当接して記録媒体を挿通させるニップ部を形成する加圧ローラとを備え、ニップ部で記録媒体上に担持された未定着トナー像を定着する定着装置において、加熱手段は、内部に発光手段を備えた伝熱ローラであり、定着ベルトの内周長は伝熱ローラの外周長よりも大きいこととする。
これにより、定着ベルト内周面の摩耗を防止するとともに、定着ベルトの内周長を伝熱ローラの外周長よりも大きくし、記録媒体に対するベルト単位面積当たりの接触時間を短縮することにより、定着ベルトの長寿命化が可能な定着装置を簡便且つ低コストで提供することができる。
また、伝熱ローラを中空円筒状とし、ローラ内面の放射率をローラ外面よりも高くしたので、発光手段からの輻射光をローラ内面で効率良く吸収し、ローラ外面を介して定着ベルトへ伝熱することができるため、高い加熱効率が得られるとともに、ウォームアップ時間をより短くでき、定着装置の低消費電力化に寄与する。
また、加圧ローラ及び伝熱ローラのいずれか一方を記録媒体の搬送速度と略等速に回転駆動させ、他方を従動回転させるとともに、ニップ部に挟持される定着ベルトも加圧ローラ及び伝熱ローラに従動して回動する構成としたので、定着ベルトの回動速度を容易に記録媒体の搬送速度と略等速に調整することができる。さらに、定着ベルトを伝熱ローラと従動ローラとの間に張架すれば、定着ベルト内面の摩耗を一層低減することができる。
また、定着ベルトの幅を発光手段よりも狭く、且つニップ部における記録媒体の挿通幅よりも広く設定しておけば、発光手段による定着ベルト全体の均一な加熱により定着むらの発生を効果的に防止するとともに、伝熱ローラへの未定着トナーの付着も防止可能な定着装置となる。
は、本発明の第1実施形態の定着装置を示す模式断面図である。 は、第1実施形態の定着装置をシート搬送方向下流側(図1の左側)から見た正面図である。 は、第1実施形態の定着装置の定着ニップ部付近を示す断面拡大図である。 は、本発明の第2実施形態の定着装置を示す模式断面図である。 は、従来の画像形成装置の全体構成を示す概略図である。
符号の説明
6 シート(記録媒体)
7 定着装置
8 搬送ベルト
21 定着ベルト
21a ベース層
21b 離型層
22 伝熱ローラ
22a ローラ内面
22b ローラ外面
23 加圧ローラ
24 定着進入ガイド
25 光源(発光手段)
26 加圧レバー
27 加圧バネ
28 駆動モータ
31 フランジ
32 従動ローラ
100 画像形成装置
T 未定着トナー
N1 転写ニップ部
N2 定着ニップ部

Claims (5)

  1. 記録媒体の搬送速度と略等速で回動可能な無端状の定着ベルトと、該定着ベルトに内接する加熱手段と、前記定着ベルトを介して前記加熱手段に所定の圧力で当接して記録媒体を挿通させるニップ部を形成する加圧ローラとを備え、前記ニップ部で記録媒体上に担持された未定着トナー像を定着する定着装置において、
    前記加熱手段は、内部に発光手段を備えた伝熱ローラであり、前記定着ベルトの内周長は前記伝熱ローラの外周長よりも大きいことを特徴とする定着装置。
  2. 前記伝熱ローラは中空円筒状であり、ローラ内面の放射率はローラ外面よりも高いことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記加圧ローラ及び前記伝熱ローラは、いずれか一方の回転駆動により他方が従動して回転し、前記定着ベルトは、前記ニップ部に挟持されることにより前記加圧ローラ及び前記伝熱ローラの回転に従動して回動することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記定着ベルトは、前記伝熱ローラ及び該伝熱ローラと同一方向に従動回転する従動ローラとの間に張架されることを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
  5. 前記定着ベルトの幅は前記発光手段よりも狭く、且つ前記ニップ部における記録媒体の挿通幅よりも広いことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の定着装置。
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