JP5991171B2 - 定着装置およびこれを備えた画像形成装置 - Google Patents
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Description
この定着装置の定着ベルトは、加熱ローラとニップ形成部材とに巻き掛けられており、記録媒体上の未定着像を加熱するとともに、加圧ローラで加圧するようになっている。
この定着装置においては、定着ベルトを薄肉化して低熱容量にし、ウォーミングアップタイムの短縮や、消費電力の低減を図るようにしている。
特に、高速の画像形成装置においては、定着ベルトの回転が速く、ニップ部以外での定着ベルトの放熱が多くなるため、より定着不良が発生しやすくなるという課題がある。
この定着装置は、無端状に形成された定着ベルトと、パイプ状の金属熱伝導体と、ヒータからなる熱源と、定着ベルトを介して金属熱伝導体に接してニップ部を形成する加圧ローラとを有している。この定着装置においては、金属熱伝導体が定着ベルトの内部に、定着ベルトの移動をガイドすることが可能に設けられるとともに、金属熱伝導体の内部に熱源が設けられており、定着ベルトは熱源により加熱されるようになっている。この定着ベルトは加圧ローラの回転により連れ回るようにして周方向に移動するようになっている。
この構成により、定着ベルト全体を温めることを可能にし、加熱待機時からのファーストプリント時間を短縮することができ、かつ高速回転時の熱量不足を解消することを可能としている。
この定着装置は、導電性層を有する定着ベルトと、定着ベルトの内周面に接触するパッドと、定着ベルトの外周面に接触する加圧部材と、定着ベルトに対向して配置された電磁誘導加熱装置とを有している。また、この定着装置は、電磁誘導加熱装置で定着ベルトを加熱するとともに、定着ベルトの幅方向における温度ムラを是正するように吸熱する吸熱部材が定着ベルトの内周面に接触している。
吸熱部材は、定着ベルトの幅方向における中央部側に張り出すよう、内面ガイド部材と一体に形成されている。この内面ガイド部材は、定着ベルトの両側縁部における内周面に接触する円筒曲面を有しており、定着ベルトの幅方向の動きを規制するとともに、定着ベルトの蛇行を防止するようにしている。
定着ベルトを直接加熱する場合、定着ベルトを間接的に加熱する金属熱伝導体を設けずに、定着ベルトを両端部で保持する保持部材を設けた構造で定着装置が構成される。
このジャム処理は、記録媒体が分離部材により、定着部材から分離されずニップ部の搬送方向の前方側で詰まってしまうという、いわゆるジャムが起きた際に、詰まった記録媒体を除去する処理で、ユーザーにより行われる。
従来の金属熱伝導体を設けた定着装置においては、この金属熱伝導体は記録媒体の幅方向の全域にわたって存在していたため、このような定着ベルトへの分離部材の再接触を緩和することができた。しかしながら、保持部材を設けた構造の場合、定着ベルトへの分離部材の再接触の問題がある。
図1に示すように、実施形態に係るカラー画像形成装置1は、装置本体2と、光書込装置3と、プロセスユニット4と、転写装置5と、ベルトクリーニング装置6と、シート給送装置7と、排紙トレイ8と、レジストローラ9と、定着装置10とを有している。
このカラー画像形成装置1は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)およびブラック(Bk)の各色に色分解された色にそれぞれ対応する画像を形成する像担持体からなる感光体ドラムが並設されたタンデム構造で構成されている。
なお、本発明に係る画像形成装置は、タンデム構造に限定されることはなく、他の構造であってもよい。また、本発明に係る画像形成装置は、カラー画像形成装置1に限定されることはなく、他の画像形成装置であってもよい。例えば、複写機やファクシミリ装置であってもよい。
装置本体2の排紙トレイ8の下部には、イエロー、シアン、マゼンダおよびブラックの各色のトナーが充填されたトナーボトル2aY、2aC、2aM、2aBkが着脱可能に装着されている。また、装置本体2の内部には、図示しない廃トナー収容器が設けられており、その入口部には、トナー移送ホースが接続され、トナー移送ホースから入った廃トナーが収容されるようになっている。
この光書込装置3は、プロセスユニット4に対して色毎に対応した書き込み光Lbを照射してプロセスユニット4に静電潜像を形成するよう構成されている。照射されるレーザー光に含まれる画像情報は、所望のフルカラー画像をイエロー、シアン、マゼンダおよびブラックの各色情報に分解した単色の画像情報で構成されている。
現像装置4gは、イエロートナーを供給する供給部分と、感光体ドラム4dにイエロートナーを付着させる現像部分により構成されている。クリーニングブレード4bは、ゴムなどの弾力性のある帯状部材とブラシなどのトナー除去部材とを有している。現像装置4gは、装置本体2に着脱可能に収容されている。
プロセスユニット4C、4M、4Bkも、それぞれプロセスユニット4Yと同様に構成されており、プロセスユニット4Cは、シアンのトナー像を、プロセスユニット4Mは、マゼンダのトナー像を、プロセスユニット4Bkは、ブラックのトナー像をそれぞれ転写装置5に転写するようになっている。
転写ベルト5aは、端末の無いいわゆる無端状のベルトから構成されており、駆動ローラ5bと従動ローラ5cと間に張力がかかった状態で掛け渡されている。また、転写ベルト5aは、駆動ローラ5bおよび従動ローラ5cにより、図の矢印A1の方向に回転可能、すなわち周回走行可能に構成されている。
二次転写ローラ5eは、転写ベルト5aの外周面を介して押し付けることにより駆動ローラ5bを押し付けており、二次転写ローラ5eと転写ベルト5aとの接触部分に、二次転写ニップが形成されている。
排紙トレイ8においては、一対の排紙ローラ8bにより搬送経路Rから排出された記録紙Sをトレイ8aに1枚ずつ順次載せて重ね合わせるようになっている。
搬送経路R上のレジストローラ9と給紙ローラ7bとの間で、図示しないレジストセンサが装置本体2に配置されており、記録紙Sの先端部分の通過が検知されるようになっている。このレジストセンサが記録紙Sの先端部分の通過を検知した後、所定時間が経過すると、記録紙Sはレジストローラ9に突き当てられて一端停止する。このレジストローラ9は、突き当てられた記録紙Sを所定のタイミングで挟み込んで回転し、二次転写ニップまで搬送するようになっている。所定のタイミングとしては、例えば、転写ベルト5aの回転によりフルカラーで重ね合わさったトナー画像が二次転写ニップの位置まで搬送された時機が挙げられる。
定着ベルト21は、厚みが1mm程度で形成され可撓性を有している。定着ベルト21は、外周面を通過する記録紙Sの幅方向に細長く形成され、幅方向に直交する断面が直径25mm程度になるよう環状に形成されている。
定着ベルト21は、図2に示すように、加圧ローラ22の矢印B1方向の回転に連れ回り、矢印B2方向に回転するようになっている。すなわち、定着ベルト21は、加圧ローラ22を駆動源としている。定着ベルト21および加圧ローラ22の回転により、記録紙Sは、ニップ部Nに対して矢印B3方向に進入しニップ部Nから排出されるようになっている。
すなわち、記録紙S上の未定着像を押し潰して記録紙Sに定着させるときにベルト表面の微小な凹凸が画像に転写されて画像のベタ部にユズ肌状の光沢ムラ(ユズ肌画像)が残るという不具合が生じることがある。弾性層21bが、例えば、100μm以上設けられていると、弾性層21bの変形により、微小な凹凸が吸収されこのようなユズ肌画像の課題を解消させることができる。
この加圧ローラ22は、装置本体2内に設けられた図示しない駆動機構から出力された駆動力により回転するよう構成されている。この駆動機構は、例えば、モータなどの駆動部と減速ギヤなどの減速部とにより構成されている。また、この加圧ローラ22は、図示しない加圧部材により定着ベルト21側に加圧され、弾性層22bが押し潰されて弾性変形することによりニップ部Nの一部を構成している。
この加圧ローラ22が平坦に変形した部分、すなわち所定のニップ幅を有するニップ部Nが構成されている。
このような湾曲面を有する構造の場合、ニップ部Nを通過する記録紙Sの先端の排出方向が加圧ローラ22側に傾くことになるので、定着ベルト21から分離され易くなり、記録紙Sが搬送途中で詰まってしまうという、いわゆるジャムの発生が抑制される。
この支持部材26は、ニップ形成部材25と同様に、定着ベルト21の内周側に配置され、取付部26cで筐体31に取り付けられ、図示しない締結具により筐体31に締結されている。
分離板41は、一対の支持部41aと、分離部41bと、位置決め部41cとを有している。一対の支持部41aは、分離板41の両端部にそれぞれ設けられ、支持軸42に支持されるようになっている。分離部41bは、平板状に形成されており、ニップ部Nを通過した記録紙Sの先端部分で、記録紙Sを定着ベルト21から分離するようになっている。
位置決め部41cは、分離板41の両端部にそれぞれ設けられ、図2に示す定着ベルト21に接触するよう先端部分が屈曲して形成され、この屈曲部分で定着ベルト21に接触することで分離板41の姿勢が決まるようになっている。
この保持部材28は、優れた機械的強度を有するとともに高い耐熱性を有する、いわゆるスーパーエンジニアリングプラスチックで形成されている。このスーパーエンジニアリングプラスチックとしては、例えば、PPS(Polyphenylene sulfide)、PAI(Polyamide Imide)、PEEK(Polyetheretherketone)などの樹脂材料が挙げられる。
この第1突出部53および基端部52には、取付孔51a、51bの反対側に切欠き部52aが形成されており、この切欠き部52aの内側には、図4に示すように、ニップ形成部材25および支持部材26の各端部が挿入され保持されるようになっている。
したがって、ニップ形成部材25および支持部材26は、この保持部材28により、各両端部で筐体31に保持されている。
また、この第2突出部54は、図6に示すように、ニップ部Nに対して矢印B3方向に進入しニップ部Nから排出される記録紙Sの進行方向となる定着ベルト21の回転方向におけるニップ形成部材25よりも前方側に位置するよう形成され、筐体31に取り付けられている。
また、この第2突出部54は、支持部材26の裏側、すなわち、支持部材26のヒータ23と対向する収容部26bと反対する反対側に位置するように形成されている。
具体的には、第2突出部54の静止摩擦係数および動摩擦係数は、それぞれ第1突出部53の静止摩擦係数および動摩擦係数よりも小さくなるよう形成されている。
第2突出部54の摩擦係数は、例えば、分離部材27における分離板41の位置決め部41cと対向する対向面部にフッ素樹脂(Fluorocarbon Polymers)をコーティングすることにより、第1突出部53の摩擦係数よりも小さくなるよう形成してもよい。
第1突出部53の摩擦係数よりも小さい摩擦係数を有する材料で形成した部片を前述の対向面部に埋め込んだり、貼り付けたりして形成するようにしてもよい。
この保護部材29の平坦な側面には、定着ベルト21の端部が突き当たるとともに、接触しながら回転するので、比較的弾力性があり、摩擦係数の比較的小さな表面が滑らかな材料で形成されている。
この筐体31には、図示しない取手部が設けられており、この取手部を操作することにより、図1に示すカラー画像形成装置1の装置本体から定着装置10を着脱できるようになっている。
カラー画像形成装置1は、その作像動作が開始されると、各プロセスユニット4Y、4C、4M、4Bkの感光体ドラム4dが図示しない駆動装置によって図の時計回りに回転駆動され、各感光体ドラム4dの表面が帯電ローラ4rによって所定の極性に一様に帯電される。帯電された感光体ドラム4dの表面には光書込装置3からレーザー光がそれぞれ照射されて、それぞれの感光体ドラム4dの表面には静電潜像が形成される。このとき、各感光体ドラム4dに光書込する画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー、シアン、マゼンダおよびブラックの色情報に分解した単色の画像情報である。このように感光体ドラム4d上に形成された静電潜像に、各現像装置4gによってトナーが供給されることにより、静電潜像はトナー画像(現像剤像)として可視像化される。
そして、各プロセスユニット4Y、4C、4M、4Bkの感光体ドラム4dに形成された各色のトナー画像が、上記一次転写ニップにおいて形成された転写電界によって、転写ベルト5a上に順次重ね合わせて転写される。このようにして転写ベルト5aはその表面にフルカラーのトナー画像を担持する。
この処理の際、除去される記録紙Sにより分離部材27が引っ張られて、図8(b)に示すように、分離部材27が定着ベルト21から離れることになる。この記録紙Sが除去されたときに、図8(c)に示すように、分離部材27に設けられた押圧ばねの復元力により、分離部材27の位置決め部41cが定着ベルト21に勢いよく突き当たるという再接触が起きてしまう。
その結果、保持部材28の第2突出部54で定着ベルト21への再接触による衝撃が緩和される。
その結果、従来の定着装置において発生していた定着ベルトの座屈や塑性変形などの損傷の発生を防止することができるという効果が得られる。
その結果、定着ベルト21と第2突出部54との接触により生ずる摩擦力(N)が減少するので、定着ベルト21の回転抵抗が減少し、定着ベルト21を回転させるトルク(N・m)の上昇を抑制することができるという効果が得られる。
また、ヒータ23からの輻射熱が第2突出部54に直接伝達されないので、保持部材28の耐久性が向上するという効果が得られる。
その結果、反射部材24と同様、ヒータ23からの輻射熱が第2突出部54に直接伝達されないので、保持部材28を高い耐熱性を有する材料の選択をする必要がなく、設計の自由度が高まり、安価でより成形性のある材料を選択することができる。
したがって、定着ベルト21が円滑に回転し、定着ベルト21の耐久性が高められるという効果が得られる。
また、定着装置10の保持部材28は、高い耐熱性を有する材料の選択をする必要がなく、設計の自由度が高まり、安価でより成形性のある材料を選択することができるので、より安価で、設計の自由度の高いカラー画像形成装置が得られる。また、定着装置10の保持部材28は、摩擦係数が小さいので、定着ベルト21の耐久性が高められ、耐久性の高いカラー画像形成装置が得られる。
10 定着装置
21 定着ベルト(定着部材)
22 加圧ローラ(加圧部材)
23 ヒータ(熱源)
24 反射部材
25 ニップ形成部材
26 支持部材
27 分離部材
28 保持部材
41c 位置決め部
53 第1突出部
54 第2突出部
N ニップ部(ニップ)
S 記録紙(記録媒体)
Claims (8)
- 回転可能に構成され記録媒体の未定着像を定着させる定着部材と、
前記定着部材を加熱する熱源と、
前記定着部材を外周側で加圧する加圧部材と、
前記定着部材の内周側で前記加圧部材と対向してニップを形成するニップ形成部材と、
前記ニップを通過する前記記録媒体を前記定着部材から分離する分離部材と、
前記定着部材の前記記録媒体の搬送方向に直交する幅方向の端部を保持する保持部材と、
を備え、
前記保持部材が、基端から前記幅方向の中央に向かって突出する第1突出部を有し、
前記第1突出部の先端の一部分が前記幅方向の中央に向かってさらに突出するとともに、前記分離部材と対向する第2突出部を有することを特徴とする定着装置。 - 前記分離部材が、前記幅方向の端部に前記分離部材の分離位置を決める位置決め部を有し、前記保持部材の前記第2突出部が、前記位置決め部と対向して配置されていることを特徴とする請求項1に記載された定着装置。
- 前記保持部材の前記第2突出部が、前記定着部材の回転方向における前記ニップ形成部材よりも前方側に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載された定着装置。
- 前記熱源からの輻射熱を反射するよう前記熱源と対向して配置された反射部材を有し、
前記保持部材の前記第2突出部が、前記反射部材の前記熱源と対向する側と反対する反対側に位置することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1の請求項に記載された定着装置。 - 前記ニップ形成部材を支持する支持部材を有し、
前記保持部材の前記第2突出部が、前記支持部材の前記熱源と対向する側と反対する反対側に位置することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1の請求項に記載された定着装置。 - 前記保持部材の前記第2突出部の摩擦係数が、前記第1突出部の摩擦係数と異なるよう前記第2突出部が形成されたことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1の請求項に記載された定着装置。
- 前記保持部材の前記第2突出部が、前記定着部材と対向する対向面部を有し、前記対向面部にフッ素樹脂がコーティングされていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1の請求項に記載された定着装置。
- 請求項1から請求項7までのいずれか1の請求項に記載された定着装置を備えた画像形成装置。
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