JP5991171B2 - 定着装置およびこれを備えた画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、記録媒体の未定着像を定着させる定着装置およびこれを備えた画像形成装置に関する。
一般に、複写機、ファクシミリ、プリンタなどの画像形成装置に使用される定着装置は、内部の熱源で加熱される定着ローラとこの定着ローラを加圧する加圧ローラとを含んで構成されている。この定着ローラと加圧ローラとの間に形成されるニップ部を、未定着像が形成された記録媒体が通過するようになっている。記録媒体の未定着像は、ニップ部を通過する際に定着ローラで加熱されるとともに加圧ローラで加圧され、記録媒体に定着される。
このような定着装置が使用される複写機、ファクシミリ、プリンタなどの画像形成装置に対して、近年、省エネルギー化や画像形成の高速化についての市場要求が強くなってきている。このような省エネルギー化、高速化に対応する定着装置として、熱ローラ方式、フィルム加熱方式、電磁誘導加熱方式などの接触加熱方式により加熱する定着装置が広く採用されている。
従来、この種の定着装置として、定着ベルトと加圧ローラとの間に形成されるニップ部を、未定着像が形成された記録媒体が通過することにより記録媒体の未定着像を定着させるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この定着装置の定着ベルトは、加熱ローラとニップ形成部材とに巻き掛けられており、記録媒体上の未定着像を加熱するとともに、加圧ローラで加圧するようになっている。
この定着装置においては、定着ベルトを薄肉化して低熱容量にし、ウォーミングアップタイムの短縮や、消費電力の低減を図るようにしている。
しかしながら、このような定着ベルトで構成される定着装置においては、電源投入時など、常温状態から印刷可能な所定の温度、すなわちリロード温度までに要する時間であるウォームアップ時間の短縮化が課題となっている。また、印刷要求を受けた後、印刷準備を経て印刷動作を行い記録媒体がトレイに排出されて印刷が完了するまでの時間であるファーストプリント時間の短縮化も課題となっている。また、画像形成装置の高速化に伴い、単位時間あたりに記録媒体を通過させるいわゆる通紙枚数が増え、必要熱量が増大しているため、特に連続印刷のはじめに熱量が不足するという、いわゆる温度落ち込みや高速回転時の熱量不足も課題となっている。
この点、セラミックヒータを用いたサーフ定着などのフィルム加熱方式による定着装置の場合、定着ベルトで構成される定着装置に比べ、低熱容量化、小型化が可能となるが、定着が不十分となってしまう。このフィルム加熱方式による定着装置は、ニップ部のみを局所加熱しているため、その他の部分では加熱されておらず、ニップ部の記録媒体などの入口において定着ベルトは最も冷えた状態にあり、定着不良が発生しやすくなるという課題がある。
特に、高速の画像形成装置においては、定着ベルトの回転が速く、ニップ部以外での定着ベルトの放熱が多くなるため、より定着不良が発生しやすくなるという課題がある。
これらの課題を解決するために、定着ベルト全体を加熱することを可能にした定着装置が提案されている(例えば、特許文献2、3、4参照)。
この定着装置は、無端状に形成された定着ベルトと、パイプ状の金属熱伝導体と、ヒータからなる熱源と、定着ベルトを介して金属熱伝導体に接してニップ部を形成する加圧ローラとを有している。この定着装置においては、金属熱伝導体が定着ベルトの内部に、定着ベルトの移動をガイドすることが可能に設けられるとともに、金属熱伝導体の内部に熱源が設けられており、定着ベルトは熱源により加熱されるようになっている。この定着ベルトは加圧ローラの回転により連れ回るようにして周方向に移動するようになっている。
この構成により、定着ベルト全体を温めることを可能にし、加熱待機時からのファーストプリント時間を短縮することができ、かつ高速回転時の熱量不足を解消することを可能としている。
また、定着装置として、変動磁界を形成し、定着ベルトの導電性層内に生じる渦電流で導電性層を発熱させる電磁誘導加熱装置を有するものが知られている(例えば、特許文献5参照)。
この定着装置は、導電性層を有する定着ベルトと、定着ベルトの内周面に接触するパッドと、定着ベルトの外周面に接触する加圧部材と、定着ベルトに対向して配置された電磁誘導加熱装置とを有している。また、この定着装置は、電磁誘導加熱装置で定着ベルトを加熱するとともに、定着ベルトの幅方向における温度ムラを是正するように吸熱する吸熱部材が定着ベルトの内周面に接触している。
吸熱部材は、定着ベルトの幅方向における中央部側に張り出すよう、内面ガイド部材と一体に形成されている。この内面ガイド部材は、定着ベルトの両側縁部における内周面に接触する円筒曲面を有しており、定着ベルトの幅方向の動きを規制するとともに、定着ベルトの蛇行を防止するようにしている。
しかしながら、特許文献2から特許文献5に記載の従来の定着装置においては、定着ベルトを熱源により直接加熱する構成とすることで、従来の問題を解決できたが、次のような問題がある。
これらの従来の定着装置においては、直接加熱による省エネルギー化が図られ、加熱待機時からのファーストプリントタイムがさらに短縮されたが、この定着ベルトを両端部で保持する保持部材を設けた場合に、定着ベルトの変形や損傷の問題が起きてしまう。
定着ベルトを直接加熱する場合、定着ベルトを間接的に加熱する金属熱伝導体を設けずに、定着ベルトを両端部で保持する保持部材を設けた構造で定着装置が構成される。
この保持部材を設けた構造の場合、金属熱伝導体がないので、いわゆるジャム処理の際に起きる分離部材の定着ベルトへの叩き付けられるような再接触による衝撃が金属熱伝導体で緩和することができず、定着ベルトの変形や損傷が発生してしまう可能性がある。
このジャム処理は、記録媒体が分離部材により、定着部材から分離されずニップ部の搬送方向の前方側で詰まってしまうという、いわゆるジャムが起きた際に、詰まった記録媒体を除去する処理で、ユーザーにより行われる。
このジャム処理の際、除去される記録媒体により分離部材が定着ベルトから離れることになるが、記録媒体が除去されたときに、分離部材に設けられたばねの復元力により、分離部材が強く定着ベルトに叩き付けられるように再接触してしまう。
従来の金属熱伝導体を設けた定着装置においては、この金属熱伝導体は記録媒体の幅方向の全域にわたって存在していたため、このような定着ベルトへの分離部材の再接触を緩和することができた。しかしながら、保持部材を設けた構造の場合、定着ベルトへの分離部材の再接触の問題がある。
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、定着ベルトを両端部で保持する保持部材を設けた構造で、分離部材による定着ベルトの変形や損傷の発生を防止することができる定着装置およびこれを備えた画像形成装置を提供することを課題とする。
本発明に係る定着装置は、上記課題を解決するため、回転可能に構成され記録媒体の未定着像を定着させる定着部材と、前記定着部材を加熱する熱源と、前記定着部材を外周側で加圧する加圧部材と、前記定着部材の内周側で前記加圧部材と対向してニップを形成するニップ形成部材と、前記ニップを通過する前記記録媒体を前記定着部材から分離する分離部材と、前記定着部材の前記記録媒体の搬送方向に直交する幅方向の端部を保持する保持部材と、を備え、前記保持部材が、基端から前記幅方向の中央に向かって突出する第1突出部を有し、前記第1突出部の先端の一部分が前記幅方向の中央に向かってさらに突出するとともに、前記分離部材と対向する第2突出部を有することを特徴とする。
本発明によれば、定着ベルトを両端部で保持する保持部材を設けた構造で、分離部材による定着ベルトの変形や損傷の発生を防止することができる定着装置およびこれを備えた画像形成装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係る定着装置を備えたカラー画像形成装置の断面を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る定着装置の定着ベルトおよび加圧ローラを示す断面図である。 本発明の実施形態に係る定着装置の定着ベルトおよび加圧ローラを示す拡大断面図である。 本発明の実施形態に係る定着装置の一部を拡大した拡大斜視図である。 本発明の実施形態に係る定着装置の支持部材の斜視図であり、(a)は、収容部側から見た斜視図を示し、(b)は、収容部の反対側から見た斜視図を示す。 本発明の実施形態に係る定着装置の保持部材の斜視図である。 本発明の実施形態に係る定着装置の保持部材の上面図である。 本発明の実施形態に係る定着装置の定着ベルトおよび加圧ローラを示す断面図であり、(a)は、記録紙が分離部材の内側に詰まった状態を示し、(b)は、分離部材が定着ベルトから離隔した状態を示し、(c)は、分離部材が定着ベルトに再接触する状態を示す。
本発明に係る定着装置を備えた画像形成装置をカラー画像形成装置1に適用した実施形態について説明する。
(実施形態)
図1に示すように、実施形態に係るカラー画像形成装置1は、装置本体2と、光書込装置3と、プロセスユニット4と、転写装置5と、ベルトクリーニング装置6と、シート給送装置7と、排紙トレイ8と、レジストローラ9と、定着装置10とを有している。
このカラー画像形成装置1は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)およびブラック(Bk)の各色に色分解された色にそれぞれ対応する画像を形成する像担持体からなる感光体ドラムが並設されたタンデム構造で構成されている。
なお、本発明に係る画像形成装置は、タンデム構造に限定されることはなく、他の構造であってもよい。また、本発明に係る画像形成装置は、カラー画像形成装置1に限定されることはなく、他の画像形成装置であってもよい。例えば、複写機やファクシミリ装置であってもよい。
装置本体2は、各構成要素を収容する筐体で構成されており、シート給送装置7に収容された記録媒体としての記録紙Sを搬送する搬送経路Rが筐体内部に形成されている。
装置本体2の排紙トレイ8の下部には、イエロー、シアン、マゼンダおよびブラックの各色のトナーが充填されたトナーボトル2aY、2aC、2aM、2aBkが着脱可能に装着されている。また、装置本体2の内部には、図示しない廃トナー収容器が設けられており、その入口部には、トナー移送ホースが接続され、トナー移送ホースから入った廃トナーが収容されるようになっている。
光書込装置3は、光源としての図示しない半導体レーザー、カップリングレンズ、fθレンズ、トロイダルレンズ、折り返しミラーおよび回転多面鏡を含んで構成されている。
この光書込装置3は、プロセスユニット4に対して色毎に対応した書き込み光Lbを照射してプロセスユニット4に静電潜像を形成するよう構成されている。照射されるレーザー光に含まれる画像情報は、所望のフルカラー画像をイエロー、シアン、マゼンダおよびブラックの各色情報に分解した単色の画像情報で構成されている。
プロセスユニット4は、プロセスユニット4Y、4C、4M、4Bkの4つのプロセスユニットで構成されている。プロセスユニット4Yは、感光体ドラム4dと、帯電ローラ4rと、現像装置4gと、クリーニングブレード4bとを有している。このプロセスユニット4Yは、帯電、光書込、現像、転写、クリーニングおよび除電が順に行われるよう構成されている。
このプロセスユニット4Yにおいては、まず、帯電ローラ4rにより感光体ドラム4dに静電気を蓄える帯電がなされ、帯電した感光体ドラム4dの表面へ光書込装置3による光書込がなされ、感光体ドラム4dに静電気のパターンからなる静電潜像が形成される。そして、現像装置4gにより感光体ドラム4d上の静電潜像にイエロートナーの付着、すなわち現像がなされトナー像が形成され、転写装置5へトナー像が形成される転写が行われる。そして、次の転写に備えて、クリーニングブレード4bにより感光体ドラム4d上に残ったトナーが取り除かれ、さらに、感光体ドラム4d上に残った静電気が取り除かれる除電が行われる。
感光体ドラム4dは、円筒形の表面に、無機や有機の感光体からなる感光層を有しており、帯電ローラ4rは、感光体ドラム4dに近接して配置され感光体ドラム4dとの間の放電により感光体ドラム4dを帯電させるようになっている。
現像装置4gは、イエロートナーを供給する供給部分と、感光体ドラム4dにイエロートナーを付着させる現像部分により構成されている。クリーニングブレード4bは、ゴムなどの弾力性のある帯状部材とブラシなどのトナー除去部材とを有している。現像装置4gは、装置本体2に着脱可能に収容されている。
プロセスユニット4C、4M、4Bkも、それぞれプロセスユニット4Yと同様に構成されており、プロセスユニット4Cは、シアンのトナー像を、プロセスユニット4Mは、マゼンダのトナー像を、プロセスユニット4Bkは、ブラックのトナー像をそれぞれ転写装置5に転写するようになっている。
転写装置5は、転写ベルト5aと、駆動ローラ5bと、従動ローラ5cと、一次転写ローラ5dと、二次転写ローラ5eとを有している。
転写ベルト5aは、端末の無いいわゆる無端状のベルトから構成されており、駆動ローラ5bと従動ローラ5cと間に張力がかかった状態で掛け渡されている。また、転写ベルト5aは、駆動ローラ5bおよび従動ローラ5cにより、図の矢印A1の方向に回転可能、すなわち周回走行可能に構成されている。
一次転写ローラ5dは、プロセスユニット4Yの感光体ドラム4dを転写ベルト5aを介して押し付ける一次転写ローラ5dYと、プロセスユニット4C、4M、4Bkの感光体ドラム4dを同様に押し付ける一次転写ローラ5dC、5dM、5dBkを有している。プロセスユニット4Y、4C、4M、4Bkと押し付けられた転写ベルト5aとの接触部分に、それぞれ一次転写ニップが形成されている。
二次転写ローラ5eは、転写ベルト5aの外周面を介して押し付けることにより駆動ローラ5bを押し付けており、二次転写ローラ5eと転写ベルト5aとの接触部分に、二次転写ニップが形成されている。
ベルトクリーニング装置6は、二次転写ニップとプロセスユニット4Yとの間に配置されている。このベルトクリーニング装置6は、二次転写ニップにおける転写の際に、転写ベルト5aの外周表面に残ったトナーを取り除く図示しないトナー除去部材と、除去された廃トナーを廃トナー収容器に移送するトナー移送ホースとを有している。
シート給送装置7は、装置本体2の下部に配置されており、記録紙Sを収容する給紙カセット7aと、給紙ローラ7bとを有している。シート給送装置7においては、給紙ローラ7bにより給紙カセット7aから記録紙Sが1枚ずつ取り出され搬送経路Rに送り出すようになっている。
排紙トレイ8は、光書込装置3の上方で装置本体2の上部に配置されており、記録された記録紙Sを収容するトレイ8aと、一対の排紙ローラ8bとを有している。
排紙トレイ8においては、一対の排紙ローラ8bにより搬送経路Rから排出された記録紙Sをトレイ8aに1枚ずつ順次載せて重ね合わせるようになっている。
レジストローラ9は、一対のローラを有しており、シート給送装置7の給紙ローラ7bにより送り出され搬送経路Rにある記録紙Sの搬送を調節するよう構成されている。
搬送経路R上のレジストローラ9と給紙ローラ7bとの間で、図示しないレジストセンサが装置本体2に配置されており、記録紙Sの先端部分の通過が検知されるようになっている。このレジストセンサが記録紙Sの先端部分の通過を検知した後、所定時間が経過すると、記録紙Sはレジストローラ9に突き当てられて一端停止する。このレジストローラ9は、突き当てられた記録紙Sを所定のタイミングで挟み込んで回転し、二次転写ニップまで搬送するようになっている。所定のタイミングとしては、例えば、転写ベルト5aの回転によりフルカラーで重ね合わさったトナー画像が二次転写ニップの位置まで搬送された時機が挙げられる。
定着装置10は、図2に示すように、定着ベルト21と、加圧ローラ22と、ヒータ23と、反射部材24と、ニップ形成部材25と、支持部材26と、分離部材27と、一対の保持部材28と、一対の保護部材29とを含んで構成されている。定着装置10は、さらに、これらの各構成要素を収容する筐体31と、保持部材28を筐体31に固定するボルト32と、定着ベルト21における定着温度などの温度制御を実行させる図示しない制御部とを有し装置本体2に着脱可能に構成されている。
この定着装置10においては、トナー画像が転写された記録紙Sが、定着ベルト21と加圧ローラ22との間に形成されるニップ部Nを通過中に加熱および加圧されてトナー画像が記録紙Sに定着されるようになっている。そして、記録紙Sが、ニップ部Nから排出される際に定着ベルト21から分離し、搬送経路Rを通って排紙ローラ8bに向かって搬送されるようになっている。
定着ベルト21は、図3に示すように、ベルト基材21aと、ベルト基材21aの外周面に形成された弾性層21bと、弾性層21bの外周面に形成された離型層21cとを有している。
定着ベルト21は、厚みが1mm程度で形成され可撓性を有している。定着ベルト21は、外周面を通過する記録紙Sの幅方向に細長く形成され、幅方向に直交する断面が直径25mm程度になるよう環状に形成されている。
なお、定着ベルト21においては、弾性層21bのない構造であってもよい。弾性層21bがない場合は定着ベルト21の熱容量が小さくなり、熱応答および省エネ性を向上させることができる。定着ベルト21における前述の直径は、定着装置10の設定諸元に応じて適宜15〜120mm程度の範囲内の寸法で選択される。
定着ベルト21は、図2に示すように、加圧ローラ22の矢印B1方向の回転に連れ回り、矢印B2方向に回転するようになっている。すなわち、定着ベルト21は、加圧ローラ22を駆動源としている。定着ベルト21および加圧ローラ22の回転により、記録紙Sは、ニップ部Nに対して矢印B3方向に進入しニップ部Nから排出されるようになっている。
ベルト基材21aは、所要の機械的強度を有する材料、例えば、ニッケル(Ni)、ステンレス鋼(SUS)などの金属材料や、ポリイミド(Polyimide)などの樹脂材料で形成されており、20〜100μm程度の厚みを有している。すなわち、厚みの小さな金属フィルムや樹脂フィルムで形成されている。
弾性層21bは、シリコーンゴム(Q)やフッ素ゴム(FKM)などのゴム材料で形成されており、20〜900μm程度の厚みを有している。この弾性層21bが設けられていると、ニップ部Nを通過中の記録紙Sに熱および圧力を加える際に、記録紙Sおよび定着ベルト21の表面に凹凸があることによる加圧力および熱伝導の不均一化が改善される。
すなわち、記録紙S上の未定着像を押し潰して記録紙Sに定着させるときにベルト表面の微小な凹凸が画像に転写されて画像のベタ部にユズ肌状の光沢ムラ(ユズ肌画像)が残るという不具合が生じることがある。弾性層21bが、例えば、100μm以上設けられていると、弾性層21bの変形により、微小な凹凸が吸収されこのようなユズ肌画像の課題を解消させることができる。
離型層21cは、記録紙Sおよびトナー画像に対する剥離性が高い材料、すなわち、トナーや金型などの製品の表面で、相手材料の粘着や焼付きを起こさないようにする性質、いわゆる離型性を良好とする材料で形成されている。離型性を良好とする材料として、具体的には、PFA(Tetra Fluoro ethylene-perfluoro Alkylvinyl ether copolymer)、PTFE(Poly Tetra Fluoro Ethylene)、PEI(Poly Ether Imide)、PES(Poly Ether Sulphone)などの樹脂材料が挙げられる。この離型層21cは、1〜200μmの厚みで形成されている。
加圧ローラ22は、図2に示すように、心金からなるローラ22aと、ローラ22aの外周面に形成された弾性層22bと、弾性層22bの外周面に形成された離型層22cを有している。
この加圧ローラ22は、装置本体2内に設けられた図示しない駆動機構から出力された駆動力により回転するよう構成されている。この駆動機構は、例えば、モータなどの駆動部と減速ギヤなどの減速部とにより構成されている。また、この加圧ローラ22は、図示しない加圧部材により定着ベルト21側に加圧され、弾性層22bが押し潰されて弾性変形することによりニップ部Nの一部を構成している。
ローラ22aは、所要の機械的強度を有し、熱伝導性の良好な炭素鋼材(例えば、SC、STKM)やアルミニウム材(Al)などの金属材料からなり、中実の円柱形に形成されている。なお、ローラ22aは、中空の円筒形で形成し、内部にハロゲンヒータなどの熱源を設け、この熱源によりローラ22a、弾性層22b、離型層22cを介してニップ部Nを通過中の記録紙Sを加熱するよう構成してもよい。
弾性層22bは、定着ベルト21の弾性層21bと同様、シリコーンゴム(Q)やフッ素ゴム(FKM)などの合成ゴムで形成されている。この合成ゴムは、比較的硬質で発泡がされていない、いわゆるソリッドゴムで構成されている。ローラ22aの内部に、熱源が設けられていない構造で構成された場合には、この合成ゴムを発泡がなされ、発泡弾性層からなる、いわゆるスポンジゴムで構成するようにしてもよい。このスポンジゴムは、内部に気泡を有しているので、断熱性が高められ、加熱された定着ベルト21の熱が加圧ローラ22に伝熱され難くなり、すなわち熱が奪われ難くなるので省エネルギー化がより図られる。
離型層22cは、定着ベルト21の弾性層21bと同様、いわゆる離型性を良好とするとともに、弾性層22bの耐久性を高める機能を有し、熱伝導率が高く耐久性に富む材料で形成される。例えば、PFAやPFAまたはPTFEからなるフッ素樹脂塗料を塗布したもの、あるいはシリコーンゴム層やフッ素ゴム層を形成したものが用いられる。
ヒータ23は、定着ベルト21の内周側で、かつ定着ベルト21から離隔した位置で筐体31に固定されている。このヒータ23は、定着ベルト21を輻射熱で直接加熱するよう単一の発光領域を有する公知の熱源で構成されている。この熱源としてはいわゆる輻射熱ヒータで構成され、例えば、ハロゲンランプの放射熱を直接利用したハロゲンヒータ、不活性ガス中に炭素繊維を封入した石英管で構成されるカーボンヒータ、セラミック内部に埋め込まれた抵抗配線で構成されるセラミックヒータが挙げられる。ヒータ23への通電および非通電の制御は、前述の制御部によって行われる。
反射部材24は、図3に示すように、筐体31に固定される固定部24aと、ヒータ23から出射される輻射熱を定着ベルト21の内周側に向けて反射する反射面部24bと、支持部材26を覆うカバー部24cとを有している。固定部24aは、紙幅方向の両端部に形成されており、両端部で保持部材28を介して筐体31に固定されている。反射面部24bは、支持部材26とヒータ23との間に位置し、ヒータ23に対向する側に配置され、ヒータ23を囲むよう中央部で屈曲した屈曲面を有している。
カバー部24cは、支持部材26の支持部26aの反対側で開口する開口部分の紙幅方向のほぼ全体を覆うよう構成されている。この反射部材24により、ヒータ23からの輻射熱などにより支持部材26が加熱されてしまうことによる無駄なエネルギーの消費が抑制される。なお、反射部材24を備える代わりに、支持部材26の収容部26bの内周面に鏡面処理を行っても同様の反射効果を得ることが可能となる。また、支持部材26の収容部26bの内周面側を、ヒータ23から伝わる熱を断熱する断熱材で形成してもヒータ23の断熱効果が得ることが可能となる。
ニップ形成部材25は、ニップ部Nを通過する記録紙Sの幅方向に細長く形成され、幅方向に直交する断面が略長方形に形成されており、定着ベルト21が接触しつつ移動する、すなわち摺動する摺動面部25aと、支持部材26と連結される連結部25bとを有している。このニップ形成部材25は、定着ベルト21の内周側に配置され、筐体31に固定されている。
摺動面部25aは、定着ベルト21を挟んで加圧ローラ22と対向する側に形成された平坦面を有している。この平坦面に加圧ローラ22の加圧力により定着ベルト21が接触するようになっている。また、加圧ローラ22が定着ベルト21を加圧する際に、主に弾性層22bが押し潰されて、摺動面部25aの平坦面に習って平坦に変形することになる。
この加圧ローラ22が平坦に変形した部分、すなわち所定のニップ幅を有するニップ部Nが構成されている。
なお、摺動面部25aは、平坦面を有する構造で構成しているが、平坦面以外の構造で構成するようにしてもよい。例えば、摺動面部25aを、加圧ローラ22から見て定着ベルト21側に凹んで形成された湾曲面を有する構造で構成するようにしてもよい。
このような湾曲面を有する構造の場合、ニップ部Nを通過する記録紙Sの先端の排出方向が加圧ローラ22側に傾くことになるので、定着ベルト21から分離され易くなり、記録紙Sが搬送途中で詰まってしまうという、いわゆるジャムの発生が抑制される。
支持部材26は、図4、図5(a)、図5(b)に示すように、ニップ形成部材25と同様、記録紙Sの幅方向に細長く形成され、幅方向に直交する断面がヒータ23側に開口して形成されている。この支持部材26は、ニップ形成部材25を支持する支持部26aと、開口側でヒータ23および反射部材24を収容する収容部26bと、両端部で筐体31に取り付ける取付部26cとを有している。支持部26aは、ニップ形成部材25の連結部25bに連結され、ニップ形成部材25が加圧ローラ22の加圧力によって紙幅方向に撓まないよう支持している。したがって、ニップ形成部材25は、支持部材26により記録紙Sの幅方向で均一なニップ幅が得られるようになっている。
この支持部材26は、ニップ形成部材25と同様に、定着ベルト21の内周側に配置され、取付部26cで筐体31に取り付けられ、図示しない締結具により筐体31に締結されている。
分離部材27は、図2、図4に示すように、分離板41と、分離板41の両端部で分離板41を回転可能に支持する一対の支持軸42と、分離板41を定着ベルト21に押圧するよう設けられた図示しない押圧ばねとを有している。
分離板41は、一対の支持部41aと、分離部41bと、位置決め部41cとを有している。一対の支持部41aは、分離板41の両端部にそれぞれ設けられ、支持軸42に支持されるようになっている。分離部41bは、平板状に形成されており、ニップ部Nを通過した記録紙Sの先端部分で、記録紙Sを定着ベルト21から分離するようになっている。
位置決め部41cは、分離板41の両端部にそれぞれ設けられ、図2に示す定着ベルト21に接触するよう先端部分が屈曲して形成され、この屈曲部分で定着ベルト21に接触することで分離板41の姿勢が決まるようになっている。
保持部材28は、図6、図7に示すように、フランジ部51と、基端部52と、第1突出部53と、第2突出部54とを有し各構成要素は一体的に形成されている。
この保持部材28は、優れた機械的強度を有するとともに高い耐熱性を有する、いわゆるスーパーエンジニアリングプラスチックで形成されている。このスーパーエンジニアリングプラスチックとしては、例えば、PPS(Polyphenylene sulfide)、PAI(Polyamide Imide)、PEEK(Polyetheretherketone)などの樹脂材料が挙げられる。
フランジ部51は、平板状に形成され、筐体31に取り付けるための取付孔51a、51bが形成されており、この取付孔51a、51bにはそれぞれ図2に示すボルト32が挿通されるようになっている。このフランジ部51には、第1突出部53の反対側に突出する突起部51cが形成されており、この突起部51cにより保持部材28を筐体31に取り付ける際の位置決めがなされるようになっている。
基端部52は、フランジ部51から記録紙Sの幅方向の中央に向かって環状に突出して形成され、保護部材29が装着されるようになっており、保護部材29とともに定着ベルト21の記録紙Sの幅方向への移動を規制している。
第1突出部53は、基端部52から記録紙Sの幅方向の中央に向かって環状に突出して形成され、定着ベルト21の紙幅方向の両端側を案内する走行ガイドとしての機能を有している。
この第1突出部53および基端部52には、取付孔51a、51bの反対側に切欠き部52aが形成されており、この切欠き部52aの内側には、図4に示すように、ニップ形成部材25および支持部材26の各端部が挿入され保持されるようになっている。
したがって、ニップ形成部材25および支持部材26は、この保持部材28により、各両端部で筐体31に保持されている。
第2突出部54は、第1突出部53の先端の一部分が記録紙Sの幅方向の中央に向かってさらに突出して形成されている。また、第2突出部54は、図4に示すように、分離部材27における分離板41の位置決め部41cと対向する位置に設けられている。
また、この第2突出部54は、図6に示すように、ニップ部Nに対して矢印B3方向に進入しニップ部Nから排出される記録紙Sの進行方向となる定着ベルト21の回転方向におけるニップ形成部材25よりも前方側に位置するよう形成され、筐体31に取り付けられている。
また、この第2突出部54は、図3に示すように、ヒータ23からの輻射熱を反射するようヒータ23と対向して配置された反射部材24の裏側、すなわち、反射部材24のヒータ23と対向する反射面部24bと反対する反対側に位置するように形成されている。
また、この第2突出部54は、支持部材26の裏側、すなわち、支持部材26のヒータ23と対向する収容部26bと反対する反対側に位置するように形成されている。
この第2突出部54は、第1突出部53の摩擦係数と異なる摩擦係数を有している。
具体的には、第2突出部54の静止摩擦係数および動摩擦係数は、それぞれ第1突出部53の静止摩擦係数および動摩擦係数よりも小さくなるよう形成されている。
第2突出部54の摩擦係数は、例えば、分離部材27における分離板41の位置決め部41cと対向する対向面部にフッ素樹脂(Fluorocarbon Polymers)をコーティングすることにより、第1突出部53の摩擦係数よりも小さくなるよう形成してもよい。
また、第2突出部54の摩擦係数は、例えば、第1突出部53の摩擦係数よりも小さい摩擦係数を有する材料で第2突出部54の前述の対向面部を形成するようにしてもよい。
第1突出部53の摩擦係数よりも小さい摩擦係数を有する材料で形成した部片を前述の対向面部に埋め込んだり、貼り付けたりして形成するようにしてもよい。
保護部材29は、図3、図4に示すように、中央部に貫通孔29aを有する円盤で形成されており、この貫通孔29aには保持部材28の第1突出部53および第2突出部54が挿入されるようになっている。保護部材29は、保持部材28の基端部52に装着され基端部52とともに、定着ベルト21の記録紙Sの幅方向への移動を規制している。
この保護部材29の平坦な側面には、定着ベルト21の端部が突き当たるとともに、接触しながら回転するので、比較的弾力性があり、摩擦係数の比較的小さな表面が滑らかな材料で形成されている。
筐体31は、図4に示すように、ニップ形成部材25、支持部材26および保持部材28の右側を支持する右側板31aと、ニップ形成部材25、支持部材26および保持部材28の左側を支持する図示しない左側板を有している。またこの筐体31は、右側板31aおよび左側板を連結する連結板を有しており、これらの構成要素は一体化されている。
この筐体31には、図示しない取手部が設けられており、この取手部を操作することにより、図1に示すカラー画像形成装置1の装置本体から定着装置10を着脱できるようになっている。
以下、図1を参照して上記カラー画像形成装置1の基本動作について説明する。
カラー画像形成装置1は、その作像動作が開始されると、各プロセスユニット4Y、4C、4M、4Bkの感光体ドラム4dが図示しない駆動装置によって図の時計回りに回転駆動され、各感光体ドラム4dの表面が帯電ローラ4rによって所定の極性に一様に帯電される。帯電された感光体ドラム4dの表面には光書込装置3からレーザー光がそれぞれ照射されて、それぞれの感光体ドラム4dの表面には静電潜像が形成される。このとき、各感光体ドラム4dに光書込する画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー、シアン、マゼンダおよびブラックの色情報に分解した単色の画像情報である。このように感光体ドラム4d上に形成された静電潜像に、各現像装置4gによってトナーが供給されることにより、静電潜像はトナー画像(現像剤像)として可視像化される。
駆動ローラ5bが図の反時計回りに回転駆動されることにより、転写ベルト5aが図の矢印で示す方向に走行駆動される。また、各一次転写ローラ5dに、トナーの帯電極性と逆特性の定電圧または定電流制御された電圧が印加される。これにより、各一次転写ローラ5dと各感光体ドラム4dとの間の一次転写ニップにおいて転写電界が形成される。
そして、各プロセスユニット4Y、4C、4M、4Bkの感光体ドラム4dに形成された各色のトナー画像が、上記一次転写ニップにおいて形成された転写電界によって、転写ベルト5a上に順次重ね合わせて転写される。このようにして転写ベルト5aはその表面にフルカラーのトナー画像を担持する。
また、上記トナー画像が転写された後の各感光体ドラム4dの表面に付着する残留トナーは、クリーニングブレード4bによって除去され、次いで、各感光体ドラム4dの表面上の電荷が図示していない徐電装置によって除かれるいわゆる徐電作用を受け、その表面電位が初期化されて次の画像形成に備えられる。
また、形成された各感光体ドラム4d上の静電潜像に対して現像手段によりトナーを付着させてトナー画像を形成する作像動作が開始されると、カラー画像形成装置1の下部では、給紙ローラ7bが回転駆動する。この回転駆動によって、記録紙Sのシート給送装置7に収容された記録紙Sが搬送経路Rに送り出される。搬送経路Rに送り出された記録紙Sは、レジストローラ9によってタイミングを計られて、二次転写ローラ5eとそれに対向する駆動ローラ5bとの間の二次転写ニップに送られる。このとき二次転写ローラ5eに、転写ベルト5a上のトナー画像のトナー帯電極性と逆極性の転写電圧が印加されており、これにより二次転写ニップに転写電界が形成されている。
そして、二次転写ニップに形成された転写電界によって転写ベルト5a上のトナー画像が記録紙S上に一括して転写される。未定着像としてのトナー画像が転写された記録紙Sは定着装置10へと搬送され、定着ベルト21と加圧ローラ22によって記録紙Sが加熱および加圧されてトナー画像が定着される。記録紙Sが定着装置10へ搬送されるとき、ヒータ23からの輻射熱が直接定着ベルト21に伝熱される。
トナー画像が定着された記録紙Sは、図示しない分離機構により定着ベルト21から分離され、排紙ローラ8bによって排紙トレイ8のトレイ8aへと排出される。また、転写後の転写ベルト5a上に残留するトナーは、ベルトクリーニング装置6によって除去され、除去されたトナーは廃トナー収容器へ搬送され回収される。
以上の説明は、記録紙S上にフルカラー画像を形成するときの画像形成動作であるが、4つの各プロセスユニット4Y、4C、4M、4Bkのいずれか1つを使用して単色画像を形成したり、2つまたは3つのプロセスユニットを使用して、2色または3色の画像を形成したりすることも可能である。
この定着装置10において、図8(a)に示すように、記録紙Sが分離部材27により、定着ベルト21から分離されずニップ部Nの搬送方向の前方側で詰まってしまうという、いわゆるジャムが起きることがある。この場合、ユーザーにより詰まった記録紙Sを除去するジャム処理が行われる。
この処理の際、除去される記録紙Sにより分離部材27が引っ張られて、図8(b)に示すように、分離部材27が定着ベルト21から離れることになる。この記録紙Sが除去されたときに、図8(c)に示すように、分離部材27に設けられた押圧ばねの復元力により、分離部材27の位置決め部41cが定着ベルト21に勢いよく突き当たるという再接触が起きてしまう。
しかしながら、実施形態に係る定着装置10は、保持部材28の第2突出部54が、分離部材27の位置決め部41cに対向して設けられているので、位置決め部41cの定着ベルト21への再接触の際、第2突出部54で定着ベルト21を受けることができる。
その結果、保持部材28の第2突出部54で定着ベルト21への再接触による衝撃が緩和される。
実施形態に係る定着装置10は、上述のように構成されているので、次のような効果が得られる。
実施形態に係る定着装置10は、定着ベルト21、加圧ローラ22、ヒータ23、ニップ形成部材25、支持部材26、一対の分離部材27および一対の保持部材28を備えている。そして、保持部材28が、第1突出部53および第1突出部53の先端の一部分が幅方向の中央に向かってさらに突出するとともに、分離部材27の位置決め部41cと対向する第2突出部54を有している。
この構成により、従来の定着装置において発生していた定着ベルトの座屈や塑性変形の問題が解消されるという効果が得られる。すなわち、従来の定着装置においては、前述のジャム処理の際に、分離部材が浮き上がり押圧ばねの復元力で定着ベルトに対して再接触するとき、復元力によっては定着ベルトが座屈や塑性変形を起こす可能性があった。
実施形態に係る定着装置10においては、この再接触の部分に対して、分離部材27の位置決め部41cと対向する第2突出部54が保持部材28に設けられているので、再接触の際、第2突出部54で定着ベルト21への再接触による衝撃が緩和される。
その結果、従来の定着装置において発生していた定着ベルトの座屈や塑性変形などの損傷の発生を防止することができるという効果が得られる。
また、保持部材28の第2突出部54が、定着ベルト21の回転方向におけるニップ形成部材25よりも前方側に配置されているので、定着ベルト21が駆動されているとき、第2突出部54と定着ベルト21との接触が回避される。
すなわち、定着ベルト21の回転方向のニップ形成部材25よりも前方側は、加圧ローラ22により押し出される側となっているので、比較的、定着ベルト21の張力(N)が低くなっており、いわゆるたるみ側となっている。このようなたるみ状態で定着ベルト21が回転するので、定着ベルト21が第2突出部54に強く接触することがなくなる。
その結果、定着ベルト21と第2突出部54との接触により生ずる摩擦力(N)が減少するので、定着ベルト21の回転抵抗が減少し、定着ベルト21を回転させるトルク(N・m)の上昇を抑制することができるという効果が得られる。
また、実施形態に係る定着装置10においては、この第2突出部54は、図3に示すように、ヒータ23からの輻射熱を反射する反射部材24のヒータ23と対向する側の裏側に形成されている。その結果、ヒータ23からの輻射熱が第2突出部54に直接伝達されないので、保持部材28を高い耐熱性を有する材料の選択をする必要がなく、設計の自由度が高まり、安価でより成形性のある材料を選択することができるという効果が得られる。
また、ヒータ23からの輻射熱が第2突出部54に直接伝達されないので、保持部材28の耐久性が向上するという効果が得られる。
また、この第2突出部54は、支持部材26の裏側、すなわち、支持部材26のヒータ23と対向する収容部26bと反対する反対側に位置するように形成されている。
その結果、反射部材24と同様、ヒータ23からの輻射熱が第2突出部54に直接伝達されないので、保持部材28を高い耐熱性を有する材料の選択をする必要がなく、設計の自由度が高まり、安価でより成形性のある材料を選択することができる。
また、反射部材24の代わりに支持部材26のヒータ23と対向する面に反射効果のある材料を塗布や貼付などの鏡面処理により形成する構造であっても、支持部材26があるので、ヒータ23からの輻射熱が第2突出部54に直接伝達されることはない。したがって、ヒータ23からの輻射熱が第2突出部54に直接伝達されないので、保持部材28の耐久性が向上するという効果が得られる。
また、第2突出部54の静止摩擦係数および動摩擦係数は、第2突出部54以外の部位、例えば、フッ素樹脂コーティングなどの表面処理や異なる材料により、第1突出部53の静止摩擦係数および動摩擦係数よりも小さくなるよう形成されている。
その結果、通常の設計値を有する定着ベルト21と異なる定着ベルトが装着されて、定着ベルトと第2突出部54とが接触し、定着ベルト21が捩れる方向の力が加わっても、前述の摩擦係数が他の部位よりも小さいので、定着ベルト21に捩れが生ずることはない。
したがって、定着ベルト21が円滑に回転し、定着ベルト21の耐久性が高められるという効果が得られる。
また、定着ベルトと第2突出部54とが接触しても、第2突出部54の摩擦係数が他の部位よりも小さいので、定着ベルト21の回転抵抗が減少し、定着ベルト21を回転させるトルク(N・m)の上昇を抑制することができるという効果が得られる。
実施形態に係るカラー画像形成装置1は、定着装置10を備えているので、従来ジャム処理の際に起きる定着ベルトの座屈や塑性変形などの損傷の発生を防止することができるという効果があり、高い耐久性を有するカラー画像形成装置が得られる。
また、定着装置10の保持部材28は、高い耐熱性を有する材料の選択をする必要がなく、設計の自由度が高まり、安価でより成形性のある材料を選択することができるので、より安価で、設計の自由度の高いカラー画像形成装置が得られる。また、定着装置10の保持部材28は、摩擦係数が小さいので、定着ベルト21の耐久性が高められ、耐久性の高いカラー画像形成装置が得られる。
1 カラー画像形成装置(画像形成装置)
10 定着装置
21 定着ベルト(定着部材)
22 加圧ローラ(加圧部材)
23 ヒータ(熱源)
24 反射部材
25 ニップ形成部材
26 支持部材
27 分離部材
28 保持部材
41c 位置決め部
53 第1突出部
54 第2突出部
N ニップ部(ニップ)
S 記録紙(記録媒体)
特開2004−286922号公報 特開2010−96782号公報 特開2009−3410号公報 特開2007−334205号公報 特開2003−91185号公報

Claims (8)

  1. 回転可能に構成され記録媒体の未定着像を定着させる定着部材と、
    前記定着部材を加熱する熱源と、
    前記定着部材を外周側で加圧する加圧部材と、
    前記定着部材の内周側で前記加圧部材と対向してニップを形成するニップ形成部材と、
    前記ニップを通過する前記記録媒体を前記定着部材から分離する分離部材と、
    前記定着部材の前記記録媒体の搬送方向に直交する幅方向の端部を保持する保持部材と、
    を備え、
    前記保持部材が、基端から前記幅方向の中央に向かって突出する第1突出部を有し、
    前記第1突出部の先端の一部分が前記幅方向の中央に向かってさらに突出するとともに、前記分離部材と対向する第2突出部を有することを特徴とする定着装置。
  2. 前記分離部材が、前記幅方向の端部に前記分離部材の分離位置を決める位置決め部を有し、前記保持部材の前記第2突出部が、前記位置決め部と対向して配置されていることを特徴とする請求項1に記載された定着装置。
  3. 前記保持部材の前記第2突出部が、前記定着部材の回転方向における前記ニップ形成部材よりも前方側に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載された定着装置。
  4. 前記熱源からの輻射熱を反射するよう前記熱源と対向して配置された反射部材を有し、
    前記保持部材の前記第2突出部が、前記反射部材の前記熱源と対向する側と反対する反対側に位置することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1の請求項に記載された定着装置。
  5. 前記ニップ形成部材を支持する支持部材を有し、
    前記保持部材の前記第2突出部が、前記支持部材の前記熱源と対向する側と反対する反対側に位置することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1の請求項に記載された定着装置。
  6. 前記保持部材の前記第2突出部の摩擦係数が、前記第1突出部の摩擦係数と異なるよう前記第2突出部が形成されたことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1の請求項に記載された定着装置。
  7. 前記保持部材の前記第2突出部が、前記定着部材と対向する対向面部を有し、前記対向面部にフッ素樹脂がコーティングされていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1の請求項に記載された定着装置。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか1の請求項に記載された定着装置を備えた画像形成装置。
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