1.第1実施形態
(1)自動倉庫システム
(1−1)自動倉庫システムの全体構成
以下、第1実施形態に係る管理サーバについて説明する。本実施形態の管理サーバは、荷物Aの入出庫、移載、保管などを大規模に行う自動倉庫システム100(システムの一例)に関する情報を管理するサーバである。従って、まず、当該管理サーバにより情報が管理される自動倉庫システム100の構成について、図1を用いて説明する。図1は、自動倉庫システムの構成を示す図である。
自動倉庫システム100は、複数の自動倉庫1a〜1gを備える。複数の自動倉庫1a〜1gは、荷物Aの入出庫、移載、保管などを行う。複数の自動倉庫1a〜1gのうち、図1において下方に存在する4台の自動倉庫1a〜1dは、荷物AをバケットBKに収納し、当該バケットBKの入出庫、移載、保管を行う。その上方に存在する2台の自動倉庫1e、1fは、荷物AをパレットPLに収納し、当該パレットPLの入出庫、移載、保管を行う。さらにその上方に存在する1台の自動倉庫1gは、長い幅の荷物A(「長物」と呼ばれることもある)の入出庫、移載、保管を行う。複数の自動倉庫1a〜1gの構成については、後ほど詳しく説明する。
自動倉庫システム100は、秤量器3a、3bを備える。秤量器3a、3bは、自動倉庫システム100が設置されたエリア内において、複数の自動倉庫1a〜1gが配置されたエリアとは別のエリアに配置され、荷物Aを秤量する秤である。
図2に示すように、秤量器3a、3bの荷物Aを載置する台と高さ方向において対向する位置には、それぞれ、カメラCA1、CA2(センサの一例)が設けられる。カメラCA1、CA2は、例えば、CCDセンサなどの画像を撮影するためのセンサを有する装置である。図2は、秤量器に対するカメラの配置の一例を示す図である。
これにより、秤量器3a、3bにて秤量中の荷物Aの画像データ(静止画像、動画)を取得できる。また、秤量器3a、3bには、ライトLIが設けられている。ライトLIは、秤量中の荷物Aに、カメラCA1、CA2にて画像データを取得するための光を照射する。ライトLIは、例えば、LEDライトである。
荷物Aの秤量結果は、各秤量器3a、3bに接続された端末TA1、TA2を介して、上位装置51(後述)に送信される。
自動倉庫システム100は、システム制御管理部5(管理システムの一例)を備える。システム制御管理部5は、複数の自動倉庫1a〜1gの制御、及び、自動倉庫システム100にて扱われる情報の管理を実行するコンピュータシステムである。システム制御管理部5の構成については、後ほど詳しく説明する。
その他、自動倉庫システム100には、各自動倉庫1a〜1gの端部近傍に、アクセスポイントAPが設けられている。アクセスポイントAPは、例えば、無線通信のための中継器である。各自動倉庫1a〜1gのスタッカクレーン13(後述)は、経路に沿って移動するため、スタッカクレーン13に設けられたカメラは、アクセスポイントAPを介して、システム制御管理部5と通信する。
本実施形態において、アクセスポイントAPは、自動倉庫1a〜1gの端部に配置されている。これにより、自動倉庫システム100における配線の施設を安価にできる。
また、自動倉庫システム100は、複数の自動倉庫1a〜1gが配置されたエリアの入口に、カメラCA3〜CA5(センサの一例)が設けられてもよい。カメラCA3〜CA5は、例えば、CCDセンサなどの画像を撮影するためのセンサを有する装置である。カメラCA3〜CA5は、上記の入口から複数の自動倉庫1a〜1gの画像を撮影することにより、各自動倉庫1a〜1gのスタッカクレーン全体を俯瞰できる。
(1−2)自動倉庫の構成
以下、本実施形態の自動倉庫1a〜1gの構成について、図3を用いて説明する。図3は、自動倉庫の構成を示す図である。自動倉庫1a〜1gは、各自動倉庫にて扱う荷物A、バケットBK、パレットPLの寸法によって、これら荷物A等を載置するラック(後述)の寸法が異なること、及び、入庫ステーション15及び/又は出庫ステーション17の配置等が異なること以外、基本構成は同一である。従って、以下、荷物Aを収納したパレットPLを入出庫、移載、及び保管する自動倉庫1eを例にとって、自動倉庫1a〜1gの構成を説明する。
自動倉庫1eは、ラック11a、11bを有する。ラック11a、11bは、荷物Aを収納したパレットPLを保管する施設である。ラック11a、11bは、スタッカクレーン13の走行方向(図3の左右方向)に沿って配置されている。スタッカクレーン13から見て紙面下側にラック11aが配置され、紙面上側にラック11bが配置される。
ラック11a、11bは、それぞれ、複数の棚111a、111bを有している。パレットPLは、この棚111a、111b上に載置されることで、ラック11a、11bに保管される。
自動倉庫1eは、スタッカクレーン13を有する。スタッカクレーン13は、複数の棚111a、111b、入庫ステーション15、及び/又は出庫ステーション17との間でパレットPLを搬送する装置である。具体的には、スタッカクレーン13は、ラック11a、11bの延伸方向に沿って設けられたガイドレール131に沿って移動可能である。
スタッカクレーン13は、図3に示すように、走行台車133と、昇降台135と、移載装置137とを有している。走行台車133は、昇降台135(を装着したマスト(図示せず))をガイドレール131に沿って移動させる装置である。走行台車133は、例えば、ガイドレール131上にて回転する車輪と、当該車輪を回転させるモータと、により構成される。
昇降台135は、走行台車133に設けられたマストに搭載され、当該マストに沿って移動することで高さ方向に昇降する。例えば、昇降台135を吊り下げるチェーンを、モータの出力回転軸に接続されたスプロケットの回転により移動させることにより、昇降台135は、マストに沿って昇降する。
移載装置137は、昇降台135に搭載されており、昇降台135の昇降により高さ方向に移動する。また、移載装置137は、走行台車133がガイドレール131に沿って移動することで、水平方向に移動する。
移載装置137は、スタッカクレーン13から、ラック11a、11bの棚111a、111b、入庫ステーション15、又は出庫ステーション17へと、又はその逆方向にパレットPLを移載する。移載装置137は、例えば、走行台車133の走行方向とは垂直な方向に伸縮することで、棚111a、111b、入庫ステーション15、出庫ステーション17に到達可能なスライドフォークである。
スタッカクレーン13は、システム制御管理部5から受信したパレットPLの入出庫についての指令に基づいて、上記の走行台車133、昇降台135、及び移載装置137を制御するコントローラ(図示せず)を有する。
自動倉庫1eは、入庫ステーション15を有する。入庫ステーション15は、スタッカクレーン13に対して、ラック11aが配置されている側に配置されている。入庫ステーション15は、荷物Aを収納したパレットPLを入庫するコンベヤである。入庫ステーション15は、システム制御管理部5から受信した指令に基づいて、入庫ステーション15を制御するコントローラ(図示せず)を有する。また、入庫ステーション15には、上記のコントローラとは別に、小型のコントローラ(例えば、PLC(Programmable Logic Controller))が設けられている。
自動倉庫1eは、出庫ステーション17を有する。出庫ステーション17は、スタッカクレーン13に対して、ラック11bが配置されている側に配置されている。出庫ステーション17は、荷物Aを収納したパレットPLを出庫するコンベヤである。出庫ステーション17は、システム制御管理部5から受信した指令に基づいて、出庫ステーション17を制御するコントローラ(図示せず)を有する。
上記のように、各自動倉庫1a〜1gにおいて、入庫ステーション15と出庫ステーション17の配置及び形態は異なる。従って、以下、各自動倉庫1a〜1gにおける入庫ステーション15及び出庫ステーション17の構成について説明していく。
バケットBKを扱う自動倉庫1a〜1dにおいては、図4Aに示すように、入庫ステーション15’がラック11b側に配置され、出庫ステーション17’がラック11a側に配置される。また、入庫ステーション15’及び出庫ステーション17’の間には、作業者Wが配置される。バケットBKを入庫する際、作業者Wは、例えばバーコードリーダなどの読取装置RDを用いて、バケットBKの識別情報(例えば、バーコード)と、当該バケットBKに収納する荷物Aの識別情報(例えば、バーコード)をスキャンして読み取る。上位装置51において、読み取られた荷物Aの識別情報と、当該荷物Aを収納するバケットBKの識別情報と、は関連付けられる。これにより、上位装置51は、どのバケットBKにどの荷物Aが収納されたかを把握できる。図4Aは、バケットを扱う自動倉庫における入庫ステーション及び出庫ステーション付近の拡大図である。
図4Aにおいて、紙面上側の図が、入庫ステーション15’及び出庫ステーション17’付近の上面図を示し、紙面下側の図が、入庫ステーション15’及び出庫ステーション17’付近の側面図を示す。
パレットPLを扱う自動倉庫1e、1fにおいては、図4Bに示すように、バケットBKを扱う自動倉庫1a〜1dと同様、各自動倉庫1e、1fの入庫ステーション15及び出庫ステーション17の間に、作業者Wが配置される。パレットPLを入庫する際、作業者Wは、読取装置RDを用いて、パレットPLの識別情報と、当該パレットPLに収納する荷物Aの識別情報と、をスキャンして読み取る。上位装置51において、読み取られた荷物Aの識別情報と、当該荷物Aを収納するパレットPLの識別情報と、は関連付けられる。図4Bは、パレットを扱う自動倉庫における入庫ステーション及び出庫ステーション付近の拡大図である。
図4Bにおいて、紙面上側の図が、入庫ステーション15及び出庫ステーション17付近の上面図を示し、紙面下側の図が、入庫ステーション15及び出庫ステーション17付近の側面図を示す。
一方、長物の荷物Aを扱う自動倉庫1gにおいては、図4Cに示すように、入庫ステーション及び出庫ステーションが共通のコンベヤ15’’となっている。本実施形態において、当該コンベヤ15’’は、ラック11b側に配置されている。図4Cは、長物の荷物を扱う自動倉庫における入庫ステーション及び出庫ステーション付近の拡大図である。
図4Cにおいて、紙面上側の図が、入庫ステーション及び出庫ステーション(コンベヤ15’’)付近の上面図を示し、紙面下側の図が、入庫ステーション及び出庫ステーション(コンベヤ15’’)付近の側面図を示す。
長物の荷物Aを扱う自動倉庫1gにおいては、荷物Aは、例えばフォークリフトFLなどを用いて、入庫ステーション15及び出庫ステーション17の両方の機能を有するコンベヤに載置されるか、または、当該コンベヤから積み下ろされる。長物の荷物Aを入庫する際、例えば、フォークリフトFLにて荷物Aを運搬する前に、読取装置(例えば、バーコードリーダ)を用いて予め荷物Aの識別情報を読み取り、上位装置に送信する。これにより、上位装置は、どの荷物Aを自動倉庫1gに入庫しようとしているかを把握できる。
本実施形態において、各自動倉庫1a〜1gは、スタッカクレーン13における荷物Aなどの搬送状態、棚111a、111bにおける荷物Aなどの保管状態、自動倉庫1a〜1gが扱うバケットBK、パレットPL、荷物Aの状態、などをモニターするためのセンサを有している。
(1−3)自動倉庫におけるセンサの配置
以下、自動倉庫1a〜1gにおけるセンサの具体的な配置位置について、図4A〜図4C、及び、図5A〜図5Cを用いて説明する。図5Aは、バケットを扱う自動倉庫のスタッカクレーンにおけるセンサの配置位置を示す図である。図5Bは、パレットを扱う自動倉庫のスタッカクレーンにおけるセンサの配置位置を示す図である。図5Cは、長物の荷物を扱う自動倉庫のスタッカクレーンにおけるセンサの配置位置を示す図である。
図4A〜図4Cに示すように、入庫ステーション15及び出庫ステーション17付近においては、入庫ステーション15の入口付近に、カメラCA6〜CA8が配置される。カメラCA6〜CA8は、CCDセンサなどの画像を撮影するためのセンサを有する装置である。また、カメラCA6〜CA8は、その稼働中に常時画像データ(動画)を取得し、所定の信号が入力されたときに、当該信号が入力されたタイミングの前後所定時間の画像データを出力する機能を有する。
また、各カメラCA6〜CA8の近傍には、ライトLIが設けられる。ライトLIは、カメラCA6〜CA8の撮影対象に光を照射する、例えば、LEDライトである。
図4A〜図4Cに示すように、カメラCA6〜CA8は、自動倉庫1a〜1gにて扱うバケットBK、パレットPL、荷物Aの大きさに従って、その配置位置が異なっている。
具体的には、図4Aに示すように、バケットBKを扱う自動倉庫1a〜1dにおいては、1つのカメラCA6が、入庫ステーション15’の幅方向の中心に配置される。また、入庫ステーション15’の入庫経路には、バケットBKの識別情報を読み取る読取装置RDが設けられている。当該読取装置RDにて読み取られた識別情報などは、上位装置51及びカメラCA6などのセンサに出力される。これにより、上位装置51は、入庫ステーション15’にてどのバケットBKが入庫されているかを把握できる。また、カメラCA6などのセンサは、当該バケットBKに関するデータの取得タイミングを把握できる。なお、上記の読取装置RDは、出庫ステーション17’の出庫経路に設けられていてもよい。
図4Bに示すように、パレットPLを扱う自動倉庫1e、1fにおいては、2つのカメラCA7が、入庫ステーション15の幅方向に並んで配置される。また、入庫ステーション15の入庫経路には、パレットPLの識別情報を読み取る読取装置RDが設けられている。当該読取装置RDにて読み取られた識別情報などは、上位装置51及びカメラCA7などのセンサに出力される。これにより、上位装置51は、入庫ステーション15にてどのパレットPLが入庫されているかを把握できる。また、カメラCA7などのセンサは、当該パレットPLに関するデータの取得タイミングを把握できる。
さらに、図4Cに示すように、長物の荷物Aを扱う自動倉庫1gにおいては、コンベヤ15’’の幅方向に一対のカメラCA8が設けられ、かつ、荷物Aの長さ方向にも一対のカメラCA8が設けられている。すなわち、自動倉庫1gにおいては、4つのカメラCA8が入庫ステーション15に設けられる。
また、コンベヤ15’’の経路上には、荷物Aの識別情報を読み取る読取装置RDが設けられている。当該読取装置RDにて読み取られた識別情報などは、上位装置51及びカメラCA8などのセンサに出力される。これにより、上位装置51は、コンベヤ15’’にてどの荷物Aが入庫されているかを把握できる。また、カメラCA8などのセンサは、当該荷物Aに関するデータの取得タイミングを把握できる。
このように、カメラCA6〜CA8を、自動倉庫1a〜1gにて取り扱うバケットBK、パレットPL、荷物Aの大きさに従って配置することにより、カメラCA6〜CA8は、バケットBK、パレットPL、荷物Aの全体像を画像データとして取得できる。
カメラCA6〜CA8は、システム制御管理部5と通信可能となっており、取得した画像データをシステム制御管理部5に送信できる。なお、カメラCA6〜CA8とシステム制御管理部5との通信は、有線ネットワークにより実行されてもよいし、アクセスポイントAPなどを介して無線ネットワークにより実行されてもよい。
一方、自動倉庫1a〜1gのスタッカクレーン13にも、カメラが設けられている。これにより、スタッカクレーン13により搬送中のバケットBK、パレットPL、荷物Aの状態(例えば、荷崩れ、荷物Aのはみ出しなど)を把握できる。また、スタッカクレーン13が所定の棚111a、111bに停止したときには、当該棚111a、111bの荷物Aなどの状態をモニターできる。
具体的には、バケットBKを扱う自動倉庫1a〜1dのスタッカクレーン13の昇降台135には、図5Aに示すように、移載装置137のバケットBKが載置される箇所の真上にカメラCA9が設けられる。本実施形態においては、図5Aに示すように、移載装置137は、2つのバケットBKを同時に載置(棚111a、111bに移載)可能となっているので、カメラCA9は、当該バケットBKに対応するよう2台設けられる。バケットBK及び昇降台135(移載装置137)の端部には、ライトLIが設けられる。
パレットPLを扱う自動倉庫1e、1fのスタッカクレーン13の昇降台135には、図5Bに示すように、移載装置137にパレットPLが載置されたときに当該パレットPLの棚111a、111bに近い端部となる位置の真上にカメラCA10が設けられる。また、パレットPLの当該端部に対応する位置、及び、昇降台135の端部には、ライトLIが設けられる。
長物の荷物Aを扱う自動倉庫1gのスタッカクレーン13の昇降台135には、図5Cに示すように、移載装置137の四隅の近傍のそれぞれにカメラCA11が設けられる。また、当該カメラCA11の近傍、及び、昇降台135の端部には、ライトLIが設けられる。
本実施形態において、カメラCA9〜CA11は、例えば、CCDセンサなどの画像を撮影するためのセンサを有する魚眼カメラである。また、カメラCA9〜CA11は、その稼働中に常時画像データ(動画)を取得し、所定の信号が入力されたときに、当該信号が入力されたタイミングより所定時間前から現在までの画像データを出力する機能を有する。カメラCA9〜CA11は、アクセスポイントAPを介した無線通信により、取得した画像データをシステム制御管理部5に送信する。ライトLIは、例えば、LEDライトである。
上記の図5A〜図5Cに示すように、スタッカクレーン13にカメラCA9〜CA11を設けることにより、当該カメラCA9〜CA11により、移載装置137(昇降台135)に載置された搬送中のバケットBK、パレットPL、及び荷物Aの状態をモニターできると同時に、棚111a、111bにおける荷物Aなどの保管状態などもモニターできる。
自動倉庫システム100において、カメラCA1〜CA11以外にも、画像として状態を監視したい対象が存在する場合には、他のカメラが設けられていてもよい。カメラCA1〜CA11を含めた、自動倉庫システム100に設けられたカメラを、カメラCAと呼ぶことにする。
上記のカメラCA以外に、各自動倉庫1a〜1gには、他のセンサSEが設けられる。例えば、各自動倉庫1a〜1gのスタッカクレーン13の昇降台135には、加速度センサなどの振動の大きさを検出するセンサが設けられている。昇降台135にて発生した振動の大きさを測定することにより、例えば、バケットBK、パレットPL、荷物Aの搬送中における荷崩れなどを検出できる。
その他、各自動倉庫1a〜1gには、温湿度センサなどの周囲環境の状態(例えば、温度、湿度など)を測定するセンサを設けてもよい。これにより、例えば、荷物Aなどが適切な環境下で保管されているかを知ることができる。さらに、各自動倉庫1a〜1gには、当該自動倉庫1a〜1gにて発生した音の大きさを測定するセンサ(例えば、マイクなど)が設けられていてもよい。
(1−4)システム制御管理部の構成
(1−4−1)全体構成
以下、本実施形態の自動倉庫システム100に備わるシステム制御管理部5の構成について、図6を用いて説明する。図6は、システム制御管理部の構成を示す図である。図6に示すように、システム制御管理部5は、上位装置51から、複数の自動倉庫1a〜1gを制御するための指令を出力する。当該指令には、どの荷物Aをどの棚111a、111bに入庫するか、及び、どの棚111a、111bからどの荷物Aを出庫するかに関する情報が含まれている。各自動倉庫1a〜1gのスタッカクレーン13は、当該指令に基づいて制御される。
また、システム制御管理部5は、カメラCA、センサSE、読取装置RD、及び/又は、自動倉庫システム100に備わる各種端末(例えば、秤量器3a、3bに接続された端末TA1、TA2、バケットBKを扱う自動倉庫1a〜1dが有する端末TA3など)から、当該機器又は端末にて取得した情報を受信し、管理する。
システム制御管理部5は、上位装置51(外部端末の一例)を有する。上位装置51は、自動倉庫システム100において取り扱う荷物A、自動倉庫システム100の各構成要素、についての管理および制御を行う端末である。
システム制御管理部5は、管理サーバ53を有する。管理サーバ53は、自動倉庫システム100に備わるカメラCA、及び、センサSEなどにて取得された情報を管理するサーバである。また、管理サーバ53は、上位装置51にてユーザが指定した監視対象について、自身が管理している情報を合成して合成情報FIを生成し、当該合成情報FIを上位装置51に送信する。
以下、本実施形態のシステム制御管理部5が有する上位装置51及び管理サーバ53の構成について、詳細に説明していく。
(1−4−2)上位装置の構成
図7に示すように、上位装置51は、プロセッサ511と、RAM512と、ROM513と、ネットワークインターフェース514と、ディスプレイ515と、入力インターフェース516と、記憶装置517と、を有するコンピュータシステムである。図7は、上位装置の構成を示す図である。
プロセッサ511は、記憶装置517などに記憶されたプログラムを実行し、上位装置51において行われる各種情報処理を行う。例えば、プロセッサ511は、記憶装置517に記憶された管理制御情報WM1(後述)に基づいて自動倉庫1a〜1gを制御する指令を生成する。当該指令は、ネットワークインターフェース514を介して、自動倉庫1a〜1gのコントローラ、及び、入庫ステーション15及び出庫ステーション17のコントローラなどに送信される。
また、プロセッサ511は、ディスプレイ515に状態を表示したい監視対象について、ユーザから指定を受け付ける。ユーザにより指定された状態を表示したい監視対象に関する情報を「指定情報」と呼ぶことにする。プロセッサ511は、指定情報に示された監視対象の状態について管理サーバ53が生成した合成情報FIを受信し、当該合成情報FIをディスプレイ515に表示させる処理を実行する。
RAM512は、記憶装置517に記憶されたプログラムなど一時的に必要な情報を記憶する。ROM513は、上位装置51を制御するためのプログラム及び設定などを記憶する。
ネットワークインターフェース514は、外部の端末及び/又は機器などとの通信を実行する。ネットワークインターフェース514は、例えば、有線通信により外部の端末及び/又は機器と通信をするイーサネット(登録商標)カード、及び/又は、無線通信により外部の端末及び/又は機器と通信をする無線LANインターフェースなどである。
ディスプレイ515は、上位装置51についての各種情報を表示する、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどのディスプレイである。入力インターフェース516は、ユーザからの入力を受け付ける、例えば、キーボード、マウス、タッチパネルなどの入力機器である。
記憶装置517は、上位装置51にて実行されるプログラム、及び、管理制御情報WM1を記憶する、例えば、ハードディスク、SSDなどの記憶装置である。
管理制御情報WM1は、自動倉庫システム100を管理及び制御するための各種情報の集合体である。具体的には、管理制御情報WM1は、自動倉庫システム100にて取り扱う荷物A、バケットBK、パレットPLの識別情報、これら荷物A、バケットBK、パレットPLなどの入庫先の棚111a、111bの識別情報、出庫する荷物A、バケットBK、パレットPLなどを保管する棚111a、111bの識別情報、などを含む。また、管理制御情報WM1は、荷物Aについては、荷物Aの入庫日、荷物Aの品番、品名、出荷先、出荷日時、品物の個数などを含む。
さらに、管理制御情報WM1は、自動倉庫システム100の各構成要素、例えば、自動倉庫1a〜1gのスタッカクレーン13、棚111a、111b、入庫ステーション15、出庫ステーション17の配置位置に関する情報、カメラCA、センサSEなどの取り付け位置に関する情報、及び、これらの構成要素の状態(例えば、自動倉庫システム100の稼働情報、入出庫の搬送情報)に関する情報を含む。カメラCA、センサSEなどの取り付け位置に関する情報は、管理サーバ53から取得し、管理制御情報WM1に関連付けられる。
上記の構成を有することにより、上位装置51は、記憶装置517に記憶された管理制御情報WM1を用いて、自動倉庫システム100にて取り扱う荷物Aなど、及び、自動倉庫システム100の各構成要素の管理を実行できる。また、上位装置51は、上記の管理制御情報WM1に基づいて、自動倉庫システム100の各構成要素を制御する指令を生成できる。
(1−4−3)管理サーバの構成
以下、本実施形態の管理サーバ53の構成について説明する。図8に示すように、管理サーバ53は、プロセッサ531と、RAM532と、ROM533と、ネットワークインターフェース534と、記憶装置と、を有するコンピュータシステムである。図8は、管理サーバの構成を示す図である。
プロセッサ531は、第2記憶装置536などに記憶されたプログラムを実行し、管理サーバ53において行われる各種情報処理を行う。具体的には、プロセッサ531は、監視対象の状態を表すセンサ情報SIの第1記憶装置535における存在位置を表すアクセス情報AIを受信する。その後、当該監視対象についての情報(監視対象情報MIと呼ぶことにする)と、上記のアクセス情報AIと、当該アクセス情報AIに示された位置に存在するセンサ情報SIを取得した時刻を表す時刻情報TIと、を互いに関連付けて1つのレコードとし、監視対象データベースDBに記憶する。
また、上位装置51から指定情報を受信したとき、プロセッサ531は、指定情報に対応する監視対象情報MI、すなわち、指定情報に示された監視対象に関する情報と一致する監視対象情報MIを、監視対象データベースDBから検索する。その後、検索して発見された監視対象情報MIに関連付けられたアクセス情報AIを用いて、指定情報により指定されたセンサ情報SIを取得し、当該センサ情報SIと検索により発見された監視対象情報MIとを合成して合成情報FIを生成する。生成した合成情報FIは、ネットワークインターフェース534を介して、指定情報を送信した上位装置51に送信される。
監視対象データベースDBに上記のレコードを記憶する際の管理サーバ53の動作、及び、上位装置51から指定情報を受信したときの管理サーバ53の動作については、後ほど詳しく説明する。
RAM532は、第2記憶装置536に記憶されたプログラムなど一時的に必要な情報を記憶する。ROM533は、管理サーバ53を制御するためのプログラム及び設定などを記憶する。
ネットワークインターフェース534は、外部の端末及び/又は機器などとの通信を実行する。ネットワークインターフェース534は、例えば、有線通信により外部の端末及び/又は機器と通信をするイーサネット(登録商標)カード、及び/又は、無線通信により外部の端末及び/又は機器と通信をする無線LANインターフェースなどである。
本実施形態において、管理サーバ53の記憶装置は、第1記憶装置535と第2記憶装置536と、により構成されている。第1記憶装置535は、ネットワークインターフェース5351を介して、カメラCAにて取得した画像データ、及び、センサSEにて取得した測定データをダウンロードし、センサ情報SIとして記憶する。第1記憶装置535は、例えば、NAS(Network Attached Storage)などのネットワークに接続して使用する記憶装置である。本実施形態において、第1記憶装置535は、複数台設けられている。
第1記憶装置535が複数台設けられる場合において、1つの第1記憶装置535が特定のカメラCA及び/又はセンサSEと関連付けられていてもよい、すなわち、ある特定の第1記憶装置535にデータを記憶できるカメラCA及び/又はセンサSEは固定されていてもよい。または、各カメラCA及び/又はセンサSEは、複数の第1記憶装置535のうち、適切な空き容量がある第1記憶装置535を適宜選択し、当該選択された第1記憶装置535にデータを送信してもよい。
第1記憶装置535は、ネットワークインターフェース5351を介して、管理サーバ53を構成するコンピュータシステム(プロセッサ531、RAM532、ROM533、ネットワークインターフェース534などにより構成されるシステム)とアクセス可能となっている。これにより、管理サーバ53を構成するコンピュータシステムは、ネットワークインターフェース534、5351を介して、第1記憶装置535に記憶されたセンサ情報SIを取得できる。
管理サーバ53を構成するコンピュータシステムからアクセス可能な個別の第1記憶装置535にセンサ情報SIを記憶する構成とすることにより、管理サーバ53は、管理サーバ53を構成するコンピュータシステム内部の第2記憶装置536の記憶容量が大きくなくても、大量のセンサ情報SIを外部の第1記憶装置535にて管理できる。
また、センサ情報SIを外部の第1記憶装置535にて管理することにより、例えば、センサ情報SIの増加に従って、第1記憶装置535を追加するなどの対応をすることができる。その結果、記憶装置の容量不足によりセンサ情報SIを記憶できないといった事態が発生することを回避できる。
第2記憶装置536は、管理サーバ53を構成するコンピュータシステム内部の記憶装置である。第2記憶装置536は、管理サーバ53にて実行されるプログラム、及び、上記の監視対象データベースDBを記憶する、例えば、ハードディスク、SSDなどの記憶装置である。また、第2記憶装置536は、上記のプログラム及びデータベースに加えて、センサ管理情報SMI、及び、記憶装置管理情報HMIを記憶する。
センサ管理情報SMIは、自動倉庫システム100に設けられたカメラCA及びセンサSEを管理するための情報である。センサ管理情報SMIは、例えば、カメラCA及びセンサSEへアクセスするための情報、カメラCA及びセンサSEの設定、カメラCA及びセンサSEが取得したデータを記憶する第1記憶装置535の識別情報、などを含む。
カメラCA及びセンサSEへアクセスするための情報としては、例えば、カメラCA及びセンサSEのネットワークアドレス、ネットワーク上における識別名(ホスト名)、シーケンス番号、カメラCA及びセンサSEにアクセスするためのID・パスワード、などがある。カメラCA及びセンサSEの設定としては、例えば、データの取得条件などがある。
自動倉庫システム100において、カメラCA及びセンサSEの追加、削減、更新などがあった場合に、管理サーバ53は、センサ管理情報SMIを更新し、更新後のセンサ管理情報SMIを、第1記憶装置535、自動倉庫1a〜1gのコントローラなどに通知する。
記憶装置管理情報HMIは、上記の第1記憶装置535を管理するための情報である。記憶装置管理情報HMIは、例えば、第1記憶装置535のネットワークアドレス、ネットワーク上における識別名(ホスト名)、シーケンス番号、空き容量、バージョン情報などを含む。
自動倉庫システム100において、第1記憶装置535の追加、削減、更新などがあった場合に、管理サーバ53は、記憶装置管理情報HMIを更新し、更新後の記憶装置管理情報HMIを、カメラCA及びセンサSEなどに通知する。
監視対象データベースDBは、監視対象に関する情報を管理するためのデータベースである。図9に示すように、監視対象データベースDBの1つのレコードは、監視対象情報MIと、アクセス情報AIと、時刻情報TIと、を有する。1つのレコードにおいて、これらの情報は互いに関連付けられている。図9は、監視対象データベースに記憶される1レコードのデータ構造の一例を示す図である。
監視対象情報MIは、監視対象に関する情報である。監視対象情報MIは、キー情報KIと付加情報ADIとを含む。キー情報KIは、監視対象を特定するための情報である。本実施形態において、管理サーバ53にて管理される監視対象は、荷物A、自動倉庫システム100にて発生するイベント(エラー)、棚111a、111bである。従って、キー情報KIとしては、例えば、荷物A、バケットBK、又はパレットPLの識別情報、自動倉庫システム100において発生したエラー種別、棚111a、111bの識別情報、などがある。後述するように、キー情報KIは、カメラCA及び/又はセンサSEがセンサ情報SIを取得するためのトリガとなる。
付加情報ADIは、キー情報KIに示された監視対象に関する付加的な情報である。キー情報KIが荷物A、バケットBK、又はパレットPLの識別情報であれば、付加情報ADIは、例えば、バケットBK、又は、パレットPLに収納された荷物Aの品番、品名、出荷先、出荷日時、保管先の棚111a、111bの識別情報、などである。
キー情報KIが自動倉庫システム100において発生したエラー種別であれば、付加情報ADIは、例えば、エラーが発生した自動倉庫システム100の構成要素(スタッカクレーン13、入庫ステーション15など)にて搬送中の荷物A、バケットBK、及び/又はパレットPLの識別情報、当該荷物Aの品番、品名、出荷先、出荷日時、などである。
キー情報KIが棚111a、111bの識別情報であれば、付加情報ADIは、例えば、キー情報KIが示す棚111a、111bに保管されている荷物A、バケットBK、又はパレットPLの識別情報、当該荷物Aの品番、品名、出荷先、出荷日時、などである。
その他、付加情報ADIは、関連付けられたキー情報KIに基づいて取得したセンサ情報SIがどのカメラCA又はセンサSEにより取得されたかについての情報、当該カメラCA又はセンサSEの設置位置、などを含んでいてもよい。
アクセス情報AIは、センサ情報SIの第1記憶装置535における存在位置を示す情報である。アクセス情報AIは、例えば、当該センサ情報SIを保存している第1記憶装置535のホスト名、ネットワークアドレス、及び/又はシーケンス番号と、当該第1記憶装置535内における相対パス及びディレクトリ名と、当該センサ情報SIのファイル名と、を含む情報である。
アクセス情報AIは、その他、センサ情報SIに関する追加情報、例えば、ファイル種別(動画データ、静止画データ、通常ファイル、など)と、センサ情報SIのファイルサイズと、を含んでいてもよい。
時刻情報TIは、センサ情報SIが取得された時刻を表す情報である。時刻情報TIは、センサ情報SIを取得したカメラCA又はセンサSEが出力した時刻であってもよい。または、管理サーバ53がセンサ情報SIを取得したタイミングにおいて、管理サーバ53が稼働中の時刻サーバが示す時刻であってもよい。管理サーバ53が稼働している時刻サーバの時刻は、例えば、第1記憶装置535、センサSE及び/又はカメラCAに通知される。これにより、管理サーバ53と、第1記憶装置535と、センサSE及び/又はカメラCAは、共通の時刻を使用できる。その結果、これらの機器毎に時刻のずれが生ずることを回避できる。
上記の構成を有することにより、管理サーバ53は、自動倉庫システム100に設けられた複数のカメラCA及びセンサSEから取得したセンサ情報SIを、上位装置51にて管理されている情報と結びつけて、一元的に管理できる。
他の実施形態において、管理サーバ53は、ユーザからの入力を受け付ける入力インターフェース537を有してもよい。入力インターフェース537は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネルなどの入力機器である。これにより、ユーザは、入力インターフェース537を用いて、管理サーバ53を直接管理できる。
他の実施形態において、管理サーバ53は、ディスプレイ538を有してもよい。ディスプレイ515は、管理サーバ53についての各種情報を表示する、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどのディスプレイである。これにより、ユーザは、例えば、ディスプレイ538に表示された情報を参照しながら、管理サーバ53を管理できる。
なお、管理サーバ53は、上記の入力インターフェース537及び/又はディスプレイ538がなくとも、例えば、ネットワークインターフェース534を介してアクセス可能な端末を用いて、管理サーバ53に関する情報を参照しつつ管理サーバ53を管理できる。
(2)自動倉庫システムの動作
(2−1)概要
以下、本実施形態に係る自動倉庫システム100の動作について説明する。特に、自動倉庫システム100において得られたセンサ情報SIの管理サーバ53による管理方法、及び、上位装置51などの外部端末から指定された監視対象に関するセンサ情報SIの提示方法について詳細に説明する。
(2−2)管理サーバにおけるセンサ情報の管理方法
以下、管理サーバ53におけるセンサ情報SIの管理方法について説明する。まず、センサ情報SIの管理方法の概略について説明する。
自動倉庫システム100が稼働中に、カメラCA及びセンサSEは、監視対象を特定するためのキー情報KIに基づいてセンサ情報SIを取得する。取得されたセンサ情報SIは、キー情報KIとともに管理サーバ53に送信される。
管理サーバ53に送信されたセンサ情報SIは、第1記憶装置535に記憶される。管理サーバ53は、当該センサ情報SIがどの第1記憶装置535のどの位置に保存されたかを、アクセス情報AIとして、例えば、当該センサ情報SIを送信したカメラCA又はセンサSEから取得する。
他の実施形態において、カメラCA及びセンサSEは、センサ情報SIとともにキー情報KIを送信する際に、さらに当該センサ情報SIの第1記憶装置535における保存位置(ファイルパス)の一覧をさらに管理サーバ53に送信してもよい。
さらなる他の実施形態において、管理サーバ53は、取得されたセンサ情報SIとともに受信したキー情報KIを用いて第1記憶装置535を検索することにより、当該センサ情報SIがどの位置に保存されたかを、アクセス情報AIとして取得してもよい。これにより、例えば、第1記憶装置535の入れ替え及び/又は設置数の減少があり、センサ情報SIの保存先が変わった場合でも、適切なアクセス情報AIを取得できる。
また、管理サーバ53は、取得したキー情報KIに示された監視対象についての付加的な情報である付加情報ADIを、上位装置51から取得する。管理サーバ53は、キー情報KIと、付加情報ADIと、アクセス情報AIと、アクセス情報AIが示すセンサ情報SIが取得された時刻を表す時刻情報TIと、を関連付けて1つのレコードとして、監視対象データベースDBに記憶する。
以下、入庫ステーション15、15’、コンベヤ15’’にてセンサ情報SIが取得されたときの当該センサ情報SIの管理方法、スタッカクレーン13にてセンサ情報SIが取得されたときの当該センサ情報SIの管理方法、及び、秤量器3a、3bにてセンサ情報SIが取得されたときのセンサ情報SIの管理方法を例にとり、管理サーバ53におけるセンサ情報SIの管理方法についてより詳しく説明する。
(2−2−1)入庫ステーションにおいて取得されたセンサ情報の管理方法
(i)荷物などが監視対象となる場合
以下、入庫ステーションにおいて取得されたセンサ情報SIの管理方法について、詳細に説明する。まず、入庫ステーション15にて扱われる荷物Aが監視対象となる場合のセンサ情報SIの管理方法について、図10を用いて説明する。図10は、入庫ステーションにて扱われる荷物などを監視対象とした場合のセンサ情報の管理方法の一例を示すフローチャートである。以下においては、パレットPLを扱う自動倉庫1e、1fの入庫ステーション15において、当該パレットPL(及びパレットPLに収納された荷物A)を監視対象とした場合を例にとって説明する。
まず、作業者Wが、パレットPLに収納する荷物Aの識別情報を、読取装置RDなどを用いて読み取る。また、作業者Wは、当該荷物Aを収納したパレットPLの識別情報を、読取装置RDなどを用いて読み取る。これにより、パレットPLの識別情報と、当該パレットPLに収納された荷物Aの識別情報とが関連付けられる。読取装置RDは、パレットPLの識別情報と、当該識別情報と関連付けられた当該パレットPLに収納された荷物Aの識別情報と、を上位装置51に送信する。
荷物Aを収納したパレットPLが入庫ステーション15に設けられた読取装置RDを通過すると、この読取装置RDが、通過したパレットPLの識別情報を読み取る。当該読取装置RDは、読み取ったパレットPLの識別情報を、キー情報KIとして、入庫ステーション15に設けられた小型のコントローラに送信する(ステップS1)。
パレットPLの識別情報をキー情報KIとして受信した入庫ステーション15の小型のコントローラは、受信したパレットPLの識別情報を、入庫ステーション15のメインのコントローラに送信する(ステップS2)。当該メインのコントローラは、受信したパレットPLの識別情報を、上位装置51に送信する(ステップS3)。これにより、上位装置51は、特定のパレットPLが入庫ステーション15にて入庫されることと、当該パレットPLの識別情報と、を把握できる。
また、入庫ステーション15の小型のコントローラは、カメラCA7のコントローラに、上記のステップS1にて受信したパレットPLの識別情報を、キー情報KIとして送信する(ステップS4)。このキー情報KIを受信したカメラCA7のコントローラは、カメラCA7にて画像データを取得可能である場合には、その旨(ACK信号)を、入庫ステーション15の小型のコントローラに送信する(ステップS5)。
読取装置RDとカメラCA7の配置位置がほぼ同じであるか極近傍である場合には、上記のACK信号を受信後に、入庫ステーション15の小型のコントローラは、カメラCA7に、パレットPLが入庫ステーション15を通過している様子を画像データとして取得する指令(取得指令)を送信する(ステップS6)。
一方、読取装置RDとカメラCA7の配置位置が離れている場合には、パレットPLが読取装置RDの配置位置からカメラCA7の配置位置に到達するまでにかかる時間だけ待機後に、入庫ステーション15の小型のコントローラは、上記の取得指令をカメラCA7に送信する。
パレットPLの静止画を画像データとして取得する場合には、入庫ステーション15の小型のコントローラは、上記の取得指令として、静止画を取得するためのシャッタ信号をカメラCA7に送信する。これにより、カメラCA7は、当該シャッタ信号を受信した瞬間の画像データ(静止画)を取得することで、パレットPLがカメラCA7を通過する様子を示す静止画を、センサ情報SIとして取得できる。
一方、パレットPLを撮影した所定の長さの動画を画像データとして取得する場合には、入庫ステーション15の小型のコントローラは、取得指令として、例えば、上記のACK信号を受信してから所定の時間経過後に、所定の長さの動画を撮影するための信号(ドライブレコーダ信号、以下ドラレコ信号と呼ぶことにする)を、カメラCA7に送信する。これにより、カメラCA7は、ドラレコ信号を受信後に動画の記録を停止し、パレットPLがカメラCA7を通過する前後の入庫ステーション15の様子を撮影した動画を、センサ情報SIとして取得できる。
パレットPLがカメラCA7を通過する様子を撮影した静止画又は動画をセンサ情報SIとして取得後、カメラCA7のコントローラは、取得したセンサ情報SIと、上記のステップS4にて取得したパレットPLの識別情報(キー情報KI)と、を管理サーバ53に送信する(ステップS7)。
このとき、カメラCA7のコントローラは、管理サーバ53から通知された記憶装置管理情報HMIを参照し、取得したセンサ情報SIを送信する第1記憶装置535を決定し、当該決定した第1記憶装置535の所定のディレクトリにセンサ情報SIを保存する。
その後、カメラCA7のコントローラは、センサ情報SIの保存先(第1記憶装置535のホスト名又はネットワークアドレスと、当該第1記憶装置535内の相対パス)をアクセス情報AIとして、管理サーバ53に送信する。
一方、上位装置51は、ステップS3にて受信したパレットPLの識別情報から、管理サーバ53に送信する付加情報ADIを選択し、当該選択した付加情報ADIを管理サーバ53に送信する(ステップS8)。具体的には、上位装置51は、パレットPLの識別情報から、当該パレットPLが保管される棚111a、111bの識別情報と、当該パレットPLに収納された荷物Aの識別情報、品番、品名、出荷先、出荷日時と、を付加情報ADIとして選択し、パレットPLの識別情報とともに管理サーバ53に送信する。
なお、上位装置51から管理サーバ53への付加情報ADIの送信は、上記のステップS3にて上位装置51がパレットPLの識別情報を受信後に実行されてもよい。または、管理サーバ53がパレットPLの識別情報とアクセス情報AIとをカメラCA7のコントローラから受信後、管理サーバ53から付加情報ADIの要求があったときに実行されてもよい。
パレットPLの識別情報(キー情報KI)と、センサ情報SIへのアクセス情報AIと、付加情報ADIと、を受信後、管理サーバ53は、キー情報KI(パレットPLの識別情報)と、付加情報ADIと、アクセス情報AIと、上記の時刻情報TIと、を関連付けて1つのレコードとし、当該1つのレコードを監視対象データベースDBに記憶する。
このようにして、管理サーバ53は、特定のパレットPL(及び当該パレットPLに収納された荷物A)を監視対象とした場合のセンサ情報SIと、当該特定のパレットPL(及び収納された荷物A)についての付加情報ADI(例えば、荷物Aの品番、品名、出荷先、出荷日時など)と、センサ情報SIを取得した時刻情報TIと、を一元的に管理できる。
(ii)入庫ステーションにおいて発生したエラーを監視対象とした場合
次に、入庫ステーション15において発生したエラー(イベントの一例)を監視対象とした場合のセンサ情報SIの管理方法について、図11を用いて説明する。図11は、入庫ステーションにおいて発生したエラーを監視対象とした場合のセンサ情報の管理方法の一例を示すフローチャートである。以下では、入庫ステーション15に設けられた読取装置RDが、入庫ステーション15を通過中のパレットPLの識別情報を適切に読み取ることができなかった場合を例にとり、センサ情報SIの管理方法を説明する。
入庫ステーション15に設けられた読取装置RDが、入庫ステーション15を通過中のパレットPLの識別情報を適切に読み取ることができなかった場合、当該読取装置RDは、入庫ステーション15の小型のコントローラにエラー(ノーリードエラー)をキー情報KIとして送信する(ステップS11)。
ノーリードエラーをキー情報KIとして受信した入庫ステーション15の小型のコントローラは、ノーリードエラーをキー情報KIとして上位装置51に送信する(ステップS12)。これにより、上位装置51は、入庫ステーション15にてエラーが発生したことを把握できる。
また、入庫ステーション15の小型のコントローラは、上記のノーリードエラーをキー情報KIとしてカメラCA7に送信する(ステップS13)。このキー情報KIを受信したカメラCA7のコントローラは、カメラCA7にて画像データを取得可能である場合には、ACK信号を、入庫ステーション15の小型のコントローラに送信する(ステップS14)。
上記のACK信号を受信後、入庫ステーション15の小型のコントローラは、カメラCA7に、パレットPLが入庫ステーション15を通過している様子を画像データとして取得する取得指令(シャッタ信号、又は、ドラレコ信号)を送信する(ステップS15)。
識別情報を読み取れなかったパレットPLがカメラCA7を通過する様子を撮影した静止画又は動画をセンサ情報SIとして取得後、カメラCA7のコントローラは、取得したセンサ情報SIと、上記のステップS13にて取得したノーリードエラー(キー情報KI)と、を管理サーバ53に送信する(ステップS16)。
このとき、カメラCA7のコントローラは、管理サーバ53から通知された記憶装置管理情報HMIを参照し、取得したセンサ情報SIを送信する第1記憶装置535を決定し、当該決定した第1記憶装置535の所定のディレクトリにセンサ情報SIを保存する。
その後、カメラCA7のコントローラは、センサ情報SIの保存先(第1記憶装置535のホスト名又はネットワークアドレスと、当該第1記憶装置535内の相対パス)をアクセス情報AIとして、管理サーバ53に送信する。
一方、上位装置51は、例えば、ステップS12にて受信したノーリードエラーの内容に基づいて、識別情報を読み取れなかったパレットPLの識別情報と、当該パレットPLに収納されている荷物Aを特定する。上記のように、パレットPLを自動倉庫1e、1fにて入庫する場合、パレットPLの識別情報と、当該パレットPLに収納する荷物Aの識別情報は、作業者Wにより入庫前に読み取られている。また、当該読み取られた識別情報は、上位装置51に送信されている。
従って、上位装置51は、例えば、ノーリードエラーが発生した入庫ステーション15と、ノーリードエラーの発生時刻とに基づいて、入庫ステーション15に設けられた読取装置RDが識別情報を読み取れなかったパレットPLと、当該パレットPLに収納されている荷物Aと、を特定できる。
なお、識別情報を読み取ることができなかったパレットPLは、入庫ステーション15から他のエリア(専用エリア)へと移動される。その後、作業者Wにより、当該パレットPLの識別情報の再読取、及び/又は、新たな識別情報を当該パレットPLに付する作業が実行される。
識別情報を読み取れなかったパレットPLを特定後、上位装置51は、特定されたパレットPLが保管される棚111a、111bの識別情報と、特定されたパレットPLに収納されている荷物Aの識別情報、品番、品名、出荷先、出荷日時と、を付加情報ADIとして選択し、ノーリードエラー(キー情報KI)とともに管理サーバ53に送信する(ステップS17)。
ノーリードエラー(キー情報KI)と、センサ情報SIへのアクセス情報AIと、付加情報ADIと、を受信後、管理サーバ53は、キー情報KI(ノーリードエラー)と、付加情報ADIと、アクセス情報AIと、上記の時刻情報TIと、を関連付けて1つのレコードとし、当該1つのレコードを監視対象データベースDBに記憶する。
このようにして、管理サーバ53は、ノーリードエラーの発生を監視対象とした場合のセンサ情報SIと、識別情報を読み取れなかったパレットPL(及び収納された荷物A)についての付加情報ADI(例えば、荷物Aの品番、品名、出荷先、出荷日時など)と、センサ情報SIを取得した時刻情報TIと、を一元的に管理できる。
(2−2−2)スタッカクレーンにおいて取得されたセンサ情報の管理方法
(i)荷物などが監視対象となる場合
次に、スタッカクレーン13において取得されたセンサ情報SIの管理方法について、詳細に説明する。まず、スタッカクレーン13において取り扱われる荷物A、バケットBK、又はパレットPLが監視対象となる場合のセンサ情報SIの管理方法について、図12を用いて説明する。図12は、スタッカクレーンにおいて取り扱われる荷物などが監視対象となる場合のセンサ情報の管理方法の一例を示すフローチャートである。以下においては、パレットPLを扱う自動倉庫1e、1fにおいてパレットPLの識別情報がキー情報KIとして発出された場合を例にとって説明する。
まず、上位装置51が、スタッカクレーン13にて搬送するパレットPLの識別情報を、キー情報KIとして、スタッカクレーン13のコントローラに送信する(ステップS21)。
その後、受信した識別情報にて識別されるパレットPLが入庫ステーション15からスタッカクレーン13への移載が可能な位置に到達したら、スタッカクレーン13のコントローラは、スタッカクレーン13に対して、当該パレットPLの搬送指示を出力する(ステップS22)。当該搬送指示には、スタッカクレーン13にて搬送するパレットPLの識別情報が含まれている。これにより、スタッカクレーン13は、パレットPLの搬送を開始する。
また、搬送指示を受信したスタッカクレーン13は、搬送指示に含まれるパレットPLの識別情報を、キー情報KIとしてカメラCA10に送信する(ステップS23)。このキー情報KIを受信したカメラCA10のコントローラは、カメラCA10にて画像データを取得可能である場合には、ACK信号を、スタッカクレーン13に送信する(ステップS24)。
上記のACK信号を受信後、スタッカクレーン13は、カメラCA10に、スタッカクレーン13の昇降台135に載置された搬送中のパレットPLの様子を画像データとして取得する取得指令を送信する(ステップS25)。
パレットPLの静止画を画像データとして取得する場合には、スタッカクレーン13は、上記の取得指令として、静止画を取得するためのシャッタ信号をカメラCA10に送信する。これにより、カメラCA10は、当該シャッタ信号を受信した瞬間の画像データ(静止画)を取得することで、昇降台135に載置されているパレットPLの様子を示す静止画を、センサ情報SIとして取得できる。
一方、パレットPLを撮影した動画を画像データとして取得する場合には、スタッカクレーン13は、取得指令として、例えば、上記のACK信号を受信してから所定の時間経過後に、所定の長さの動画を撮影するためのドラレコ信号を、カメラCA10に送信する。これにより、カメラCA10は、ドラレコ信号を受信後に動画の記録を停止し、パレットPLが昇降台135に載置されて搬送される様子を撮影した動画を、センサ情報SIとして取得できる。
パレットPLがスタッカクレーン13にて搬送される様子を撮影した静止画又は動画をセンサ情報SIとして取得後、カメラCA10のコントローラは、取得したセンサ情報SIと、上記のステップS23にて取得したパレットPLの識別情報(キー情報KI)と、を管理サーバ53に送信する(ステップS26)。
このとき、カメラCA10のコントローラは、管理サーバ53から通知された記憶装置管理情報HMIを参照し、取得したセンサ情報SIを送信する第1記憶装置535を決定し、当該決定した第1記憶装置535の所定のディレクトリにセンサ情報SIを保存する。
その後、カメラCA10のコントローラは、センサ情報SIの保存先(第1記憶装置535のホスト名又はネットワークアドレスと、当該第1記憶装置535内の相対パス)をアクセス情報AIとして、管理サーバ53に送信する。
一方、上位装置51は、ステップS21にて送信したパレットPLの識別情報から、管理サーバ53に送信する付加情報ADIを選択し、当該選択した付加情報ADIを管理サーバ53に送信する(ステップS27)。具体的には、上位装置51は、パレットPLの識別情報から、当該パレットPLが保管される棚111a、111bの識別情報と、当該パレットPLに収納された荷物Aの識別情報、品番、品名、出荷先、出荷日時と、を付加情報ADIとして選択し、パレットPLの識別情報とともに管理サーバ53に送信する。
パレットPLの識別情報(キー情報KI)と、センサ情報SIへのアクセス情報AIと、付加情報ADIと、を受信後、管理サーバ53は、キー情報KI(パレットPLの識別情報)と、付加情報ADIと、アクセス情報AIと、上記の時刻情報TIと、を関連付けて1つのレコードとし、当該1つのレコードを監視対象データベースDBに記憶する。
このようにして、管理サーバ53は、スタッカクレーン13にて搬送中のパレットPL(及び当該パレットPLに収納された荷物A)を監視対象とした場合のセンサ情報SIと、当該パレットPL(及び収納された荷物A)についての付加情報ADI(例えば、荷物Aの品番、品名、出荷先、出荷日時など)と、センサ情報SIを取得した時刻情報TIと、を一元的に管理できる。
(ii)棚が監視対象となる場合
スタッカクレーン13では、ある1つの棚111a、111bから他の棚111a、111bへの荷物A、バケットBK、パレットPLの移動(棚卸と呼ぶことにする)が行われる場合がある。この場合、棚卸したいパレットPLなどが保管されている棚卸元の棚111a、111bの識別情報と、当該パレットPLなどの棚卸先の棚111a、111bの識別情報と、棚卸元の棚111a、111bから棚卸先の棚111a、111bに到達するまでに通過する棚111a、111bの識別情報と、がキー情報KIとなる。すなわち、スタッカクレーン13を稼働することにより、棚111a、111bを監視対象とできる。
以下、棚111a、111bを監視対象とした場合のセンサ情報SIの管理方法について、図13を用いて説明する。図13は、棚を監視対象とした場合のセンサ情報の管理方法の一例を示すフローチャートである。以下においては、パレットPLを扱う自動倉庫1e、1fにおいて棚111a、111bの識別情報がキー情報KIとして発出された場合を例にとって説明する。
まず、上位装置51が、上記の棚111a、111bの識別情報を含んだキー情報KIを、スタッカクレーン13のコントローラに送信する(ステップS31)。
スタッカクレーン13のコントローラは、キー情報KIを受信後、スタッカクレーン13に、棚卸指示を出力する(ステップS32)。この棚卸指示には、キー情報KIが含まれている。従って、当該棚卸指示を受信したスタッカクレーン13は、キー情報KIに含まれている棚卸元の棚111a、111bの識別情報から、棚卸元の棚111a、111bの配置位置を特定する。
その後、棚卸指示を受信したスタッカクレーン13は、キー情報KIから特定した、棚卸元の棚111a、111bの配置位置に、走行台車133及び昇降台135を移動させる。
また、棚卸指示を受信したスタッカクレーン13は、棚卸指示に含まれる棚111a、111bの識別情報を、キー情報KIとしてカメラCA10に送信する(ステップS33)。このキー情報KIを受信したカメラCA10のコントローラは、カメラCA10にて画像データを取得可能である場合には、ACK信号を、スタッカクレーン13に送信する(ステップS34)。
上記のACK信号を受信して、棚卸元の棚111a、111bの配置位置に走行台車133及び昇降台135が到達後、スタッカクレーン13は、カメラCA10に対して、パレットPLを棚卸元の棚111a、111bから昇降台135へ移載して、棚卸先の棚111a、111bに当該パレットPLを載置するまでの一連の棚卸作業を、動画として取得するドラレコ信号を送信する(ステップS35)。
これにより、カメラCA10は、棚卸元の棚111a、111bにおけるパレットPLの保管状態と、棚卸先の棚111a、111bにおけるパレットPLの保管状態に加えて、棚卸元の棚111a、111bから棚卸先の棚111a、111bに到達するまでに通過する棚111a、111bにおけるパレットPLの保管状態を示す動画を、センサ情報SIとして取得できる。
パレットPLの一連の棚卸作業の様子を撮影した動画をセンサ情報SIとして取得後、カメラCA10のコントローラは、取得したセンサ情報SIと、上記のステップS33にて取得した棚111a、111bの識別情報(キー情報KI)と、を管理サーバ53に送信する(ステップS36)。
このとき、カメラCA10のコントローラは、管理サーバ53から通知された記憶装置管理情報HMIを参照し、取得したセンサ情報SIを送信する第1記憶装置535を決定し、当該決定した第1記憶装置535の所定のディレクトリにセンサ情報SIを保存する。
その後、カメラCA10のコントローラは、センサ情報SIの保存先(第1記憶装置535のホスト名又はネットワークアドレスと、当該第1記憶装置535内の相対パス)をアクセス情報AIとして、管理サーバ53に送信する。
一方、上位装置51は、ステップS31にて送信した棚111a、111bの識別情報から、管理サーバ53に送信する付加情報ADIを選択し、当該選択した付加情報ADIを管理サーバ53に送信する(ステップS37)。具体的には、上位装置51は、棚卸対象のパレットPLの識別情報と、当該パレットPLに収納された荷物Aの識別情報、品番、品名、出荷先、出荷日時と、を付加情報ADIとして送信する。それに加えて、付加情報ADIには、棚卸元の棚111a、111bから棚卸先の棚111a、111bに到達するまでに通過した各棚111a、111bに保管されたパレットPLの識別情報と、当該パレットPLに収納された荷物Aの識別情報、品番、品名、出荷先、出荷日時と、を含んでいる。
パレットPLの識別情報(キー情報KI)と、センサ情報SIへのアクセス情報AIと、付加情報ADIと、を受信後、管理サーバ53は、キー情報KI(パレットPLの識別情報)と、付加情報ADIと、アクセス情報AIと、上記の時刻情報TIと、を関連付けて1つのレコードとし、当該1つのレコードを監視対象データベースDBに記憶する。
このようにして、管理サーバ53は、棚卸対象のパレットPLと、棚卸作業中に通過した各棚111a、111bとを監視対象とした場合のセンサ情報SIと、当該パレットPL及び棚111a、111bについての付加情報ADIと、センサ情報SIを取得した時刻情報TIと、を一元的に管理できる。
(iii)スタッカクレーンにおいて発生したエラーを監視対象とする場合
次に、スタッカクレーン13において発生したエラー(イベントの一例)を監視対象とする場合のセンサ情報SIの管理方法について、図14を用いて説明する。図14は、スタッカクレーンにおいて発生したエラーを監視対象とする場合のセンサ情報の管理方法の一例を示すフローチャートである。以下においては、スタッカクレーン13において、昇降台135からパレットPLがはみ出した場合を例にとって、センサ情報SIの管理方法を説明する。
なお、スタッカクレーン13においては、昇降台135からパレットPLなどがはみ出す場合だけでなく、パレットPLに収納された荷物Aが崩れる荷崩れが発生した場合もエラーが発生する。スタッカクレーン13において荷崩れが発生した場合にも、以下と同様にして、荷崩れを監視対象として、荷崩れの様子を示すセンサ情報SIを取得し管理できる。
例えば、スタッカクレーン13に設けられたセンサSEが、昇降台135からパレットPLがはみ出した状態を検出したとき、スタッカクレーン13は、荷はみ出しのエラーや搬送していたパレットや荷物の識別情報をキー情報KIとして、上位装置51に送信する(ステップS41)。また、スタッカクレーン13は、当該荷はみ出しのエラーをキー情報KIとして、カメラCA10に送信する(ステップS42)。このキー情報KIを受信したカメラCA10のコントローラは、カメラCA10にて画像データを取得可能である場合には、ACK信号を、スタッカクレーン13に送信する(ステップS43)。
上記のACK信号を受信後、スタッカクレーン13は、カメラCA10に、当該ACK信号の受信前から現在までの動画を取得するドラレコ信号を送信する(ステップS44)。これにより、カメラCA10は、センサSEなどにより荷はみ出しが検出される前のパレットPLの様子を撮影した動画、すなわち、荷はみ出しエラーのイベントが発生した前後の荷はみ出しの状態を撮影したデータ部分を、センサ情報SIとして取得できる。
荷はみ出しの様子を撮影した動画をセンサ情報SIとして取得後、カメラCA7のコントローラは、取得したセンサ情報SIと、上記のステップS42にて取得した荷はみ出しのエラーや搬送していたパレットや荷物の識別情報(キー情報KI)と、を管理サーバ53に送信する(ステップS45)。このとき、荷はみ出しを検出したセンサSEは、荷はみ出しを検出したときのセンサSEの測定結果を、センサ情報SIとして管理サーバ53に送信してもよい。
このとき、カメラCA10(及びセンサSE)のコントローラは、管理サーバ53から通知された記憶装置管理情報HMIを参照し、取得したセンサ情報SIを送信する第1記憶装置535を決定し、当該決定した第1記憶装置535の所定のディレクトリにセンサ情報SIを保存する。
その後、カメラCA10(及びセンサSE)のコントローラは、センサ情報SIの保存先(第1記憶装置535のホスト名又はネットワークアドレスと、当該第1記憶装置535内の相対パス)をアクセス情報AIとして、管理サーバ53に送信する。
一方、上位装置51は、例えば、ステップS41にて受信した荷はみ出しのエラーの内容に基づいて、荷はみ出ししたパレットPLの識別情報と、当該パレットPLに収納されている荷物Aを特定する。上記のように、パレットPLを自動倉庫1e、1fにて入庫する場合、パレットPLの識別情報と、当該パレットPLに収納する荷物Aの識別情報は、作業者Wにより入庫前に読み取られている。また、当該読み取られた識別情報は、上位装置51に送信されている。
従って、上位装置51は、例えば、荷はみ出しのエラーが発生した入庫ステーション15と、荷はみ出しのエラーの発生時刻とに基づいて、荷はみ出ししたパレットPLと、当該パレットPLに収納されている荷物Aと、を特定できる。
また、上位装置51は、パレットPL等の搬送指令を生成しており、どのパレットPLがどのタイミングで搬送中であるかを把握している。従って、他の実施形態において、上位装置51は、荷はみ出しのエラーの発生時刻と搬送指令とに基づいて、荷はみ出ししたパレットPLと当該パレットPLに収納されている荷物Aとを特定してもよい。
荷はみ出ししたパレットPLを特定後、上位装置51は、特定されたパレットPLが保管される棚111a、111bの識別情報と、特定されたパレットPLに収納されている荷物Aの識別情報、品番、品名、出荷先、出荷日時と、を付加情報ADIとして選択し、荷はみ出しのエラー(キー情報KI)とともに管理サーバ53に送信する(ステップS46)。
荷はみ出しのエラー(キー情報KI)と、センサ情報SIへのアクセス情報AIと、付加情報ADIと、を受信後、管理サーバ53は、キー情報KI(荷はみ出しのエラー)と、付加情報ADIと、アクセス情報AIと、上記の時刻情報TIと、を関連付けて1つのレコードとし、当該1つのレコードを監視対象データベースDBに記憶する。
このようにして、管理サーバ53は、荷はみ出しのエラーを監視対象とした場合のセンサ情報SIと、荷はみ出ししたパレットPL(及び収納された荷物A)についての付加情報ADI(例えば、荷物Aの品番、品名、出荷先、出荷日時など)と、センサ情報SIを取得した時刻情報TIと、を一元的に管理できる。
(2−2−3)秤量器において取得されたセンサ情報の管理方法
以下、秤量器3a、3bにより取得されたセンサ情報SIの管理方法について、図15を用いて説明する。図15は、秤量器により取得されたセンサ情報の管理方法の一例を示すフローチャートである。
例えば、作業者Wが、秤量器3a、3bにて秤量したい荷物Aの識別情報を端末TA1、TA2に入力する。当該端末TA1、TA2は、入力された荷物Aの識別情報を、キー情報KIとして上位装置51に送信する(ステップS51)。
端末TA1、TA2に秤量したい荷物Aの識別情報をキー情報KIとして入力後、作業者Wは、秤量したい荷物Aを秤量器3a、3bに載置して、当該荷物Aを秤量する。また、端末TA1、TA2は、秤量中の荷物Aの画像データを取得する取得指令と、秤量中の荷物Aの識別情報と、をカメラCA1、CA2に送信する(ステップS52)。
上記の取得指令を受信したカメラCA1、CA2は、秤量中の荷物Aの画像データ(動画、静止画)を取得する。秤量中の荷物Aの画像データを取得後、当該画像データと、荷物Aの秤量結果とをセンサ情報SIとして、荷物Aの識別情報とともに管理サーバ53に送信する(ステップS53)。センサ情報SIは、第1記憶装置535に記憶される。
一方、上位装置51は、ステップS51にて受信した荷物Aの識別情報から、管理サーバ53に送信する付加情報ADIを選択し、当該選択した付加情報ADIを管理サーバ53に送信する(ステップS54)。具体的には、上位装置51は、識別情報に示された荷物Aの品番、品名、出荷先、出荷日時と、を付加情報ADIとして選択し、荷物Aの識別情報とともに管理サーバ53に送信する。
荷物Aの識別情報(キー情報KI)と、センサ情報SIへのアクセス情報AIと、付加情報ADIと、を受信後、管理サーバ53は、キー情報KI(荷物Aの識別情報)と、付加情報ADIと、アクセス情報AIと、上記の時刻情報TIと、を関連付けて1つのレコードとし、当該1つのレコードを監視対象データベースDBに記憶する。
このようにして、管理サーバ53は、秤量対象の荷物Aを監視対象とした場合のセンサ情報SI(秤量結果、秤量中の荷物Aの画像)と、当該荷物Aについての付加情報ADI(例えば、荷物Aの品番、品名、出荷先、出荷日時など)と、センサ情報SIを取得した時刻情報TIと、を一元的に管理できる。
(2−3)外部端末にて指定された監視対象に関するセンサ情報の提示方法
以下、上位装置51などの外部端末から指定のあった監視対象に関するセンサ情報SIについて、管理サーバ53にて管理しているセンサ情報SIを外部端末に提示する方法について説明する。まず、センサ情報SIの提示方法の概略について説明する。
上位装置51などの外部端末を用いて、管理サーバ53にて管理しているセンサ情報SIを閲覧したい場合、当該外部端末において、センサ情報SIを閲覧するためのアプリケーションプログラムを起動する。当該ソフトウェアは、ウェブブラウザであってもよいし、専用のアプリケーションソフトウェアであってもよい。
上記のアプリケーションプログラム等が起動すると、当該プログラムは、管理サーバ53にて管理しているセンサ情報SIのリストを、監視対象データベースDBからダウンロードする。その後、外部端末のディスプレイに、センサ情報SIに関連付けられている監視対象情報MIと、時刻情報TIと、がリスト表示される。
外部端末に表示されるセンサ情報SIのリストは、監視対象データベースDBに記憶されているリストのうち、例えば、外部端末を使用するユーザがキーワードを用いて対象を絞り込んだリストであってもよい。
外部端末を使用するユーザは、外部端末に表示されているリストから、所望の監視対象を選択する。ユーザにより選択された監視対象に関する情報は、指定情報として、管理サーバ53に送信される。
外部端末から指定情報を受信した管理サーバ53は、受信した指定情報に示された監視対象に関する情報と一致する監視対象情報MIを、監視対象データベースDBを検索して見つけ出す。その後、発見された監視対象情報MIに関連付けられたアクセス情報AIを用いて、指定情報により指定された監視対象の状態を示すセンサ情報SIを取得し、当該センサ情報SIと検索により発見された監視対象情報MIとを合成して合成情報FIを生成する。管理サーバ53は、生成した合成情報FIを、指定情報を送信した外部端末に送信する。
本実施形態において、センサ情報SIは、過去に取得され管理サーバ53により管理されているセンサ情報SIのうち指定情報にて指定されたものの提示、自動倉庫システム100の指定情報にて指定された機器等の稼働状況の提示、トラブルレポートの作成、との形態で提示される。以下、それぞれのセンサ情報SIの提示方法について詳細に説明していく。
(2−3−1)過去に取得されたセンサ情報の提示方法
以下、過去に取得され、管理サーバ53により管理されているセンサ情報SIの提示方法について、図16を用いて説明する。図16は、管理サーバにより管理されているセンサ情報の提示方法を示すフローチャートである。以下においては、外部端末として上位装置51を用いた場合を例にとって、過去に取得されたセンサ情報SIの提示方法を説明する。
まず、ユーザは、上位装置51にて過去に取得されたセンサ情報SIをディスプレイ515に表示する閲覧ソフトウェアを起動する(ステップS101)。当該閲覧ソフトウェアを実行しているプロセッサ511は、管理サーバ53に対して、現在管理しているセンサ情報SIのリストを送信するよう要求する(ステップS102)。
ステップS102において、プロセッサ511は、管理サーバ53が管理している全てのセンサ情報SIのリスト、すなわち、監視対象データベースDBの全てのレコードを要求してもよい。または、プロセッサ511は、閲覧ソフトウェアを介して、ユーザに対して閲覧したい監視対象を絞り込ませてもよい。
上記リストの要求を受信した管理サーバ53は、要求されたリストに対応した監視対象データベースDBのレコードを、上位装置51に送信する(ステップS103)。全てのリストの要求があった場合には、監視対象データベースDBに記憶されている全てのレコードを上位装置51に送信する。一方、ユーザによりリスト表示したい監視対象の指定があった場合には、当該指定された監視対象に関連するレコードを監視対象データベースDBから見つけ出し、上位装置51に送信する。
上記のリスト(レコード)を受信後、上位装置51は、図17に示すように、受信したリストをディスプレイ515に表示する(ステップS104)。図17に示す例では、自動倉庫システム100において発生したトラブル(エラー)の発生日時(発生日時)と、当該トラブルが発生した箇所(設備区分)と、当該箇所の制御を担当するブロック(制御ブロック)と、具体的なトラブルの内容(異常内容)と、トラブルが発生したときに取得したセンサ情報SIを閲覧するためのボタン(「画像」の箇所に表示)と、が表示されている。図17は、監視対象のリストを表示したときのディスプレイ画面の一例を示す図である。
図17に示すようなリスト表示においては、上記以外にも、例えば、荷物A、バケットBK、パレットPLの識別情報、荷物Aの品番、品名、出荷先、出荷日時、などの情報が表示されていてもよい。これにより、センサ情報SIを閲覧したい監視対象をより選択しやすくなる。
上位装置51のディスプレイ515にリストを表示後、上位装置51のユーザは、例えば、リスト表示の「画像」の箇所に表示されているボタン(画像)をクリックして、センサ情報SIを閲覧したい監視対象を指定する(ステップS105)。
上位装置51のプロセッサ511は、ユーザにより指定されたリストについて、当該リストに関連付けられていた監視対象に関する情報を指定情報として、管理サーバ53に送信する(ステップS106)。指定情報には、監視対象データベースDBの1つのレコードに含まれる情報のうち、監視対象情報MI及び時刻情報TIが含まれていてもよいし、監視対象情報MI及び/又は時刻情報TIの一部の情報のみが含まれていてもよい。
指定情報に含める情報は、例えば、管理サーバ53における監視対象データベースDBの検索の効率性などに基づいて、適宜決定できる。
管理サーバ53のプロセッサ531は、上記の指定情報を受信後、受信した指定情報に対応する監視対象情報MIを、監視対象データベースDBを探索して見つけ出す(ステップS107)。具体的には、監視対象データベースDBに記憶されたレコードのうち、指定情報に含まれる情報と一致する監視対象情報MI、及び/又は、時刻情報TIが含まれるレコードを検索により見つけ出す。
指定情報に対応する監視対象情報MI、及び/又は、時刻情報TIを発見後、管理サーバ53のプロセッサ531は、当該監視対象情報MIなどに関連付けられたアクセス情報AIを特定する(ステップS108)。
その後、プロセッサ531は、当該アクセス情報AIと、必要に応じて記憶装置管理情報HMIと、を用いて、指定情報に対応する監視対象情報MIに示された監視対象についてのセンサ情報SIが保存されている第1記憶装置535のホスト名及び/又はネットワークアドレスと、当該第1記憶装置535のディレクトリ名(相対パス)と、を特定する。
プロセッサ531は、ネットワークインターフェース534、5351を介して、当該特定した第1記憶装置535の特定したディレクトリにアクセスし、当該ディレクトリに保存されているセンサ情報SIをダウンロードする(ステップS109)。これにより、管理サーバ53は、指定情報により指定された監視対象に関するセンサ情報SIを、第1記憶装置535から取得できる。
なお、ダウンロードしたセンサ情報SIは、例えば、第2記憶装置536のキャッシュ領域又は一時保存領域などに保存される。
その後、プロセッサ531は、指定情報に対応する監視対象情報MIと、当該監視対象情報MIに関連付けられたセンサ情報SI、すなわち、ステップS109にて取得したセンサ情報SIと、を合成して合成情報FIを生成する(ステップS110)。
本実施形態において、閲覧したいセンサ情報SIが静止画又は動画といった画像データである場合には、プロセッサ531は、画像データであるセンサ情報SIに、監視対象情報MIの内容をオーバーレイして、監視対象情報MIを文字情報により視覚的に表した合成情報FIを作成する。
また、閲覧したいセンサ情報SIが動画データである場合には、プロセッサ531は、当該動画データにおいて、監視対象が映し出されるタイミングで、当該監視対象に関する監視対象情報MIをオーバーレイして表示するよう、合成情報FIを生成する。
具体的には、例えば、プロセッサ531は、画像処理ソフトウェアを実行して、センサ情報SIにおいて所望の監視対象が映し出されているコマに、当該所望の監視対象に関する監視対象情報MIの文字情報を映し出す画像をオーバーレイ処理することで、図18に示すような合成情報FIを生成できる。図18は、動画データに監視対象情報をオーバーレイして作成した合成情報の一例を示す図である。
図18に示す合成情報FIは、スタッカクレーン13にて搬送中の荷物A、パレットPL、又はバケットBKの状態を示す動画である。当該動画においては、スタッカクレーン13にて搬送中の荷物A(または、パレットPL又はバケットBKに収納されている荷物A)の識別情報、品番、品名、出荷先、出荷日時が、監視対象情報MI(付加情報ADI)として表示されている。
また、当該動画において、スタッカクレーン13にて搬送中の荷物Aなどが昇降台135からはみ出した(荷はみ出しのエラー(イベント)が発生)状態が映し出されたタイミングにおいて、「走行中荷はみ出し検知」との強調表示された文字情報が、監視対象情報MI(キー情報KI)として表示される。また、キー情報KIとして、「走行中荷はみ出し検知」を表すエラーコードと、荷はみ出しが発生した時刻と、が表示される。
上記のようにして合成情報FIを生成後、管理サーバ53のプロセッサ531は、ネットワークインターフェース534、514を介して、上位装置51に生成した合成情報FIを送信する(ステップS111)。合成情報FIを受信した上位装置51は、当該合成情報FIをディスプレイ515に表示する(ステップS112)。
なお、動画データである合成情報FIを管理サーバ53から上位装置51に送信する際に、上位装置51は、合成情報FIの一部を記憶装置517にキャッシュして、キャッシュした合成情報FIの一部をディスプレイ515に表示することを逐次行うことで、合成情報FIの全体を表示してもよい(ストリーミング配信)。
または、上位装置51は、動画データである合成情報FI全体を記憶装置517にダウンロードし、記憶装置517に記憶された合成情報FIをディスプレイ515に表示してもよい。
また、上位装置51にて合成情報FIを表示後、管理サーバ53は、当該合成情報FIをすぐに第2記憶装置536から削除してもよいし、一定期間保存後に削除してもよい。または、生成した合成情報FIを、後日に再生する可能性を考慮して、第1記憶装置535などの大容量の記憶装置に記憶してもよい。これにより、管理サーバ53の第2記憶装置536が、生成した合成情報FIにより占有されて、容量不足となることを回避できる。
上記にて説明したように、ユーザが上位装置51にて指定した指定情報に対応した監視対象情報MIと、当該監視対象情報MIに関連付けられたセンサ情報SIと、を合成して合成情報FIを生成し、上位装置51を介してユーザに提供することにより、所望の監視対象についてのセンサ情報SIの検索を容易にしつつ、監視対象の状態を2つの異なる情報(センサ情報SIと監視対象情報MI)にて詳細に表示できる。
他の実施形態において、例えば、上記のステップS107において、1つの指定情報に対して対応する複数の監視対象情報MIが発見される場合がある。この場合に、図19に示すように、複数の監視対象情報MIのそれぞれに対応する複数のセンサ情報SIを第1記憶装置535から取得し、当該複数のセンサ情報SIを結合して1つの合成情報FIを生成してもよい。図19は、複数のセンサ情報を結合して生成した合成情報の一例を示す図である。これにより、監視対象についての複数のセンサ情報SIをまとめた合成情報FIを生成できる。
この場合、複数のセンサ情報SIのそれぞれには、対応する監視対象情報MIがオーバーレイされていてもよい。これにより、複数のセンサ情報SIについての詳細を視覚的に認識できる。
(2−3−2)自動倉庫システムの機器等の稼働状況の提示方法
以下、自動倉庫システム100に備わる機器等の稼働状況を提示する方法について、図20を用いて説明する。図20は、自動倉庫システムの機器等の稼働状況の提示方法を示すフローチャートである。
まず、ユーザは、上位装置51にて、自動倉庫システム100の機器等の稼働状況を確認するためのソフトウェアを起動する(ステップS201)。当該ソフトウェアを実行することにより、図21に示すような、自動倉庫システム100の稼働状況の確認が可能な機器を表示した画面が、ディスプレイ515に表示される(ステップS202)。図21は、自動倉庫システムの稼働状況の確認が可能な機器を表示した画面の一例を示す図である。
図21に示す例では、自動倉庫1a〜1gの入庫ステーション15及び出庫ステーション17の近辺の概略図が表示されている。図21に示す例において、稼働状況が確認可能な機器は、四角にて強調されている。この表示では、入庫ステーション15が稼働状況の確認が可能な機器として指定されている。この表示において、四角にて強調されている機器と、当該機器の状況を撮影するカメラCAの識別情報と、は関連付けられている。
また、図21に示す表示では、稼働状況が確認可能な機器のうち、エラーなどのイベントが発生している機器は、色づけされて強調されている。さらに、カメラの設置位置と設置方向が視覚的に示されている。
上記の稼働状況が確認可能な機器を表示した画面上において、ユーザは、例えば、稼働状況が確認可能とされている機器の配置位置(四角の領域)をクリックする。これにより、稼働状況を確認したい機器が監視対象として指定される(ステップS203)。また、当該クリックにより、機器の状況を撮影するためのカメラCAも特定される。
ユーザにより指定された稼働状況を確認したい機器が指定されると、稼働状況を確認したい機器の状況を撮影するカメラCAの識別情報を指定情報及びキー情報KIとして、管理サーバ53に送信する(ステップS204)。このとき、上位装置51は、稼働状況を確認したい機器にて扱われる予定の荷物Aなどの付加情報ADI(荷物Aの識別情報、品番、品名、出荷先、出荷日時、稼働状況を確認したい機器にて荷物Aが扱われる予定時刻、など)を、指定情報とともに管理サーバ53に送信する。
管理サーバ53のプロセッサ531は、指定情報及び付加情報ADIを受信後、指定情報にて指定されたカメラCAの識別情報と、センサ管理情報SMIと、を参照して、指定されたカメラCAへのアクセス情報(当該カメラCAのホスト名、ネットワークアドレス、アクセスID、パスワードなど)を特定する(ステップS205)。
指定されたカメラCAへのアクセス情報を特定後、プロセッサ531は、指定されたカメラCAにアクセス要求をする(ステップS206)。具体的には、プロセッサ531は、ネットワークインターフェース534、5351を介して、特定したホスト名又はネットワークアドレスのカメラCAにアクセスし、特定したアクセスID及びパスワードを当該カメラCAに送信する。
送信したアクセスIDとパスワードにより指定されたカメラCAへのアクセスが成功すると、当該カメラCAから管理サーバ53へ、稼働状況を確認したい機器の様子を撮影したライブ映像が、センサ情報SIとして送信される(ステップS207)。合成情報FIを生成するために、当該ライブ映像は、第1記憶装置535及び/又は第2記憶装置536に一時的に記憶される。
ライブ映像を受信中、プロセッサ531は、当該ライブ映像に必要に応じて上記の付加情報ADIの内容をオーバーレイして、合成情報FIを生成する(ステップS208)。具体的には、プロセッサ531は、付加情報ADIに含まれる稼働状況を確認したい機器にて荷物Aが扱われる予定時刻において、付加情報ADIの文字情報を映し出す画像をライブ映像にオーバーレイ処理することで、合成情報FIを生成する。
これにより、図22A及び図22Bに示すような、稼働状況を確認したい機器のライブ映像に、付加情報ADIの内容がオーバーレイされた合成情報FIが生成される。図22Aは、稼働状況を確認したい機器のライブ映像に付加情報がオーバーレイされた合成情報の一例を示す図である。図22Bは、稼働状況を確認したい機器のライブ映像に付加情報がオーバーレイされた合成情報の他の例を示す図である。
図22Aの例では、入庫ステーション15と、当該入庫ステーション15に存在するスタッカクレーン13のライブ映像に、当該スタッカクレーン13にて搬送予定の荷物Aの識別情報、品番、品名、ロット番号、出荷先、出荷日時がオーバーレイされている。一方、図22Bの例では、自動倉庫システム100に備わるコンベヤの稼働状況を示すライブ映像に、当該コンベヤにて移動中の荷物Aの識別情報、品番、品名、出荷先、出荷日時がオーバーレイされている。
上記のようにして合成情報FIを生成後、管理サーバ53のプロセッサ531は、ネットワークインターフェース534、514を介して、上位装置51に生成した合成情報FIを送信する(ステップS209)。合成情報FIを受信した上位装置51は、当該合成情報FIをディスプレイ515に表示する(ステップS210)。
このように、ユーザが上位装置51にて指定した稼働状況を確認したい機器(監視対象)のライブ映像と、当該機器において取り扱われる荷物Aなどの情報(付加情報ADI)と、を合成して合成情報FIを生成し、上位装置51を介してユーザに提供することにより、所望の監視対象の稼働状況について、2つの異なる情報(センサ情報SIと付加情報ADI)にて詳細に表示できる。
なお、上記においては、自動倉庫システム100が備える機器の稼働状況を確認する例について説明したが、状況をライブにて確認できる対象は機器に限られない。例えば、上記のステップS203において、作業者Wが作業をしている箇所に設けられたカメラCA(の識別情報)を指定情報としてもよい。これにより、例えば、図23に示すように、作業者Wの作業状況を撮影したライブ映像と、当該作業者Wが取り扱っている荷物Aの付加情報ADIと、をオーバーレイした合成情報FIを生成し、上位装置51を介してユーザに提供できる。図23は、作業状況を確認したい作業者のライブ映像に付加情報がオーバーレイされた合成情報の一例を示す図である。
(2−3−3)トラブル状況レポートによるセンサ情報の提示方法
以下、管理サーバ53により管理されているセンサ情報SIによりトラブル状況レポートを作成し、センサ情報SIを提示する方法について、図24を用いて説明する。図24は、管理サーバにより管理されているセンサ情報によりトラブル状況レポートを作成する方法を示すフローチャートである。トラブル状況レポートを作成する場合には、自動倉庫システム100にて発生したトラブルを監視対象とする。
まず、ユーザは、トラブル状況レポートを作成するトラブルの種類(監視対象)を設定するためのプログラムを、上位装置51上にて起動する。当該プログラムを実行するプロセッサ511は、トラブル状況レポートを作成可能なトラブルのリストを、ディスプレイ515に表示する(ステップS301)。
次に、ユーザは、当該リストから、トラブル状況レポートを作成するトラブル種別を選択する(ステップS302)。上位装置51のプロセッサ511は、ユーザにより選択されたトラブル種別を、指定情報として管理サーバ53に送信する(ステップS303)。
管理サーバ53のプロセッサ531は、上記の指定情報を受信後、受信した指定情報に指定されたトラブル種別に関する監視対象情報MIを、監視対象データベースDBを探索して見つけ出す(ステップS304)。具体的には、監視対象データベースDBに記憶されたレコードのうち、指定情報に指定されたトラブル種別を含む監視対象情報MIが含まれるレコードを検索により見つけ出す。
上記の監視対象情報MIを発見後、管理サーバ53のプロセッサ531は、当該監視対象情報MIに関連付けられたアクセス情報AIを特定する(ステップS305)。その後、プロセッサ531は、当該アクセス情報AIと、必要に応じて記憶装置管理情報HMIと、を用いて、指定されたトラブル種別を監視対象としたセンサ情報SIが保存されている第1記憶装置535のホスト名及び/又はネットワークアドレスと、当該第1記憶装置535のディレクトリ名(相対パス)と、を特定する。
プロセッサ531は、ネットワークインターフェース534、5351を介して、当該特定した第1記憶装置535の特定したディレクトリにアクセスし、当該ディレクトリに保存されているセンサ情報SIをダウンロードする(ステップS306)。これにより、管理サーバ53は、トラブル状況レポートに含めたいセンサ情報SIを、第1記憶装置535から取得できる。
その後、プロセッサ531は、指定されたトラブル種別を含む監視対象情報MIと、ステップS306にて取得したセンサ情報SIと、を合成してトラブル状況レポートを合成情報FIとして生成する(ステップS307)。
具体的には、予め用意されたトラブル状況レポートの定型フォーマット中に、上記監視対象情報MIに含まれる情報のうちの必要な情報と、ステップS306にて取得したセンサ情報SIとを配置することで、例えば、図25Aに示すようなレポートを、合成情報FIとして作成できる。図25Aは、レポートの一例を示す図である。
また、プロセッサ531は、図25Bに示すようなトラブル復旧手順書を、図25Aに示すレポートに追加してトラブル状況レポートを作成する。図25Bに示すトラブル復旧手順書は、予め作成されて第1記憶装置535及び/又は第2記憶装置536に記憶される。図25Bは、トラブル復旧手順書の一例を示す図である。
トラブル状況レポートを作成後、プロセッサ531は、必要に応じて、ネットワークインターフェース534、514を介して、作成したトラブル状況レポートを上位装置51に送信する(ステップS308)。トラブル状況レポートを受信した上位装置51のプロセッサ511は、受信したトラブル状況レポートをディスプレイ515に表示する(ステップS309)。
本実施形態においては、上記のステップS302及びS303により、トラブル状況レポートを作成するトラブル種別(監視対象)が一旦指定されると、管理サーバ53のプロセッサ531が、上記のステップS304〜S307を例えば所定の期間毎に実行し、自動的にトラブル状況レポートが作成される。当該作成されたトラブル状況レポートは、上位装置51などからの要求に応じて、要求が出された外部端末(上位装置51)に送信される。
他の実施形態において、トラブル状況レポートは、上位装置51などから監視対象の指定があったときにのみ作成されてもよい。
このようにして、ユーザにより指定されたトラブル種別についてトラブル状況レポートを作成することにより、自動倉庫システム100において発生したトラブルの詳細を知ることができる。
2.第2実施形態
荷物Aなどを監視対象として入庫ステーション15にて取得したセンサ情報SIを管理する場合、上記の第1実施形態においては、荷物A(パレットPL)が入庫ステーション15に設けられた読取装置RDを通過し、当該読取装置RDにて読み取られた荷物A(パレットPL)の識別情報がキー情報KIとして発出されたときに、当該荷物Aなどの状態を表す画像がセンサ情報SIとして取得されていた。
しかしながら、入庫ステーション15においてセンサ情報SIを取得するトリガとなるキー情報KIは、上記の読取装置RDにて読み取られた荷物Aなどの識別情報に限られない。第2実施形態においては、上位装置51から発出された荷物Aなどの識別情報をキー情報KIとして、当該荷物Aなどを監視対象としたセンサ情報SIを取得する。
以下、上位装置51から発出された荷物Aなどの識別情報をキー情報KIとして、当該荷物Aなどを監視対象としたセンサ情報SIを取得する場合の管理サーバ53におけるセンサ情報SIの管理方法について、図26を用いて説明する。図26は、第2実施形態に係る、入庫ステーションにて扱われる荷物などを監視対象とした場合のセンサ情報の管理方法の一例を示すフローチャートである。
第2実施形態においては、入庫ステーション15にて扱われる荷物Aなどを監視対象とした場合のセンサ情報の管理方法が第1実施形態と異なるのみで、その他の自動倉庫システム100の構成及び機能は、第1実施形態と同一である。従って、以下においては、第2実施形態に係る、入庫ステーション15にて扱われる荷物Aなどを監視対象とした場合のセンサ情報の管理方法のみを説明し、他の自動倉庫システム100の構成及び機能の説明は省略する。
また、以下においては、パレットPLを扱う自動倉庫1e、1fの入庫ステーション15において、当該パレットPL(及びパレットPLに収納された荷物A)を監視対象とした場合を例にとって説明する。
まず、作業者Wが、パレットPLに収納する荷物Aの識別情報を、読取装置RDなどを用いて読み取る。また、作業者Wは、当該荷物Aを収納したパレットPLの識別情報を、読取装置RDなどを用いて読み取る。これにより、パレットPLの識別情報と、当該パレットPLに収納された荷物Aの識別情報とが関連付けられる。読取装置RDは、パレットPLの識別情報と、当該識別情報と関連付けられた当該パレットPLに収納された荷物Aの識別情報と、を上位装置51に送信する。
上記パレットPLの識別情報を受信後、上位装置51は、当該パレットPLの識別情報を、キー情報KIとして入庫ステーション15の(メインの)コントローラへ送信する(ステップS1’)。パレットPLの識別情報をキー情報KIとして受信した入庫ステーション15のコントローラは、受信したパレットPLの識別情報をカメラCA7に送信する(ステップS2’)。
このキー情報KIを受信したカメラCA7のコントローラは、カメラCA7にて画像データを取得可能である場合には、ACK信号を、入庫ステーション15のコントローラに送信する(ステップS3’)。
ACK信号を受信した入庫ステーション15のコントローラは、入庫ステーション15にて入庫するパレットPL(すなわち、キー情報KIが識別情報となっているパレットPL)を移動させる指令(発進指示)を、入庫ステーション15に出力する(ステップS4’)。これにより、入庫ステーション15に載置されたパレットPLが、入庫のために移動を開始する。
パレットPLが入庫のために移動を開始してから所定の時間(例えば、パレットPLがカメラCA7の配置位置まで到達するのにかかる時間)経過後、入庫ステーション15の小型のコントローラは、カメラCA7に、パレットPLが入庫ステーション15を通過している様子を画像データとして取得する取得指令を送信する(ステップS5’)。これにより、パレットPLがカメラCA7を通過する様子を表す画像データ(静止画又は動画)をセンサ情報SIとして取得できる。
パレットPLがカメラCA7を通過する様子を撮影した静止画又は動画をセンサ情報SIとして取得後、カメラCA7のコントローラは、取得したセンサ情報SIと、上記のステップS2’にて取得したパレットPLの識別情報(キー情報KI)と、を管理サーバ53に送信する(ステップS6’)。
一方、上位装置51は、ステップS1’にて送信したパレットPLの識別情報から、管理サーバ53に送信する付加情報ADIを選択し、当該選択した付加情報ADIを、パレットPLの識別情報とともに、管理サーバ53に送信する(ステップS7’)。
パレットPLの識別情報(キー情報KI)と、センサ情報SIへのアクセス情報AIと、付加情報ADIと、を受信後、管理サーバ53は、キー情報KI(パレットPLの識別情報)と、付加情報ADIと、アクセス情報AIと、上記の時刻情報TIと、を関連付けて1つのレコードとし、当該1つのレコードを監視対象データベースDBに記憶する。
このようにして、キー情報KIであるパレットPLの識別情報が上位装置51から発出された場合でも、管理サーバ53は、特定のパレットPL(及び当該パレットPLに収納された荷物A)を監視対象とした場合のセンサ情報SIと、当該特定のパレットPL(及び収納された荷物A)についての付加情報ADI(例えば、荷物Aの品番、品名、出荷先、出荷日時など)と、センサ情報SIを取得した時刻情報TIと、を一元的に管理できる。
3.実施形態の共通事項
上記第1及び第2実施形態は、下記の構成及び機能を共通に有している。
管理サーバ53(管理サーバの一例)は、複数の箇所にセンサSE及び/又はカメラCA(センサの一例)が設けられた自動倉庫システム100(システムの一例)に関する情報を管理するサーバである。管理サーバ53は、第1記憶装置535及び第2記憶装置536(記憶装置の一例)と、ネットワークインターフェース534(ネットワークインターフェースの一例)と、プロセッサ531(プロセッサの一例)と、を備える。
ネットワークインターフェース534は、外部の装置との通信を実行する。プロセッサ531は、監視対象情報MI(監視対象情報の一例)と、センサ情報SI(センサ情報の一例)とを、ネットワークインターフェース534を介して取得し、監視対象情報MIと、センサ情報SIと、時刻情報TI(時刻情報の一例)と、を互いに関連付けて記憶装置に記憶する処理を実行する。監視対象情報MIは、自動倉庫システム100における監視対象を特定するキー情報KI(キー情報の一例)と、監視対象に関する付加的な情報である付加情報ADI(付加情報の一例)と、を含む。センサ情報SIは、センサSE及び/又はカメラCAによりキー情報KIに基づいて取得された監視対象の状態を表すデータである。時刻情報TIは、センサ情報SIを取得した時刻を表す情報である。
また、プロセッサ531は、指定情報を、ネットワークインターフェース534を介して、上位装置51(外部端末の一例)から取得し、取得した指定情報に対応する監視対象情報MIと、当該監視対象情報MIに関連付けられたセンサ情報SIと、を合成して合成情報FI(合成情報の一例)を生成し、ネットワークインターフェース534を介して、上位装置51に出力する処理を実行する。指定情報は、監視対象情報MIを表示した上位装置51を用いてユーザが指定した監視対象に関する情報である。
管理サーバ53において、自動倉庫システム100に設けられた複数のセンサSE及び/又はカメラCAにて取得したセンサ情報SIは、監視対象に関する情報である監視対象情報MIと、センサ情報SIを取得した時刻情報TIと、に関連付けられて記憶装置に記憶されている。また、プロセッサ531が、ユーザが指定した指定情報に対応した監視対象情報MIと、当該監視対象情報MIに関連付けられたセンサ情報SIと、を合成して合成情報FIを生成し、上位装置51を介してユーザに提供する。これにより、所望の監視対象についてのセンサ情報SIの検索を容易にしつつ、監視対象の状態を2つの異なる情報(センサ情報SIと監視対象情報MI)にて詳細に表示できる。
4.他の実施形態
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
(A)本実施形態の管理サーバ53は、自動倉庫システム100以外のシステムに対しても適用可能である。例えば、加工機械システム、分析システム、半導体搬送システム、などに適用できる。
(B)第1実施形態及び第2実施形態においては、管理サーバ53の記憶装置は、外部の第1記憶装置535と内部の第2記憶装置536にて構成されていたが、これに限られない。例えば、管理サーバ53が大規模なコンピュータシステムである場合など、管理サーバ53を構成するコンピュータシステムの記憶容量が十分に大きい場合、又は、当該コンピュータシステムにおいて記憶装置の追加などが容易にできる場合などには、外部に記憶装置を設けなくともよい。
(C)第1実施形態及び第2実施形態に係る第1記憶装置535は、大容量の記憶領域を有し、インターネットなどの広域ネットワークによりアクセス可能なクラウドサーバであってもよい。これにより、管理サーバ53は、膨大な量のセンサ情報SIを管理できる。また、第1記憶装置535をクラウドサーバとすることにより、例えば、他の拠点に設けられた自動倉庫システム100のセンサ情報SIなども管理することができる。その結果、上位装置51は、当該他の拠点にて得られたセンサ情報SIもディスプレイ515に表示できる。
5.付記事項
なお本発明は、下記のようにシステムの発明としてもとらえることができる。
複数の箇所にセンサが設けられたシステムを管理する管理システムであって、
前記システムを制御する上位装置と、前記システムに関する情報を管理する管理サーバと、を備え、
前記管理サーバは、
記憶装置と、
外部の装置との通信を実行するネットワークインターフェースと、
前記システムにおける監視対象を特定するキー情報と前記監視対象に関する付加的な情報である付加情報とを含む監視対象情報と、前記センサにより前記キー情報に基づいて取得された前記監視対象の状態を表すセンサ情報とを、前記ネットワークインターフェースを介して取得し、
前記監視対象情報と、前記センサ情報と、前記センサ情報を取得した時刻を表す時刻情報と、を互いに関連付けて前記記憶装置に記憶し、
前記監視対象情報を表示した外部端末を用いてユーザが指定した前記監視対象に関する指定情報を、前記ネットワークインターフェースを介して前記上位装置から取得し、
前記指定情報に対応する前記監視対象情報と、当該監視対象情報に関連付けられた前記センサ情報と、を合成して合成情報を生成し、前記ネットワークインターフェースを介して前記上位装置に出力する、
処理を実行するプロセッサと、
を有する、管理システム。