JP6889206B2 - 柱脚構造 - Google Patents

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Description

本発明は柱脚構造に関する。
鉄骨柱等の柱体と基礎との接合箇所では、柱体の下端に接合されたベースプレートを、基礎に対してアンカーボルトで固定することが一般的である(例えば特許文献1)。
このような柱脚構造では、地震時等に柱体で生じる鉛直面内の曲げモーメントに耐えうる十分な剛性を上記の接合箇所で確保する必要があり、コスト増の要因となっている。これに対し、特許文献2には、柱体に曲げモーメントが生じた際にベースプレートの回転変形を許容して上記の接合箇所をピン構造のように挙動させることで、接合箇所に要する耐力を軽減し、低コストとした例が記載されている。
特開2013−64244号公報 特開2016−223070号公報
このような柱脚構造では、美観向上の観点から、基礎の上でベースプレートより高いレベルまでコンクリートを設け、ベースプレートが直接見えないようにすることがある。
しかしながら、このようなケースでは、ベースプレート上のコンクリートと当該コンクリートに連続するベースプレートの外側のコンクリートとの結合力によってベースプレートの回転変形が妨げられ、前記した効果を奏することができないという問題があった。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、ベースプレート上のコンクリートと当該コンクリートに連続するベースプレートの外側のコンクリートがベースプレートの回転変形を妨げるのを防止できる柱脚構造を提供することを目的とする。
前述した課題を解決するための本発明は、柱体と、前記柱体の下端に接合されるベースプレートと、前記ベースプレートの外周の少なくとも一部に沿って配置され、前記ベースプレートの上方に延びる板材と、前記板材の両側に設けられたコンクリートと、を具備することを特徴とする柱脚構造である。
本発明では、ベースプレートがコンクリートで覆われると同時に、上記の板材を設けることによってベースプレート上のコンクリートとその外側のコンクリートを分断することができる。これにより、ベースプレート上のコンクリートと当該コンクリートに連続するベースプレートの外側のコンクリートがベースプレートの回転変形を妨げるのを防止し、柱体に鉛直面内の曲げモーメントが生じた際にベースプレートを円滑に回転変形させることができる。
前記ベースプレートと前記ベースプレートの下方の基礎との間に隙間があり、前記板材は、前記ベースプレートの下方にも延びることが望ましい。
ベースプレートの下方に隙間を設けることでベースプレートの回転変形量を大きくすることができるが、この際、上記の板材によって、コンクリートが隙間に侵入するのを防止できる。
前記コンクリートは、例えば前記板材の上端より高いレベルまで設けられる。
この場合、柱体に曲げモーメントが生じてベースプレートが回転変形する際に板材の上のコンクリートに亀裂が発生することで、ベースプレート上のコンクリートとその外側のコンクリートを分断することができる。
前記板材は前記ベースプレートに固定されないことが望ましい。
このように、板材はベースプレートに固定されずベースプレートの外周に沿って配置するだけなので、板材がベースプレートの回転変形を妨げることはない。なお「板材がベースプレートに固定されない」とは、ベースプレートが板材に対し独立して変位可能であることをいい、板材をテープ等でベースプレートに軽くとめ、板材がベースプレートの変位に実質的に影響しないようなケースも含まれるものとする。
請求項1に係る発明は、柱体と、前記柱体の下端に接合されるベースプレートと、前記ベースプレートの外周の少なくとも一部に沿って配置され、前記ベースプレートの上方に延びる板材と、前記板材の両側に設けられたコンクリートと、を具備し、前記板材の前記柱体側にあるコンクリートの上面全体が、外部に露出しており、又は、前記コンクリートは、前記板材の上端より高いレベルまで設けられており、前記ベースプレートと前記ベースプレートの下方の基礎との間に金属板が設けられたことを特徴とする柱脚構造である。
請求項2に係る発明は、前記ベースプレートと前記ベースプレートの下方の基礎との間に、金属板とモルタルが重ねて設けられたことを特徴とする請求項1に記載の柱脚構造である。
請求項3に係る発明は、前記モルタルの下に前記金属板が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の柱脚構造である。
請求項4に係る発明は、前記金属板の下に前記モルタルが設けられていることを特徴とする請求項2に記載の柱脚構造である。
請求項5に係る発明は、前記モルタルの平面のサイズが前記ベースプレートのサイズよりも小さいことを特徴とする請求項2乃至請求項4のうちいずれか1項に記載の柱脚構造である。
請求項6に係る発明は、柱体と、前記柱体の下端に接合されるベースプレートと、前記ベースプレートに挿通され固定されたアンカーボルトと、を具備し、前記ベースプレートと前記ベースプレートの下方の基礎との間に金属板とモルタルが重ねて設けられており、前記金属板の下に前記モルタルが設けられており、前記ベースプレートは、スリットと、前記スリットのみ又は前記スリットと前記ベースプレートの外辺とで少なくとも2方向から前記アンカーボルトを囲むことで形成された変形容易部と、を備えていることを特徴とする柱脚構造である。
請求項7に係る発明は、前記金属板の平面のサイズが前記ベースプレートの平面のサイズよりも小さいことを特徴とする請求項1乃至請求項6のうちいずれか1項に記載の柱脚構造である。
本発明により、ベースプレート上のコンクリートと当該コンクリートに連続するベースプレートの外側のコンクリートがベースプレートの回転変形を妨げるのを防止できる柱脚構造を提供することができる。
柱脚構造1を示す図。 枠体6によるコンクリート4の分断について示す図。 柱脚構造1の施工方法を示す図。 柱脚構造1aを示す図。 スリット53e、53f、およびモルタル9の範囲の別の例を示す図。 柱脚構造1a’を示す図。 柱脚構造1bを示す図。 柱体3cとスリット53h、53iを示す図。
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
[第1の実施形態]
(1.柱脚構造1)
図1は本発明の第1の実施形態に係る柱脚構造1を示す図である。図1(a)は柱脚構造1の鉛直方向断面を示す図、図1(b)はベースプレート5の上面を見た図である。図1(a)は図1(b)の線A−Aに沿った断面であり、図1(b)ではコンクリート4の図示を省略している。
柱脚構造1はコンクリート製の基礎2の上に設けられ、柱体3、コンクリート4、ベースプレート5、枠体6(板材)等を有する。この柱脚構造1は、柱体3に鉛直面内の曲げモーメントが生じた際にベースプレート5が回転変形することで柱体3と基礎2の接合箇所がピン構造として機能するものである。
柱体3は例えば角柱であり、角形鋼管等から形成される。柱体3の下端にはベースプレート5が接合される。ベースプレート5は略矩形状の平面を有する鋼製の板状部材であり、中央部近傍に柱体3が接合される。ベースプレート5には貫通孔51とスリット53a、53bが設けられる。スリット53a、53bは柱体3の位置を避けて形成される。
基礎2にはアンカーボルト7が埋設される。アンカーボルト7の上端部は基礎2から突出し、ベースプレート5の貫通孔51に挿通される。貫通孔51から突出したアンカーボルト7の突出部分にはナット8が締め込まれる。ナット8には例えばダブルナットが用いられるが、これに限ることはない。
貫通孔51は、ベースプレート5の外周近傍において、ベースプレート5の各外辺の中心部に対応する位置に配置される。これらの貫通孔51のそれぞれに図1(b)に示すようにアンカーボルト7が通され、ナット8が締め込まれる。
スリット53a、53bは各アンカーボルト7の近傍で互いに異なる方向に切り込まれ、略L字状に連続するように形成される。すなわち、スリット53aはベースプレート5の各外辺から内側に向かって切り込まれる。スリット53bは、スリット53aの先端からベースプレート5の各外辺と平行に延びるように形成される。各アンカーボルト7(貫通孔51)は、スリット53a、53bとベースプレート5の外辺とで3方から囲まれている。
アンカーボルト7がスリット53a、53bとベースプレート5の外辺によって囲まれることで、アンカーボルト7で固定されるベースプレート5に変形容易部aが形成される。本実施形態ではスリット53bの先端とベースプレート5の外辺との間に変形容易部aが形成される。変形容易部aはベースプレート5が変形しやすい部位であり、これにより柱体3に曲げモーメントが生じた際のベースプレート5の回転変形を簡易な構成で促進できる。ただし、スリット53a、53bを省略することも可能である。
ベースプレート5と基礎2の間にはモルタル9が設けられる。モルタル9は柱体3の建方時にベースプレート5を支持するために設けられる。
モルタル9はベースプレート5の中央部近傍に配置され、ベースプレート5の外周側ではベースプレート5とその下方の基礎2との間に隙間20が形成される。これにより、簡易な構成でベースプレート5の回転変形量を大きくすることができる。なお、上記の隙間20にはスポンジなどの弾性部材を配置してもよい。
枠体6は、ベースプレート5の全周を囲むように、ベースプレート5の外周に沿って基礎2上に設置される板材である。枠体6はベースプレート5の平面形状に合わせた略ロ字
状の平面形状を有する。
枠体6は、その高さ方向の中間部にベースプレート5が位置するように配置される。すなわち、枠体6はベースプレート5から上方および下方に延びるように配置される。枠体6には例えば金属板が用いられるが、これに限ることはない。例えば木製のものであってもよいし、発泡スチロール等の樹脂製のものであってもよい。
枠体6とベースプレート5の間には若干の隙間50(コンクリート4を侵入させない、スリット53a、53bと同程度の隙間)があって縁が切れており、枠体6はベースプレート5に固定されない。そのため、枠体6がベースプレート5の回転変形を妨げないようになっている。
なお「枠体6(板材)がベースプレート5に固定されない」とは、ベースプレート5が枠体6に対し独立して変位可能であることをいい、枠体6をテープ等でベースプレート5に軽くとめ、枠体6がベースプレート5の変位に実質的に影響しないようなケースも含まれるものとする。また、枠体6とベースプレート5の間で縁が切れていれば上記の隙間50は無くてもよい。
基礎2の上にはコンクリート4が設けられ、枠体6の内側のベースプレート5上、および枠体6の外側の基礎2上をコンクリート4が覆っている。このようにコンクリート4でベースプレート5を覆うことで、美観向上等の効果を奏する。コンクリート4は、枠体6の上端よりも高いレベルまで設けられる。コンクリート4内に鉄筋を設ける場合は、その鉄筋が枠体6と干渉しないようにする。またコンクリート4は鉄筋のかぶりを確保するレベルまで設ける。
本実施形態では、柱体3に鉛直面内の曲げモーメントが生じてベースプレート5が回転しようとする際に、図2(a)に示すように枠体6の上のコンクリート4の薄い箇所に亀裂41が発生しやすくなっており、亀裂41によってベースプレート5上のコンクリート4とその外側に連続するコンクリート4が分断される。
これらのコンクリート4が連続したままであると、連続したコンクリート4の結合力によりベースプレート5の回転変形が阻害されるが、本実施形態ではこれらのコンクリート4が亀裂41によって分断されることで、ベースプレート5の回転変形が妨げられないようになっている。
なお、コンクリート4は、図2(b)に示すように枠体6の上端近傍のレベルまで設けるようにしてもよい。この場合は亀裂41の発生を待つまでもなく枠体6の内外のコンクリート4が分断されるので、上記と同様の効果が得られる。その他、コンクリート4は枠体6の上端より低いレベルまで設けるようにしてもよく、この場合も同様の効果が得られる。
(2.柱脚構造1の施工方法)
次に、柱脚構造1の施工方法について説明する。本実施形態では、まず図3(a)に示すように基礎2の上にモルタル9を設置し、その上にベースプレート5を配置する。ベースプレート5は、基礎2から突出するアンカーボルト7の上端部を貫通孔51に挿入して配置する。ベースプレート5の上面には柱体3が接合されている。
次に、図3(b)に示すように、ベースプレート5から突出したアンカーボルト7の突出部分にナット8を締め込むことで、ベースプレート5をアンカーボルト7によって基礎2に固定し、ベースプレート5の周囲で基礎2上に枠体6を設置する。
その後、図1(a)に示したように、枠体6の内側のベースプレート5上、および枠体6の外側の基礎2上にコンクリート4を打設する。この際、枠体6によってベースプレート5と基礎2の間の隙間20にコンクリート4が侵入するのが防がれる。コンクリート4は枠体6の上端より高いレベルまで打設し、これにより前記した柱脚構造1が形成される。
以上説明したように、本実施形態の柱脚構造1によれば、ベースプレート5がコンクリート4で覆われると同時に、枠体6(板材)を設けることによってベースプレート5上のコンクリートとその外側のコンクリート4を分断することができる。これにより、ベースプレート5上のコンクリート4と当該コンクリート4に連続するベースプレート5の外側のコンクリート4がベースプレート5の回転変形を妨げるのを防止し、柱体3に曲げモーメントが生じた際にベースプレート5を円滑に回転変形させ、柱体3と基礎2との接合箇所をピン構造として好適に機能させることができる。
本実施形態ではベースプレート5の下方に隙間20を設けることでその回転変形量を大きくすることができるが、この際、枠体6によって、コンクリート4が上記の隙間20に侵入し隙間20を塞ぐのを防止できる。
また本実施形態では柱体3に曲げモーメントが加わってベースプレート5が回転変形する際に枠体6の上のコンクリート4に亀裂41が発生することで、ベースプレート5上のコンクリート4とその外側のコンクリート4を分断することができる。
さらに本実施形態では枠体6がベースプレート5に固定されず、ベースプレート5の周囲に配置されるだけなので、枠体6がベースプレート5の回転変形を妨げることはない。
しかしながら、本発明が以上の実施形態に限られることはない。例えば、柱体3が建物の外縁部や隅部に配置されるケースなど、平面計画等によっては枠体6がベースプレート5の外周の一部あるいは一辺のみに沿って設けられる場合もある。また、枠体6の設置方法によっては、隙間20へのコンクリート4の侵入を防止する堰止材(不図示)をベースプレート5の下方に設けたうえで、枠体6がベースプレート5の上方にのみ延びているような形とすることも可能である。さらに、柱体3やベースプレート5の形状も特に限定されず、枠体6の平面形状もベースプレート5の平面形状に合わせた形であればよい。
以下、本発明の別の例について第2〜第4の実施形態として説明する。各実施形態は、それまでに説明した実施形態と異なる点について説明し、同様の点については説明を省略する。また、第1の実施形態も含め、各実施形態で説明する構成は必要に応じて組み合わせて用いることが可能である。
[第2の実施形態]
図4は本発明の第2の実施形態に係る柱脚構造1aを示す図である。図4(a)は柱脚構造1aの鉛直方向断面を示す図、図4(b)はベースプレート5aの上面を見た図である。図4(a)は図4(b)の線B−Bに沿った断面であり、図4(b)ではコンクリート4の図示を省略している。
第2の実施形態において、柱体3aはH鋼柱であり、その下端にベースプレート5aが接合される。ベースプレート5aの略中央には4つの貫通孔51が設けられ、各貫通孔51にアンカーボルト7が挿通される。
ベースプレート5aは、アンカーボルト7に締め込んだナット8a、8bによって上下
から挟み込まれることで、アンカーボルト7に固定される。従って、ベースプレート5aと基礎2の間の隙間20の高さは、ベースプレート5aの下方のナット8bの厚みよりも大きくなっている。
図4(b)に示すように、アンカーボルト7(貫通孔51)は、柱体3aの平面の縦横方向の幅に対して各幅の内側に位置し、柱体3aの縦横の範囲から外側にはみ出すことがない。
モルタル9は、図4(b)の点線で示すようにベースプレート5aの略中央のアンカーボルト7が配置される範囲よりもわずかに大きな範囲に形成され、ベースプレート5aの外周側の広い範囲で隙間20が形成される。モルタル9の平面の縦横方向の長さは、例えば同方向のベースプレート5aの長さに対して1/5〜1/2の範囲とする。
なお、ベースプレート5aの下方のナット8bは必ずしも必要ではなく、ベースプレート5aを基礎2上に直接設けてもよい。この場合にはモルタル9は不要である。またナット8a、8bのみでベースプレート5aを支持してもよく、この場合もモルタル9が不要になる。
ベースプレート5aにはスリット53c、53dが設けられる。スリット53c、53dは互いに異なる方向に切り込まれ、略T字状に連続するように形成される。すなわち、スリット53cは、柱体3aを挟んだベースプレート5aの両側の外辺の中心部から内側に向かって直線状に切り込まれる。スリット53dは、スリット53cと略直交し、スリット53cの先端と交差するように形成される。
本実施形態では、各アンカーボルト7が、スリット53c、53dおよびベースプレート5aの外辺によって3方向から囲まれており、変形容易部aがスリット53dの先端とベースプレート5aの外辺との間(または、スリット53dの先端と、スリット53cとベースプレート5aの外辺の交点との間)に形成される。
また本実施形態では、アンカーボルト7をできるだけベースプレート5aの中央に寄せて柱体3aの範囲からはみ出さないように配置し、モルタル9のサイズ(面積)を小さくすることで、ベースプレート5aの回転変形量をより大きくすることができる。
なお、本実施形態ではアンカーボルト7が柱体3aの平面の縦横方向の幅の内側に配置されているが、少なくとも一方の幅の内側に配置されていればよい。またアンカーボルト7がモルタル9の外側に配置されてもよい。
さらに、スリットの配置も上記に限らない。例えば図5(a)に示すように、ベースプレート5aの外辺と連続しないスリット53e、53fを設けてもよい。スリット53e、53fは互いに異なる方向に切り込まれ、略E字状に連続するように形成される。すなわち、スリット53eは、ベースプレート5aの柱体3aの両側において、互いに平行に3本形成される。スリット53fはこれら3本のスリット53eと略直交し、これらのスリット53eの柱体3a側の先端と交差するように一本形成される。
アンカーボルト7は、隣り合うスリット53eの間に配置され、これらのスリット53eとスリット53fとで3方向から囲まれる。この場合、スリット53eのベースプレート5aの外辺側の先端同士を結ぶ変形容易部aが形成される。なお、3本のスリット53eのうち両側のスリット53eを省略してもよく、この場合は残った中央のスリット53eとスリット53fによってアンカーボルト7が囲まれ、スリット53fの先端とスリット53eのベースプレート5aの外辺側の先端との間に変形容易部が形成される。
このように、変形容易部が形成されるためには、アンカーボルト7が異なる方向の連続したスリットによって複数方向から囲まれればよい。または、アンカーボルト7が、少なくとも一方向に向けて形成されたスリットと、このスリットと連続し、スリットとは異なる方向のベースプレートの外辺とによって複数方向から囲まれればよい。このように、スリットのみ、またはスリットとベースプレートの外辺とで少なくとも2方向(望ましくは3方向以上)からアンカーボルト7を囲むことで、変形容易部を形成することができる。
また、図5(b)に示すように、モルタル9はベースプレート5aのサイズよりも小さければ必ずしも中央のみに配置されなくてもよい。図5(b)の例では、モルタル9の平面の一方向(図中縦方向)の長さをベースプレート5aの当該方向の長さと略同一としている。この場合も、ベースプレート5aと基礎2との間に隙間20を形成することができる。
[第3の実施形態]
図6は本発明の第3の実施形態に係る柱脚構造1a’を示す図である。この柱脚構造1a’は、モルタル9の下に金属板10が設けられる点で第2の実施形態の柱脚構造1aと異なる。金属板10は、例えば鋼板やステンレス板である。モルタル9の厚みは例えば50mm程度であり、金属板10の厚みは例えば5〜30mm程度とするが、これに限ることはない。
ここで、モルタル9と基礎2のコンクリートはほぼ同様の弾性剛性を有する。また通常、基礎2のコンクリートの強度に対してモルタル9の強度が大きい。さらに本実施形態では、モルタル9のサイズが小さく、支圧面積が小さくなるため、基礎2のコンクリートには大きな圧縮応力が付与される。このため、柱体3に作用した圧縮軸力がモルタル9を介して基礎2に伝達された際、基礎2のコンクリートが破壊するおそれがある。
これに対し、本実施形態では、モルタル9と基礎2の間に金属板10を配置することで、局部支圧効果によって基礎2のコンクリートの圧縮破壊強度を向上させることができる。
局部支圧効果とは、支圧面積(コンクリートに力を与える面積)が支承面積(支圧面積からの力がおよぶ範囲のコンクリート面積)よりも小さく、コンクリートが局部圧縮を受ける場合に、周りのコンクリートからの拘束効果によって、支圧面積から直接力を受けるコンクリートに本来の数倍のコンクリート強度が発生することをいう。このような局部支圧効果を効果的に得るためには、コンクリートに力を付する部材が、コンクリートよりも十分に大きな弾性剛性を有する必要がある。
本実施形態では、モルタル9と基礎2のコンクリートとの間に大きな弾性剛性を有する金属板10が配置されるため、効率良く局部支圧効果を得ることができ、モルタル9のサイズを小さくしても基礎2のコンクリートの破壊を抑制できる。
なお、本実施形態では金属板10の平面の縦横方向の長さをモルタル9と同程度とするが、いずれかの方向あるいは両方向の長さを金属板10の厚み分程度、モルタル9よりも大きくしてもよい。しかしながら、金属板10の平面の縦横方向の長さがこれらに限ることはなく、例えばベースプレート5aの範囲までさらに大きくすることも可能である(ただし局部支圧効果は変わらない)。また金属板10とモルタル9の上下を入れ替えてもよい。
前記したように、モルタル9はベースプレート5aの略中央に設けられており、モルタル9の平面の少なくとも1方向の長さは、ベースプレート5aの当該方向の長さの1/5〜1/2の範囲であることが望ましい。モルタル9のサイズが小さすぎると、柱体3からの圧縮軸力に対してモルタル9からの基礎2に対する支圧面積が小さくなりすぎるため望ましくない。また、モルタル9のサイズが大きすぎると、ベースプレート5aの回転変形量が小さくなる。
[第4の実施形態]
図7は本発明の第4の実施形態に係る柱脚構造1bを示す図である。図7(a)は柱脚構造1bの鉛直方向断面を示す図、図7(b)はベースプレート5bの上面を見た図である。図7(a)は図7(b)の線C−Cに沿った断面であり、図7(b)ではコンクリート4の図示を省略している。
柱脚構造1bにおいて、柱体3bは角柱であり、その下方に切欠き31が形成される。図7(b)に示すように、切欠き31は柱体3bの平面の対向する一対の辺のそれぞれに設けられ、切欠き31に対応するベースプレート5bの部位にスリット53gが形成される。これにより、柱体3bの位置を避けてスリット53gを形成することができる。
スリット53gは、ベースプレート5bの外辺から内側へと切り込まれ、2本平行に形成される。これらのスリット53gとベースプレート5bの外辺とで囲まれた領域内にアンカーボルト7が配置される。アンカーボルト7は計2箇所に配置され、それぞれのアンカーボルト7が、上記した2本のスリット53gと、スリット53gと連続し且つスリット53gと異なる方向のベースプレート5bの外辺とで囲まれる。この場合、上記2本のスリット53gの先端の間に変形容易部aが形成される。
なお、柱体3bは角柱に限らず円柱としてもよい。この場合でも上記と同様の切欠き31を設けることで、柱体3bの位置を避けてスリット53gを形成できる。
この他、図8に示すように、前記の切欠きを有しない角柱等の柱体3cの内側に、ベースプレート5bの外辺とは連続しないスリット53h、53iを形成してもよい。これらのスリット53h、53iは略直交して交差し、略X字状に形成される。
アンカーボルト7は、スリット53h、53iで区画された4箇所にそれぞれ配置され、互いに異なる方向の連続するスリット53h、53iで囲まれる。この場合、スリット53h、53iの先端同士の間に変形容易部aが形成され、変形容易部aとスリット53h、53iとでアンカーボルト7を囲む領域が三角形状となる。
このように、変形容易部とスリット等とでアンカーボルト7を囲む領域は矩形状である必要はなく、また、スリットはベースプレートの外辺に対して平行又は垂直な方向である必要もない。その他、スリットは直線状である必要もなく、円弧状でもよい。この場合であっても、1本の円弧状スリットは、互いに異なる方向の連続したスリットとする。すなわち、異なる方向の連続した1本の円弧状スリットによって、アンカーボルトが複数方向から囲まれればよい。
以上、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1、1a、1a'、1b:柱脚構造
2:基礎
3、3a、3b、3c:柱体
4:コンクリート
5、5a、5b:ベースプレート
6:枠体
7:アンカーボルト
8、8a、8b:ナット
9:モルタル
10:金属板
20、50:隙間
31:切欠き
41:亀裂
51:貫通孔
53a〜53i:スリット

Claims (7)

  1. 柱体と、
    前記柱体の下端に接合されるベースプレートと、
    前記ベースプレートの外周の少なくとも一部に沿って配置され、前記ベースプレートの上方に延びる板材と、
    前記板材の両側に設けられたコンクリートと、
    を具備し、
    前記板材の前記柱体側にあるコンクリートの上面全体が、外部に露出しており、又は、前記コンクリートは、前記板材の上端より高いレベルまで設けられており、
    前記ベースプレートと前記ベースプレートの下方の基礎との間に金属板が設けられたことを特徴とする柱脚構造。
  2. 前記ベースプレートと前記ベースプレートの下方の基礎との間に、金属板とモルタルが重ねて設けられたことを特徴とする請求項1に記載の柱脚構造。
  3. 前記モルタルの下に前記金属板が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の柱脚構造。
  4. 前記金属板の下に前記モルタルが設けられていることを特徴とする請求項2に記載の柱脚構造。
  5. 前記モルタルの平面のサイズが前記ベースプレートのサイズよりも小さいことを特徴とする請求項2乃至請求項4のうちいずれか1項に記載の柱脚構造。
  6. 柱体と、
    前記柱体の下端に接合されるベースプレートと、
    前記ベースプレートに挿通され固定されたアンカーボルトと、
    を具備し、
    前記ベースプレートと前記ベースプレートの下方の基礎との間に金属板とモルタルが重ねて設けられており、
    前記金属板の下に前記モルタルが設けられており、
    前記ベースプレートは、スリットと、前記スリットのみ又は前記スリットと前記ベースプレートの外辺とで少なくとも2方向から前記アンカーボルトを囲むことで形成された変形容易部と、を備えていることを特徴とする柱脚構造。
  7. 前記金属板の平面のサイズが前記ベースプレートの平面のサイズよりも小さいことを特徴とする請求項1乃至請求項6のうちいずれか1項に記載の柱脚構造。
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