JP6877431B2 - 酸素含有量が異なるグラフェン量子ドットの製造方法、グラフェン量子ドット、及び蛍光材料 - Google Patents

酸素含有量が異なるグラフェン量子ドットの製造方法、グラフェン量子ドット、及び蛍光材料 Download PDF

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Description

本願は、2015年08月25日に中国特許庁に提出された、出願番号が201510528994.9、発明の名称が「酸素含有量が異なるグラフェン量子ドットの製造方法、グラフェン量子ドット、及び蛍光材料」である中国特許出願に基づく優先権を主張するものであり、その全部の内容が引用により本願に組み込まれるものである。
本発明は、蛍光ナノ材料の技術分野に属し、具体的には、酸素含有量が異なるグラフェン量子ドットの製造方法、グラフェン量子ドット、及び蛍光材料に関する。
2004年に英国マンチェスター大学のAndre GeimとKonstantin Novoselofが初めて熱分解グラファイトの剥離とグラフェンの観察に成功してから、学界における新型カーボン材料に対する研究熱は衰えることがない。グラフェンの分離成功は、2次元結晶が熱力学的に安定しないという理論に基づく予言が外れたことを意味しており、多くの新たな分野に研究可能性をもたらしている。
完璧なグラフェンは、理想的な2次元構造を有し、六方格子からなるもので、各炭素原子はσ結合によって格子平面方向に他の3つの炭素原子と結合するが、σ結合とならない電子はπ電子として、格子平面に垂直なπ軌道系を構成する。π電子は平面で自由に移動可能である。しかしながら、より重要なことは、グラフェンは特有の構造によってそのバンド構造がディラックコーンの形態となるが、グラフェンの伝導帯と価電子帯がディラックポイントで重なっているので、そのディラックポイントでは電子と空孔の有效質量がいずれもゼロであり、対応する電子と空孔の移動度もいずれも同一で、無限大に無限接近している、ということである。これは、そのキャリアが空孔であっても電子であってもよく、また、そのキャリア移動度が極めて大きいことを意味している。そのため、理想的なグラフェンは極めて優れた導電性を有している筈であり、銅より6オーダー高い電流密度を許容可能であると予測される。
現在の研究では、シート層が大きいグラフェンについて、人々を興奮させるような一連の研究活動が既に発表されており、2次元のシート層サイズがボーア半径に限定されるグラフェン及び酸化グラフェン粒子の研究も盛んに進められている。このようなグラフェン粒子は、ある程度の酸化官能基又は欠陥が残り、サイズが小さくなるので、そのバンドが連続したものにならず、そのキャリアが励起されうる。キャリアが励起された後、励起子が形成され、励起子は当該グラフェンの3つの空間方向のバンドギャップにおいて制限される。単層グラフェンの厚みは1nm程度で、シート層のサイズはボーア半径程度である。このようなグラフェンに対応するバンドギャップは大きいので、励起子が脱励起した後に形成されるレーザ励起波長もブロードになり、グラフェンが極めて優れたレーザ特性を備える。このようなグラフェン粒子は、無機材料の中の半導体量子ドットと類似する特性を有するので、グラフェン量子ドットと呼ばれる。また、グラフェン量子ドットの半径はボーア半径以下であり、グラフェン量子ドットは、無毒無害で、蛍光波長がシャープであり、レーザ波長がブロードであり、発光ダイオード(LED)やバイオイメージング、及び、光起電素子やセンサに非常によく応用されうる。
現在、グラフェン量子ドットについての研究では、主に次の4種類の製造方法が用いられている。この4種類の方法は、それぞれ、グラフェンを再酸化する二次酸化法、有機小分子を出発原料とする有機合成法、電子ビーム又はイオンビームでエッチングする方法、及び、カーボン材料をミクロスケールで切断する方法である。しかしながら、従来の製造方法では、酸素含有量が制御可能なグラフェン量子ドットを製造することができないことから、製品であるグラフェン量子ドットの励起波長を調整することができない。言い換えると、好適な発光色を選択できないので、LEDなどの応用において、好適な色座標を構成することが困難となる。また、酸素含有量が低すぎるグラフェン量子ドットは、一般的に油溶性であり、生物への応用が困難であるが、一定の酸素含有量のグラフェン量子ドットとなるように処理すると、水相においても溶解度が高くなるので、細胞マーカーなどの生物応用もできるようになる。
本発明で解決しようとする技術的課題は、従来技術の欠点の解消にあり、酸素含有量が異なるグラフェン量子ドットの製造方法を提供するものである。
本発明は、
酸化グラフェンを過酸化物溶液中に分散させて、酸化グラフェン分散液を得るステップ1と、
前記酸化グラフェン分散液とアルカリ液を混合し精製して、グラフェン量子ドット乾燥粉末を得るステップ2と、
前記グラフェン量子ドット乾燥粉末を担体に担持させた後に、グラジエント溶出を行って、酸素含有量が異なるグラフェン量子ドットを得るステップ3と、
を含む、酸素含有量が異なるグラフェン量子ドットの製造方法を提供するものである。
前記の酸化グラフェンのC/O比は0.5〜5である。前記酸化グラフェン分散液における、酸化グラフェンの質量濃度は0.1%〜5%であり、かつ/又は、前記過酸化物の溶液の質量濃度は3%〜30%である。前記過酸化物は、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、ペルオキシ一硫酸カリウム(potassium peroxymonosulfate)、ペルオキソホウ酸ナトリウム、ジベンゾイルパーオキシド、ジラウロイルパーオキシドのうちの少なくとも1つである。
さらに、前記ステップ2に、前記精製の後に、精製後の生成物と還元剤とを溶剤中で反応させ、その反応物を精製して、グラフェン量子ドット乾燥粉末を得るステップが更に含まれる。
具体的には、ステップ3における前記グラジエント溶出は、具体的に、真空液体クロマトグラフィ又はカラムクロマトグラフィによって行うものである。前記グラジエント溶出に使用する溶出剤には、第一極性溶剤と第二極性溶剤が含まれ、前記第一極性溶剤の極性は前記第二極性溶剤の極性よりも大きく、前記第一極性溶剤には、水、メタノール、エタノール、グリコール、塩酸‐メタノール溶液、テトラヒドロフラン、蟻酸、酢酸、アセトニトリル、N,N‐ジメチルホルムアミド、エチルエーテル、アセトン、ニトロメタンのうちの一又は複数が含まれ、前記第二極性溶剤には、シクロヘキサン、n‐ヘキサン、石油エーテル、酢酸エチル、ジメチルカーボネート、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭のうちの一又は複数が含まれる。
さらに、本発明は、酸素含有量が2%〜40%であるグラフェン量子ドットを提供するものである。
さらに、その励起波長が550nm〜750nmである。
さらに、本発明は、上記の酸素含有量が異なるグラフェン量子ドットの製造方法によって製造されたグラフェン量子ドットを含む蛍光材料を提供するものである。
本発明は、酸素含有量が異なるグラフェン量子ドットの製造方法を提供するものである。当該方法では、まず、酸化グラフェンを過酸化物の溶液中に分散させて、酸化グラフェン分散液を得る。このステップにおいて、過酸化物は、酸化剤として、酸素含有量の分布がより広いグラフェン量子ドットの形成に有利であり、これが、その後に酸素含有量が異なるグラフェン量子ドットを得る前提となる。その後、酸化グラフェン分散液とアルカリ液を混合して、グラフェン量子ドットを得る。最後、グラフェン量子ドットを担持させてからグラジエント溶出を行う。溶出剤の極性を変化させることで、溶出後に酸素含有量が異なるグラフェン量子ドットが得られる。これらのことから分かるように、本発明にかかる方法により、グラフェン量子ドットの酸素含有量を制御することが実現でき、さらに、製品の励起波長を制御することが実現できるようになり、これが、LED、細胞マーカーなどの分野におけるグラフェン量子ドットの応用の確実な前提となる。また、本発明にかかる方法は、簡単で操作しやすいという特徴も有している。
本発明の実施例1におけるサンプル1の原子間力顕微鏡図。 本発明の実施例1におけるサンプル1の、異なる励起波長での蛍光スペクトログラム。 本発明の実施例2におけるサンプル3の原子間力顕微鏡図。 本発明の実施例3におけるサンプル6の原子間力顕微鏡図。 本発明の実施例4におけるサンプル10の原子間力顕微鏡図。 本発明の実施例におけるサンプル1からサンプル5、及びサンプル9からサンプル11の、規格化蛍光スペクトログラム。
本発明の目的、技術的思想及び利点がより明確に理解されるように、以下、図面及び実施例と関連付けて、本発明についてさらに詳細に説明する。ここに記載した具体的な実施例は、本発明の解釈に用いられるものにすぎず、本発明を限定するものでないと理解すべきである。
本発明の実施例は、
酸化グラフェンを過酸化物溶液中に分散させて、酸化グラフェン分散液を得るステップ1と、
前記酸化グラフェン分散液とアルカリ液を混合し精製して、グラフェン量子ドット乾燥粉末を得るステップ2と、
前記グラフェン量子ドット乾燥粉末を担持させた後に、グラジエント溶出を行って、酸素含有量が異なるグラフェン量子ドットを得るステップ3と、
を含む、酸素含有量が異なるグラフェン量子ドットの製造方法を提供するものである。
ステップ1は、酸化グラフェン分散液を生成するプロセスである。ここで、酸化グラフェンが集合するなどの状況を避けるために、分散は、超音波分散にて行うことが好ましく、さらに、超音波分散の時間は0.5時間〜2時間であればよい。過酸化物は、ヒドロキシルラジカルを溶液中に形成するためのものであり、酸化剤として作用する。本発明者は、過酸化物を酸化剤として使用することで、酸素含有量の分布がより広いグラフェン量子ドットの形成に有利であり、これが、酸素含有量が異なるグラフェン量子ドットを得るための前提となることを発見した。当該過酸化物は、有機過酸化物であってもよく、無機過酸化物であってもよく、例えば、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、ペルオキシ一硫酸カリウム、ペルオキソホウ酸ナトリウム、ジベンゾイルパーオキシド、ジラウロイルパーオキシドなどの過酸化物のうちの少なくとも1つであってもよい。好ましくは、前記過酸化物は、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、又はジベンゾイルパーオキシドのうちの少なくとも1つである。
ただし、好ましくは、生成された酸化グラフェン分散液における、酸化グラフェンの質量濃度は0.1〜5%である。酸化グラフェンの濃度が高すぎると、反応システムがより粘稠になり、グラフェン量子ドットの生成率に影響する。酸化グラフェンの濃度が低すぎると、生成物の収集が難しくなる。好ましくは、過酸化物溶液の質量濃度は3〜30%である。過酸化物の濃度が低すぎると、グラフェン量子ドットの生成率が低くなり、過酸化物の濃度が高すぎると、反応システムが不安定になりやすく、放熱が大きくなりすぎる。
さらに、本発明者は、酸化グラフェンGOのC/O比が最終的なグラフェン量子ドットの酸素含有量に一定の影響を与え、原料のC/O比が大きいほどグラフェン量子ドットの酸素含有量の分布が広くなることを発見した。前記酸化グラフェンのC/O比(C:O)は0.5〜5であればよいが、好ましくは、前記酸化グラフェンのC/O比は1〜2である。
ステップ2は、酸化グラフェン量子ドットを製造するプロセスである。前記アルカリ液は、NaOH、KOHのような無機アルカリ液であってもよく、エチレンジアミン、トリメチルアミン、n‐ブチルアミン、水酸化テトラメチルアンモニウムなどのような有機アルカリ液であってもよい。好ましくは、アルカリ液は飽和溶液である。ステップ2においては、前記酸化グラフェン分散液を徐徐に飽和アルカリ液に添加してもよい。さらに、反応速度を制御し、原料混合の均一性を高めるように、上記混合は、アルカリ液が滴下前及び滴下中に攪拌状態にある滴下混合が好ましい。具体的には、滴下形態で酸化グラフェン分散液を攪拌中のアルカリ液に滴下することが挙げられる。上記攪拌は、機械的な攪拌又は磁気攪拌であってもよく、回転数が60rpm〜800rpmであってもよい。酸化グラフェン分散液と飽和アルカリ液との混合反応の温度は0〜120℃であってもよいが、反応温度は、製造されたグラフェン量子ドットのサイズに一定の影響を与えるものであり、温度が高いほどサイズは小さくなる。しかし、温度が高いほど反応が激しくなり、制御が困難になる。好ましくは、反応温度は20℃〜30℃である。加熱方法は、水浴加熱又はオイル浴加熱によることが好ましい。
好ましくは、前記酸化グラフェン分散液と飽和アルカリ液との体積比は(10〜100):1である。反応終了後に精製を行うと、グラフェン量子ドット乾燥粉末が得られる。精製には、以下のようなステップを用いてもよい。
反応後のシステムを濾過する。濾液はグラフェン量子ドット溶液である。
グラフェン量子ドット溶液のpHを6〜7に調整する。塩酸又はその他の酸を選んで調節することができる。pH値を調整した後に徐々に蒸発乾固すると、グラフェン量子ドットと塩との混合結晶物が得られる。
前記グラフェン量子ドットと塩との混合結晶物を有機溶剤で洗浄した後、有機相に溶解しない無機塩を濾過除去し、最後に、有機相を蒸発乾固すると、グラフェン量子ドット乾燥粉末が得られる。
ただし、前記有機溶剤は、極性が比較的大きい有機溶剤が好ましい。例えば、メタノール、エタノール、グリコール、(0.5〜10):1(v/v)の37%塩酸‐メタノール溶液、テトラヒドロフラン(THF)、蟻酸、酢酸、アセトニトリル、N,N‐ジメチルホルムアミド(DMF)、エチルエーテル、アセトンのうち少なくとも1つである。より好ましくは、有機溶剤は、メタノール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、1:1(v/v)の37%塩酸‐メタノール溶液のうち少なくとも1つである。
酸素含有量がより低い酸化グラフェン量子ドットを必要とする場合、精製後にグラフェン量子ドットの酸素含有量を以下のようなステップによって低下させることもできる。すなわち、精製後の生成物と還元剤を有機溶剤中で反応させ、反応物を精製して、グラフェン量子ドット乾燥粉末を得る。上記精製後の生成物もグラフェン量子ドット乾燥粉末であるが、その酸素含有量が相対的に高いので、さらに1回の還元工程を経て、酸素含有量が相対的に低いグラフェン量子ドットを得ることができる。当業者は、目的生成物の性能に応じて、このステップを行うか否かを選択することができる。
上記還元剤は、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、ヒドラジン、亜鉛‐塩酸、鉄‐酢酸、水素化アルミニウムリチウム、ナフタレンナトリウム、ナトリウムアマルガム、ラネーニッケルのうち少なくとも1つであってもよい。好ましくは、前記還元剤は、水素化ホウ素ナトリウム、亜鉛‐塩酸(1:2、モル比)、ナトリウムアマルガムのうち少なくとも1つである。還元剤の添加量は、2〜2.5当量(GQDの酸素含有量が最も高い場合に可能な化学式がC2(OH)2であるので、これにより還元剤当量を計算する)であってもよい。
還元反応の反応媒体、すなわち上記溶剤は、水又はテトラヒドロフラン溶液であってもよい。このステップは、具体的には、以下のように挙げられる。精製して得られたグラフェン量子ドット乾燥粉末を、質量比が0.1〜5%である水又はテトラヒドロフラン溶液に調製して、空気浴で加熱する。加熱温度は、25℃〜100℃であってもよいが、30℃〜60℃であることが好ましい。還元剤を添加してリフラックス下、0.5〜4時間還元して、酸素含有量が低いグラフェン量子ドットを得る。その後に、さらに精製を行うと、酸素含有量がより低いグラフェン量子ドット乾燥粉末を得ることができる。精製は、具体的には、以下の通りにすればよい。
還元反応後の反応システムを濾過し、濾液を蒸発乾固して、低酸素含有量のグラフェン量子ドットと塩との混合結晶を得る。さらに、結晶を有機溶剤で洗浄して、有機相に溶解しない無機塩を濾過除去することで、低酸素含有量グラフェン量子ドットの乾燥粉末を得る。前記有機溶剤は、シクロヘキサン、N‐ヘキサン、石油エーテル(30〜60)、石油エーテル(60〜90)、石油エーテル(90〜120)、酢酸エチル、ジメチルカーボネート、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭などのような極性が比較的小さい有機溶剤であることが好ましく、酢酸エチル、石油エーテル(60〜90)、n‐ヘキサン、ジクロロメタン又はそれらの混合物であることがより好ましい。
ステップ3は、酸素含有量が異なるグラフェン量子ドットを得るプロセスであり、本発明においては、グラジエント溶出法を用いることによって実現される。具体的には、極性が異なる溶出液を使用することで、酸素含有量が異なるグラフェン量子ドットの抽出が実現される。極性が大きい溶出液によって溶出したグラフェン量子ドットの酸素含有量は高くなり、極性が小さいものでは酸素含有量が低くなる。
本ステップは、具体的には、先に担持を行い、次にグラジエント溶出を行うものである。先に担持を行うと、溶出剤の用量を減少させることに有利であり、操作がより簡単になる。担持用の担体は、酸化アルミニウム、クロマトグラフィシリカゲル、又は活性炭であってもよく、具体的には、60メッシュ〜325メッシュの酸化アルミニウム、60メッシュ〜325メッシュの活性炭、又は60〜325のメッシュのクロマトグラフィシリカゲルであってもよい。担体は、クロマトグラフィシリカゲルであることが好ましく、100〜200メッシュのクロマトグラフィシリカゲルであることがより好ましい。
担持のステップは、具体的に次のようなものでよい。
グラフェン量子ドット乾燥粉末を担体と溶剤中でペーストに形成し、干燥した後、グラフェン量子ドットが担持された担体を得る。より具体的には、グラフェン量子ドット乾燥粉末を溶剤に溶解させて、質量比が0.5〜5%の溶液に調製し、さらに溶液と同体積の担体を加え、徐々に攪拌してペーストを形成し、得られたペーストを室温で乾燥させることで、グラフェン量子ドットが担持された担体を得る。ただし、前記の溶剤は、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、シクロヘキサン、ジクロロメタンなどの有機溶剤のうち少なくとも1つであってよく、メタノール、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン又はそれらの混合物であることが好ましい。
グラジエント溶出に使用する溶出剤には、第一極性溶剤と第二極性溶剤が含まれる。前記第一極性溶剤の極性は、前記第二極性溶剤の極性より大きく、すなわち、第一極性溶剤は極性がより大きい溶剤である。具体的には、水、メタノール、エタノール、グリコール、塩酸‐メタノール溶液、テトラヒドロフラン、蟻酸、酢酸、アセトニトリル、N,N‐ジメチルホルムアミド、エチルエーテル、アセトン、ニトロメタンのうちの一又は複数が含まれてもよい。第二極性溶剤は、極性がより小さい溶剤であり、シクロヘキサン、n‐ヘキサン、石油エーテル、酢酸エチル、ジメチルカーボネート、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭のうちの一又は複数を含む。第一極性溶剤と第二極性溶剤との割合を変更することで、溶出剤の極性の変化を実現することができる。グラジエント溶出のプロセスにおいて、第二極性溶剤と第一極性溶剤との体積比は1:(0.05〜20)であればよい。
グラジエント溶出は、具体的には、真空液体クロマトグラフィ又はカラムクロマトグラフィによって行うものである。本発明の好ましい形態としては、真空液体クロマトグラフィによりグラジエント溶出を行う。すなわち、グラフェン量子ドットが担持された担体を、真空液体クロマトグラフィ(VLC)によって分離純化することで、酸素含有量が異なるグラフェン量子ドットが得られる。より具体的には、当該ステップは以下の通りである。
1つの短いシリカゲルカラムを充填し、前のステップで得られたGQDが担持された担体を、カラムの頂部に加えて、VLC真空液体クロマトグラフィ分離を行う。溶出剤としては、混合比が1:(0.05〜20)の小極性溶剤と大極性溶剤が選ばれる。順次、バッチ溶出を行うと、溶出後、酸素含有量が異なるグラフェン量子ドットが得られる。その後、その純度を決定するように溶出された生成物に対してそれぞれ蛍光キャラクタリゼーションを行い、単一組成の有機相を蒸発乾固することで、酸素含有量が異なるグラフェン量子ドットを得ることができる。
真空液体クロマトグラフィを選んで用いてグラフェン量子ドットを純化することで、溶出剤の用量が少なくなり、分離したグラフェン量子ドットの酸素含有量の分布がより狭くなる。
本発明は、酸素含有量が異なるグラフェン量子ドットの製造方法を提供するものである。当該方法では、まず、酸化グラフェンを過酸化物の溶液中に分散させて、酸化グラフェン分散液を得る。このステップにおいて、過酸化物は、酸化剤として、酸素含有量の分布がより広いグラフェン量子ドットの形成に有利であり、これが、後に酸素含有量が異なるグラフェン量子ドットを得るための前提となる。その後、酸化グラフェン分散液とアルカリ液を混合して、グラフェン量子ドットを得る。最後に、グラフェン量子ドットの担持後にグラジエント溶出を行う。溶出剤の極性を変更させることで、溶出後に酸素含有量が異なるグラフェン量子ドットが得られる。これらのことから分かるように、本発明にかかる方法により、グラフェン量子ドットの酸素含有量を制御することが実現でき、さらに、製品の励起波長を制御することが実現できるので、これが、LED、細胞マーカーなどの分野におけるグラフェン量子ドットの応用の確実な前提となる。また、本発明にかかる方法は、簡単で操作しやすいという特徴も有している。
さらに、本発明の実施例は、グラフェン量子ドットを提供するものである。その酸素含有量は2%〜40%であり、その励起波長は500nm〜750nmであってよく、好ましくは、酸素含有量が15%〜40%であり、励起波長が550nm〜700nmであり、より好ましくは、酸素含有量が15%〜25%であり、励起波長が550nm〜600nmである。当該グラフェン量子ドットは、蛍光材料に応用されうる。
それに応じて、本発明のもう一つの実施例は、さらに蛍光材料を提供するものである。当該蛍光材料には、上記グラフェン量子ドットが含まれる。具体的には、当該蛍光材料は、細胞マーカーに用いられる蛍光染料であってもよく、LEDの蛍光粉末であってもよく、WLEDの発光層材料などであってもよい。
以下、具体的な実施例と関連付けて本発明の具体的な実現について詳細に説明する。
実施例1
酸化グラフェン(C:O=5)を濃度が5wt%の過酸化水素溶液に溶解し、180Wの出力で30分間超音波分散して、酸化グラフェン分散液を生成する。当該分散液における、酸化グラフェンの濃度は0.3wt%である。
飽和水酸化ナトリウム溶液を調製する。
反応システムの温度が水浴温度と同一となるまで飽和水酸化ナトリウム溶液を20℃の水浴で加熱して、回転数が100rpmの機械的攪拌又は磁気攪拌を開始する。続いて、飽和水酸化ナトリウム溶液に酸化グラフェン分散液を一滴ずつ加えるように滴下し、攪拌して十分に反応させる。酸化グラフェン分散液と飽和水酸化ナトリウム溶液との体積比は10:1である。滴下完了後、混合液を濾過して濾過ケーキを捨て、グラフェン量子ドット(GQD)の水溶液が得られる。
GQDの水溶液に塩酸を加えてpHを6〜7に調整してから、徐徐に蒸発乾固すると、GQDと塩の混合結晶が得られる。さらに、結晶を体積比が5:1の37%塩酸‐メタノール溶液で洗浄し、システムに溶解しない無機塩を濾過除去し、溶剤を蒸発乾固して除去して、GQDの乾燥粉末が得られる。
GQD乾燥粉末をメタノールに溶かして質量濃度が5%のメタノール溶液を調製し、溶液と同体積の200メッシュのクロマトグラフィシリカゲルを加え、徐徐に攪拌して、ペーストを形成してから、得られたペーストを室温で乾かして、GQDが担持された担体が得られた。
1つの短いシリカゲルカラムを充填し、前のステップで得られたGQDが担持されたシリカゲルを、カラムの頂部に加えて、VLC真空液体クロマトグラフィ分離を行う。溶出剤としては、混合比が1:0.05から1:10の酢酸エチル‐メタノールが選ばれ、1:0.05から1:1まで順次増加する10グループに分けて、順次、バッチ溶出を行う。1:3、1:10の組成は純相である。2つの純相がそれぞれ蒸発乾固されると、酸素含有量が異なるグラフェン量子ドット乾燥粉末が得られ、それぞれをサンプル1及びサンプル2とする。図1は、サンプル1の原子間力顕微鏡図である。図からわかるように、製造された製品がグラフェン量子ドットであり、そのサイズの分布はおよそ均一である。上記サンプルの元素分析による結果は次の通りである。
Figure 0006877431
このことから分かるように、本実施例により、酸素含有量が異なるグラフェン量子ドットが製造される。
上記サンプル1を蛍光テストで分析した、分析結果は図2に示される。図2から分かるように、製造されたグラフェン量子ドットは、励起受け取り依頼性を有し、波長が異なる光で励起されることによって、励起ピークのピーク位置が異なり、独特な蛍光特性を有している。
実施例2
GO(C:O=1)を濃度が30wt%の過硫酸アンモニウムの溶液に溶解し、120Wの出力で1時間超音波分散して、グラフェン分散液を生成する。当該分散液における、GOの濃度は4.5wt%である。
飽和水酸化カリウム溶液を調製する。
反応システムの温度が水浴温度と同一となるまで飽和水酸化カリウム溶液を120℃のオイル浴で加熱して、回転数が500rpmの機械的攪拌又は磁気攪拌を開始する。続いて、飽和水酸化カリウム溶液に酸化グラフェン分散液を一滴ずつ加えるように滴下し、攪拌して十分に反応させる。酸化グラフェン分散液と飽和水酸化カリウム溶液との体積比は100:1である。滴下完了後、混合液を濾過して濾過ケーキを捨て、GQDの水溶液が得られる。
GQDの水溶液に塩酸を加えてpHを6〜7に調整してから、徐々に蒸発乾固すると、GQDと塩の混合結晶が得られる。さらに、結晶をテトラヒドロフランで洗浄し、THFに溶解しない無機塩を濾過除去し、最後にTHFを蒸発乾燥すると、GQDの乾燥粉末が得られる。
前記のGQDの乾燥粉末を1%の水溶液に調製し、空気浴で加熱温度が95℃となるように加熱するとともに、2.5当量のヒドラジンを加えてGQDを還元させ、2時間リフラックスする。反応完了後、残渣があればそれを濾過除去して、過剰な還元剤を塩酸で消滅させる。さらに、濾液を蒸発乾燥して、低酸素含有量のGQDと塩の混合結晶を得る。さらに、酢酸エチルで結晶を洗浄し、酢酸エチルに溶解しない無機塩を濾過除去し、蒸発乾燥後に、低酸素含有量GQDの乾燥粉末が得られる。
当該乾燥粉末を0.5%のメタノール溶液に調製し、溶液と同体積の200メッシュのクロマトグラフィシリカゲルを加え、徐々に攪拌して、ペーストを形成してから、得られたペーストを室温で乾燥させると、GQDが担持された担体が得られた。
1つの短いシリカゲルカラムを充填し、前のステップで得られたGQDが担持されたシリカゲルを、カラムの頂部に加えて、VLC真空液体クロマトグラフィ分離を行う。溶出剤としては、混合比が1:0.05から1:10のジクロロメタン‐エタノールが選ばれ、1:0.05から1:1まで順次増加する10グループに分けて、順次、バッチ溶出を行う。1:0.155、1:0.575、1:1の組成は純相である。3つの純相がそれぞれ蒸発乾固されると、酸素含有量が異なるグラフェン量子ドット乾燥粉末が得られ、それぞれをサンプル3、サンプル4及びサンプル5とする。図3は、サンプル3の原子間力顕微鏡図である。図からわかるように、製造された製品がグラフェン量子ドットである。
上記サンプルの元素分析による分析結果を下表に示す。
Figure 0006877431
このことから分かるように、本実施例により、酸素含有量が異なるグラフェン量子ドットが製造される。
実施例3
GO(C:O=2)を濃度が20wt%の過硫酸カリウムの溶液に溶解し、100Wの出力で2時間超音波分散して、酸化グラフェン分散液を生成する。当該分散液における、GOの濃度は2wt%である。
飽和水酸化ナトリウム溶液を調製する。
反応システムの温度が水浴温度と同一となるまで飽和水酸化ナトリウム溶液を80℃の水浴で加熱して、回転数が500rpmの機械的攪拌又は磁気攪拌を開始する。続いて、飽和水酸化ナトリウム溶液に酸化グラフェン分散液を一滴ずつ加えるように滴下し、攪拌して十分に反応させる。酸化グラフェン分散液と飽和水酸化ナトリウム溶液との体積比は50:1である。滴下完了後、混合液を濾過して濾過ケーキを捨てると、GQDの水溶液が得られる。
GQDの水溶液に塩酸を加えてpHを6〜7に調整してから、徐々に蒸発乾固すると、GQDと塩の混合結晶が得られる。さらに、結晶をテトラヒドロフランで洗浄し、THFに溶解しない無機塩を濾過除去し、最後にTHFを蒸発乾燥すると、GQDの乾燥粉末が得られる。
前記のGQDの乾燥粉末の一部を2%の水溶液に調製し、空気浴で加熱温度が30℃となるように加熱するとともに、2当量のヒドラジンを加えてGQDを還元させ、2時間リフラックスする。反応完了後、残渣があればそれを濾過除去して、過剰な還元剤を塩酸で消滅させる。さらに、濾液を蒸発乾燥して、低酸素含有量のGQDと塩の混合結晶を得る。さらに、酢酸エチルで結晶を洗浄し、酢酸エチルに溶解しない無機塩を濾過除去して、蒸発乾燥後に、低酸素含有量GQDの乾燥粉末が得られる。
前述の低酸素含有量GQD乾燥粉末と以前に得られた酸素含有量が高い乾燥粉末とを1:1で混合して、合わせて3wt%のメタノール溶液に調製し、溶液と同体積の200メッシュのクロマトグラフィシリカゲルを加え、徐々に攪拌して、ペーストを形成してから、得られたペーストを室温で乾燥させると、GQDが担持された担体を得られた。
1つの短いシリカゲルカラムを充填し、前のステップで得られたGQDが担持されたシリカゲルを、カラムの頂部に加えて、VLC真空液体クロマトグラフィ分離を行う。溶出剤としては、混合比が1:0.05から1:20の石油エーテル(沸点範囲60〜90)‐アセトンが選ばれ、1:0.05から1:20まで順次増加する20グループに分けて、順次、バッチ溶出を行う。1:1、1:15、1:20の組成は純相である。3つの純相がそれぞれ蒸発乾固されると、酸素含有量が異なるグラフェン量子ドット乾燥粉末が得られ、それぞれサンプル6、サンプル7及びサンプル8とする。図4は、サンプル6の原子間力顕微鏡図である。図からわかるように、製造された製品がグラフェン量子ドットである。
上記サンプルを元素分析すると、分析結果は下表の通りとなる。
Figure 0006877431
このことから分かるように、酸素含有量が異なるグラフェン量子ドットが得られた。
実施例4
GO(C:O=4)を濃度が3wt%のジベンゾイルパーオキシドの溶液に溶解し、100Wの出力で2時間超音波分散して、酸化グラフェン分散液を生成する。当該分散液における、GOの濃度は4wt%である。
飽和エチレンジアミン溶液を調製する。
反応システムの温度が水浴温度と同一となるまで飽和エチレンジアミン溶液を80℃の水浴で加熱して、回転数が500rpmの機械的攪拌又は磁気攪拌を開始する。続いて、飽和エチレンジアミン溶液に酸化グラフェン分散液を一滴ずつ加えるように滴下し、攪拌して十分に反応させる。酸化グラフェン分散液と飽和エチレンジアミン溶液との体積比は80:1である。滴下完了後、混合液を濾過して濾過ケーキを捨て、GQDの水溶液が得られる。
GQDの水溶液に塩酸を加えてpHを6〜7に調整してから、徐々に蒸発乾固すると、GQDと塩の混合結晶が得られる。さらに、結晶をテトラヒドロフランで洗浄し、THFに溶解しない無機塩を濾過除去し、最後にTHFを蒸発乾燥すると、GQDの乾燥粉末が得られる。
GQDの乾燥粉末を3%のメタノール溶液に調製し、溶液と同体積の200メッシュのクロマトグラフィシリカゲルを加え、徐々に攪拌して、ペーストを形成してから、得られたペーストを室温で乾燥させると、GQDが担持された担体を得られた。
1つの短いシリカゲルカラムを充填し、前のステップで得られたGQDが担持されたシリカゲルを、カラムの頂部に加えて、VLC真空液体クロマトグラフィ分離を行う。溶出剤としては、混合比が1:0.05から1:20の酢酸エチル‐メタノールが選ばれ、1:0.05から1:20まで順次増加する20グループに分けて、順次、バッチ溶出を行う。1:6、1:13、1:18の組成は純相である。3つの純相がそれぞれ蒸発乾固されると、酸素含有量が異なるグラフェン量子ドット乾燥粉末が得られ、それぞれサンプル9、サンプル10及びサンプル11とする。図4は、サンプル10の原子間力顕微鏡図である。図からわかるように、製造された製品がグラフェン量子ドットである。
上記サンプルを元素分析すると、分析結果は下表の通りとなる。
Figure 0006877431
このことから分かるように、酸素含有量が異なるグラフェン量子ドットが得られた。
サンプル1からサンプル5及びサンプル9からサンプル11を蛍光分析すると、分析結果は図6のように示される。上記サンプルの励起波長は、順に557nm、577nm、497nm、511nm、532nm、607nm、643nm、677nmである。
図6から分かるように、グラフェン量子ドットの酸素含有量が異なる場合、蛍光励起波長も異なる。本発明で提供される方法によれば、励起波長が500nm〜750nmのグラフェン量子ドット、特に励起波長が550nm〜700nmのグラフェン量子ドットを製造することができる。
上記に述べたところは、本発明の好ましい実施例であるにすぎず、本発明を限定するためのものではない。本発明の趣旨と原則の中でなされるいかなる修正、均等な置換や改良なども、すべて本発明の保護範囲内に含まれるべきものである。

Claims (7)

  1. 酸素含有量が異なるグラフェン量子ドットの製造方法であって、
    酸化グラフェンを過酸化物溶液中に分散させて、酸化グラフェン分散液を得るステップ1と、
    前記酸化グラフェン分散液とアルカリ液とを混合し精製して、グラフェン量子ドット乾燥粉末を得るステップ2と、
    前記グラフェン量子ドット乾燥粉末を担体に担持させた後に、グラジエント溶出を行って、酸素含有量が異なるグラフェン量子ドットを得るステップ3と、
    を含む、酸素含有量が異なるグラフェン量子ドットの製造方法。
  2. 前記酸化グラフェンのC/O比が0.5〜5であることを特徴とする、請求項1に記載の酸素含有量が異なるグラフェン量子ドットの製造方法。
  3. 前記酸化グラフェン分散液における、酸化グラフェンの質量濃度が0.1%〜5%であり、かつ/又は、前記過酸化物の溶液の質量濃度が3%〜30%であることを特徴とする、請求項1に記載の酸素含有量が異なるグラフェン量子ドットの製造方法。
  4. 前記過酸化物が、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、ペルオキシ一硫酸カリウム、ペルオキソホウ酸ナトリウム、ジベンゾイルパーオキシド、ジラウロイルパーオキシドのうちの少なくとも1つであることを特徴とする、請求項1に記載の酸素含有量が異なるグラフェン量子ドットの製造方法。
  5. 前記ステップ2に、前記精製をした後に、
    精製後の生成物と還元剤とを溶剤中で反応させ、精製して、グラフェン量子ドット乾燥粉末を得るステップがさらに含まれることを特徴とする、請求項1に記載の酸素含有量が異なるグラフェン量子ドットの製造方法。
  6. ステップ3における前記グラジエント溶出が、具体的には、真空液体クロマトグラフィ又はカラムクロマトグラフィによって行なわれるグラジエント溶出であることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の酸素含有量が異なるグラフェン量子ドットの製造方法。
  7. 前記グラジエント溶出に使用する溶出剤は、第一極性溶剤と第二極性溶剤とを含み、前記第一極性溶剤の極性が前記第二極性溶剤の極性よりも大きく、前記第一極性溶剤には、水、メタノール、エタノール、グリコール、塩酸‐メタノール溶液、テトラヒドロフラン、蟻酸、酢酸、アセトニトリル、N,N‐ジメチルホルムアミド、エチルエーテル、アセトン、ニトロメタンのうちの一又は複数が含まれ、前記第二極性溶剤は、シクロヘキサン、n‐ヘキサン、石油エーテル、酢酸エチル、ジメチルカーボネート、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭のうちの一又は複数を含むことを特徴とする、請求項6に記載の酸素含有量が異なるグラフェン量子ドットの製造方法。
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